どんな本?
異世界のんびり農家とは、内藤騎之介氏による日本のライトノベル。
小説家になろうにて連載されており、書籍版はKADOKAWAから刊行されている。
また、剣康之氏が作画をしている漫画版もあり。
月刊ドラゴンエイジにて連載されており、現在は11巻まで発売されている。
また、異世界のんびり農家の日常というスピンオフ作品もあり。
こちらの作画はユウズィ氏が担当している。
アニメ版もあり。
アニメ版は全12話。
2023年1月6日から3月24日まで放送された。
各話のタイトルやあらすじは[こちら]。
物語は、闘病の末に死んだ男性・火楽が、神によって異世界に転移し、農業生活を送るというもの。
彼は神から「万能農具」という特別な道具を授かり、死の森と呼ばれる危険な場所で農地を開拓していく。
そこで出会った吸血鬼や天使、エルフや竜などの様々な種族と交流し、やがて「大樹の村」というコミュニティを作り上げていく。
作品の特徴は、タイトル通りの「のんびり」とした作風であり、戦争や陰謀などのトラブルに巻き込まれるような展開は少なく、主人公が農業や料理を楽しんだり、仲間や家族と触れ合ったりする日常が描かれている。
また、主人公が前世で得た知識や技術を活かして異世界の文化や産業に革新をもたらす場面もある。
読んだ本のタイトル
異世界のんびり農家 17
著者:内藤騎之介 氏
イラスト:やすも 氏
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あらすじ・内容
超爆速、村のパレード!!!
異世界のんびり農家 17
19年目の春。今年のパレードは大規模に開催!!
パレードに向けて着々と準備を進めていく大樹の村の人々。
そんなある日、村長のヒラクは魔王からの要請で「村の外でのパレード」への参加をあっさり承諾してしまい、さらに大忙しに!
そうして開催される今年のパレードには、いろいろな者の思惑があるようで……?
感想
春が来て、農作業も一通り終わり。
恒例になって来たパレードの準備が始まった。
パレードは魔王の要請があり、村から魔王国までと、ちょっと距離が伸びて、さらに村外の参加者も解禁した。
そしたら皆んな張り切りだし、色々な装飾や踊り等をやり出した。
一方、村では、村長に殺気を飛ばして重傷を負った狐族の者たちが、新しく建設する神社を建築し色々な神を祀っていた。
特に注目されたのは、東洋竜の姿に変身できるクォンとクォルンの存在で、彼らの能力でモデルになってもらい御神体を作成し。
それ以外にも、神社の経営や地域社会にどのように役立つかが議論された。
その中で出て来た、宝くじなどのアイデアは信仰に関わるため、慎重なアプローチが必要とされた。
パレードの日、多くの村人や異種族が参加し、村の外で盛大なパレードが展開された。
村長のヒラクは、この日のために多くの準備と調整を行い、最終的には大成功を収める。
しかし、パレードの裏では、魔王が地方の代官や有力者を集め、裏では彼等の調査を行う計画も進行していた。
これは表向きの祝祭の陰で、国内の不正や問題を解決するための策であった。
パレードは村の団結と魔王国の政治的安定に貢献し、新たな始まりの象徴となった。
そうとは知らずに、のんびりしてるのは村長のヒラクだけ!
他の人達は良かれ悪しかれ大忙しな19年目の17巻。
アンの息子、トラインが物語に関わるようになった。
新メンバーはプロローグに出て来た骸骨な不思議生物のアシュラ。
温泉での警備員として村の一員となる。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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同シリーズ
異世界のんびり農家 シリーズ
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戦国小町苦労譚 シリーズ
その他フィクション
備忘録
序章 我は誰だ?
主体は自分がなぜ骨だけの存在になっているのか、そしてどこにいるのかがわからず困惑している。
かつては地中にいたが、地崩れで外に出て、動けるようになった。
手足だけでなく、全身が骨となっており、これに驚愕している。
思考が可能であることに疑問を持ちつつも、自分の身体が骨であることを受け入れつつある。
さらに、不思議な体験として、食べ物を消化できないが味は感じることができる。
状況を打開しようと目印をつけて自分が同じ場所をぐるぐる回っていることを確認し、笑ってしまう。
森を歩いていると、同じく骨の存在である戦士と出会い、コミュニケーションを試みるが、声が出ないためジェスチャーで伝えようとする。
この出会いが、彼にとって大きな転機となる。
一章 職人の事情
1.宝くじ
神社に設置された東洋竜のご神体の前に御簾が取り付けられ、直接の視線を避けられている。
竜族の一部がこれを恐れるためとされるが、希望者には御簾を開けて見せる措置が取られている。
クォンとクォルンという存在が、通常見られる西洋竜ではなく東洋竜の姿に変身できることが判明し、この事実に驚きを感じている。しかしこの変身は、特定の血統によって可能であるらしい。
神社での話し合いが行われ、神社の経営やその自立について討論された。
銀狐族が新しい仕事について問題ないとの意見を示しており、神社の営業計画も進められている。
商売のアイデアがいくつか提案されたが、信仰を巻き込む故に慎重なアプローチが必要であるとされ、宝クジのようなアイデアは却下された。
宝クジに関しては、その危険性が議論され、信仰に基づく金銭の集め方としては不適切であると結論づけられている。
2.おみくじとお守り
昼時に「五ノ村」を訪れた主人公は、神社経営についての話し合いを進める。
この場にはニーズやキツさんなどが加わり、ニーズからは主人公とキツさんの親密さに羨望の声が上がる。
話し合いでは、宝クジに関する過去の試みが危険であったため、現在は実施されていないことが語られる。
また、宝クジの代わりとして、お守りの授け方についても討議され、神社の経営方針が協議される。
お守りは信仰心を形にする手段として認められるが、その効果を明確にすることは避けるべきであるとの結論に至る。
神社と「五ノ村」の住民との関係も議論の対象となり、税の一部を神社運営費に充てることで、経済的な問題が解決する見込みである。
閑話.ミルトン・ヘイ
ジョンソンは「五ノ村」で古着店を営む百歳を超える魔族の男性である。
