どんな本?
『魔法科高校の劣等生』は、佐島勤 氏による日本のライトノベル。
略称は「魔法科」。
物語は西暦2097年、3月。
魔法が現実の技術として確立し、魔法師の育成が国策となった時代を舞台にしている。
主人公は、国立魔法大学付属第一高校(通称「魔法科高校」)に通う兄妹、司波達也と司波深雪。
この作品は、原作小説の累計が1,400万部、シリーズ累計が2,500万部を突破し、大人気のスクールマギクスとなっている。
また、2024年には3期目のTVアニメが放送されることが決定している。
さらに、この作品は様々なメディアで展開されており、ライトノベルだけでなく、漫画やアニメでも楽しむことができる。
読んだ本のタイトル
魔法科高校の劣等生(9)(10)(11) 来訪者編(The Irregular at Magic High School)
著者:佐島勤 氏
イラスト: 石田可奈 氏
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あらすじ・内容
一学年度の部、最終エピソード! 金髪碧眼の魔法師・リーナ登場!
深雪のクラスメイトである北山雫が、USNA(北アメリカ大陸合衆国)に留学することになった。
魔法科高校の劣等生(9) 来訪者編<上>
この時代、ハイレベルの魔法師は、遺伝子の流出=軍事資源の流出を避ける為に、政府によって海外渡航を制限(禁止)されている。にもかかわらず許可された理由、それは交換留学だからだ。
アンジェリーナ=クドウ=シールズ。雫がアメリカに渡り、入れ替わりで魔法科高校に入学したのは、金髪碧眼の留学生。彼女を見た達也は、瞬時にその『正体』に気づく。
リーナの本当の姿、それは大規模破壊兵器に匹敵する戦略級魔法師「十三使徒」の一人、USNAの魔法師部隊『スターズ』総隊長、アンジー・シリウス少佐。
魔法科高校にやってきた米軍最強の魔法師という火の粉を、司波達也はどう振り払うのか――。
新たな『自我』の可能性。『ピクシー』誕生!
西暦二〇九五年、十二月。雫との交換留学生として、USNA(北アメリカ大陸合衆国)からリーナが魔法科高校にやってきた。
魔法科高校の劣等生(10) 来訪者編<中>
達也は、彼女が大規模破壊兵器に匹敵する戦略級魔法師「十三使徒」の一人であることを瞬時に見抜く。
そして、同じ時期に東京で発生した『吸血鬼』事件――魔法師の血液を抜き取る連続傷害事件との関わりを探るのだった。
『吸血鬼』事件の全容は次第に明らかになりつつあった。達也のヒントと幹比古の古式魔法によって、吸血鬼の正体が『パラサイト』と呼ばれる魔性であることを突き止める。
しかし、別次元から意図せず招かれたその『来訪者』は、ついに魔法科高校に襲来する。その吸血鬼の正体(宿主)は、意外な人物で――!
世界最強の魔法師VS吸血鬼、最終決戦! 一学年度の部、ついに完結!
USNAの最強魔法師部隊『スターズ』総隊長、アンジー・シリウス少佐こと、魔法科高校交換留学生・リーナ。
魔法科高校の劣等生(11) 来訪者編<下>
彼女の訪日と同時期に発生した『吸血鬼』事件は、彼らによる魔法科高校の襲撃、達也によるその撃退という結末で幕を閉じた。
しかし、『パラサイト』本体は宿主から抜け出しこの世界を漂い続け、そして次の宿主を見つけ出した。
ヒューマノイド型ホームヘルパーロボット。付近にいた光井ほのかのパターンをコピーしたパラサイト=ピクシーは、その出自から、達也に付き従うことを決める。
ピクシーからの情報により、『パラサイト』を理解した達也は、深雪らを連れ、残りの『パラサイト』を退治すべく、夜の青山霊園へと赴くが――。
『最強の魔法師』と別次元からの『来訪者』を巡る激突は、魔法科高校を舞台に最終決戦を迎える!
感想
上中下巻で3冊分。
読み返してみると意外とキーポイントになってる。
横浜編で大亜連合が大艦隊を発進させようとしたのを察知して、それを達也のマテリアバーストで基地ごと破壊。
地図を書き直すほどの破壊を世界に知らしめた「灼熱のハロウィン」。
その日本の非公認戦略魔法師の容疑者の司波兄妹の調査にUSNAスターズ総隊長、アンジー・シリウス少佐(愛称:リーナ)が第一高校に潜入する。
元々が調査向きで無いリーナは達也にUSNAの諜報員である事がバレるが、調査能力が無く、拘束をしても外交的にも大問題になるので放置していたが、、、
そんな時に、USNAの科学者が行ったマイクロブラックホールの実験で、パラサイトを召喚してしまいスターズの隊員等に憑依し脱走されてしまう。
そんな彼等が来たのが何故か日本だった。
そしてパラサイトは増殖するために人間を襲い、それが吸血鬼騒動となり警察が動き出す。
そんな時に吸血鬼に襲撃をされた者に千葉家の縁者、レオが襲われ千葉家(エリカ)が動き出す。
それ以外にも、パラサイトは七草家の縁者も襲っていたらしく、十文字家を援軍にして捜査を開始。
そして、USNAスターズ総隊長シリウス少佐を中心とした脱走兵抹殺部隊も捜査をしており各組織が足を引っ張り合いパラサイトを取り逃がし続ける。
そんな状態に、USNAに戦略魔法師の容疑者とマークされてる達也が独自に動き出し、更に都心の魔物が居る事を嫌がる勢力からの依頼で九重八雲も動き出す。
その結果、、
何故か、深雪vsリーナの一騎打ちが起こる。。
結果は深雪の勝利。
その後、達也が主導して千葉家、七草家と十文字家を共同させてパラサイトへの対応をさせる。
更に、もう一つ動いてる組織はUSNAの軍人であり、パラサイトに憑依されてるのもUSNAの軍人だと教える。
そして、偶発的に第一高校にパラサイトが侵入して大立ち回りをするが、瀕死に弱らせるだけで逃してしまう。
その逃げた先が第一高校、ロボ研の3H・タイプP94、通称「ピクシー」だった。
そのピクシーに憑依してる時に、三井ほのか強い思念に触れてたせいで、達也を主人と仰ぐロボが爆誕ww
その後、USNAは戦略魔法師候補の捕獲に移るのだが、そのターゲットを司馬達也にしたのが運の尽き。
現場は達也と千葉修次に駆逐され、それにはシリウス少佐も含まれていた。
更に駐日武官のバランス大佐は四葉家が拉致して太平洋のUSNA所属の艦船に放り込んで漂流させる。
その後、四葉家とその上層部のバランス大佐とは同盟を組み協力関係者となる。
USNAとの決着を付けた達也はピクシーを囮にパラサイトを誘き寄せて決着をつけようとする。
それに誘導されたパラサイ達はピクシーに戻ってくるように説得するが、、
ほのかの思念に強く影響を受けているピクシーはパラサイト達を拒否して、達也達はパラサイト一体を捕獲するが七草家と繋がっている国防軍の情報部、防諜第三課に横取りされてしまう。
そのパラサイトはシリウス少佐によって殺害されてしまう。
その後、七賢人のレイモンド・クラークが何故かパラサイト達を第一高校に集めて決戦をするのだが、、、
なんか最後が。。
作者さん力尽きたか、長過ぎて切られたか、、
そのわりに、エピローグが結構長くて驚いた。
第一部の終盤と考えると長くても良いのかな?
最後までお読み頂きありがとうございます。
備忘録
0(アニメ2期1話)
北アメリカ合衆国テキサス州ダラス郊外のダラス国立加速器研究所では、マイクロブラックホール生成・蒸発実験が行われようとしていた。この実験は、余剰次元理論に基づいており、準備は二年前に完了していたが、リスクが読み切れずに中々実施されなかった。しかし、朝鮮半島南端で起こった軍事都市と艦隊を消滅させた大爆発が、実験実行の最後の一押しとなった。この爆発は質量のエネルギー変換によるものと結論付けられ、未知の技術によるものである可能性がUSNA首脳部を焦らせた。マイクロブラックホール実験は、ブラックホールの蒸発による質量・エネルギー変換現象を検証する目的であり、未知のリスクを無視してまで実行されようとしていた。この実験により、大爆発と一致する特徴が観測される可能性があることが、USNA科学者たちの期待であった。
1(アニメ2期1話)
西暦2095年も残すところ一ヶ月となり、達也は目まぐるしい一年を振り返る。しかし、彼にはまだゆっくり振り返る余裕がなく、定期試験が近づいていた。勉強会のために友人たちが集まっている中、雫がアメリカに留学することを発表する。この時代、ハイレベルな魔法師の海外渡航は政府によって制限されているが、雫の留学は交換留学の形で許可された。期間は三ヶ月で、出発は年明けすぐとなる。このニュースに友人たちは驚きつつも、送別会を提案する。その後、定期試験が終わり、クリスマス・イブの日に送別会が開かれる。
一方、北米大陸中部では、クリスマスイブの前夜、ダラスの街角で暗躍する影があった。軍の魔法師であるアルフレッド・フォーマルハウト中尉が逃走中であり、スターズ総隊長アンジー・シリウス少佐が彼を追っていた。フォーマルハウト中尉は連続焼殺事件の犯人と疑われ、彼のパイロキネシス能力が原因と見られていた。最終的にシリウス少佐はフォーマルハウト中尉を処断することになる。
送別会は春に再会できる旅立ちのため、雫の留学に対する興味が寂しさを上回っていた。留学先はバークレーで、一般的な認識としてアメリカの魔法研究の中心地はボストンだとされているが、雫は東海岸を避けた。最近、東海岸では「人間主義者」が騒いでおり、新白人主義と根が同じ「魔法師狩り」が問題となっている。雫の留学は交換留学という形であり、代わりに来る留学生の詳細は不明である。
達也と深雪は、雫の留学について話し合う。留学が認められたこと、留学先、交換留学生の情報が不明であることなど、多くの疑問点がある。達也は、雫の留学が何らかの裏工作である可能性を指摘し、マテリアル・バーストの容疑者を探る任務と関連があるかもしれないと考える。
一方、アンジー・シリウス少佐(アンジェリーナ・シリウス)は処刑任務の後、自室で休息を取る。彼女には東京の高校に通う二人の学生、戦略級魔法の容疑者を探る潜入捜査の任務が与えられていた。ベンジャミン・カノープス少佐からの慰めと励ましを受けながら、シリウス少佐は日本への出発を前に準備を進める。彼女は潜入捜査に対して不安を抱えつつも、任務の成功を祈りながらカノープス少佐に留守を頼む。
2(アニメ2期1話)
西暦2096年の元旦、達也と深雪はいつも通り二人で新年を迎えた。深雪は美しい振袖を身に纏い、達也は兄としての誇りを感じながら彼女を褒め称える。二人は無人運転のコミューターで出かけ、その中で達也の師匠である八雲和尚と小野遥先生に出会う。初詣のために日枝神社に向かった彼らは、美月、ほのか、レオと合流し、達也は伝統的な羽織袴を着ていた。
