どんな本?
異世界転生モノで舞台は剣と魔法のファンタジー世界、浮かび上がった大地。
その大地の間を飛ぶ飛行船。
そんな幻想的な乙女ゲームの世界。
元日本の社会人だったリオンは、女尊男卑な世界に絶望する。
この世界では、男なぞは女性を養うだけとの家畜のようなものであった。
例外なのは、ゲームで攻略対象であった王太子率いるイケメン軍団ぐらい。
そんな理不尽な境遇において、リオンはある一つの武器を持っていた。
前世で生意気な妹に無理矢理攻略させられていたこのゲームの知識である。
本当は田舎に引きこもりのんびりとしたいリオンだったが。
第一婦人の策謀の生贄にされたリオンはその知識を使い。
策謀を食い破りモブとして生きて行こうとしたが、、
やりたい放題の女どもとイケメンにキレ。
チートな宇宙船ルクシオンを使って反旗を翻す。
手始めにユリウス達攻略対象が、悪役令嬢アンジェリカを決闘で断罪するシーンに介入して攻略対象を全員倒してアンジェリカの勝利して後始末をレッドグレイブ家に任せたら男爵に陞爵。(1巻)
修学旅行からの帰りにファンオース公国の奇襲を受けてアンジェリカが人質に取られたが、リオンが単騎で公国軍に突撃してアンジェリカを救出し、さらにヘルトルーデ王女を人質に取り。
公国軍を撃退して子爵になり。(2巻)
ファンオース公国の再度の侵略を最高司令官として、王家の船を解放し、公国の切り札の超巨人をオリヴィアの力で撃退。
公国を降伏させ王国の属国にした結果。
伯爵になってしまった。(3巻)
だが、乙女ゲーはこれで終わりでは無かった。
第二作目がリオンが亡くなった後に発売されていた。
舞台は共和国。
共和国の聖樹が暴走したら世界が滅びるらしく。
リオンは主人公が恋愛をしているか確認しに共和国に行ったら。
マリエと五馬鹿も付いてきてしまった。
そして、共和国の学園で2作目の主人公を探していたら、、
2作目の主人公は双子でノエルかレリアのどちらだがわからない。
それを調査していたリオン達に、共和国を牛耳る六家の一つ、ピエールが聖樹を悪用してリオンからアインホルンとアロガンツを奪ってしまう。
さらに五馬鹿の1人ブラッドに暴行。
それに完全にブチギレたリオンは、ピエールを社会的に徹底的に潰し、さらに防衛無敗だった共和国連合艦隊をボロボロにしてしまう。(4巻)
そんな目立った事をしたリオンに、主人公候補の1人レリアがリオンを訪問して自身は転生者だと言う。
そして、ノエルをメインの攻略対象のロイクとくっ付けようとしていたが、、
リオンがダンジョンから発掘した聖樹の苗木はノエルを巫女にして、リオンを守護騎士にしてしまった。
ゲームではリオンが攻略対象にならないといけないのにリオンはモブ。
ロイクはヤンデレになってしまい、このままではノエルは幸せな生活を送れない。
それを知ったリオンはノエルを結婚式で奪いにアロガンツで突入する。
そこでも、聖樹の高い加護を受けた六家の最強の鎧を鎧袖一触に蹴散らしてノエルを奪い取ってしまう。(5巻)
リオンを恐れたれリアは、最後の攻略対象セルジュをお供に二作目の課金アイテム、旧人類の軍事用補給艦イデアルを手に入れた。
これでリオンのルクシオンは恐ろしく無いと思ったレリアは、自身の地盤固めに頼っていたエミールを粗雑に扱い。
イデアルの共同のマスターになったセルジュへ偏って行く。
そのイデアルはセルジュからの依頼で、新人類の魔装の核のカケラを使って聖樹に花が咲いたと演出し「生贄を捧げよ」と全ての人に聞こえるように念話を発信する。
そして生贄にルイーゼを求めルイーゼを精神的に追い込み生贄に捧げてしまうが。
リオンと五馬鹿が空賊と名乗ってアロガンツで魔装の欠片を破壊して生贄にされたルイーゼを救出する。(6巻)
ルクシオンに怯えた転生者のレリアとセルジュがイデアルの下に来て、マスター登録をしてイデアルは自由に動く事が出来るようになった。
イデアルの主目的は聖樹の守護。
どれだけ聖樹がおかしくなっても盲目的に守護する。
その聖樹は現在、巫女は空席のまま。
そこにカイルから邪険にされて落ち込んでしまい、イデアルに思考誘導されたユメリアが巫女の座に座り。
守護騎士をセルジュにして聖樹の力を自由に使えるようにして反乱を起こす。
聖樹神殿で会議をしていた六家当主達の聖樹の加護を剥奪。
さらに、セルジュが共和国の全国民に向けて自身が王だと宣言して、新しい巫女のユメリアに自身の傘下に入っていない連中の聖樹の加護を剥奪する。
ユメリアを救出するために事前に呼び寄せて来たダニエルとレイモンドの貧乏男爵家のグループを援軍に艦隊30隻がリオンの下に揃うがほぼ全員が嫌々。
そして、ユメリア救出のために聖樹神殿に30隻のホルファート王国軍が突撃して戦場を引っ掻きまわす。
結果。
聖樹が暴走してルクシオンの主砲に撃ち抜かれて滅んでしまう。(7巻)
他国で暴れ、後始末に国王を過労気味にした結果。
国王からの嫌がらせで侯爵に昇進してしまったリオン。
結果。
公国との戦争から人を殺して来て共和国でラウルト家のセルジュを自らの手で殺した罪悪感で精神的に疲弊してしまった。
寝るのに睡眠薬が必要で、薬の量がどんどん増えている。
それに危機感を持ったアンジェ、リビアがリオンに休暇を与えて欲しいと方々にお願いして得た郷帰り。
それなのに、、
故郷の兄のニックスにローズブレイド家とのお見合い騒動が勃発した。(8巻)
乙女ゲー三作目の時系列に突入!
留学して来る三作目の主人公と攻略対象たちをくっつけようと画策するリオン。
だがその目論見はすでにほころびを見せていた。
なんと攻略対象の一人、アーロンが性転換し、女の子へと生まれ変わってしまった!w
しかも主人公は主人公で、ゲームには登場しなかったお付き騎士(転生者)といい雰囲気という有様。
さらに、性転換した攻略対象と別の攻略対象が良い雰囲気になるオマケ付き。
さらに、さらに、別の攻略対象はリオンの妹と良い雰囲気、、
後半では姉が猛追、、
そんな混沌とした状況で、国王が外で遊んでいる時に毒を飲まされて昏睡状態になってしまう。
その後の反乱を抑えた結果、リオンは侯爵から公爵へと昇進する。(9巻)
王子ジェイクは王太子になれない所がマイナス評価で、性転換した別の攻略対象の冒険者アーロンと良い雰囲気なのでボツ!
そのジェイクの忠臣オスカルも攻略対象だったが、リオンの妹のフィンリーと最初は仲が良かったが、、
リオンの姉、ジェナとお付き合いしているのでボツ!
アーロンは女の子アーレちゃんになってしまったので論外。
新たに出て来たイーサン。
剣豪で魔法に長けており上級貴族の跡取り。
もう彼しか残っていない。
でも、ミアちゃんを妹のように溺愛しているヘリングはイーサンも弱く思えて気に入らない。
イーサンを鍛えてミヤちゃんに相応しい男に育てるしかないかと真剣に悩み出すヘリング。
それに呆れるリオン。
そんな乙女ゲーの舞台のホルファート王国の状況は。
地方の貴族がいつ反乱を起こしてもおかしくない状態。
反乱を起こすの貴族筆頭がアンジェリカの実家だったりする。
アンジェリカの実家は、リオンの戦力を反乱のアテにしている。
だがリオンは戦闘の度に疲弊し、苦しんでおり睡眠薬を多く飲まないと寝めない状態。
それを横で見ているアンジェリカは、自身の存在がリオンを反乱に関わらせる可能性にら苦痛を感じでいた。
それを説明されたリオンは、アンジェリカの実家の件は気にする必要は無いと言うが、アンジェリカの立場的な苦痛には理解は出来てない。
それでも何とかアンジェリカとの関係を維持したいリオンは、前世の姪だが自身より長生きしていたエリカにアドバイスを貰って冒険をする事になる。(10巻)
読んだ本のタイトル
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 12(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
リオンに暗殺指令!?
