どんな本?
俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ は、鍋敷 氏が小説家になろうで連載しているライトノベルです。
アース・スターノベルから単行本が発売されており、現在第7巻まで出ている。
また、KRSG氏がコミカライズを担当しており、コミック アース・スターで連載中。
この物語は、才能なしの少年と呼ばれて職業養成所を去った男・ノールが、ひたすら防御技【パリイ】の修行に明け暮れた結果、世界最強クラスの力を手にしているのに、一切気がつかないまま強敵を打ち倒していく英雄ファンタジー。
ノールは、魔物に襲われた王女を助けたことから、王国の危機に巻き込まれていく。
しかし、彼は自分の能力に全く自覚がなく、常に謙虚で真面目に振る舞う。
そのギャップが面白く、読者の共感を呼んでいるらしい。
この作品は、TVアニメ化も決定している。
読んだ本のタイトル
俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ 4
(英語名:I Parry Everything: What Do You Mean I’m the Strongest? I’m Not Even an Adventurer Yet!)
著者:鍋敷 氏
イラスト:カワグチ 氏
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あらすじ・内容
「……私が偽者……? あなたは何を言っているのですか?」
神聖ミスラ教国の禁断の地に
もう一人のアスティラがいた!二人のアスティラが出会う時、
俺は全てを【パリイ】する 4 〜逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい〜
巨大な骸骨の聖ミスラが暴走する。
圧倒的な力を前にしたノールやリーンは
絶体絶命の窮地から脱出できるのか?
そして、冒険者アスティラの秘められた過去とは?
感想
ノールは自身がどれほど強力な存在かを自覚せず、しばしばその力を誤解しながらも様々な冒険を繰り広げるコメディ、第四巻。
ノールは自身を捕えようとするミスラ教国の精鋭の兵士たちに襲われ、彼らの攻撃をパリイする場面から物語が始まる。
兵士たちが彼を生け捕りにしようとするが、その計画は失敗に終わる。
ノールの前で全員で話し合い、ノールには敵わないと分かった彼らはノールを放置して撤退して行った。
その後、斥候の先生が言ってた全ての罠。発動させたノールは、その能力を遺憾無く発揮して「嘆きの迷宮」の深部へ誤って落ち込み、その先で不思議な力を持つ青い石と遭遇する。
その石によって異なる空間へと転移され、そこで彼はミスラ教国の教皇アスティラとソックリな女性と出会い、なお謎が深まる。
一方、地上で王女リンネブルグとティレンス皇子が重要な役割を果たすサイドストーリーも展開される。
二人は政治的な陰謀に巻き込まれ、共に困難に立ち向かうこととなる。迷宮内での冒険を経て、ミスラ教国の建国神話が偽りであることや、教皇アスティラが過去にティレンス皇子を神ミスラの生贄にしようとしていた事が明らかになる。
最終的に、ノールとダンジョンに閉じ込められていたアスティラは共闘し、巨大な骸骨を倒す決意をする処で本編は終わる。
残りは魔法の先生となってるオーケンの若かりし頃の話。
教皇にすり替わられてる前のアスティラと、アスティラのせいで後々に魔王となるロイがパーティーを組んで「賢者の盃」というパーティー名で冒険をする。
嘆きの迷宮の深部でアスティラが青い石に喰われてしまい、撤退を拒否したオーケンをロイが気絶させて撤退。
アスティラはその後、ノールが来るまでダンジョンに拘束され。
ロイは、ダンジョンから出てきた偽アスティラの策謀で同郷の仲間を誘拐され、魔物を率いて仲間を探しに各国を襲撃。
