どんな本?
リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。
物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。
物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。
彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。
この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。
最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。
読んだ本のタイトル
リビルドワールド I〈下〉 無理無茶無謀(2)
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ 氏
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あらすじ・内容
銃と瓦礫と科学の世界で巻き起こる、バトルアクション!
電撃《新文芸》スタートアップコンテスト《大賞》受賞作、第2弾!!
リビルドワールドI〈下〉 無理無茶無謀
旧世界の遺跡で出会った謎の美女《アルファ》の助けでようやく正式なハンターとなったアキラ。
アルファのサポートに加え、着用者に驚異的な身体能力を与える新装備《強化服》を手に入れたことで、アキラはハンターとして飛躍的に成長していく。
そんなアキラに新たな試練が待ち受ける。荒野を巡回中の急報――それは遺跡から大規模なモンスターの群れがクガマヤマ都市へ侵攻しているというもので!?
無理無茶無謀が揃った危険な戦場で、アキラは自らの信念に従い躊躇わず己の命を賭ける!
前巻からのあらすじ
魔獣が蔓延る荒廃した未来の世界で、孤児のアキラの前に突然実体のない女が全裸で立っていた。。
その女、アルファは拡張現実の一種だと云う。
そのアルファの頼みは指定する遺跡を極秘裏にら攻略することらしい。
その為のトレーニング、資金集めを助けるとアルファは云う。
それから始まる2人(?)の冒険。
敵の魔獣は背中にガトリング砲やミサイルポットを装備した魔獣。
さらに同業者のハンターもスキを見付けたら襲ってくる過酷な世界。
アキラは生き残れるのか?
感想
拳銃片手のド素人から、新人ハンターの扱いになり突撃銃を装備して強化服を着用して装備も充実して来た。
でも、あくまで新人の域は出ない程度。
そのせいでアキラをナメた態度で搾取しようとして来る奴が来た。
今度はスラムの一団を傘下に入れて全ての物を差し出せと言う。
それに対して拒否をすると、相手は取引先の商人を殺すと言う。
戦友のカツラギだと思ったアキラは返り討ちに遭うからやめとけと言うが、相手はカツラギではなくアキラを何時も心配しているシズカを殺すと言う。
その瞬間アキラは相手を射殺。
その後、相手の組織のアジトにシェリルと共に乗り込み相手のボスと話し合いをする。
その結果、アキラに殺された奴が勝手なことを言ってただけで、その組織はアキラの全てを奪おうとはしていなかったと判明する。
そして、示談金として高額の金額を相手に支払う事になった。
そんなアキラは都市周辺の探査をする仕事を請け負うのだが、、
そこに魔獣のスタンピードが発生していると報せがあり、探査は中止となり引き返す事になった。
スタンピードに対応している部隊への援軍をしたい奴は勝手に行けと言われてたが、、
大手クランの若手のハンターのカツヤが1人でも行くと言い出して、引率しているハンターと言い争いをし始めた。
結局はカツヤは仲間に説得されて大人しくなったが、、
その時に、エレナとサラがスタンピード迎撃部隊の居ると聞いたアキラは突然1人で救援に向かうと言い出す。
そして、ハンター協会の職員がオフロードバイクを支給して、そのバイクを駆って八面六臂の大活躍。
大型の大砲を積んだ魔獣軍団がハンター達を滅多撃ちしていたのだが、その集団にバイクで突貫して最大規模の大砲を積んだ魔獣を撃破。
その結果、多額の報酬を獲得する。
その報酬でさらに突撃銃(予備)と装甲の硬い魔獣用の銃を購入して持ち歩く。
そんな彼をスラムの連中は避けて通るようなった。
それに脅しに来たスラムの組織の幹部を撃ち殺して相手組織に殴り込んだ事も有名になっており、彼を腫物扱いするよになった。
チョット前まで無力で何も出来なかった少年は強くなったがハンターとしてまだまだらしい。
ついでに火力もまだまだ足りない。
個人で戦車を駆ったりしないと一人前とは言えないらしい。
更に身体も義体化しないと、、
まだまだ先は長い。
強さも、金も足りない。
そんな彼を見守るアルファの目的とはなんなんだろうか?