始まる破滅へのカウントダウン
復活した新人類の切り札、知能を持つ要塞『アルカディア』。
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 12
その傀儡となった帝国は、旧人類の末裔である王国を滅ぼすべく、留学中のヘリングにリオンの暗殺を命じる。
それを察したリオンは、自身の進むべき道に葛藤する。
このまま帝国との戦争に突入するか、親類縁者を引き連れ宇宙へと逃げるか。
リオンの下した決断は……。
前巻からのあらすじ
リオンを各国の安寧を脅かす存在なので、周辺の国を巻き込んで対外道騎士の軍事同盟を組織して王国は四面楚歌になってしまった。
同盟の盟主国であるラーシェル神聖王国を共和国を単独で潰したリオンが突貫しても、背後に大国の帝国に危険視される可能性があるため迂闊に攻め込めない。
そんな有利な状態を作りラーシェル神聖王国は使者を送り。
リオンのロストアイテムとリオンの婚約者の巫女(ノエル)を寄越せと言って来た。
ほとんど断られる事を前提に言いたい放題言ってくるラーシェル神聖王国の使者。
そんな事を言われて王家と中央貴族は反発するが、地方領主達は他人事。
アンジェの実家、レッドブレイブ家もアンジェと絶縁してしまったので助け舟は無し。
各方面の侵攻を王国(地方領主)が受け持ち、ラーシェル神聖王国への侵攻はミレーヌの母国、レパルト連合王国が行う。
地方領主達に恨まれるので、国王ローランドは反対したが、それを振り切って実行しようと、ラーシェル神聖王国と国境を接しているフレーザー侯爵領へと向かう。
だがそれにリオンは不服で、もっと冴えたやり方があるはずだと模索する。
そんな時に目に入ったのが、ミアちゃんの足長おじさんのカール。
彼が帝国の皇帝だと見抜いたリオンは、帝国がリオンを危険視しないとお墨付きを貰い。
更に戦い方を見てもらうために、カールを同行させてラーシェル神聖王国の首都に突貫して陥落させてしまう。
その後、ミアちゃんの覚醒イベントが発生して。
新人類の覚醒を感じた魔装達が目覚めて、新人類が多くいる国の帝国で暗躍する。
その結果、リオンと新人類、旧人類の今後の事を話し合おうとしていたカールを暗殺させてしまう。
さらに、旧人類の遺伝が強いエリカはドンドン衰弱してしまう。
感想
ミアちゃんの能力が覚醒して、世界中の空気中の魔素が高まって来た。
そんな中、旧人類の先祖返り。
リオンの前世の姪っ子で、現在は王妃ミレーヌの娘のエリカの体調が悪化。
当初はエリカのためにルクシオンを魔素の無い宇宙に打ち上げて彼女をコールドスリーブして未来の治療に賭けるつもりだったが、、
さらに新人類の末裔のヴォルデノワ帝国では政変が起こった。
魔装の親玉アルカディアと結託した皇太子モーリッツが、皇帝カールを暗殺して帝位を簒奪。
アルカディアの傀儡となったモーリッツに一部の帝国貴族が反発したが、アルカディアが強大な力で反対派を駆逐し誰もアルカディアに逆らえない状態となってしまった。
そんな帝国は、傀儡のモーリッツの名の下に、ホルファート王国を侵略すると決める。
その前に、新人類の血が濃く出ているミヤをホルファート王国から引き上げさせ。
護衛騎士のフィンには
リオンを暗殺しろと命令が下る。
命令と友情の狭間に苦しむフィンだったが、リオンに自身にリオン暗殺の命令が来ていると告白し、ヴォルデノワ帝国がホルファート王国に侵略して来ると言って来た。
それを聞いたリオンは”カール皇帝の気に触る事をしたのか?”とフィンに聞いたら、命令して来たのはカール皇帝ではなく、新たに皇帝となったモーリッツだと言う。
そんな政変がヴォルデノワ帝国で起こっていると知らなかったリオンは、そんな機密情報をリオンに告げたフィンにリオンは共に新皇帝モーリッツを潰そうと言うが、、
フィンはミヤちゃんの為に出来ないと言う。
さらに、魔装の親玉アルカディアが復活したと言う。
それを聞いたルクシオンは、リオンに宇宙への逃亡を進言して来た。
今のリオンにはアルカディアは倒せないと言う。
フィンも、リオンに早く逃げてくれと言う始末。
カール皇帝の仇のモーリッツに従ってまでミアのためにアルカディアの軍門に降ったフィン。
それを知らされて、誰をルクシオンの宇宙船に乗せて逃げるのかと悩むリオンだったが、、
そこに、クレアーレからホルファート王国の住民全てが旧人類の末裔だと判明したと言って来た。
魔素が高まった環境下でも生きていられるように遺伝子を改造して、魔素が低くなったら先祖返りするようになっていた。
その原因は共和国の聖樹だった。
聖樹が戦闘をするために魔素を多く吸収して世界の魔素量が減り、先祖返りのエリカの遺伝子が目覚めたとクレアーレは言う。
このまま魔素が高まるとホルファート王国の子供から環境に適応出来なくて死んでしまうと予想する。
ルクシオンはリオンの家族と親しい者達だけを連れて逃亡することを勧めるが、、
そこに、兄ニックスの妻のドロテアが
妊娠している事を知る。
新しい家族が増える。。
この子は旧人類側なのか?
エリカみたいに魔素に順応出来るのか??
さらに街角で見かけた魔素で弱っている子供を見たリオンは、逃げる事を止めアルカディアを倒す事を決意する。
ただリオンは自身の生存を度外視してアルカディアを倒す事を考えており、心配して問い詰めて来たアンジェリカ、オリヴィア、ノエルに突然婚約破棄を言い渡す。
家を捨てまでリオンの処に来たアンジェリカは愕然としていたが、ルクシオンとクレアーレがコッソリと3人に事情を説明したら、、
アンジェリカはホルファート王国の実権を握るためにレッドグレイブ家に赴き、国王ローランドから王権を奪取して王国を統一して戦力をリオンの下に送る。
次の国王は先王の弟の師匠だった。
オリヴィアは元ファンオース公国のヘルトルーデの下に赴き、魔笛の操作の仕方を聞こうとしたら
、、
ヘルトルーデが魔笛を破壊して使えなくしてしまった。
変わりにファンオース公爵家はリオンに協力すると約束する。
ただし貸しとして、、
この後、どんなデカい貸しになるのかわからない。
ノエルはリオンの領地に植えた聖樹の若木ちゃんを掘り返してユメリアを助っ人にして今回の戦闘に使う。
さらにアルゼル共和国に救援を求めて援軍を呼び込む事に成功する。
さらにマリエは、五馬鹿に前世のことを含めて全てを告白して協力を求める。
五馬鹿達はリオンとマリエの親しさに納得。
さらに、友人で上役でもあるリオンを助けるために
自身の力を証明するためにリオンに決闘を挑む。
ついでにダニエル達もリオンの処に合流する。
地味にルクシオンの援護もあって薬を使い寿命を削ってまで必死に強くなろうとしていたリオンは、自身だけでは勝てないと痛感する。
そんなリオンの下にホルファート王国、ファンオース侯爵、アルゼル共和国の軍が集まる。
さらに、ルイーゼ、ヘルトルーデ、クラリス、ディアドリーも来ており。
援軍の対価を求める彼女達に、望む物を用意すると誓約書にサインしてしまう。
生き残る気が無いリオンは、彼女達との約束を守れるとは思っておらず安請け合いしてしまう。
これが後々にどうなるのか、、
((((;゚Д゚)))))))
そうして、リオンの下に集まった戦力で宣戦布告して来たヴォルデノワ帝国との戦争に臨む。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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アニメ
PV
OP
サイレントマイノリティー(伊東歌詞太郎)ED
selfish(安月名莉子)同シリーズ
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です シリーズ
同著者の作品
俺は星間国家の悪徳領主! シリーズ
セブンスシリーズ