結局はアスティラが率いた教国の騎士達によってロイは撃たれてしまう。
他の読者からは、物語性やキャラクターの深みに対する評価が高い一方で、オーケンの過去編が長すぎるとの意見も見られた。
特に、過去編における登場人物たちの背景が詳細に描かれている点が、物語の進行に多少の遅れをもたらしていると感じられているようである。
しかし、ノールの逆勘違いが生み出すユーモアと、シリアスな背景とのコントラストが本作の魅力となっており。
次巻への期待感も含め、続編にどのような展開が待っているのかを楽しみにしている。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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アニメ
PV
OP
ED
同シリーズ
俺は全てを【パリイ】する
その他フィクション
備忘録
77 俺は青い光をパリイする
『嘆きの迷宮』での遭遇と戦闘
ノールは『嘆きの迷宮』の入り口に案内され、ミスラ教国の六人の兵士と対峙した。彼らはノールに対して華麗な連携攻撃を次々と披露したが、次第に疲れが見え始め、動きが鈍くなっていった。兵士たちの一人、シギルは連携を一旦中断し、仲間と小声で会議を始めた。彼らはノールの戦闘能力が予想以上に高いことを驚き、六聖の力を凌駕しているのではないかと疑った。
ミスラ教国兵士の撤退
ノールの提案により戦闘は一時停止し、兵士たちは撤退を決定した。シギルは任務遂行のため増援を呼ぶことを宣言し、ノールに『嘆きの迷宮』内で待機するよう忠告した。彼らはノールの素直な態度に疑念を抱きながらも、一時的にその場を離れることにした。
ノールの探索と迷宮の罠
兵士たちが去った後、ノールは迷宮内を見回して興味を抱くが、忠告に従い慎重に行動した。しかし、偶然にも四角い石に腰掛けた瞬間、石が地面に沈み込み、迷宮の一部が崩壊し始めた。ノールは崩れる床と共に深い闇の中へ落下し、幾重もの床を突き抜けていった。
青い光の壁と着地
落下の途中、ノールは青白い光の壁に遭遇した。黒い剣を使って壁を打ち砕きながら、無事に着地することに成功したが、周囲は再び暗闇に包まれた。
青い結晶との遭遇
暗闇の中、ノールは剣に導かれるように進み、巨大な青い結晶が浮かぶ空洞にたどり着いた。ノールが結晶に触れようとした瞬間、結晶に吸い込まれ、意識を失った。
見知らぬ場所への転移
目を覚ましたノールは、見知らぬ場所に立っていた。そこには倒れた女性と、豪華なローブをまとった骸骨が黄金の椅子に腰掛けており、ノールを見下ろしていた。
78 リーンとティレンス
1. 王女の侵入と対面
リンネブルグ王女は廊下の警備の騎士たちを昏倒させ、ティレンス皇子の部屋に侵入した。皇子は彼女を待ち望んでいた様子で笑顔で迎え、王女の敵意をものともせず会話を続けた。王女は、護衛を全て倒したことを告げた後、皇子に質問を投げかける準備をしていた。
2. 皇子の真意と謎めいた会話
ティレンス皇子は、王女が自分の監視を倒してくれたことに感謝し、彼女の訪問を予想通りと語った。さらに、彼は彼女をここに呼ぶために策を巡らせたことを明かし、意図的に王女を怒らせたとも述べた。その言葉に王女は困惑しながらも、皇子の言動の裏にある意図を探ろうと耳を傾けた。
3. 二人きりの目的と協力の要請
皇子は部屋の魔法が盗聴されないようにしており、王女に本音を話す場を作ったと説明した。彼は、二人きりになるためにわざと誤解を招く行動を取ったと謝罪しつつ、王女に協力を求めた。王女はまだ納得できない様子を見せつつも、話を続けるよう促した。
4. 皇子の衝撃的な告白
皇子は、王女に母親を殺す手助けをして欲しいと頼んだ。その発言に王女は一瞬言葉を失い、理由を尋ねたが、皇子は答えず、ただ責任は全て自分が負うとだけ告げた。
5. 転移の魔法と次の行動
