どんな本?
『魔法科高校の劣等生』は、佐島勤 氏による日本のライトノベル。
略称は「魔法科」。
物語は西暦2097年、3月。
魔法が現実の技術として確立し、魔法師の育成が国策となった時代を舞台にしている。
主人公は、国立魔法大学付属第一高校(通称「魔法科高校」)に通う兄妹、司波達也と司波深雪。
この作品は、原作小説の累計が1,400万部、シリーズ累計が2,500万部を突破し、大人気のスクールマギクスとなっている。
また、2024年には3期目のTVアニメが放送されることが決定している。
さらに、この作品は様々なメディアで展開されており、ライトノベルだけでなく、漫画やアニメでも楽しむことができる。
読んだ本のタイトル
魔法科高校の劣等生 (19) 師族会議編<下>(The Irregular at Magic High School)
著者:佐島勤 氏
イラスト: 石田可奈 氏
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あらすじ・内容
黒幕の魔術師を追う達也。しかし、そこにUSNA軍の横やりが入り――!
死体を操る魔法で自爆テロを敢行させるという残酷な計画を企てた魔法師・顧傑(グ・ジー)は、気配を消して日本に潜伏していた。
魔法科高校の劣等生(19) 師族会議編<下>
この自爆テロ事件によって、世論が魔法師を糾弾しはじめ、人間主義の勢力が勢いづく中、十師族は黒幕の捜査を決める。
十文字克人、七草真由美、一条将輝と協力して司波達也は顧傑の行方を探す。
しかし、手掛かりを掴んだ達也の前に思わぬ敵が立ち塞がる。
USNA軍。米軍最強の魔法師部隊スターズのナンバー2、ベンジャミン・カノープス少佐も参戦するこの『顧傑』争奪戦は、思わぬかたちで達也を激怒させ……!
感想
黒幕の魔法師顧傑を追う達也の戦いが描いていた。
顧傑は、自爆テロを起こすために死体を操る魔法を使い、その事件を通じて世論が魔法師に対して批判的になるよう仕向けた。
この事件を受けて、十師族は顧傑の捜査を始めることになり、十文字克人、七草真由美、一条将輝と協力して達也は顧傑の行方を追う。
しかし、捜査が進むにつれて、予期せぬ障害が立ちはだかる。
USNA軍が日本側に顧傑を捕まえさせないように動き出し、米軍最強の魔法師部隊スターズのナンバー2、ベンジャミン・カノープス少佐もこの争奪戦に参加する。
この争いは達也を怒らせ、思わぬ展開へと発展していく。
物語の中で、達也たちは顧傑を捕縛しようと奔走するが、USNA軍の介入により彼の捕縛には失敗してしまう。
顧傑は日本を脱出しようとするが、最終的には彼の処分は完了するものの、達也にとっては不本意な結果となる。
一方で、千葉寿和の悲劇は深い悲しみを残し、エリカは達也に八つ当たりして、達也によって阻止される。
この事件を通じて、USNA軍との関係がさらに悪化し、次の敵がUSNA軍になるのかという憶測が生まれる。
また、一条将輝の日記は、シリアスな本編とは対照的に、彼が普通の高校生であることを示しており、和みを提供してくれたが、彼が達也のライバルかと考えると。。
役不足感が拭えない。
備忘録
11
駅から一高に至る道で、人間主義者がアンティナイトを用い、魔法の発動を妨げる行為をした。
水波はキャスト・ジャミングのノイズに苦しむが、過去の辛い記憶が蘇った深雪は激しい怒りを感じつつも、水波の止めにより暴走を避ける。
深雪は、達也の忠告を思い出し、攻撃的な魔法を使うことなく、周囲に「無垢なる想子光」を放つ。この光はキャスト・ジャミングのノイズを和らげ、水波の苦痛を軽減させた。
泉美と水波は深雪の行為に感動するが、人間主義者はそれを信じられず、混乱する。
その時、達也が現れ、アンティナイトが放つノイズを消去し、場を支配する。
捜査に行き詰まりを感じていた達也は、テロの黒幕顧傑の足取りを追うため鎌倉へ向かうが、途中で深雪への危害を感じ取り一高へ急ぐ。
達也は深雪の安全を最優先としており、顧傑の捜索を一時中断する。
鎌倉から引き返した達也は、深雪を取り囲んでいる人間主義者たちの現場に到着し、彼らが使用するキャスト・ジャミングを消去する。