彼は一般の人々が新しい服ではなく古着を着る習慣について説明している。
この村では、一般的な人々が十着程度の服を持ち、季節に応じて異なる服を着用するため、彼の店は常に賑わっている。
ジョンソンによると、この状況は「五ノ村」の良好な治安と住民の経済状況が関係している。
村の税は非常に低く設定されており、これにより住民は金銭的な余裕を持ち、村に留まることになる。
彼は村の政策が住民を豊かにし、経済を活発にすることを目的としていると述べている。
また、ジョンソンは村長と代行との会話から、税が低く設定されている理由が住民を育成するためであることを学んだ。
彼は古着を単に売るだけでなく、顧客に合わせたサイズ調整や刺繍を加えることで、他の古着店と差別化を図っている。
彼が扱う服は日常的な贅沢品として住民に受け入れられている。
ジョンソンはある日、代行から大量の服や布の購入を依頼される。
これに応じた後、彼は村長の着ているデーモンスパイダーの糸で作られた服に興味を持ち、服の端切れを求めるが、代行からは布があると提案される。
ジョンソンはこの布で新しい服を作る計画を立て、誰のために作るかを悩んだ末に、代行のために服を作ることを決める。
彼はこれが経済的にも高価であることを認識しながら、代行のサイズを測定しようとするが断られる。
それでも彼は代行のために新しい服を作ることを決意し、その作業に取り掛かる。
閑話.小さな商会のウィルソン
ウィルソンは「五ノ村」に住む小さな商会の会長で、趣味はボタン収集である。
彼は「五ノ村」へ移住してからの生活の変化を語っている。以前は一日二食だったが、「五ノ村」では一日三食になり、特に柔らかく美味しいパンを食べるようになったことで食生活が向上したと述べている。
商売も順調で、食費が増えたことを気にするほどではない。
彼はまた、この村の安全で経済的に余裕がある環境が商売にとっても有利であることを感謝している。
さらに、村の治安と経済状況についても触れ、村の発展のために低い税率が設定されていることが住民の生活向上に寄与していると評価している。
ウィルソンは、ゴロウン商会が大規模な動きを見せたことを聞いた際、それが村長の意向によるものであると推察し、自らもそれに関連した商機を見出そうと考えている。
そして、商会が活動を起こした背後には、村長や代行の大きな計画があることを理解している。
彼はこのような大きな動きに対して、資金の準備を含め迅速に対応しようとする姿勢を見せている。
また、ウィルソンは「五ノ村」の発展を心から願っており、村の方針に深く信頼を寄せている。
彼の話は、村の未来を共に築く住民たちの協力と団結を浮き彫りにしている。
閑話.ダンサーのヘンダーソン
ヘンダーソンと名乗る人物は、「五ノ村」に住んでおり、人気のあるマスコット「ファイブくん」のバックダンサー兼衣装担当として働いている。
彼の一族は父方の名を連ねる習慣を持ち、彼の名前には父と祖父の名が含まれている。
ある日、彼は祖父から珍しい布を扱う手伝いを依頼される。この依頼は彼にとって意外であったが、彼は祖父の工房に向かった。
工房に到着したとき、彼は蜘蛛によって咬まれたかのような状況に見舞われ、一時的に意識を失ってしまう。
目が覚めたとき、彼は工房の隣にある小さな寝室にいた。
彼は混乱しており、工房にはデーモンスパイダーと呼ばれる大きな蜘蛛がいたかどうか確認しようとした。
しかし、彼の父と祖父は蜘蛛の存在を否定した。
その後、彼の前にヨウコさまのサイン色紙が差し出される。
ヨウコさまは「五ノ村」の村長代行であり、ヘンダーソンは彼女の大ファンである。
サイン色紙は彼にとって非常に価値があるアイテムであり、彼はそのサイン色紙をどこに保管するかについて考え込むことになる。
3.冬の終わりに
ヨウコは「五ノ村」で忙しく活動しており、春のパレードの準備や味噌の研究に取り組んでいる。
パレードのルートは毎年長くなっており、山エルフたちはパレード用のパーツを製作中である。
また、フローラは鬼人族メイドたちと共に新しい味噌の味を試しながら、合わせ味噌の研究を進めている。
さらに、ザブトンの子供たちと共に、過去の誤解を解消するための挨拶の練習も行っている。
この日の夕食には、ヨウコが求めていたカニ鍋が味噌味で提供された。
彼は求めていた味ではなかったが、それでも美味しいと感じた。
4.もうすぐ春のはず
ニュニュダフネが「まだ冬」と言うとおり、寒さが再び強まっているため、屋敷中の暖房器具が再稼働されている。
その中で、彼は自室のコタツでミカンを楽しんでおり、冷凍保存していたイチゴはすでに消費されている。
彼は来年の収穫量を増やす計画をしている。
一方で、テレビがなく、その構造を理解していないため、テレビの存在を恋しく思っている。
彼の部屋にクロとユキが訪れ、コタツに入るが、以前はツノで布団を傷つけていたため、今回は後ろ向きに入る。
彼はドライフルーツを取ろうとするが、届かず、最終的にコタツから出て取ることに決める。
5.代官とは
〝魔王国〟では、魔王が最も権力を持っており、直轄地を管理する代官は魔王の代理人である。
代官の責任は税金の徴収や法の周知、反乱の防止など多岐にわたる。
大規模な村や街では、代官一人では管理が難しいため、地元の有力者や顔役を通じて統治される。
現在、問題が生じている地域においては、代官の交代では解決しないと考えられており、地元の有力者が原因かもしれないと推測されている。
魔王は、パレードを利用して、各地の代官や顔役を集めて、裏で調査を行う計画を立てている。
このパレードは〝大樹の村〟から〝魔王国〟の王都まで行われる予定であり、村長も参加することになっている。
パレードは表向きのイベントであるが、実際には裏で行われる調査が主な目的である。
6.村の住人の反応
村の外で別の日にパレードを行うことが決定した。
これは、村内パレードと外部パレードへの参加意欲が異なる住人を調整するためである。
加えて、村のパレードは行進側と見物側が途中で交代するため、その日に外で続けるのは困難である。
パレードの日程変更は、文官娘衆の強い説得により決定された。
また、山エルフたちは通常の馬車よりも豪華な馬車を作成しており、合体機能など過剰な機能を提案しているが、これに対する制限も必要とされている。
一方、ザブトンの子供たちは参加を検討中であり、パレードに適した衣装の制作に取り掛かっている。