皇子は床の絨毯を剥がし、青く輝く転移の魔法陣を見せた。この魔法陣は「嘆きの迷宮」の深層に繋がっていると説明し、二人はその上に乗り先を急ぐことにした。彼らは歩きながら話を続けることを決め、物語は新たな局面へと進んだ。
79 知らない場所
1. 見知らぬ場所への迷い込み
主人公は突然、洞窟から見知らぬ場所に移動していたことに気がついた。周囲には影も灯りもなく、無限に広がる平坦な地面が広がり、巨大な骸骨と倒れている女性が目に入った。主人公はその女性に近づき、彼女との対話が始まった。
2. 女性との会話と背景の説明
女性は主人公に気づき、迷宮の核心である石に触れてここに来たのかと尋ねた。彼女は、自分がオーケンという人物の知り合いであり、彼がまだ健在であるかを気にかけた。主人公はオーケンを知っていたが、彼が老人であることを告げると、女性は時間の経過に驚きを見せた。
3. 迷宮の核と骸骨の謎
女性はこの場所が「嘆きの迷宮」の一部であり、迷宮の主人が仕掛けた罠であると説明した。さらに、巨大な骸骨はかつて強力な魔物であったが、今は抜け殻となっていると語った。主人公が骸骨を軽く叩くと小さなヒビが入り、女性はそれに驚きの表情を見せた。
4. 黒い剣と主人公の特異性
主人公が持つ黒い剣が骸骨に影響を与えたことに、女性は興味を示した。彼はその剣について詳しく知らないが、便利な道具として使っていると語った。女性は主人公の冷静な態度に感心し、彼との対話に安堵感を感じている様子を見せた。
5. 自己紹介と女性の正体
女性は自らを「アスティラ」と名乗り、かつて「賢者の盃」という冒険者パーティの一員であったことを明かした。主人公も自分を「ノール」と名乗り、クレイス王国の冒険者であることを伝えた。アスティラは、過去に名を知られたパーティに属していたことに触れながらも、その名が今では忘れ去られつつあることに寂しさを感じていた。
80 迷宮の奥へ
1. ロロとイネスの迷宮探索の開始
イネスと少年ロロは、ミスラ教国の大聖堂地下にある「嘆きの迷宮」へ潜入していた。彼らは王子の指示に従い、迷宮の奥へと進んだ。ロロの高い探索能力により、敵との接触を避けながら迅速に行動することができた。ロロは幼少期に大きな傷を負い、魔族としての体質ゆえに魔法が使えなかったが、その分、並外れた才能を発揮していた。
2. 迷宮の奥への進行と障壁の突破
ロロは手にした魔導具を巧みに操り、進むべき道を示した。イネスは「神盾」を用い、壁や障壁を次々と破壊しながら、迷宮の奥へ突き進んだ。彼らはミスラ教国とクレイス王国の対立が深まる中、重要な証拠を探し出すという使命を果たすため、迅速に行動していた。
3. 王子の予測と政治的背景
レイン王子は、ミスラ教国との外交が決裂することを見越して、作戦を立案していた。彼はミスラ教国が隠し持つ「悪魔の心臓」に関する証拠を探し出し、国際的な評価を覆すことを目指していた。この証拠の発見は、クレイス王国が魔族を受け入れる正当性を確立するために不可欠であった。
4. 悪魔の心臓の発見と衝撃
ロロとイネスは迷宮の奥で、山のように積まれた紅い宝石「悪魔の心臓」を発見した。これは、魔族が体内の魔力により鉱物化したものであり、その膨大な量に彼らは言葉を失った。ロロは、自分の祖先たちの成れの果てであることに気づき、深い悲しみに暮れた。
5. 魔物の群れの襲来
探索の最中、迷宮の奥から大量の魔物が現れ、彼らを包囲した。迷宮は過去に教皇アスティラが踏破したとされていたが、実際にはまだ生きていたことが明らかになった。魔物の出現により、彼らは迷宮の真の姿とミスラ教国の闇を目の当たりにし、状況は急速に緊迫した。
6. 迷宮の奥での戦いの覚悟
イネスはロロを守りながら、次々と現れる魔物に立ち向かった。彼らは限られた時間内で目標を達成しなければならない状況に追い込まれていた。迷宮が未だ生きていることを知った彼らは、ただ証拠を持ち帰るだけでなく、自らの命も懸けた戦いに挑む覚悟を決めた。