達也の到着により深雪の不安は和らぎ、達也は深雪に対する危害を加える者への怒りを新たにする。
達也は人間主義者たちを威圧し、深雪と他の生徒たちを安全に学校に戻すよう指示する。
その過程で、再び人間主義者たちが魔法を使用しようとするが、達也は容易にそれを無効化する。
しかし、彼らのリーダーが突如、邪悪な魔法を発動させる。
達也はこの魔法の真の術者を追跡しようとするが、その術者が近江円磨であることを突き止める。
その瞬間、術者の情報が死者へと変わる。達也は、術者が彼の追跡を始めた直後に殺されたことに気づく。
この出来事は、情報を逆探知する技術を持つ達也への反撃や、内部の裏切りによるものかもしれない。
達也はこの厄介な相手に対処するため、これまで以上に強硬な手段を取る必要があるかもしれないと感じる。
顧傑は、敵の追跡を感じ取り、近江円磨を殺害して逃走の準備を進める。
彼は、使用していた魔法の経路を逆に伝ってくる何者かの意思を感じ取り、自らの位置が露見する可能性を恐れて近江を殺害した。
一方で、泉美は学校での聴取に臨み、事件の状況を説明する。
彼女は、暴漢たちが自分たちを優先的に襲うターゲットと決めていたことを証言し、その結果、学校は臨時休校を決定する。
顧傑は自分の安全を最優先に考え、泉美は学校側への報告という責任を果たすが、その中で組織的な犯罪の可能性が高いという恐怖に直面している。
達也たち三人が警察署での事情聴取から帰宅した後、家でゆっくりする予定が、十文字家の新当主からの招待メールを受け取り、急遽出掛けることになった。
達也と深雪は普段着に着替え、水波がお茶を入れたが、彼らはそのお茶を飲んだ後、食事を外で済ませることにして、水波には自由にしてもらうことにした。
深雪は、帰りが遅くなる可能性があることを水波に伝えた。
深雪と達也は十文字家の克人たちとレストランで会合を持った。
達也が以前連絡していた通り、二人は遅れて到着し、深雪の安否を気遣う克人たちに出迎えられた。
達也は、反魔法主義者が魔法を使った攻撃について説明し、その中継点がブランシュの下部組織「エガリテ」のメンバーであったことを報告した。
この情報に克人たちは驚き、ブランシュの存在を疑問視した。
達也は古式魔法師による遠隔操作の可能性について言及し、調査中であることを伝えた。
その後、真由美は深雪に護衛をつけることを提案し、深雪は当惑した。
達也は囮にする計画があるかと問い詰め、将輝は自ら囮になると申し出た。
しかし、達也は四葉家で護衛を手配すると言って真由美の提案を断った。
議論は、反魔法主義者が深雪だけでなく、七草家の泉美も狙っていたことに触れ、真由美の護衛の必要性について話が及んだ。
真由美は自分で防衛できると主張したが、克人と達也は護衛の見直しを勧めた。
最終的に、深雪に護衛を付けるのは避けられそうにないが、真由美の護衛については議論が続いた。
達也たちがミーティング後の会食に移る頃、九重八雲は異相の持ち主、東道青波という老人を迎えていた。
この老人は、かつての第四研のオーナーであり、現在は四葉家のスポンサーだが、単なるスポンサーというわけではない。彼は八雲に、大陸の術師である顧傑の排除を依頼した。
顧傑は死者を操る術を使い、清祓が間に合わないほどのケガレをまき散らしているという。
八雲には顧傑の元を絶つ手助けをしてほしいと求めたが、直接の退治は求めず、日本からの排除で良いと述べた。
東道老人の主な関心は、達也が不都合な状況に陥らないよう手綱を握ることにあった。
顧傑の処分はスターズに任せても良いと考えており、報酬として座布団十枚(十億円)または仏像を提示したが、八雲は世捨て人を自称し、金銭や仏像の報酬を断った。
12
達也と深雪が克人、真由美、将輝との会食から帰宅したのは午後十時を過ぎていた。
水波は二人を出迎え、一高からの緊急連絡を伝えた。緊急連絡の内容は、明日から二十三日の土曜日まで休校になるというものだった。
深雪は学校のロッカーに私物を置き忘れたことを達也に話し、二人は翌日それを取りに行くことにした。
夜更けに、達也は深雪に翌日の早朝、四時に実験室に来るよう依頼し、入浴後にガウンと水着を着て来るよう指示した。
深雪は達也の異例の依頼に動揺しながらも承諾し、早起きすることを心に誓った。
