「俺は全てを【パリイ】する 1巻
才能無しの少年ノールの軌跡
1. 山小屋での幼少期と母の死
- ノールは幼少期、病弱な父を早くに亡くし、母と二人で山小屋で生活していた。母も病に倒れ、彼の看病も虚しく亡くなった。母から革袋を託され、ノールは街に下りることを決意した。
2. 冒険者への憧れと挫折
- 冒険者ギルドで剣士、戦士、狩人、盗賊などの訓練を受けるも、どれも成果を上げられなかった。最後に魔術師と僧侶職の訓練も試みるが、初歩的な魔法しか習得できなかった。
3. 孤独な鍛錬と再挑戦
- 全ての訓練に失敗した後、ノールは山に戻り独自の鍛錬を開始した。木剣を使い、「パリイ」を頼りに10年間鍛錬し続けたが、新たなスキルは得られなかった。27歳になったノールは冒険者ギルドの門を再び叩いた。
冒険者ギルドでの試練
1. Fランク『無名』での冒険者登録
- 十数年ぶりに王都のギルドを訪れたノールは、Fランク『無名』として冒険者登録を果たすことができた。登録には厳しい制約が伴っていたが、彼は夢への一歩を踏み出した。
2. 冒険者としての日常と葛藤
- 初めての依頼で側溝の清掃や工事現場での土運びを行い、満足感を得たが、冒険者としての夢を諦めきれなかった。迷宮で異変を目撃し、ノールは冒険者の役割を再認識した。
ミノタウロスの襲撃とノールの参戦
1. 王女リンネブルグの危機とミノタウロス討伐
- 迷宮から現れたミノタウロスが街中で暴れ、リンネブルグ王女が襲撃されるが、ノールが登場し、彼女を救った。ノールは壮絶な戦いの末にミノタウロスを討ち果たした。
2. 王宮での調査と国際的な緊張
- 参謀長ダルケンはミノタウロスの召喚が人為的であると報告し、近隣国の脅威と戦争の危機が議論された。ノールの存在が国際的な対立の中で重要視されることとなった。
リーンとの出会いと成長
1. 王女との再会と感謝
- 冒険者ギルドでノールは王女リーンと再会し、助けられたことへの感謝を述べられた。彼女は謝礼を申し出るも、ノールは断った。
2. ゴブリン退治の依頼
- リーンと共に「ゴブリン退治」の依頼を受け、初めての本格的な冒険に挑んだ。戦いを通じて、ノールは彼女と協力し、新たな経験を得ることとなった。
黒死竜との遭遇と新たな戦い
1. 黒死竜との激闘
- 魔物の森でノールとリーンは黒死竜と対峙し、ノールは壮絶な戦いの末に黒死竜を討伐した。彼はその戦いの中で、自らの力を試し、新たな力を見出した。
2. 謎の男ザドゥとの対決
- 伝説的な冒険者ザドゥが現れ、ノールはその異形の力と戦うことを余儀なくされた。イネスの加勢もあり、激闘の末に男を撃退した。
王都への帰還とさらなる冒険
1. 王都への帰還とロロの同行
- 一行は王都での不穏な動きを察知し、急ぎ帰還することを決意した。ノールはロロと共に新たな冒険を続ける覚悟を固めた。
特別エピソード:リンネブルグ王女の護衛
1. 5歳の王女と護衛隊
- リンネブルグ王女は好奇心から「魔獣の森」に向かい、護衛隊が追う中、ゴブリンを圧倒的な力で討伐した。その後、護衛たちは王女の成長を見守る決意を新たにした。
「俺は全てを【パリイ】する 2巻」
破滅の訪れ
- 王子レインの奮闘と王都の混乱
王子レインは不眠不休で王都を駆け回り、潜伏する魔物の探索に努めた。各地で魔物が出現し、【六聖】率いる【王都六兵団】や『冒険者傭兵団』が対応にあたった。建物の破壊が続く中、市民の人的被害はなく、安全地帯へ避難が進んでいた。
- 魔導皇国の策略への懸念
王子は、魔導皇国の襲撃が序章に過ぎないと感じ、更なる攻撃に備え、王都の調査を徹底するよう指示したが、敵の次の手が見えず焦りを募らせていた。
- 上空に潜む脅威の発見
王子は捜索の盲点が「上空の更なる高み」にあると気づき、スキル【隠蔽除去】で確認すると、巨大な古竜の姿が現れた。その古竜は伝説的な存在であり、都市を滅ぼすほどの力を持つとされていた。
- 古竜出現の衝撃と王子の絶望
王子は古竜の目覚めが魔導皇国によるものと疑い、その愚行に憤慨した。彼は歴史を思い返し、かつて古竜が大陸にもたらした破滅を再認識し、王都の滅亡を覚悟した。
- 避難指示と決断
絶望に一時は陥るも、王子は冷静さを取り戻し、市民全員の避難を指示。王都を守る戦いではなく、生き延びる戦いへの方針転換を決意した。
- 王都の命運
王子は、この状況が人間の手に余るものであると認識しつつ、最後の希望をかけて人々を救うため戦う決意を固めた。
王都への帰路
- 王都への急行と異様な光景の目撃
ノール先生、イネス、リンネブルグ王女、魔族の少年ロロを乗せた馬車が、王都に向かい全速力で進んだ。王都全体が戦火に包まれる黒煙を目撃し、王女は逃亡を後悔し、空の異変に気づいた。
- 上空に現れた厄災の魔竜
ノール先生と王女は上空に揺らぐ巨大な存在に気づき、【隠蔽除去】により【厄災の魔竜】が姿を現した。王女は王の運命を案じた。
- ノール先生の決断と王女の覚悟
ノール先生は王城への急行を提案し、王女もその意志に従い【風爆破】で先生を王都へ送り出すことを決めた。
- 【風爆破】の発動と王都への突進
イネスの【神盾】を利用し、王女が六重詠唱で発動した【風爆破】は凄まじく、先生は音もなく王都へ突進した。
- ノール先生の突撃と魔竜への挑戦
ノール先生の力で地面に大裂け目が生じ、遠くに魔竜へ跳躍する姿が確認された。王女はその武運を祈った。
- 希望と不安の交錯
王女はノール先生が王都と王の命運を左右する鍵となると信じ、彼に運命を委ねる覚悟を新たにした。
王の最期
- 王の苦悩と迷宮資源を巡る対立
王は王城の尖塔から王都の惨状を見守り、魔導皇国の要求を拒否したことで【厄災の魔竜】による攻撃が始まったことを悔やんだ。
- 王の自省と【六聖】への想い
王は、息子レイン王子の指揮に対し、自分の無力を感じ、【六聖】への信頼を抱きつつも自らの決断に疑念を抱かなかった。