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
第15話 感謝と負い目
アキラは真っ白な夢の世界で、アルファと遭遇する。アルファは無表情で、過去の試みが失敗したことを繰り返し述べる。彼女が「499回目。実行中。未到達。経緯確認中」と話すと、世界は暗転し、アキラの意識は薄れていく。目覚めたアキラは、自分が見知らぬ部屋であることに気づき、アルファと再会する。
サラが入室し、アキラが彼女とエレナの家にいること、彼の体調が良いことを確認する。サラはアキラに対し、彼の荷物が安全であることを伝え、服を洗濯してあることを告げる。
アキラはカツラギとエレナの間で行われる緊急依頼の報酬に関する厳しい交渉を目撃する。エレナはカツラギから即金での支払いを要求し、カツラギは支払いが遅れることを認めざるを得ない状況に追い込まれる。交渉はエレナとサラが追加報酬を得てカツラギの護衛を続けることで合意に至る。
アキラはサラがラグナロックという高価な銃を発見し、その銃が報酬の不足分を補うことになる可能性に興奮する。しかし、アキラはモンスターとの戦いの後遺症で突然力を失い、意識を失ってしまう。アルファはアキラに心配するなと言い、彼は安心して意識を失う。
アキラが意識を失う前のことを思い出したが、エレナ達の家で寝かされていた理由は分からなかった。アルファから、サラに詳細を尋ねるよう勧められる。サラはアキラに、彼が倒れてから3日経ったこと、そして命に別条はなかったことを説明する。エレナ達はアキラを自宅に連れ帰り、回復を待っていた。アキラの昏倒は回復薬の過剰摂取が原因であり、エレナ達は医療機関への搬送を避けた。アキラがサラに報酬の支払いを心配するが、サラはそれを気にしないよう伝える。
その後、サラはシズカの店を訪れ、旧領域接続者について話を聞く。シズカはサラに旧領域接続者が旧世界のネットワークに接続でき、遺跡の情報を得られることなどを説明する。しかし、その能力を公にすることの危険性も議論される。サラはアキラが助けたのか確かめたいが、シズカはそれを明かさない。エレナからも旧領域接続者の詳細を聞き、サラはアキラが旧領域接続者である可能性について考えるようになる。
サラがアキラにクズスハラ街遺跡での助けがアキラによるものか尋ねた際、アキラはその事実を隠していたが、サラの真剣な問いかけに圧倒されてしまい、最終的に助けたのが自分であることを認めた。サラはアキラに深く感謝の意を表し、アキラもそれに応える形で、お互いに運が良かったとして事を収めた。食事中には、サラがアキラに過去のハンターとしての経験や、ナノマシン系身体拡張者としての自身の特性について語る場面があり、アキラはサラの話に興味深く耳を傾けた。また、サラはアキラに対し、エレナ達の助けに対する報酬として、緊急依頼の代金を先払いすることを提案し、アキラがそれを受け入れた。その後、二人はハンター稼業に関連する雑談を楽しみながら食事を共にした。
アキラがサラの家を後にする際、彼はサラに礼を言い、サラはアキラに対しエレナに今日の話をしても良いかと尋ねる。アキラはそれを許可し、サラはシズカがアキラのことを知っていたことに気づく。サラはアキラに感謝し、彼が装備品で迷ったらシズカのお勧めを信じると良いとアドバイスする。アキラは宿に帰ると罪悪感や負い目に苦しみ、アルファはアキラに心を開放するよう励ます。アキラはエレナ達を助けたことに対する感謝の言葉が辛かったことを告白し、アルファはアキラが将来的にエレナ達をちゃんと助けることで解決されると助言する。アキラは次にシェリルのことを思い出し、彼女の拠点に行くことを決意する。
第16話 後ろ盾のハンター
スラム街にあるシェリルの新たな徒党の拠点は、かつてシベアの徒党に属していた子供達で構成されている。シェリルは自身がアキラの後ろ盾を得たことで、他の徒党からの嫌がらせを受けていない。しかし、アキラが予定した訪問日に現れず、徒党内でのシェリルの立場は不安定になり、子供達の間に疑念が生じていた。ある日、アキラが訪問し、シェリルと話をすることになるが、エリオという少年がアキラに対して攻撃を試みる。アキラはこれを軽く避け、エリオを制圧し、徒党のメンバーに対してシェリルがきちんと躾けるよう注意を促す。アキラの行動は徒党の子供達に強い印象を与え、シェリルに対する信頼を高める結果となる。
アキラがシェリルを連れてスラム街を抜け、カツラギの移動店舗へ向かった。途中、シェリルは内心でエリオに対する怒りを抱えながらも、アキラに対して引きつった笑顔を保った。アキラはカツラギとの取引を提案し、シェリルの徒党に便宜を図ることと引き換えに、自身が遺跡から持ち帰る遺物をカツラギに売ることを交渉した。カツラギはアキラの提案を受け入れ、シェリルに対しても脅しと忠告を含んだ発言を行ったが、最終的にはシェリルへの支援を約束し、試供品を含む貴重品を提供した。アキラとカツラギの間で成立した取引と、シェリルへの支援の約束は、それぞれの関係性と将来の付き合い方を示唆している。
