小説「マージナル・オペレーション 空白の一年[上]」感想・ネタバレ

小説「マージナル・オペレーション 空白の一年[上]」感想・ネタバレ

どんな本?

『マージナル・オペレーション 空白の一年』は、現代の紛争地域を舞台にしたサバイバルストーリーである。本作は、シリーズの外伝として、アラタという指揮官と彼が率いる子供たちが、日本に向かうまでの1年間の出来事を描いている。

物語は、アフガニスタンやイラクといった紛争地域を背景に進行し、アラタたちは過酷な状況下で生き抜くために奮闘する。彼らはシベリア共和国やタリバンといった敵対勢力の襲撃を避けながら、砂漠や山岳地帯を進み、時には敵と戦いながらも、少しずつ目的地に近づいていく。

この作品の魅力は、リアルな戦争描写と、キャラクターたちの人間ドラマにある。特に、指揮官であるアラタが子供たちを守りながら、戦いの中で自分たちの道を切り開いていく姿が描かれている。また、ジブリールという少女兵の視点から物語が進むことで、彼女の成長や葛藤が強く感じられ、読者は彼女の視点を通して戦争の残酷さや厳しさを実感できる。

『マージナル・オペレーション 空白の一年』は、単なる戦争物語ではなく、人間の絆や生きるための決断をテーマにしており、戦争のリアルな側面と人間ドラマが交錯する作品である。戦争やサバイバルの物語が好きな方にとっては、非常に興味深い一冊となるだろう。

読んだ本のタイトル

マージナル・オペレーション 空白の一年[上]
著者:芝村 裕吏 氏
イラスト:しずま よしのり 氏

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あらすじ・内容

シリーズ開始より10余年。芝村裕吏×しずまよしのり『マージナル・オペレーション 空白の一年[上」』が遂に電子書籍として登場!

西(ペルシャ)へ――。

村はアラタの指揮した戦闘で燃え、ジブリールたちは故郷を失った。
子供たちを引き連れたアラタは、サマルカンドを経由し、イラン――かつてのペルシャを目指す。
途次、シベリア共和国によると思われる不可解な襲撃を受け、目減りする資金を睨みながらも、一行を乗せた中古のバスは砂漠をひた走る。
日本篇までの空白の一年に何があったのか。いま、ジブリールの視点から、全てが明かされる。
芝村裕吏×しずまよしのりのタッグが贈る大ヒットシリーズ、再び砂漠の地へ――!

マージナル・オペレーション 空白の一年[上]

感想

ジブリール視点だからこその発覚。
この頃からジブリールの愛は重かった。

『マージナル・オペレーション 空白の一年[上]』は、ジブリールの視点で描かれた物語あった。
物語は、アラタの指揮で故郷の村が燃え、住む場所を失った子供たちを連れて西へ向かう旅を描いている。
これまでのシリーズではアラタの視点で進んでいたが、本作ではジブリールの視点が採用されており、彼女の内面や感情がより深く掘り下げられている。

ジブリールの視点を通じて、アラタへの思いがいかに強いのかが明らかになる。
彼女が何かあるたびに「責任取って結婚します」と言ってしまうなど、若さゆえの無邪気さと、アラタへの憧れが描かれていて、微笑ましくも切ない。
彼女の視点から描かれるアラタの未熟さや、彼が子供たちを守るために奮闘する姿も印象的であり、彼の成長がどのように描かれていくのかが見どころである。

また、ジブリールが過酷な旅路を通して、どのようにして成長していくのかがこの作品の大きなテーマとなっている。
彼女が戦場でアラタに依存しながらも、次第に自立し、彼にふさわしい存在になろうと努力する姿が感動的である。
シベリア共和国との対立や、砂漠の中での厳しい戦闘を経て、彼女がどのように変わっていくのか、読む者の心を強く引き込む。

本作では、文化や宗教の違いが登場人物たちの行動や考え方に大きく影響していることも描かれている。
アラタとジブリールの関係性も、そうした背景の中で深まり、異なる価値観を持つ者同士がどう向き合い、共に生き抜こうとするのかがテーマとなっている。
ストーリーはテンポよく進み、次巻への期待を抱かせる。