村外パレードには「一ノ村」から「四ノ村」も参加する予定であり、各村は参加人数の選出に熱が入っている。
全体として、パレードの計画と準備は多くの住人に影響を与え、様々な動きが見られる状況である。
二章 十九年目
1.十九年目の春
〝大樹の村〟が春を迎え、ニュニュダフネたちが春の訪れを喜んでいる。
村の梅が花を咲かせ、桜も咲き始めており、花見が楽しめそうである。
しかし、春の到来とともに畑仕事が待っている。
また、村のパレードは田植えが終わった後に、外でのパレードは村のパレードの十日後に予定されている。
これには魔王が多くの人を呼ぶため、時間的な余裕が必要だとされている。
ザブトンが目覚め、ヨウコの謝罪の場があったが、その詳細は省略されている。
竜一家は当初外のパレードへの不参加を表明していたが、ヒイチロウの一言で意見が変わり、参加することになった。
また、ワイバーンたちも外のパレードへの参加を熱望しており、魔王もこれを歓迎している。
最後に、巨大な白鳥と黒鳥が来訪し、パレードへの参加意志を示しているが、白鳥の自己愛が強く、黒鳥はより控えめな態度を取っている。
2.ザブトンの子供たちの準備
外のパレードにザブトンたちは参加しないことになった。
これは、ザブトンが不参加を強く主張したためである。
ザブトンは、怖がられる存在が参加しても不幸なことになるだけだと述べた。
しかし、ザブトンの子供たちの中には参加を熱望する者がおり、ザブトンも隠れて同行することを最終的に容認した。
この際、馬車の中から出ずに周囲に見られないように参加する条件が付けられた。
子供たちは、デフォルメされた巨大な蜘蛛の着ぐるみを作成し、その中に入ってパレードに参加する計画を立てた。
着ぐるみは馬車に乗せて運ぶことになり、そのために屋根のない馬車が必要とされたが、ヨウコに確認したところ、屋根のない馬車の確保が困難であることが判明した。
3.二つの小さな事件
春の畑仕事が一段落した後、軽めの宴会が開催され、労をねぎらった。
外のパレードが控えているため、村のパレードを早めに行いたいと考えていたが、他の村々や巨人族やラミア族も参加するため、彼らの準備状況を確認する必要があった。
予定では、文官娘衆から数日内に日取りが決定される見込みであった。
その間に小さな事件が二つ発生した。
一つは、クロの子供が森で見つけたキノコを食べ、腹痛に苦しんだことである。
調査の結果、食べたキノコが猛毒のフェイクエッグマッシュルームであることが判明し、焼いて食べることで毒が消えることもわかった。
もう一つの事件は、ユニコーンの雄が転倒し、角を折ってしまったことである。
世界樹の葉を用いて治療を行い、角が部分的に再生することに成功した。
これらの事件を通じて、危険に対する警戒や生態系への理解が深まり、共同体としての対応能力が試された。
また、村のパレード前にクロの子供が回復したこともあり、コミュニティ全体での協力と対応の重要性が改めて認識された。
4.超高速 村のパレード 前編
春の畑仕事を終えた後、村のパレードが開始された。
先頭を務めるのは、獣人族の一団であり、全員が舞いながら進んでいた。
特に獣人族は、先頭を務めることに大変な喜びを感じ、涙を流すほどであった。
彼らにとって、パレードの先頭を務めることは大きな名誉である。
続いて、楽器を演奏するハイエルフたちが行進し、その後ろには巨人族が続く。
巨人族は、パレードのために特別に作った大きな槌を振り回しながら進んでいた。
その後ろには、ラミア族がジャグリングをしながら行進し、その技術の高さを披露していた。
インフェルノウルフの一団は、外のパレードにも意識しているかのように、例年以上に凛々しく行進していた。
ザブトンとその子供たちは、着ぐるみを着て馬車に乗り、視界に入らないように隠れながら参加していた。
竜族もパレードに参加しており、特にヒイチロウやグラルは楽しそうに行進している様子が見て取れた。
また、ラナノーンも竜の姿で参加しており、その姿は灰色の鱗で覆われ、知性を感じさせる赤い瞳を持っていた。
天使族とハーピー族も空を飛びながらパレードに参加しており、天使族は重装備で、ハーピー族は彼らのサポート役を務めていた。
ラズマリアは〝ガーレット王国〟から帰国したばかりで、彼女の帰国後も問題がないことを願っている。
5.超高速 村のパレード 中編
ユニコーンの一団が疾駆し、治療を受けたユニコーンが多数参加していた。
悪魔族も参加し、統制の取れた行進を見せていた。
パレードの進行は、主催者が櫓に乗り、ゴーレムが牽引していたが、櫓は通常より背が低く設計されていた。
ルーとティアは、ユニコーンの角を巡る問題でパレードへの参加が禁止されていた。
櫓が竜形態に変形し、その動作に問題が発生したため、代わりの櫓が用意された。
変形後の櫓は牛のような形をしており、最終的にはハイエルフと山エルフが動かし、その櫓に切り替えることとなった。
この一連の出来事は、外のパレードでの改善点を見出す機会となった。
6.超高速 村のパレード 後編
パレードが一時中断したが、すぐに再開され、村の子供たちやイースリーなどが乗る櫓が続いた。
鬼人族メイドたちは白いコックコートを着て参加し、食材を詰め込んだ馬車が後に続いた。
ドワーフたちの一団や様々な村の住人も参加し、パフォーマンスを展開した。
パレード後は、鬼人族メイドたちがバーベキューを含む料理を提供し、参加者は宴会を楽しんだ。
外のパレードには多くの村の住人が参加する予定である。
7.見慣れぬ怪しい生物と外のパレードの準備
パレード翌日、宴会の片付けが終了した後、死霊騎士やライオンたちは温泉地に戻り、見慣れない生物を紹介した。
この生物は巨大な骨の姿をしており、四本の足で歩くことができた。
最近温泉地に到着したばかりで、記憶や名前がないため、彼をアシュラと呼ぶことになった。
彼は温泉地の安全確保の仕事を任されることになり、衣装と武器が必要であったため、対応が進められている。
外のパレードの準備で〝五ノ村〟には多くのワイバーンが待機しており、食糧の支援も考えられている。
ユニコーンたちは牧場でおとなしくしており、治療された角によって行動が制限されている。
外のパレードは約十日後に予定されており、その準備で〝五ノ村〟では多くの助けが必要とされている。
山エルフたちは〝五ノ村〟近くの神社でパレード用の馬車の製作に追われている。
閑話.パレード開催実行委員会
ある文官が、魔王国でのパレードの準備に携わっている。
彼は、春に予定されているパレードの手配を命じられるが、準備期間が極めて短いことに絶望する。
