小説【パリイする】「俺は全てを【パリイ】する 8巻」最新刊 感想・ネタバレ

小説【パリイする】「俺は全てを【パリイ】する 8巻」最新刊 感想・ネタバレ

ラシードは元「時忘れの都」の経営者であり、シレーヌという来客を迎えている。
シャウザはシレーヌに兄リゲルと父親に関する話を始め、一族の反乱や神弓の伝説について語る。
リゲルは神弓の伝説を築き上げ、獣人たちの共同体に希望を与える存在になる。
商人たちと獣人たちの対立が深まり、獣人たちは自由を失い、奴隷としての生活を余儀なくされる。
獣人たちの絶望的な状況に対し、リゲルは神弓を手に取り、戦いに身を投じ、獣人たちの安全を守る決意を固める。
商人たちと獣人たちの戦いが激化し、獣人たちは未知の新型ゴーレムに敗れる。
リゲルと父は裏切られ、リゲルは父を処刑される最中に発見される。
リゲルは処刑を逃れ、サレンツァ家の少年から保護の取引を持ちかけられる。
新経営者ノールはゴーレムの襲撃に対処し、従業員に支援を約束する。
サレンツァ家ではゴーレムの戦いに敗れ、家族内での争いが起こる。

どんな本?

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ は、鍋敷 氏が小説家になろうで連載しているライトノベルです。
アース・スターノベルから単行が発売されており、現在第7巻まで出ている。
また、KRSG氏がコミカライズを担当しており、コミック アース・スターで連載中。

この物語は、才能なしの少年と呼ばれて職業養成所を去った男・ノールが、ひたすら防御技【パリイ】の修行に明け暮れた結果、世界最強クラスの力を手にしているのに、一切気がつかないまま強敵を打ち倒していく英雄ファンタジー。

ノールは、魔物に襲われた王女を助けたことから、王国の危機に巻き込まれていく。

しかし、彼は自分の能力に全く自覚がなく、常に謙虚で真面目に振る舞う。
そのギャップが面白く、読者の共感を呼んでいるらしい。

この作品は、TVアニメ化も決定している。

【公式】アース・スター エンターテイメント

読んだ本のタイトル

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ 8巻
(英語名:I Parry Everything: What Do You Mean I’m the Strongest? I’m Not Even an Adventurer Yet!
著者:鍋敷 氏
イラスト:カワグチ  氏

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あらすじ・内容

シャウザより兄・リゲルのその後を聞いてショックを受けるシレーヌ。

一方、時忘れの都にゴーレムの大群が襲来するが、
ノールとシャウザが協力して撃退する。

首都より呼び出しを受けたノールはラシードらとともに出発するが、
その途中、砂嵐の中から現れたのは、かつて戦った最強の敵だった……。

俺は全てを【パリイ】する⑧~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~
【公式】アース・スター エンターテイメント

感想

『俺は全てを【パリイ】する 〜逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい〜 8』は、冒険と裏切りが織り交ぜられた物語である。主人公のノールとその仲間たちは、壮大なスケールで描かれる一連の出来事を通じて、自らの運命と直面する。

物語の始まりでは、シレーヌが自身の兄リゲルについての衝撃的な真実を知ることとなる。リゲルはかつて獣人たちを守るために戦ったが、最終的には裏切られ、商人たちに利用される運命にあったのである。彼は後にラシードに救われ、シャウザとして新しい人生を歩み始める。

物語のクライマックスにおいて、時忘れの都の経営権がノールに移ったことを知ったラシードの兄弟が、サレンツァ家の秘密兵器であるゴーレム軍団を派遣し、都を破壊しようと試みる。しかし、ノールとシャウザは共に戦い、ゴーレム軍団を壊滅させることに成功する。これにより、ノールは「時忘れの都」の人々からの信頼を得て、真のリーダーとしての地位を確立するのである。

物語はノールとシャウザが首都サレンツァへと向かうところで終わりを迎える。彼らの前には新たな挑戦が待ち受けており、その冒険が次なる物語へとつながっていく。この作品は、謎解き、戦闘、そして人物の成長が絶妙に組み合わされており、読者を引き込む力がある。また、キャラクターたちの背景が深く、彼らの行動の動機が明らかにされることで、物語はより一層の深みを帯びているのである。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

