どんな本？
『乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル』は、春の日びより氏による異世界バトルファンタジー小説である。
本作は、剣と魔法の世界「シエル」を舞台に、孤児として育った少女アーリシアが、とある事件を契機に自身が乙女ゲームのヒロインであることに気づき、その運命を拒絶して自らの道を切り開く物語。
主要キャラクター
• アーリシア：本作の主人公。孤児として育ち、自身が乙女ゲームのヒロインであることを知る。運命に抗い、冒険者「アリア」として成長し、複数の武器と魔法を操る「殺戮の灰かぶり姫」として知られるようになる。
• エレーナ：いわゆる「悪役令嬢」の一人。アリアの護衛対象となり、次第に彼女との絆を深めていく。
物語の特徴
本作は、乙女ゲームのヒロインとして定められた運命に抗い、自らの力で生き抜く主人公の姿を描く。アーリシアは、与えられたシナリオを拒絶し、冒険者として成長していく過程で、多彩な武器と魔法を駆使し、数々の強敵と対峙する。また、彼女の成長とともに、周囲のキャラクターとの関係性や、貴族社会の陰謀など、深みのあるストーリー展開が魅力である。
出版情報
• 出版社：TOブックス
• 発売日：2025年1月15日
•ISBS：9784867944318
• コミカライズ：わかさこばとによる漫画版が「コロナEX」にて連載中。
• アニメ化企画：進行中。
読んだ本のタイトル
乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル 9
著者:春の日びより 氏
イラスト:ひたきゆう 氏
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あらすじ・内容
「さあ、決着を着けよう――！」
壮絶＆爽快な異世界バトルファンタジー第9巻！
書き下ろし番外編を巻末収録！
骸骨の悪魔討伐後から数か月。
再び表舞台から姿を消したはずのアリアは、夜空の如きドレスを纏い王城に姿を見せた。
――ついにラストイベント『卒業パーティー』の幕が上がるのだ。
悪魔を使役して王弟の反乱まで仕掛けた偽ヒロインの思惑が不気味だが、運命の日を迎えたアリアの瞳に迷いはない。
かつて己が忌避していた貴族との関係も、ヒロインとしての宿命シナリオも、今はすべて些事。
幼き日の友エレーナとの誓いを果たすため。
そして……宿敵カルラとの因縁に終止符を打つために。
これまで鍛えてきたあらゆる力を手に、いざ決戦の舞台へ！
「さあ、決着をつけよう――！」
最強主人公ヒロインの壮絶＆爽快な異世界バトルファンタジー第9巻！
感想
9巻の主な出来事は以下の通り。
- エレーナの夜会
王女エレーナは王家派の貴族や各国大使を招き夜会を開催し、外交的配慮と国内の農業被害の解決に努めていた。 - 聖女リシアの苦悩
聖女リシアは神聖魔法が使えない事実に苦しみ、政治的背景に依存した立場が揺らぎつつあった。 - 桃色髪の少女の不在
王女陣営を支えていた桃色髪の少女の不在が、敵対者に疑心暗鬼を生じさせ、陣営に有利な状況を作り出していた。 - カルラの決意
カルラは短い寿命を悟り、最終決戦に向け悪魔や敵対者を排除し、準備を進めていた。 - ヘールトン公爵家の問題
ヘールトン公爵家は隣国ソルホース王国の政策により農業が打撃を受け、村人たちは苦しい生活を強いられていた。 - ハーマン商会の暗躍
ハーマン商会は合法を装いながら人身売買を含む不正を行い、ヘールトン公爵家の資金源となっていた。 - 桃色髪の少女の救出劇
桃色髪の少女が商会に追われた夫婦を救出し、証拠を集めるため商会の屋敷に潜入した。 - 屋敷の燃焼と行動開始
少女は屋敷を燃やし、証拠を持ち帰った後、新たな目的地に向けて動き出した。 - アリアと暗部の制圧
アリアはソルホース暗部の拠点を制圧し、証拠を探したが、国家間の関係を示す情報は得られなかった。 - 不死兵の実態
不死兵は意識を保ちながら蟲に操られ、残酷な状態で聖女リシアと王弟アモルの計画に従事していた。 - 王弟アモルの反乱計画
アモルは不死兵を率いて反乱を計画し、ダンドール家とメルローズ家を同時に襲撃する意図を明らかにしていた。 - アリアの決意
アリアは仲間と合流し、メルローズ家を守るため不死兵との戦いに挑む覚悟を固めた。 - エレーナの苦悩
エレーナはアモルの反乱証拠不足に悩みつつ、王家の分裂を防ぐため慎重な行動を続けていた。 - メルローズ家への襲撃
メルローズ家はアリアの活躍で危機を脱し、宰相ベルトはアリアと協力し防衛体制を強化した。 - ダンドール総騎士団長の危機
総騎士団長は不死兵に苦戦したが、カルラが戦場に現れ、アモルと交戦して戦況を一変させた。 - アモルの変貌
アモルは蟲の集合体となり、狂気に満ちた姿でカルラと激闘を繰り広げた。 - ダンドール騎士団の撤退
騎士団はカルラとアモルの戦闘に巻き込まれる中、フェルドとネロの助けで撤退を果たした。 - メルローズ邸での決意
アリアは血縁の真実を知り、家族への思いを胸に戦場へ戻る覚悟を決めた。 - アモルの暴走
アモルは蟲の巨人として理性を失い、王都を目指して暴走を続けた。 - カルラとアモルの対峙
カルラがアモルを凍結し行動不能にしたが、その攻撃は民衆にも被害を与えた。 - 聖女リシアの計画
聖女リシアは恐怖を利用して民衆の支持を集め、エルヴァンを王位に推すための策略を進めていた。 - カルラの離脱とアリアの疑念