- 死を覚悟した王の決意
王は迷宮遺物『爆砕の魔剣』を手に竜の口内へ飛び込み、命を賭してブレスの発動を阻止しようとした。
- ノールの登場と魔竜への反撃
ノールが飛来し、音もなく魔竜の頭に突進、ブレスを逸らして遠方に落下させた。
- 王の目撃と希望の兆し
王は竜と共に落下するノールの姿に希望を見出し、自ら果たせなかった役割をノールに託した。
- 新たな希望への期待
王は息子レイン王子とノールの奮闘に希望を寄せ、自らの死を覚悟しつつも最後の戦いを見守る決意を固めた。
「俺は全てを【パリイ】する 3巻」
女教皇
- クレイス王国とミスラ教国の緊張関係
クレイス王国は魔導皇国の襲撃からの回復中、ミスラ教国からの慰問と援助を受けていたが、表面上は友好的なやり取りの中に緊張が漂っていた。特に教皇アスティラが「悪魔の心臓」の話題を挙げると、クレイス王は警戒を強め、彼女の意図を疑いつつも友好を願って対応した。
婚約者
- 王女の婚姻とミスラ教国の招待
王は王女にミスラ教国からの招待について説明し、王女は過去にティレンス皇子からの求婚を断った経緯を振り返り、それに関する噂を否定した。王女はミスラ教国の招待に参加を決意し、ロロを護衛として連れて行くことも決めたが、王はその安全を心配していた。
杭打ちのノール
- 王都の復興とノールの貢献
ノールは復興作業で「黒い剣」を用いて杭打ちを行い、効率的に基盤を整えていた。その活躍から「杭打ち」のあだ名を得て、仲間たちに冒険話を披露することで場の人気者となり、王都の景観も少しずつ回復していった。
まだ見ぬ世界
- リーンとの旅の計画
ノールはリーンからの誘いでミスラへの旅に同行することを決めた。リーンの知人の成人式が目的だが、危険が伴う可能性もあり、ノールの経験が頼りにされていた。ノールは復興作業の経験を活かし、新たな冒険に備えることにした。
鍛錬
- ノールの訓練と実戦志向
森で「黒い剣」を使い、日々の鍛錬を重ねるノールは「ゴブリンエンペラー」の話を耳にし、実戦に備えた新たな訓練法を模索し始めた。その一環として「幽霊退治」の依頼を受け、リーンの支援を頼むことを検討していた。
幽霊退治
- リーンとノールの幽霊退治
ノールとリーンは「幽霊退治」の依頼で古い倉庫の地下に向かい、暗闇の中で巨大な「幽霊」と遭遇した。精神的な影響を及ぼすその姿に驚きつつも、二人は共に退治に挑み、互いに支え合いながら対処した。
俺は幽霊をパリイする
- 幽霊との戦闘
ノールは幽霊の触手攻撃を黒い剣で受け流し、幽霊に物理攻撃が効くことを発見した。火の魔法【プチファイア】を用いて幽霊に対抗し、最後には未試行の大技で幽霊を撃破した。
灰色の亡霊
- 灰色の亡霊との対決
ノール先生は伝説の怪物【灰色の亡霊】と対峙し、過去の封印が破られ復活した可能性を確認した。五重詠唱などの高等魔法を駆使しながら奮闘したが、完全には倒せず、リーンに後を託すことにした。
ノール先生の特別授業
- リーンの決意と戦闘
ノール先生の信頼を受けたリーンは【灰色の亡霊】との戦いに挑み、魔法【滅閃極炎】などを駆使して怪物に立ち向かった。限界を超えた力で再生能力を打ち破り、最終的には完全に討伐に成功した。
魔族の冒険者
- ロロの冒険者としての決意
リーンは神聖ミスラ教国への招待をロロに伝え、彼の冒険者としての訓練意志を支持した。ロロはリーンや周囲の支援を受け、冒険者として成長することを決意し、自身の存在意義を再認識した。
六聖会議 I
- ロロの訓練計画
【六聖】はイネスの紹介でロロの訓練意志を受け入れ、全員で交代制で彼を鍛えることを決定した。ロロの意志が尊重され、【六聖】全員が彼の成長を支援することを誓った。
水面下の戦争
- 王子の疑念と調査
王子は地下倉庫の崩落と【灰色の亡霊】に関する矛盾を調査し、事件の背後に第三者の存在を疑った。情報の食い違いから意図的な認識阻害を疑い、冷静に分析を進めた。
冒険者の娘
- イネスの過去と自覚
イネスは孤児院で育ち、類稀な【恩寵】を持つことが明らかになり、英雄としての立場を確立した。魔族の少年ロロを保護する新たな役割に目覚め、自身の存在意義を再考し、新たな一歩を踏み出した。
槍の男ギルバート
- ノールとギルバートの訓練
ノールは過去に助けられた槍聖ギルバートとの訓練で、魔導鎧の試験相手となり高次元の戦闘に挑んだ。ギルバートとの戦いを通してノールは自らの力を試し、成長を遂げた。
魔導の鎧
- ギルバートの挑戦と自己超越
ギルバートは魔導鎧を用いて極限の槍撃を放ち、戦いに満足感を見出しつつ自己の限界に挑んだ。この戦いはギルバートにとって重要な経験となり、戦士としての成長を深めた。
六聖会議 II
- 魔導鎧の修理とロロの訓練議論
会議ではオーケンが魔導鎧の修理を決意し、ロロの訓練についても【六聖】の間で議論が交わされた。シグとダンダルグが剣技の訓練について意見を交わし、ロロの未来を支援する意志を確認した。
ロロの訓練
- ロロの成長と仲間の支援
ロロは矢を避ける厳しい訓練に挑み、痛みを克服しながら技を磨いた。彼は周囲の支援を受けて成長し、自身の耐久力を見せつけ、次なる訓練への意欲を高めた。
六聖の娘
- イネスの自覚と変化
イネスはロロへの関心を示し、彼のために自分が何をすべきかを再考した。ダンダルグからの評価を受けて自身の成長を確認し、他者への優しさを持ちながら任務を果たす覚悟を固めた。
最高の料理
- ロロと料理人ライアスとの交流
ロロはライアスとの会話を通じて自らの魔族としてのアイデンティティを見直し、周囲の支援に感謝することを学んだ。ライアスの評価を得て再び招待を受けることを約束し、新たな自己理解を得た。
千の剣
- ノールと剣士の教官の訓練
ノールは剣士の教官との
命がけの訓練で技術を磨き、互いの剣が折れるまで戦った。教官から成長を称えられ、重要な人物の護衛を依頼され、さらなる成長を誓った。