アキラはシェリルと別れた後、弾薬補充のためにシズカの店に寄り、シズカに抱きしめられる。シズカはアキラの無事を喜び、危険な行為を注意しながらも、その必要性を理解している様子を見せる。エレナも店でアキラと再会し、彼の無事を確認する。その後、シェリルは重い心持ちで拠点に戻り、エリオの振る舞いに怒り、徒党の人数を増やす決意をする。カツラギからの支援物資を徒党に紹介し、アキラのおかげで得られたことを強調する。シェリルは徒党の発展のために必要な厳しい指導を行い、徒党をまとめ上げようと努力する。
エレナが風呂上がりに情報端末を操作しているところを、サラが見て呆れる。サラとエレナはアキラが彼女たちを助けたことを認識しており、エレナはサラがアキラにその事実を強引に聞き出したことを知る。サラはエレナに、アキラの過去について聞かないように、そして他人に話さないようにお願いし、エレナはそれを受け入れる。エレナはアキラの事情を察しており、サラもシズカに情報を求めていたことを認める。エレナはアキラに感謝の意を伝えるつもりであるが、サラの非現実的な空想についてからかう。エレナはサラの気持ちが晴れたのを見て安心する。
第17話 余計なこと
アキラは昏倒から回復した後、遺物収集のために再びクズスハラ街遺跡へ向かった。体調は回復していたが、遺物を多く詰め込んだリュックの重さに苦労しながら帰路につく。アキラはアルファに遺物を少し減らすことを提案するが、アルファはそれを却下し、より良い装備を揃えるためには必要だと説得する。その後、アルファはアキラの視覚に訴えるために異なる衣装を試みるが、アキラの反応は鈍い。
一方、シェリルの徒党から追い出されたエリオは、遺跡から遺物を持ち帰ることで徒党に戻る手土産にしようと考え、賭けに出る。しかし、遺跡でモンスターに遭遇し、攻撃を試みるものの、銃の技量が足りず、最終的に逃げることを選ぶ。瓦礫が散乱する地形でモンスターから逃れることは困難であり、追いつかれるのは時間の問題だった。
アキラが遺跡でエリオを助けることを決め、銃で迫るモンスターを撃退した。助かったエリオは、アキラに感謝するが、自分を助けたのがかつて喧嘩を売った相手だと気づいて複雑な感情に陥る。その後、エリオはアキラが背負っていた重いリュックサックを代わりに運ぶことになる。アキラは遺跡で遭遇したモンスターについてアルファと話し合い、生態系の変化による危険を感じ取る。
遺物の販売では、カツラギとアキラの間で価格交渉が行われ、最終的に800万オーラムでの取引が成立する。エリオはアキラとカツラギのやり取りを見て、スラム街の子供としては想像もつかないような大金のやり取りに圧倒される。
エリオはアキラにシェリルの徒党への復帰を頼むが、アキラの反応は無表情で読み取れない。しかし、アキラはシェリルの所に向かうことを決め、エリオもついていくことになる。カツラギはアキラがエリオを上手く扱っていることに感心する。
シェリル達の徒党は準備が整いつつあり、スラム街の他の徒党からも認識されている。カツラギの協力も得て、徒党としての基盤を固めていた。徒党には多くの少年少女が加わり、シェリルはアリシアを纏め役に任命した。アリシアは清掃などの仕事を管理し、徒党は縄張りの清潔さを保っていた。シェリルは徒党の人数管理に苦労しており、さらなる人員増を目指していた。アリシアはエリオの復帰をシェリルに頼むが、シェリルは当初拒否する。しかし、アキラがエリオの復帰を求め、シェリルはこれを受け入れる。エリオは徒党での新たな役割を与えられ、シェリルはエリオの体験が徒党にとって有益であると考える。アキラの介入によってエリオは徒党に再び加わり、シェリルはその事情を深く追及せず、関わらないことを選択する。
エリオが徒党に復帰し、アリシアから現状の説明を受けていた時、遺跡での出来事を思い出し、アキラが何かを知っているかのような行動について疑問を感じる。しかし、アキラによる「余計なことを話すな」という忠告を思い出し、怖気を感じてしまう。アリシアがエリオの様子に心配し質問するが、エリオは何も問題がないと答え、心に「絶対に話さない」と決める。
第18話 強化服の注文
アキラがシェリルの拠点から宿に戻り、カツラギに売った遺物から得た800万オーラムを受け取る。その大金に喜びつつも、アルファはそれがすぐに使い切られることを告げる。アキラの金銭感覚はまだスラム街の生活に基づいており、800万オーラムを端金とは思えなかった。アルファは、アキラがより高性能な装備を手に入れることで、より難易度の高い遺跡を探索し、さらに大金を稼ぐことを目標としていることを説明する。
翌日、アキラはシズカの店を訪れ、強化服の購入について相談する。シズカはアキラから強化服に関する具体的な要望を聞き出し、800万オーラムの全額を前金で支払うことになる。シズカはアキラの健康を心配し、無理をしないようにと忠告する。アキラはシズカのアドバイスを受け入れ、強化服が届くのを待つことになる。シズカはアキラに強化服を装備すれば、より重い武器も扱えるようになると期待している。
アキラはアルファから、強化服が届くまで都市から出ず、遺物収集や荒野での訓練を中止するという予想外の内容を聞かされる。アルファは、この期間を座学や情報収集の時間として有効利用することを提案し、宿代を節約して収入がなくても大丈夫な状態を維持する計画を立てる。アキラは宿泊費を下げることに不満を示すが、アルファはアキラの不運を過小評価していたことを認め、強化服が届くまでの間、アキラを都市から出さないと断言する。