計画には王都だけでなく、転移門で繋がる村や街も巻き込む大規模なものである。ルート確保や参加者の管理など、多岐にわたる課題が山積している。
また、転移門の使用がパレード中は封鎖されるため、流通の問題も発生することが予想される。
一方で、パレードには多数の人々が参加予定で、具体的な数や計画が未定な点も多い。
文官たちは短期間での準備に苦労しながらも、魔王の指示に忠実に従い、計画を進めている。
閑話.続・パレード開催実行委員会
ある文官が魔王国でのパレード準備に取り組んでいる。
魔王からの指示で、竜の参加が命じられたが、その準備には多くの問題がある。
特に竜の数や歩幅、必要な道の横幅など、具体的な情報が不足しているため、ルート決定や警備計画が立てられない状態である。
交渉の責任者も決まっておらず、委員会は困難な状況に直面している。
そんな中、獣人族の三人が交渉に成功し、竜の参加詳細を確定させることができた。
この成功により、パレードの準備が進展し、ようやく具体的な行動に移ることが可能になった。
三章 村の外のパレード
1.”五ノ村”パレード開始直前
「五ノ村」に住む獣人族の男性は、村で案内人として働いている。
彼の仕事は、新たに移住してきた者や、村に不慣れな商人たちを案内することである。
最近の彼の悩みは、客が「ファイブくん」と会いたがることだが、ファイブくんの居場所を探すのは難しい。
ある日、彼は夜明け前から神社の閉ざされた正門前に集まっていた。彼がそこにいたのは仕事ではなく、プライベートな理由からである。
周りの人々とともに、すぐに始まる「魔王国」のパレードを待っていた。
食べ物や飲み物の支払いは「魔王国」が持つため、参加者は支払いの心配がない。このパレードは、冬の中ほどから準備が始まり、祭りのようなものである。
パレードの予行演習では、竜やインフェルノウルフが参加していて、特にインフェルノウルフは大混乱を引き起こしたが、彼らはただ練習をしていただけであり、実際には危害を加える意図はなかった。
最終的に、彼らもパレードの成功のための仲間であることを理解し、その後のパレードにはトラブルは起きないと確信している。
パレードは、鐘の音とともに開始され、フェニックスが鳴らす鐘の音が夜空に響き渡った。
閑話.”五ノ村”前編
パレードの先頭には、重武装の騎馬に乗った全身鎧の騎士二人が並び、それぞれ白く光る剣と黒く光る剣を掲げていた。
これらの騎士の身元は不明であるが、彼らの騎乗技術は高く、馬を手綱なしで制御している。
この二人に続いて、魔王直轄の近衛軍が行進している。
近衛軍のメンバーは魔王軍の精鋭で、ほとんどが大きな盾を持って正面に構え、保護的な姿勢を取っている。
この配列には何らかの特別な意図があると思われるが、詳細は不明である。
その後、華やかな衣装を纏った五十人の楽隊が軽快な音楽で観衆を魅了し、パレードに勢いを与えている。
楽隊の後に意外にも早い段階で魔王が登場し、屋根のない馬車に乗って現れた。魔王の出現は早すぎると感じる者も多く、一時的にざわめきが再び起こった。
魔王の後には「魔王国」の四天王が続き、内務担当のランダン、外務担当のクローム伯、財務担当のホウの各馬車が現れたが、軍務担当のグラッツ将軍の姿は見えない。
その直後には「五ノ村」村長の子供である三人の獣人族が馬に跨り、周囲に手を振りながら進んでおり、彼らは観衆から大きな歓声を受けている。
さらに、周辺の街や村からの参加者が続き、各軍団がそれぞれ異なる道具を持って行進しているが、通常の武器ではなく、作業用具を持っており、防具も軽装であることから、攻撃的でない姿勢を示している可能性がある。
閑話.”五ノ村”後編
パレードには、武神ガルフを先頭に獣人族の一団が登場し、観衆からは大歓声が上がった。
彼らの後にはハイエルフの一団が続き、その存在により何人かの見物客が恐怖で倒れた。
次に登場したのは、驚くべき数のインフェルノウルフで、二百頭が整然と並んでいた。
この異常な光景に観衆は圧倒され、声を失った。
その後、武装した天使族とハーピー族が空を飛び、さらに混乱が拡大した。
特に天使族の出現は、過去の対立を思い起こさせ、パニックを引き起こした。
しかし、この混乱も一部の観衆が冷静であるかのように見えたが、結局は強制的に救護所に連れていかれた。
パレードは続き、悪魔族の一団が登場し、その中には古の悪魔族も含まれていた。
これにより、観衆はさらに混乱し、歴史的背景から考えても古の悪魔族の登場には驚愕した。
彼らがなぜパレードに参加しているのかは不明で、この光景に観衆は動揺を隠せなかった。
最後に、竜が登場し、その巨大さと圧倒的な存在感によって、さらなる衝撃が走った。
竜たちは神社の正門を通り抜けることができず、山の陰から飛んで着陸する様子が見られた。
この竜たちの登場によって、パレードはさらに壮大なものとなり、観衆はその神々しい存在に感動して涙を流した。
閑話.”五ノ村”裏の前編
魔族の女性で男爵家の娘は、貴族学園を卒業後に結婚を控えていたが、相手に不幸があり破談になった。
その後、王都に戻り、〝五ノ村〟で文官娘衆として働くことになった。
彼女は現在の職を幸運と考え、高位の貴族たちと協力しながら働いている。
また、〝大樹の村〟でのパレードの開幕を見守り、フェニックスのアイギスが神々しく飛ぶのを感動して眺めた。
アイギスは日の出のタイミングを計って飛ぶ速度を調整し、その努力が実を結んだことに感激した。
閑話.”五ノ村”裏の後編
パレードには獣人族のガルフたちやハイエルフの一団が参加し、その中でもガルフたちの人気が高い。
しかし、ハイエルフの一団の登場時には一部の観客が倒れ、救護班が介入した。
インフェルノウルフの一団も行進し、その壮大な光景が観客に安心感を与えている。
天使族とハーピー族の飛行が始まり、一部の観客がパニックを起こすが、ハーピー族が投げられた槍を防ぎ、事態は収束へ向かった。
続いて、古の悪魔族が現れ、その存在に観客は恐怖を感じるが、メイドであるプラーダが先頭に立ち、その威圧を和らげようと試みた。
最後に、竜たちが登場し、その神々しい様子に観客は圧倒された。
パレードは多くの参加者や観客に影響を与えつつ、続いている。
閑話.”シャシャートの街”でのパレード
諜報部員であるギギベル=ラーベルラは、〝魔王国〟であまり評価されていなかった諜報部の一員として活動している。
彼の家族も同じく諜報部に所属し、冷遇されている状況から抜け出そうと努力を続けている。
