小説【魔法科】「魔法科高校の劣等生（31）未来編」感想・ネタバレ

　水波を奪還し、今までの日常に戻りつつある達也と深雪。しかしそれはつかの間のものでしかなかった。
　USNAのエドワード・クラークは焦りを覚えていた。達也を無害化するための謀略に対する達也の警告。このままではUSNA内での立場が危うくなり、それを回避するには達也を斃すしかないと。
　そして、新ソ連のベゾブラゾフも復讐の機会をうかがっていた。二度にわたる達也への攻撃が失敗に終わり、自身の戦略級魔法のためのCADまで破壊され、この雪辱に執念を燃やしていた。さらにもう一人の戦略級魔法師も達也へ狙いを定める！
　それぞれの思惑は巳焼島で交差する――。
魔法科高校の劣等生（３１）未来編

感想

この表紙の女性は誰だったんだろう？
読んでも・・・深雪？

発射のシーンは宇宙戦艦ヤマトの波動砲のようなシーンだと思うし、、
他にドデカイ魔法をぶっ放した女性キャラクターは居ないように思う。
という事は深雪なんだろうな、、

ストーリーについては、達也が強すぎる。
戦略級魔法師3人とパラサイトの軍団を1人で全滅させてしまうとは、、
しかも、戦略級魔法の「マテリア・バースト」抜きでやるとは。
その後に、新ソ連の潜水艦を故障させ、ミサイル発射基地を破壊。
USNA軍は深雪含めて四葉家が対応したので数には入れて無いにしても、、

強すぎる。
それしか言えない。

そこに四葉家のバックアップがあるから尚のこと厄介になるが、、
最後の達也の世界への宣言がなかなかに。
実質的に日本へ移住する事となったリーナだったが、USNAは達也に無期限のレンタルしてると言い張っているのは、、

しかも、その通知書をリーナ本人に持たせて渡すってのがリーナのリアクションで笑ってしまった。

備忘録

1

2097年7月22日夜、ミッドウェー基地とパールアンドハーミーズ基地が攻撃され、アメリカ軍は大きな損失を被った。
犯人は特定できず、ホワイトハウスはこのニュースを隠蔽した。
USNA軍は、襲撃者が高性能の飛行戦闘スーツを使用し、USNA軍が開発した「スラストスーツ」を上回る性能を持っていたことから、襲撃者が飛行魔法の開発者「トーラス・シルバー」（司波達也）であるとほぼ断定した。
エドワード・クラークは、自分が危険にさらされていると感じ、司波達也の排除を目指し、国防長官との会議やブラジルへの訪問を通じて行動を開始した。
ブラジルの戦略級魔法師ディアスは、国際社会の批判を受けたブラジル政府に対する不満を抱えており、クラークの提案に賛同。
ベゾブラゾフは、司波達也を排除するための好機を窺っており、米国の動向に注意を払いつつ、計画を進めた。
日本では、民間の軍事力の存在とシビリアンコントロールの原則に関する論争が起きていた。

2

7月27日土曜日、達也は巳焼島の病院を退院した。退院はアリバイ作りの一環として偽装されていたが、達也は病院を退院する日、身代わりの人形と入れ替わり、計画を完遂した。深雪とリーナが退院を祝い、達也と再会した。その後、達也の退院の情報はすぐに海外にも伝わり、彼の動向が注目されていることが明らかになった。一方、巳焼島では、新たに赴任した新発田勝成が、四葉家スタッフ用の宿舎で生活を始めていた。達也、深雪、リーナは、水波と再会し、彼女の復帰を歓迎した。しかし、水波には何か秘密があるような様子が伺えた。その夜、リーナは達也によって原子力潜水空母『バージニア』に送られ、再び自由を得た。『バージニア』艦内では、リーナはカノープスと再会し、彼からミッドウェー監獄での出来事について聞かされた。リーナはカノープスと共に、スターズの中でパラサイトによる影響が及んでいない部隊を再編成し、対抗策を講じる決意を固めた。一方、四葉本家では、真夜が黒羽貢からの報告を受け、国防軍が巳焼島に目を付けている情報を得た。真夜は、四葉家の恒星炉事業を守るために行動を起こすことを決めた。最後に、達也はリーナと遠隔で会話をし、彼女の今後の計画について話し合った。リーナは帰国し、自分の立場を整理することを決意していた。