152  シャウザとシレーヌ

ラシードは元「時忘れの都」の経営者であり、シレーヌという来客を迎えている。
シレーヌはリンネブルグの許可を得て単独でラシードのもとを訪れた。
彼女は意を決して部屋に入り、ラシードの歓迎に戸惑っている。ラシードは彼女に最高のお茶を提供し、彼女が落ち着いたところで用件を尋ねる。
シレーヌは緊張しながら、シャウザという人物について話を始めるため、ラシードはメリッサとともに部屋を退出し、シレーヌをシャウザと二人きりにする。

シャウザはシレーヌの兄リゲルと父親に関する話を始める。
彼らは「ミオ族」という部族の一員であり、一族は反乱を起こしたが、すぐに鎮圧され、シレーヌの父は公開処刑され、兄も処刑された。
シャウザはこの話を冷たく、時には憤りを込めて語る。
彼はシレーヌに対し、族章の首飾りを捨てるよう警告し、その首飾りが災いを招く可能性があると説明する。
最終的にシャウザはシレーヌに首飾りを捨てることを勧めるが、彼女は拒否し、部屋を去る。
シャウザは一人残され、リゲルの臆病で卑怯な性格をぼやきながら、彼女の去った後もその場に留まる。

153  【星穿ち】のリゲル   1

リゲルは『ミオ族』の族長の息子として生まれ、幼いころから類稀な弓の才能を持っていた。
彼は数百名しかいない獣人の少数民族の一員で、彼らの住む集落は交流が少ない僻地に位置していた。
リゲルは早熟で、若くして多くの期待を一身に集め、母親から弓の技術を学んだ。
彼は成長するにつれ、その技術は集落の成人した戦士たちをも凌ぐほどになった。

リゲルが十二歳のとき、奇妙な流れ星が現れる現象が発生し、彼がそれを引き起こしていることが明らかになった。
彼の放った矢が高く上昇し、燃え尽きる現象が流れ星と見間違えられていた。
これが集落外の者たちの間で話題になり、リゲルの技術が広く知られるようになった。

翌年、リゲルは『引けずの神弓』と呼ばれる伝説の弓を引くことができ、その技術で集落を驚かせた。
この弓はかつて誰も引けなかったが、リゲルは容易に引いた。
その結果、彼はこの特別な弓を使う権利を与えられ、彼の名声はさらに高まった。

リゲルの技術は彼が作り出す流星群のような光景とともに伝説へと昇華し、彼は広範囲の獣人たちから尊敬される存在となった。
彼の矢が空に描く光景は、夜空を明るくし、多くの人々に希望を与えた。
リゲルの活躍は神話として語り継がれ、彼は弓を通じて獣人たちの共同体と交流し続けた。

154  【星穿ち】のリゲル   2

かつて自由に生活していた獣人たちは、外部からの商人たちと交流を深めることで、自分たちの社会に変化を迎えた。商人たちは獣人たちの土地に興味を持ち、交流を通じて様々な商品を提供した。最初は小さな衝突があったものの、やがて互いに利益を分かち合う関係を築いた。商人たちは物理的には獣人たちより弱かったが、彼らの社会には土地の権利書や法の概念が存在しており、これが獣人たちにはないものであった。やがて訪れた旱魃により、獣人たちは水が豊かな土地へ一時的に移動することになるが、そこにはすでに商人たちが住み着いていた。商人たちは法的に土地を所有しており、獣人たちに水場の利用を許さなかった。

この状況は獣人たちの不満を募らせる原因となり、ついには商人たちに対して抗議するために武装して街に向かったが、商人たちはゴーレムと呼ばれる機械人形で獣人たちを圧倒した。これにより、獣人たちは自らの立場が弱いと認識し、多くが商人たちの奴隷として生きることを余儀なくされた。奴隷としての生活は苦しくもあり、安定しているとも言えるため、獣人たちの中にはこれを受け入れ、新しい環境に適応していく者も現れた。しかし、彼らの生活領域は次第に縮小し、以前の自由な生活は失われていった。