カルラは転移魔術で姿を消し、アリアは残された惨状と聖女の行動に疑念を抱いた。 - アリアとエレーナの協力
アリアとエレーナは聖女リシアの影響力を削ぐため協力し、新たな行動を計画した。 - 卒業式での聖女リシア
卒業式で聖女リシアが「魅惑」の力を用いたが、その代償として身体に負担を抱えていた。 - アリア・レイトーンの登場
アリアがメルローズ家の真の後継者として登場し、リシアの計画を崩壊させた。 - リシアの正体暴露
エルヴァンが【完全鑑定】でリシアの正体を暴き、王位を妹エレーナに譲る意向を表明した。 - 悪魔コレットの出現
追い詰められたリシアは悪魔コレットに変貌し、街全体を混乱に陥れた。 - アモルの復活と街の壊滅
アモルが蟲の巨人として復活し、街に甚大な破壊をもたらした。 - リシアの最期とアリアの再出発
アリアはリシアを討ち、新たな戦場へ向かう決意を固めた。 - 王都の復興と新たな混乱
王都復興が進む中、ソルホース王国の暗部組織が暗躍し、エレーナが暗殺の標的となっていた。 - アリアの新たな旅立ち
アリアは「鉄の薔薇姫」として新たな冒険に挑む決意を固めた。
総括
カルラの存在感
本作ではカルラの圧倒的な存在感が際立っていた。彼女の覚悟と最期の戦いが物語を大きく動かし、主役のアリアさえその影響を受けていた。
アリアの成長
アリアは仲間と共に数々の苦難を乗り越え、メルローズ家や聖女派の陰謀に覚悟を決めて（ガンギマリ）立ち向かう中で成長を見せた。
その姿が感動を呼び、彼女の未来に期待を抱かせる展開であった。
壮絶なクライマックス
最終決戦の描写は緊張感と迫力に満ちていた。
特にアモルの暴走とカルラの覚悟が交差する場面は圧巻であり、読者を引き込む力を持っていた。
ゲーム本編の終結と次巻への期待
あとがきにて、本編が完結しながらも次巻が予定されていることは驚きであっや。
物語は新たな章へ進むらしく、続編への期待したい。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
第二部 学園編 鉄の薔薇姫 IX
第四章 銀の翼に恋をする・後編
浸食する悪意
王女エレーナの夜会
王女エレーナ主催の夜会が、王都の迎賓館で開催された。招待されたのは、王家派の貴族や各国の大使たちであった。エレーナは、周辺国の目論見を見極めながら、外交的配慮を忘れず行動していた。一方で、貴族派による政策の失敗により、国内に不和が生じていた。特に、貴族派が引き起こした農産業の被害に苦慮しつつ、エレーナは政治的解決を模索していた。
聖女リシアの葛藤
聖教会に認定された聖女リシアは、民衆からの支持を得ていたものの、その地位は政治的後押しによるものであり、彼女自身の力によるものではなかった。リシアは自分が神聖魔法を使えないことに苦悩し、ゲームのヒロインとしての立場との差異に戸惑っていた。さらに、王女エレーナや貴族派との対立が深まり、立場が揺らいでいた。
謎の桃色髪の少女
王女エレーナを支えていた桃色髪の少女が姿を消したことにより、王女陣営の戦力が疑問視され始めた。しかし、この少女の不在は、暗殺を恐れる敵対者たちに疑心暗鬼を生じさせ、逆に王女陣営に有利な状況を作り出していた。
カルラの決意
悪役令嬢カルラは、自身の短い寿命を悟りつつ、最後の舞台でヒロインと殺し合う覚悟を固めていた。カルラは、舞台を整えるために悪魔や取り巻きを排除せず、最終的な対決に向けて動き出した。
エレーナの覚悟
エレーナは、王太子派と聖女派を排除するための計画を進めていた。魔術学園卒業パーティーまでに必要な証拠を揃え、国王に決断を促すことを決意していた。その裏では、仲間たちとの絆を深めながら、次の行動を計画していた。
ソルホース王国
ヘールトン公爵家の現状
ヘールトン公爵家は、かつて王国の守護者としての地位を持ちながらも、現在では影の薄い貴族となっていた。隣国ソルホース王国からの安価な麦を輸入し、国内に流通させる政策を取った公爵は、王家との対立を深めた。この政策により、領内の農業が打撃を受け、一部の村では林業への転業や借金に苦しむ者が増えた。
村人の逃亡と冒険者との対峙
一組の若い夫婦が商会の圧政から逃れるため夜道を進んでいたが、商会の護衛をする冒険者たちに追い詰められた。冒険者たちは夫を殺し、妻を連れ去る計画を立てていたが、その場に突如現れた桃色髪の少女が冒険者たちを次々と倒し、夫婦を救出した。
ハーマン商会の暗躍
ハーマン商会は、ソルホース王国との取引を基盤にしてクレイデール王国で勢力を拡大していた。安価な麦の流通や人身売買を行いながらも、その実態は巧妙に隠されていた。商会の活動は合法と見せかけており、王国内外で大きな影響力を持っていた。
ヘールトン公爵と商会の関係
ヘールトン公爵はハーマン商会を資金源として利用していたが、その裏で商会は人身売買による利益を追求していた。公爵自身は状況を把握しきれておらず、商会の活動を黙認しているに過ぎなかった。
桃色髪の少女の潜入と証拠の収集
少女はハーマン商会の屋敷に潜入し、地下室で奴隷取引に関する証拠を発見した。しかし、その過程で警報が鳴り、商会の護衛と対峙することとなった。少女は彼らを圧倒し、証拠を携えて屋敷を後にした。
燃え上がる屋敷と決意
屋敷に火を放ち、少女は商会の不正を暴くため次なる行動を開始した。彼女の背後では、燃え盛る屋敷が夜の闇に溶け込んでいた。少女は使命を胸に、ネロとともに再び動き始めた。
開演前
暗部による敵拠点の制圧
アリアはソルホース王国の暗部の拠点を制圧し、その場にいた全員を始末した。暗部が巧妙に潜伏していたものの、クレイデール王国の情報戦の優秀さが彼らを追い詰めた。拠点を調査したが、国家間の関係を明確に示す証拠は発見されなかった。