全体として、『マージナル・オペレーション 空白の一年[上]』は、戦争と愛、成長と葛藤を描いた感動的な物語である。
ジブリールの成長や感情の揺れ動きが丁寧に描かれており、読者は彼女の視点を通して物語に深く入り込むことができる。
アラタとジブリールの今後の関係や、シベリア共和国との対立がどう展開していくのか、次巻でのさらなる展開に期待したい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

プロローグ

ジブリールは、仲間とともに弾薬箱を運んでいた。その途中、民家の窓に映った自分の姿を見て、日に焼けて痩せ細った姿に驚いた。彼女はそんな姿でも恋をしている自分に戸惑い、目を伏せた。村を見下ろしながら、彼女は戦いに疲れ、もうやめたいと思っていた。故郷の村は間もなく戦火に包まれる運命にあり、ジブリールは自分が恋に落ちた瞬間を思い出していた。

彼女は、親に売られて子供兵となり、その指揮官であるアラタに対して恋心を抱いていた。アラタは優秀な指揮官であり、常に被害を少なくするよう努めていた。彼の命令には優しさがあり、子供たちを守ろうとする意図が感じられた。ジブリールは、その優しさに惹かれていた。アラタは子供たちの命を最優先し、戦果よりも生き残ることを重視していた。彼の指揮のもと、部隊は数々の戦いを勝ち抜いてきた。

ある日、ジブリールはアラタの姿を見て、その冷静で落ち着いた表情に、彼が戦いの終わりを見据えているのではないかと感じた。彼の言葉からは、まだ次があるという信念が伝わってきたが、ジブリールは不安を抱いていた。戦場でのアラタの姿を見上げたとき、彼の目には終わりの兆しが見えず、ジブリールは彼と一緒に生き残りたいと強く願っていた。

戦闘が始まると、ジブリールはアラタの指示に従って重機関銃を操り、敵を撃退した。アラタは冷静な指示を出し続けたが、その顔には戦果を喜ぶ様子はなかった。彼は早々に撤退命令を出し、戦果よりも部下たちの損害を少なくすることを優先した。その姿を見て、ジブリールはアラタが人を傷つけることを好まない人であると気づき、その人間性に惹かれている自分を再確認した。

谷の片側にある交通壕は雨水の溜まった匂いが漂っていた。ジブリールはアラタの手を引いて、その穴へ向かって歩いていた。アラタの手は冷たく、人を傷つけることを嫌いながらも子供たちのために戦い続けていることに、ジブリールは感謝していた。彼女は決意して、アラタに向かって素顔を見せた。彼女が「産道のような穴です」と説明すると、アラタは一瞬戸惑ったが、彼女の言葉に感動して微笑んだ。

ジブリールはアラタの気持ちを確認しようとし、「これからどうするのですか」と尋ねた。アラタは「村は燃えたが、人は無事だ。僕の仕事はこれで終わりだ」と答えたが、ジブリールはその答えに満足できなかった。彼女はアラタに抱きつき、「私たちはどうなりますか?」と尋ねた。アラタは「僕も自由だ。どうにか日本に帰る」と言いながらも、彼女たちを見捨てる気はないと伝えた。

穴を抜けると、彼らは美しい人造湖に出た。アラタはその景色を見て、「綺麗なところだ」と呟いた。ジブリールは彼に、自分たちは家族から捨てられ、もう戻れないことを告げた。アラタはしばらく考えた後、「僕はまだここにいる」と言い、子供たちのそばにいる決意を示した。隠れていた子供たちも出てきて、アラタに大人の指導を求めた。

アラタは子供たちとともに撤退を決め、「武器は捨てて、サマルカンドに向かおう」と指示した。途中、ジブリールの父が現れ、アラタに彼女の持参金として首飾りと宝石を渡した。アラタはその申し出を受け入れ、子供たちを新しい場所へ導くことを約束した。彼らは故郷を離れ、新しい未来に向けて歩き出した。ジブリールはアラタと一緒にいることで安心し、故郷の村が燃えていることに気に留めないようにした。