81 聖都
1. 迷宮の秘密とティレンス皇子の告白
ティレンス皇子はリンネブルグ王女に、ミスラ教国の大聖堂地下にある「嘆きの迷宮」が未だ生きていることを明かした。彼は、教皇アスティラが迷宮を踏破したという伝説が虚構であり、国家の基盤が偽りに基づいていると説明した。さらに、自身が幼少期に「聖ミスラ」と呼ばれる存在を目撃したことを語り、その存在が邪悪であると感じたことを告白した。
2. 皇子の生い立ちと母との対立
ティレンス皇子は、5歳の誕生日に母である教皇アスティラと「聖ミスラ」の会話を目撃し、恐怖を感じたことを打ち明けた。彼は、母に秘密を隠しながら成長してきた理由と、周囲の人々を信用できなくなった経緯を語った。王女に対しても、彼は自らの立場が孤立していることを告げ、彼女の助けを求めた。
3. 王女の迷いと協力の決断
リンネブルグ王女は、皇子の話に全てを信じることはできなかったが、ロロの判断を信じ、協力を約束した。彼女は感謝の言葉を避け、あくまで国益に基づいた行動であると強調したが、皇子は彼女の冷静な姿勢に改めて信頼を寄せた。
4. 魔物の襲来と戦闘の開始
二人が迷宮の奥へ進む中、魔物の群れが現れた。ティレンス皇子は、自らの武器である聖銀の鋼糸を用いて戦いに加わり、王女と共に魔物を撃退した。彼らは軽口を叩きながらも協力し、迷宮の奥へ向けて全力で進んだ。
5. 目的地への突進と共闘
二人は迷宮の最深部を目指し、襲いかかる魔物の群れを切り裂きながら進行を続けた。皇子と王女はお互いに補助し合いながら、次々と魔物を倒し、さらなる困難に立ち向かう覚悟を固めていた。彼らは目的地に到達するため、暗闇の中を全力で駆け抜けていった。
82 二人のアスティラ
1. アスティラとの出会いと謎の女性の登場
ノールは不思議な場所で出会った女性が「アスティラ」と名乗るも、その名前に覚えがあり戸惑った。しばらくして、別のアスティラと瓜二つの女性が現れ、自らも教皇アスティラと名乗った。この謎の二人の関係に主人公とアスティラは困惑し、状況が一層混乱した。
2. 教皇アスティラの攻撃と雷の応戦
教皇を名乗る女性は、黒い雷でノールを攻撃した。ノールは黒い剣で雷を弾き返し、危機を回避する。しかし、その威力に驚愕し、この黒い剣の重要性を改めて認識した。教皇はさらに不穏な発言をし、身体の入れ替えを示唆するなど、謎が深まった。
3. 巨大な骸骨の覚醒
教皇が倒れた瞬間、巨大な骸骨が動き出し、ノールとアスティラを威圧する。骸骨の手から放たれる黒雷を再び黒い剣で弾いたが、その重圧は尋常ではなかった。ノールは剣を駆使して雷を逸らし、かろうじて命を繋いだ。
4. アスティラとの共闘と骸骨への挑戦
アスティラはノールを守りながら、共に骸骨に立ち向かう準備を整えた。彼らは協力し、骸骨の攻撃を防ぎつつ、叩き壊す計画を立てた。二人は「スケルトン・ウィザード」として骸骨を見立て、退治するために再び戦いに挑んだ。
5. 戦闘の決意と次の展開
ノールは黒い剣を構え、アスティラと共に骸骨に挑む決意を固めた。戦いの中で少しずつ雷の対処に慣れ始めたが、まだ油断はできない。彼らは共闘の意志を確認し合い、再び襲い来る骸骨の攻撃に立ち向かう覚悟を決めた。
83 聖ミスラ
1. 聖ミスラの黒雷とノールの対抗
聖ミスラは本来の身体に戻り、至高の魔法【黒雷】を放ったが、ノールは黒い剣でそれを弾き返し生き延びた。この結果にミスラは驚愕し、二万年前から蓄えてきた自らの知識や力が通じない相手に対し、異常な存在としての恐怖を覚え始めた。
2. 炎の魔法【黒滅炎】とノールの驚異的な回復力
ミスラは次に【黒滅炎】を用い、ノールを焼き尽くそうとしたが、彼は黒い剣で炎を振り払い、さらに身体を瞬時に再生させた。アスティラの助力がこの回復を支えていると悟ったミスラは、二人の力に自らの力の衰えを実感した。