連絡員セオとの再会
制圧後、アリアはクレイデール王国の連絡員として派遣されたセオと再会した。彼はアリアが貴族派の資金源を次々に潰している影響で、王女エレーナの支持基盤が強化されていることを伝えた。また、第二騎士団での不穏な動きについての情報を提供し、王弟アモルが聖女派と結びつき、大規模な行動を計画している可能性が示唆された。
聖女派の暗躍と不死者の登場
アリアは第二騎士団に関わる情報を調査中、聖女派の神殿騎士と遭遇した。彼らは戦闘中に何度も復活する不死者のような力を持ち、精霊の力で強化されていた。しかし、アリアはその力の本質を見抜き、敵を的確に無力化して撃破した。
不死者の本質とアリアの決意
アリアは、不死者たちが聖女の影響による犠牲者であると推測した。その非人道的な手法に怒りを覚えつつ、彼女は冷静に戦技を駆使して敵を排除した。戦いの後、アリアは完全な不死は存在しないと断言し、さらなる戦いへの覚悟を固めた。
不死の軍隊
聖女リシアと王弟アモルの計画
神殿騎士の証言により、聖女リシアは王国の腐敗を嘆き、悪魔の出現を神の警告と解釈していたことが明らかになった。彼女は王太子エルヴァンを次期国王として擁立し、王国を立て直すべきだと主張していた。聖女への信仰心を利用し、王弟アモルは騎士たちに不死兵化を促し、「神の戦士」として仕立て上げた。
不死兵の正体と騎士の最期
不死兵化を免れた神殿騎士は、聖女への信仰心が揺らいだことで理性を取り戻したが、同時に不死化の進行が始まった。彼は最後の理性で自らを制止し、アリアに介錯を頼んだ。彼の身体からは赤黒い線虫が現れ、不死兵の正体が蟲であることが判明した。この蟲は死体を操り、再生能力を持たせていたが、それは不死身ではなく、意識を残したまま操られる残酷なものであった。
第二騎士団の実態と不死兵化の影響
王弟アモルは、第二騎士団の騎士たちに種のような物を呑ませ、不死兵化を進めていた。騎士たちは身体能力の向上と引き換えに、生理現象の低下や精神的な変化に恐怖していたが、聖女リシアの魅惑的な力により従属せざるを得なかった。彼らは友情や忠誠心を歪められ、意識的に彼女とアモルに従う道を選ばされていた。
アモルの演説と襲撃計画
王弟アモルは第二騎士団を集め、「クレイデール王国を守る正義の戦士」として彼らを鼓舞した。三百名以上の騎士たちが声をあげる中、すでに意識を失った不死兵も含まれていた。アモルは部隊を二隊に分け、ダンドール家とメルローズ家の屋敷を同時に襲撃する計画を発表し、騎士たちはこの命令を受け入れるしかなかった。彼らは恐怖と迷いを押し殺し、後戻りできない状況に追い込まれていた。
援軍
王弟アモルの反乱計画
王弟アモルが聖女リシアと結託し、数百人の不死兵を率いて反乱を企図していることが明らかとなった。神殿騎士たちの証言と不死兵の存在により、反乱の証拠が徐々に浮き彫りとなったが、行動開始の時期や詳細な目的は依然として不明であった。
アリアの決断と準備
アリアは王弟アモルの暴走を食い止めるべく行動を開始した。ネロを連れ、暗部や仲間に連絡を取りつつ第二騎士団の演習場へ向かったが、現地に兵士たちの気配はなく、すでに反乱軍が移動を始めていた痕跡を発見した。アリアは単独でメルローズ家を救うことを決意しつつ、途中で仲間のフェルドと合流する。
不死兵との交戦
アリアとフェルドは道中で輜重部隊に遭遇し、不死兵を含む敵兵士たちと戦闘を繰り広げた。アリアは不死兵が傷つきすぎると意識を失い単なる操り人形と化す仕組みを見抜き、効率的に敵を排除した。一方でフェルドは新たな剣を駆使し、圧倒的な力で不死兵を倒していったが、彼らの異様な生命力に驚きを隠せなかった。
カルラの提案と役割分担
突如現れたカルラが、ダンドール家を守るために協力を申し出た。アリアは彼女の真意を警戒しつつも、カルラの提案を受け入れることにした。フェルドとネロをカルラに託し、アリアは単身でメルローズ家の救援に向かうことを決意した。
アリアの覚悟
アリアは、母の家族や父の友人たちを守るという強い思いを胸に、己の「心」に従って行動する道を選んだ。フェルドからの励ましと信頼を受け、彼女はメルローズ家への道を急いだ。カルラの狂気じみた行動原理を信じつつ、アリアは仲間たちの生存を信じて戦いに挑む覚悟を固めた。
歪んだ聖戦 『襲撃』
アリアとカルラの決別
アリアが【拒絶世界】を用いて姿を消すと、カルラもネロとフェルドに別れを告げて戦場へと向かった。残されたフェルドとネロは、カルラという危険な援軍の出現に不安を抱きつつも、ダンドールを守るために行動を開始した。フェルドは近くのギルドから仲間に連絡を取るべく、ネロと共に森を駆け抜けた。
エレーナの苦悩と王弟アモルの策略
エレーナは、アモルの反乱情報を受け、証拠不十分な状況に頭を悩ませていた。アモルが聖女リシアと共謀し、不死の軍を操りダンドール家とメルローズ家を襲撃する計画を進めていることを知りながらも、王家の分裂を避けるために慎重な対応を迫られていた。一方で、アリアに過酷な役目を背負わせることに心を痛めつつ、友人の無事を祈るしかなかった。
メルローズ家への道中での襲撃
メルローズ宰相ベルトと嫡孫ミハイルが屋敷に向かう途中、第二騎士団の奇襲を受けた。アモルの配下であるカークランド中隊長と不死兵による攻撃で、メルローズ家の騎士たちは次々と倒れた。しかし、絶体絶命の状況下で、灰鉄色の髪を持つ少女アリアが現れ、驚異的な戦闘力で不死兵を撃破し、カークランドを討ち取った。
