どんな本?
『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』は、理不尽な孫の手氏による日本のライトノベル。
この作品は、34歳の無職でニートの男性が剣と魔法の異世界に転生し、新たな人生を歩む物語。
主人公は、前世での経験と後悔を糧に、今度こそ本気で生きることを誓う。
彼は新たな名前「ルーデウス・グレイラット」として、家族や人間関係を大切にしながら、前世のトラウマを乗り越えて成長していく。
この作品は、「小説家になろう」で2012年から2015年まで連載され、その後書籍化された。
また、漫画版やアニメ版も制作されています。
特にアニメ版は大変人気があり、2024年4月には第2期の後半が放送される。
また、「無職転生 〜蛇足編〜」という番外編もあり、こちらは本編完結後の物語が描かれている。
読んだ本のタイトル
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 17
著者:理不尽な孫の手 氏
イラスト:シロタカ 氏
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あらすじ・内容
次々と迫りくるヒトガミの使徒!? 任務の成否やいかに――?
図書迷宮から、帰ってきて数週間。
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 17
ルーデウスはアリエルを王にするという指令を完遂するため、アスラ王国へとアリエルに同行していた。
決戦に備え、王都アルスの王城にて舞台を整える一行。
数多の妨害を乗り越え、訪れたパーティ当日。アリエルは順調に敵勢力である第一王子を追い詰めていく。
しかし、相手も切り札を隠し持っていて、窮地に陥ることになってしまい……?
「まずい。どうする。どうすればいい。動けない」
ルーデウスは無事にアリエルを王の座に就かせることはできるのか!?
人生やり直し型転生ファンタジー第十七弾、ここに開幕!!
感想
ルーデウスがアリエルを王にするという目的を持って、アスラ王国へと旅立った物語である。アリエルの王位継承をかけた戦いは、王都アルスの王城でのパーティーが舞台となった。多くの障害を乗り越え、ついに訪れた決戦の日。アリエルは敵勢力である第一王子を追い詰めるが、相手も切り札を隠し持ち、アリエルたちは窮地に立たされる。
この困難な状況の中、「どうすればいいか」と悩むルーデウス。しかし、彼は動けないわけにはいかないと決意し、アリエルを守るために全力を尽くす。その過程で、人神に操られた親戚をケアしながら、目標達成へと進む。
物語は、アスラ王国編の完結とともに、シルフィの護衛としての役割にも一区切りがつく。転移事件がもたらした多くの人々の人生の変化、悲劇と出会い。そして、これからも続くルーデウスたちの人生への期待が描かれる。物語の最後には、ヒトガミの次なる使途と思われる不気味な人物が登場し、今後の展開への期待を高める。
本作は、アリエルの王位獲得をめぐる激しい争い、仲間たちとの絆、そして家族の物語が描かれている。オルステッドの圧倒的な力、敵として立ちはだかる水神流の面々との戦い、そしてルーデウスの内面の葛藤。それぞれの登場人物が直面する困難を乗り越え、成長していく姿が心を打つ。また、ルーデウスが父パウロの墓前で報告するシーンは、彼の成長と家族への想いが感じられる。
本作は、ただの異世界ファンタジーではなく、登場人物たちの人生、成長、家族との絆を描いた深い物語である。読み進めるうちに、彼らの挑戦と成長に心を動かされ、次なる展開への期待が膨らむことだろう。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
旅のメンバーは八名で、アリエル王女のお忍びでの帰国のため、質素な旅支度で出発した。シャリーアの入口では多くの人々が見送りに来ていたが、これはアリエルの努力の成果である。移動には転移魔法陣と馬、馬車を併用し、ペルギウスが設置した魔法陣を使用して赤竜の上顎の北部に転移する計画だった。転移魔法陣は特定の場所にしか設置できず、アスラ王国内の魔法陣は魔力結晶を用いる必要があったが、今回はすべて破壊されてしまっていた。