深雪はわずか三時間の睡眠で午前三時に起き、念入りに身体を洗い、下着にガウンを着て地下の実験室に向かった。
達也は水着姿で彼女を待っており、深雪もガウンを脱ぎ、エレガントな白の下着姿をさらした。達也は深雪に自分の「眼」の能力と、情報選別の必要性について語った。
彼は常に自分のリソースの半分を深雪の守護に割いており、彼女から目を離せない不安から、顧傑の居場所を特定するために必要なリソースを確保できないでいた。
深雪は達也の感情的な問題を理解し、自分にできることを尋ねた。
達也は深雪に対する強い愛情を表現し、彼女の存在が自分にとってどれほど重要かを語った。
最終的に、深雪の言葉が達也に力を与え、彼は顧傑の居場所を特定するために必要なリソースを解放した。
二人は密接な関係を共有し、深雪は達也を完全に信頼し、彼の任務を支える決意を新たにした。
顧傑はある夜、見えない視線によって睡眠から覚めさせられ、その正体を探る間もなく対抗魔法を発動するが、攻撃は一度きりで終わり、彼には肉体的なダメージはなかった。
このことから、彼はこの場所が何者かに知られたと判断し、移動を決意する。
一方、深雪は達也の強力な魔法の気配によって正気を取り戻し、羞恥心に苛まれながらも、彼が提案する計画に協力する。達也は彼の「眼」のリソースを一時的に解放し、顧傑の居場所を特定するために使用した。
彼は深雪に対する強い愛情を表明し、彼女の支援に感謝を示す。
達也は顧傑に印をつけ、彼の位置を追跡可能にしたことを深雪に説明する。
これにより、彼は顧傑の捕縛に向かう準備ができたことを示し、深雪は彼の決意と能力を信じて疑わない。
達也は任務関係者に連絡を取る適切な時間まで九重寺で修行を行い、その後、顧傑の捜索について八雲に協力を求める。
八雲は過去にも達也の任務に協力しており、今回も快く手助けを申し出る。
達也はこれにより、顧傑の捜索に向けてさらなる支援を得ることができた。
一方、休校中の学校には将輝が一人で学習しており、深雪と達也は彼の存在に驚くが、将輝が三高の授業を一高で受けていることを理解している。
将輝は翌日から三高も休校になるため、その日は午前中で学習を終える予定であった。
深雪と達也は将輝を邪魔しないように静かに荷物を回収し、学校を後にした。
達也は顧傑の捜索活動を進めるため、将輝の空いている時間を利用して手配を行う。
一方で、真由美との会話では、顧傑が平塚市に潜伏していることを伝え、警察の協力を得るための動きを提案する。
真由美は達也の提案に同意し、警察の動きを手配することを約束する。
その後、達也の家には文弥と亜夜子が訪れ、古式魔法師の死体についての情報を提供する。
彼らは顧傑とは異なるタイプの死体操作術を使う古式魔法師、近江円磨の死体を確認し、顧傑が新たに二人の死体を調達したことを報告する。
達也は、文弥と亜夜子が週末までの護衛を申し出たことを受け入れ、彼らを自宅に滞在させることにする。
達也は任務に出発する前に、深雪と文弥、亜夜子に事情を説明し、深雪にその後のことを頼む。
達也は顧傑の捕縛を目指し、成功を誓う。
13
顧傑の捕縛を目指す克人率いる合同部隊が平塚市内に展開を開始したが、その動きは顧傑を支援する勢力に察知されていた。
スターズのナンバーツー、ベンジャミン・カノープス少佐は、非合法工作員の集団を使って顧傑逮捕の阻止を命じる。
この工作員は、スターダストに近い性質を持ち、半分が魔法師、残り半分は生化学的または機械的に強化された者たちで構成されている。
一方で顧傑は、日本からの脱出を試みていたが、彼の計画は難航していた。
無頭竜の残党が所有する密貿易船を利用する予定だったが、無頭竜の新首領である孫美鈴が日本に敵対する行動を禁じているため、協力者を見つけるのが困難になっていた。
顧傑は杜という人物に協力を求め、彼から船の手配がついたと報告を受ける。
顧傑は日本からの脱出を急ぐことにし、荷造りを済ませて早急に出発する準備を進めた。
午後六時、平塚市の市街地では、七草智一率いる顧傑捕縛隊が動き出していた。
しかし、顧傑の逃亡を支援する勢力により、彼らの動きは既に察知されていた。
USNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊スターズのベンジャミン・カノープス少佐は、非合法工作員の集団を使い、顧傑逮捕の阻止を命じる。
この工作員は、魔法師と非魔法師で構成され、強化措置を受けた使い捨ての強化兵士である。
顧傑は、杜という人物に協力を求め、船の手配がついたと報告を受ける。彼らは、相模川河口近くの漁港または新港に向かい、海路での脱出を試みていた。
しかし、追跡車輌が彼らを尾行していたことに顧傑は気づき、杜は追跡を妨害するための措置を講じていた。
突然、後方で爆発が発生し、しかし追跡車輌は無傷で追い続ける。
最終的に、追跡車は顧傑の車を追いかけている最中に、交差点で信号無視の乗用車に衝突し、追跡は失敗した。
顧傑を追跡していた克人たちは、後方からグレネード攻撃を受けるが、克人の魔法障壁でこれを防ぐ。
克人は通信で智一に連絡し、自分が不審車を対処すると伝え、顧傑の拘束を依頼する。
その後、克人は魔法で不審車を破壊するが、車内には誰もおらず、同時に追跡部隊が事故を起こす。
智一の車は損傷するものの、彼は無事であり、他の追跡車両も大きな被害を受けるが、乗員は生存していた。
克人は事故現場を整理し、智一は警察に応急処置を施す。
その後、克人は達也と将輝が待機する新港に向かうが、顧傑が進路を変えたことを察知し、追跡を続行する。
達也は急にバイクから飛び降り、そのバイクは上空からの襲撃により破壊される。
顧傑が新港ではなく、予期せぬ方向へ進路を変える。その後、顧傑の命令で後部座席から死兵が飛び出し、追跡中の達也たちに襲い掛かる。
達也は車から飛び降りて、死兵との戦闘に入るが、襲撃者は意外にも千葉寿和警部であった。達也は寿和との戦闘で、寿和が死につつある状態で魔法を使っていることに気づく。
寿和の攻撃を回避しながら、達也は寿和が何者か、なぜテロリストの味方をしているのかを問い掛けるが、答えは得られない。
最終的に達也は寿和を倒し、八雲が現れて後始末を手伝うことになる。
達也はその場を去り、八雲とその弟子たちは寿和の遺体を処理する。
達也が戦闘に集中している間に、顧傑は目的地にほぼ到着していた。
杜の指示で、彼らは砂防林を抜けて砂浜に出て、水陸両用車に乗り換える準備をしていた。
その際、顧傑は追跡部隊に対する抵抗として傀儡と化した稲垣を使い、追手に発砲させる。
一方、カノープスは日本の追跡部隊からの迎撃の許可を求められ、実弾による足止めを許可する。
彼はこの任務の結果がどうあれ、自身にとって後味の悪いものになるだろうと感じていた。
将輝は、顧傑が乗った車が砂浜に向かったことを見て、これを捕縛する好機と見た。
砂浜での戦闘を選択し、顧傑の車を追跡する。
砂浜で顧傑が乗り換えを試みる際、将輝は砂浜に停車していた車を攻撃し、炎上させる。
その際、顧傑の車から転がり出てきた青年に対して、十文字家の魔法師が応戦し、将輝は顧傑を追う決意を固める。
しかし、追撃中に将輝は敵の攻撃を受け、十文字家の魔法師たちは強力な銃撃に耐えながら防御に集中する。
攻撃者がUSNA軍である可能性を将輝は推測し、顧傑を収容した水陸両用車が海へ逃走するのを目の当たりにする。
将輝は防御に専念し、敵の猛攻に対抗する。
克人とその部下たちは、砂浜へと続く小道で激しい銃撃戦に巻き込まれた。
克人は一人で敵の攻撃に対抗し、対物防壁魔法で銃弾や手榴弾の爆発を防ぎ、敵を圧倒した。
彼は、この戦闘が日本の主権に対する挑戦であり、治安維持の観点から無視できないと判断し、顧傑の捕縛よりも銃撃戦の鎮圧を優先した。
一方、将輝は砂防林での戦闘に気付き、克人が戦っていると確信し、彼の支援に向かった。
克人と将輝、そして十文字家の魔法師たちは、USNAの非合法部隊を制圧し、この場の戦闘を終結させた。
カノープスは、妨害部隊が全滅したと知り、彼らが時間稼ぎの任務を果たしていると判断した。
顧傑は既に逃走用の船に乗り込んでいたため、カノープスは妨害部隊に対して自爆魔法を発動させるボタンを押した。
この時、克人と将輝は、敵の抵抗が完全に止んだ後で砂防林での敵を制圧していたが、突然、敵兵が自爆魔法によって燃え上がり、周囲に火が広がり始めた。