3

7月29日月曜日、ハワイと新ソ連では巳焼島攻撃の準備が進行中であり、達也はこの状況に気付いていなかった。達也は巳焼島での平和な時間を楽しんでいたが、これが一時的なものであることを理解しており、光宣の行方不明やエドワード・クラークの脅威に対処する必要があった。達也はこの日、新しい魔法の開発に取り組んでおり、これはベゾブラゾフの技術を基にしたものであった。しかし、彼は深雪のリクエストに応じて、彼女の部屋で水着選びの手伝いをすることになった。深雪は達也に新しい水着を選んでほしいと頼んだが、このプロセスでオンラインデータのプライバシーに関する懸念が浮上した。達也はこれが自分の独占欲であることに気付き、深雪はその事実に非常に喜んだ。

4

7月29日、エドワード・クラークとブラジルの魔法師ミゲル・ディアスらが日本に向けて出港したが、日本軍はその目的を知らず、新ソ連の情報部はクラークらの乗船を把握していた。
新ソ連のベゾブラゾフは、『グアム』の目的が達也の抹殺であると推測し、対策を講じた。
一方、USNAのスターズ本部ではリーナがウォーカー大佐を告発し、その結果ウォーカーは司令官職を解かれ、カノープス少佐が司令官代行として任命された。
さらにリーナは退役届を提出し、日本での高校生活を楽しむことを決めた。
この一連の出来事は、エドワード・クラークの侵攻計画に影響を与え、パラサイトの供給元としてのスターズのバックアップを失わせた。

5

7月30日夜、日本政府と国防軍はまだハワイから出港した強襲揚陸艦『グアム』の目的を把握していなかった。この時、巳焼島に陸上部隊を駐留させる計画が進められていたが、この動きは四葉家との対立を恐れる国防軍内部からも問題視されていた。計画は四葉家の知るところとなり、彼らの介入によって中止に追い込まれた。  国防陸軍総司令官の蘇我大将は四葉家との会談で、巳焼島への部隊配備計画の中止と、佐伯少将による不正行為の内密な報告を受けた。四葉家は佐伯の不正を示す証拠を蘇我に提供し、独立魔装大隊の独立連隊への昇格を提案した。蘇我はこの提案を受け入れ、計画の白紙化を約束した。  7月31日、巳焼島への陸上部隊配備計画は突然中止され、佐伯少将は北海道東部への出動を命じられた。これにより佐伯は首都圏から遠ざけられ、国内での勢力争いから事実上排除された。一方、独立魔装大隊は新戦術の開発を続けるよう命じられた。

6

8月1日、日本ではまだ誰も、政府や軍、十師族でさえも具体的な脅威が迫っていることに気づいていなかった。この日、深雪は九校戦を自主的に開催する計画について電話で聞かされた。今年度の九校戦は中止となっていたが、魔法科高校生たちはモノリス・コードだけの対抗戦を開催しようと考えていた。深雪はこの計画について達也に相談し、彼は国防軍に協力を求めることを提案した。  そして、8月3日には雫たち6人が巳焼島の空港に着陸した。この時点では、民間機に対する警報は出されていなかった。この流れは、日本国内がまだ平和であるという認識のもと、若者たちが自らの力で何かを成し遂げようとする姿勢を示している。同時に、国防軍との連携を模索する達也の提案は、将来的な脅威に備えたコミュニティの強化を示唆している。

7

2097年8月3日、日本の防衛省は緊張状態にあった。USNA海軍の強襲揚陸艦「グアム」が伊豆諸島に向かっているとの情報があり、日本政府はUSNA海軍に問い合わせたが、「グアム」は秘密作戦中であり、位置情報も提供できないと回答された。これは日本にとって明らかな敵意の表れと受け取られ、迎撃準備の声が高まった。一方、背広組（文官）はUSNAとの全面衝突を避けるべきだと主張していた。  達也は、一条将輝から「グアム」が伊豆諸島に向かっており、攻撃目標はおそらく自分であるという情報を受け取る。国防軍が動かない可能性が高く、達也は独自に対策を講じることになった。達也は友人たちと夕食を共にし、その後、四葉本家に情報を伝える。四葉家では既にUSNA艦艇の接近を認識しており、迎撃準備を進めていた。達也は「マテリアル・バースト」を使わずに敵艦を無力化する計画を立て、深雪に新魔法「氷河期」の使用を依頼した。深雪は最初は達也と共に戦場に立ちたいと主張したが、達也の説得により、後方からの支援に同意した。この日の出来事は、USNAとの緊張の高まり、日本内部の意見の分裂、そして達也と深雪の間の絆と信頼の深さを示している。達也は自身の力と深雪の支援によって、外国の脅威に対抗する準備を進めている。