1章 産道を抜けて

ジブリールは、強い風が吹く山の中で、人々の列からアラタを探していた。彼は物思いにふけりながらも、何か決心したような顔をして歩き出した。ジブリールは彼の袖を掴んで引き止めると、アラタは彼女に気を遣いながらも、風が強いため今夜の宿を探さねばならないと話した。

その夜、彼らは焼けた故郷の村を見た。村は黒く塗りつぶされ、焼ける匂いだけが漂っていた。ジブリールはアラタを見上げ、彼が彼女たちを見捨てないことを感じ取り安心した。

翌朝、アラタは疲れた様子で目を覚まし、子供たちと一緒に長い道のりを歩き始めた。彼らはサマルカンドに向かうため、国道を避けて険しい山道を進んでいた。途中、食料と水が隠されている場所にたどり着き、アラタの指示で皆がその場所を調査し、必要な物資を確保した。

ジブリールは、アラタが彼らのために長い間計画を立てていたことを知り、彼の遠見の力を実感した。道中、彼女はアラタが優しい心を持ちながらも、時折迷っていることに気づき、その姿に不安を覚えた。しかし、彼女は彼の側にいることを選び続けた。

道中、彼らは飛行機を見かけ、アラタの指示で敵であっても手を振ることで平和を示した。ジブリールはアラタが皆を守ろうとする決意を再確認し、彼に対する感謝と尊敬の念を深めた。

最後に、彼らは廃れた岩屋にたどり着き、そこで食料を確保した。岩屋での出来事を通して、ジブリールはアラタの人間らしさを再認識し、彼との絆を強めていった。ジブリールは、アラタと共に歩む未来に希望を抱きながら、彼との時間を大切に思っていた。

2章 青の街

サマルカンドの街を訪れたジブリールたちは、青い建物と平和な雰囲気に包まれていた。しかし、戦争の跡地から来た彼らには、その平和さが逆に違和感を感じさせた。アラタは皆を支えるために奮闘し、彼らのためにお金を手に入れようとしたが、首飾りを売るのに苦労していた。最終的には、警察署の助けを借りて宿泊場所を確保し、アラタは子供たちを養うための手段を探し続けた。

ジブリールは、アラタが彼らを見捨てるのではないかと不安に感じていたが、アラタは子供たちのために最善を尽くすと約束した。しかし、彼の本音が見えないため、皆は不安を抱えていた。彼らは施設に入れられるかもしれないという状況の中で、警察署から脱出し、アラタが用意したバスに乗って再び逃亡生活を始めた。アラタは子供たちのためにどこへ行くかを考えながらも、彼らを守る決意を新たにしていた。

3章 ペルシャ行きのピクニック

ジブリールは、自分がアラタに求婚して受け入れてもらうためにはもっと美しくならなければと考えていた。彼女は手鏡や香油を使って自分を整えようと決意していた。バスは順調に進み、検問もなくサマルカンドから遠ざかっていった。途中で休憩を取った際、ジブリールはアラタに対する自分の思いを強めた。

翌日、ジブリールたちはバスの外で礼拝用の敷物を使って過ごし、アラタとオマルが話し合っているのを見ていた。ジブリールは、アラタが自分たちを施設に預けようとしていたことに気付き、涙を流しそうになった。しかし、アラタは彼女を抱き上げて「なんとかなる」と慰めた。

アラタは自分を卑下しながらも、皆を守るために最善を尽くしていた。彼は、傭兵になることや、悪いことをするのは避けたいと述べたが、子供たちは彼を信じてついていくことを決意した。ジブリールはアラタが神の声を聞いて行動していると信じ、彼がいつかその頑迷さを解くことを願った。

食事の準備のために羊が選ばれ、自炊をすることになった。あの人はピザやバスで散財したため、節約する必要があった。近くの農場で羊を一頭購入し、解体作業が始まった。羊の捌き方に関しては、昔親と一緒にやっていたイブンが手際よく進めたが、あの人は血を見るのが苦手で顔を青くしていた。