その上で、アルファはアキラの識字能力向上のための勉強を提案し、成績が良ければ御褒美として服を一枚ずつ脱ぐという冗談を言うが、アキラが反応しないため、逆に成績が良ければ服を一枚ずつ着ていくという条件を出す。アルファは服の描写を消して実際に全裸になり、勉強のモチベーションを高めようとする。アキラはアルファが過度な露出や大胆なデザインの服を着るたびに集中力が削がれるが、約束通り勉強を続け、アルファを比較的真っ当な格好に戻すのに1週間を費やす。
第19話 地雷のような子供
アキラはアルファの勧めで強化服が届くまで宿に籠もり勉強に励んでいた。この期間、彼は宿から一歩も出ずに勉学に集中しており、アルファの助けによって高度な学習環境を享受していた。そんな中、シェリルから他の徒党の者がアキラに会いたいという連絡が入る。アキラはシェリルの要請に応えて拠点に向かうことにした。
アキラがシェリルの拠点に到着すると、ワタバという男がアキラに対し、縄張りを譲るよう要求する。シェリルとその徒党のメンバーはこの要求に反発し、アキラも即座に拒否する。しかし、ワタバが更に脅迫を強め、アキラが泊まっている宿や武器屋の店主を脅かすと、アキラはワタバを撃ち、その場を制圧する。
この行動によって、アキラはワタバの連れとシェリルの徒党のメンバーから恐れられる存在となる。ワタバが所属するシジマの徒党への対処を決めたアキラは、シェリルを連れてシジマのもとへ向かうことを宣言する。この決断にシェリルは衝撃を受ける。
アキラとシェリルは、スラム街の中堅徒党であるシジマの徒党の拠点を訪れる。シジマは、アキラが殺害したワタバの死体と片足を失った部下の状況を目の当たりにし、アキラとシェリルの話を聞くことにする。アキラはシジマに対し、ワタバを殺した理由として、自分を脅したからであり、不必要に殺し合う気はないが、自分を脅す者には容赦しないと伝える。シジマはアキラの冷静かつ冷酷な態度に警戒を強めるが、最終的にはアキラとの間で金銭を介した和解に合意する。アキラは50万オーラムを前金として支払い、残りの50万オーラムを後払いすることで、今回の事件を穏便に収めることになる。シジマは、アキラが生きている間は仲良くする振りをし、残りの金も受け取るつもりでいる。一方で、アキラが死んだら、その徒党は自然と解散するだろうと考えている。事件の原因を作ったシベアへの怒りを再確認しながら、シジマはワタバの死体を捨てるよう指示する。
第20話 心の再構築
シジマとの交渉後、アキラはシェリルを拠点まで送るが、シェリルの精神的な限界によりその歩みは非常に遅く、途中で立ち止まり泣き出してしまう。アキラは戸惑いながらもシェリルを抱きしめ、その結果、シェリルは少し落ち着きを取り戻す。シェリルの精神状態は、過去の厳しい体験やアキラとの関係、最近の出来事により極めて不安定であり、彼女はアキラに助けを求める。アキラはこの状況を理解できずにいるが、結局シェリルを助けることを約束する。その夜、二人は一緒に眠りにつくが、アキラはこの一連の出来事について深く考えず、普段通りに過ごそうとする。アキラは銃の整備を終えた後、翌日に備えて休息を取ることに決める。
翌日、シェリルはアキラよりも先に目を覚まし、彼に抱きつき再び寝ようとする。アキラはシェリルを起こし、彼女は大人しく離れて朝食を共にする。シェリルは前日の騒動について謝罪し、アキラはそれを気にしていないと答える。食事後、シェリルはアキラに抱きつくことを求め、アキラはやや困惑しつつも、彼女の要望を受け入れる。その後、アキラはシェリルを徒党の拠点まで送り、シェリルは徒党の子供たちに昨日の件が解決したことを伝え、彼らを安心させる。シェリルは以前よりも自信と余裕を持ち、徒党を率いていく決意を新たにする。シェリルの変貌にアキラは困惑を覚えるが、シェリルは彼に依存し、より強い絆を求めるようになる。
第21話 頭部装備と勘とオカルト
アキラは、注文していた強化服がシズカの店に届いたと聞き、急いで店へ向かう。店に着いてすぐに強化服を見たアキラは、その見た目と機能に興奮する。強化服は柔らかな黒に近い灰色で、金属製の骨組みが特徴的である。この強化服は2世代前のモデルで、現行品と大きな違いはないが、ソフトウェアの更新支援は終了しており、性能向上は期待できない。シズカは強化服を安全に使用するための注意点をアキラに伝える。
シズカは強化服の頭部装備が基本的にオプションであること、そして一部のハンターが、フルフェイスのヘルメットを避ける理由について話す。それは、高性能なヘルメットを着用すると勘が鈍るというもので、死傷率が上がるという統計もあるという。アキラは自分に合った装備を選ぶことの重要性を理解し、頭部装備については自身で判断することにする。
シズカはアキラが強化服を着用し、その性能を試す手助けをする。強化服を起動すると、アキラはその軽やかな動きと、強化された体力に驚く。シズカはさらに、強化服の使用方法やメンテナンス、弾薬費とエネルギー代の必要性についてアドバイスする。アキラは満足し、シズカに感謝を表し、これからの注意点を心に留めながら店を後にする。