8

2097年8月4日、USNAの強襲揚陸艦「グアム」と駆逐艦2隻が巳焼島に接近した。深雪と達也は、四葉家の私設防衛指令室で迎撃の準備を進める。駆逐艦の一つは島の東に停船し、もう一つは島の南側を迂回して西に向かった。国防軍はこの動きに戸惑い、USNA艦が実際に攻撃を意図しているのか疑問に思った。  深雪は水波、エリカ、レオ、幹比古と共にシェルターに移動し、敵艦の動向を監視する。達也は戦闘用スーツを着て指令室に入り、敵の狙いについて議論する。彼らは強襲揚陸艦が領海に侵入する直前で停止したことを知り、敵艦の意図を探る。  達也は深雪に特化型CADを使い、新魔法「氷河期」を発動させる計画を伝える。指令室には、深雪が座ったままで半径50キロ以内の任意の地点を照準できる装置が備わっている。これを使って深雪は敵艦を無力化し、達也の力になることを決意する。  この日、一人の魔法師が大国の軍隊を圧倒する力を世界に見せつけることになる。強襲揚陸艦『グアム』から発進した六隻の小型高速艇が、非公式作戦の一環として、武装した兵士300名を巳焼島に上陸させる作戦を開始した。この作戦では、『グアム』からも支援のために無人攻撃機が発進した。しかし、新発田勝成が率いる防衛部隊は、上陸を試みる敵に対して冷静に対応し、物理的な攻撃や魔法攻撃を用いずに観察を続けた。敵の攻撃が始まった後、私有財産への明確な破壊行為を確認した勝成は、反撃の命令を下した。
上陸部隊の中には、パラサイト化した兵士や、外国籍の兵士を含む約二百人の兵力が含まれており、中には魔法師もいた。指揮官の一人、アレハンドロ・ミマスは過去に達也に重傷を負わされたことから復讐を望み、この作戦に参加していた。上陸時、ミマスの部隊は無人機の支援を受けながらも、島の防衛部隊による矢の嵐に遭遇し、多数の兵士が負傷した。敵の姿が見えない魔法による攻撃に混乱する中、ミマスはパラサイト化した部隊員と共に前進を続け、指揮権を他の兵士に委譲して戦闘に臨んだ。
食糧倉庫の屋根から無人航空機を撃ち落とした堤奏太は、パラサイトの気配を感じ取り、非致死性の魔法「音響砲」を使用してパラサイトの進行を遅らせようと試みた。パラサイトの中心人物、アレハンドロ・ミマスは、奏太の攻撃を感知し、反撃を試みるも、奏太の「フォノンメーザー」によって狙撃された。ミマスは奏太の右腕に重度の火傷を与えるが、最終的には奏太が放った魔法によって撃たれ、脳を焼かれて死亡した。
この間、達也は奏太を救うために介入し、「アストラル・ディスパージョン」を使ってミマスがパラサイト化した本体を消滅させた。達也は奏太の重傷を魔法で治癒し、勝成に奏太の安全を報告し、パラサイトの掃討を続けることを宣言した。達也はパラサイトの肉体と本体を滅ぼす能力を持っているため、パラサイトの完全な排除が可能であった。この出来事は、パラサイトとの戦闘中における達也の重要な役割と、彼が持つ特殊な魔法の能力を強調している。
シェルター内でエリカ、レオ、幹比古は、大型ディスプレイを通じて守備隊がパラサイトに襲われる様子を見守っていた。守備隊はクロスボウと魔法で反撃していたが、パラサイトの強力な攻撃により劣勢に立たされていた。エリカは援軍の到着を焦り、水波にドアの開放を要求したが、水波は戦況の説明とともに、すでに増援が出発しており、間もなく状況が逆転すると説明した。その時、達也が登場し、右手を一振りするだけでパラサイトの半数以上を消滅させた。これにより、守備隊を圧倒していたパラサイトは全滅し、戦況は一変した。
達也はその後、パラサイトの本体に対して『アストラル・ディスパージョン』魔法を使用し、この世界からパラサイトを完全に消滅させた。この魔法の使用は、特に幹比古には見せるべきではないと判断され、パラサイトの肉体が滅ぼされた後、映像は切り替えられた。
最後に、巳焼島におけるアメリカ軍の中で最も強かった敵であるスターズ第六隊隊長、オルランド・リゲル大尉が指揮する部隊が海岸沿いで新発田勝成に阻まれて進めなくなっている状況が示される。勝成が率いる守備隊とパラサイトによる激しい戦闘が描かれる。勝成は圧倒的な魔法力でパラサイトの攻撃を防ぎ、反撃する。彼の戦闘能力にレオやエリカは驚愕し、四葉家の強さを改めて認識する。一方で、パラサイトのリゲルたちは勝成との戦いで苦戦を強いられ、最終的に勝成の手によって全滅させられる。
その他の場面では、海上で巨大な水素プラズマの塊が出現し、達也がそれを無効化する。また、深雪は駆逐艦に対して大規模な氷結魔法を発動し、敵の海上戦力を完全に無力化する。この一連の戦闘で、四葉家のメンバーたちは自分たちの任務を果たし、敵に対する圧倒的な力を見せつける。
さらに、達也はビロビジャン基地から発射された極超音速ミサイルと潜水艦から発射された艦対地ミサイルを瞬時に無効化し、巳焼島に向けられた攻撃を防ぐ。ベゾブラゾフは達也への攻撃として『トゥマーン・ボンバ』を発動するが、達也によって完全に無効化され、彼の計画は失敗に終わる。この出来事を通じて、達也の防御と反撃の能力が改めて示される。
達也は以前、ベゾブラゾフに狙われた際、彼の個体情報を手に入れていた。これにより、ベゾブラゾフがハバロフスクの研究所にいることを特定し、彼に対する決定的な攻撃を準備する。達也はベゾブラゾフの研究所と、彼が使用していた大型CADを破壊し、最終的にはベゾブラゾフ自身を抹殺する。
その後、達也は島に上陸したパラサイトと、ミサイル攻撃を仕掛けてきた新ソ連の基地と潜水艦に対処する必要がある。彼は潜水艦『クトゥーゾフ』の推進機関を破壊し、ミサイルランチャーを無力化する。さらに、ビロビジャンミサイル基地の地下サイロを標的にし、魔法で破壊する。これらの行動により、達也は自身と深雪の安全を確保し、敵に対して強力な反撃を行う。