その他フィクション
備忘録
プロローグ
学園祭当日、校舎前の広場では多数の屋台が立ち並んでいる。
その中の一つで、リオン・フォウ・バルトファルトは店員として働いており、油でドーナツを揚げ、友人のダニエルとレイモンドがトッピングと装飾を担当している。
彼らは学園祭でドーナツ屋台を出店しており、ルクシオンが管理するマニュアルにより、素人の彼らが作るドーナツは上出来である。
販売は好調で、ほとんどのドーナツが購入されている。
リオンは最近、大公位を与えられ、その重圧に悩んでいるが、屋台での仕事に集中し、笑顔を見せない。
その中で、マリエが屋台にやって来て、多数のドーナツを一度に購入しようとする。
リオンは小遣いで支払うマリエを注意しつつ、彼女にサービスとしてドーナツを提供する。
その後、屋台にはなじみのない女子たちが訪れ、ダニエルとレイモンドを訪ねている。
学園祭を楽しむフィン・ルタ・ヘリングとミアは、ヴォルデノワ神聖魔法帝国出身の留学生として異国の風習を楽しんでいた。
フィンはミアの食べ歩きを心配しつつも、クリームを顔に付けた彼女を優しく世話している。同行しているブレイブという浮かんでいる黒い球は、フィンに食べかすを拭くように頼み、フィンに軽く扱われている。
彼らは学園祭での食べ歩きを楽しんでおり、途中でリオンのドーナツ屋を訪れようとするが、店は休憩中であった。
そこでジェナとフィンリーという姉妹が喧嘩しており、オスカルという人物が介入している。
ジェナはオスカルに対して過剰に感謝を示し、周囲の女性からは嫉妬の視線が向けられている。
この間、ミアはドーナツが食べられないことを残念に思っているが、フィンは彼女のためにリオンを見つけ出し、ドーナツを作らせようと決意する。
ブレイブはフィンの過保護な態度をからかいながら、彼の姿勢を認めている。
校舎裏でルクシオンと合流したクレアーレは、エリカが発作を二回も経験したと報告する。
エリカの具合が悪化している原因として、マリエがエリカを学園祭で連れ回したことが挙げられる。
エリカは前世の母であるマリエに何かしらの恩返しをしたいと思い、自分の命を削る覚悟で一緒に時間を過ごしていた。
エリカの病状は魔素が関係しており、その解決策としてエリカを宇宙に送る計画が提案される。この計画により、ルクシオンのサポートを失うことになるが、エリカを救うため必要だと判断される。
クレアーレは計画の実行を促し、エリカの近くに戻って行く。
この事実をマリエにどう伝えるか悩む主人公は、学園祭が落ち着いたら説明することを決意する。
第 1話 「最後の学園祭」
学園祭でアルゼル共和国に関する展示を行っていたノエル・ジル・レスピナスは、教室で展示の片付けをしていた。
多くの訪問者があったため、疲れが顕著である。
リビアも同様に手伝い、片付け中に学園祭での出来事について会話が交わされる。
特にリオンのドーナツ屋を楽しみにしていたノエルは、その準備中であったため食べ損ねて不満を感じていた。
他の友人たちも各自の屋台で活動しており、中には失敗した者や成功した者がいる。ジルクの喫茶店については特に評判が悪かったことが語られる。
片付けを終えようとする中、アンジェリカが登場し、彼女も手伝いを申し出る。
この間、学園祭の忙しさや食事を満足に取れていない様子が描かれる。
結局、リオンがドーナツと飲み物を持って現れ、ノエルとリビアはリオンの準備の良さに驚く。
ルクシオンがリオンの行動を手引きしていたことが明らかになる。
最終的にリオンは謝罪し、みんなでドーナツを共有することになる。
学園祭でアルゼル共和国に関する展示を行っていたノエル・ジル・レスピナスは、片付けを行いながら、予想外の来訪者の多さに驚いている。
リビアも手伝い、疲れながらも活動をしていた。
リビアとノエルは、予定された休憩時間にリオンのドーナツ屋台を訪れるものの、準備中であり、食べられなかったことが心残りだった。
教室では、ユリウスが提供した串焼きに関しても言及され、他の屋台についても言及がある。
アルゼル共和国出身のノエルは、展示の成功について話す中で、五馬鹿と呼ばれるグループの出し物についても触れている。
リオンがドーナツ屋を出した結果は良好で、クリスの法被が好評であったこと、グレッグが肉の販売を望んでいたことも語られる。
最終的にリオンが最も売り上げを上げたことが明かされ、ユリウスが次年度のリベンジを誓う場面で締めくくられている。
第2話 「野郎二人と相棒たち」
ヴォルデノワ神聖魔法帝国の首都には、高くそびえる城があり、その中の謁見の間には新しい皇帝モーリッツ・ルクス・エルツベルガーが座している。
彼は以前の皇太子時代の荒々しさを失い、苦悩の色を隠せずにいた。
彼の後ろには、異形の存在アルカディアが浮かんでおり、モーリッツの決断を称賛しているが、グンター将軍や他の家臣たちは、その姿を傀儡と見なしている。
アルカディアは過去にモーリッツの父、カール皇帝を殺害し、帝国内での権力を強化していた。
アルカディアの力は圧倒的で、反対勢力も容易に抑え込んでしまう。
そのため、グンターはアルカディアに対して手出しできずにいる。
モーリッツは、アルカディアの提案に従い、隠し子ミリアリス・ルクス・エルツベルガーをホルファート王国から連れ戻すよう命令を下す。
この命令はアルカディアにとって都合の良いものであり、彼はその準備を喜び勇んで行う。
グンターと家臣たちは、アルカディアが皇女に対して何をするつもりなのかと懸念を抱えていた。
モーリッツ自身もその決断に苦しみ、家臣たちの様子に気を配る余裕がなかった。
グンターは、このような状況に甘んじる自分に苦悩を感じていた。
学園祭が終わり、連休中の学園には生徒が少なくなった中、俺とフィンは茶会室にいた。
通常は俺が紅茶を用意するが、今日はフィンがコーヒーを準備していた。フィンは、ミアの買い物に付き合わせた礼としてコーヒーを用意しており、俺はフィンに感謝の意を示しつつも、本音で紅茶が飲みたかったと伝えた。
フィンは俺のためにコーヒーを用意してくれたと言い、俺はそれを評価した。
フィンはエリカのことを気にかけ、俺はエリカの病状について治療法を探していると説明した。
フィンが安心すると、俺たちはカールからの返事の有無について話し合ったが、カールからはまだ何の返事もなかった。
ルクシオンは帝国の動向が気になると述べ、フィンは帝国で何か問題があってもカールが対処するだろうと言った。
会話は軍事機密についての話に移り、ルクシオンが魔装騎士の詳細を探ろうとするも、フィンからは軍事機密であるため話せないと断られた。
その後、フィンとブレイブはルクシオンを疑っていたが、ルクシオンはマスターの命令に従う存在であると主張した。
フィンがミアとの過ごし方に悩む中、五馬鹿が部屋を訪れ、金欠のために俺に金銭的な支援を求めた。
俺はそれに頭を抱えながら、フィンとブレイブから同情される状況となった。
夕方の王都では、反乱の痕跡が残る中、多くの住民が日常に戻っていた。
戦争の影響で一時は不安に包まれたが、戦争が短期で終わったことで笑顔が戻ってきていた。
ミアは買い物後、上機嫌で手にした紙袋を持ち、ヘリングへのお土産も購入していた。
ノエルとリビアがミアに声をかけ、アンジェはミアからの贈り物にヘリングが喜ぶだろうと述べた。
リビアはアンジェがリオンに似てきたと指摘し、アンジェはそれに気づかず驚いた。
このやり取りの最中、アンジェが飛行船を見つけ、帝国の飛行船が護衛付きで飛来していることに気づき、何か急用があるのかと危機感を抱いた。
第3話 「帝国からの使者」
翌日の朝、ヴォルデノワ神聖魔法帝国からの使節団が王宮の謁見の間に現れた。
使節団の代表である使者は、王宮における謁見で国王ローランドと王妃ミレーヌと会談している。
使者は、急な訪問にも関わらず歓迎されたことに感謝の意を表し、ミリアリス皇女殿下を迎えに来たことを告げた。