出発の朝
- ミスラへの旅立ち
ノールと仲間たちはミスラへの旅の準備を整え、安心して出発の朝を迎えた。オーケンの支援により旅は順調に進み、仲間たちの協力のもと、新たな冒険に挑む意欲を強めた。
「俺は全てを【パリイ】する 4巻」
俺は青い光をパリイする
- 『嘆きの迷宮』での戦闘と兵士の驚愕
ノールは『嘆きの迷宮』の入り口で、ミスラ教国の六人の兵士と対峙した。兵士たちは次々と連携攻撃を試みたが、次第に疲れ、動きが鈍くなった。一人、シギルが連携を中断し、ノールの実力が予想を超えていることに驚愕し、六聖をも凌駕するかもしれないと疑った。
- 兵士の撤退と迷宮への忠告
ノールの提案で戦闘は一時停止となり、兵士たちは撤退を決めた。シギルは増援を呼ぶと告げ、ノールに『嘆きの迷宮』内で待機するよう忠告し、彼の態度に疑念を抱きつつもその場を離れた。
- 迷宮の罠と落下
兵士たちが去った後、ノールは興味を抱いて迷宮を探索し、四角い石に腰掛けた際、石が沈み迷宮の一部が崩壊し始めた。ノールは崩れる床と共に暗闇に落下していった。
- 青い光の壁の突破
落下中、ノールは青白い光の壁に遭遇し、黒い剣で打ち砕いて無事に着地したが、周囲は再び暗闇に包まれた。
- 青い結晶と転移
暗闇の中を進むと、ノールは巨大な青い結晶が浮かぶ空洞にたどり着き、触れた瞬間に結晶に吸い込まれ、意識を失った。
- 見知らぬ場所への転移
ノールが目覚めると、倒れた女性と黄金の椅子に座る骸骨が彼を見下ろしている、見知らぬ場所に立っていた。
リーンとティレンス
- 王女の侵入と皇子との対面
リンネブルグ王女は廊下の騎士たちを昏倒させ、ティレンス皇子の部屋に侵入した。皇子は笑顔で迎え、王女の敵意をものともせず会話を続けた。
- 皇子の意図と二人の対話
皇子は王女の行動に感謝し、策を巡らせて彼女を怒らせたことを認めた。王女は困惑しつつも、皇子の言動の意図を探ろうとした。
- 協力の要請
皇子は部屋を魔法で防音し、二人きりになるための策だったと説明した。彼は王女に協力を求め、王女は話を続けるよう促した。
- 母を討つという告白
皇子は王女に母親を殺す手助けを求め、王女は驚愕してその理由を問いかけたが、皇子は責任を全て負うとだけ告げた。
- 転移の魔法
皇子は青い魔法陣を見せ、それが『嘆きの迷宮』深層に通じると説明し、二人はその上に立って行動を急ぐことにした。
知らない場所
- 迷い込んだ未知の空間
ノールは洞窟から転移し、無限に広がる平坦な地にいた。そこには骸骨と倒れている女性が見えた。
- 女性との会話
女性はノールが迷宮の核に触れてここに来たのかと尋ね、自らがオーケンの知人であることを明かした。
- 骸骨の謎
女性は、巨大な骸骨がかつて強力な魔物であったが、今は抜け殻に過ぎないと説明した。
- 自己紹介
女性は「アスティラ」と名乗り、かつて「賢者の盃」の一員であったことを話し、ノールも「クレイス王国の冒険者」として自己紹介した。
迷宮の奥へ
- イネスとロロの探索開始
イネスとロロは「嘆きの迷宮」へ潜入し、ロロの探索能力で進んだ。ロロは過去に負った傷と魔族としての特質を持っていた。
- 障壁突破と進行
ロロは魔導具で道を示し、イネスは「神盾」を用いて障壁を破壊しつつ進んだ。
- 「悪魔の心臓」の発見
二人は紅い宝石「悪魔の心臓」を発見し、ロロはそれが魔族の祖先の成れの果てであることに気づき、悲しみに暮れた。
- 魔物の群れとの対峙
大量の魔物が現れ、迷宮がまだ生きていることが明らかになり、二人は命を懸けて戦いに挑む覚悟を固めた。
聖都
- ティレンス皇子の告白
ティレンス皇子は、ミスラ教国の基盤が虚構に基づいていることと「聖ミスラ」の邪悪な実態を王女に明かした。
- 皇子の生い立ち
彼は幼少期に聖ミスラと母との会話を目撃し、周囲への不信を抱き成長してきたことを語った。
- 協力の決意
王女は皇子を完全には信じなかったが、協力を約束した。
- 魔物の襲来と戦闘開始
迷宮で魔物が襲撃し、皇子と王女は協力して魔物と戦った。
- 目的地への突進
二人は迷宮の最深部を目指し、襲い来る魔物を撃破しつつ前進した。
二人のアスティラ
- 二人のアスティラの謎
ノールはアスティラに似た女性と出会い、二人が教皇アスティラであると名乗り困惑した。
- 教皇の攻撃
教皇は黒い雷でノールを攻撃し、ノールは黒い剣で受け止め、その重要性を再認識した。
- 巨大な骸骨の覚醒
倒れた教皇の隙に、骸骨が動き出し、ノールとアスティラに脅威を与えた。
- アスティラとの共闘
アスティラとノールは協力し、骸骨に立ち向かうための準備を整えた。
- 戦闘の決意
二人は骸骨との戦いに挑む覚悟を固め、再び襲い来る脅威に立ち向かった。
「俺は全てを【パリイ】する 5巻」
雲の上
- 雲の上での目覚めと戸惑い
ノールは意識を取り戻し、自分が雲の上にいることに気づいた。父から聞かされた「死後の世界」だと思いかけたが、痛みや呼吸の苦しさから現実を認識した。右手に握った黒い剣の重みが、浮遊する感覚と不釣り合いであった。 - 雲からの落下と現実の理解
雲を床と勘違いして踏み出した瞬間、ノールは急激に落下し始めた。空からミスラの街を見つけ、自分が空の上にいると理解した。骸骨との戦闘の一撃で天井を突き抜け、ここまで打ち上げられたことを思い出した。 - 落下加速と恐怖の中の決断
落下が加速する中、黒い剣が空気の抵抗を切り裂き、落下速度を増していることに気づいた。手放せば安全だが守る力を失う、持ち続ければ速度が危険になるというジレンマに悩まされた。 - 逆転の瞬間
ノールは意識を失いかけながらも、大聖堂に開いた穴を通り抜け、骸骨の化け物に落下の勢いで剣を振り下ろし、一撃を与えた。この逆転劇で命をつなぎ、窮地を脱した。
二万年の飢え
- 迷宮奥での戦闘と異変
