小説「モブから始まる探索英雄譚 10」感想・ネタバレ

小説「モブから始まる探索英雄譚 10」感想・ネタバレ

どんな本?

『モブから始まる探索英雄譚』は、海翔氏による日本のライトノベル作品である。本作は2019年4月よりウェブサイト「小説家になろう」にて連載を開始し、2021年7月からHJ文庫(ホビージャパン)より書籍化されている。イラストはあるみっく氏が担当。

物語の舞台は、突如としてダンジョンが出現し、人々がレアアイテムを探索するようになった現代日本である。主人公の高木海斗は、ステータスも低く、いわゆるモブキャラの高校生であり、日々ダンジョンでスライムを狩りながら小遣い稼ぎをしていた。ある日、彼は黄金に輝くスライムを倒し、神話の存在を召喚できる「サーバントカード」という激レアアイテムを手に入れる。そのカードを使用して召喚されたのは、幼女の姿をした戦乙女・シルフィーであった。これを機に、海斗はモブからの成り上がりを目指し、ダンジョンの深層探索を開始する。 

本作は「HJネット小説大賞2019」を受賞しており、2021年9月からはてりてりお氏によるコミカライズが『どこでもヤングチャンピオン』(秋田書店)にて連載中である。さらに、2024年7月から9月までテレビアニメが放送された。 

2024年11月1日には、シリーズ第10巻(本巻)が発売されている。 

読んだ本のタイトル

モブから始まる探索英雄譚 10
著者: 海翔 氏
イラスト:あるみっく  氏

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あらすじ・内容

ヒカリンを救うため、ダンジョンに潜り続けろ!

ヒカリンの病気を治す霊薬を探してダンジョンに潜り続ける海斗たち。より深い層を攻略し、より強大なモンスターを倒し続けるが、一向に霊薬が出る気配はない。

行き詰まる状況下、それでもヒカリンを諦めきれない海斗は自身の運命を変えたきっかけであるスライム狩りと、それによるサーヴァントカードに一縷の望みをかけて挑むことに――!!

仲間の命を救うため、ボロボロになっても戦い続ける、モブな高校生による大人気現代ファンタジー第10弾!!

モブから始まる探索英雄譚 10

感想

ヒカリンを救うため、海斗が全力でダンジョンに挑む姿が心に響く巻である。
霊薬を求めて深層ダンジョンに潜り続け、17層の強敵とも渡り合うが、求めるアイテムは手に入らず苦戦が続く。
仲間を思う気持ちから諦めきれない海斗が、再びスライム狩りを行い、運命を託した場面には物語の核心が詰まっていると感じた。

手に入れた精霊女王のサーバントカードを頼りにオークションを考えるも、開催が2ヶ月後と知り絶望する海斗たち。
しかし、カードに治癒スキルのようなものがあると分かり、最後の希望を託す展開は緊迫感に満ちていた。
仲間と共にボロボロになりながらも戦う姿は感動的であり、海斗の成長と友情が際立つ内容である。

フェアリークイーンを召喚した海斗が、ヒカリンの病を「ユグドラシル」で癒したが完治までは至らず。
でも、定期的に繰り返せば完治すると判明。
大学受験も控えた年齢でありながら、仲間を救うために困難に立ち向かう海斗の決意と、彼の感情が色濃く描かれている。
ヒカリンへの信頼が込められた、海斗の新たな一面が感じられる巻であった。
背後がブリザードで無ければ良いね。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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アニメ

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備忘録

プロローグ

病室での出来事

• ひかりは看護師とのやり取りを通じて少し体調が良い日であったことが描写されている。看護師が窓を開けると暖かい風が流れ込み、ひかりは久しぶりの外の空気に懐かしさを感じた。

• 食欲があまりなく、食事も三割程度しか摂れないが、看護師から点滴で栄養が補えるため問題ないと安心させられた。

過去への想いと現実の葛藤

• 病気が悪化してからはベッドの上での生活が続き、以前は毎週末にパーティメンバーとダンジョンへ行っていた日々が遠い昔のように感じられる。

• 魔法の使えない現実に寂しさを覚えつつ、過去に確かにモンスターと戦っていた記憶がひかりに強く残っている。

パーティメンバーとの関わり

• パーティメンバーのミクから時折連絡があり、体調には触れずに日常の会話を楽しむことで、ひかりは少し元気を取り戻していた。

• パーティリーダーの海斗に関しては、彼が重度のダンジョン中毒にかかっており、無理をしすぎていないか心配している。ひかりにとって海斗は頼りになる存在だが、ダンジョンに対する執着が強すぎる面が気掛かりであった。