アリアとメルローズ宰相の協力
ベルトはアリアの力を借り、屋敷防衛を決意した。アリアも宰相の依頼を承諾し、メルローズ家の騎士たちを率いて進軍を開始した。その姿に、ベルトは娘シェリルの面影を重ねながらも、宰相としての責務を果たすべく決断を固めた。
ダンドール総騎士団長の危機
ダンドール総騎士団長が屋敷への帰路で第二騎士団と交戦し、不死兵に苦戦を強いられていた。さらに、王弟アモルが姿を現し、自身の「正義」と称して襲撃を指揮していた。アモルの膨大な魔力が戦場を支配しつつあったが、突如として夜空から現れた漆黒の髪の少女カルラが、彼の前に立ちはだかり、戦況を大きく変えた。
歪んだ聖戦 『絆血』
王弟アモルの変貌と戦闘開始
アモルは右半身が蠢く蟲の集合体となり、かつての性格から一変し、傲慢で狂気に満ちた姿を見せた。彼はその圧倒的な力を誇示し、カルラとの戦闘を開始した。両者の戦闘は激烈を極め、カルラの放つ稲妻や嵐の魔術がアモルを攻撃したが、アモルは蟲の再生能力でこれを凌ぎ続けた。
ダンドール騎士団との連携
アモルとカルラの戦闘に巻き込まれたダンドール総騎士団長は、撤退を指示した。そこにフェルドとネロが加勢し、アモルの攻撃から騎士団を守り抜いた。カルラの無差別な攻撃にフェルドが疑念を抱いたものの、最終的に彼女の計算された行動が撤退の時間を稼ぐ形となった。
メルローズ邸への帰還と襲撃
メルローズ宰相ベルトの一行は、不死兵の奇襲を受けつつも、アリアの圧倒的な戦闘力により窮地を脱した。メルローズ邸に到着した一行は城門を防衛しながら、不死兵の侵攻を阻止するための体制を整えた。
アリアの過去との対峙
メルローズ邸でアリアはセシリア夫人と対面し、自身の血縁についての真実を知る。セシリアとの会話を通じ、彼女は自らの使命を再確認し、家族との繋がりを感じながらも、再び戦場へと戻る決意を固めた。
最終決戦への準備
アリアはミハイルやメルローズの騎士団と協力し、アモル率いる反乱軍を討つべく指揮を執った。彼女の言葉により士気を高めた騎士たちは、統率の取れた行動で反乱軍への反撃を開始した。アリアは指揮官としての覚悟を胸に、戦闘の最前線に立った。
歪んだ聖戦 『激闘』
アモルと第二騎士団の襲撃
アモル率いる第二騎士団は、王都郊外の砦に避難したダンドール辺境伯を追撃した。騎士団は素早く防衛態勢を整え、応戦する準備を進めた。アモルは、二大辺境伯家の協力を恐れ、両家の分断を狙っていた。かつての王族としての教養と策略が、その行動に表れていた。
フェルドとカルラの参戦
砦には、竜殺しの英雄フェルドと王太子婚約者の一人カルラも参加していた。フェルドは圧倒的な剣技で攻城兵器を破壊し、不死兵を打ち倒した。カルラは圧倒的な魔術の力で敵を一掃する能力を持ちながらも、その精神性の危険さが味方をも警戒させた。辺境伯とフェルドは、カルラに慎重に接触し、その協力を得る形で攻防戦を展開した。
アモルの変容と不死兵の攻勢
不死兵たちは、アモルの号令で城門を破壊しようと突撃を繰り返した。フェルドはその間、蟲に寄生されたアモルと直接対峙し、何度も致命傷を与えたが、アモルは異常な再生能力で立ち直り続けた。一方、カルラやフェルドの活躍により、不死兵の指揮系統が次第に崩壊していった。
ネロの覚醒とフェルドの奮戦
幻獣ネロは、アリアと共に戦うために自らの闇の力を覚醒させ、影を操る新たな能力を得た。その力でアモルを追い詰め、フェルドは竜角の大剣に魔力を注ぎ込み、アモルの魔石を狙った。しかし、アモルの蟲の巨人化による圧倒的な力により、攻防は激化した。
援軍と勝利への布石
「虹色の剣」と呼ばれるランク5冒険者たちの援軍が到着し、戦局は大きく動いた。彼らの戦力は、不死兵の士気を崩壊させ、戦況を優位に導いた。同時に、フェルドとネロの連携攻撃により、アモルはさらに追い詰められた。
アモルの暴走と突然の退却
アモルは最終的に蟲の巨人として完全に人間性を失い、さらなる暴走を見せた。しかし、その時、彼の体内で異変が起き、心臓部に赤黒い光が走った。原因不明のその現象に狼狽したアモルは、「カルラ」の名を叫び、北の王都方面へ向かって突如撤退した。アリアはその動向を追いながら、カルラの行動に疑問を抱いた。
攻防戦の結末
アモルの退却により、砦防衛戦は一時的に終息した。不死兵の指揮系統が崩れたことで、メルローズとダンドールの防衛隊は陣地を守り抜いた。一方で、カルラの意図やアモルの動向が新たな謎を呼び、さらなる展開を予感させる結末となった。
歪んだ聖戦 『暴走』
アモルの魔石とカルラの対峙
アモルの魔石を掴んだカルラは、炎の魔力を放ちながらアモルを追い詰めた。カルラは自らの命を削らずに最大限の力を発揮する術を心得ており、その圧倒的な魔力でアモルの体を焼き尽くした。アモルは魔石を守ろうと必死に抵抗したが、膨大な魔力消費で体の防御が崩壊し始めた。
カルラの煽りとアモルの執念
カルラはアモルを煽り、その精神的揺さぶりでさらに力を引き出させた。アモルは自身の魔石を破壊しかねない力で反撃し、ついにカルラを弾き飛ばしたが、その代償に魔石に亀裂が入り、再生能力が失われた。最後の執念でアモルは王都へ向かって暴走し始め、カルラはその後を追った。
リシアと聖教会の思惑
王都では聖女リシアが神殿騎士にアモルへの援護を禁じていた。リシアは、アモルの反乱が王家派の力を削ぐ目的であり、彼が敗北する可能性を見越して計画を進めていた。アモルの力を分割した結果、彼の自我が薄れ、戦局を覆すほどの成果を出せないことをリシアは理解していた。
ナサニタルとの別れ