到着先の遺跡では、馬車が出られず、メンバーはそれを分解し、外に運び出して組み立て直した。その日は街道付近でキャンプを張り、夜はアリエル以外は見張りを行う。見張り中のルーデウスはオルステッドと連絡を取り、現状報告をした。オルステッドは赤竜の上顎を抜けたあたりでの警戒を促し、北帝オーベール・コルベットが出てくる可能性が高いと警告した。また、ヒトガミの使徒に関する情報も共有され、アリエルが王になるか否かが転換点となることが語られた。
この旅ではルーデウスの役割はアリエルの護衛ではなく、ヒトガミとの戦いに備えることであり、ルーデウスはその準備を進めていた。夕食後、メンバーは交代で見張りを行いながら夜を過ごし、ルーデウスはオルステッドとの情報交換を終えて就寝した。これにより、アスラ王国への旅の初日が終了した。
赤竜の上顎を進む旅の途中、大規模な商隊とすれ違い、ルーデウスはかつての孤独な旅の日々を思い出す。現在はシルフィ、エリス、ロキシーという家族がおり、充実した生活を送っている。赤竜の上顎を抜けると、森が広がり、旅行団はオーベールと呼ばれる北帝と遭遇する。戦闘が始まり、ルーデウスは魔術で戦闘を支援する。オーベールは特殊な戦法でギレーヌとエリスを翻弄するが、最終的に撤退し、ルーデウスたちは勝利する。戦闘後、死体からアスラ王国の領土の領主であるピレモン・ノトス・グレイラットの紋章が見つかり、アリエルへの裏切りが明らかになる。
襲撃から一時間後、ルーデウスたちは森の奥でキャンプを張り、作戦会議を行った。ピレモンの裏切りにショックを受けるルークの様子が描かれる。ルーデウスはアリエルに、オーベールが今後も襲撃を続ける可能性が高いと警告し、盗賊団を通じて関所を回避する提案をする。アリエルはこの提案を受け入れ、ルーデウスの案に従うことを決定する。ルークはこの計画に反対し、ペルギウスに助力を求めるべきだと主張するが、アリエルはルーデウスの案を支持する。その後、ルーデウスたちは盗賊団へと接触する計画を進める。
オルステッドとの連絡では、オーベールを逃がしたことや、ルークがヒトガミの使徒である可能性について話し合う。オルステッドはルークについての警戒を促しつつも、現状の計画が順調に進んでいると評価する。ルーデウスはアリエルとの夜の散歩に誘われ、話をすることになる。
月明かりの下、アリエルとルーデウスは森の中を歩き、二人で重要な話を交わす。アリエルはルーデウスとの話を望み、森へと連れ出す。アリエルはルーデウスにルークのことをどう思うか尋ね、ルークが裏切り者であるかどうかについて話し合う。その後、オルステッドが突如現れ、アリエルと直接会話を交わす。オルステッドはアリエルに、自分たちと共通の目的を持つこと、ルークが裏切り者ではなくヒトガミにそそのかされていることを説明する。アリエルはオルステッドの配下となることを申し出、共にヒトガミの計画に立ち向かうことを決意する。アリエルはルークの件を自分に任せるようオルステッドに提案し、オルステッドはこれを承諾する。そして、アリエルとルーデウスは共同戦線を張ることとなる。
翌日、ルーデウスたちは盗賊団の縄張りに入り、トリスという女性と接触する。アリエルはトリスがかつてのアスラ貴族であるトリスティーナ・パープルホースであることを見抜き、彼女の過去を聞き出す。トリスはかつてダリウスに捕らわれ、性奴隷として生活していた後、盗賊団に売られ、その後盗賊としての修行を始めたことを明かす。アリエルはトリスにダリウスの悪事を暴くための協力を求め、トリスは最終的にこれを承諾する。アリエルは巧みに言葉を操り、トリスを仲間に引き入れ、ルーデウスたちは新たな仲間を得て旅を続けることとなる。
翌朝、ルーデウスたちはトリスを先頭に森を進み、隠された湖と洞窟を経由してアスラ王国に入国する。途中、アリエルとルークがピレモン・ノトス・グレイラットがサウロス・ボレアス・グレイラットを陥れた主犯である可能性について議論する。アリエルは、確証があればピレモンを処刑し、ルークを当主にすると述べる。ルークはルーデウスを疑っており、ヒトガミから「ルーデウスの裏切りに注意せよ」という助言を受けていた。その後、一行はリケットという町に到着し、情報収集や休息を取りながら王都アルスへ向かう。アリエルはルーデウスに貴族の位を与えないことを宣言し、ルーデウスはルークの行動を予測してアリエルの護衛を続ける。最終的に、一行はアスラ王国首都アルスに到着し、王都での決着に備える。