この発言には周囲も驚き、ミレーヌも内心で困惑していた。
帝国から留学生として来ていた人物が実は皇女であることが明らかになり、帝国は彼女をすぐに帰国させたいと申し出たが、具体的な理由は明かされなかった。
その場にいた若い騎士は、留学生の一人であり、皇女の専属騎士である先輩について話す機会を求め、ローランドはそれを許可した。
その日、帝国の使者を名乗る人物たちが学園を訪れた。
文官職らしき数名と、護衛と思われる騎士や軍人が30人ほど同伴していた。
フィンと赤毛の青年が玄関前広場で親しそうに会話をしている様子を、ルクシオンとともに見ていた主人公は、緊張を解いた。
リーンハルトと名乗る後輩は、フィンに突然の来訪理由を問われたが、詳細は後回しにすると答え、バルトファルト公爵を探していた。
リーンハルトが剣聖の息子に興味を示し、フィンがそれに警戒しながらも、リーンハルトの言動に対して真剣な態度を取る。
突然、リーンハルトがミリアリス皇女殿下の名を出すと、フィンは激怒し、リーンハルトに詰め寄る。
使者は、ミリアリス皇女殿下を迎えに来たことを説明し、カール皇帝の命令であることを明かした。
使者は、学園を出るとフィンたちを港へと連れて行き、帝国の飛行船に乗せた。
帝国の使節団が利用する飛行船は、貴人たちが使用するもので、内外装ともに高級感がある。
使者、リーンハルト、フィン、ブレイブの四人が一室に集まり、カール皇帝が亡くなったとの報告を受ける。
フィンはこの突然の事実を受け入れがたい様子である。
リーンハルトは、モーリッツが新たに即位し、先代を討った経緯を説明する。
モーリッツの命令でミリアリスを迎えに来たとも言及する。
ブレイブはミリアリスへの脅威を懸念し、警戒する。
リーンハルトは、新たに復活した魔法生物アルカディアについて話し、現在モーリッツの相談役として機能していることを明かす。
使者からモーリッツからの手紙がフィンに渡され、その内容にはリオンの暗殺依頼が含まれていることが明らかになる。
使者は帝国が王国に宣戦布告を準備していると語る。
フィンはこの全ての事態に納得がいかず、リーンハルトとの対立が表面化する。
使者はフィンにバルトファルト大公を倒す依頼をするが、その真意については明らかにされない。
第4話 「暗殺」
学園の食堂でミアの送別会が行われていた。
企画者はアンジェで、参加者はいつものメンバーである。ミアは突然のお姫様扱いに困惑しつつも、参加者たちとの別れを寂しく思っている。
エリカはミアに友達としての呼び捨てを提案し、ミアもそれに応じる。
アンジェは帝国が急いでいる理由に疑問を抱きながら、フィンの様子を気にかけている。ブレイブはいつもと異なり、食事にも関心を示さず、何かを警戒している様子がある。
フィンはリオンに個人的な話を持ちかける。リビアとアンジェは、リオンをめぐる女性の競争について話し合い、アンジェはリオンへの接近を試みる女性たちに警戒している。
アンジェは一年生の女子生徒にリオンへの近付き方について優しく注意を与えており、それについてリビアに誤解されていたが、説明後に誤解は解けた。
送別会後、フィンに連れられて人気のない場所に行った。学園の敷地内であるが、夜の学園の怪談話が思い出される。
フィンは何を話すつもりかと尋ねると、フィンが告げたのは、本国からの暗殺指示であった。その言葉の意味を理解するのに時間がかかった。
カールが暗殺を指示するとは思えなかったが、フィンには命令が届いており、カールはモーリッツに殺されたという。
今はモーリッツが即位しており、秘匿されている代替わりが公表される予定である。
ミアが帝国に戻った後、正式にモーリッツの即位が公表され、帝国はホルファート王国に宣戦布告する予定である。
フィンはその計画に苦悩しつつ、リオンに暗殺を拒否する意思を示す。
ブレイブはフィンに戦闘を促すが、フィンはそれを拒否し、リオンを殺したくないと述べる。
ルクシオンはフィンの提案に反応し、攻撃準備をするが、リオンがそれを制止する。
最終的に、フィンはリオンの暗殺を失敗したと報告し、リオンに逃げるよう勧める。
第5話 「エリカとミア」
アルカディアがホルファート王国に宣戦布告する理由を探っていたが、解決策は見つからなかった。
フィンから告げられた内容に、理解が追いつかない。
ルクシオンとの話から、アルカディアが旧人類の高機動戦艦としての能力を持っていたことが明らかになる。
ルクシオンよりも高い戦闘能力を持つアルカディアには勝ち目がないと判断される。
そのため、フィンはルクシオンでは勝てないと考え、帝国に戻る選択をした。
フィンはカールの命よりもリオンを選び、リオンの暗殺に失敗し帝国での評価が落ちるリスクを負いながらもリオンを見逃した。
ルクシオンは戦いに勝てないと判断し、宇宙への脱出を提案する。
ルクシオンが宇宙移民船であることを再確認し、その目的は人類の生存と移住であるため、宇宙への脱出が最良の選択となる。
リオンはその提案に同意し、宇宙への脱出準備を命じる。
宇宙への逃避が決まると、準備が唯一の課題となる。
ルクシオンは単独で大気圏を突破可能な高性能移民船であり、必要な物品も自ら揃えることができる。
問題は誰を連れて行くかである。
リオンは、ルクシオンに肯定されるとエリカを含め五人を連れて行くことを想定する。
エリカのコールドスリープは必要ないとされ、エリカも船内で普通に暮らせることが示される。
さらに、リオンがエリカとの間に子を持つことで、旧人類の特徴を持つ子が生まれる可能性があると提案される。
リオンはマリエも連れて行くか考えるが、マリエが同意すると、彼女の仲間も同行するだろうと想像する。
リオンはアンジェたちに相談する前に、エリカの病室を訪れる。
リオンはエリカに宇宙に同行することを伝えようとしていたが、クレアーレにより、リオンやエリカが旧人類の末裔である可能性が高いとの重要な話を聞かされる。
第6話 「新しい家族」
ホルファート王国から消えれば帝国が目標を失い、争いが収束すると期待されていたが、物語は想像以上に複雑で問題は深刻であった。
エリカはリコルヌに用意された病室で治療を受けており、ルクシオンとクレアーレが様々な設備を備えた部屋で彼女を守るための強い意志が感じられる。
エリカは以前、母親が遊ぶゲームを自分も楽しむために何度も遊んだと説明し、そのゲームのシナリオにはエリカが病弱な設定であることが含まれていたという。
彼女は自己犠牲の精神を持っており、ミアちゃんが健康になることで自身の病状が悪化する可能性を受け入れていた。
エリカはこの事実に申し訳なさそうにしていたが、前世の経験と家族との思い出があるため、彼女はそれを受け入れていた。
自分の健康を犠牲にすることを伯父は望んでいなかったが、エリカの選択には誇りを感じてもいた。
最後に、エリカは今後何かあれば事前に伝えると約束したが、多くの記憶が古くて思い出せないこともあると述べている。
廊下に出た主人公は、ルクシオンと対面する。
ルクシオンは主人公に対し、エリカへの発言の多くが自身にも当てはまると指摘し、主人公がエリカに事実を話さなかったことを批判する。
主人公はエリカが自身の選択で多くの命を失うことを知るのは可哀想だと考えており、その責任は自分にあると感じている。
ルクシオンは主人公が正しい判断をしたと励まし、逃走計画を予定通り進めるよう確認する。
主人公は家族や知り合いも宇宙へ逃げる計画に含めることを決め、どうしても責任を感じてしまうが、ルクシオンは主人公の決断が旧人類の末裔を救った賢明な選択だったと再確認する。
主人公は自分が罪悪感に押し潰されることを否定し、事態から逃げ出す自信を持っている。
最後に、家族を連れて行きたいと述べ、アインホルンの出港準備が完了していることを確認した後、帝国の使節団が出発するのを見届けることにする。