参道を歩きながら、達也は金髪碧眼の若い女性からの視線を感じ取る。この女性は日本人的な面立ちを持ち、彼らと同じ年頃に見えるが、服装は現代の流行りとはかけ離れたものであった。達也と深雪は、その女性に何か不審を感じつつも、具体的な理由を掴めずにいた。女性は達也たちの方へ歩み寄り、すれ違いざまに意味ありげな視線を投げかけたが、何も言わずに去っていった。
アンジェリーナ・シリウス少佐は、潜入捜査と陽動を兼ねた任務に就いていた。彼女は、ターゲットに自身の姿を見せる接触が成功したと感じている。同居人であるシルヴィア・マーキュリー・ファースト准尉との交流では、シリウス少佐が選んだ服装が流行遅れであることが指摘され、彼女はファッションについての教育を受けることになる。
冬休みが終わり、新学期が始まる。留学生としてアンジェリーナ・クドウ・シールズが達也たちのクラスに加わる。彼女は日枝神社で達也に遭遇した金髪碧眼の少女であり、流暢な日本語で自己紹介をする。リーナは、九島烈の弟の孫であることを明かし、その縁で交換留学生として日本に来たことを説明する。彼女の加入により、達也とその友人たちは新たな関係性を築き始める。
3(アニメ2期1話)
夜に活動するのは秩序の守護者たちもおり、彼らは市民生活を守っている。しかし、彼ら全員が常に勤勉であるわけではなく、厄介な事件が次々に発生する中で、稲垣警部補と千葉寿和警部は新たな変死体の報告を受け、その対応に追われる。一方、アンジェリーナ・シールズは第一高校に留学し、その美貌と魔法力で注目を集める。彼女と深雪の美しさは学校内で評判となり、二人の魔法実習では互角の勝負を展開する。リーナの留学生としての積極的な交流と、達也たちとの関係性が描かれる。また、達也はリーナの愛称について質問し、彼女のわずかな動揺を察知するが、それを表に出さない。この文書は、秩序を守る者たちの活動と、留学生として登場したアンジェリーナ・シールズの学校生活と、彼女と他の生徒との関係性に焦点を当てている。
第一高校には寮がなく、自宅から通えない生徒は学校近くに部屋を借りている。留学生のリーナも、学校から電車で二駅離れた場所にファミリータイプのマンションを借りており、一人暮らしではない。彼女の部屋には、今回の任務で補佐役を務めるシルヴィア准尉が同居している。リーナはマンションに帰るとシルヴィアともう一人、ミカエラ・ホンゴウという日系アメリカ人の女性と会った。ミカエラは国防総省所属の魔法研究者であり、サポートスタッフとして任務に志願した。彼女たちは任務に関する話で緊張しており、リーナは高校生であるターゲットとの関係が進展しているが、肝心な情報は得られていない。リーナは任務に自信がなく、正体がバレることを心配していたが、シルヴィアとミカエラは彼女を心配しながらも支持している。
達也は深雪の魔法式構築規模が上限を超えていることを確認し、CADの処理能力が追いついていないことを指摘する。深雪は達也の指摘に感謝し、リーナの編入が良い刺激になっていることを認める。達也はリーナが”シリウス”である可能性を深雪に伝え、リーナの真意や目的について議論する。放課後、達也は風紀委員会の活動中にリーナと共に校内を巡回し、リーナが達也の実力を試す意図を持っていることが明らかになる。リーナは達也にアメリカへの移籍を提案し、達也はそれに対して態度を和らげるが、リーナの提案の背後にある意図を探る。最終的に、達也はリーナの行動を問題視しないことを決め、彼女の正体についての追及を避ける。リーナは達也の複雑な性格と行動に戸惑いながらも、彼に対する不快感と同時に複雑な感情を抱く。
4(アニメ2期2話)
西暦2096年1月14日、土曜日の深夜、渋谷は車が見えず、若者で溢れていた。これは自動運転車の普及と在宅勤務の増加による。渋谷は若者の街であり、夜の無法状態が放置されている。レオは深夜の渋谷をふらふら歩いており、彼はドイツで開発された魔法師調整技術「城塞シリーズ」の第三世代に属する。彼は精神の奥に恐怖を抱え、夜をさまよう癖がある。この夜、レオは知り合いの警部と偶然出会い、彼らについて行くことになる。連れ込まれた先で、連続変死事件についての話を聞く。レオは事件について何も知らないが、協力を申し出る。警部はレオに連絡を取るよう名刺を渡し、レオはそれを受け取って立ち去った。
西暦2096年1月14日、ワシントンDC現地時間の夜、リーナは同居人のシルヴィアに起こされる。スターズ総隊長であるリーナに、カノープス少佐から緊急の連絡が入る。先月脱走したスターズ一等星級のメンバー、アルフレッド・フォーマルハウトを含む7人の魔法師の行方が日本で確認された。これらの脱走者の追跡と処分がリーナの任務であり、彼らは現在東京に潜伏しているという。作戦は秘密で行われ、日本政府には知らされていない。統合参謀本部は脱走者追跡を最優先とする指令をリーナに下す。通信が終わり、リーナはその夜、眠れないことを悟る。
週明けの教室では、連続猟奇殺人事件のニュースが話題になっていた。この事件は国内二位のニュースサイトによってスクープされ、多くの報道機関がオカルト的な面を強調して報じていた。達也とクラスメイトは、この事件について様々な推測を交わしていた。被害者は血液の約一割を失っており、その方法や動機については不明だった。達也は事件に魔法師が関与している可能性を排除しなかったが、街路カメラには何も捕捉されていなかった。一方で、魔法師排斥運動の一種である「人間主義」がこの事件に結びつくかもしれないという懸念が話された。レオはこの話題に興味を示さず、授業が始まるとその議論は終わりを告げた。
学食での会話では、深雪の隣にいつもの金髪の同行者、リーナがいないことが話題になった。リーナは急遽家庭の用事で欠席していた。学校より優先しなければならない事情があることを達也は理解していたため、深くは詮索しなかった。話題は、留学中の雫が元気であること、アメリカでの授業形態、そして「吸血鬼事件」のニュースに移った。雫からの情報によると、アメリカのダラスでも似たような事件が発生していたという。この話には達也も興味を示し、アメリカでは報道規制があるため、このような情報は留学生の間でしか知られていないかもしれないと推測した。達也の関心は、ただの好奇心以上のものを示していた。
留学してきた金髪碧眼の高校生、リーナはUSNA大使館でのミーティングに参加していた。その中で、アルフレッド・フォーマルハウト中尉の大脳皮質に、普通の人間には見られないニューロン構造が形成されていたことが話題になった。この異常なニューロン構造は前頭前皮質にあり、人間には通常存在しないものであった。科学者によると、このニューロン構造は従来ダウンロードされなかった未知の精神機能とリンクする可能性があるとされた。リーナはこの未知の精神機能が外部からの意識干渉に関連する未知の魔法である可能性を問いただしたが、科学者は他者の精神に干渉しても大脳の組織構造にまで影響を与えることはないと回答した。ただし、他者の精神構造を作り変える魔法の可能性については言及された。リーナは、この話を聞いてある魔法師の伝説を思い出したが、その魔法師はすでに亡くなっていることを思い出し、頭を振って思考をリセットした。
午後の授業中、一、二年生が教室にいる中、自由登校となっている三年生の克人と真由美が部室で会っていた。この二人は、それぞれの家族から将来的に結婚することが期待されているが、この会合は恋愛的なものではなく、十文字家と七草家を代表してのものであった。真由美は、七草家が十文字家との共闘を望んでいると伝え、その理由として「吸血鬼事件」の犠牲者が報道されている数の三倍、つまり24人にのぼることを明かした。犠牲者は魔法師や魔法の資質を持つ人々であり、犯人は魔法師を標的にしていると考えられていた。克人は、事件の背後に外国人の魔法師や技術者が関与している可能性を指摘したが、具体的な手掛かりはまだない。さらに、十文字家と七草家の共闘について話し合い、四葉家との関係悪化の原因が、七草家の行動にあることが示唆された。克人は、七草家との共闘に同意し、二人は協力することを決めた。
5(アニメ2期3話)
夜の渋谷で、人がいなくなる瞬間を狙って殺人事件が発生していた。事件現場にはロングコートと帽子を着用した二つの人影が存在し、彼らは思念波で会話していた。彼らは人間を超えた存在であり、通常の人間には無い特殊な能力を持っていることが示唆されている。一方、レオは夜の渋谷を歩いており、不審な人物の噂を追っていた。彼は何となく事件に関わりたいと感じており、その理由を自問していた。また、USNA軍の特殊部隊「スターダスト」の二人の女性ハンターが、逃亡した魔法師を追跡していた。彼らは逃亡者の一人、デーモス・セカンドを捕捉し、彼との対峙を試みるが、彼の能力には及ばなかった。サリバン(デーモス・セカンド)は、以前とは異なる能力を持っており、追跡者たちの攻撃を軽々とかわしていた。この間にも、赤髪・金瞳の仮面をかぶった魔法師が現れ、サリバンの進路を妨げようとするが、彼女もまたサリバンの能力には及ばなかった。
レオは、夜の渋谷で人がいなくなる場所に立ち止まり、好奇心で危険な領域に踏み込むことを避け、寿和にメールを送信した。その後、公園のベンチに横たわる若い女性を発見し、警戒心を抱きつつも救急車を呼ぼうとしたが、覆面の怪人に襲われる。レオは警棒を持った覆面の怪人と格闘し、一時的に脱力感を覚えるが、直感で「吸血鬼」と察知し、拳で応戦する。その最中、レオは意識を失いかけるが、赤髪金瞳の仮面の魔法師、アンジー・シリウス(リーナ)が怪人を追跡する姿を見る。リーナは怪人を追い詰めるが、キャスト・ジャミングのようなノイズによって追跡を妨害され、怪人を見失う。
一方、エリカはレオの見舞いに来たが、彼女の目的はレオの看護ではなく、レオを訪ねる怪しい訪問者の監視だった。彼女はレオを訪ねてきた七草家と十文字家の関係者に対し、警戒心を抱く。エリカは病院の事務室で兄・寿和と話し、今回の事件が魔法師絡みのものである可能性を推測する。寿和によると、七草家は被害者を隠匿している可能性があり、事件が一筋縄ではいかない事態であることが示唆される。