シズカはアキラが強化服を手に入れた速度に驚き、将来有望なハンターになることを期待しつつ、急速な成長が判断を誤るリスクを増やすことを懸念する。アキラは強化服を手に入れて喜ぶが、金銭的には苦境に立たされている。アルファはアキラを過保護にすることを宣言し、荒野での安全を確保するためにハンターオフィスからの依頼を受け、ハンターランクを上げる計画を立てる。
アキラはシズカから頭部装備が勘を鈍らせるという話を聞き、アルファに真偽を尋ねる。アルファは、情報通信の遮断や認識の精度低下によって勘が鈍ることを説明し、これがハンターの生存に影響することを説明する。アキラはアルファのサポートを失うリスクを避けるために、適切な装備選択の重要性を理解する。
アルファはアキラの強化服のカスタマイズを行い、アキラとの通信能力を維持することを優先する。アキラは、難解な説明を避けて、必要に応じて詳細を教わることにする。アルファはアキラの心理状態や人格を観察し続け、彼の成長と保護を最優先に考える。
第22話 強化服の真価
アキラは強化服を着用し、アルファの指導の下で荒野での訓練を開始した。アルファは白いワンピースを着用しており、アキラはその適切でない服装については何も言わないことにした。訓練は強化服の基本的な動作から始まり、アキラが強化服を自在に操るための運動能力を徐々に向上させることを目指した。しかし、アルファのサポートなしでの動作は難しく、アキラは何度も転倒した。
アキラは射撃訓練でもアルファのサポートを受け、想像以上の命中精度を達成した。アルファは強化服を介してアキラの狙いを微調整し、銃の反動を吸収していた。この経験を通じて、アキラはアルファのサポートの重要性を理解した。
その後、アキラは近接戦闘術の訓練を行い、アルファの攻撃を回避する方法や格闘技術を学んだ。アルファはアキラの動きをリアルタイムで補正し、実戦に近い状況を再現して訓練の質を高めた。アキラは強化服の恩恵により、疲労するまで厳しい訓練を続けることができ、最終的には自力で宿まで戻ることができた。アキラは強化服の操作とアルファのサポートによって、より効率的で厳しい訓練を経験し、自身の戦闘能力を向上させていった。
第23話 若手ハンターの認識
クガマヤマ都市の外周部に位置する広場に、ハンターオフィスからの依頼を受けたハンターたちが集まっていた。アキラもその一人で、彼の受けた依頼は都市周辺の巡回であった。この依頼は比較的生存率が高く、基本報酬が支払われる上、討伐内容に応じた追加報酬があるため、駆け出しのハンターにとっては魅力的である。
アキラはアルファの助けを借りて、依頼の手続きを済ませ、指定された場所へ向かう。集合時、ハンターオフィスの職員によって、ハンターたちは車両に案内される。アキラが割り当てられた14番車両では、年齢や経験の差による緊張が生じていた。
カツヤという若手ハンターは、他のハンターたちに年齢を理由に低く見られることに怒り、ハザワと口論になる。カツヤはドランカムというハンター徒党のメンバーで、ハンターランク19を持っていることを自己主張するが、ハザワはドランカムのメンバーがハンターランクを実力以上に引き上げる行為を批判する。
カツヤとハザワの口論はエスカレートし、他のハンターたちも関心を持ち始めるが、ドランカム所属のハンター、シカラベが介入して事態を収束させる。シカラベの介入により、場の空気は落ち着きを取り戻し、車両は巡回の出発を迎える。
この依頼は、ハンターたちにとって実力を示す場でもあり、組織間の力関係や個人間の対立が浮き彫りになる場面もあるが、最終的には協力して任務を遂行する必要があることが示されている。
巡回作業が始まり、トラックは大型の索敵装置を使用して荒野に出発する。アキラは出発前の騒ぎに面倒さを感じていたが、アルファはそれを楽しんでいるようだった。依頼ではモンスターの討伐実績に応じて報酬が決まり、討伐者の識別と報酬の分配は情報収集機器により判定される。ハンターたちはモンスターとの遭遇時に遠距離射撃で対処し、アキラは獲物が出ない左側を担当している。
アキラはドランカムの一員と勘違いされるが、自身の独立性と貯金で購入した強化服の存在を説明する。アキラの目標は依頼の報酬で風呂付きの生活を取り戻すことだった。カツヤは狙撃銃でモンスターを狙うが、標的の弱点には命中させられず、最終的には他のハンターに討伐される。カツヤとアイリは交代で射撃を行い、ユミナは状況を苦笑していた。
一方、アキラはアルファのサポートを受けながら、移動中のトラックから遠距離のモンスターを見事に狙撃する。この驚異的な射撃技術に周囲のハンターは驚き、アキラの実力を認識する。カツヤもアキラの射撃を目の当たりにし、驚きを隠せない。
巡回を終えたトラックが都市に向かう帰路で、アキラはアルファと雑談をしながら他のハンターとの関わりを避けていた。アキラは今回の依頼で得た報酬ではまだ風呂付きの部屋には泊まれないと認識し、アルファと今後の対策について話し合っていた。
トラックの帰路上で、カツヤがアキラへの関心を隠しきれずにいた。ユミナやアイリにその理由を問われ、カツヤはアキラの狙撃技術が気になっていると答えるが、本心は語らない。アキラの狙撃に対するアイリの推測は、偶然や見間違いだとするが、カツヤは納得できない心境だった。一方、ハザワはカツヤたちの様子を不快に思いつつも、アキラの実力に内心で驚き、自らの銃の整備不足を反省する。