リシアは、悪魔との契約により生命力を削り取られたナサニタルに別れを告げた。彼女は毒を仕込み、最期の瞬間を迎えさせた。ナサニタルは、自身の過ちとリシアへの感謝を胸に涙を流しながら息絶えた。リシアの背後に控える夢魔コレットは、リシアの計画を支える存在として行動を始めた。
歪んだ聖戦 『悪意』
アモルの暴走と追跡
アモルは理性を失い、王都に向けて森を駆け抜けていた。人間としての言動を失い、巨体となったその姿は魔物そのものであった。アリアは魔力を使い切る寸前の身体でアモルを追跡し、対処の機会を探ったが、その巨体と速さに苦戦を強いられた。一方、カルラも空中からアモルを追いつつ、特定の目的のために干渉を控えていた。
第一騎士団との遭遇
アモルは街道で第一騎士団と遭遇した。騎士団は対魔物の備えをしていたものの、アモルの異常な強さと蟲の能力に対応しきれず、次々と犠牲を出した。騎士たちはアモルが王弟であることに気づき動揺したが、カルラが放った強力な魔術により戦場は混乱に陥った。カルラの圧倒的な力を目の当たりにした騎士たちは撤退を余儀なくされた。
王都への侵入
アモルは王都の外壁に到達し、強引に突破を図った。アリアは魔力を尽くして阻止しようと試みたが、蟲に覆われたアモルの再生力に対抗する術が見つからなかった。その後、カルラが現れ、アリアを制止するように割り込み、王都内で激しい戦闘が繰り広げられた。
カルラと聖女の計画
最終的にアモルは王都中心部の聖教会へ到達した。そこで待ち構えていた聖女リシアは、人々を煽動して祈りを捧げさせ、自身の影響力を高めていた。カルラは最後に冷気の魔術を放ち、アモルを凍結させて完全に行動不能にした。その余波で周囲の住民も巻き込まれる惨状となり、アリアはカルラの真意を問い詰めたが答えを得られなかった。
結末と疑念
カルラは転移魔術で去り、アリアは王都に残された惨状を目の当たりにした。民衆に祈りを捧げさせる聖女と、冷徹に目的を遂げたカルラ。この二人が何を目論んでいるのか、アリアには明確には分からなかったが、今回の勝者が聖女リシアであることを直感した。
少女の決意
クララの告白と決意
深夜、クララが侍女を伴い王女宮を訪れた。彼女は蒼白な顔で体調を崩しながらも、エレーナに重要な話を伝えるべく現れた。アリアを恐れていた彼女は、非常時を利用して秘密を打ち明けた。その内容には聖女派の陰謀が絡み、クララ自身の【加護】による未来の予見も含まれていた。エレーナは王女としての冷静さを保ちながらクララの告白を受け止め、彼女の覚悟を認めた。
アリアとエレーナの再会
朝日が昇る頃、アリアは王女宮に姿を現した。久しぶりの再会にエレーナは喜びを見せるも、アリアの怪我に気づき表情を曇らせた。二人は互いに状況を報告し合い、特に聖女派の陰謀やアモルの反乱が話題となった。アリアはメルローズとダンドールが無事であることに安堵しつつも、聖女リシアの計画が着実に進んでいることを警戒した。
ネロの登場と情報共有
アリアの仲間であるネロが影の中から現れ、聖女派の陰謀についてさらなる情報を提供した。クララの【加護】によると、聖女はアモルを捨て駒として利用し、王都に恐怖を植え付けることを目的としていた。その恐怖を民衆に与えることで、聖女は自らの影響力を高め、エルヴァンを次期王として推す計画であった。
聖女派の策略とその影響
聖女は悪魔の力を利用し、民衆の恐怖を煽ることで自らの支持を得ていた。その結果、アモルは完全に切り捨てられ、聖女は政治的に潔白な立場を保ちながら民衆の支持を集めていた。クララの予見ではエレーナ側がわずかに不利であると示されており、状況を覆すためには何か決定的な行動が必要であった。
アリアの覚悟
アリアは聖女の策略を阻止するため、自分を利用するようエレーナに頼んだ。彼女はエレーナのために動くことを決意し、その覚悟を胸に秘めた。エレーナもまた、アリアの意志を尊重し、次なる手を打つ準備を進めた。
思惑
決意の共有
エレーナはアリアの提案に沈痛な表情で同意した。王太子エルヴァンの未熟さと国内の混乱が続く中、彼女も王女として行動を起こすべき時だと理解していた。アリアは逃げずに運命に立ち向かう決意を固め、エレーナに自分を「利用する」よう頼んだ。二人は協力して聖女リシアの影響力を削ぐ計画を進めることを決めた。
メルローズ家とダンドール家の対応
エレーナはメルローズ家やダンドール家と連携を図るための準備を始めた。セラからもたらされた情報により、ダンドールとメルローズは第一騎士団の助けで不死兵を撃退したことが確認された。両家は被害を受けつつも、王都へのさらなる被害を防ぐために迅速な行動を取った。エレーナは中立派への働きかけも含め、国内の勢力を整えるための行動に移った。
クララの訪問とエルヴァンの苦悩
王太子エルヴァンのもとに、幼い頃からの婚約者であるクララが訪問した。エルヴァンは王太子としての孤独と苦悩の中で、自身の道を模索していたが、クララとの再会により過去の絆を思い出した。彼女の芯の強い姿を見たエルヴァンは、再び彼女の言葉に耳を傾ける決意をした。
リシアの過去と陰謀
リシアと名乗る少女は、自らの目的のために悪魔と契約し、乙女ゲームの「幸せ」を現実のものとしようとしていた。彼女は自身の過去を切り捨て、計画のために周囲を操ることを躊躇わなかった。アモルやナサニタルさえも駒として扱い、聖女として民衆の支持を得る一方、影では悪魔の力を利用した陰謀を進めていた。
カルラの苦闘と最終章への布石
一方、カルラは自身の命を削りながらも、計画の最終段階へ向けて準備を進めていた。彼女の魔石は命を蝕みつつも、彼女の強い意志を支えていた。月明かりの下、彼女は自らの限界を超えた行動を決意し、最後の舞台へと歩みを進めた。