達也とその友人たちは、中野の警察病院でレオを見舞った。エリカは、レオが吸血鬼事件の捜査に協力していたことを説明し、その責任を感じていた。レオは肉体的なダメージはなく、精神的には疲れている様子だった。病室ではレオの姉、西城花耶が紹介され、彼女は達也たちに丁寧に挨拶した後、遠慮して病室を出た。達也たちはレオの現状について話し合い、幹比古がレオの「幽体」を調べることになった。幹比古は、レオが異常なほどの精気を失っているにもかかわらず意識を保っていることに驚き、レオが人間以外の何者かではないかと冗談めかして言った。レオの幽体からは、彼が吸血鬼に襲われた際に大量の精気を失ったことが明らかになったが、レオ自身には深刻なダメージは見られなかった。エリカは、レオの治療に全力を尽くしていると花耶に保証し、彼女の不安を和らげようとした。見舞いが終わり、達也たちは帰宅する。エリカは、レオの事件に対する自身の関わり方について、弟子としての責任を感じていることを明かした。
リーナは、隣人である本郷未亜(ミカエラ・ホンゴウ)の勤務先であり、脱走兵追跡部隊の秘密拠点の一つでもあるマクシミリアン・デバイス東京支社を訪れた。大使館で用意した紹介状と制服の信用で受付を通過し、スターダストの隊員と会議室で面会した。リーナ(アンジー・シリウス少佐)は、昨晩救われたことに感謝し、昨晩のダメージについて尋ねる。スターダストの二人は、デーモス・セカンド(サリバン軍曹)を捕捉したが、彼がCADを必要としなくなったため、キャスト・ジャマーが効かなかったことを報告した。リーナは、今後脱走者を捕捉した場合は追跡に留め、直接手を出さないよう指示し、自分が直接対処すると述べた。
その後、リーナはシルヴィアと共に更衣室に移動し、髪と瞳の色を変えて楽になったことを述べる。彼女たちは、脱走者が日本人を襲っている理由について議論するが、明確な答えには至らなかった。リーナは、彼らが獲得した異能、つまり傷を残さず血を奪う能力について言及し、その能力が追跡リスクを冒してまで日本人を襲う理由に関連している可能性を示唆した。
6(アニメ2期3話)
達也と八雲は、毎朝恒例の組み手を行っている。この組み手は、単なる打撃の応酬ではなく、上下左右からの攻撃とそれをかわす技術の応酬である。二人の技量は互角であり、体術も体力も拮抗しているが、達也の方が体力で勝っており、八雲に勝利するためには、攻め続けることが必要である。ある日の組み手で、達也は八雲の幻術を解除し、実体を探し当てる。しかし、八雲は達也を巧みに投げ、優位に立つ。その後、八雲は達也に「纏衣の逃げ水」という術を使ったことを明かし、この術はこの世のものならざる者を惑わすためのものであると語る。達也と八雲は、人間だけでなく、この世のものならざる者との戦いについても話し合う。八雲は、精神現象に由来する情報生命体について考えを述べ、その種の生命体が現実世界に影響を与える可能性について達也に説明する。達也は八雲の考えに感心しつつ、自分の見識を広げることを決意する。
二日前に事故に遭ったレオは、まだ病院のベッドにいる。普通の人間なら重態とされ、すぐに退院できないのが普通である。達也は、レオが大丈夫だろうと考えているが、美月は心配している。エリカはレオの看病をしているわけではなく、まだ登校していないだけである。授業開始後、エリカと幹比古が教室に入ってくる。昼休みには、エリカが机に突っ伏して眠っている一方、幹比古は頭痛を訴えて保健室へ行く。達也は雫に電話し、アメリカでの吸血鬼の噂について尋ねる。雫は、アメリカでは吸血鬼は都市伝説扱いであり、メディアは報道していないと説明する。達也はレオが吸血鬼らしき存在の被害に遭ったが、命に別状はないと伝える。雫は心配するが、達也はレオが自力で吸血鬼を撃退したと安心させる。達也は、吸血鬼事件の犯人がアメリカから来たと思っているが、雫に無理をしないよう念を押す。
東京都内で発生している吸血鬼事件に対して、三つの勢力が対応している。一つ目は警視庁と警察省の広域特捜チーム、及び公安が含まれる警察当局。二つ目は、七草家と十文字家を中心に組織された十師族の捜査チームであり、内閣府情報管理局の支援を受けている。三つ目は、吉田家の協力を得た千葉家が組織した私的な報復部隊、即ちエリカたち自身である。千葉家の総帥は、古式魔法師の技能を利用して吉田家に協力を依頼した。幹比古は、エリカと共に「道占い」役として行動している。
ある夜、彼らは吸血鬼チャールズ・サリバンを追跡していた。サリバンは新たな身体能力を駆使して逃げるが、追い掛けるのは仮面の魔法師リーナである。リーナは先進の想子レーダーを用いてサリバンを追跡し、魔法戦闘を繰り広げる。彼女はダガーと拳銃を使用し、サリバンの心臓を狙う。完全な奇襲として吸血鬼からの電撃攻撃があるが、リーナはこれを無効化し、最終的にサリバンの心臓を撃ち抜く。サリバンを倒した後も、リーナの目は次の目標に向けられていた。
エリカと幹比古は、行き先を占いながら二人の足音を追跡し、遂に標的を発見した。エリカは五十里家謹製の武装デバイスを、幹比古は古式魔法用術式補助具をそれぞれ携えて臨戦態勢を整える。二人の目の前には、フード付きのコートと仮面を着用した二人の人影があった。エリカは仮面の女を、幹比古は吸血鬼と見られるコートの人物を追う。戦闘が始まり、エリカは仮面の女と激しい斬り合いを繰り広げ、幹比古は吸血鬼との間で魔法を駆使した戦いを展開する。両者はそれぞれ敵に対して苦戦しつつも、なんとか持ち堪える。
突如、現れた達也が戦況に介入し、戦いの流れを変える。達也の魔法の介入により、戦いは一時的に静まり、吸血鬼が逃走する。エリカは達也による助けを得て、仮面の女との戦いを終える。戦いの後、エリカと幹比古は達也によって安全な場所へ移動することになるが、幹比古は定員オーバーのため一人で残される。
リーナはテレビ中継車に偽装した移動基地に戻り、撤収を命じる。彼女は追跡途中で脱落した隊員たちからの謝罪を受け入れ、吸血鬼サリバンの処分の完了を確認する。追跡していた別の個体については、想子波パターンが変質している可能性があるとして、さらなる追跡を命じた。リーナは自分の鎖骨が折れてしまったことを痛感しつつ、エリカと達也の強さに驚き、日本の高校生のレベルについて愚痴る。
一方、達也は叔母である真夜に連絡を取るため、妹の深雪に頼む。真夜は達也の問いに直接的な回答を避けながらも、「パレード」の魔法について達也の推理を否定しない。達也は「パレード」が外見を変える魔法であり、自身の特殊能力を誤魔化すことができる点に着目し、さらに詳細を問うが、真夜は具体的な回答を避ける。最終的に、達也は真夜に援軍を要請し、風間少佐との接触が許可される。
7(アニメ2期3、4話)
いつもの朝の通学風景の中、達也は駅で上級生の真由美に呼び止められ、放課後クロス・フィールド部の第二部室に来るよう依頼される。クロス・フィールド部はサバイバルゲームクラブであり、克人が所属していたクラブで、彼が部活引退後も私的に使用していることは公然の秘密であった。放課後、達也はその場所へ行き、真由美と克人から事件についての情報共有を求められる。
真由美は達也に昨晩の外出について尋ね、達也は正直に回答する。彼は吸血鬼と交戦したこと、それを追っていた魔法師とのやり取りについて明かす。真由美と克人は達也から協力を得るため、彼に情報を提供することを提案する。達也は彼らが持つ情報を聞き、特に事件が単独犯の仕業とは思えず、第三勢力の存在があることに関心を示す。
達也は自分がどう動くべきかを尋ね、真由美は彼に捜索隊への同行を提案するが、克人は達也に独自に行動し、手掛かりがあれば報告するよう求める。達也はこの提案に同意し、真由美と克人の前から去る。
真由美は克人に達也に別行動をさせる理由を尋ね、克人はその方が効率的だと答える。彼らは達也の性格を考慮し、彼が協力を約束している間は裏切らないと考え、相互依存の関係を重視する。
達也はこれまでに集めた情報を頭の中で整理しながら、待たせている深雪のいる生徒会室へ急ぐ。途中、リーナとすれ違い、挨拶を交わした後、生徒会室に入る。生徒会室では、深雪とほのかが待っており、昼食の準備をする。達也はリーナが何のために来たのかを深雪に尋ね、リーナを臨時生徒会役員にする提案が学校側からあったことを知る。リーナを巡る勧誘合戦が激しく、これを避けるための措置だと説明される。
その後、達也はリビングで深雪と共に成層圏監視カメラの映像を見て、吸血鬼を追跡する三つの勢力の動きを分析する。スターズが優れた技術を持っていると推測し、日本の技術が世界の最先端ではないことを再認識する。深雪は達也が行動を起こすのを見送り、彼の帰りを待つ。
来客のチャイムが鳴り、深雪は八雲が訪れたことに気付く。彼女は迅速に対応を考え、八雲の待つ間に準備を整える。
達也は吸血鬼と仮面の魔法師の戦闘を観察していた。戦闘の様子から、仮面の魔法師が優勢であることが明らかだった。達也は介入を決意し、銃を使用して吸血鬼を撃つ。その後、仮面の魔法師と直接対決し、相手がリーナであることが明らかになる。リーナはUSNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊・スターズの総隊長、アンジェリーナ・シリウス少佐だった。達也とリーナの間で一対一の勝負が提案されるが、深雪が介入し、リーナとの勝負を申し出る。深雪はリーナをライバルであり友人と見なしていたが、達也への攻撃は許せないと主張し、リーナに勝負を挑む。リーナは挑戦を受け入れ、二人の決闘が始まることになる。
深雪は寒さに弱いが、彼女の冷却や凍結魔法の本質は振動や運動の停止にある。真冬の夜にバイクのタンデムシートに乗る際、達也に密着することで寒さをしのぐ。一方、八雲は達也と深雪の間の感情に興味を示し、リーナを護送中に彼女の緊張を和らげようとするが、リーナは彼の言葉を信じがたい状況にあった。リーナを乗せた車は河川敷に停車し、達也と深雪が対話を試みるも、リーナは防御態勢を取る。リーナの勝負の提案に、深雪が挑む。両者の魔法による激しい戦いが展開され、最終的に深雪の魔法がリーナの攻撃を上回る。リーナは敗北を認め、質問に対して「イエス」か「ノー」で答えることを条件として受け入れる。敗者であるにもかかわらず、リーナは自らの条件を提示し、達也はそれに頷くしかなかった。
8(アニメ2期4、5話)
日曜日にも関わらず、達也と深雪は学校に来ており、生徒会室を訪れていた。彼らの目的はエリカや幹比古、真由美、克人を集めて「吸血鬼事件」について話し合うことだった。達也は前夜、吸血鬼に特定パターンの電波を発信する合成分子機械の発信機を撃ち込んだこと、その発信機が最長で三日間機能し、街路カメラに併設された傍受アンテナで受信可能であることを共有した。彼は、集めたメンバーに対して特定の行動を指示するつもりはなく、発信機の情報を提供しただけであった。