克人は将輝も守りながらシールドを張り、周囲の火の延焼を防ぐために即座に消火活動を指示した。
この時点で、顧傑の追跡よりも延焼の防止が最優先課題となっていた。
達也は飛行魔法を使わずに、海岸と平行に幹線道路を時速60キロで走っていた。
彼は独立魔装大隊の支援を受けておらず、ムーバル・スーツを着用していないため、飛行中の敵の攻撃に対処できないと判断していた。
顧傑は既に遠く沖に出ており、達也は顧傑の逃亡に手を貸している勢力が米軍であると推測していた。
消火活動が一段落ついたところに到着した達也は、敵が自爆したことを知り、顧傑を消し去ることを視野に入れた。しかし、まずは将輝たちと合流することを考えた。
その後、真由美から連絡があり、巡視船に乗って顧傑の追跡に協力することになった。
克人は残って火事の後始末と警察や消防への説明を担当することになり、達也と将輝は巡視船に向かって海の上を疾走した。
顧傑は水陸両用車で海上に脱出し、高速貨物船に乗り込んでいる。
現在は船長用のキャビンで休息しており、部下の杜から紹興酒を勧められている。
杜は顧傑に日本の領海から脱出するまでの状況を報告し、追っ手がいないことを伝える。顧傑は安堵感を覚えつつも、完全に安全が確保されたわけではないことを認識している。
杜は顧傑にさらに船を乗り換えてシドニーへ向かう計画を説明し、顧傑はそれに同意する。
杜が部屋を去った後、顧傑は紹興酒の瓶を手に取る。
海から跳び上がって巡視船に乗り込んだ達也を出迎えたのは、真由美と八雲だった。
達也は八雲の乗船理由を疑問視し、将輝も真由美に八雲の存在を問い掛けた。
真由美は、事件解決のために八雲を協力者として迎え入れたことを説明し、自分の行動について達也に確認を取った。
達也は、追跡を優先することを決め、巡視船のブリッジへと進んだ。
駆逐艦の戦闘指揮所に呼び出されたカノープスは、日本の沿岸警備艇が顧傑を乗せた貨物船に追いつき、公海へ出た地点で臨検する可能性について聞かされた。
この事態は、国際条約で認められた追跡権を基に、領海内で法令を犯した船を公海上でも追跡し拿捕できる権利を日本が行使することを意味する。
最終段階のプラン変更が必要とされ、カノープスは最悪の事態を避けられたことを幸運に思いつつ、強硬策への準備を指示された。
達也と真由美、将輝、八雲が乗る巡視船は、顧傑が乗った船を公海に出る直前で追いつく。
巡視船から停船命令が発せられ、顧傑の乗っている船は日本の警備艇に捕捉された。
顧傑はキャビンで杜と対面し、追手が一隻であることを知り、対処を命じる。
杜は顧傑によって操られるように巡視船に対する攻撃を実行しようとする。顧傑はこの船を掌握するためにブリッジへ向かった。
巡視船は顧傑が乗る船を追跡し、停止命令を無視されたため威嚇射撃を行う。
しかし、敵船から小型艇が発進し、巡視船に向かってくる。達也は小型艇に乗っているのが顧傑ではないと確認し、水陸両用車であることが判明。水陸両用車は異常な速度で巡視船に向かい、将輝の「爆裂」により停止される。
顧傑の乗る船は威嚇射撃を受け、真由美は魔法「魔弾の射手」で攻撃する。その後、顧傑の船が領海を離れるが、巡視船は追跡を続ける。
その時、USNAの駆逐艦が接近し始め、状況は更に緊迫する。
顧傑はブリッジに入り、船長を含む全員を傀儡化し、船をコントロール下に置いた。
傀儡化は瞬時には完了せず、その間、貨物船は何も警戒せずに直進し続けた。
顧傑がUSNAの駆逐艦の接近に気付いたのは、衝突寸前だったが、船長の命令で全速後進し、衝突は避けられた。
その後、顧傑は強大な魔法の気配に圧倒される。
一方で、カノープス少佐は分子ディバイダーを発動し、貨物船内の顧傑を標的にして攻撃を加えた。
巡視船と貨物船が、USNAの駆逐艦との衝突を避けるために全速後進の命令を下した。
その時、達也は強力な「分子ディバイダー」という魔法の発動を感知し、顧傑を船ごと切り裂こうとする動きに気づく。
達也が魔法を無効化しようとするが、八雲に制止される。その結果、顧傑を乗せた船は両断され、顧傑の存在が消え去る。
駆逐艦の艦長は、撃沈した船が停船信号を無視した海賊船であると説明し、不満があるなら外交ルートで解決するよう返答する。