卒業イベント 『開幕』
卒業式と聖女リシアの登場
年度末の卒業式が行われる王立魔術学園では、選ばれた貴族たちが王城での卒業パーティーに出席していた。聖教会代表として入場した聖女リシアは、その加護である「魅惑」の力を用い、周囲の視線を惹きつけた。彼女の力は強い疑念を持つ者以外の心を和らげ、好意的な感情を引き出すものだった。だが、その力の代償としてリシアは魔力を著しく失い、身体に負担を抱えていた。
エルヴァンと婚約者たちの入場
王太子エルヴァンは三人の婚約者を伴い、会場に姿を現した。クララをはじめとする婚約者たちは、それぞれのドレスに身を包み注目を集めたが、エルヴァンの表情はどこか緊張に満ちていた。彼の発言によって場が静まり返り、彼は婚約解消の意思を公に宣言した。その理由として、自身を理解し支えてくれた存在として聖女リシアの名を挙げた。
クララへの想いとリシアの反発
エルヴァンはクララへの深い想いを語り、彼女こそが自分に必要な存在だと強調した。その瞬間、リシアは公然とクララを非難し、彼女の過去の罪を暴こうとしたが、エルヴァンはそれを受け入れる覚悟を示した。リシアはさらに自分の出自を証明しようと「メルローズ家の指輪」を提示したが、彼女の言葉には疑念が伴った。
アリア・レイトーンの登場
その場に現れた桃色髪の少女、アリア・レイトーンは本物の「メルローズ家の指輪」を身に着け、自身こそがメルローズ家の真の後継者であると宣言した。その美しい姿に貴族たちは驚き、会場の空気が一変した。アリアの登場により、リシアの計画は崩れ始め、彼女の抱える嘘が明らかになる兆しを見せた。
卒業イベント 『断罪』
聖女リシアの正体暴露
会場に響いた「メルローズ」の名に、参加者たちはリシアが王妃に最も相応しいと思い込んでいた。しかし、突如現れた桃色髪の少女が自らを「アーリシア・メルローズ」と名乗り、メルローズ辺境伯もその主張を支持した。この展開にリシアは混乱し、過去の行方不明事件や孤児院での出来事を利用して自分こそが本物だと主張したが、ベルト辺境伯の厳然たる証拠が彼女を追い詰めた。
エルヴァンの決意とリシアの動揺
エルヴァンは、自身の【加護】である「完全鑑定」によって、リシアが聖女ではないことを暴露し、さらに彼自身が王位を妹エレーナに譲る意向を表明した。リシアはこれに対抗し、会場の観衆に「魅惑」の力を使おうとしたが、その効果は次第に薄れ、彼女への疑念が募った。
本物のアーリシアの登場
本物のアーリシアである桃色髪の少女が前に進み出た。その高貴な佇まいとメルローズ家の特徴を備えた姿により、観衆は彼女こそが真の後継者であると認識した。リシアは反論し続けたが、エルヴァンやエレーナから次々と明らかにされる証拠によって、彼女の嘘は覆い隠せなくなった。
リシアの破滅と悪魔の介入
追い詰められたリシアは叫び声を上げ、周囲への不満をぶつけた。その時、彼女の体に異様な変化が起こり、白髪のメイドの姿をした悪魔コレットが現れた。リシアが悪魔に掴みかかると、コレットは冷静に彼女の胸を貫き、契約を反故にした。リシアの体は異形へと変貌し、笑い声とともに「アーリシア」を標的に据える狂気の存在へと変わり果てた。
卒業イベント 『妄執』
狂気に陥る聖女リシア
観衆が見守る中、リシアは次第に狂気に飲み込まれていった。彼女の姿勢や言動は次第に人間離れし、首を折り曲げる異常な動きや、笑い声と共にヒロインへの執着を叫び始めた。その背後では白髪のコレットが静かに微笑み、リシアを煽るような言葉を投げかけていた。最終的にリシアは自身の中に巣食う魔力に侵食され、完全に異形へと変貌した。
悪魔コレットの暴露と騒乱の発端
リシアの狂気が頂点に達する中、コレットが悪魔としての正体を現した。その正体は観衆を恐怖と混乱に陥れ、彼女が放つ瘴気が周囲を侵し始めた。カルラの放った火炎槍がコレットを直撃し、会場は火の手が上がり、避難を余儀なくされる事態となった。だが、コレットはその攻撃さえものともせず、線虫で腕を再生しながらさらなる混乱を引き起こした。
カルラとコレットの対決
カルラはコレットに対峙し、炎と魔術を駆使して戦闘を開始した。一方、コレットは瘴気を増大させながら周囲の信者を巻き込み、彼らを悪夢へと引きずり込んでいった。その中で、コレットの魔力が街全体を覆い始め、信者や騎士たちは次々と操られ、破壊と暴力の渦に飲み込まれた。
アモルの復活と街の壊滅
聖教会の神殿では、かつて討伐されたアモルが瘴気と魔石の影響で復活した。蟲の巨人となったアモルは暴れ回り、街にさらなる破壊をもたらした。ネロが現れてアモルに立ち向かう一方で、街の人々は炎と恐怖の中で命を失い続けた。
リシアとの最終対決
リシアの身体に宿った異形がアリアに襲いかかる中、アリアはリシアを斬りつけながら戦いを繰り広げた。最終的にリシアの身体は完全に崩壊し、蟲に支配されていた彼女は生命を失った。だが、その最期に見せた一瞬の微笑みが、かつて孤児院で彼女と出会った幼い記憶をアリアに蘇らせた。
戦場への再出発
リシアを弔うことなく、アリアは新たな戦場へと向かった。街ではコレットや蟲の巨人による混乱が続いており、アリアは次なる敵を討つべく走り出した。彼女の背後では、リシアの亡骸が静かに横たわり、すべてが終わりを迎えていた。
卒業イベント 『業火』
暴徒化する市民と騎士団の出陣