食事の準備中、あの人とジブリールの間で食文化についての会話が交わされた。あの人が日本では羊や山羊を食べないと話すと、子供たちは驚いた。食文化の違いに戸惑いを感じる一方で、ジブリールはあの人の発言に対して文化を理解するよう促した。料理が完成し、皆で食べたが、あの人は脂っこい料理に対して少し不安そうな様子を見せていた。

ジブリールは、自分の作った料理に対するあの人の反応に傷つき、もっと強くならなければならないと感じた。彼女は、自分を認めてもらうために戦い続ける決意を固めた。

4章 襲撃

ブハラはペルシャの影響を残した街で、色彩豊かなモスクや低い家々が立ち並んでいた。あの人たちはバスでブハラに到着し、駐車場を探しながら街を歩いた。あの人は携帯電話を操作しながらも子供たちを気にかけ、運動不足を解消するために訓練を提案した。オマルの提案で銃を求める話になり、彼らは訓練を再開した。

その後、バザールで武器を探すことになり、皆で市場を訪れた。しかし、バザールは観光地化していて本物の品物は少なく、期待外れだった。それでも、あの人はナイフを注文し、店主とのやり取りを楽しんでいた。あの人たちはナイフの柄を作るために別の店にも行き、合成素材を選んで仕上げた。

最後に、公園で休憩を取りながら、あの人はホジャの伝説について聞き、神の存在について考えさせられている様子だった。

あの人はイスラム教の笑い話に驚いていたが、理解を深めることで徐々に笑顔を取り戻していった。そして、アフガニスタン経由でイランに向かう計画を立て、慎重に行動しようと決意していた。ジブリールは新しく手に入れたナイフをあの人に見せたが、彼は戦いが目的ではないと暗い表情で応えた。

その夜、ハサンとジブリールはあの人の部屋を警戒していたが、敵が侵入してきたため、応戦することとなった。敵は去り、彼らは翌朝ホテルを離れて再び移動を開始した。あの人は敵が首飾りを狙っていると考え、次の一手を模索していた。彼は、頭の悪い敵が予測不能で戦いにくいことを悟りつつ、子供たちの安全を第一に考えていた。

訓練中も、あの人は敵の狙いや行動について深く考え続けていたが、ジブリールの励ましで少し前向きになった。彼は子供たちに心配をかけないように、さらに慎重な計画を練り直していた。

5章 暗闇の戦闘

あの人はイスラム教の笑い話に驚いていたが、理解を深めることで徐々に笑顔を取り戻していった。そして、アフガニスタン経由でイランに向かう計画を立て、慎重に行動しようと決意していた。ジブリールは新しく手に入れたナイフをあの人に見せたが、彼は戦いが目的ではないと暗い表情で応えた。

その夜、ハサンとジブリールはあの人の部屋を警戒していたが、敵が侵入してきたため、応戦することとなった。敵は去り、彼らは翌朝ホテルを離れて再び移動を開始した。あの人は敵が首飾りを狙っていると考え、次の一手を模索していた。彼は、頭の悪い敵が予測不能で戦いにくいことを悟りつつ、子供たちの安全を第一に考えていた。

訓練中も、あの人は敵の狙いや行動について深く考え続けていたが、ジブリールの励ましで少し前向きになった。彼は子供たちに心配をかけないように、さらに慎重な計画を練り直していた。

翌日、あの人は街へ携帯電話を買いに行ったが、使用できるエリアが限られているため契約を見送った。ジブリールは彼の携帯電話への執着に不満を感じていたが、その後、彼と他の子供たちが抱きついて歓迎した。あの人は首飾りを売るためにイランへ向かうことを考えていたが、仕事を探しながらアフガニスタンに留まることを決めた。彼は子供たちが安い賃金で働くよりも、リスクを取ってでも誇りを持って生きることを望んでいた。

訓練が続く中で、彼らは新しい武器を手に入れ、それを使用して訓練を強化した。ジブリールは、あの人に気に入られるために努力を重ね、彼の側にいることを望んでいたが、彼の機械好きには困惑していた。敵との戦闘後、捕虜を帰し、必要な装備を鹵獲して武器の調達を続けた。あの人は新たな戦闘準備を進める中で、子供たちの安全を第一に考えつつ、彼らを導き続けていた。