カツヤの内心にはアキラへの羨望があり、その技術を素直に称賛することができない複雑な感情があった。カツヤたちはアキラと自分たちの実力の差について考えさせられるが、チームとしての結束を再確認する。
ハザワは自分とアキラとの違いを思い、かつての向上心を取り戻す決意を固める。アキラの射撃能力に触れたことで、ハザワは自分のハンターとしての姿勢を見直し、再び成り上がることを誓う。彼は自身が運があると感じ、今回の出会いを新たな出発点として、自分自身を改めることを決意する。
第24話 統企連の依頼
アキラたちが巡回から広場に戻り、アキラはアルファからの労いを受ける。依頼の完遂手続きを済ませ、報酬を確認する中、エレナと再会し、礼を言われる。エレナはアキラへの信頼を表明し、アキラもそれに応える。エレナはアキラに油断しないよう注意し、再会を約束して去っていった。
エレナとの会話を終えた後、アキラは深い感情に包まれ、アルファの励ましを受けて次の巡回依頼に向かう。再び14番の車両が指定され、アキラはその数字に思いを馳せる。巡回中、アキラの精密な射撃技術が注目される。巡回終了後、アキラは追加報酬を期待し、風呂付きの部屋に宿泊することを楽しみにしている。一方、エレナたちは統企連からの緊急依頼を受け、カツヤたちとの約束をキャンセルする。シカラベは当初不快感を示すが、統企連からの依頼であることを知り、エレナたちの決断を受け入れる。カツヤはこの変更に失望するが、サラの胸元に目が行き、仲間からからかわれる。
シカラベがエレナたちのキャンセルをドランカム側に伝えた後、カツヤたちにその日の計画を説明する。解散するか、シカラベと一緒に再び巡回依頼を行うか選択することになり、カツヤは巡回を続けたいと提案する。ユミナは反対するが、最終的にカツヤの意見が決定する。シカラベはこの状況に不満を感じながらも、ドランカムに連絡して手続きを進める。
一方、エレナとサラは統企連からの緊急依頼に備えて準備を進める。統企連からの依頼の背景や目的については不明だが、しっかりと準備を整えていくことを決意する。エレナはアキラに感謝の意を伝えたことで心が軽くなったとサラに話し、二人は互いの将来に向けて前向きな姿勢を確認し合う。
第25話 無理無茶無謀
巡回依頼中のアキラがアルファによって起こされ、キバヤシと軽く会話を交わす。アルファはアキラに機嫌を損ねられており、アキラはそれに対して謝罪する。その後、モンスターとの遭遇がない中、アキラはアルファに対して日頃の感謝を伝える。アルファはそれに対して微妙な反応を示し、アキラが率直な感想を述べる。
一方、カツヤたちはアキラの存在に気づき、彼の行動を見守っていた。トラックがクズスハラ街遺跡からのモンスターの侵攻に関する緊急依頼のために停止し、ハンターたちに都市防衛の支援を求める。キバヤシはハンターたちに都市に戻るか支援に向かうかを選択させるが、ほとんどのハンターは都市への帰還を選択する。しかし、カツヤは少数派として支援に向かうことを選ぶ。
カツヤは緊急依頼の受諾を巡ってシカラベと激しく口論し、キバヤシが介入して時間が来たことを宣言する。カツヤは唯一手を挙げるが、他の全員が都市への帰還を選択し、カツヤは荷台から降りようとするが、ユミナに止められる。ユミナはカツヤに銃を向け、本気で止めようとする。カツヤはユミナとアイリの説得により諦め、トラックは都市に向けて出発することになる。
一方、アキラはエレナ達の危険を感じて緊急依頼に単身で応じることを決意する。キバヤシはアキラの決意を認め、小型バイクを提供し、アキラは緊急依頼に向かう。アキラの行動は荷台の他のハンター達に様々な感情を抱かせる。
カツヤはアキラが緊急依頼に向かう姿を複雑な感情を持って見守り、自分がやりたかったことをアキラが実行していく様子に悔しさと羨望を感じる。
第26話 救援に来た子供
アキラがバイクで緊急依頼の戦場に向かい、荒野を高速で走行している様子が描かれている。運転技術は素人未満ながら、アルファがアキラの強化服を操作しているため、バイクを高度に操り、驚くほどの速さで進んでいた。アキラはこのバイクが非常に高性能だと感じ、アルファはその性能を褒め称える。戦場に近づくにつれ、銃声と爆発音が聞こえ、モンスターの群れと戦うハンター達の姿が見え始める。
戦場に到着したアキラは、トラックを中心とした地域に散らばるモンスターの肉片や残骸を目にし、その量の多さに驚く。しかし、アルファは冷静で、アキラにバイクに乗ったまま適切な体勢を取りながら、モンスター達を狙撃するよう指示する。アキラはアルファのサポートを受けながら、モンスターの弱点を狙って精密射撃を行い、次々とモンスターを撃破していく。敵がアキラに攻撃目標を変更しても、バイクの機動性を活かして距離を保ちつつ、一方的に攻撃を続けることができた。