帰れない現実と最後の希望

• 病気の進行により、家に戻れない現実を理解しているひかりは、自由に歩き回りたいという願望を抱きつつも、自分の体が限界に近いことを実感している。

• パーティメンバーや家族と共に楽しかった一年間の思い出を振り返り、もし治療の可能性があるとすればダンジョンでドロップする霊薬だけだと考えているが、その入手はほぼ不可能であることも理解していた。

海斗の努力と儚い希望

• ひかりは、海斗が霊薬を探し出してくれることを信じたい気持ちと、それが現実的でないことを理解する理性との間で揺れていた。

第一章  運命のゴールデンウィーク

昼食時の会話と新たな仲間

• 海斗、真司、隼人の三人で昼食をとっていたが、後輩の野村理香子が現れ、四人で昼食を共にすることになった。理香子は十七階層での稼ぎについて興味を示し、ダンジョンでの収入について海斗に質問を続けた。

• 理香子は自身の家計が厳しいこと、父がいないため母が一人で弟妹を育てていることを明かし、探索者としての稼ぎに期待を寄せていた。

隼人と真司の反応

• 隼人は理香子に協力を申し出たが、理香子は海斗に信頼を寄せており、隼人の提案をやんわりと拒否した。隼人は理香子の言葉に若干戸惑いつつも、彼女の家族思いの姿勢を尊重して応援する気持ちを示した。

• 一方、真司は理香子から誠実だと評価され、少し照れくさそうな反応を見せた。

前澤の嫉妬と春香の態度

• 昼食後、真司が彼女の前澤と合流した際、前澤が理香子の存在に嫉妬していることが示唆された。前澤の不機嫌さにより周囲の温度が上昇したように感じた海斗は、その場の異様さに戸惑った。

• 海斗も春香からの不満を感じ取り、理香子との会話が誤解を招いた可能性を察した。春香に対し、自分が年下には興味がない旨を伝え、関係の修復を図った。

ゴールデンウィークの目標

• 海斗はゴールデンウィーク中に十七階層を攻略し、病気のヒカリンを助けるための霊薬を得ることを目標とした。また、春香との約束を果たすべく、ダンジョンの探索と日常生活の両立を意識するようになった。

ダンジョン探索と罠の試練

• ゴールデンウィークの初日、海斗はパーティメンバーと共に十七階層を探索し、途中で罠にかかり動けなくなる試練に直面した。パーティメンバーのルシェの協力により、赤いワイバーンや鏡面のドラゴンを撃破し、危機を乗り越えることに成功した。

• 罠にかかった原因について、パーティは誰が引き金を引いたのか不明であったが、海斗はルシェがトラップを発動させた可能性を疑ったものの、追及は避けた。

家族との帰宅後のやり取り

• 探索を終え帰宅した海斗は、両親が旅行の準備をしている姿を見かけた。母親は旅行に備えて明日の夕食を豪華にすることを約束し、海斗も期待を寄せたが、その日の夕食はカレーであった。

朝の手紙と出発準備

• 翌朝、海斗が目覚めると両親は既に家を出発しており、テーブルには「夕食前の間食禁止」や「感謝すること」などが書かれた置き手紙があった。海斗は深く考えず、ダンジョン探索の準備を始めた。

十七階層での探索再開

• 仲間たちと共にダンジョンの十七階層の探索を再開。各自、階層主について話しながら進む中、ドラゴンの上位種の出現に備え、ヒカリンの快気祝いとして温泉旅行の話題も出て、未来に希望を感じた。

罠を慎重に回避し、新たな敵に遭遇

• 昨日罠にかかった地点に到達した海斗たちは、慎重に進み罠を回避することに成功。進んだ先で青いドラゴンに遭遇し、その特殊な体表が雷や火に耐性を持つことに気づいたが、ミクの機転による水蒸気爆発でドラゴンを撃破した。