王都アルスは、人族最古の町であり、人魔大戦の勝利を導いた勇者の名を冠した世界最大の都である。丘の上に建つ荘厳な王城「シルバーパレス」、上級貴族の邸宅、壮大な城壁、闘技場、騎士団の訓練場、聖ミリス教団の神殿、商社の本部、水神流宗家の道場、劇場が立ち並ぶ歌劇街など、数々の見所があり、その壮大さには誰もが驚愕するだろう。
ルーデウスとエリスは、王都アルスに到着し、アリエルと共に動き始める。アリエルは王都でペルギウスを迎え、ダリウス上級大臣を失脚させるための「場」を用意する予定で、準備に忙しくなるという。一方、ルーデウス、エリス、シルフィは敵勢力の主要人物を削ぐ役目を担うことになる。アリエルは、敵を釣り出すためにあえて隙を見せる戦略を立て、シルフィがその役目を担うことになる。
王都アルスでは、アリエルたちの到着が歓迎され、市民からの声援を受けながら、彼らはアリエルの別宅へと向かう。別宅は王城から遠い位置にあり、豪華な内装と施設を備えている。そこで彼らは旅の疲れを癒やし、翌日からの活動に備える。
また、エリスは剣の聖地で知り合った水王イゾルテと再会するが、イゾルテはルーデウスとルークを間違え、ルーデウスに対して誤解を抱いてしまう。しかし、エリスとイゾルテの間には、以前からの友情が感じられる。イゾルテは、アスラ王国騎士団の見習い騎士として、王都で活動しており、エリスに対する深い敬意と友情を示している。
アリエルは、明日から王都での決定的な動きを始める予定であり、ルーデウスたちはそれに備える。王都での決戦に向けて、彼らは準備を進め、予想される困難に立ち向かう覚悟を固めている。
翌日、アリエルと共に王城へ赴いた。アリエルは10日以内にやるべきことを終えるため、準備に勤しんでいた。王城では、ペルギウスの肖像画を含む三英雄の肖像画が展示されており、その歴史的価値と英雄たちの偉業に敬意を表していた。
3日後、アリエルの計画は順調に進行し、貴族たちの支持を得ながら『会場』の設営を進めていた。しかし、暗殺者が送り込まれるなどの襲撃もあり、緊張が続いていた。5日目には、アリエルを支持する貴族たちが狙われ始め、政治的な緊張が高まった。その中で、ピレモン・ノトス・グレイラットという人物がグラーヴェル側に寝返っていたことが判明する。
9日目には『会場』の設営が完了し、アリエルは大規模なパーティを計画していた。しかし、その夜、北神三剣士の一人であるオーベールとその仲間たちに襲撃される。ルーデウスと仲間たちはこれを撃退し、ナックルガードとウィ・ターを討ち取るが、オーベールは逃亡した。この戦いで、敵の手駒を減らすことに成功したが、オーベールの逃亡が今後にどのような影響を与えるかは不明である。
以上、ルーデウスと仲間たちが王城での準備と襲撃者との戦いに忙殺された日々を描いた内容である。北神三剣士の中から二人を討ち取ることに成功し、敵の力を削ぐことができたが、オーベールの逃亡は不安要素を残した。
パーティは王城で開催され、アリエルとルーデウスが参加者を迎える。ピレモン・ノトス・グレイラットが到着し、彼はルーデウスに冷たく接する。アリエルはトリスティーナ・パープルホースを紹介し、彼女がダリウス上級大臣によって苦しめられたと主張する。ダリウスはこれを否定し、トリスティーナが既に死亡していると主張するが、パープルホース家の現当主はトリスティーナが生きていると証言する。
グラーヴェル王子が介入し、アリエルとの対立を解決するために多数決を提案する。しかし、アリエルは空中城塞ケイオスブレイカーを現れさせ、甲龍王ペルギウス・ドーラを紹介する。ペルギウスの登場により、アリエルが次代の王としての地位を固める。ダリウスとグラーヴェルに対するアリエルの勝利が確定するが、水神レイダ・リィアが現れ、ダリウスを助けに来たと宣言する。
水神流は、五つの奥義を持つ剣術であり、そのすべてを習得した者は初代水神以外にいない。水神レイダ・リィアは三つの奥義を修め、特に困難な二つの奥義を組み合わせ、六つ目の奥義とも言える『剥奪剣界』を使いこなす。彼女は老齢ながら、この技によりどの方向からの攻撃でも斬ることができる能力を持つ。
ある事件では、彼女の前に動いた者たちは彼女の技により倒され、ルーデウスも彼女の能力により危うく手首を失うところだった。水神レイダは、ダリウスを助けるようオーベールに指示し、その後、オルステッドによって彼女自身が倒される。彼女の死後、ルーデウスたちはダリウスとオーベールを追い、最終的に彼らを倒すことに成功する。しかし、その後の展開では、アリエルの命をルーデウスの命と引き換えに要求するシーンで文書は終わる。