彼の到着に当初は疑念を持つハンター達もいたが、彼の射撃技術やバイクの運転技術を目の当たりにし、彼の支援を受け入れる。彼の助けにより、ハンター達は残っていたモンスターを効率的に倒し、局面を打開する。アキラはトラックに向かい、負傷者の治療に回復薬を提供する。ハンター達は彼が一人で救援に来たこと、及び彼の年齢に驚くものの、ハンター稼業において年齢が重要でないことを認識している。アキラは彼らに対し、価格交渉は後回しにして治療を優先するよう申し出る。ハンターオフィスの職員が既に亡くなっているため、救援状況については彼らも不明であった。アキラの提案により、彼らは彼のバイクでの早急な到着を評価し、少しは状況が改善されたと考える。
第27話 キャノンインセクト
アキラとハンターたちは協力して、モンスターの群れと機械系モンスター「キャノンインセクト」を撃退し、一時の平和を取り戻す。しかし、新たな敵としてより大型のキャノンインセクトが出現し、アキラは再び戦いに挑む。彼はバイクで突撃し、アルファのサポートのもと、巨大なキャノンインセクトを倒すことに成功する。しかし、アキラは戦闘の最中に右足を酷く負傷し、強化服のエネルギーをほぼ使い果たしてしまう。戦いが終わり、アキラは回復薬を使用して負傷を治療し始めるが、突然、生きていたモンスターに襲われる。アルファの迅速な対応で何とか危機を脱し、アキラは自分自身でモンスターを倒す。ハンターたちはその勇気と行動力に感謝し、彼の助けを称える。アキラは疲労と痛みに襲われながらも、ハンターとしての役割を全うし、今後も成長していく決意を新たにする。
アキラと他のハンターたちはキャノンインセクトたちの襲撃を退けた後、再び救援を待つ状態になる。アキラは負傷を理由に休憩を取りつつ、次の戦闘に備えて強化服のエネルギーパックを交換し、AAH突撃銃の弾倉を準備する。彼の働きが認められているため、他のハンターたちからの文句はない。やがて救援部隊が到着し、アキラはキバヤシと再会する。キバヤシはアキラの行動を聞いて驚き、彼の働きに感心する。アキラはキバヤシから緊急依頼の完了手続きをされ、報酬について心配しつつも、安心するよう促される。アキラは都市に向かい、キバヤシはアキラの戦歴評価データに異常がないかを確認しようとする。アルファはアキラの行動原理について考えながら、彼の行動を観察し続けることを決める。
第28話 100億あっても端金
巡回依頼から帰還したハンターたちで溢れる広場で、アキラは生還を実感し、アルファと共に報酬の遅れによる現実に直面する。疲れたアキラはシェリルの拠点にバイクを預けることにし、シェリルは喜んで応じるが、アキラは早々に宿に戻ることを選ぶ。翌日、報酬が振り込まれていることを知ったアキラは、シズカの店で新たな装備としてCWH対物突撃銃を購入し、シズカからAAH突撃銃愛好家とコロンについて学ぶ。シズカはアキラの未知なる知識に驚くが、親切に教えてくれる。アキラは新たな知識と装備を手に、今後の活動に向けて準備を整える。
第29話 シジマの評価
アキラは風呂付きの宿に泊まることにし、休む宣言をする。しかし、アルファからシェリルにバイクを預けたことの説明やシジマに和解金の残金を払う必要があると聞かされ、渋々それらの用事を先に済ませることにする。スラム街を歩くアキラは、新しく購入した装備により歩行が困難になっているが、それも訓練の一環としている。シェリルの拠点に到着したアキラは、和解金の残金をシェリルに渡し、バイクを引き続き預けることを伝える。その後、シェリルから風呂への誘いを断り、宿に戻ることを選ぶ。シジマとの交渉では、シェリルが自信と余裕を見せ、シジマから縄張りの一部を譲渡される代わりに100万オーラムを受け取り、今後の協力関係を築くことになる。シジマはシェリルの変貌に不安を感じつつ、その源泉を探る。
アキラは宿の風呂で疲労を癒していた際、アルファと今後のハンター稼業についての話をする。アルファはアキラに怪我を避け、回復薬に頼った行動を控えるよう忠告する。アキラが使っていた回復薬の在庫が少なくなり、新たに購入した回復薬は性能が劣るため、負傷した際の完治には長い時間が必要になるという。アキラは高価な回復薬を再度探す提案をするが、アルファはクズスハラ街遺跡のモンスターの分布が変化しており、現在のアキラには危険すぎると反対する。二人はこれからは慎重に行動し、他の遺跡も探索することを決める。アルファの提案にアキラは体力増強のために走ることを拒否し、二人の間で軽妙なやり取りが繰り広げられた。
第30話 各々の結果
クガマヤマ都市の外れには、ハンター徒党ドランカムの拠点があり、その規模は屋内射撃場を含む大型の倉庫や建物が立ち並ぶほどである。カツヤは、その射撃場で射撃訓練に励んでいたが、訓練の成果が上がらず、自分を責める心境にあった。休憩もせずに続けるカツヤを、ユミナとアイリが心配しながら見守っていた。カツヤの疲労は精神的なものであり、先日の大襲撃で友人を失った自責の念に駆られていた。
一方、ドランカムの幹部であるシカラベは、友人であるアラベによって呼び出された。アラベは、シカラベにカツヤたち若手ハンターの話を聞きたいと告げる。カツヤたちは任意参加で大襲撃に参加し、良い戦果を挙げたが、3人の犠牲者を出した。シカラベはカツヤたちの才能を認めつつも、彼らの成長のために危険を冒すことには否定的であった。アラベは、カツヤたちの指導者としてエレナとサラの名を挙げ、シカラベは彼女たちが適任であると認めるが、組織内の経理や管理の問題について不満を口にする。