疲労回復と仲間との会話

• 探索の途中で一息つくことになり、仲間たちと軽食を取りながら互いの成長やダンジョン探索に対する思いを語り合った。再度の青いドラゴンとの遭遇も難なく乗り切り、順調に探索を進めて一日を終えた。

家での驚きのサプライズ

• 帰宅した海斗は、家の中で料理をしている春香を見つけ驚いた。母親のサプライズとして春香がカレーを作って待っていたことが判明し、海斗は春香の気配りや料理を存分に楽しんだ。

春香との夕食と帰り道

• 海斗は春香と一緒にカレーを食べ、感謝の気持ちと幸福感に浸った。春香と楽しい時間を過ごした後、彼女を家まで送ることにした。帰宅後、海斗は両親の旅行がもたらした素晴らしい一日を振り返り、時には両親に旅行をプレゼントするのも良いかもしれないと感じた。

ゴールデンウィーク三日目の探索準備

• ゴールデンウィーク三日目、海斗と仲間たちは十七階層の攻略を目指して探索を開始した。海斗は春香の手作りカレーの効果で体調が良好であり、仲間たちも体調や武器の手入れに抜かりがなく、全員がやる気に満ちていた。

ミクとの会話と探索中の意気込み

• ミクは、前日に春香と海斗が二人きりで過ごしたことについて質問し、海斗の行動に対しやや物足りない様子であった。海斗は仲間との和やかな会話を楽しみつつ、冷静さを保ち進行を続けていった。

ドラゴンとの遭遇と戦闘

• 十七階層の奥へ進むと、赤いワイバーン、青い水竜、そして初見となる黄色いドラゴンと対峙した。黄色いドラゴンの正体が土属性のアースドラゴンであると判明し、彼らはそれぞれのドラゴンに分かれて戦うこととなった。

黄色いドラゴンの特殊能力と苦戦

• 黄色のドラゴンは分厚い泥の外殻をまとい、攻撃を吸収してしまう特殊能力を持っており、遠距離攻撃が効かない厄介な敵であった。海斗はバルザードを突き入れて泥を爆破するもダメージは浅く、その後、ミクの援護によりドラゴンの隙を突いて直接攻撃を成功させた。

戦闘後の休息と魔核の配分

• 激戦の末に無事ドラゴンを倒した一行は、無事に階層主戦へ向けて進むことができた。海斗はルシェやシルに魔核を渡し、ベルリアにも必要な分を支給し、彼らは次の戦いに備えて士気を高めた。

第二章  俺たちの選択

ボス部屋への到着と準備

探索チームが十七階層の終わりに到達し、階層主であるボスと対決するための準備を整えた。特にMPが少ないため、マジックポーションを使用するなど、入念に体勢を整えていた。

ボス戦の開始

赤い扉を開き、階層主の部屋に踏み込むと、スカルドラゴンとその背に騎乗したネクロマンサーが現れた。スカルドラゴンは強力で、攻撃しても泥や水の外装で防御され、戦闘が難航した。

スケルトンの増援と再生

ネクロマンサーは戦闘中にスケルトンを召喚し、倒されたスケルトンも何度も再生するため、探索チームは苦戦を強いられた。

各種攻撃による試行錯誤

チームメンバーはそれぞれのスキルを駆使し、様々な攻撃を試みるも、ネクロマンサーとスカルドラゴンの特殊防御に阻まれた。特にルシェの炎攻撃やシルの雷撃なども効果が限定的であった。

ネクロマンサーの特性を見極め、決戦

スカルドラゴンとその騎乗主であるネクロマンサーの特性を見極め、シルの「神槍ラジュネイト」や「祈りの神撃」などを駆使してネクロマンサーに致命傷を与えることに成功。最終的に、ルシェの流星陣による一斉攻撃でネクロマンサーを倒した。