かつて獣人たちが自由に生活していた時代が終わり、彼らが砂漠の隅に追いやられていた時に、「星穿ちのリゲル」と呼ばれる少年が現れた。この少年は異常な膂力を持ち、多くの者が彼に期待を寄せ、商人たちに対する怒りを行動に移すことを望んだ。しかし、リゲル自身は自分の力を武器として使うことに消極的であり、父も慎重な立場を取り、無謀な行動には反対した。このため、期待を寄せた獣人たちからは失望の声が上がり、リゲルが臆病者であると非難されるようになった。

しかし、リゲルが商人の街を訪れた際、売られる幼い少女を見て、彼は決意を固める。リゲルと彼の父は、過酷な状況に対抗するため、ついに戦いを選び、リゲルは神弓を手に取った。戦いの準備として、獣人たちは戦える者は戦に参加し、非戦闘員は安全な場所に避難する伝統的な方法で対応することを決めた。リゲルの家族も、北の壁を越えて安全を求めた。リゲルは家族に再会を約束し、彼らの安全を第一に考えながら戦うことを誓った。

獣人たちは商人たちの武器庫を狙い、戦力を奪うことから戦いを開始した。ゴーレムと呼ばれる強力な機械兵器が獣人たちに対する主な脅威であったが、リゲルの弓によって、彼らはゴーレムの装甲を容易に射抜くことができた。獣人たちは商人たちの倉庫を次々に破壊し、初日の戦いで意気揚々としたが、三日目に商人たちの罠にはまり、未知の新型ゴーレムに圧倒された。

リゲルと彼の父は激しい戦いの中で数多くのゴーレムを破壊したが、背後からの裏切りにより疲弊し、戦闘は彼らの惨敗で終わった。商人たちは遠くから様子を見ながら、獣人たちの敗北を嘲笑い、彼らの苦悩を利益に変える計画を遂行していた。この戦いは、獣人たちが全てを失い、商人たちによる冷酷な支配が確立されたことを示して終わった。

155  【星穿ち】のリゲル   3

リゲルが意識を取り戻すと、見知らぬ街の石造りの建物の上で、父と共に鎖で繋がれていた。彼らの周囲には興奮した群衆がおり、父は処刑されている最中だった。処刑人たちが父の肢体を次々に切り落とし、その肢体は魔物の檻に投げ入れられ、群衆は喜んでいた。リゲルは自分たちが敗れ、戦いで仲間たちが無惨に殺されたことを悟り、自らも同様の運命を迎えることを覚悟した。

突然の雨が降り始め、リゲルの処刑は延期され、彼は暗い牢獄に繋がれた。そこで彼は、自分の行動が虚しく、すべてが無駄だったと絶望し、自分を『【星穿ち】のリゲル』と呼ばれる重荷から解放されたことに安堵した笑みを浮かべた。

その後、リゲルの前に現れた少年はリゲルに取引を持ちかけ、リゲルが彼を保護する代わりに少年がリゲルを助けると提案した。この少年は「サレンツァ家」の一員であり、家族に命を狙われているため、リゲルの助けを求めていた。リゲルはこの提案に対し、彼の条件に従うか検討する場面で物語が終了している。

156  新経営者ノール

シレーヌは家族について良くない話を聞き、落ち込んで帰宅した。リーンは彼女を励まし、今後も支援を約束した。その後、シレーヌは一人で外出し、帰宅後にはさらに気落ちしていた。一方、ノールとラシードは館の経営について話し合い、メリッサを新しい館長に任命することを決定した。ラシードはメリッサに対して自由な選択を保証し、ノールは彼女が経営者の全権代理者として機能することを望んだ。また、ノールは従業員たちに経営者交代を正式に発表する準備を進めた。メリッサは新しい役職を引き受けることに前向きになった。

157  経営者ノールの挨拶

ノールはリーンとメリッサの協力を得て、従業員の前での挨拶の原稿を作成した。挨拶は、従業員たちの前で大勢の従業員が集まる中央講堂で行われた。ノールは原稿を部分的に見ながら、自分の言葉で話を進めた。彼は従業員の借金を解消することを発表し、さらに従業員が金銭的に困っている場合には支援すると約束した。また、従業員には変わらないように指示し、自分が意に添わない仕事につかせたくないと述べた。最後に、大勢の従業員に向けて安心して働いてもらいたいと話し、彼らの不安を和らげるよう努めた。