最近はクローム伯の支援により諜報部の待遇が改善し、活動が力強くなってきている。
現在、ギギベルは〝シャシャートの街〟でパレードの観客を誘導しており、諜報活動とは異なる役割を果たしている。
彼の日常は、家族とともに諜報活動を行いながら、〝魔王国〟の一員としてその存在意義を確立しようと努めている。
閑話.”シャシャートの街”天使族
天使族の一人が、〝シャシャートの街〟でパレードに参加している。
しかし、イフルス代官と竜たちの勝負が始まり、天使族の長であるマルビットが天使族を集め、誘導に関与した者を問い詰めている。
誰も手を挙げないが、マルビットはさらに厳しく問い詰め、最終的に数人が手を挙げて捕まる。
誘導とされた行動の結果が意図せぬ方向に進んだことが明らかになり、マルビットは詳細な事情を求めている。
結局、問題を引き起こしたのは、天使族の一部が誤って竜族を誘導したことが原因だと判明する。
問題解決のために、天使族は集まり、パレードの続行に備えながら、竜たちとの問題が解決されることを願っている。
1.”シャシャートの街”死者を迎える踊り
〝五ノ村〟から〝シャシャートの街〟へと移動した主人公は、馬車に乗り転移門を通過して街に到着する。
予定されていた馬車の自動走行、変形、合体は技術的な失敗により中止され、ユニコーンが牽引し、ゴーレムが手動で変形合体を行うことになった。
主人公が待機場所に移動しようとすると、ドースたちとイフルス代官が踊っているのを目撃する。
この行動がパレードの進行に影響を及ぼすため、文官娘衆からドースたちを止めるよう依頼される。
主人公はユニコーンと協力して介入しようとするが、イフルス代官に進行中であることを告げられる。
不明なルールのもと進行しているイベントに困惑しながらも、アシュラが介入し、事態の収拾を試みる。
アシュラが踊りを始めると、スケルトンが大量に出現し、状況はさらに混乱する。
その中で巨大な鯨の白骨が現れるなど、予期せぬ展開が続く。
最終的にドースたちが介入し、ブレスで攻撃を開始することで新たな動きが見られる。
閑話.”シャシャートの街”鯨
鯨王は万年生きる鯨の王である。
自身が眠るべき時に起こされたことに苛立ちを感じている。
骨だけの身体で力が戻っておらず、自己再生のために力を取り戻す必要がある。
しかし、防壁を貫く痛みを感じ、神代竜族による攻撃を受ける。
神代竜族との過去の争いを思い出し、話し合いを試みるも、攻撃は止まらない。
敗北を予感しつつも、鯨王は形態を変化させようとするが、中断される。
眷属を呼び、援軍を求めるも応答はなく、絶体絶命の状況に至る。
その際、フェニックスによって捕まえられ、食べられることはなかったが、神の力を持つ者の前で裁かれることになる。
最終的に〝五ノ村〟の近くの山の神殿で鯨のご神体として祭られることになり、その状況に疑問を感じつつも受け入れている。
2.”シャシャートの街”調整
鯨の白骨がドースたちによって徹底的に破壊された。
アシュラの踊りが一時停止し、それが魔法的な要素を含むものだったことが明らかになる。
ドースたちは鯨の白骨を破壊したものの、鯨自体の力の大部分は逃がしてしまい、長期的なリスクを後世に残したことになる。
そのため、記録を残し、未来に伝える対策が考えられる。
さらに、パレードの進行が大幅に遅れ、それに関する緊急会議が開かれ、明日の予定が一日延期されることに決定する。
最終的に、鯨の骨は〝五ノ村〟の神社で供養されることになるが、パレードの遅延と関連活動の影響で〝シャシャートの街〟では祭りが夜通し続く。
3.”シャシャートの街”休憩
パレードが王都に向けて進むのは延期されたが、〝シャシャートの街〟内外でのパレード活動は続いている。
特に注目を集めているのは山エルフとイフルス学園教師たちによる馬車の合体変形実験である。
また、クロたちは子供たちを背中に乗せて観客と交流している。
一方で、天使族の待機場所では、以前攻撃した者たちが再び挑戦を申し込み、腕相撲や飲酒競争で勝負している。
パレードの進行が遅れる中、関連する問題についての緊急会議が開かれたが、イフルス代官は、選出議会のトップがこの街に現れたことを報告し、注意を促している。
閑話.”シャシャートの街”〜王都 判断
物語の主人公は〝魔王国〟に対して反逆の意思を持つ魔族の男であり、匿名希望である。
彼は現在の魔王国の方針に不満を持ち、過去の攻撃的な拡張政策を再開することを望んでいる。
彼は魔王を倒して自らが新しい魔王になる野望を持っているが、魔王が強力であるため、不意打ち以外に方法がないと考えている。
匿名希望は〝ビトーン村〟におり、そこは〝魔王国〟の王都と〝シャシャートの街〟の間に位置する。
村には約150人が住んでおり、そのうち50人は彼の同志である。
彼は村の顔役の一人であり、村長になることも可能だが、大きな志を持つため村長にはなっていない。
彼は魔王が油断する瞬間を狙って不意打ちを計画しているが、魔王の護衛が手厚いため、なかなか実行できないでいる。
また、彼の多くの同志が様々な理由で行動不能に陥っており、計画は困難を極めている。
ある日、魔王のパレードが村を通過し、匿名希望は攻撃のチャンスをうかがうが、魔王が早々に転移門を通ってしまい、実行することができなかった。
その後、インフェルノウルフらしき存在が転移門から現れ、匿名希望はその圧倒的な力に気を失ってしまう。
余話
ユニコーン騎兵の同志が気絶から目覚めると、以前飼っていたユニコーンを見つけた。
そのユニコーンは角が再生しており、ユニコーン騎兵の同志はそのユニコーンがもはや戻ってこないだろうと悟った。
その夜、彼は自室で上等な酒を飲み干したが、数日後にそのユニコーンが戻ってきた。
ユニコーンは再び彼の元で世話を受ける意向を示したため、彼はユニコーン騎兵を続けることになりそうである。
閑話.”シャシャートの街”〜王都 決断
エカテリーゼは元公爵家の娘で、政略結婚を避けるために自国を離れ、〝魔王国〟に亡命した。彼女は〝魔王国〟での生活を始めるが、美容製品や飲食業での成功は困難を極める。異なる種族向けの商品開発や、新しい調味料に対応することが難しいため、最終的に農業に挑戦するが、それも失敗に終わる。
資金が尽きかけ、働きに出た同行者たちが彼女より裕福になっている状況に焦りを感じる。
ある日、〝魔王国〟のパレードが彼女の村を通り、参加者の中に裕福なパートナーを見つける可能性に希望を見出す。