3. 結界の崩壊と剣の正体
ミスラは自身の防御結界を幾重にも張り巡らせたが、ノールはその結界を次々と打ち破り、前進を続けた。ミスラはノールが持つ黒い剣がただの遺物ではなく、「理念物質」と呼ばれる異常な性質を持つことを見抜き、その脅威に気づいた。
4. ミスラの計画崩壊と覚悟の決意
ミスラは計画が崩れるのを悟り、期待していたティレンスやリンネブルグを失うことを惜しんだ。また、築き上げたミスラ教国の崩壊も不可避であることを認識し、全てを捨てる覚悟を決めた。
5. 最後の抵抗と新たな始まりへの決断
ミスラはノールとの戦いを予行演習と見做し、次なる機会を模索する決意を固めた。そして、檻から飛び出す準備を整え、全てを失うことを受け入れながらも、悠久の時の中で新たな機会を待つ覚悟を持った。
84 母と子の対話
1. 迷宮の核への到達と異変の察知
ノールとティレンスは、湧き続ける魔物を退けながら迷宮の核へ急行した。彼らは強力な結界が解除されていることに違和感を覚え、内部へ進むと、巨大な青い結晶体が静かに輝く迷宮の核を発見した。
2. 教皇アスティラの登場
迷宮核の前で黒炎に包まれて現れたのは、教皇アスティラであった。彼女は燃え尽きたはずの身体を保ちながら笑顔で語りかけ、ティレンスに感謝の意を示した。彼女の異常な状態に、ノールとティレンスは恐怖と疑念を抱いた。
3. 聖ミスラの正体の発覚
ティレンスは教皇が語る「民から血肉を得る」という言葉に困惑したが、目の前で黒炎に包まれた巨大な骸骨が姿を現し、これが『聖ミスラ』であることを理解する。聖ミスラの存在は、この国の信仰と国家の基盤が根底から歪んでいたことを証明するものだった。
4. ティレンスの決意と自己犠牲
ティレンスは、自らの命を賭して教皇アスティラを討つ決意を固める。彼は迷宮遺物『破命の紅刃』を使い、自らの命と引き換えに母親である教皇を討とうとするが、直後に聖ミスラの手によって捕えられてしまった。
5. ノールの登場と逆転の兆し
絶望の中で、ノールと彼の仲間が黒炎に包まれた状態で登場する。彼は聖ミスラの攻撃を剣で迎撃し、怪物の手を粉砕した。ノールの圧倒的な力により、教皇と聖ミスラは一歩退き、状況が一変する兆しが見えた。
6. 新たな人物の出現
ノールの仲間である女性も遅れて姿を現したが、その姿は教皇アスティラと瓜二つであった。この不可解な現象に、ノールたちはさらなる困惑を抱き、物語は新たな展開を迎えることとなった。
85 ミスラの受肉
1. 二人のアスティラの邂逅と謎
ノールとティレンスは、教皇アスティラに瓜二つの女性と出会う。新たなアスティラは冒険者であり、教皇とは全く異なる柔らかな雰囲気を纏っていた。彼女との会話を通じて、彼らは彼女がただの冒険者ではないことを感じ取った。
2. 教皇の不気味な行動と聖ミスラの進化
教皇は聖ミスラの顎に飲み込まれ、自らの肉体を犠牲にして怪物へ力を与える。聖ミスラは肉体を取り戻し、さらに強力な力を得て狂気の舞を見せる。その圧倒的な力の前で、ノールたちは恐怖を抱き、ノールは聖ミスラによって空間の外へと放り出される。
3. 檻からの脱出と冒険者アスティラの正体
ノールを失った状況下で、冒険者アスティラは風魔法を使い檻を破壊し、ノールたちを助け出す。彼女の卓越した魔法の技術と、【浮遊】という高難度の風魔法の使い手であることが明らかになり、彼女の実力が示された。
4. ティレンスの戸惑いとリーンの決意
ティレンスは冒険者アスティラが自分に何か特別な関係があると感じつつも、明言を避けた。リーンは恐怖を振り払うため、自分に言い聞かせるように「ノール先生がいるから大丈夫」と自らを鼓舞し、ティレンスと共に地上への道を急ぐ決断をした。
5. 希望の再確認と前進