イネスとロロは『嘆きの迷宮』で魔物の群れに立ち向かい、無数の『悪魔の心臓』が積まれた異様な光景に驚愕した。ロロは涙を流しながらも、戦いに集中するイネスの守りを受けていた。 - 怪物の登場と苦境
巨大な骸骨の化け物が天井から落下し、二人は新たな危機に直面した。イネスは『光の剣』で攻撃するが、怪物は力を増し再生し続け、迷宮を破壊し脱出がさらに困難となった。 - ロロの作戦と怪物の自己崩壊
ロロは冷静に怪物を挑発し、自らの体を傷つけるように仕向けた。怪物は自らを砕き始め、その異様な様子に周囲は困惑した。ロロはノールの黒い剣が必要だと告げ、イネスと共に地上への脱出を決意した。
再会
- 聖堂での再会
ノールは聖堂で落下し、骸骨の助けもあって無事に着地した。市民たちは恐怖に震えており、ノールはシギルと再会し、状況説明を求めたが明確な答えは出なかった。 - アスティラの登場と教皇の誤解
アスティラが現れると、兵士たちは彼女を教皇として敬い、彼女もその役割を引き受けることにした。ティレンス皇子の助言を受け入れ、状況に合わせて行動を開始した。 - 街の危機と避難指示
ティレンスは魔物の増加に伴い、市民全員に退避を指示した。大聖堂が崩壊し始め、魔物の脅威が迫る中での避難活動が行われた。 - イネスとロロの合流
イネスとロロが地上に到達し、ノールたちと再会した。強力な魔物に『光の剣』が効果を発揮しないことを報告し、魔物が地上に姿を現す前に対応を急ぐ決意を固めた。
疾る黒雷
- 怪物の困惑と成長の試み
怪物はノールのパリイにより黒雷が弾かれ続け、自らの攻撃が通じない現実に困惑した。さらに強くなるため、自身を黒雷に変貌させる決断を下し、敵の弱点を見極める冷静な戦略へと転じた。 - 新たな自信と最終的な決意
怪物は変貌に歓喜し、力の頂点に立つことを目指して、ノールを倒し神々に対する優位を確立しようと決意を固めた。
王女の賭け
- 怪物の戦略変更と進化
怪物は防御を捨て、高速移動を可能にする形へと変貌させた。これにより、攻撃に集中し、ノールの黒い剣に対抗する覚悟を決めた。 - リーンの計画と神の雷
リーンは怪物がノールの剣だけを脅威と見なし、剣の使い手であるノールの排除に集中すると予測。彼女はララとイネスが怪物を消耗させる計画を立て、オーケンから託された「神の雷」を使って怪物に致命的な一撃を与える覚悟を決めた。 - 決断と一瞬のチャンス
リーンは「結界」を発動し、怪物の動きを一瞬止め、その隙に「神の雷」を放った。この一撃により怪物の肉体は灼き尽くされ、ノールはパリイで怪物を粉砕し、戦闘を終結させた。 - リーンの安堵と勝利の瞬間
リーンは全力を使い果たし倒れるが、抱き抱えられる感触に安堵しながら意識を手放した。彼女の計画は成功し、仲間たちと共に勝利を収めた。
再会
- 街の惨状とノールの帰還
ノールとイネスがミスラの街へ戻ると、街は崩壊し魔物の死体が山積していた。ロロが出迎え、ノールたちはリーンやアスティラと再会した。 - リーンの負傷とアスティラとの絆
ノールはリーンの怪我を確認し、アスティラが治療に当たった。二人は互いに労い合い、深い絆が形成された。 - 市民の避難と救助活動の開始
シギルは市民が避難を完了し、瓦礫に取り残された者の救助に「十二使聖」が当たることを報告。彼らは救助活動を進めていった。 - アスティラの決意と教皇としての役割
ティレンス皇子はアスティラに教皇としての役割を頼み、彼女はその役割を引き受ける決意を固めた。過去の責任を果たすためにも、ミスラ教国に留まる覚悟を示した。 - 新たな絆とティレンス皇子との再会
アスティラはティレンス皇子に母としての愛情を抱き、二人は再び親子としての絆を確認した。この再会は周囲に感動をもたらし、彼らの絆が深まったことを表していた。
帰路
- クレイス王国への帰還
ノールたちはミスラを離れ、馬車でクレイス王国への帰路についた。ロロは竜に乗って別行動をとり、ノールは新たな冒険への期待を胸に抱いていた。 - ミスラの復興とアスティラの支援
ティレンス皇子の主導で復興活動が進み、アスティラも治療活動に参加し、人々の士気を高めた。彼女とティレンスは良いコンビを形成し、街の再建を目指した。 - 馬車での旅と仲間たちの実力
ノールは旅を続ける中で、イネスとリーンの戦闘力に改めて感銘を受けた。また、ロロが魔竜と共に成長している姿に将来性を見出し、自身のさらなる鍛錬を決意した。 - 旅の余韻と小さな発見
ノールは「天星樹」の葉を発見し、旅の土産として持ち帰ることにした。彼にとって、こうした小さな発見が旅の楽しみであり、心に満足感をもたらした。
王都への帰還
- 依頼完了と王都への安堵
ノールたちは王都へ帰還し、依頼を無事に終えたことを確認した。ノールは家に戻ってきたような安心感を覚えた。 - リーンからの追加報酬と辞退
リーンはノールに追加報酬を提案したが、ノールは丁寧に断り、贈り物を警戒した。 - 同僚との再会と子供たちとの約束
ノールは工事現場の同僚に再会し、以前の約束を思い出して子供たちに物語を語る準備をした。魔竜との冒険の話を語り、彼らに楽しみを提供することを計画した。 - 次の冒険の準備
ノールは同僚と共に子供たちの元へ向かうことを決め、次の物語をどう展開するか思案しながら新たな冒険の始まりを感じていた。
王子の決意
- リーンの戦闘の痕跡と王子の思索
レイン王子は、リーンが持ち帰った焼け焦げたドレスを見つめ、彼女の激しい戦闘を想像した。彼女の無謀な行動を理解しつつも、危険を伴う選択に困惑していた。 - ミスラ教国の真実と教皇アスティラ
王子は、ミスラ教国の教皇アスティラが怪物と精神を共有し、国を操っていた事実を知った。長年の誤解と欺瞞が明らかにされた。 - ミスラ教国の改革と同盟の成立
ティレンス皇子が実権を掌握し、アスティラと共に改革を進め、クレイス王国との同盟を実現させた。 - ノールの謎と不安