帝国の使節団が王国から出発する当日、港に停泊している飛行船で使者はヘリングの暗殺失敗について議論する。
使者はリオンとの親しい関係を疑い、フィンの裏切りを警戒する。
ブレイブはフィンの疑念を激しく否定し、使者は腰を引ける。
フィンは自らの無傷の状態を人工知能の警戒のためと説明するが、使者は信用していない。
リーンハルトは暗殺失敗に失望し、フィンは外の景色に目を向ける。
ホルファート王国の港では、見送りに来た人々が押し寄せている。
リーンハルトと使者は、滅ぼされる運命にある人々をあざ笑う。
ブレイブがリオンの姿をフィンに教え、リオンが港にいることが確認される。
ルクシオンがリオンのためにフィンたちの姿を映し出し、リオンはフィンの見送りに来たことに対して複雑な感情を抱いている。
フィンとリオンは戦いたくないという感情を抱きつつ、帝国の飛行船は港を出発する。
周囲の人々が帰り始める中、ルクシオンがフィンの兄が王都に来ていることを告げ、フィンは面会することを決める。
王都にあるローズブレイド家の屋敷は、大貴族たちが情報を得るために王都に建てられている。
ある日、ニックス、ジェナ、フィンリーが集まっていた屋敷に、兄がいると聞いて訪れた。
ニックスは突然の訪問を喜び、ドロテアが妊娠していることを報告する。
ドロテアはお腹を大事に抱えており、ニックスは彼女が妊娠していることを明かす。
ジェナとフィンリーは、その鈍感さに呆れていた。
ドロテアは妊娠を楽しみにしており、ニックスは家族が王都に集まってお祝いをしたいと述べている。
この屋敷での習わしとして、生まれた子を飛行船に乗せることがあり、ニックスはその習わしに従いたいと願っている。
第7話 「選択肢」
ローズブレイド家を訪れた主人公は、公園のベンチに座り、家族や関係者の避難計画について思い詰めていた。
ルクシオンは、全員を救うことの困難さを指摘し、主人公に現実的な選択を促した。
しかし、公園で見かけた家族の様子が主人公に強い影響を与え、彼はアルカディアに対抗する決心を固めた。
主人公は戦うことを選び、ルクシオンに協力を求めたが、ルクシオンはその決断に動揺を隠せなかった。
最終的に、主人公は新人類の残した兵器と戦うと決意し、ルクシオンの願いもかなうかもしれないと述べた。
第8話 「婚約破棄」
フィンたちが帝国に戻ってからしばらく経ち、学園でマリエはふて腐れていた。
その原因はリオンの無断欠席であった。
リオンは、学園長にも欠席の理由を話しておらず、マリエはその事に苛立ちを感じていた。
エリカの健康状態が悪化していることを心配しているマリエは、信頼できる人物が不在のために不安が増していた。
結局、ノエルに話を聞こうと決めたが、問題の解決には至らなかった。
放課後、マリエはアンジェの部屋に呼び出され、リビアとノエルもいたが、リオンの行方について何も知らされていなかった。
アンジェたちもリオンの動向を知らず、マリエに疑念を抱いていた。
会話の中でリビアはリオンがマリエに金銭的な援助をしていたことを指摘し、その関係性を疑問視していた。
その後、ノエルがリオンの帰還を知らせ、マリエは一安心した。
リビアたちがリコルヌに乗り込み、クレアーレに案内されて応接室に通される。
三人はリオンの到着を待っている間、提供された飲み物に手をつけず、不満や心配を抱えていた。
特に、マリエだけが別室に案内されたことが気になっていた。
以前の関係の改善を経ても、リオンがマリエに何かを隠しているのではないかと疑問を持つ。
リオンが戻ってきたとき、彼の変わった様子に三人は戸惑う。
アンジェはリオンに対し強い感情を表現するが、最終的には彼女の手は止まり、リオンは問題を共有することを拒否する。
そして、リオンは三人との婚約を破棄すると宣言し、彼女たちに船を降りるよう告げる。
三人はショックと混乱で、リオンの突然の決断に涙する。
リビアたちがリコルヌに乗り込むと、クレアーレに案内されて応接室に通される。
三人はリオンを待つ間、提供された飲み物に手をつけず、不安や不満を抱えていた。
特に、マリエだけが別室に案内されたことが三人にとって気がかりであった。
マリエとリオンの関係が不自然に思え、アンジェはそれに不満を表す。
リオンが帰ってくると、変わった様子に三人は驚き、リオンは以前とは異なる冷たい視線を向ける。
突然、リオンは三人との婚約を破棄し、船から降りるよう告げる。
この突然の宣言に、三人は動揺し、深い失望と悲しみに包まれる。
三人との面会を終えた主人公は、クレアーレの研究室へと向かい、そこで戦利品の品々を見せる。
これらはダンジョンで手に入れた貴重なアイテムであり、魔法の杖などが含まれていた。
クレアーレは杖に含まれる宝石の魔力増幅機能に興味を示すが、主人公はその文化的価値を失っても構わずに利用可能にするよう命じる。
その後、クレアーレとの会話で、主人公の体調や筋肉量の増加について言及されるが、主人公はそれを気にしない。
計画としては、まだ回収すべきアイテムが残っており、すぐに南へ出発する予定である。
一方で、過去の婚約破棄の理由についてルクシオンが不満を表明するが、主人公はそれを「面倒だったから」と簡単に言い放つ。
クレアーレとルクシオンはその態度に呆れつつも、主人公の行動や態度に対して疑問を投げかける。
最終的に主人公は研究室を後にし、エリカの部屋に向かうことを決める。
第9話 「マリエのヒーロー」
リコルヌに用意されたエリカ専用の病室で、マリエとエリカが話をしていた。
話題は最近姿を見せないリオンについてである。
マリエは、リオンの無断欠席についてエリカに説明し、そのことがミレーヌからの手紙を通じてエリカに伝えられていたことに不満を示す。
さらに、リオンの恋愛事情がエリカに知らされていることに怒りを覚える。
一方、エリカは体調が悪化しており、リオンが無断欠席をしていたことについて不安を感じていた。
リオンが病室に現れ、エリカの病気について心配しないようにと述べるが、エリカはリオンがやつれていることに気づく。
リオンは自分が元気であることを力強くアピールするが、マリエとエリカはリオンの振る舞いに疑問を持つ。
リオンは、エリカの病気が治るまで冷凍冬眠で眠らせることにしたと説明し、その理由をエリカに知らせずにいたことを明かす。
また、帝国との戦争が始まることも告げるが、具体的な対策は述べない。
リオンは、今後もエリカの治療に専念すると約束し、部屋を後にする。
ルクシオンが、リオンに不満を示す。
リオンはアルカディアを倒すことによってエリカを救うことができると考えており、クレアーレと若木ちゃんが魔素の問題を解決してくれると信じている。
しかし、リオンはエリカが自分の隠し事を見抜き始めていることを悔やんでおり、早めに眠らせるべきだったと反省している。
また、リオンはマリエに対する優しさを見せているが、アンジェたちに対しては冷たい態度を取り、ルクシオンからその理由を問われる。
リオンは愛するという感情に疑問を持ちながら、自分は婚約者に愛される資格がないと感じ、アンジェたちには相応しい相手がいるはずだと考えている。
そのため、リオンはルクシオンにアンジェたちのフォローを頼み、マリエにも配慮を求める。
さらに、マリエに婚約破棄の件を伝えていないことを思い出し、ルクシオンにそれをクレアーレに伝えるように指示する。
ルクシオンはリオンがマリエに頼まれたことでやる気を出しているが、そのやる気が問題であると考えている。
リオンは自らの命を勝利条件に含めておらず、どんな状況でも勝つことだけを考えている。
アルカディアとの戦いは無謀であり、命をかけるのは当然とも言えるが、リオンは自ら命を捨てるような行動を取っている。
彼が使っている薬は効果があるものの劇薬であり、体に大きな負担がかかっている。