ノールの存在が彼らに希望を与え、二人は再び立ち上がる。教皇と聖ミスラの脅威が迫る中、ノールがいる限り希望は失われていないと信じ、彼らは地上への道を急いで走り始めた。
86 賢者の盃 1
1. 酒場での会話と仲間たちの性格
冒険者パーティ『賢者の盃』のメンバー、オーケン、アスティラ、ロイが、次の冒険について話し合う場面である。オーケンの尊大な態度が描かれ、アスティラとロイが彼を揶揄しながらも、互いに信頼し合う様子が見られた。
2. 嘆きの迷宮への挑戦と危機の発生
三人は『嘆きの迷宮』に挑み、その最深部に到達する。しかし、核と呼ばれる巨大な青い水晶の前でアスティラが罠にかかり、身体が水晶に吞み込まれ始めた。オーケンとロイは魔物の襲撃を防ぎながら、アスティラを救おうと奮闘する。
3. 絶望的な状況と決断
一日が経過し、三人は疲労困憊となる。魔力が尽きかけたオーケンに対し、アスティラは諦めて撤退するよう説得する。最終的にロイはオーケンを気絶させ、アスティラを残して迷宮を脱出する。
4. 宿屋での対立とパーティの解散
宿屋で目覚めたオーケンはアスティラの死を知らされ、ロイを激しく非難する。二人の間で口論が起こり、信頼が崩壊した結果、冒険者パーティ『賢者の盃』は解散することとなった。
5. 別々の道と物語の再始動
オーケンとロイは互いに決別し、パーティは解散した。しかし、この物語はここで終わらず、新たな展開を迎えることを予感させる形で幕が下りる。
87 賢者の盃 2
1. アスティラとの再会と違和感の始まり
ロイは死んだと思われていたアスティラと再会するが、彼女の存在に違和感を覚える。彼女の態度は以前と異なり、彼女の心の声が聞こえないことで、ロイは不安を抱く。
2. アスティラによる集落への侵入と宝の奪取
ロイの故郷であるレピ族の集落に滞在したアスティラが、祭殿にある『赤い石』を奪う。彼女の行動と言葉から、ロイは彼女が聖ミスラの意志を持つ存在であると悟るが、既に手遅れであった。
3. 集落の混乱と子供たちの失踪
アスティラの襲来後、集落では次々と『赤い石』が盗まれ、子供たちが行方不明になる事件が頻発する。ロイは自らの過ちを悔い、家族を守ると誓うが、その約束は果たされない。
4. 禁忌の掟を破る決断
家族や集落を救うため、ロイは禁忌を破り、黒龍を使役する力を得る。彼は魔物を従えて集落を襲う人間たちを撃退するが、その強大な力が次第に集落全体を暴走へと導く。
5. 集落の崩壊と魔族への変貌
力を手にしたレピ族の若者たちはロイを追い、魔族と化していく。彼らは憎しみに駆られ、人間の街を襲撃することで失われたものを取り戻そうとするが、その暴走は止まらなくなる。
6. 魔王ロイとオーケンとの再会
長年の戦いを経て、ロイはついに魔王として君臨する。そんな中、かつての仲間であるオーケンと再会するが、その時には既にレピ族は魔族と呼ばれ、人間との対立が決定的になっていた。
7. 終わりの見えない憎しみの連鎖
ロイは息子を探し続け、手当たり次第に人間の街を襲い続ける。レピ族が魔族と化し、かつての平和な生活には戻れなくなったことを悟りながらも、彼らの憎悪は止まることなく続いていく。
88 賢者の盃 3
1. 魔族討伐の依頼
壮年を迎えたオーケンは、かつての仲間と別れてから魔術に没頭し、二重詠唱を会得する。そんな彼のもとに、各地を荒らす『魔族』の討伐依頼が舞い込む。魔族の脅威に興味を持ったオーケンは依頼を受け、一人で戦地へと向かった。
2. 魔族との戦闘
平原でオーケンは数千の魔物に囲まれ、一人で壮絶な戦いを繰り広げる。魔物を次々と撃退するも、魔族の戦術により徐々に追い詰められ、ついに彼の魔力は尽きた。
3. ロイとの再会
絶望の中、オーケンの前に魔族を率いるロイが現れる。かつての仲間だったロイが魔王として魔族の頂点に立つ姿に、オーケンは驚愕する。ロイは、アスティラが生きており、彼女によって故郷が壊滅させられた過去を語る。
4. ミスラ教国への訪問