彼女はパレードに参加する人々に気に入られることを夢見て、化粧に気合いを入れることに決める。
閑話.”シャシャートの街”〜王都 情報
ヘンリエッタはエカテリーゼの侍女長であり、エカテリーゼが〝魔王国〟の村で逃亡生活を送っている現状を説明する。
彼らの経済的状況は厳しく、資金は底をつきかけている。
そのため、多くの同僚は〝シャシャートの街〟で出稼ぎに従事しているが、ヘンリエッタとエカテリーゼは村に留まっている。
エカテリーゼは畑仕事で収入を得ようとしているが、成功しているとは言い難い状況である。
ヘンリエッテはエカテリーゼの美容品を〝魔王国〟の貴族層に販売しており、少しの収入を得ているが、大きな利益には繋がっていない。
また、彼女は人間の国の情報を〝魔王国〟に、〝魔王国〟の情報を人間の国に売ることで収入を補っている。
情報販売によって得た収入は一時的なものであり、持続可能な収入源とはなっていない。
エカテリーゼは〝魔王国〟での新たなパレードを人間の国に報告する仕事も引き受けており、これにより一時的に収入を得る予定である。
閑話.王都 成功宣言
ガルガルド魔王は〝魔王国〟の最高位に立つ者である。
彼の力は絶大だが、家族には敵わないと自覚している。今回のパレードには三つの目的がある。
第一に、転移門を利用して不穏な動きをする者たちを捕捉する囮としての役割、第二に、〝魔王国〟内の貴族たちの意思統一を図り、戦争を望む声を抑え現状維持を目指すこと、そして第三に、人間の国との戦争を防ぎ、平和を維持するための戦力の誇示である。
彼は〝魔王国〟と人間の国との間の外交を改善することも視野に入れ、人間の国からの使者たちに現在の〝魔王国〟の平和的な側面を示すことを望んでいる。
また、パレードには〝大樹の村〟も加えることになったが、これはティゼルの提案によるもので、インフェルノウルフやデーモンスパイダーなどを〝魔王国〟民に認知させる目的がある。
このパレードは、魔王が予定していた目的を事前の予行演習で既に達成しており、実質的には成功している。
ただし、彼はそれを現実逃避と自認しつつも、パレードの最終日に戦場と化した王都を前に成功を確信している。
閑話.王都 発端
王城の近衛軍に所属する男は、パレードの警備には参加できず、城での警備を担当している。
パレードには選ばれた近衛軍部隊長たちだけが参加しているため、彼が参加できないのは仕方がない。
パレード当日、彼は王城での警備を続けながら、街の安全を守るために警戒を強めている。
パレードが進行中に、スリが発生し、犯人は逃走するが、結局は警備隊に捕まる。
しかし、スリが捕まる過程で、盾を持つ近衛軍が誤って剣を落とし、それが大きな騒動を引き起こす。
この剣の落下とそれによる衝撃が爆発し、上空にいた天使族に影響を及ぼす。
この事故により、パレードに参加していた多くの群れが戦闘態勢に入り、状況は一層混沌としていく。
彼は、城壁からこの一部始終を目撃しながら、この事態がただの事故であることを理解しても、その声が届かない。
最終的には、彼は城内で非戦闘員の避難を手助けすることになる。
4.王都での夜会 その1
パレードの最終日、多くの観客が集まり、熱気あふれる〝魔王国〟の王都で行われている。
観客の中にはさまざまな種族がおり、身長の高い種族は後方から、身長の低い種族は最前列で観覧している。
さまざまな食べ物の出店も出ており、観客は食事を楽しんでいる。
その中で、主に男性客がフルーツを買っているのが目立つが、甘くない可能性もある。
夜には、非公式の夜会が開かれ、パレードの感想戦が行われる。参加者は、パレードの良かった点や改善点を共有し、交流を深めている。
その中で、最終的な演出として計画された爆発が、事故により予定よりも早く発生してしまうが、その混乱の中でも参加者たちは冷静を保って対応している。
この夜会は、パレードの成功を祝い、また反省点を共有する場となっている。
また、パレードの最後には、いくつかの演習が行われ、その中で軍事的な訓練が盛り込まれていた。
これは、〝魔王国〟の防衛能力を示すとともに、住民の協力体制を確認する目的もあった。多くの参加者が演習に積極的に参加し、特に獣人族やハイエルフはその活動で顕著だった。
また、非戦闘員の安全確保のための措置も整えられており、全体的には無事故で終わることができた。
閑話.王都での夜会 その2
ティゼルは「大樹の村」出身の天使族の女性であり、現在は「魔王国」の王城にいる。
彼女は自身がトラブルの発端となったスリの事件に関与していないと主張している。
彼女の計画は、爆発後に戦闘が発生するように仕込まれており、その目的は彼女の父親を称賛し、その存在を示すことにあった。
しかし、予期せぬ父親の行動により計画は失敗し、ティゼルはその失敗を認めている。
さらに、ティゼルは天使族が王都側で戦う予定であったにもかかわらず、実際には襲撃者側で戦ったことに不満を持っている。
この点について天使族のルィンシァに問い詰めると、彼女は、事態が変わったためと回答している。
具体的には、天使族が王都側で戦うことになっていたが、スリの事故により計画が前倒しで開始されたため、予定が変更されたのである。
ルィンシァは、天使族が「魔王国」内での印象を良くするために戦うことを検討していたが、戦いにおいて天使族に敵が多いことや、「ガーレット王国」への対応を考慮し、予定を変更したと説明している。
天使族が襲撃者側で戦ったのは、そのような背景があったためである。
ティゼルの指示に基づいて行動が計画されていたものの、インフェルノウルフの行動により状況がさらに複雑化し、天使族が攻撃されたことが原因で、計画が予期せぬ方向に進むことになった。
閑話.王都での夜会 その3
ある兵士がパレードの日の夜に酒場で語っている。魔王が単独でインフェルノウルフを制御し、彼の力を称賛している。
また、魔王は天使族にも影響を及ぼし、彼らが戦闘を避ける様子も見られた。
この兵士は、魔王の圧倒的な存在感と行動に感嘆しており、周囲の酒場の客も同様の感想を持っていることが伝わってくる。
さらに、彼は魔王が突発的な戦闘を軍事演習として利用し、平和な時期に兵士たちを引き締めたと解釈している。
そして、魔王が人間の国々に対して戦争勝利を宣言したことも話題にしているが、その具体的な意義については詳細を理解していない。
また、魔王が提案する新しい国の概念についても、その目的や機能が完全には理解されていないが、緩衝地としての役割について語っている。