ドロップアイテムと落胆

ボス戦を終えた後、ドロップアイテムを確認したが、目当ての霊薬ではなく戦闘用の「ドラゴンポーション」であったため、目的の達成には至らなかった。

新たな探索計画

十七階層の成果が期待外れだったため、十八階層攻略を一旦保留し、一階層でのレアなサーバントカード入手に賭けることにした。

家族との会話と気持ちの整理

帰宅後、家族と話し、探索に関する心情を整理した。また、翌日からの探索に対する決意を固め、準備を整えた。

ダンジョンの初日

海斗は一階層でスライム討伐を始め、殺虫剤ブレスを駆使して効率的にスライムを倒していた。ミクとあいりもそれぞれ単独で討伐を進め、夕方に再合流した時、三人で77匹のスライムを討伐した。

2日目のスライム討伐

海斗たちは再度ダンジョンに潜り、スライム討伐を継続。効率を求めるあまり海斗は焦りで無理をし、体力を消耗する場面もあった。再び夕方に合流し、討伐数を確認するもメタリックカラーのスライムには出会えなかった。

3日目のメタリックカラーのスライム発見

最後の挑戦日、海斗はメタリックカラーのスライムを発見し、仲間たちと共に総力を挙げて討伐。討伐の結果、新しいサーバントカード「フェアリークイーン」を獲得し、ヒカリンの救命のための希望を見出した。

ギルドでのオークション問題

海斗はカードを売却し霊薬購入のためにギルドのオークションに出品を計画。しかし次回のオークション開催が二カ月後と知り、ヒカリンの容態が持たない可能性が浮上。さらなる不安が増し、打開策を模索する。

サーバントカードのスキル「ユグドラシル」への期待

最後に、あいりとミクは「ユグドラシル」スキルがヒカリンの症状を治癒する可能性があると考え、サーバントカードの召喚を提案。海斗はリスクの大きさに迷い、決断を保留しつつも今後の方針に思案する。

第三章  ヒカリンの選択

学校での悩み相談

ゴールデンウィークが終わり、海斗は学校で真司と隼人に悩みを打ち明けた。しかし、二人からは明確な助言は得られず、春香や前澤に相談することを勧められた。

春香と前澤の助言

放課後、海斗は春香と前澤にこれまでの出来事を話した。二人は、ヒカリンの命に関わる決断は彼女自身が行うべきだと助言し、海斗は彼女の選択を尊重するべきだと気づかされた。

ヒカリンへの相談準備

その日の夜、海斗はミクとあいりに考えを伝え、ヒカリンに選択を委ねる方針を確認した。二人もその考えに賛同し、ヒカリンに決断を仰ぐ準備が整った。

ヒカリンとの再会と決断の委任

土曜日、海斗たちはヒカリンの病室を訪れ、これまでの経緯を伝え、サーバントカード「フェアリークイーン」のスキル「ユグドラシル」に治癒の可能性があることを話した。最終的な選択をヒカリンに委ね、翌日に返事をもらう約束をした。

ヒカリンの決断を待つ

ヒカリンは海斗たちの助けを受け入れつつも、自らの未来を決める覚悟を持ち始めた。海斗もまた、彼女の選択を尊重し、どんな結果でもサポートすることを心に決めた。

ヒカリンの決断と家族の感謝

翌朝、海斗たちはヒカリンの病室に訪れ、ヒカリンは自らの意思でサーバントカードのスキル「ユグドラシル」を試す決断を伝えた。ヒカリンの両親は海斗たちへの感謝の意を表し、ヒカリンの選択を見守った。

ティターニアの召喚とスキル確認

海斗はダンジョンに向かい、「ティターニア」というサーバントを召喚。召喚されたサーバントのスキルを確認し、「ユグドラシル」がヒカリンの病を癒す可能性があることを見出した。スキルの発動条件が満月の日であることを確認し、今日がその日であると知った海斗は急ぎ行動に移った。

「ユグドラシル」の発動とヒカリンの反応

ダンジョン内でヒカリンに「ユグドラシル」を発動すると、ヒカリンは呼吸が楽になり、回復の兆しが見られた。しかし、ティターニアのレベル不足により完全回復には至らず、さらなるレベルアップが必要と判明した。回復効果を受けたヒカリンは自力で歩き始め、希望を取り戻した。