リオンの体への負担を考え、ルクシオンはリオンの命令に反しても、特に薬物を含むいくつかのアイテムをリストから除外することを決める。
第10話 「兄のために」
リコルヌを降りたマリエは、港でカーラに出迎えられる。カーラはリコルヌ内で何が起こったのかと動揺して尋ねるが、マリエは王女の見舞いをしてきただけと答え、何も知らないと述べる。
帝国との戦争が起きる可能性をこの場で言うことはないと考えていた。
カーラは先に降りてきた三人が泣いている様子を伝えるが、マリエも具体的な事情は知らず、リオンと何かあったのかと疑問を持つ。
それでも、カーラと一緒にリコルヌに戻ろうとするも、艦内への入口は閉ざされており、クレアーレが忙しいと中に入れてくれない。
結局、マリエは帰ることにする。学園に戻ったマリエはブラッドと出会い、彼も三人の様子がおかしいことを指摘し、リオンが何をしているのかと疑問を持つ。
カーラとブラッドはリオンとアンジェリカたちの状況を心配しているが、具体的な詳細は不明である。
リコルヌの艦内では、ルクシオンとクレアーレがアルカディアを倒す命令を受けて行動しているが、リオンの将来を考えずに行動することに疑問を持つ。
ルクシオンはクレアーレに協力を求め、彼女たちのフォローをすることにする。
女子寮にあるアンジェの部屋では、ノエルとリビアが話をしていた。
ノエルはリオンが通常と異なる発言をしたことに疑問を持ち、リビアは自身のせいではないかと自己疑念に陥っている。
ノエルはリビアを励ますが、リビアは過去にリオンに助けられたことを思い出し、涙ぐむ。
その頃、ノエルは赤と青の光を見てリビアにアンジェを起こすよう促し、光の方向を確認しに行く。
一方、マリエはアンジェの部屋を訪れるが、急ぎ足で出てくるノエルに止められる。
カーラはマリエに、港でノエルが落ち込んでいたことを説明する。
マリエはノエルを追いかけることを決意する。
倉庫に集まったノエル、リビア、マリエたちは、ルクシオンとクレアーレの会話を盗み聞きし、リオンが婚約者を捨てるという言葉を耳にする。
アンジェはルクシオンに真実を求め、ルクシオンはマリエに特別な視線を向ける。
最終的にルクシオンは詳細な事情を説明することに同意する。
ルクシオンが帝国との戦争の危険性について説明を終えた時、マリエは無表情で立ち尽くしていた。
リオンによって婚約が破棄されたアンジェたちは、大きな問題を前にして悩んでいるようだった。
リビアは何もかも捨てて逃げたらどうなるのかと思い詰めており、ノエルはリオンに怒りたい気持ちと、同時に彼の心情を理解している複雑な心境にあった。
ルクシオンは誤解を解き、アンジェたちに協力を求めた。
国を味方につけるための協力が必要であり、アンジェは帝国軍を引きつける計画について話したが、ホルファート王国だけでは帝国を引きつけるには力不足であることを認識していた。
クレアーレはアルゼル共和国の協力を提案し、ノエルはそれに反対した。
話が進む中、マリエは取り残されており、カーラが驚きと心配を示した。
ルクシオンはマリエに何もしないでほしいと言い、クレアーレもそれに同意した。
リオンが限界に達していると聞かされたマリエは、自分にできることをする決意を固めた。
第11話 「あなたのために」
ミアが帝国領土に向かう飛行船に乗り込んだ際、彼女は窓の外を見つめていた。
部屋には常にメイドがおり、ミアを気遣って世話を焼いていたが、彼女はその環境に息苦しさを感じていた。
ある瞬間、メイドが突然ミアを床に押し倒し、窓の外には見慣れない飛行戦艦が現れ、攻撃を開始する。
しかし、その飛行戦艦は赤黒い光に貫かれ、爆発した。
その後、さらに巨大な飛行要塞が現れ、その名をアルカディアと名乗り、ミアをお迎えに来たと告げた。
飛行要塞に移動したミアは、フィンとともに玉座のある部屋へと案内された。
そこでアルカディアがミアを迎え、彼女が新人類の力に目覚めたため、アルカディアとその仲間たちは新しい主としてミアを歓迎した。
フィンが騎士としての自分の立場を確認しようとすると、アルカディアはフィンを責任を問う態度を取り、彼を帝国での労働に駆り出すと示唆した。
ミアが介入し、フィンに対する処罰を阻止した。アルカディアはミアの願いを尊重し、フィンに対する罰を短期間にし、彼がすぐにミアの側に戻ることを約束した。
早朝にルクシオンから提案があり、男子寮へ立ち寄りながら王宮へと向かうことになった。
男子寮の自室でアンジェ、リビア、ノエルに遭遇し、三人はリオンに頼りたかったと訴えるが、リオンはこれが自分の問題であると断り、一人で問題を解決しようとする。
しかし、アンジェが背中に抱きつきながら協力を求め、リオンはそれを拒むものの、アンジェたちの自発的な協力を認める。
アンジェはリオンに王国をまとめて戦力にする提案をするが、リオンはそれを承諾しながらも困難を指摘する。
アンジェは許可を得て、リビアとノエルとともにリオンのために行動を開始する。それぞれが自分の役割を見つけ、行動に移す決意を固める。
マリエはカーラとエルフの少年カイルを連れて、誰も住んでいない浮島にある古びた屋敷を探索していた。
この屋敷はかつて賢者と呼ばれた錬金術師の隠れ家であり、マリエはそこから特別な薬を回収する目的で訪れていた。
この薬は非常に強力な効果を持ち、使用者を非常に強くするが、同時に大きなリスクも伴う。
マリエはこの薬がリオンを助けることを信じて回収し、リオンが戻った際に研究室でそれを見せた。
リオンは薬を歓迎したが、ルクシオンはマリエが薬を手に入れたことに対して怒り、その危険性を指摘した。
クレアーレはリオンの命令を優先して薬の効果を調整することを拒否し、使用するとリオンが死ぬ可能性があることを明かした。
マリエは自分の行動がリオンの命を危険にさらすことになると知り、深い後悔と共に涙を流した。
第12話 「それぞれの活躍」
ノエルはアルゼル共和国から持ち込まれた聖樹を無人の浮島から持ち帰ろうとしており、その作業をロボットに行わせていた。
聖樹が運ばれるのを見ていたカイルの母、ユメリアは残念そうにしており、ノエルは未来がかかっているために協力が必要であると説明していた。
ノエルはこの大事業にユメリアの協力を求め、ユメリアはリオンとの恩義から助けを申し出た。
ファンオース公爵家の城では、リビアが公爵代理のヘルトルーデ・セラ・ファンオースと面会していた。
リビアは、ラウダの魔笛を持参しており、これを使いこなすことでリオンを助けたいと考えていた。
しかし、魔笛は使用者の命をも危険にさらす代物であった。
ヘルトルーデは、リビアの提案に一旦は驚いたものの、最終的にはリビアの想いを受け入れ、魔笛を破壊してリビアにそれ以上の危険を冒させないようにした。
ヘルトルーデはリビアに対し、彼女の行動に理解を示しつつも、リオンとファンオース家との関係を気にかけ、必要なときには助力することを約束した。
レッドグレイブ家の屋敷にアンジェが訪れ、長い間会っていなかった家族と再会した。
アンジェは絶縁されているにもかかわらず、リオンの名前を使って父ヴィンスと兄ギルバートを王都に呼び出した。
この行動は家族の怒りを買い、ギルバートからは礼儀を忘れたと非難されたが、アンジェは態度を崩さなかった。
会話の中でアンジェは、自分の孫を王にする意志を宣言し、ヴィンスはこれに驚いたものの、積極的に支持する姿勢を見せた。
一方で、ギルバートは戸惑いながらもアンジェの変貌ぶりを認め、彼女がもし男性であれば当主として適切だったと述べた。
ヴィンスは、女性であるがゆえにアンジェが強くなったと語り、二人はアンジェの成長を讃えつつ、彼女の提案に協力することを決定した。
第13話 「攻略対象の資質」
リオン、アンジェ、マリエが学園を離れたことに対し、五馬鹿と呼ばれる五人の生徒が深刻な表情で話し合っていた。
マリエの行方が数日間不明であり、彼女への思いを語り合う。