王子はノールの冒険者ランクや平凡な生活に不審を抱きつつも、その功績に感謝していたが、彼の影響力には警戒感を抱いていた。 - 未来の王への期待と妹の成長
王子は妹リーンが次の女王になることを確信し、彼女の成長を見守り守る決意を新たにした。
「俺は全てを【パリイ】する 6巻」
神託の玉
- 教皇アスティラの演説と告白
アスティラ教皇は神託の玉を通じ、ミスラ教会の信者に向けて演説を行い、自身の過ちを告白した。ミスラが討伐されていない魔物であったことを伝え、過去の過ちを謝罪した。さらに、魔族の少年ロロの協力により、首都ミスラが救われたことを報告した。 - 信者たちの反応と新たな信仰
教皇の告白に信者たちは困惑したが、彼女の真摯な態度に心を動かされ、再び彼女を信じることを決意した。そして、家に掲げていた聖ミスラの肖像を外し、教皇アスティラの肖像を掲げることを提案した。 - 新たな方針と演説の成功
アスティラはティレンス皇子と魔聖オーケンの支援を称賛し、オーケンは神託の玉の力が演説の成功を導いたと語った。ティレンス皇子は、これが国の未来を変える一歩になると確信を深めた。
竣工式
- 新型水路の完成とノールの貢献
王都を巡る新型水路の竣工式が開催された。ノールは瓦礫の撤去から掘削作業まで従事し、黒い剣を活用して工期を大幅に短縮させ、工事に大きく貢献した。 - 黒い剣の新たな役割
当初戦闘に不向きとされていた黒い剣が石材加工に適していることが判明し、工房からも高い評価を受けたが、ノールは職人としての勧誘を断った。 - 竣工式での再会と記念品の贈呈
ノールは式典でリーン王女の兄と再会し、彼から記念品の木箱を贈られ、工事の成功を誇らしく思った。
入浴券
- 訓練とギルバートとの再会
ノールはギルバートと再会し、彼の槍技と剣技で訓練に励んだ。激しい鍛錬の中、槍に亀裂が入り修復が必要となり、その日の訓練は中断された。 - 入浴券の贈呈と次の訓練
ノールは訓練後、ギルバートに入浴券を渡し、次の訓練に向けて意気込んでいた。
王都の新大衆浴場
- 新しい浴場の紹介と再会
ノールは工事の同僚と新規オープンの浴場で再会し、彼から浴場の歴史や施設の詳細を聞き、新たな浴場の魅力を楽しんだ。 - 衛兵の制止と入浴の体験
ノールは荷物を預け、様々な種類の浴槽を楽しんだ。彼は多彩な浴槽の体験を通して、生活における体験の重要さを再認識した。
サレンツァからの使者
- ミスラ教国との外交関係の評価
ミスラから帰還した王は、王子レインに教皇の演説が民衆に受け入れられたことを伝え、今後も注意すべきと語った。 - サレンツァからの書簡と対応方針
レイン王子はサレンツァからの不自然な書簡を報告し、王はこれを情報収集の一環とみて慎重な対応を決めた。 - ノールの活動と王の褒賞
ノールの貢献に感謝する王は、彼に褒賞を検討しつつ、慎重に支援を提供する姿勢を示した。
王都六兵団の副団長会議
- 代理会議の開催と目的
王が六聖を召集したため、副団長たちによる代理会議が行われた。狩人兵団のシレーヌは、会議の目的を確認し、神盾イネスから通常の報告会議であるとの説明を受けた。 - ギルバートとマリーベールのやり取り
ギルバートは聖女マリーベールに負傷した腕を治療してもらい、感謝を伝えた。 - メリジェーヌの退出とレイの存在感
メリジェーヌは緊急な仕事のため会議から退席し、隠密兵団の副団長レイは会議室にいることを誰にも気づかれないまま参加していた。 - 会議の進行と終了
イネスの的確な進行によって、会議は滞りなく終了し、各部門の報告が共有された。
司書メリジェーヌと神託の玉
- 神託の玉の製造と困難な作業
メリジェーヌは魔導具研究所で、オーケンから追加製造の依頼を受け、多忙な日々を送っていた。予算は潤沢であったが、製造には多くの技術的課題があった。 - 過去の経緯と魔導具研究所への転身
メリジェーヌはかつて司書であったが、オーケンとの出会いから魔導具研究に専念することとなった。 - オーケンとの再会と新たな依頼
深夜、メリジェーヌはオーケンと再会し、彼の説得により、さらなる製造を請け負うことになった。
ロロと魔竜
- 料理の魅力と成長
ロロは帰国後、ライアスの店で料理を学び、常連客の支持を得て成長していった。 - 魔竜ララとの意思疎通
ロロは魔竜ララに余った食材を与え、彼女の食の好みを把握し、ララとの絆を深めた。 - 巨人の籠手の贈り物と新たな挑戦
シギルから贈られた巨人の籠手により、ロロの生活は改善され、メリジェーヌの誘いで魔導具研究所で働くことになった。
王都の市場
- 市場散策と商売への興味
王都の復興後、ノールは市場を散策し、商売や物流への興味を深めた。 - 呪叫草モドキとの出会い
市場で珍しい作物を見つけたノールは、その味に感心し、商業自治区サレンツァへの興味を抱くようになった。 - サレンツァへの旅立ち
リーンの提案を受けたノールは、サレンツァへの旅に同行することを決意した。
砂漠の旅路
- 砂守の砦と入国
ノールたちは砂守の砦を無事に通過し、サレンツァへ向かった。 - 盗賊との遭遇と戦闘
道中で盗賊団に囲まれるが、シレーヌが即座に対処し、獣耳の子供たちであることが判明した。 - 子供たちへの教訓と村の存在の発覚
リーンは彼らに教訓を与え、子供たちが貧困と病気に苦しむ村に住んでいることを知った。ノールたちは村への同行を決めた。
獣人の集落
- 村での状況と支援の提供
ノールたちは獣人の村に到着し、村が病や貧困に苦しんでいることを知った。彼らは資金や治療で支援を行い、村人たちは感謝を示した。 - 新たな農業計画と栄養改善
村の栄養状態を改善するため、ノールは農業の試みを提案し、リーンの協力を得て井戸を掘る計画を立てた。 - 再会と今後の挑戦への決意
ノールは、支援を通じて村との絆を深め、さらに発展させるための新たな挑戦に向けて意欲を新たにした。
砂漠の宴