病院での再検査と結果報告

ヒカリンは病院に戻り再検査を受け、翌日、過去一年間の健康状態まで回復していることが確認された。ヒカリンは電話で海斗に感謝を伝え、彼の存在を「英雄」と称賛。海斗もまたヒカリンの元気な声を聞き、彼女を救えたことに安堵した。

春香とのカフェでの再会と告白

ヒカリンの回復を喜び、海斗は放課後に春香とカフェを訪れた。海斗はかつて春香に助けられたことに感謝し、春香を「英雄」として慕う想いを告白。照れながらも春香は喜び、二人は楽しいひとときを過ごした。

第四章  後輩探索者

野村理香子との約束と隼人の失望

ゴールデンウィークが終わり、昼休みに野村理香子が海斗にダンジョンでの同行を再度依頼した。海斗は了承し、翌日からのダンジョン探索が決定された。隼人も同行を申し出たが、理香子に断られ、明らかにショックを受けた。

春香への紹介と野村の意気込み

放課後、海斗は春香に理香子を紹介した。春香の前で緊張しつつも理香子は自己紹介を行い、春香に対して「釘を刺された」と感じていた。海斗は理香子の覚悟と意気込みを確認しながら、装備を整えダンジョンへ向かった。

初日・一階層での探索と野村の実力確認

ダンジョンの一階層で、海斗は理香子の実力を確認した。彼女は初期装備のハンマーを使い、スライム相手に懸命に戦った。二分程度でスライムを倒すも、体力の消耗が激しい様子だった。海斗は彼女の家族への思いや生活事情に理解を深め、初日の探索を一階層の途中で切り上げた。

二日目・ボウガンの貸与と二階層への挑戦

翌日、海斗は理香子にボウガンを貸し、二階層でのゴブリン戦に備えさせた。彼女は初めてボウガンを使用するも、距離の見極めが難しく緊張し、初撃を外す。しかし、二撃目でゴブリンにダメージを与え、海斗の助けもあり無事に初めてのゴブリン戦を終えた。理香子は恐怖を感じつつも次回の挑戦に意欲を見せた。

三日目・自主戦闘の成功と成長の兆し

三日目、理香子は再びボウガンでゴブリンに挑み、冷静に距離を保ちながら二射目でゴブリンを討ち取ることに成功。海斗は彼女の成長を認め、今後のサポートも約束した。理香子は感謝を述べ、週末も共に探索することを希望した。

サポート決定とカレーの夕食

海斗は理香子の決意に応え、ボウガンの貸与とナイフの提供を約束し、翌日も一緒にダンジョンに潜ることを承諾した。帰宅後、特別な夕食としてハンバーグカレーを食べ、家族と共に一日の充実感を味わった。

二階層での挑戦とスケルトン対策

海斗は野村にタングステンロッドを貸し、スケルトンとの戦い方を説明した。二階層へと向かい、スライムを倒しながら進む中で、野村は海斗のサーバントたちと初対面を果たし、ルシェ、シル、ベルリア、ティターニアの紹介を受けた。

ゴブリンとの戦闘での成長

二階層でゴブリンと遭遇すると、野村はティターニアのスキル「月輪の払暁」によりステータスが向上し、冷静にゴブリンを対処。昨日よりも安定した動きで敵を倒し、初のレベルアップを果たして自信を得た。

初めてのスケルトン戦とベルリアの介入

スケルトンと初めて対峙した野村は、慣れない近接戦闘で力負けし、海斗の指示を受けつつも苦戦した。ベルリアのサポートを得てスケルトンを押し返し、最終的にタングステンロッドでスケルトンを撃破。野村は初の近接戦闘を経験し、自信をつけたが危険性も痛感した。

レベルアップとさらなる挑戦への決意

ゴブリンを倒すたびに順調にレベルアップした野村は、自信を持って明日から一人で二階層に挑もうとする。だが、海斗はまだ危険だと判断し、今月いっぱいは同行することを提案。野村は感謝し、共に三階層を目指すことを決意した。

野村の成長とさらなる挑戦

翌日も二階層で探索を続け、野村はスキルの恩恵もあり、前日よりも素早くゴブリンを倒すことに成功。スケルトンに苦戦したが、ティターニアのスキルで動きが向上し、次第に慣れていった。探索の成果に手応えを感じ、海斗も彼女の成長に満足し、この日の探索を終えた。