達也は、彼らが追っている吸血鬼がUSNA軍から脱走した魔法師であり、少なくとも二人以上、場合によっては十人前後の脱走者がいる可能性があると説明した。また、彼らの目的についてはパラサイトに寄生されたことで価値観が変わった可能性があるが、具体的なことは捕獲して訊かなければ分からないと述べた。
最終的に達也は、自分たちが直接吸血鬼を捕獲することに固執するつもりはなく、公安や警視庁、師族会議、または千葉家が対処する場合、彼らはそれに従うと述べた。その後、達也と深雪は会場を去り、残ったメンバーは話し合いを続けることにした。
リーナは同居人のシルヴィアに起こされ、パジャマ姿でハニーミルクを飲む日常を送っていた。日曜日の朝であっても、スターズ総隊長としての責任を忘れているわけではない。しかし、前夜の失敗に落ち込み、シリウスの称号返上を考えるほど自信を失っていた。シルヴィアはリーナが高校生に負けたことについて問い詰めるが、リーナはシバ兄妹と忍者たちによって無力化されたことを明かす。シルヴィアはリーナを慰め、彼女を再起させようと努力する。
一方、雫はアメリカ西海岸で留学生活を送っており、レイモンド・S・クラークという同級生と交流がある。レイモンドから「吸血鬼」の情報を聞き、その発生がダラスで行われた余剰次元理論に基づく極小ブラックホール生成実験と関連があるかもしれないと考える。レイモンドはこの実験が吸血鬼を呼び出したと確信しており、雫はその情報を重要視する。
リーナと雫はそれぞれ異なる場所で、自らの立場や状況に対応しながらも、周囲の人々との関係性や事件への対処方法に悩みながら前に進もうとしている。
達也と深雪は、電車で帰宅する途中、達也が何かに悩んでいることを深雪は感じ取っていた。達也はリーナのことで自分を責め、対処が遅れたことを後悔している。深雪は達也の悩みを共有しようとするが、解決策を持っているわけではないと自覚していた。
一方、真由美は吉田くんと協力して、「吸血鬼」の追跡に成功し、情報の共有と協力の重要性を再認識していた。達也からの手掛かりにより、状況は好転しており、吸血鬼がカメラにうまく映らない問題に直面しながらも追跡を続けていた。
達也は雫からの電話を受け、米国西海岸からの連絡であることに気づく。雫は「吸血鬼」の発生原因として、余剰次元理論に基づく極小ブラックホール生成実験を指摘し、達也はそれによって次元の壁が揺らぎ、異次元から魔法的エネルギーが漏れ出す可能性があると説明する。達也の理論では、マイクロブラックホールの生成が次元の壁に影響を与え、それが「吸血鬼」の発生につながっている可能性があると述べている。
この話は、深雪と雫にとって新たな発見であり、異次元からの魔法的エネルギーの漏れが現象に影響を与える可能性を示唆していた。達也の説明は、魔法が物理的エネルギーとは異なる「魔法的エネルギー」を異次元から引き込んでいるという理論に基づいている。この理論は、現代魔法の理解に新たな視点を提供し、異次元のエネルギーが物質次元に影響を与える可能性を示している。
幹比古は、保健室から戻ってきた後、達也に恨み言を言う。彼は以前の出来事で胃が痛くなるほどのストレスを感じていた。美月は、幹比古の苦労を同情するが、実際には状況を完全に理解していなかった。一方、エリカは昼休みになってようやく目を覚まし、美月に愚痴をこぼす。彼女は「吸血鬼」について話し、その数が突然増えたことに不満を感じていた。エリカは達也との関係についても悩んでおり、自分が達也に甘えていると自覚していた。その後、幹比古が達也からのサンドイッチを持ってきて、二人の間を取り持つ。
美月が突然、強い霊的な波動に苦しみだす。幹比古は結界を張って美月を守り、彼女がオーラ・カット・コーティング・レンズのメガネをかけることで症状が落ち着く。彼らは「魔」の気配を感じ取り、学校に「吸血鬼」がいる可能性に気づく。エリカと幹比古は対処のために動き出し、美月も同行することを決意する。幹比古は美月を守る責任を感じ、エリカは達也に立ち向かう決意を新たにする。
シルヴィア・マーキュリー・ファースト准尉は、アンジェリーナ・シリウス少佐の補佐役として日本に派遣され、非合法工作任務を担当している一等星級のリーナのサポートをしている。シルヴィアは惑星級「水星」の「第一号隊員」として、主に後方支援、特に魔法技能を使った情報収集と分析に従事している。彼女の現在の仕事は、リーナと戦った白覆面の正体特定に向けた想子波パターンの分析である。シルヴィアは、USNA軍関係者及び政府職員のデータを照合し、怪人の正体を探っている。
一方、リーナは昼休みにどう過ごすか迷っており、隣人であり同僚の「ミア」ことミカエラ・ホンゴウに会いに行くことを決める。しかし、その時異質な波動を感じ、吸血鬼の気配に気づく。通用門の方から感じた気配は、ミカエラが訪れるタイミングと一致していたため、リーナは急いで現場に向かう。
達也は、エリカとの不和を避けるため、深雪とほのかとともに校舎の屋上で過ごしていた。彼は吸血鬼の目的や正体、さらにはパラサイトとの関連について思案している。その最中、深雪が不快な波動を感じ取り、達也はそれが霊子波である可能性を考える。すぐに、真由美から吸血鬼が校内に侵入したという情報が入り、達也と深雪は行動を開始する。ほのかは屋上に残された。
一部の生徒会役員や風紀委員を除いて、校内でのCAD携帯は禁止されており、生徒は登校時に事務室にCADを預けることになっている。エリカと幹比古が緊急事態を理由にCADの返却を求めるも、事務室の係員は特例を認めず、返却依頼を受け付けなかった。しかし、克人が登場し、係員に圧力をかけることでCADの返却を実現した。
リーナは、ミカエラ・ホンゴウが潜入しているトレーラーに接近し、彼女に警告を与えるべきか迷っていた。一方で、達也と深雪は吸血鬼の存在を知り、校内での行動を開始。幹比古は認識阻害の領域魔法を使用し、リーナとミカエラを含むトレーラー周辺を結界で覆った。
達也は、この結界を利用し、監視装置のレコーダーをオフにするよう真由美に依頼。真由美は達也の依頼を受け入れ、レコーダーをオフにした。その後、達也と深雪は隠れていた場所から飛び出し、吸血鬼に対処するための行動を開始した。
エリカとリーナが戦闘を繰り広げる中、ミカエラがエリカの攻撃を防ぐシーンから始まる。リーナはミカエラとエリカの戦闘を止めようとするが、エリカはリーナとミカエラを敵とみなし、攻撃を続ける。その最中、シルヴィアからミカエラが白覆面の正体であることがリーナに伝えられる。エリカの攻撃はミカエラに通じないものの、深雪が現れ、ミカエラを凍結させる。
リーナはシルヴィアと通信を行いながら、達也と深雪に現状を説明する。その後、パラサイトによる攻撃が始まり、達也たちはその攻撃を防ぐが、パラサイトの正確な位置を特定することができない。美月がパラサイトの位置を特定し、その情報をもとに幹比古が攻撃を行うが、パラサイトは逃走する。
達也は美月を守るためにパラサイトの攻撃を阻止するが、パラサイトを捕獲することはできず、戦闘は無様な終わりを迎える。達也は、深雪や美月、エリカへの影響を考慮し、自分の感情を抑える。
9(アニメ2期6話)
それはこの世界に属さない存在であり、形のない世界から強い霊子波動に引き寄せられてこの世界にやってきた。十二に分裂し、人間に宿った後、存在を維持するために霊子を吸収する必要があったが、独力で霊子を吸収することができず、形あるものと一体化する必要があった。高圧の想子流を浴びせられ、大きく削り取られたため、物質次元に干渉できなくなった。それは本能に似た思考力しか持たず、新たな宿主を得ることが困難な状態にあった。休むための器を求め、第一高校の倉庫で休むための場所を見つけた。
翌日、達也とその友人たちはパラサイトを撃退したが、エリカはリーナを拘束せず逃がした達也に不満を抱いていた。リーナに斬りかかろうとしたエリカは、達也によって説得され、彼らはまた仕掛けてくるかもしれないリーナに対して容赦しないことを誓う。達也の本気の態度にエリカは機嫌を直し、彼らの間の緊張は解消された。
リーナはUSNA大使館で行われている査問会において、屈辱的な扱いを受けている。査問委員たちは、リーナが高校生相手に敗れ、容疑者を奪われたこと、さらには一ヶ月もの間、容疑者の正体に気がつかなかったことを問題視している。リーナは内心で反論するものの、実際には言葉にできずにいた。委員たちの中にはリーナの年齢と地位に嫉妬している者もおり、不必要な嫌みを言われることにストレスを感じていた。さらに、査問委員たちからは、リーナが感染者との接触があったことについて、メディカルチェックを受けるべきだとの暴言を受ける。この場に、USNA統合参謀本部情報部内部監察局第一副局長のヴァージニア・バランス大佐が現れ、リーナを擁護する。バランス大佐は、リーナの任務の失敗を彼女の責に帰すことは妥当ではないと主張し、リーナが雪辱の機会を望んでいることを確認する。バランス大佐はリーナに対する最高水準の支援を提案し、自らが東京に駐在することを宣言する。シルヴィアはリーナに帰国命令が下されたことを伝え、リーナは感染していないと断定できないため、帰国できないと知る。バランス大佐はリーナの補佐に別の者を手配することを提案するが、リーナはこれを断る。シルヴィアはリーナに、今後もリーナとして接してほしいと頼み、リーナは自信を持って任務に臨むことを誓う。
横浜に出張していた黒羽貢は、ホテルの部屋で電話がかかってくると、受話器から流れる四葉の当主、真夜の声に緊張した。彼女は貢の従姉にあたり、四葉情報網を取り仕切る分家の当主である。真夜は貢に対し、パラサイトの宿主特定が終わったかを尋ねた。貢は全てのパラサイトの宿主を特定済みであると答え、真夜からは宿主を全て消去するよう命令された。真夜は、死亡した宿主からパラサイトがどのように抜け出し、新たな宿主と一体化するまでの過程を観察し、報告することを求めた。貢はこの任務を引き受け、消去が終わったら報告するようにとの指示を受けた。貢はこの任務を明後日までに完了させることを約束し、電話を切った。
達也は、情報の次元において情報体を直接攻撃する技術「術式解体」の修行に苦戦している。八雲によると、これは通常の修行では得られない、非常に高度な技術である。達也は既に情報次元の標的に想子弾を当てることはできるが、それを効果的に作用させることができないでいた。八雲と深雪は達也に対し、新しい魔法の開発を提案する。一方、達也たち以外にもエリカや幹比古、真由美、克人などが、再び吸血鬼という脅威に対抗するための準備を進めていた。