ロイの話を確かめるため、オーケンはミスラ教国の教皇アスティラに会いに向かう。そこで再会したアスティラは、かつての仲間とはまるで異なる冷酷な人物となっていた。オーケンは彼女の変貌を目の当たりにし、何もかもが変わってしまったことを悟る。
5. 魔族軍の壊滅とロイの最期
その後、ミスラ教国によって魔族の軍勢が全滅するが、ロイの死体は発見されない。オーケンはロイの故郷に向かい、重傷を負ったロイと再会する。ロイは自らの命を犠牲にし、最期にオーケンへ感謝を告げながら赤い石へと変わり果てる。
6. ロイの遺産とオーケンの決意
ロイの変わり果てた姿を前に、オーケンは涙ながらにその石を手に取り、200年以上も密かに保管する。そして、ロイに似た少年にその石を託し、彼が自らの運命を切り開けるよう力を与えることを決意する。
7. 孤独と後悔の中での終わり
オーケンはすべてを失った孤独と後悔に苛まれながらも、自らの道を歩み続けた。かつての仲間たちが互いに敵対し、悲劇の果てに散ったことを胸に刻みつつ、彼は静かに消えていった。
89 産声
1. 聖都での異変
聖都ミスラでは、ティレンス皇子の成人を祝う祝賀会が開かれていたが、大聖堂の屋根が突如爆発し、何かが空へ飛び出した。その後、空は赤黒く染まり、不気味な地響きと共に静寂が訪れ、人々は不安に包まれた。
2. 怪物の復活
大聖堂の地下から怪物が出現し、長い封印から解き放たれたことに歓喜する。怪物は飢えを抱え、血を求めて集まった人々を眺め、彼らを糧にしようと目論んだ。
3. 欲望と苛立ち
怪物は地下で得た力を喜びつつ、目当ての『魔族』がいないことに苛立つ。それでも、この聖都を全て喰らい尽くすことを楽しみとし、次々に人々を糧にすることを決める。
4. 怪物の油断
怪物は自らの力に酔いしれ、再誕を祝いながら歓喜の叫びを上げる。しかし、彼は自らの欲望に夢中になるあまり、空から接近する存在に気づかなかった。
5. 突然の攻撃
空から降りてきた人物が黒い剣を振り下ろし、怪物の頭部を打ち砕く。怪物は不意を突かれ、力尽きて再び地下の闇の中へと叩き落とされていった。
6. 怪物の敗北
念願の復活と自由を得たはずの怪物は、その直後に再び力を奪われ、暗黒の底へ戻される。彼の計画と欲望は一瞬で崩れ去り、物語は新たな展開を迎える兆しを見せる。
【聖魔戦争】
1. 魔族の出現と恐怖の拡散
数年前、魔族という謎の異種族が大陸に現れ、人々を恐怖させた。魔族は蒼白の肌と黒い衣装を纏い、巨大な竜や魔物を操り、策略を駆使して都市を壊滅させた。その中でも、魔王と呼ばれる長身の男は黒龍を使役し、多くの軍隊を打ち破った。
2. 教皇アスティラとミスラ教国の台頭
魔族の脅威に対し、新興の宗教国家ミスラ教国が台頭した。教皇アスティラは難関ダンジョンを単独で踏破し、その後、国を建設。困窮した人々を受け入れ、聖騎士軍を組織して魔族討伐を目指した。アスティラは魔族を討つ者たちに「悪魔の心臓」という魔石を与え、彼らを強化した。
3. 聖騎士と魔族の対立
聖騎士軍と魔族の間で激しい戦闘が続いた。魔族は聖騎士たちの武具に嵌め込まれた「悪魔の心臓」を狙い、聖騎士は魔族を討伐することで勢力を拡大した。両軍は互いに一進一退の攻防を続け、憎しみに突き動かされながら戦った。
4. 魔族の迷いと崩壊
魔族たちは戦いの中で、自分たちが家族を失った悲しみを抱えた聖騎士と同じ立場にあることを悟る。しかし、家族を救うための戦いが無意味であったことに気づき、次第に戦意を失っていった。彼らの葛藤は頂点に達し、戦場での崩壊を引き起こした。
5. 教皇アスティラの真実
教皇アスティラは魔族の家族を「悪魔の心臓」に変えていたことを明かし、魔族たちに絶望を与えた。彼らは自分たちがアスティラに操られていたことに気づき、全てが無意味であったことを知る。魔族の心は折れ、戦いから退き始めた。
6. 魔族の滅亡と聖騎士の勝利