この新しい国での兵士募集についての話が持ち上がり、その兵士には高い給金が約束されており、安全が保障されるという。
魔王がこの新国を支え、守るために手厚い支援をすることが計画されているとのことだ。
5.王都での夜
ある人物が、ティゼルの企みを知り、彼女の計画を邪魔することに決めた。
ティゼルは父親に目立つ活躍をしてほしいと考えていたが、父親は自身の役割を認識し、ティゼルの意向に反する行動を選んだ。
彼は魔王に活躍してもらい、自分は裏方として支えることを選び、ティゼルの不満を買うかもしれないと考えたが、これも教育の一環だと諦めた。
また、彼は王都での戦闘が激しくならないように各種族に調整を行い、天使族を抑え、ドースたちに王都への進入を控えるよう指示した。
ミノタウロス族やケンタウロス族には救助活動を頼み、魔王は協力的であったため、王都での戦闘は軍事演習として収拾がついた。
彼の行動は家族とのコミュニケーションを反映しており、息子のトラインからの助言を受け入れた。
トラインはティゼルの行動を監視し、父親に状況を報告していた。
この経験はティゼルにとって学びの場となり、彼女の成長に繋がるものであると判断された。
最終的に、彼は息子や他の家族との関係をより良いものにすることを願っている。
6.お疲れさま会
村に戻った人物は、王都での一連の活動を終えて落ち着いている。
多くの村人が無事に戻っており、今晩はお疲れさま会として宴会が予定されている。ただし、アルフレート、ティゼル、ウルザ、トラインらは学園があるため王都に残っている。
宴会では、留守番していたグーロンデがオルトロスのオルと再会し、オルが甘えている様子が見られる。また、ギラルとの関係にも配慮が示されている。
宴会の準備では、留守を守ったクロの子供たちとボール遊びを楽しんでおり、彼らに対する扱いについても考慮がされている。
宴会の最中には、パレードをテーマにした料理が長テーブルに並べられており、村の外のパレードの様子が語られる予定である。
終章 トラインとベルバーク
1.秘密基地と難しいパズル
村に戻って落ち着いた人物は、王都での活動を終え、村で宴会を行う予定である。
彼がため池で観察したポンドタートルたちは、変わった泳ぎ方をしており、個性を求める動きとして認識されている。
彼が本来見たかった白鳥と黒鳥は小屋で見つかり、黒鳥はウッドデッキで休暇を満喫していた。
黒鳥が新しく建てた小屋は、白鳥を隔離するためと説明され、鬼人族メイドたちもこの状況を受け入れている。
また、彼は自分の子供たちが妊娠しているためにパレードに参加できなかったことを憂いており、二人がのんびり過ごすことを望んでいる。
しかし、実際は彼女たちが腕相撲をしており、これには慌てて止めに入る。
最終的には、彼は村で立体パズルを解くことに挑戦しているが、成功していない。
2.ゴミ箱とオークションのお誘い
ふた付きゴミ箱についての改善点と試作品の経過が語られている。
最初に作成されたゴミ箱は、ペダルを踏むとふたが開くタイプであったが、重さや清掃の不便さから不評であった。
そこで、より小さいゴミ箱を内側に設置し、取り出して洗うことができる改良版を開発した。
この改良版は鬼人族メイドたちから好評を得て、増産の要望が出た。
一方で、ゴミ箱の機能性が向上し、「パカパカ」と呼ばれるようになり、村の生活に根付いた様子が描かれている。
また、オークションへの招待と出品が語られ、競売品の募集や商隊の激励に関する話題が展開されている。
この話は、地域社会との連携や新しいイノベーションの導入を通じて、日常生活の質を向上させる努力が続けられていることを示している。
閑話.王都のトライン
トラインは「大樹の村」出身の若い鬼人族で、学園での生活を送っている。
村外でのパレードで、ティゼル姉さまの暴走を止めようとして、意図せず父を巻き込んでしまったことを反省している。
ティゼル姉さまの行動を制御しようとしたが、逆に学園で新参者の自分が巻き込まれる形となった。
ティゼル姉さまは、過保護な魔王のおじさんから距離を置くため、多くの仕事に従事している。
トラインは自らの行動とその結果について深く反省し、学園での生活に適応しようと努力している。
また、ティゼル姉さまが魔王国の政務に関わることで成長していることに気づいている。
彼は山エルフのマアと一緒に住んでおり、彼女とは友人であり、彼女が機械作りを行う間、彼はアイデアを提供する関係にある。
彼の生活はティゼル姉さまの影響を強く受けており、彼女の行動によって頻繁に状況が変わっている。
閑話.ベルバークの旅 前編
ベルバーク=ルチョイスは「魔王国」に住む老いた魔族で、千五百歳未満の年齢を持つ。
かつては子爵の爵位を持っていたが、八百歳の頃に血縁に譲渡した。名誉公爵として戦場を転戦していた経歴もある。
彼の家系からは複数の魔王が出ており、現在の魔王も彼の血縁である。
ベルバークは選出議会の最年長で議長を務め、時折、魔王代行を求められるが、本人は魔王の器ではないと考えている。
彼は新しい魔王の政策に不満を持つ者たちから接触を受けるが、彼らの提案を拒否し、旅費の援助を受けて王都に向かう。
この旅は、彼にとっては旅費を得る手段であり、現魔王の政策を確認する目的もある。
旅の同行者として、見張りが多数ついたが、ベルバークは自身の行動に自信を持ち、魔王の政策を確認しに行く。
閑話.ベルバークの旅 後編
若者が初めて自身の村を出て、〝五ノ村〟という大きな街に到着した。
街の活気や様々な食べ物、ファッションに魅力を感じつつも、ヨウコという妖狐の存在に警戒する。
また、王族守護者としてのイフルス代官の存在や、古代王国の血筋が関連していることに疑問を持ちつつも、遠い血縁であることを確認する。
次に、王都に関心を持ち、王城の料理を楽しみにする一方で、パレードの準備が忙しいため王城訪問は控えることを決める。
パレードへの参加を終えた後、魔王に会いに行くことを計画し、魔王との再会やパレードの印象、神代竜族や古の悪魔族の行動について話す。
この旅行で彼は自分の見張り役が魔王の演習で全て倒されたこと、そして魔王国が魔王の様子を見に行く動機も持っていたことを確認する。
最終的に魔王との交流を経て、〝五ノ村〟や〝シャシャートの街〟での食事を楽しむ計画を立てる。
閑話.王都のマア
マアは山エルフであり、トラインに同行して王都の学園に移住した。トラインはマアにアイデアを提供し、マアはそれを用いて道具や仕掛けを作成する。