その頃、政府関係者による内部告発がニュースで報じられる。内容は、米軍がマイクロブラックホール生成実験を強行し、異次元からデーモンを呼び出し、そのデーモンに憑依された魔法師たちが吸血鬼の正体であるというものだった。このニュースは、魔法師に対する危険性と、軍が魔法師を統制しきれていないことを暴露するものであり、達也と深雪はこれが魔法師排斥を本音とするメッセージであると推測する。
リーナは、米国政府が日本軍の秘密兵器に対抗するためにデーモンを呼び出したというスキャンダルに頭を悩ませている。彼女は学校で通常通り振る舞うよう上官から命じられているが、内心はこのニュースに動揺している。達也との会話の中で、リーナはニュースの内容が情報操作であり、表面的な事実は正しいものの、重要な部分は嘘だと主張する。彼女は、この情報漏洩の背後に「七賢人」と呼ばれる正体不明の組織がいると推測しているが、その組織の正確な動機や目的は不明である。
一方、黒羽貢は、吸血鬼となったDDとその仲間たちを暗殺する任務を遂行している。彼が開発した「毒蜂」という魔法を使い、DDを含む吸血鬼たちを殺害する。この魔法は犠牲者に激痛を与え、ショック死させる能力を持ち、物理的な傷跡をほとんど残さないため、暗殺に適している。貢と彼の部隊は、宿主から逃げ出した精神体の追跡も行い、USNAの追跡部隊が苦戦していた吸血鬼たちを効率的に処理している。
10(アニメ2期6話)
マイクロブラックホール実験のリークに関して、リーナは人間主義者との直接的な関連を否定し、達也も彼女の推測を妥当と判断した。しかし、北アメリカ大陸を中心に魔法師排斥運動が広がっている現状が述べられている。外交の舞台では、秘密外交が依然として活動しており、二人の外交官が狂信者について語り合う様子が描かれている。彼らはお互いに外国人の安全を確保することに感謝しつつ、狂信者による問題に対処する困難さを共有している。
藤林は、盗聴した会話を達也に聞かせ、日本の外交官たちが「戦略級」の重要性を理解し努力していること、また大亜連合とUSNAが裏で一種の共謀関係にあった可能性を示唆する。この共謀は、日本を適度に弱体化させることがUSNAの利益に適うという考えに基づく。藤林の訪問は、この外交的なやり取りの重要性を達也たちに認識させるためであり、彼女の訪問の最後には義理チョコを渡して去っていく。
第三次世界大戦後も、日本の文化には大きな変化がなく、バレンタインデーの習慣は続いている。第一高校では、バレンタインデーを前に浮ついた空気が漂っている。放課後の生徒会室では、ほのかが体調不良を感じながらも仕事をしようとしており、彼女の責任感の強さに対して、あずさやリーナなどが休むよう勧める。結局、ほのかは仕事を早退することを決める。
その後、達也と深雪が帰り道で話をしているシーンが描かれ、ほのかがバレンタインデーの準備のために早退したことが話題になる。達也はほのかのようなタイプがバレンタインデーに力を入れることに対して、何かを返せないことに申し訳ないと感じている。深雪は達也に、単にプレゼントを喜んで受け取ってもらうだけで十分だと励まし、リーナはそのやり取りを見ている。
リーナは、バレンタインデーの「チョコレートをあげる」習慣が日本独特のものではなく、アメリカでも知られていることを述べる。また、彼女自身は誰にもチョコレートをあげる予定がないと言い、深雪が達也に本命チョコを渡すことを想定していたが、深雪はそれを否定し、兄妹間で本命チョコを交換することは不適切だと指摘する。
バレンタインデー前日に、七草真由美が台所でチョコレートを作っている様子を、彼女の妹たちが見守っている。真由美はカカオ95%の苦いチョコレートとエスプレッソパウダーを使っていて、その含み笑いは何か悪巧みをしているかのように見える。一方、達也は八雲の指導の下、新しい魔法の訓練に励んでおり、精神的な消耗はあるものの、副作用の心配はないとされる。深雪は、バレンタインデーの朝、八雲にチョコレートをプレゼントしており、八雲は異国の風習でも良いものは取り入れるべきだと述べている。この物語は、バレンタインデーにちなんだ家族や師弟間のやり取りを描いている。
半世紀前の多人数輸送電車と現代の個型電車を比較し、個型電車は時刻表がなく、到着時刻にばらつきがあるため、待ち合わせには不便と指摘されている。この背景の下、達也とほのかは学校で合流するパターンに移行していた。特にこの日、バレンタインデーにはほのかが達也にチョコレートを渡す特別な機会であり、ほのかは緊張し、達也はその気持ちを受け止める。一方、教室では美月が気軽に友人たちにチョコレートを配り、エリカは自分の家族へのバレンタインの義務について愚痴をこぼす。エリカと幹比古の間で、バレンタインに関連する家族や修行への態度について軽い論争が交わされ、それによって教室内の雰囲気は一時的にピリッとするが、最終的には日常の一コマとして収束する。
魔法科高校のカリキュラムは一般高等教育と魔法教育の両方を含むため、生徒たちは非常に忙しい。特に体育の授業では、普段の緊張が緩む。二月十四日の体育の授業前、女子生徒たちは更衣室で着替えながら、バレンタインデーの浮ついた雰囲気の中でお喋りを楽しんでいた。深雪はいつもと異なる場所で着替えるリーナに軽く言及し、リーナは他の生徒からのバレンタインに関する質問が煩わしいと明かした。
放課後、学校内はバレンタインデーの浮ついた雰囲気に包まれていた。授業の間は自粛していた生徒たちが、様々なプレゼント交換の光景を繰り広げている。中には、許嫁同士のやり取りや、恥ずかしがりながらプレゼントを渡すシーンなどがあった。達也は巡回当番で、普段は友好的でない森崎と一緒に校内を回っていた。カフェテリアで、真由美から達也へのチョコレートが渡され、達也はそれに対して複雑な感情を抱いていた。その後、九校戦一年女子チームからの義理チョコを受け取るが、深雪とほのかからは別にもらうことになっていた。真由美は達也に彼女が作ったチョコレートを試食するよう促し、達也はそれを受け入れる。達也はその後、真由美と二人で話をするために場所を移動することにした。
携帯端末でダウンロードしたキーコードを使用して真由美が開けた部屋は、父兄や業者との面談に使用される談話室だった。真由美は達也に紅茶を勧め、二人は吸血鬼に関する情報交換を行ったが、その内容は的外れなものだった。会話の中で共有感応知覚能力について言及され、未知の事態に対する達也のコメントは具体性を欠いていた。その後、真由美は達也に自作のチョコレートを試食させる。このチョコレートからは強いカカオの臭いがし、達也はこれを食べることになる。達也は丁寧に包装を解いてチョコレートを食べ、その結果については真由美が満足げに微笑んだことのみが記されている。
ほのかは生徒会の仕事で校庭を横切り、準備棟へ向かっていた。彼女は自分が達也の恋人ではないことを自覚しつつも、彼に付き纏っている。しかし、今日はそのネガティブな感情が吹き飛ぶ出来事があった。彼女は達也からチョコレートのお返しとして水晶の珠をもらっており、その幸福感に浸っていた。英美との会話の中で、真由美が達也に本命チョコを渡そうとしたことを知り、ほのかの心に不安が生じる。一方、達也は校門を出るときに、深雪とほのかとリーナと共にいたが、リーナとの間に微妙な空気が流れていた。リーナが何か言いたそうにしているのに気づき、達也は深雪の促しでそれに気づくが、リーナはそれを否定した。達也はリーナが兵器としての自分と似た存在であることを感じていた。その後、リーナが何か言いたそうにしていたが、電車が近づいてくる中で、その話は達也一人の胸にしまわれた。
バランス大佐は、部下からの報告に基づいて、監視衛星がタツヤ・シバに気づかれた可能性を懸念するが、最終的には気の迷いと断じる。その一方で、リーナは義理チョコを達也に渡そうとするも、彼が深雪の肩を抱く姿を見てしまい、渡せなくなる。この出来事は、リーナが達也に対して抱く感情が恋愛感情ではなく、競争心であることを自覚させる。その後、リーナはバランス大佐から、達也に対する任務を一時棚上げし、質量・エネルギー変換魔法の術式もしくは使用者の確保を最優先の任務として命じられる。この任務には、術式の無力化、つまり術者の抹殺も含まれていることが示される。リーナは、この新たな命令を受け、バランスに敬礼して任務に就くことになる。
エリカは通学時間が長い部類に属し、学校の近くに部屋を持つことも勧められたが、家から通うことを選んだ。その理由は、父親や兄との関係にあった。彼女は自宅から学校まで歩いて帰るが、家族は彼女が自衛できると信じて心配していない。エリカは容姿に関する注目を不快に感じており、外見だけで判断されることや、見た目でチヤホヤされることを好まない。彼女の母親は父親の愛人であり、エリカが「千葉」の姓を名乗るのは母親が亡くなった後のことである。エリカは母親の死後、剣術に没頭し、千葉道場のアイドルとなる。現在、彼女は友達やクラスメイトとの関係に充実感を感じているが、恋愛遊戯には興味がないと考えている。ある日、彼女の次兄から、クラスメイトの達也が国防軍に監視されていることを聞かされる。エリカは達也の国防軍の部外構成員であることを知っており、その監視が彼女にとって馬鹿馬鹿しいと感じる。次兄はエリカに、達也の周囲に近づかないよう忠告するが、彼女は学校での関係について懸念を表明する。一方、深雪は家に帰ってから達也に多量のチョコレートを調理し、食べさせる。深雪はチョコレートを料理にして達也に提供し、これが真のバレンタインチョコレートであると伝える。食後、深雪はアルコールの影響で少し酔ってしまい、達也に助けられる。深雪は自分が達也の妹であることに複雑な感情を抱いている。
11(アニメ2期7話)
暗闇の中で意識が目覚めた存在は、人間でも生き物でもなく、寿命という概念を持たないものだった。自身が何であるか、そして何のために生まれたかを考えながら、自分が宿る器に自分を染み込ませていった。そして、ある日、その器に活力が吹き込まれ、身体を掌握する能力を獲得した。この存在は喜びを感じたが、その喜びを表現する方法を持っていなかった。
一方、魔法科高校では、人型家事手伝いロボット(3H)の一体が笑顔を浮かべて魔法の力を使ったという事件が起こり、学校中が困惑に包まれていた。この現象を調査するために、達也が同級生から呼び出された。3Hのボディから高濃度の想子の痕跡が観測され、その背後には何か不可解な力が働いていることが示唆されていた。