158  俺はゴーレムをパリイする

ラシードとノールは、『時忘れの都』がゴーレムの軍勢に襲われている状況に直面する。映像を見て、数の多さに驚くが、ラシードはこれをサレンツァ家の策略と見抜く。彼の弟たちが自分を排除し、遺産を独占する目的でゴーレムを送り込んだ可能性が高いと説明する。リーンは戦略的な視点からノール一人が前線に出るべきだと提案し、ノールはそれを受け入れる。シャウザも参戦し、二人はゴーレムの大群と戦うことになる。戦關は剣とナイフを駆使し、互いに助け合いながらゴーレムたちを次々と破壊していく。最終的に、彼らは力を合わせてゴーレムの脅威を排除することに成功する。

159  中央講堂にて

『時忘れの都』の従業員たちは、館長命令で中央講堂に集められ、巨大な『物見の鏡』に映されたゴーレムの群れに困惑する。その映像の中には、ノール新会長が立ち、隣には黒服の人物がいることが確認される。その後、映像は砂塵に覆われ、耳を裂く爆音が響き、砂漠の奥に広がるゴーレムが爆散する。従業員たちは、ノールが何かを投げたように見えると話し合い、ノールがゴーレムと戦っているのかどうかを疑問視する。次の瞬間、画面にはゴーレムの手足が宙に舞う映像が映し出され、ノールが彼らを一掃していく様子が描かれる。これにより、従業員たちは、新会長ノールが自らの命をかけて約束を守り、従業員たちを守ろうとしていることを実感する。

160  滅びの足音

国内の大部分の富が集まる首都サレンツァにある、純白の巨大な屋敷で、若い男二人が赤い果実酒を楽しんでいる。彼らはサレンツァ家の次男アリとその弟ニードで、裁定遊戯で大敗し、時忘れの都の経営者の座を失ったラシードを笑い話にしている。しかし、彼らが自信満々にゴーレムを動かす計画は、予期せぬ報告により頓挫する。ゴーレム全滅の報告を受け、三人は驚愕し、その後も状況が一変することはない。母親が激怒し、物を投げつける様子を、息子たちは呆然として見守る。彼らは状況の悪化を受け入れがたく、自分たちの絶望を認めるまでには至らない。

161  首都サレンツァへ

ノールとシャウザは街の外れまで戻り、リーンとイネスが迎えに来た。二人はノールの無事を喜び、ゴーレムの襲撃が終わったことを確認する。その後、ロロと再会し、彼が闘技場の魔物たちを外に連れ出している様子を目にする。ロロは魔物たちを落ち着かせるために、外に出したことを説明する。さらに、彼が使用した魔法の指輪で魔物たちを収容していることが判明する。その後、ノールはラシードとともに『時忘れの都』に戻り、従業員たちにゴーレムの襲撃が終わったことを報告する。彼は従業員たちに平常通りの業務を続けるよう指示し、食事を提供することをメリッサに感謝する。その後、ノールは首都への出発の準備を進める。

162  黒いローブの男

サレンツァ家の当主であるザイードは、自身の息子たちが身内の争いで多数のゴーレムを失ったことに苛立ちを露わにしている。そのゴーレムは、サレンツァ家が秘密裏に保管している大量のゴーレムの中でも特に価値のある「始源」のゴーレムであり、古くから家を支える重要な兵器だった。ゴーレムはサレンツァ家が金貸しを営む際にも用いられ、債務者から確実に金を回収する手段として使われていた。さらに、ザイードは商業の力を背景に様々な国や組織との交渉で優位に立つため、劣ったゴーレムを高級品として売りつける一方で、最高級のゴーレムは自家で秘密に保持していた。

ある日、ザイードは息子たちが使い果たしたゴーレムの中にあった始源のゴーレムの一部が外部に漏れることを恐れ、ルードという名の発掘業者と協力し、始源のゴーレムを使った力の源泉を保持し続けようと画策する。しかし、ザイードが商人としての勘と狡猾さを発揮しながらも、始源のゴーレムを完全には制御できず、クレイス王国との関係が悪化してしまう。