- 料理の振る舞いと村人たちの感謝
ロロたちが準備した料理が村人たちに提供され、村全体が久しぶりの幸福感に包まれた。 - 金貨の返還と謙虚な生活
ノールからの金貨が村に過剰な富をもたらすことを恐れた村人たちは、必要最小限を受け取り、感謝を示した。 - 村の未来への希望
村人たちは支援に感謝し、村の再興に向けた希望を胸に抱いた。
神獣イ・ゴル
- 巨神殻類との遭遇と戦闘
巨大なエビのような生物『巨神殻類』が地中から姿を現し、ノールたちは村を守るために立ち向かった。 - 黒い剣の奇策と勝利
ノールは黒い剣を用いて巨神殻類の外殻を剥がし、ついに討伐に成功した。 - 村への報告と新たな発見への期待
村人たちはこの勝利に歓喜し、ノールたちはさらなる発展の可能性に期待を抱いた。
王都への帰還と新たな計画
- イネスの王都での準備
イネスはノールの計画を実現するため、王都で農業資材を調達し、再び村へと向かった。 - 湧水の円筒と農業の挑戦
ノールはクレイス王家から贈られた湧水の円筒を活用し、村の農業に取り組む決意を新たにした。 - 村の未来への期待
ノールとリーンは村の再興を目指し、農業を通じて村の発展を支援する姿勢を強めた。
特別書き下ろし:若かりし王の冒険譚
- 王子と仲間たちの出会い
若き日の王子は剣士シグ、盾役ダンダルグ、賭博師カルー、修行僧セインらを仲間に加え、迷宮探索に挑んだ。 - 迷宮での黒い剣の発見
パーティは迷宮で黒い剣を発見し、王子はこれを仲間との絆の象徴として大切にした。 - 冒険の終わりと黒い剣の役目
王子は冒険の終焉を迎え、黒い剣を玉座の後ろに置き、いつか新たな冒険が訪れる日を待ち続けた。
「俺は全てを【パリイ】する 7巻」
土壌改良
- 神獣の解体作業
早朝、イネスとノール、語り手は村を出発し、神獣の解体を開始した。神獣の巨大さに圧倒されつつも、ノールは冷静にその生態を分析し、資源としての活用方法を判断した。 - 神獣外殻の保存と運搬
硬度の高い神獣の外殻を氷で保存し、王都の魔導具研究所へ送ることが決定された。研究所のメリジェーヌは素材の価値を評価し、イネスがこれを持ち帰る役割を担った。 - 神獣外殻の肥料としての利用
ノールは神獣の外殻が土壌改良に役立つと判断し、栄養素豊富な外殻を肥料にする提案を行った。これにより神獣が恵みをもたらす存在とされ、伝承と一致した。 - 魔法を使った土壌改良
語り手は風、氷、炎、雨の魔法を駆使し、神獣の外殻を砂漠に散布し、作業を完了した。 - 外殻の運搬準備とイネスの出発
作業後、イネスは神獣の外殻を王都へ運ぶために馬車を準備し、元気に村を後にした。 - 農作物の植え付け
ノールは農作物の試験的な植え付けを提案し、治癒魔法で発芽を促進し、収穫までの成長を実現した。 - 村への帰還と朝食の準備
語り手とノールは村へ戻り、朝食の準備を待ちながら、ノールの実力に驚嘆した。
砂漠の水路建設
- 集落での朝食
村に戻ったノールとリーンは、神獣のスープを楽しみ、ノールは満足した。 - シレーヌの不在
朝食をとる中でシレーヌの姿が見えないことに気付き、村の弓の使い手と出かけていたことが判明した。 - カイルとの打ち合わせ
ノールとリーンは農地用水源の設置についてカイルと相談し、高台に水源を設ける計画を立てた。 - 村の長老との交渉
湧水の円筒の使用計画を村の長老に説明し、協力の承諾を得た。 - 水源設置作業
ノールとリーンは魔法を駆使し、高台に貯水池を完成させた。 - 農地の区画整理
農地を計画図に基づき整備し、広大な区画を確保した。 - 水路の整備
水路の勾配を調整し、農地の灌漑用水路を完成させた。 - 昼食と作業の確認
昼食をとりながら、午後の作業について打ち合わせを行った。
シレーヌの弓
- 幼少期の避難と教育
シレーヌは母と共に避難し、読み書きを学び、弓技術に憧れを抱いた。 - 弓の師との出会い
森で出会った女性に弓を学び、技術を向上させた。 - 狩人兵団への入団
シレーヌは試験に合格し、最年少で副団長に任命された。 - 村での弓の指導
畑を守るため、村人に弓術を教え、期待に応えた。 - 村人の成長とシレーヌの葛藤
村人が急速に成長し、軍事力の強化に一抹の不安を感じた。
砂漠の水路の開通式
- 水路と貯水池の完成
村の高台から集落への水路を完成させ、開通式を実施した。 - 地下貯蔵庫と宝物庫
長老の案内で地下貯蔵庫を見学し、過去の宝物の存在を知った。 - 水供給システムの提案
加圧送水方式を提案し、聖銀の管を取り寄せる手配をした。 - 村への恩返しの提案
村の自立に貢献し、収穫物の管理と畑の維持を依頼した。 - 簡易水道の開通式
水道の仮設開通式が行われ、村人に祝福された。 - 獣人たちの成長
シレーヌの指導で獣人たちが成長し、彼女との絆が深まった。 - 夜の包囲と危機
村が何者かに包囲され、警戒態勢が敷かれた。
真夜中の来訪者
- ゴーレムの出現
夜、集落の周囲にゴーレムが並び、緊張が高まった。 - 青年ラシードの登場
青年ラシードが現れ、税の徴収を目的とした訪問であると述べた。 - 新たな課税の告知
農地や水源に対する新税が課され、高額な税金が要求された。 - 青年の提案と対話
リーンは税に疑問を投げかけるも、青年は村の庇護を主張した。 - シャウザの攻撃と青年の興味
ノールはシャウザの攻撃を防御し、青年はノールに興味を抱いた。 - 裁定遊戯の提案
青年は税の免除を賭けた「裁定遊戯」を提案し、村での勝負が決まった。
裁定遊戯
- 会場と参加者の確認
裁定遊戯の会場へ案内され、参加者が確認された。 - 勝負の進行と初戦の勝利
三賽子での初戦が行われ、ノール側が勝利を収めた。 - 消失男での第2戦の勝利
クレイス王国側が消失男で連勝し、資産が増加した。 - 死の九賽での最終決戦
ノールは死の九賽で勝利し、莫大な資産を獲得した。
清算交渉