戦意を失った魔族は聖騎士たちの容赦ない攻撃により滅ぼされ、魔王ロイも戦場で命を落とした。教皇アスティラは勝利を宣言し、ミスラ教国は神聖ミスラ教国へと改名。聖騎士たちは勝利の喜びに浸り、アスティラへの忠誠を誓った。
7. 新興国家の発展
神聖ミスラ教国は「悪魔の心臓」の交易で得た富を用い、急速に発展した。都市を建設し、大陸全体に影響を及ぼす大国家へと成長し、アスティラの権力と威信はさらに高まっていった。
【賢者の盃】
目覚めと過去の回想
• アスティラは朦朧とした意識の中、箱のような狭い空間で目覚めた。自分が馬車の中に閉じ込められ、手足を縛られていることに気づく。
• 記憶が曖昧で、十五歳の誕生日に森で独りになった時のことを思い出す。彼女は魔物に襲われるが、無意識に魔法を使い、危機を脱する。
• 森を抜け、街にたどり着き、門番の女性の助けを借りる。冒険者ギルドで登録し、以降は単独で冒険者として活動を続ける。
失敗と監禁の発覚
• ある日、怪しい男に声をかけられた後、アスティラは記憶を失い、再び監禁された状態で目覚める。
• 箱を運んでいた護衛の冒険者オーケンが、積み荷の確認を要求し、アスティラの存在を発見する。
• オーケンはアスティラを解放し、二人は共に行動を開始する。
新たな仲間との出会い
• オーケンは、自信過剰で傲慢な性格ながらも、アスティラを仲間に誘い、二人で活動を始める。
• 二人は活動を続けるうちに、斥候役のロイと出会い、彼をパーティに加えることを決意する。ロイは当初、オーケンを警戒するが、アスティラの人柄に惹かれ、加入を決める。
パーティの成長と試練
• アスティラ、オーケン、ロイの三人は、異色の組み合わせながらも連携を深め、多くの冒険で成果を上げる。
• オーケンの無謀な行動とロイの警戒心が相互に補完し、彼らは複雑な依頼にも対応できるようになる。
• アスティラは過去のトラウマと記憶の欠落に悩むが、仲間との絆を通じて次第に前向きな気持ちを取り戻していく。
賢者の盃の結成
• オーケンは報酬を全て使い果たし、三つの銀の盃を購入し、パーティの名前を「賢者の盃」と名付ける。
• 三人は盃で乾杯し、正式にパーティとしての活動を始める。
• その後、彼らは大陸中で名を馳せる冒険者として成長し、迷宮踏破者として名を残すこととなった。
給仕のアルバイト
酒場での仕事と失敗
• アスティラは酒場で給仕として働き始めたが、店主の予想を超える頻度で失敗を重ね、多くの皿を割った。
• 彼女の明るい性格は店の雰囲気を良くし、客からは人気があったが、その不器用さゆえに店の赤字が増加した。
• 店主は最終的に、アスティラを雇い続けられないことを丁寧に説明し、彼女は退職することとなった。
職探しと冒険者としての活動
• アスティラは街中で働き続けたいという願望を持ち、多くの仕事に挑戦したが、いずれも失敗し、解雇されてきた。
• 彼女は冒険者としても活動しており、【草ハンター】として知られ、薬草集めの仕事を得意としていた。
• それでも、アスティラは街の生活を好み、冒険よりも都会的な仕事に就くことを望んでいた。
劇場での楽しみと気持ちの切り替え
• 仕事を失うたびに、アスティラは劇場での演劇鑑賞を楽しみ、心をリフレッシュしていた。
• 演劇を観ることで一時的に悲しみを忘れ、気分を切り替えた彼女は、自分の好きなことに集中した。
• 演劇後、アスティラはその感動を誰かと分かち合いたいと感じたが、周囲にそうした相手はいなかった。
冒険者としての再出発
• 劇場で気持ちを新たにしたアスティラは、再び冒険者ギルドに向かい、薬草集めの依頼を受けることを決意した。
• 彼女は自分の得意分野を活かし、再び薬草集めに挑みながら、新しい一歩を踏み出した。
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