達也と他の生徒たちは、この3H、通称「ピクシー」の電子頭脳を調査することになった。その過程で、ピクシーが人間のような感情表現をする原因が、ほのかの強い想念によって覚醒したパラサイトであることが明らかになった。このパラサイトは、ほのかの「達也に尽くしたい」という想念によって目覚め、ピクシーを通して達也に従属することを望んでいた。
達也はピクシーに、自分の許可無くサイキックを行使することを禁止し、表情を変えることも禁じた。ピクシーは達也の命令に従うことを約束し、元の仮面の表情に戻ったが、その表情は依然として不気味な笑みを浮かべているように見えた。
12(アニメ2期7話)
達也と深雪は、パラサイトが取り憑いたロボット、ピクシーについて話し合っていた。達也は自家用車で深雪の送迎をしており、深雪は良家の子女として教育を受けていることが語られる。達也は、ピクシーを家に持ち帰ることはできないとし、学校で情報を聞き出すことを計画していた。深雪はピクシーがそれを望んでいるかもしれないと指摘するが、達也はパラサイトの生態や性質がほとんど分からないため、その言葉を信じることができないと答えた。
その後、達也は深雪をピアノとマナーのレッスンに送り、彼女が教室に入っていくのを見守った。男子禁制のこの教室では、達也は中に入ることができず、近くのレストランで時間を潰すことにした。そこでは、達也が意識を拡散させ、深雪に害を及ぼすものがないか警戒していた。しかし、最終的には達也自身がターゲットになってしまう。達也は自身が護衛失格であると自覚しつつも、その認識に失意や反省の感情は込められていなかった。
ヴァージニア・バランス大佐は、達也の生活パターン分析後、彼を襲撃する作戦を計画していた。作戦は、強盗を装い、レストランで達也を捕獲するというものである。しかし、バランス大佐は、達也が単なる高校生ではないこと、特殊部隊の工作員のような能力を持っていることを認識していた。リーナは公園で待機し、ブリオネイクという戦術魔法兵器の最終点検を行っていた。リーナは作戦の成功に疑問を抱いていたが、達也の実力や深雪の力を侮ることができず、達也の使った魔法について深く考え込む。リーナは実戦経験は豊富だが、知識面で不足があり、そのことが不安要素となっていた。彼女は達也のような未知の能力を持つ相手との戦いにおいて、自分の経験や知識が足りないことを痛感していた。
達也は自らから喧嘩を売ることは少なく、深雪の安全や名誉を守る場合にのみ行動すると考えている。しかし、平和を守るために戦うことも必要だという考えも持っている。ある夜、敵が現れると、達也は戦闘を避けることも可能だが、決断し行動を開始する。敵は達也を生け捕りにしようとするが、達也は彼らの武装デバイスを破壊し、戦闘を優位に進める。達也は敵が強化人間であることを察知し、彼らの異常な活力に驚く。戦闘の最中、千葉修次が介入し、達也を助ける。修次は達也とスターダストと戦い、その卓越した技術で敵を無力化する。しかし、その後、強力な敵が現れ、修次は苦戦を強いられる。達也は、敵の正体が「アンジー・シリウス」であることを確認し、続く戦いに備える。
13(アニメ2期7話)
ほのかと雫の間の電話での会話には、大きな精神状態の違いがある。ほのかは、自分の深い愛情が他人によって明かされたことで興奮している。これは彼女が自ら言葉にできなかった感情を他者が代わりに表現したためである。一方、雫は時差による睡眠欲を訴えている。ほのかの感情を公にしたのは、異常な事態に巻き込まれたメイドロボットであり、この事実はほのかを慰めない。雫はほのかに直接自分の気持ちを伝えることの重要性を強調し、達也がほのかが頼りにするには良い相手であると述べている。また、雫はほのかに積極的になるよう勧め、達也との関係を深めるための助言を提供する。雫は、ほのかと達也の関係が兄妹以上のものである可能性を示唆し、ほのかには諦めずに達也に自分の気持ちを伝えるべきだと激励している。
達也は「アンジー・シリウス」として変身したリーナと対峙している。リーナは外見だけ変えており、座標情報の改竄はしていない。これは彼女が魔法力を他の目的に集中させているためと達也は推測する。達也は、リーナの魔法「ヘビィ・メタル・バースト」が高エネルギープラズマのビームを生成し、それが非常に高いエネルギーを必要とすることを理解している。リーナがこの魔法を使用できるのは、彼女が特別な術式補助装置を持っているからである。
達也は、リーナがプラズマビームを指向性を持たせ、有効射程をコントロールしていることに気づく。この技術の背後にはリーナが持つ特殊な杖があり、これがUSNAの最先端技術であることを達也は認識している。彼はリーナの戦略を解明するためにさらなる観察を必要としているが、直接攻撃を受けた場合の反撃の余力が残るかどうかに懸念を抱いている。
リーナは達也を誘い、彼は追跡を決意する。リーナが遠ざかる中、達也は重力制御を発動して追いかける。達也は、これが罠であることを知りつつも、逃れることができない状況にあることを認識している。
USNA軍の秘密指揮指令室では、捕獲作戦の中でリーナが独断で行動し、混乱が生じていた。リーナは「アンジー・シリウス」として達也に対峙し、高度な魔法「ヘビィ・メタル・バースト」を使い、達也を追い詰める。しかし、達也はリーナの攻撃を分析し、彼女の使う杖「ブリオネイク」が特殊な魔法補助装置であることを見抜く。達也はリーナの魔法攻撃を回避し、反撃に出る。彼はリーナの「ブリオネイク」を無力化し、リーナを負かすことに成功する。戦闘の結果、リーナは意識を失い、達也は勝利を収める。
14(アニメ2期7、8、9話)
リーナが意識を取り戻した場所は、移動中継基地の大型ワゴン車内であった。彼女は周囲に誰もいないことに違和感を感じ、車載情報システムの録画を確認しようとするが、データが全て消去されていることに気づく。通信機器も破壊されており、自分の怪我も治っていることに驚く。リーナは、達也が精神干渉系統の魔法師、「幻術使い」である可能性を考え始める。
一方、達也はリーナとの戦闘後、リーナを移動中継車に運び、USNA軍のバックアップチームに対処するため行動を開始する。彼は、車内の電子機器を魔法で破壊し、敵を倒すことに成功する。その後、情報を抹消し、リーナから奪ったデータキューブを確保する。
達也は四葉家の執事である葉山と連絡を取り、状況を報告する。葉山は、USNA軍の動きを抑え、現状を解決するために達也からデータを受け取り、適切な措置を取ることを約束する。達也は四葉家が持つ影響力と能力を信じて、データを送信し、今後の対応を葉山に委ねる。
達也がクラスメイトと共にいつもと異なる空気の教室に入ると、エリカが不機嫌な様子であることに気付く。彼女の不機嫌の原因は、昨夜の出来事に関連していると達也は察するが、具体的な情報を友人たちには提供できない。放課後、達也はロボ研から借りたピクシーを訊問するため、彼女を女子の制服に着替えさせて目立たないようにする。その後、達也はピクシーから「吸血鬼事件」についての詳細を聞き出す。
エリカが達也に話を持ちかけると、彼はUSNA軍のスターズ総隊長、アンジー・シリウスとの昨夜の戦いについて言及する。達也はエリカに対し、これ以上シリウスの件を追求しないようアドバイスする。エリカは達也に何者であるか問いただし、彼が特定の家族の一員ではないかと推測するが、達也はそれ以上の追及を避ける。エリカは達也がパラサイトの残党についても調査していることを理解し、彼と情報を共有することに同意する。
達也との密談後、エリカは自分の行動について振り返り、後悔の念を抱く。達也に関する秘密を知ってしまったことで、彼女はそれを他人に話せない立場に置かれ、自分の行動に自嘲する。エリカは達也の身辺を探っていた背後にいる者に反感を持ち、達也の秘密を守るつもりでいたが、結果的に達也を守らなければならない立場に追い込まれる。達也はエリカとの会話後、ピクシーに対して質問を続け、彼らが共通の目的意識で行動していたこと、個体間で意識を共有していたことを知る。ピクシーは非生命体に宿った現在、仲間との接続が切れており、異端の存在となっているが、異端を排除する欲求はないと説明する。達也はピクシーに、元の服装に着替えてスリープ状態で待機するよう命じる。その後、達也は深雪を迎えに向かう。
西暦2090年代の世界では、魔法師と非魔法師で世界の広がり方が正反対になっている。魔法師は軍事力としての有用性から、国外への出国が厳しく制限されており、世界が国境内に限定されてしまった。一方、非魔法師は交通技術の進歩により、世界中を自由に移動できるようになっている。異国人の長期滞在には各国が慎重だが、短期滞在者は増加傾向にある。この背景の中、ある病院の地下では、北東アジア系の九人の若い男性が仮死状態で横たわり、海を越えてきた三人のヒスパニック男女によって蘇生させられる儀式が行われていた。これらの人物は、身体を破壊されても短期間で活動を再開できるような、ある種の学習をしている魔性の者であった。達也はこの情報を受け、国防軍情報部防諜第三課がパラサイトに関心を持っていることを知る。この第三課は七草派の影響下にあり、パラサイトを捕獲しようとしている可能性があるとされている。達也はこの複雑な情勢の中で、深雪を守ることを最優先事項として行動していく。
午後7時になり、生徒が全員下校し、教職員もほとんどが帰宅した後の学校は静かである。校門は閉鎖され、夜間の校内への出入りは特別に許可された者に限られる。この夜間入構の特別許可制度は、以前の生徒会長であった真由美が導入したもので、達也にとっては利便性が高い。達也は深雪とほのかを伴い、夜間の学校へ戻ってきた。彼の目的は、パラサイトを誘き出すためにピクシーを外に連れ出すことである。達也はこの計画に自信を持っており、エリカと幹比古にサポートを依頼している。夜間に制服で外出することは避けられるため、達也は特別な装いで準備を進める。一方、ほのかは制服のままであり、これが達也と深雪にとっては少し問題であった。しかし、ほのかは着替える機会を得て、三人はロボ研のガレージに到着する。達也はピクシーに着替えさせ、その様子を深雪とほのかが見守る中、ピクシーは新たな衣装に身を包む。この準備を経て、達也は作戦を開始する。