パーティ会場には、アスラ王国の主要貴族が残っていた。彼らはアリエルが次代の王としてふさわしいと感じさせる出来事を目の当たりにしていた。ダリウスの失脚とペルギウスの登場は、貴族たちに強い印象を与えた。また、オルステッドの突然の現れと、水神を倒したことが、彼がペルギウスの配下であるという誤解を生んだ。これにより、アリエルを支持する動きが強まる。
しかし、ルークはこの状況に疑問を抱いていた。彼はアリエルがオルステッドと組んでいることに対して、不信感を持っている。ヒトガミから受けた啓示に従い、アリエルの行動を疑っている。だが、ルークは父ピレモンがダリウスに利用されただけであることを知り、アリエルに父を許すよう懇願する。アリエルは、ルーデウスがダリウスを殺害したことで状況が変わり、ピレモンの処遇については後で決定すると述べる。
ルークは自分の行動を反省し、アリエルの忠実な騎士であり続けることを決意する。アリエルはルークの忠誠を試すような形で彼を許し、ピレモンについても処罰を保留にする。これにより、アリエルがアスラ王国での支配を確固たるものにし、彼女の王道を進むための障害が一つ解消される。
ダリウスを倒してから10日後、多くの出来事が起こった。水神レイダやオーベールを倒し、ペルギウスを迎え入れたことで、アリエルが王国を支配することがほぼ確定した。ピレモンは当主の座を剥奪され、ルークが新たな当主になった。ギレーヌは、ルークの兄によるエリスへの求婚をきっかけに、彼らに対する敵意を解消した。オルステッドは、運命を見る力を持つとされていたが、実際には未来予知の能力はなく、時間を巻き戻す力を持っていたことを明かした。彼はこれまでに何百回も時間を巻き戻し、アリエルの勝利を確実にするために働いてきた。
イゾルテは、レイダの弟子としてアリエルとの和解を模索し、アリエル王女は彼女に対し、王国内での地位を約束した。アリエルは、ルーデウスへの感謝の意を表し、彼の望むものを尋ねた。ルーデウスは、将来的に販売する予定の本と像の販売許可を求めた。アリエルはこれを承諾し、ボレアス家からの食事の誘いも受けたが、曖昧な返事をしている。
ルーデウスとシルフィは、アリエル王女との別れを惜しみながら、アスラ王国を発つ準備を進めた。アリエルはシルフィに対して、彼女の協力と友情に感謝を示し、将来的に再会を望むことを伝えた。そして、ルーデウスとシルフィはアスラ王国を後にした。
出発当日の早朝、ギレーヌが屋敷を訪れ、ルーデウスとエリスに木剣を渡し、稽古を行った。庭で行われた素振りや型の稽古は、エリスとギレーヌが真剣勝負を行うまで続いた。ギレーヌはエリスに対してこれが最後の稽古であることを告げ、エリスが感情を爆発させる瞬間まで彼らは剣を交えた。ギレーヌはその後、ルーデウスとエリスに別れを告げ、去っていった。
シルフィには多くの人々が別れを告げに来たが、特に親友であるエルモア、クリーネ、そしてルークが訪れた。ルークはシルフィに対し、もしルーデウスとの関係がうまくいかなくなった場合、自分のところに来るように言った。この発言には友情と、シルフィへの深い思いやりが込められていた。
ペルギウスの空中城塞での一夜は、ルーデウス、エリス、シルフィの3人で過ごされた。シルフィは護衛をやめた後の心境の変化をルーデウスに打ち明け、これからは子育てに専念し、家庭を守ると語った。ルーデウスはシルフィの成長と決意に心を動かされ、彼女の支えに感謝した。最終的に3人は、互いに寄り添いながら眠りについた。
ルーデウスがアスラ王国の魔法都市シャリーアに帰還し、家族や友人たちと再会した。家や街は変わらず平和そのもので、家族も元気であった。彼は旅の土産を家族に渡し、喜ばれる。特に、ロキシーの妊娠が進み、お腹が大きくなっていることに気づく。彼女は自身の変化にナイーブになっていたが、ルーデウスの言葉と行動で安心した様子を見せる。その後、ルーデウスは父パウロの墓を訪れ、今回の戦いで誰も死ななかったことを報告し、これからも強くなり、家族を守ることを誓う。
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