6章 シベリアからの使者

あの人たちはバスを失い、移動や生活に支障をきたした。水を汲みに行くのも買い物も徒歩となり、あの人が好む携帯電話の充電もままならなかった。あの人は車載機関銃を改造し、生活費を稼ぐためにロボットカーを売却するなど、窮地に立たされていた。ある日、あの人は資金調達のための取引をすることになり、護衛を伴ってバザールで交渉を行った。交渉相手の女性は挑発的で、あの人の部隊との関係を不思議がりながらも、取引を進めた。結果として、新しいバスと20万ドルを提供されたが、その真意は曖昧であった。

その後、あの人たちは運転訓練を開始し、新しい取引の話が持ち上がった。イランでの警備業務を依頼され、報酬として100万ドルを提示されたが、それは罠の可能性が高いと警戒された。ジブリールは、あの人が女性と接触することに嫉妬し、夜這いを試みるが、あの人は常に逃げてしまう状況であった。最終的に、ジブリールと他の子供たちは、新しい生活環境での挑戦に直面しながらも、あの人との信頼関係を深めていくことを目指していた。

7章 宝石拾い

翌日、あの人は皆を集めて、イランに行くべきか迷っていると告げた。イブンが「罠だ」と即座に反応し、全員がそれに同意した。そこで話は終わり、数日後にはあの人は新たな計画を提案した。街で物資を集めつつ、人脈を作ることが目的であった。これにより、イラン行きは取りやめたようで、皆は安堵した。

あの人は街での活動を優先し、人脈を作るために行動を始めた。女性護衛隊として、私やジニ、ラマノワが交替であの人を守ることになった。男の子たちは車の運転訓練を受けていたため、女性が護衛を担当することとなった。

街では、あの人がアメリカ軍の食料を購入し、商談を進めた。その際、店主から、街の有力者たちが集まる会合に顔を出してみないかと誘われた。条件として、護衛を連れて行かないことが求められたが、あの人はこれを承諾した。

帰り道では、あの人が購入した赤いホンダのバイクに私を乗せて、景気よく帰っていった。彼は高校時代にバイクで通学していたことを懐かしんでいた。私はその話を聞きながら、何故か胸が締め付けられる思いで、あの人の腰に手を回し、少し泣いてしまった。

バイクで帰ってきたあの人は、子供たちに仕事が決まりそうだと伝えたが、誰も聞いていなかった。子供たちはバイクに夢中で、あの人も嬉しそうだった。オマルとイブンがバイクの使い道について話し合い、あの人はハサンにもバイクを買ってあげたいと言った。

その後、あの人はテントで休むために子供たちを連れてきてほしいと頼んだが、実際には寝てしまった。オマルたちはあの人の話を聞いて街に行く計画を立て、あの人を護衛するためにトラックで移動した。

あの人は街で宝石拾いの仕事を依頼されたが、その過酷な状況にショックを受けた。爆弾の残骸が残る場所で子供たちが宝石を拾っていたことに対して、あの人は怒りと悲しみを感じた。しかし、オマルの助言で冷静になり、状況を改善する方法を考えた。

最終的にあの人はイランに行く決意を固めた。皆の安全を確保しつつ、より良い未来を目指すために、さらなる力を求めて旅を続けることを決意した。トラックはイランへと向かって走り出した。

エピローグ

老人は、青空が見える窓辺の席で過去の夢を見ていた。何もかもが不便だった時代のことを思い出しながらも、それが悪い時代ではなかったと感じていた。そこに、若い同志が動き出したという報告が入り、彼は我に返った。

老人は迎えを出す提案を断り、「我々が市民の上に立つのは我々が優秀だからだ」と述べ、自分の家系についての不満を語った。彼は、養父や実の祖父の放縦さを嫌っていたが、それを秘密にすることは愚かだとも感じていた。

老人は、若い同志がどうやってここまで来るかを楽しみにしながら、青空を見上げ、未来に思いを馳せていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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