放課後のダンジョン探索の決意

海斗は放課後に野村と会い、ダンジョンへ向かう準備をしていたが、野村が平日も探索に参加する決意を見せたため、予想外に毎日共にダンジョンに潜ることとなった。海斗は弟妹のことを気にかけたが、野村は朝食を用意するなど、すでに対策を立てていた。

ダンジョンギルドでのパーティメンバー探しの相談

二人はダンジョンギルドに立ち寄り、海斗は受付の日番谷に、野村のためのパーティメンバーを探す依頼をした。野村がLV6で二階層まで進めていることや、今後の成長を考慮し、三〜四階層で活動する中衛・後衛向けのパーティを希望した。日番谷は協力的に探してくれることを約束した。

ゴブリン対策と後衛能力の強化

野村は近接戦闘に苦戦していたが、海斗の指導により後衛としてのスキル向上を目指し、ボウガンの射程や命中精度の向上に集中した。これにより、一週間の訓練で10メートルの距離からゴブリンを安定して倒せるようになり、二階層での戦闘が格段にスムーズになった。

三階層への挑戦と新たな課題

海斗は今後の成長とパーティ活動のため、野村を三階層へ連れて行くことを提案した。野村は当初、進むのは早いと感じたが、海斗のサポートとシルやルシェの助けを得ることを条件に了承した。海斗は後衛の訓練を続けつつ、野村が三階層での連携と複数敵の対応に慣れることを目指した。

春香への報告と今後の決意

海斗は自宅に帰ると春香に電話をし、野村の順調な成長ぶりと三階層への挑戦について報告した。春香は野村の成長を喜びつつ、海斗に無理をしないよう注意を促した。平日に野村のサポートを続けるため、春香との放課後のカフェ巡りが延期になってしまったことを謝罪し、来月には必ず一緒に行くことを心に決めた。

SS  クリスマスは突然に

サーバントたちへのクリスマスプレゼント

サーバントたちは、地上でクリスマスというプレゼントを贈る日があると知り、海斗からのプレゼントを期待していた。その期待に応え、海斗はシルとルシェに色違いの髪留め、ベルリアにはナイフを贈った。皆、予想外の贈り物に喜び、特にシルとルシェはそれぞれ髪留めをつけ合い、ベルリアは忠誠を誓うほど感激していた。海斗も彼女たちの喜ぶ姿を見て安堵し、来年も同じメンバーでクリスマスを過ごすことを願った。

春香とのクリスマスの準備

ダンジョン探索を切り上げた海斗は、春香との待ち合わせに向けて入念に準備をした。クリスマスプレゼントとして用意したテディベアを手に、テンションを上げつつ待ち合わせ場所に向かった。駅前にはカップルで溢れ、例年は避けていたクリスマスの雰囲気に浸りながら春香を待った。

公園でのイルミネーションデート

待ち合わせ場所に到着した春香は白いコート姿で、冬の妖精のような美しさだった。海斗はレストラン予約が取れなかったため、イルミネーション見学に変更し、公園へ向かった。会場は多くのカップルで混雑していたが、はぐれそうになった春香の手を繋ぐことで、二人はさらに距離を縮めた。手を繋ぎながらイルミネーションを楽しんだが、海斗は春香の存在に圧倒され、イルミネーションよりも彼女の姿に見惚れていた。

イルミネーション前での記念撮影

イルミネーションの中心にあるハートの装飾前で写真撮影をした。カメラマンに促されて春香が顔を近づけると、海斗は驚きつつも春香との距離の近さに感激した。緊張する海斗とは対照的に、春香は笑顔で自然体の姿を見せた。その写真は、二人にとって特別な記念となり、海斗は永久保存フォルダに収めるほど大切にした。

クリスマスプレゼントの交換

帰り道で春香にテディベアをプレゼントすると、彼女は嬉しそうに抱きしめた。春香からは、ダンジョンでのスライム狩りに便利な殺虫剤ホルダー付きのベルトをもらい、海斗は明日からのダンジョン探索が楽しみになった。久しぶりのクリスマスプレゼントに海斗は感無量となり、春香と過ごすクリスマスの素晴らしさを実感した。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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