二人はアルフレートの家の隣に用意された新しい家に住むことになったが、意外にもその家は大きく設備が整っていた。
また、マアとトラインはアルフレートの家で食事をとることになっており、そこでは魔王やその家族もしばしば同席する。
マアは自身の開発室でトラインのアイデアに基づいて農業用ゴーレムや新しい動力源の研究を進めている。
彼はまた、トラインが学園で正式に生徒として登録されたことを知り、トラインの学業やその他の活動をサポートしている。
食事の場では魔王国の政治に関連する機密事項が話されることもあるため、マアはこれが適切かどうかを懸念している。
彼はまた、トラインの活動に常に目を配り、安全を確保する役割を果たしている。
3.出張屋台
ある親が、息子から手紙を受け取り、王都の学園に招かれた。
息子は親が運営する屋台のラーメンを振る舞うことを望んでいたが、親は村長として多忙であり、すぐには出発できない状況だった。
それでも、息子からの珍しい要求に応えるため、親は村の準備を整えて出発することを決めた。
親は村での報告会を開き、他の村人も息子から同様の依頼を受けていることが明らかになった。
食事の提供を依頼された複数の業者も集まり、大規模な準備が始まった。
これにより、飲食の提供は複数の屋台で行われることとなり、それぞれの業者が特定の料理を担当することになった。
王都の学園に到着後、親はアルフレートに迎えられ、屋台の設置場所を案内された。
設置場所は学園の一角で、広いスペースが確保されていた。
また、親が率いるグループには、食料の提供だけでなく、多数の天使族がウェイトレスとして参加することも含まれていた。
この催しは、魔王国との融和政策の一環として、地元の商人や業者が積極的に参加することになった。
全ての準備が整った後、親は提供する食事を学園に集まる人々に振る舞うことになる。
この集まりは主に大人が対象であり、学園祭のような雰囲気であったが、参加者はすべて成人であった。
閑話.交渉上手のペルバーク
ベルバーク=ルチョイスは魔王国に住む魔族の老人である。
彼は、愛情表現の一環として魔王を驚かせるために、王城に正体を隠して忍び込んだが、神人族の娘に見つかってしまった。
これが原因で王都では追われる立場となり、魔王国軍にも協力され、最終的に捕まることになった。
ベルバークは、魔王城の警戒が甘いことを指摘し、それを改善する意図があったが、事態は彼の予想とは異なる方向に進んだ。
彼の行動は、魔王城の安全対策に警鐘を鳴らすものだったが、彼自身の計画は失敗に終わった。
閑話.相談に乗るトライン
トラインは魔王国の王都にある学園で、メットーラの手伝いをしている鬼人族の男である。
彼は、ティゼルとその家族、および関係者たちとの協議に参加するようになり、ティゼルが意外と他人の意見を求めることを知る。
今回、ティゼルからの相談は、ベルバークからの試練を受け、その一部としてトラインの父が営業する屋台が関わることについてである。
ティゼルは父親に依存するのをためらっており、アルフレートが軽い手紙を出すことを提案する。
彼らは、ティゼルの国作りの手助けとして、必要な料理を準備するためにも他の関係者に協力を求めることになる。
最終的には、ウルザの提案により、お祭りの形でイベントが行われることになり、トラインにはその企画書の準備が任される。
閑話.クラウデンの挫折
クラウデンは自国を脱出しようとするが、父親である王に捕まり、その理由を問われる。
彼はラーメンを追求するために脱出したと説明するが、父親には理解されない。
父親はクラウデンの指導で国内にラーメン店ができたことを指摘するも、クラウデンはその味に満足していない。
また、国の政治的な問題についても触れられ、クラウデンは父親から国の次期王としての役割を強く求められる。
彼は自由を望むが、王国の重要性を理解し、やむを得ず責任を受け入れることになる。
クラウデンの心情は複雑であるが、最終的には国のために行動することを選ぶ。
閑話.鎮まる魂
鯨王は現在、骨の欠片となり、神社で祭られている。
この神社は銀狐族によって管理されており、動物の神々を祭っている。
鯨王は自身が神として祭られていることに気づき、悪くないと感じている。
しかし、かつては世界を飲み込む力を持っていたが、現在はその力をほとんど失っている。
怒りようがなく、無力で無害な存在としての自分を受け入れ、神社で静かに過ごしている。
また、銀狐族の日常を見守ることにも悪い気はしていない。大物の蜘蛛とも友好的に過ごしており、争う気はない。
供物として豆腐などが差し入れられ、鯨王はそれを楽しんでいる。現状には満足しており、もう世界を飲み込むことについては考え直しているようだ。
閑話.アシュラの悪夢
アシュラと名乗る存在が温泉地での日常を報告している。
アシュラは骨の騎士たちやライオンの家族と共に、温泉地を守る役目を担っており、その地に近づく魔獣や魔物を退治している。
温泉地は〝大樹の村〟からの訪問者が多く、賑やかである。
ある日、骨の騎士たちがアシュラに魔法の土をつけて肉体を与えたが、見た目が怖くなり、周囲の動物たちを驚かせてしまった。
また、肉体をつけてから夢見が悪くなり、不思議な夢を見るようになる。
村長に相談したところ、寝る前に食事を取り、規則正しい生活をすることで夢見が改善されるとアドバイスされた。
アシュラはそのアドバイスを受け入れ、最近の習慣として寝る前に牛乳を飲むようにしている。
閑話.とある村長の息子
ゴウデは魔族の男で、17歳の時点で次期村長として予定されているが、父親により結婚相手が用意されていない。
彼の父親は結納金の用意はあるが、ゴウデ自身が妻を見つけるよう促している。
これにより、ゴウデは自ら適切な結婚相手を探すが、地元の村では適切な候補が見つからないため、隣村のエカテリーゼに出会う。
彼は彼女に一目惚れし、結婚を申し込むが、突然の告白が拒否される。
その後、彼の父が村長を辞任することになり、ゴウデは一時的に村長の責務を引き継ぐが、彼は強くなるために修業を望んでおり、最終的には「五ノ村」の警備隊で修業を受けることになる。
彼の目標は、エカテリーゼに認められることであり、彼女が移住した「魔王国」の王都に追いかける計画を持っている。
アニメ
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OP
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