シカラベとアラベの間では、ドランカムの組織運営における不満や若手ハンターの成長への期待が語られ、カツヤたちへの指導者選びが進められた。
エレナとサラがシズカの店で弾薬補充をし、疲労が顕著な様子を見せていた。特にサラは、ナノマシンの消費が激しく、胸部のナノマシン予備分まで使い切っていたことから、彼女たちが激戦を経験したことが伺えた。エレナは今回の戦闘で迷彩を持つモンスターの索敵役を担い、その疲労と共に報酬への満足を示しつつ、強化服を購入することを検討していた。シズカは、強化服の選定は専門店で行うよう勧めたが、エレナはシズカに選んでもらいたいと強く希望した。
一方で、クズスハラ街遺跡の奥部を目指す武装集団が描かれており、その集団は統一された高度な訓練を受けた動きを見せていた。ヤナギサワという男が主導し、彼らの動きは計画的であった。この集団は、統企連の黙認のもと、建国主義者とされるアルフォト団の構成員を利用して都市へのモンスターの襲撃を引き起こしていた。この行動は、都市の防衛隊に活躍の場を提供し、同時に遺跡の探索を容易にするという複数の目的を持っていた。ヤナギサワは、この作戦によって人類の進歩と発展に貢献していると自負していたが、彼の真の目的は部下たちにも秘密にされていた。
大襲撃から数日後、アキラは荒野へ向けて出発する準備を整えた。休息を取った後のアキラは疲れを感じておらず、ハンターとしての活動を再開するために、強化服を着用し、武器と機器を携帯してシェリルの拠点へと向かった。目的は預けていたバイクの回収である。シェリルはアキラの訪問に対して親しみやすい態度で応え、彼女なりにアキラの気を引こうと試みたが、アキラの反応は鈍かった。アキラはバイクに機器を装着し、荒野へと向かった。
アキラはスラム街を抜け、荒野に入るとすぐにバイクの運転に苦労するが、アルファのサポートによって何とか乗り切る。強化服、武器、バイク、そしてアルファという協力者を得て、アキラの装備は大きく向上していた。しかし、アルファの依頼を達成するにはまだ十分ではなく、アキラは他のハンター達と同じく富と力、名声を求めて荒野へと進んでいく。アキラとアルファのハンター稼業は、これからも続くことになる。
閑 話 境界都市の少女達
ファラゲルト都市は、東部と中央部の交易を担う半自治都市である。都市外の立入禁止区域は見えない壁と呼ばれ、無警告での攻撃が許可されている厳格な境界線である。都市は巨大な防壁で3区画に分けられ、混合区画では東部の技術により、中央部では治せない病も治療可能だ。この物語では、中央部の少女が難病を患った親友を救うため、混合区画にある総合病院に連れてきた。治療後、親友は目に見えて回復し、二人は久しぶりに共に食事を楽しむが、親友は東部の技術によって体内にナノマシンが導入されたため、中央部には戻れなくなる。
親友の悲しみに対し、少女は親友と一緒に東部に留まることを宣言し、一緒に新たな生活を始めることを提案する。二人はハンターとして生計を立てることを決意し、そのために必要な装備を調達する計画を立てる。二人が東部での生活を始める決意を固める中、未来への不安を一時忘れて、楽しげな雑談でその日を終える。
エレナとサラは、ファラゲルト都市の検問所で東部区画への越境を試みる。越境希望者は事前に審査手続きを済ませることで検問所での手続きが簡略化されるが、身分証のない貧困層は簡単な審査で越境できるものの、東部で真面目な職に就けない。エレナ達の前に知人のパラッドが現れ、エレナが計画していた工作を見抜いていたことを明かし、サラを連れ戻す意図を示す。パラッドはエレナ達の敵であり、サラを中央部に連れ戻すために現れた。
エレナは、サラが治療で禁輸指定のナノマシンを投与されたため、中央部への帰還が不可能であるとパラッドに告げる。パラッドは、生死を問わずにサラを連れ帰る命令を受けていたが、エレナはサラを守るために抵抗する。エレナの攻撃が軍用の防護服を着たパラッドに効かない中、サラが意外にも強力な一撃でパラッドを倒す。サラは治療で投与されたナノマシンが身体能力を強化していたことを思い出し、その力でエレナを助けた。サラが使ったナノマシンは身体能力を強化する効果もあったが、その使用によってサラの胸が縮んでしまう。エレナはサラの行動に驚くが、最終的には二人とも助かったことで喧嘩のように言い争いながらも笑い合い、再び検問所に向かう。
検問所を抜けたエレナとサラは、都市の東部区画のスラム街に到着する。貧困層向けの出入口を通った影響で、彼女たちは東部区画の貧しい環境に直面する。中央部に住んでいたサラにとっては新鮮な光景だが、エレナは気構えていた光景と変わらないことに気付く。二人は早速ハンターオフィスで登録を済ませ、ハンターランク10のハンター証を受け取る。彼女たちはその後、装備を調え、正式に素人ハンターとなる。エレナは情報収集機器などを、サラは身体能力を活かせる大きめの銃を選び、二人の戦い方の方向性が決定する。互いにハンターとしての道を歩むことを誓い合う彼女たちは、この日から東部のハンターとしての生活を始める。これはエレナ達がアキラと出会う何年も前の出来事であった。
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