リオンが婚約を破棄し、どこかに去ったとの噂があり、彼らはその事実に複雑な気持ちを抱いていた。
帝国からの宣戦布告の知らせが学食に届き、五人はマリエの救出とリオンの事情を探るために行動を決意する。
その後、マリエが帰ってきて五人にリオンを助けるよう懇願する。
彼女は自分が転生者であることや過去の行動を告白し、土下座して彼らに協力を求めた。
しかし、五人は彼女の過去を受け入れ、彼らの関係性が以前と変わらないことを伝え、彼らはリオンを助けることを承諾する。
彼らはリオンに対しても友情を感じており、彼を助ける意志を固める。
第14話 「リオンの後悔」
浮島を訪れた主人公は、大雨が降る中、洞窟で休憩を取っていた。
彼は赤い一つ目を持つ人工知能、ルクシオンと共に天気予報を確認し、しばらくの間、火を囲んで戦利品を整理していた。
彼は体が冷えていると感じ、ルクシオンに健康状態が低下していることを指摘されるが、趣味であるダンジョン攻略を続けることを選んだ。
その中で、ファンタジー金属で作られた短剣について話し合い、その価値を確認している。
また、ルクシオンとの会話の中で、主人公は自分が転生者であり、本来の人生から大きく逸れたこと、そして彼の行動が彼の人間性に見合わないことを認識して苦悩していた。
彼は自分が人工知能の力に頼り過ぎていること、そしてそれが自己評価の歪みを生んでいることを認め、自分を偽って生きていることに対する矛盾を感じていた。
洞窟には突如、彼の友人たちが訪れ、彼を帝国の宣戦布告から守ろうとするが、主人公は彼らを突き放し、自分の道を歩む決意を示した。
友人たちは彼の健康や心配事について気にかけるものの、主人公は彼らの助けを拒否し、自立する道を選ぶ。
このやりとりは、彼の内面的な葛藤と孤独を浮き彫りにし、彼の選択が彼自身にとってどれだけ重要かを示している。
第15話 「一対五の決闘」
アンジェは王宮に到着し、クラリス・フィア・アトリーという女性に出迎えられる。
クラリスはアンジェと親しい関係にあるアトリー伯爵家の令嬢で、学園の卒業生である。
彼女はアンジェが王宮に来た目的を詮索し、王位の簒奪を疑うが、アンジェは冷静に対応する。
アンジェは王妃ミレーヌに会うために進む。
ミレーヌは帝国からの要求について語り、リオンの首や属国化を要求されている状況を解説する。
アンジェは王位を狙っており、ミレーヌはそれを認識している。
ミレーヌは王位を継ぐ意志を持つアンジェに対し、裏切り者のリストを提供すると約束する。
会話は進み、アンジェはミレーヌにローランド王の退位を促す。
ミレーヌはアンジェを前に冷静であり、彼女の冷酷さを評価しつつも、新しい王に対する貴族たちの独立動向について警告する。
アンジェはリオンに忠誠を誓っており、彼を支える立場に憧れている。
彼女の成長を認めたミレーヌは、アンジェが王室の行く末にとって重要な役割を果たすと信じている。
コックピットの中でモニターが起動し、雨が降る森の景色が映し出される。
ルクシオンはその場におり、五人の鎧に対して問題提起をしているが、ユリウスたちが待っていると応じる。
画面に映る五人の鎧は、過去の決闘騒ぎを思い出させる。
一年前の装備を模しているが、実際の性能はそれ以上である。
ユリウスは、五人で一人のリオンに挑むと宣言する。
この提案はプライドに関わるが、彼らはリオンが強者であることを認めており、彼を故郷に連れ帰る決意を示す。
武器が構えられたため、リオンは操縦桿を握りしめ、戦いに臨む構えを見せる。
戦闘は激しく、ユリウスたちは強化されたアロガンツに対抗するため、集団戦術を取る。
ジルクは空中から攻撃を試みるが、アロガンツの反撃により撃墜される。
残りのメンバーは連携してアロガンツを攻撃し、ユリウスは盾を使って防御するが、力の差を感じさせられる。
最終的に、アロガンツが煙の中から現れ、攻撃を続ける。
ユリウスたちは四対一の状況で戦闘を継続する決意を新たにする。
アロガンツはバックパックコンテナを喪失し、攻撃手段が限られた状況であった。
ユリウスとその仲間たちは、空中からの攻撃を試み、連携してアロガンツを攻撃する。
リオンは守りを固めつつも、ブラッドのスピアの狙撃に悩まされる。
しかし、リオンは絶えず攻撃を避けつつ反撃し、次第に圧倒的な力で仲間たちを制圧していく。
戦闘は続き、グレッグとクリスの鎧が機能停止となるものの、リオンはなおも戦闘を続行する。
ブラッドが狙撃を試みるが失敗し、リオンに捕まえられて戦闘不能となる。
最終的にはユリウスの鎧も破壊され、リオンは一対五の状況を制圧したが、戦いの最中に仲間たちとの絆や自己の弱さについて考えさせられる。
予想外の展開に戦いは引き分けとなり、リオンは自分の中で何かを見つめ直すことになる。
第16話 「王位」
ホルファート王国の王宮の謁見の間で、王位の譲渡に関する重要なやり取りが行われた。
アンジェは王位の譲渡をローランドに迫り、場の緊張が高まる中、アンジェは強硬な姿勢を示す。
王宮の警備が強化され、レッドグレイブ家の兵士も待機していた。
ローランドは予想外に王位を譲ることに同意し、アンジェとその周囲は困惑する。
さらに、ローランドは自身の愛人とその子供たちについて話し、彼らの将来の面倒を見ることもアンジェに押し付けた。
これにより、アンジェは新たな責任を負うことになる。
しかし、ローランドは以前から貴族たちの署名を集めており、新王への忠誠を確保していた。
この一連の出来事が、王位のスムーズな移行を可能にした。
最後に、ローランドは王位に対する自身の不満を明かし、辞任が清々しいと感じていた。
第17話 「勇気ある者」
ボロボロのリオンがダニエルとレイモンドに支えられながらアインホルンに運ばれている。
彼らはリオンが帝国との戦争を控えており、勝てるかどうか不安を感じていた。
帝国はリオンを見逃さず、屈辱的な条件を呑むことも求めている。
ダニエルとレイモンドは参加を申し出るが、リオンは今回は自身も勝てる保証がないとして参加を断り、彼らには安心して帰るよう伝える。
二人は驚くが、リオンの決意を受け入れる。
リオンは飛行船を出して自らを送り届けてくれたことに感謝しつつ、友人たちへの感謝の気持ちを伝える。
アインホルン内の医務室で、ユリウスを含む仲間たちがリオンの治療にあたる。
ユリウスは特に酷い怪我をしていたが、リオンの選択を責める声も出る。
しかし、リオンは彼らの助けを拒み、王都に戻ることで味方と合流する計画を話し、帝国の狙いや、王都の状況についても語る。
彼らはリオンの婚約者たちが動いていることを知り、リオンに支持を表明する。最終的にリオンは彼らへの感謝を述べ、王都での合流に向けて準備を進める。
リオンが自室で睡眠薬を飲んだ後、ルクシオンと会話をしている。
ルクシオンは、決闘でリオンの不利になるように行動したことを謝罪する。
リオンはそれに対して驚きつつ、自身にはもう勝てないと感じ、無力感に苛まれる。
しかし、ルクシオンはリオンがこの世界に必要な存在であると励ます。
リオンは自己評価が低く、自分の存在がこの展開を引き起こしてしまったと考え、平和な世界のためには自分がいない方が良いと感じながら眠りに落ちる。
アンジェは夜に学長室を訪ね、学園長であるリオンの師匠、ルーカスと対面する。
ルーカスが先代の王弟であることが明らかになり、かつての王位継承争いから逃れるために名を変え、王都に隠れていたことが判明する。
アンジェはルーカスにリオンを助けるよう説得し、ルーカスは最終的にアンジェの頼みを受け入れる。
ルーカスはリオンを助けるために、自身の影響力を使うことを決意する。
第18話 「偽者の聖女」
マリエは王都にある神殿を訪れ、そこで神殿騎士たちに敵視されるが、彼らを力づくで押しのけて建物内に進入する。
聖女の像が持つ金色の装具に話しかけ、自分の力の証として装具を手に入れる。