王都では悪魔の「唄」に共鳴した市民が暴徒化し、破壊や火災が拡大していた。騎士団は市民の鎮圧を命じられるが、彼らを殺せないという道義的なジレンマに苦しんでいた。家族や知人が暴徒化した人々を庇い、騎士の行動を阻害したことで混乱がさらに広がった。その中で、異形と化した蟲の巨人アモルと漆黒の幻獣ネロが激しくぶつかり合い、街の被害は拡大していった。
ネロとアモルの死闘
ネロは闇の魔術を駆使し、蟲の巨人アモルを圧倒した。しかしアモルはさらなる異形へと進化し、巨大蟲の姿となって暴れ続けた。その巨体は街を破壊し、炎を吐きながらネロに襲いかかった。だがネロの執念は強く、アモルの再生力を上回る攻撃を続けた。
虹色の剣の行動とフェルドの決意
冒険者パーティー「虹色の剣」は王城周辺の警備を命じられていたが、蟲と幻獣の戦闘を目にして行動を分担した。フェルドは仲間たちの反対を押し切り、アリアの援護を決意する。彼はアリアが孤立することを望まず、仲間として彼女に寄り添うために炎の中へ向かった。
悪魔コレットの策略と融合
悪魔コレットは「唄」によって契約者を操り、暴徒や悪魔を使役して混乱を引き起こしていた。コレットはリシアを吸収し、新たな異形へと変貌する。「契約者」としての意思を利用する悪魔の狡猾さが明らかになった。アリアとカルラは協力してこの脅威に立ち向かうが、コレットの力は圧倒的であった。
カルラと父レスター伯爵の対決
カルラは父イグナス＝レスター伯爵と直接対決することになった。父の命令で放たれた攻撃魔術の雨をかわしつつ、カルラは冷酷に周囲の宮廷魔術師たちを倒していった。彼女の戦闘能力は父を凌駕し、レスター家の後継者であった兄弟たちを殺した過去と因縁が再び浮き彫りとなった。
決着とカルラの復讐
イグナスは最後の力を振り絞り、カルラに全力の魔術を放つも、彼女のさらなる魔力に打ち負かされた。カルラは父を情け容赦なく殺し、周囲の懇願も意に介さず、すべてを終わらせた。レスター家の因縁に決着をつけた彼女は冷然と舞台を去り、新たな戦いへ向かっていった。
卒業イベント 『共闘』
悪魔の瘴気弾とコレットの異形化
悪魔に依り代とされたコレットは、左腕に融合した「契約者」である女性を武器に変え、暴れ回った。彼女の放つ瘴気弾は建物を腐敗させるほどの威力であり、その被害は王都全域に広がっていた。コレットは契約者を愛おしむように扱いながらも、容赦なく盾や武器として利用し、異形の存在へと完全に変貌していた。
神殿での誘導と悪魔の策略
コレットは戦場を燃えさかる大神殿の上へと誘導し、精神を侵された信者たちを操ってアリアを攻撃させた。信者たちは肉体の限界を超えた速さと狂気で突撃し、アリアを苦しめたが、そこに現れたフェルドが漆黒の大剣を振るい、敵を一掃した。
ネロと巨大蟲の激闘
反対側の戦場では、巨大蟲とネロが壮絶な戦いを繰り広げていた。炎を取り込み進化した巨大蟲は圧倒的な再生能力を持ち、ネロの攻撃に耐え続けた。しかし、仲間たちの援護を受けたネロが進化を遂げ、新たな力で巨大蟲を撃破した。
黒いアーリシアの出現と暗黒魔法
コレットは「契約者」の力を最大限に引き出し、アリアと酷似した「黒いアーリシア」を生み出した。彼女は暗黒魔法を操り、癒しや浄化を逆転させた攻撃でアリアたちを追い詰めた。だがアリアはその妄執に毅然と立ち向かい、正面から黒いアーリシアを討ち破った。
瘴気の集結と夢魔の召喚
悪魔コレットは、王都中の負の感情を集めて瘴気の巨大な球体を生成し、それを用いて魔界への門を開こうとした。その結果、無貌の悪魔たちが這い出し始めたが、カルラの浄化の炎とネロの強大な一撃がそれを阻止し、瘴気の拡散を防いだ。
コレットの最期とさらなる脅威
最後に、コレットは契約者の残滓を取り込んで消滅した。しかし、王都を覆う更なる炎をカルラが放ち、新たな脅威を呼び寄せる予感を残して戦いは幕を閉じた。
最終決戦 ──死が二人を別つまで──
破壊された王都とカルラの計画
王都は燃え盛る炎に包まれ、その中心に立つカルラが魔術で巨大な五芒星を描き、計画を進行させていた。彼女は王都を崩壊させるため、古代の秘宝を利用し膨大な魔力を溜めていた。これにより、彼女はレベル8という伝説的な火魔術の発動を目指していた。
アリアとの激戦の幕開け
アリアはカルラの行動を阻止するために立ち向かった。両者は高度な魔術と身体強化を駆使し、王都中を戦場に変えた。カルラは炎や氷、雷など多様な属性魔術を繰り出し、アリアは拒絶世界の能力でそれに応戦した。戦いは激化し、互いに甚大なダメージを受けながらも一歩も引かない状況が続いた。
カルラの動機と死の儀式
カルラの目的は単なる復讐ではなく、彼女自身の生きた証を世界に刻むことにあった。実験によって生を歪められた彼女は、その運命に抗うため、自身の死を一つの儀式として完成させようとしていた。そして、彼女はアリアが自らを殺すことこそ望んでいた。
最終決戦と運命の選択
激闘の末、アリアとカルラは互いの力を尽くし、肉体と精神を削り合った。カルラは死を受け入れながらも、アリアとの戦いを通じて自らの存在を全うしようとした。一方、アリアはその意志を理解しつつも、カルラを倒すことで王都の破壊を防ぎ、彼女の願いに応える覚悟を決めた。
黄金の短剣と決着
戦いの最後、アリアはカルラの隙を突き、黄金の短剣を手にして彼女の心臓に向けて振り下ろした。この瞬間、二人の戦いとカルラの儀式は幕を閉じ、王都を救うための決断が下された。
最終決戦 ──そしてあなたの疵になる──
カルラの最後の戦いと炎の柱
王都は燃え盛る炎に包まれ、五つの火柱が上空で一つに纏まりつつあった。その光景は住民たちに未曾有の恐怖を与えたが、戦うアリアとカルラの姿に誰もが目を奪われていた。王族であるエレーナも、逃げることなくその戦いを見守り、アリアの勝利を信じて祈りを捧げていた。