エリカは次兄、修次の部屋の前で立ち竦んでいた。予想外に緊張している自分に驚きつつ、彼女は勇気を振り絞って部屋に入った。修次は最初、エリカの訪問に対してそれほど興味を示さなかったが、彼女が「独立魔装大隊」と「司波達也」の名前を出した途端、関心を示し始める。エリカは、達也がその特務兵であること、そしてこれが国家機密に属する事項であることを伝えた。修次は、エリカがこれ以上達也の内情に踏み込まないよう助言し、表向きの護衛のみに従い、彼に対する攻撃にのみ対応することを提案する。エリカは、修次を説得した後、自室に戻り、夜の出発の準備をする。
一方、達也、深雪、ほのかは、ほのかのマンションで夜の準備をしていた。ほのかは達也の助言を受けて適切な服装に着替え、彼らは青山霊園へ向かうことにする。達也は、パラサイトを誘き出すためにピクシーを連れて行く計画を立てていた。彼は、ピクシーの存在が他のパラサイトにとって許容できないものであり、彼らが彼女を取り戻そうとするだろうと考えていた。達也はほのかの「光学迷彩」の技術に自信を持っていたが、彼女にはその冗談が通じないことをまだ完全には理解していなかった。
市ヶ谷にある国防軍情報部防諜第三課の地下本部では、特定の監視対象についての情報収集が行われていた。この部署は諜報活動の裏側を担当し、その構成はリスク分散のために複雑で、各セクションが別々に動いている状態だった。監視対象は都心方面に移動中と判断され、同行者には光井ほのかとヒューマノイド・ホーム・ヘルパータイプP94が含まれていることが確認される。これに基づき、警官に偽装したオペレーターを配置し、魔法行使の瞬間を捕らえて対象を捕獲する計画が立てられた。
一方、バランス大佐はウィークリーマンションで休息していたが、自身の失態と失調に苛まれていた。そこへ「ヨツバ家のエージェント」と名乗る亜夜子が訪ねてきた。彼女はバランスに対し、日本の魔法師に対する干渉を中止するよう要求する。四葉家との関係を重視するバランスは、この提案に対して葛藤するが、四葉家からの感謝を約束され、最終的にはその要求を受け入れる決意を固めた。この出来事は、個人的なコネクションとしてバランスにとって非常に魅力的な提案であり、彼女は悪魔の提案にサインすることを決意する。
青山の高架駅から地上に降りた達也は、多数の監視の目を感知した。これは予想外のことであり、特に四葉との衝突を避けようとする国の諜報機関によるものとは考えにくい状況だった。突如、達也たちは人外の存在、つまりパラサイトからの異質な視線を感じ取る。これに対処するため、ほのかは光波振動系の魔法を用いて監視していた人間たちを眠らせ、彼らの邪魔にならないようにした。達也は、この行動が法に触れる可能性を考慮しつつも、状況を脱するために移動を決断した。
一方、市街地監視システムを操作していた藤林響子は、ほのかの魔法使用を目の当たりにし、その技量を評価する。彼女の祖父、九島烈もまたこの事態を注視しており、達也の周りには面白い人材が多いと評価していた。藤林は、システム操作を通じて魔法の無断使用に対する免責を確実にする任務を担っており、その過程で祖父とのやり取りがあった。この監視システムは、政府内部の要請によって魔法使用の記録を制限する機能を持っているが、藤林は自分でシステムを操作していた。九島烈の立ち会いは予想外の事態であり、藤林は祖父の意図を完全には理解していなかったが、達也の周りの事象に対する興味を共有している様子が見受けられた。
青山霊園に近づいた達也たちは、パラサイトの接近をピクシーからのテレパシーで知らされ、準備を整える。達也はパラサイトとの対話を試みるが、彼らはピクシーを引き渡すよう要求し、達也はこれを拒否する。パラサイトは魔法師に対しては敵対しないと主張するが、達也はパラサイトが既に魔法師の友人に危害を加えていることを指摘し、彼らの提案を受け入れない。パラサイトとの戦闘が始まり、達也と深雪、ほのかはそれぞれの能力を駆使して戦う。ピクシーはサイキックパワーを発揮し、戦闘に貢献する。最終的に達也たちはパラサイトを撃退し、その場から離れる。
モニター画面で展開される光景を見た藤林は、背後から聞こえる九島老人の笑い声に反応する。九島老人は、3Hから放たれたサイコキネシスについて言及し、現在の技術ではサイキック力を機械のみで再現することが不可能であると指摘する。これにより、3Hには機械以外の要素が宿っていると結論付ける。真夜はこの事実について、葉山老人と話し合う。彼女は3H─P94を買い取るよう青木に命じるが、これが困難であれば所有権が移転されないようにし、特に十師族の他家の手に渡らないようにするよう指示する。葉山老人は、真夜がフリズスキャルヴの利用を控えるべきだと助言するが、真夜はそれを受け入れつつも、フリズスキャルヴの本体の場所を突き止めることの可能性を述べる。しかし、真夜はその行動について「まだ早い」と述べる。
達也は、ほのかの介抱をする深雪に、一旦現場を離れることを提案する。彼は、先程放たれた大規模なサイキックが青山・赤坂一帯で観測され、望まざる客人が訪れることを予想する。その後、遅れて到着した仲間たちとパラサイトを運ぶ手段について話し合い、最終的にはエリカたちに現場の処理を任せ、達也たちは帰宅することにする。その途中、ほのかのマンションへの帰宅手段としてキャビネットを利用するが、その中で達也はほのかとピクシーの間で想子が供給されていたことを指摘し、ほのかの髪飾りが何らかの媒体となっていることを推測する。ほのかは驚き、深雪も関心を示す。達也は、この事象の原理を探りつつ、コントロール法を見つける必要があると考え、ピクシーを買い取っておいたことが正解だったと感じる。
この夜、活動していたのは達也たちだけではなく、千葉家のグループもエリカの意向で動員されていた。しかし、彼らは護送車を待つ間に偽の警官に遭遇し、その後、未知の敵に襲撃される。敵は高度な技術を駆使してパラサイトを捕虜にし、夜空に待機していた静粛な飛行船で急速に逃走した。エリカ、レオ、幹比古はこの事態に対処しなければならず、達也に連絡するかどうかを悩むが、最終的には夜が遅いため明日にすることに決める。彼らはこの予期せぬ事態にどう対応するか、策を練る必要がある。
国防軍情報部防諜第三課は、市ヶ谷にあるビルの地下に根拠地を置いており、ステルス飛行船からの報告を受けている。彼らは「吸血鬼」と呼ばれているパラサイトに憑依された元魔法師を捕獲し、低温麻酔で冬眠状態にして保管する施設に収容する任務を遂行している。この操作は上層部からの命令であり、真の依頼主は彼らの背後にいるとされる。一方、藤林は防諜第三課の介入に対処し、その所属組織を特定して対抗措置を講じた。彼女は祖父である九島老人と共に、この謀略の背後にある意図を探り、四葉真夜に情報を流して対応を委ねることを決める。達也と深雪はこの事件に関わりつつ、魔法の本質について深く考察し、深雪は魔法と妖魔の関係についての不安を達也に打ち明ける。達也は深雪の不安を和らげ、妖魔の能力が人間の魔法師に由来する可能性を示唆して、彼女を安心させる。最後に、達也は深雪が眠りにつくまで隣で手を握り、妹の不安を和らげる役割を果たす。
翌朝、達也はエリカ、レオ、幹比古に屋上へ連れ出され、パラサイトの捕獲に関する報告を受ける。彼らは達也に、捕まえたパラサイトが横からかっさらわれたことを伝える。達也はこの相手が国防軍情報部防諜第三課であると推測し、彼らがステルス仕様の飛行船を使用し、特殊な装備を持っていたことから、確信に至る。一方、バランス大佐には四葉家のエージェント、黒羽亜夜子から、防衛陸軍情報部防諜第三課がパラサイトを捕獲し、その中の一体が元USNA軍所属の魔法師であることが明らかにされる。亜夜子はパラサイトの現在地も提供する意向を示す。バランスはこの情報に基づき、アンジェリーナ・シリウス少佐へ出動の準備を命じる。
その日の授業中、達也はイヤホンを使って授業外のことを考えていた。彼が考えていたのは、防諜第三課がパラサイトを強奪した意図である。防諜第三課は七草家の支配下にあり、その行動が達也には理解しがたかった。彼は、もしこの行動が七草家の指示によるものであれば、その強引さが七草家のやり方とは思えなかったと考える。達也は、パラサイトを軍事利用しようとしている可能性に寒気を感じ、USNAでの魔法師排斥運動を引き合いに出し、これが同様の事態を招く恐れがあると懸念する。
達也は、この問題を解決するために、七草家の当主・七草弘一に釘を刺す必要があると決意し、受験が近い真由美に連絡を取る。真由美は、達也の要請を受け入れるが、七草家の行動を約束することはできないと応答する。達也は七草家がパラサイトを利用した事が公になり、それが魔法師に対する損失につながった場合、七草家にその損失を償ってもらうよう警告する。
結局、防諜第三課のスパイ収容施設が襲撃され、捕らえられていたパラサイトが殺されるという事件が発生する。これにより、達也の懸念は現実のものとはならず、一方で彼の予想が外れた形となるが、その結果が必ずしも「幸い」であるとは言えない状況が描かれている。
16(アニメ2期9、10話)
達也は情報部の施設が襲撃され、妖魔が殺されたという報せを受け、深雪にはまだ伝えていない状況で、どう行動するか考えを巡らせていた。彼は国防軍情報部のサーバーに不正アクセスし、事件の映像を確認する。その映像には、仮面をつけた深紅の髪の少女が、収容されていた妖魔を殺害する様子が記録されていた。この少女は達也が知るアンジー・シリウスであり、彼女の行動が兄妹に衝撃を与える。
その後、達也が使用していたワークステーションに突如、レイモンド・セイジ・クラークと名乗る少年からの映像メッセージが現れる。彼は「七賢人」の一人であり、達也に魔法師排斥運動の背後にいるジード・セイジ・ヘイグの存在と彼の目的を説明する。レイモンドは、この運動が大亜連合による魔法技術の抹殺を目的としていると分析し、達也に協力を求める。さらに、彼は次の日にパラサイトを集めて殲滅する計画を告げ、アンジー・シリウスにもこの情報を伝えたことを明かす。
一年E組の二時限目の実技授業では、教師の不在のもと、生徒たちは自主的にCADと計測器を操作していた。レオが遅れて実習室に入り、達也の不在を不思議に思うが、美月は達也が「お客様」と会っていると説明する。一方、達也は学校の応接室で青木という男性と対面し、彼から3H─P 94(ピクシー)を購入したことについて話をされる。青木は達也に対し、ピクシーを倍額で買い取りたいと持ちかけるが、達也は学校との貸借契約が存続していることを理由に拒否する。その後、青木はピクシーを手放す可能性がある場合、四葉家のために保管しておくよう達也に提案し、毎年購入額の一割を支払う自動更新契約を結ぶことを提案する。達也はこの提案を受け入れることに同意し、両者は合意に達する。