達也、将輝、真由美は、顧傑が沈んだ海と去っていく駆逐艦を見て、空しさを感じる。
14
達也は愛車のバイクを失ったため、八雲の車に同乗して自宅まで帰ることになった。
達也が八雲に、なぜ米軍の魔法を無効化しようとした際に邪魔をしたのかと問うと、八雲はそれが軽率だったからと答える。
八雲は、顧傑をテロの黒幕として明らかにする必要があったと指摘し、達也が米軍ナンバーツー、ベンジャミン・カノープスの魔法を無効化した場合、米軍から敵と見なされ、四葉家にとって重大なリスクを招くことになると説明する。
達也がその時、そこまで考えていたかどうか疑問を投げかけると、達也は自分の考えが短絡的だったことを自覚する。
達也は深夜2時に帰宅し、深雪に出迎えられた。彼女は達也のために風呂と軽食を用意しており、文弥と亜夜子も起きていて達也を迎えた。
達也は任務が失敗したと報告し、顧傑がUSNAの魔法師に殺され、テロの首謀者を世間に示すことができなくなったことを説明した。
深雪は達也の帰還を何よりも嬉しく思い、彼を慰めた。
達也と深雪はそれぞれの部屋に引きこもり、文弥と亜夜子も就寝の準備をする。
二人が子供の頃以来の共同生活について話し合う中、亜夜子は深雪の一途な達也への想いが達也を元気づけたことを感じ取る。
一方、文弥は亜夜子の美しさを認め、亜夜子は文弥をからかう。
このやり取りは二人の仲の良さを示しており、最終的には「おやすみ」の言葉で夜を閉じる。
顧傑の捕縛、捕殺に失敗した後の日、達也は八雲および彼の弟子と共に千葉家を訪れる。訪問の目的は、千葉寿和の死体引き渡しであった。深雪には事件の後始末に出掛けるとのみ伝え、文弥、亜夜子、水波には家から出ないよう言い付けた。千葉家では、寿和の父親が深く頭を下げる中、八雲が寿和が傀儡にされた経緯を説明する。エリカと達也は道場で向き合い、エリカが仇討ちを挑むも、達也に敗れる。
エリカは敗北を認め、涙を流すが、達也は彼女の前で待ち、ハンカチを差し出す。
最終的に、達也は寿和が強かったことを認め、エリカはその言葉を弔辞として受け入れる。
八雲は千葉家を辞した後、達也と共に四葉家への報告を前に横浜の魔法協会関東支部を訪れる。
達也は、家族を連れて真夜に顧傑の件で報告し、不首尾に終わったことを謝罪する。
真夜は達也の行動を理解し、気にしないようにと言うが、細かな詳細について問い詰める。
達也は千葉寿和の強さと、顧傑によって増幅された魔法力について説明し、真夜はその魔法の技術に興味を示す。
その後、反魔法主義運動の過激化とブランシュの下部組織による魔法使用の問題が話題に上がり、達也はその複雑さに苦悩する。
この状況は魔法師社会の立場をさらに悪化させる可能性があることを示している。
15
大黒竜也特尉、本名・司波達也は、国防軍一〇一旅団独立魔装大隊隊長・風間玄信中佐に箱根テロ事件の報告を行った。
この事件において、達也はテロの首謀者を追跡し、USNA軍の介入の深刻さを指摘する。風間中佐は、事件の解決には独立魔装大隊がもっと積極的に関与すれば、より良い結果が得られたかもしれないと考え、警察官二人の犠牲を悔やむ。
一方、藤林中尉は達也の報告から、千葉寿和警部の死を深く受け止め、自身の感情に気づく。彼女は過去に婚約者を失った悲しみと、寿和への想いを実感し、後悔の念に苛まれる。彼女の心情は、失われた相手への思いと自身の気持ちの遅れを痛感するものであった。
アニメ
PV
OP
ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)ED
佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED同シリーズ
魔法科高校の劣等生
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー
新魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く
漫画版
四葉継承編
師族会議編
エスケープ編
その他フィクション
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