黄金の短剣と決意
アリアの振り下ろした黄金の短剣はカルラの心臓に突き刺さり、血が迸った。しかし、その刃は音を立てて砕け、アリアはカルラに「殺してあげる」と宣言しながら、玻璃製の瓶に入った赤い液体を投げつけた。カルラはその液体の毒を警戒しつつも、戦いを続けた。
極限の戦いと魔力の衝撃
アリアとカルラは互いに満身創痍の状態で、残る力を振り絞って衝突を繰り返した。カルラは衝撃波を用いた戦術に切り替え、アリアも体術を駆使して応戦した。戦いの中でカルラの防御は崩れ始め、黒い茨も枯れるように散り、決着の時が迫っていた。
神怒の不発と逆転
カルラはレベル8の火魔法「神怒」を発動しようとしたが、不発に終わった。これはアリアが精霊との取引でカルラの火属性を無効化していたためである。この事実を知ったカルラは驚愕しつつも、茨や衝撃波を駆使して戦闘を続けた。
カルラの最期とアリアの選択
最終的にアリアはカルラを制圧し、黄金の短剣とペンデュラムを駆使して彼女を追い詰めた。カルラは静かに微笑み、アリアの手によって命を絶たれた。カルラは「あなたの〝疵〟になりたかった」と願いを果たし、アリアの腕の中で静かに息絶えた。
別れと新たな決意
アリアはカルラの遺体を抱き上げ、王族や人々の視線を背にしながら立ち去った。彼女は「依頼があるならいつでも駆けつける」と告げ、夜の闇へと消えていった。この瞬間、アリアは新たな使命を胸に刻み、次の道へ進む決意を固めた。
私の物語
王都の復興と新たな混乱
クレイデール王国は未曾有の災厄から立ち直りつつあった。王都の復興は、複数の商会と貴族の支援によって迅速に進められたが、悪用する者もいた。新たに現れた商会の多くは、悪魔の襲来で消えた商人たちの跡地を引き継ぐ形を取っていたが、その中には怪しい動きが見られるものもあった。復興の裏で、ソルホース王国の暗部組織が暗躍しており、新たな王太女エレーナの暗殺を企んでいた。
王太女暗殺計画とヴォルフの暴走
ソルホース王国の暗部組織は、クレイデール王国の混乱に乗じてエレーナを排除しようとしていた。その計画の中核を担ったのが、実力派の元冒険者ヴォルフであった。彼は自尊心が高く、自分の力を過信していたが、暴力性と粗雑な性格が組織内で問題視されていた。計画の進行中、地下会議で彼が漏らした挑発的な言葉が、さらなる混乱を引き起こした。
侵入者の襲撃と鉄の薔薇姫
地下会議の最中、突如侵入者が現れた。その者は「鉄の薔薇姫」と呼ばれる最強の冒険者アーリシアであった。暗部組織のメンバーは彼女を排除しようとしたが、彼女の圧倒的な戦闘能力により次々と倒されていった。ヴォルフもその実力を発揮する間もなく、彼女の冷酷な技術に圧倒され、命を散らした。最期に彼が目にしたのは、アーリシアの象徴ともいえる桃色がかった金髪であった。
王太女エレーナの政治手腕
一方で、エレーナはクレイデール王国の復興を主導していた。聖教会との協力体制を築き、国内外の支援を取り付けることで、政治的基盤を強固なものとした。彼女は聖教会の信頼を得つつ、その影響力を抑制することにも成功した。この行動により、彼女は国の未来を担う王太女としての立場を確立した。
冒険者アリアの新たな旅立ち
カルラとの戦いを終えたアリア（アーリシア）は、再び冒険者としての道を歩み始めた。彼女は「鉄の薔薇姫」という新たな二つ名で恐れられる存在となったが、自由を求め、仲間たちと共に新たな冒険に挑む決意を固めた。その中には飛竜討伐の任務も含まれ、かつての孤独な戦いの日々を越え、彼女の新たな物語が始まろうとしていた。
夜色の夢の中で……
過去の痛みと狂気への変化
幼い頃、彼女は愛を知らずに生きていた。父親は彼女を実験動物としか見なしておらず、母親も彼女を飾り物として扱った。兄たちは優秀で、彼女はその陰で見下される存在だった。家庭の中で心が傷つけられ、最終的に父親の手による拷問のような実験を受けた結果、彼女は自ら狂気に身を染める決断をした。
復讐のための準備と孤独な修練
彼女は家族から離れ、孤独の中で禁書を読み解き、復讐の計画を立てた。彼女は幼い体でダンジョンに挑み、全身に痛みを抱えながら力を磨いていった。痛みと苦しみを忘れるため、また生きる証を残すため、彼女は己を鍛え続けた。
運命の出会いと誓い
ある日、彼女は冒険者を殺し、冷静な殺意を向ける少女に出会った。その少女は嘘をつかない人間だった。彼女はその少女との出会いを救いだと感じ、少女との戦いを人生の目的に変えた。自らを殺してほしいと願い、そのためにさらに強くなろうと決意した。
舞台の準備と命の限界
彼女は復讐のため、そして少女との戦いを完璧なものにするため、古代の魔力増幅器を用意し、王都を舞台に選んだ。体を酷使し続けた結果、寿命は尽きようとしていたが、最後の戦いが実現するまで持ちこたえることだけを望んでいた。
燃え上がる王都での最終決戦
王都の炎を背景に、彼女と少女は壮絶な戦いを繰り広げた。互いに斬り合い、殴り合い、限界を超えた力を振るう中で、彼女は幸せを感じていた。最期に、自分が少女の心に小さな疵として残ることを願いながら、命を燃やし尽くした。
月の光と疑問
意識が薄れる中、彼女は消えゆくことを受け入れていた。しかし、月の光が差し込む中で不意に疑問が湧き上がった。「誰が私を呼んでいるのか？」彼女の魂はその問いを抱えたまま、静かに闇へと沈んでいった。
同シリーズ
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