- 清算協議の開始
村への免税と資産譲渡について清算協議が行われた。 - 村の免税と資産譲渡の合意
百年分の免税と時忘れの都の所有権がノールに譲渡された。 - 剣闘士の解放と手形の授与
闘技場の剣闘士が解放され、交易許可証も与えられた。
ラシードの別れ
- 最後の茶会と別れの準備
ラシードは私物を回収するため、防音室に入り、別れの茶会を開いた。彼は時忘れの都を去る寂しさを感じながらも、ノールとの賭けに満足感を示した。 - 意図と計算
ラシードはノールの人物像に強い興味を持ち、彼が異国で活躍する姿に期待を込めて、全ての資産を譲渡する意図を説明した。 - 新たな来客
扉のノック音にラシードが応じると、緊張した様子で獣人の少女が立っていた。
「俺は全てを【パリイ】する 8巻」
シャウザとシレーヌ
- シレーヌの来訪
元『時忘れの都』経営者であるラシードは、緊張した様子のシレーヌを迎え入れ、茶を振る舞い彼女の気持ちを和らげた。シレーヌの目的がシャウザにあることを知り、ラシードとメリッサは退席した。 - シレーヌとシャウザの対話
シレーヌはシャウザの首の刺青について質問し、彼女の家族の過去、とりわけ父と兄についての情報を求めた。シャウザはその刺青が部族に関するものであると認めつつも、シレーヌの求めに慎重に答えた。 - ミオ族の滅亡と家族の顛末
シャウザは、かつてサレンツァ家に反乱を起こしたミオ族がすぐに壊滅させられた過去を語り、シレーヌの父と兄の最期が処刑台での悲惨なものであったと伝えた。 - シレーヌの動揺とシャウザの憎悪
シャウザはシレーヌの家族への期待を厳しく否定し、兄リゲルが英雄であることを否定した。シレーヌは動揺しつつも、家族が信念のために戦ったと思いたい心情を吐露するも、シャウザの憎悪により打ち砕かれた。 - シャウザの警告と首飾り
シャウザはシレーヌに、部族の象徴である首飾りが災いを呼ぶ可能性があると警告した。シレーヌがそれを拒否すると、シャウザはそれ以上の言葉を残さず話を切り上げた。 - シレーヌの退場とシャウザの呟き
シレーヌが退場した後、シャウザは床を睨みつつ兄への苛立ちを静かに呟き、過去を思い返したことに自己嫌悪を覚えた。
星穿ちのリゲル
- リゲルとシレーヌの幼少期
リゲルは十二歳年下の妹シレーヌと共に「ミオ族」の集落で育ち、母から弓を学んだ。シレーヌを守る兄としての自覚と、母を超える技量を持つ弓の達人へと成長していった。 - リゲルの才能と成長
リゲルは早熟で、三歳には大人と腕比べができ、五歳で強弓を引くほどであった。十歳で一人前と認められ、戦士としての訓練を受け始めた。 - 「流れ星」の練習
夜空に向けて矢を放つことで「流れ星」のような光景を生み出し、集落の人々から注目を集めた。この噂は砂漠の端まで広まり、彼は「星穿ち」という二つ名を得た。 - 「引けずの神弓」の継承
リゲルは伝説の「神弓」を引き、放った矢が会場の壁を吹き飛ばす威力を見せ、満場一致で継承者と認められた。 - リゲルの伝説的な成長
「神弓」を手にしたリゲルは、その矢の光景が幻想的な流れ星として語り継がれ、彼の名は神話的な存在として広まった。
時忘れの都の危機とノールの対策
- 館の新経営者ノールと館内の規則
ノールは『時忘れの都』の新しい経営者として従業員たちの前で挨拶を行い、従業員たちに対し、今後の経営方針や彼らの待遇改善を宣言した。 - 借金免除の発表
ノールは従業員の借金を免除することを発表し、従業員たちから大きな安堵と感謝の声が上がった。 - ゴーレムの襲撃に対する防衛戦
ノールはラシードからの助言を受け、迫り来るゴーレム軍勢に対し自ら先陣を切って防衛戦に挑んだ。彼の『黒い剣』とシャウザの連携でゴーレム軍勢は壊滅し、襲撃は無事に鎮圧された。 - 従業員たちの信頼
ゴーレム襲撃の中、ノールが従業員たちのために戦う姿を見たことで、従業員たちは彼の言葉を信頼し、経営者としての彼に敬意を示すようになった。
サレンツァ家の内紛と新たな脅威
- サレンツァ家の兄弟と失態の責任
サレンツァ家当主ザイードは息子たちの失態に激怒し、『始源』ゴーレムの全滅が家の権威に与えた打撃を痛感した。 - ルードの冷静な対応と警告
部下ルードはザイードに「契約」を思い出させ、サレンツァ家の滅亡が免れないことを冷酷に告げ、ザイードに警告を残した。 - 「忘却の巨人」の準備
ザイードはゴーレム兵の強化を決意し、「忘却の巨人」を使用する計画を練り始めた。
ノールの首都への旅路
- リーンとの再会と状況報告
戦闘を終えたノールとシャウザは街外れでリーンに出迎えられた。リーンはノールの無事を確認し、戦闘における勇敢な働きについて称賛の言葉を贈った。 - ロロの魔物たちの解放
ロロはゴーレムの足音で怯える魔物たちを一時的に外へ連れ出し、ノールに指輪で魔物を出し入れできる術を披露した。ノールはロロの技術に驚き、館内の一部魔物を解放することを許可した。 - シレーヌとシャウザへの感謝
シレーヌはノールとシャウザの安全を確認し、感謝の意を表した。シャウザは冷静に答え、他人のためではなく自身の役割を果たしたと述べてその場を去った。 - 中央講堂での報告
ノールは従業員たちにゴーレムの脅威が去ったことを告げ、彼らを安心させた。彼の冗談交じりの言葉に、従業員たちは小さく笑い、場の緊張が和らいだ。 - シンへの指示と任務の準備
ノールは革袋を持たせシンに北方の獣人集落への届け物を依頼し、彼の安全を案じる心配りも見せた。 - クロンへの剣の預けと出発準備
クロンに『黒い剣』を預け、館の警備を任せたノールは、準備を整え首都サレンツァへの旅路に出た。
首都サレンツァとサレンツァ家の危機
- ザイードの苛立ちと始源ゴーレムの喪失
ザイードは一万二千体の始源ゴーレムの全滅を受け、サレンツァ家の権威が揺らいでいることに焦燥を募らせた。 - クレイス王国との緊張