その中で、ザイードはルードに対して強い不満を持ちつつも、彼の提案する更なる力、「忘却の巨人」を利用する計画に同意する。これは、サレンツァ家が直面する危機を乗り越えるために必要な措置と考えられた。ルードはザイードに対して、この新たな力を使いこなすための「鍵」を提供することを約束し、ザイードはこれを受け入れ、クレイス王国との対立を抑えるための一時的な解決策として依存することになる。

ルードとザイードの間のこの取引は、サレンツァ家が過去に築き上げてきた商業的な秩序と力のバランスを保つための試みであるが、同時に、ザイード自身の商人としての直感と狡猾さが試される瞬間でもあった。サレンツァ家はこれまでの歴史で多くの敵を出し抜いてきたが、今回の危機は家族内部の争いと外敵の脅威が複合したことで、新たな挑戦となる。

163  砂漠の嵐

カラッと晴れた砂演で、いつもより二人多く乗せた馬車が進む様子が描かれている。馬車にはイネス、ラシード、リーン、ノール、シレーヌ、ロロ、シャウザの七人が同乗している。リーンとラシードは会話を交わし、旅の楽しみを共有している。一方で、シャウザは居心地の悪さを感じているが、ラシードは異国の文化を堪能することを楽しんでいる。車内ではシャウザとロロの間に緊張感があり、シレーヌは何か話したそうにしつつも、なかなか話しかけることができないでいる。

馬車が首都へと向かう途中、砂漠の広大な風景を楽しんでいるが、車内の雰囲気は若干緊張している。特にシャウザは、本来乗る予定だったゴーレムではなく馬車に乗ることに不満を持っており、そのことでシレーヌも落ち着かない様子を見せている。また、ロロとの会話では、彼が魔族であることに対する不安を抱えていることが示唆されている。

この物語の中で、馬車はただ移動するだけでなく、旅の途中での人間関係の変化や、登場人物たちの内面的な葛藤が描かれている。また、異国の文化に触れることの興奮や、そこから生じる不安や緊張が、砂演を背景にして繊細に表現されている。

164  シレーヌの弓   2

嵐の中に無数の銀色の刃が混じり、それが岩を削る様子が描かれている。この事態にリーンは青ざめ、ザドゥの武器が関与していることが明らかになる。イネスでさえ完全な防御が不可能であると判断し、ノールは武器を渡すことを決断する。しかし、シレーヌは嵐の中の無数の小さな銀の刃を全て撃ち落とすことを提案し、その方法で無事に危機を解決する。シレーヌはリーンからの許可を得て、弓を用いて嵐の中の銀の刃を次々に撃ち落とし、その数を次第に増やしていく。最終的には嵐を完全に消し去ることに成功する。シレーヌの卓越した技術により、彼らは大きな危機を回避する。

【とある使用人と新たな主人】

ラシードと名乗る少年は、自宅で新しく使用人として働くことになったメリッサと対面する。彼女の服の下に隠されたナイフを見つけ、それが果物の皮を剥くためではなく、自身の護衛用であると説明される。ラシードはメリッサの本当の雇い主が誰であるかを問い詰め、彼の家族や親族が背後にいると推測する。メリッサが彼を暗殺する目的で送り込まれたことを突き止めたにも関わらず、ラシードは彼女を非難することなく、より良い条件で正式に雇う提案をする。彼はメリッサに暗殺者としての役割を続ける自由を与えつつ、同時に彼の使用人としても働くことを勧める。メリッサはこの提案を受け入れ、新たな主人であるラシードと共にその場所で働くことになる。

【シンの帰郷】

メリッサは元剣闘士のシンに、ノールから預かった荷物を獣人の集落へ届けるよう依頼する。荷物の中には地図が含まれており、シンはそれが自分の故郷であることを確認する。メリッサはシンに彼が出場した特別試合の慰労金を渡し、彼が無事に自由の身となっていることを喜ぶ。シンは久しぶりに故郷へ戻り、大きく変わった故郷の様子に驚く。故郷に戻ったシンは、かつての知り合いであるカイルと再会し、彼から故郷の変貌について説明を受ける。故郷は先進的な技術を用いて変貌し、以前にない豊かさを手に入れていた。その後、シンは故郷の長老と再会し、さらに驚きの事実を知らされる。故郷は税金が百年間免除され、さらに周囲の村々との連携を深める計画があることを聞かされる。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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