青木を送り出した後、達也は実習室に戻る途中で留学生リーナと出会う。リーナは精神的に疲れており、その変化を達也は感じ取る。二人はパラサイトに関する情報交換を行い、共闘する選択肢がないことを改めて認識する。その後、四葉本家では、真夜と葉山が3Hの入手失敗と達也の行動について話し合う。真夜はパラサイトを研究する意義を説き、葉山からパラサイトが復活したという報告を受ける。最終的に真夜は、パラサイトの動向を監視するために亜夜子を指揮することを決める。
七草真由美は受験生であり、魔法大学の入学試験が迫っている中で、家族や七草家の問題に巻き込まれている。一方、七草家当主・弘一は、防諜第三課に侵入しパラサイトを殺害したのがスターズのシリウスであるとの報告を受け、名倉と共に今後の対策を話し合う。弘一は、この件から手を引く決断をし、名倉に通常業務への復帰を命じる。
翌日、達也はレイモンド・クラークからの情報に基づき、パラサイトを野外演習場におびき出す計画を実行に移す。彼は深雪、エリカ、レオと共に演習場に入り、美月とほのかが遠隔から支援を行う。パラサイトとの遭遇が予想される中、リーナも現れ、達也たちは行動を開始する。
達也たち、パラサイト一団、リーナとそのバックアップチーム、国防陸軍第一師団所属の「抜刀隊」、そして単独で抜刀隊を追跡する人影が、第一高校野外演習場で衝突することになっていた。抜刀隊は九島家の影響下にある部隊であり、その動員はパラサイトの兵器的価値に興味を持つ九島老人の意向によるものだった。一方、リーナはスターズ総隊長「シリウス」としての矜持を持ち、達也と深雪に敗れたことでその存在意義が揺るがされていたが、敗北を乗り越え、雪辱を誓っていた。現場では、リーナが単独でパラサイトと戦っていたが、エリカが加勢し、達也がパラサイトの本体を封印するための行動を取っていた。しかし、リーナは達也の要請に応じず、自分の任務に従って行動し、達也とエリカはパラサイトを殺さずに封印することの重要性について意見が分かれた。達也は個々人の価値観を尊重する立場を取り、エリカは対象が人間でなくとも苦しみを長引かせることなく処理することを選んだ。
達也たちのグループは雷光や想子光が閃く戦闘現場に近づく中、レオと深雪は突然足を止め、敵意の定かでない相手に備える。深雪は敵が攻撃してきた場合に備えて周囲の空間を自分の認識下に置くため、半径百メートルのエリアにダイヤモンドダストを発生させる魔法を用いる。これは攻撃用でも防御用でもなく、周囲を認識するためのものだった。レオは深雪の強大な力に感心しつつも、自身が敵と交戦することを決意する。そこにエリカが加わり、レオが苦戦する敵との戦いに介入する。達也の指示に従い、深雪はエリカとピクシーに戦いを任せ、自身は達也のもとへ向かう。エリカとレオは残りの敵に対峙しようとするが、エリカの次兄、千葉修次が現れ、彼らの戦いを止める。
達也が深雪を呼び寄せたのは、エリカとレオでは対処できない事態に直面していたからであり、深雪の力が必要だった。事実、達也たちの前には国防軍の士卒たちが倒れており、彼らは全滅状態にあった。これはパラサイトによるもので、リーナもパラサイトと交戦中であった。達也とリーナは防御を優先しながら戦っていたが、深雪の領域干渉によって魔法の空白地帯が作り出され、パラサイトに対する優位が確保された。その後、地中からの襲撃者が現れ、エリカとレオは対応に追われるが、最終的には修次の介入により局面が一変する。修次は抜刀隊に対して自分の立場を明確にし、パラサイトの脅威を前に抜刀隊の対応を促す。その中で、パラサイトの本体が現れ、ピクシーへの襲撃が試みられるが、エリカとレオ、そして修次の活躍により阻止される。最終的に、達也の指示に従い、ピクシーは達也のもとへ向かい、現場は一時的に安定する。
達也はパラサイトとの戦いでピクシーを支援するようほのかに指示する。この時点でパラサイトは総勢十二体が存在し、その中の一体がピクシーに憑依していた。戦闘によってパラサイトの多くが宿主から解放され、九体が合体して一つの大きな存在になろうとしていた。この合体したパラサイトはピクシーを攻撃しようとするが、ピクシーはほのかの支援を受けて抵抗する。
達也とリーナはこのパラサイトと戦う中で、深雪の能力が必要になる。達也は深雪を強引に抱き寄せ、彼女を通じてパラサイトを直接見ることができるようにする。深雪は達也の指示により、パラサイトに対して精神干渉魔法「コキュートス」を使用し、パラサイトを凍りつかせて破壊する。
17(アニメ2期10話)
リーナは、深雪が使用した精神にダメージを与える魔法「コキュートス」の効果を感じ取り、これが精神干渉系統の魔法「ルーナ・マジック」に類似していると推測した。彼女は、この強力な魔法を繰り出した深雪と達也の兄妹の力に驚愕し、もし決闘でこの魔法を使われていたらどうなっていたかを考えるが、その思考は明確な形にならなかった。
その後、達也はリーナに今見たことを他言無用にするよう求め、リーナがスターズを退役したい場合は支援を申し出る。リーナは、スターズを抜けたいとは思っていないと答え、達也はリーナに何も言わずに去って行った。達也の提案にリーナは混乱しながらも、彼女の意思を尊重する達也の態度に、何かを感じ取った模様である。
達也が去った後、リーナは自分の行動と心理状態に気づき、達也の提案について再考する。彼女は自分が担う辛い任務について考え、達也と深雪がいれば自分がやらなくても誰かがその任務を引き受けてくれることを悟る。この新しい認識はリーナにとって重要な発見であり、彼女の心の迷いを晴らすきっかけとなった。
一方で、達也はパラサイトの封印に成功した場所へ向かうと、黒羽亜夜子率いる四葉の一団と九島烈率いる一団が封印済みのパラサイトを巡って話し合っている場面に遭遇する。亜夜子は九島との交渉に成功し、封印済みのパラサイトを一つずつ分け合うことで合意に至る。亜夜子はこの偶然を内心で達也に感謝し、無事に任務を達成できそうだと考える。
達也は深雪を抱きかかえたまま、彼女の身体が重くなることなく丁寧に抱え続けていた。深雪は羞恥心を感じながらも、リーナのことで達也と会話を始める。達也はリーナに対して特別な感情を持っているわけではなく、彼女がスターズを抜けることが将来的に都合が良いと考えているだけだと説明する。達也は自分とリーナが似ていると感じており、彼女が自分の立場に対して選択肢がなかったと同情している。達也はリーナが同じことを望むなら、力になりたいと思っていたが、余計なお世話だったかもしれないと感じている。
深雪は達也の首に腕を回して強く抱きしめ、達也の心遣いは遠くない未来にリーナの心に届くだろうと信じている。リーナはこの一件で自分に疑問を持ち始めているはずであり、達也との関わりを通じて何かを感じ取るだろうと深雪は語る。達也は深雪の言葉に心を動かされ、二人は仲良く並んで歩き始める。ピクシーは黙って二人の後を追う。
パラサイトを封印した場所が何者かによって空になっていたことで、達也と深雪の空気が変わった。封印されていたパラサイト二体は持ち去られており、達也に謝罪する声が通信機から聞こえてくるが、達也はそれを気にしていないと返答した。達也は状況を冷静に受け止め、パラサイトが持ち去られたことを深く考えていなかったと語る。彼らに持ち去られたほうが有効活用されるだろうとさえ考えているが、犯人については何らかの手がかりをもっているようだった。
エリカ、レオとの合流時、修次も抜刀隊も既に撤収しており、彼らは何があったのかを深く詮索せずに帰途についた。ピクシーは学校のガレージに置いてきたままで、グループは学校を後にする。守衛からの疑いの目を「儀式魔法の実験」という言い訳と女性陣の笑顔でかわし、無事に学校を出た。一連の出来事が終わりを告げるとともに、人と魔と魔物の争いの歴史に新たな幕開けがあったことを、達也はまだ知らなかった。
エピローグ(アニメ2期11話)
卒業式の日、第一高校の校内は喜びの声で満ちていたが、カフェテリアは閑散としていた。今日は卒業式であり、その後には二つの小体育館でパーティが予定されていた。達也は、深雪が卒業パーティの運営で忙しい中、彼女の手伝いを申し出るが、深雪はそれを断固拒否した。達也は、一科生と二科生を分けてパーティを行うことが、双方にとって気楽であると考えていた。
小早川は達也にお礼を言いたくて彼を訪ねる。九校戦での事故以来、魔法を使うことができなくなった彼女は、達也のアドバイスを受け、魔法師としてではなく、魔法に関する知識と感受性を活かす道を見つけた。そのおかげで絶望から抜け出し、新しい目標に向かって前進することができたと感謝の意を表す。達也はその感謝を受け、小早川に頑張るよう励ます。
卒業式の日、第一高校では卒業生たちの喜びの声が響いていた。達也はカフェテリアで、魔法の持続時間を延ばすシステム的アシストに関する覚え書きをしていた。そこに深雪や真由美たちが現れ、達也に話しかける。リーナは、達也が風紀委員でありながら卒業パーティの準備に参加していないことに不満を表明する。深雪はリーナの協力に感謝しつつ、彼女が卒業パーティでの余興でバンドを率いて歌ったことを話す。リーナの歌は高く評価され、彼女自身は照れくさい様子を見せる。
雫からの招待を受け、達也と深雪は彼女の家に訪れる。そこで、四葉真夜からの手紙を受け取る。手紙には、水波という少女を第一高校へ入学させ、達也たちの家に住まわせ、メイドとして働かせること、そしてガーディアンとしての訓練を受けさせる計画が書かれていた。水波は亡き母のガーディアンであった穂波に顔立ちがそっくりで、彼女を拒絶することは達也にも深雪にもできなかった。真夜の計画は達也たちにとって苦い「贈り物」となり、新たな年度がこれまで以上に波乱を含むものになる予感がする。
アニメ
PV
OP
ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)ED
佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED同シリーズ
魔法科高校の劣等生
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー
新魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く
漫画版
四葉継承編
師族会議編
エスケープ編
その他フィクション
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