ザイードは『時忘れの都』の新経営者であるノールが始源ゴーレムを倒したことを知り、その正体不明の強さに不安を抱いた。 - ルードの冷酷な警告
ルードはザイードを力で押さえつけ、「契約」が破られれば滅びが訪れると警告を残した。 - 「忘却の巨人」の計画
ザイードは「忘却の巨人」を発動させる準備を進め、これによりサレンツァ家の権威の復活を図ろうとした。
砂漠の嵐とザドゥの襲撃
- 道中の砂嵐とザドゥとの再会
ノールたちは砂嵐の中で現れた「死人」ザドゥと遭遇し、彼がノールの『黒い剣』を狙って接触してきた。 - ザドゥとの激闘と攻防
ノールはザドゥの攻撃を受け流しつつ、何度も剣を奪おうとするザドゥに冷静に応戦し、互いに力を試し合った。 - シレーヌの弓と銀色の刃の迎撃
シレーヌは砂嵐の中の無数の銀の刃を次々と射落とし、その驚異的な技術により砂嵐を収束させた。 - ザドゥの撤退と再見積もりの宣言
シレーヌの技に驚いたザドゥは、依頼の再見積もりを口にしながらノールたちの前から姿を消し、次の襲撃を示唆した。
サレンツァ家の崩壊の兆し
- ザイードの危機感と「忘却の巨人」の計画
サレンツァ家当主ザイードは、一族の権威が揺らいでいることに強い危機感を抱いた。始源ゴーレムの喪失はサレンツァ家の力の象徴が失われたに等しく、彼は再び支配力を取り戻すために「忘却の巨人」という強力な兵器の起動を決意した。 - 母の失望と怒り
ザイードの母は、息子たちの失態に苛立ちを隠さず、彼らの無力さを嘲りながらも権力を守るために強硬手段を取るよう説き続けた。彼女はサレンツァ家が栄光を取り戻すことを望んでいたが、続く不穏な事態にさらなる怒りを抱いた。 - 全滅報告による動揺
息子たちは全滅した始源ゴーレムの映像を『物見の鏡』で目の当たりにし、その状況が自らの意図を超えて崩れ去ったことに愕然とした。彼らはゴーレムが次々と破壊される異様な光景に恐怖を覚え、強敵の存在を実感した。 - 母と兄弟の絶望と恐怖
全てのゴーレムが壊滅した後、映像に現れた男が鏡越しに彼らを見据えたかのように感じた兄弟と母は、その視線に戦慄を覚えた。母は激怒し、『物見の鏡』を叩き壊すほどに取り乱し、彼らの未来に暗雲が立ち込める様相を呈していた。
ノールとシャウザの連携
- 街外れでのリーンとの合流
砂漠の戦いを終えたノールとシャウザが街外れに戻ると、リーンが出迎え、ノールの無事を確認した。イネスも現れてシャウザに謝罪し、今後の防衛について話し合った。 - ロロの魔物解放
ロロは砂嵐で怯えた魔物たちを一時的に外へ出し、ノールに魔物を指輪で操作する方法を教えた。ノールはこの技術に感銘を受け、館内の一部魔物の移動を許可した。 - シレーヌとシャウザへの感謝
シレーヌはノールとシャウザの無事を確認し、感謝の意を示した。シャウザは冷淡に答え、任務として遂行したのみだと述べて立ち去った。 - 中央講堂での報告と従業員への挨拶
ノールは従業員たちにゴーレムの脅威が去ったことを告げ、館内に平穏をもたらした。従業員たちは彼のユーモアある言葉に笑みを見せ、安堵の空気が広がった。
シンの帰郷と集落の変化
- シンの届け物と集落の変貌
シンはノールから預かった革袋を獣人集落に届けることを依頼され、故郷である北方の集落に向かった。久々に訪れた集落は発展し、警備も強化されていることに驚いた。 - カイルとの再会と恩人の存在
シンは旧知のカイルと再会し、集落が隣国クレイス王国の支援を受けて発展したことを知った。砂漠に水路が通り、作物が育つ奇跡のような発展をもたらした支援者への感謝が語られた。 - 襲撃への柔軟な対応
集落が襲撃を受けた際、非殺傷性の罠で敵を無力化し、平和的な対応を維持した。捕らえた襲撃者たちには食事を与え、集落は平和を守りながらも強固な防衛体制を整えていた。 - ノールの贈り物と無税の喜び
シンが持参した革袋には「王金貨」が入っており、ノールの手紙には集落が今後百年間無税であることが書かれていた。この知らせは長老やカイルを驚愕させ、集落の発展に大きな希望を与えた。 - 集落の未来計画
長老とカイルは無税の恩恵を活かし、集落全体の拡大と発展を計画することを決意。近隣集落への使者を送り、同胞との連携を強化する未来を展望した。
副団長たちの大感謝祭
- レイの初めての姿と感謝の表現
【隠密兵団】副団長レイは、【魔術師兵団】副団長メリジェーヌと【僧侶兵団】副団長マリーベールに初対面で感謝の意を伝えた。レイにとって、人前で姿を見せるのは初めてであり、メリジェーヌが作成した『魔導具』のおかげで透明化の恩寵が一時的に解除され、その姿を現せたことに深い感謝を抱いた。 - 三人のブレスレットとレイの美しさ
3人は、姿を見せる効果を持つブレスレットを身につけていた。レイの姿が見えることで、メリジェーヌとマリーベールはその美しい容姿に驚き、彼女の存在を改めて称賛した。日常では「幽霊」として見られるレイにとって、普通に会話ができるこの状況は新鮮で特別な体験であった。 - マリーベールの提案でケーキの食べ放題
マリーベールの提案で3人はレストランに入り、ケーキの食べ放題に挑戦した。注文が進む中で、レイは普段他人に気づかれにくい存在であるため、メリジェーヌが代わりに注文を行い、彼女にケーキを運ばせた。 - レイの過去とカルー団長への感謝
レイは、幼少期から存在が周囲に認識されにくく、苦労してきた過去を語った。唯一、彼女を見出し雇ったのが現在の上司カルー団長であり、彼への恩義から現在も隠密兵団で働いていると話した。 - レイの謙虚な喜び
彼女は、日常を共にできることを控えめに喜び、その姿にメリジェーヌも心打たれた。マリーベールもケーキを次々と楽しみ、食事会はレイにとってかけがえのない時間となった。
その他フィクション
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