9

2097年8月4日に巳焼島で発生した戦闘では、米軍部隊が全滅し、達也はパラサイトも含めて敵を完全に排除した。この戦いで四葉家は完勝を収め、その結果は世界各国の軍事関係者を震撼させた。戦闘終了後、達也と深雪は米軍艦船に対する処置を話し合い、敵艦船の武装解除を受け入れた。一方、エドワード・クラークは自分の艦を使って逃走を試みたが、達也によって沈没させられた。
その後、達也は自身の行動を正当化するメッセージを世界に向けて発信し、自衛のための武力行使を宣言した。このメッセージは世界各国に影響を与え、達也が持つ力の認識を新たにした。新ソ連のミサイル潜水艦『クトゥーゾフ』も達也によって行動不能にされ、その乗組員は巳焼島守備隊によって救助された。
この一連の出来事は、達也の圧倒的な力と、四葉家の優秀な魔法師たちの能力を示すとともに、世界の軍事バランスに新たな認識をもたらした。

10

巳焼島の戦闘後、達也はマスコミの注目の的となり、彼への取材が殺到した。一部のメディアは達也の行動をテロと非難したが、政府は達也の行為が合法だったと明言し、アメリカの専門家たちも達也を擁護した。この一連の出来事は、「巳焼島事変」と呼ばれるようになった。
その後、アメリカ国防長官リアム・スペンサーが緊急来日し、達也の行動への関心が高まった。同時に、達也のもとにはアメリカからの秘密特使が訪れ、和解の申し出が行われた。この申し出には、アンジェリーナ・シールズ中佐（リーナ）が無償無期限で達也の協力者として「貸し出される」こと、そしてアメリカが「恒星炉プロジェクト」のスポンサーになりたいという内容が含まれていた。
達也はこの提案を受け入れ、リーナは日本に残ることになった。しかし、達也が世界に対して強力な抑止力として認識されることで、彼と深雪が普通の人としての未来を望むことはさらに困難になった。
この物語は、達也と深雪にとって理想的な未来がまだ見えないまま、と締めくくられた。

最後までお読み頂きありがとうございます。

魔法科高校の劣等生（31）未来編

posted with ヨメレバ

佐島　勤/石田　可奈 KADOKAWA 2020年04月10日

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