装具はマリエを認め、彼女の命令に従う。
神殿騎士たちが攻撃するが、マリエは装具の力で彼らを撃退し、その後、彼らを癒すために聖女の力を使う。
神殿の人々はマリエの行動に驚き、彼女が本当の聖女である可能性を考え始める。
最終的に、マリエは聖女に関連する書物が保管されている書庫への案内を要求する。
第19話 「参集」
王都近郊に飛行戦艦の艦隊が到着した際、王国軍の飛行戦艦が接近し、甲板に出てきた鎧と共に大砲を撃てる状態にしていた。
艦隊がファンオース公爵家に属していることを知り、艦長は動揺し、何故王都まで接近できたのかを詰問する。
ヘルトルーデはこのやり取りに辟易し、リビアが自己紹介をして王都への通行を求める。
しかし、指示が伝わっていなかったために、王都を前に立ち往生することとなる。
アルゼル共和国からの飛行戦艦が現れ、リビアがその存在を確認し、感謝の意を表する。
一方、王宮ではアルゼル共和国から来たレリアとアルベルクがノエルと再会し、彼らが共和国の聖樹エミールを持ち込んでいたことが明らかになる。
二人はノエルの助けになることを約束し、レリアはさらなるサポートがあることを示唆する。
白のスーツに白のマントを身に着けた赤毛のショートヘアのロイク・レタ・バリエリが、別室でマリエと面会する。
ロイクは涙を流しながら、共和国内での論争にもかかわらず、マリエのピンチに駆けつけたことを報告する。
マリエはロイクの行動に苦笑いしながらも感謝の意を示す。
ロイクはマリエの変わらぬ魅力に言及し、以前よりも美しくなったと驚く。マリエは成長していると応じるが、その笑顔には一瞬の影が差す。
王宮にやって来たロイクは、以前とは変わった性格で、王宮の面々に挨拶を試みるが、五馬鹿たちはロイクの存在に不快感を示す。
ロイクはアルゼル共和国で知り合った女性、ルイーゼが来ていると伝え、彼女が待つ部屋に案内したことを明かす。
この発言に、王宮の面々は困惑し、ルイーゼの面会が適切であるかどうかを検討する。
リオンとルクシオンが部屋に向かう姿を、五馬鹿たちとロイクは見送る。
グレッグは自身がリオンに役立てないことを申し訳なく思い、ジルクは同情的な態度を見せる。
ユリウスはリオンの頼もしさを感じている。
一方、リオンはルクシオンと共に、アルゼル共和国から来た者たちとの面会に向かう。
話し合いの中で、リオンは国家間の支援に対する報酬について話し合われ、各国からの代表者たちがそれぞれ報酬を求めていることが明らかになる。
リオンは貴族社会の交渉に慣れた様子で、各方面の要求を聞き入れる。
最終的に、リオンが四人の要求に応じる形で事を進めることになる。
謁見の間の控え室に到着したリオンとルクシオンは、他の参加者がまだ来ていないことに気付く。
ルクシオンはリオンに対して、先程の曖昧な契約について懸念を示す。
リオンは、もし生きて戻れなかった場合の対策として、ルクシオンに金銭を用意させるつもりでいると説明する。
その後、アンジェが現れてリオンと感動的な再会を果たす。
彼女は、リオンのために国内外から多くの支援を集めたことを伝える。
リオンはアンジェの努力を無駄にしないと決心し、アンジェとのやり取りを通じて、これからの困難に立ち向かう覚悟を新たにする。
その後、リオンは謁見の間に入り、多くの人々が集まっているのを目の当たりにする。
彼は自分の国を守るため、そして参加している全員のために戦う意志を表明する。
感動的な瞬間として、多くの貴族たちがリオンに支持を表明し、ローランド王もリオンに協力を求める。
リオンはこの支持を受け入れ、共に戦うことを誓う。
第20話 「帝国最強の騎士」
帝国領近くのある浮島近くに、アルカディアが停泊している。
本来は帝都上空に位置するべきであるが、アルカディアは人工知能を搭載した古いロボットや飛行戦艦からの攻撃を受けているため、場所を移動せざるを得なかった。
フィンとブレイブは、次々に現れる敵を撃退しているが、敵の攻撃パターンに変化が見られ始め、より慎重な行動を取り始める。
一方、フィンはアルカディアからの召集を受け、他の魔装騎士たちと共に謁見の間へ向かう。
そこで新たな魔装騎士、ライマーと遭遇し、フィンは彼の挑戦的な態度に直面する。
皇帝モーリッツからの演説で、帝国が王国に侵攻することが発表される。
この戦争は新人類と旧人類の生存競争として位置づけられ、フィンは複雑な心境に陥る。
その中で、ミアが平和を願い出るが、現状の厳しさに直面して途方に暮れる。
アルカディアは状況を収拾し、フィンと他の魔装騎士たちに王国への攻撃準備を指示する。
エピローグ
王国領から遠く離れた場所に位置する移民船ルクシオンは、大海原の上で待機していた。
リオンは青空と浮島が広がる景色の中、ルクシオンを囲んでいる旧人類の兵器たちを眺めていた。
これらの兵器はほとんどが錆びつき、苔が生えた状態で原形を留めていなかった。
リオンはこの兵器たちと交渉を試みていたが、彼らはリオンを認めるかどうか確認するためにスキャンを開始する。
兵器たちの代表である人工知能「ファクト」との対話中、ファクトはリオンの提案を拒絶し、彼らが望むマスターとしてエリカを推す。
エリカは旧人類の特徴が色濃く出ており、戦闘には不慣れだが象徴として適していると考えられていた。
リオンはファクトに対し、エリカが戦争に参加することに消極的であることを説明し、彼女をマスターにするとアルカディアの破壊を諦める可能性があると指摘する。
最終的に、リオンがマスターとして認められ、彼の指揮下に入ることを誓う人工知能たち。
リオンは、これらの兵器たちの整備をルクシオンに依頼する。
この交渉と決定により、リオンは旧人類の兵器を率いる指導者としての地位を確立する。
追想 「あなたの名前」
旧人類の敗色が濃厚な時期に、母なる惑星は戦争によって居住不可能な状態に陥っていた。
新人類に対して旧人類は敗れ、急造された移民船の建造が地下ドックで急ピッチで進められていた。
責任者の女性は、自らが手掛けた七百メートルの移民船に大いに期待しており、「エリシオン」と名付けようと考えていたが、既にその名前は使用されていたため、他の名前を考える必要があった。
この移民船は、特権階級ではなく、本当に困っている人々を救うためのものであり、旧人類の技術の全てを詰め込んで建造されていた。
女性は移民船が人類の未来を担い、理想郷へと導いてくれると信じていた。しかし、魔素の影響で健康が著しく害され、生存が危ぶまれる状態にあった。
彼女は自身が移民船の完成を見届けられない可能性を悟りながらも、助けを求める人々を守るように移民船に託す心境を吐露していた。
数日後、休憩室で会話していた男性と女性は、魔法の研究について語り合っていた。
男性は魔法を用いて魂の記憶を呼び覚ますことに興味があり、それによって旧人類の文化を復興させる可能性について熱心に語っていた。
しかし、女性はその研究をオカルトのようだと一蹴し、現状の追い込まれた状態を反映していると評した。
男性は魔素の影響で健康が悪化しているにもかかわらず、防護服を着用せず、女性と肉眼で会話を交わしたいと願っていた。
彼は自分が先に弱ってしまうことを悟り、もしも旧人類が復活し、魂が記憶を取り戻せるようになった場合、彼女と再び出会いたいと願っていた。
会話の最中、男性はプロポーズをし、二人は笑いながらその申し出を受け入れた。
しかし、彼らの体は魔素による影響で既に限界に近づいており、まもなく生命の終わりを迎えることになった。
その後、彼らが建造に関わった移民船には、彼らが望む多くの人々が避難できるかどうかが不明であった。
彼らは自分たちの死を前にしても、他人の安全を気にかける姿勢を見せ、最後の力を振り絞って人類の未来に対する願いを込めた。
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