小説「リビルドワールド VI〈上〉 統治系管理人格 9」感想・ネタバレ

小説「リビルドワールド VI〈上〉 統治系管理人格 9」感想・ネタバレ

どんな本?

リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。

物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。

物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。

彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。

この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。

最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。

KADOKAWAオフィシャルチャンネル
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読んだ本のタイトル

リビルドワールド  VI〈上〉 統治系管理人格
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ  氏

gifbanner?sid=3589474&pid=889059394 小説「リビルドワールド VI〈上〉 統治系管理人格 9」感想・ネタバレBOOK☆WALKERで購入gifbanner?sid=3589474&pid=890386137 小説「リビルドワールド VI〈上〉 統治系管理人格 9」感想・ネタバレ

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あらすじ・内容

旧世界の存在、そしてアキラとユミナの邂逅がもたらすものは――

 ハンター稼業を再開したアキラは、アルファに案内されたクズスハラ街遺跡の奥部で、黒いドレスを身に纏った美女と出会う。
 遺跡の管理人格を名乗るツバキは、アルファに対しても不機嫌な態度を隠すことなく……。
 その後、アキラはクガマヤマ都市からハンターランク調整依頼を受けさせられるが、同行者としてユミナが選ばれ……!?
 クガマヤマ都市、ドランカム、そして旧世界の存在であるアルファとツバキ。様々な者達の思惑は、より多くの者たちの望みと運命を巻き込んでいく。
 怒涛の連続刊行で贈るシリーズ前半戦、クライマックス!

リビルドワールドVI〈上〉 統治系管理人格

感想

アキラがアルファに導かれクズスハラ街遺跡で出会った管理人格のツバキとの邂逅。

彼女はアルファに対して明らかに不機嫌な態度を隠さず、アキラに対しても複雑な感情を抱いている。
メンのクレあいをするアルファとツバキ。
怖いよ、、、
この時からツバキはアキラに興味を持つ。

アキラはツバキから旧世界の情報端末を受け取り。
その情報端末はシェリルの遺物販売店で販売されることになり、それが原因でシェリルとクガヤマ都市の上役が情報屋ヴィオラの策略により混乱に巻き込まれる。

そして、大規模抗争の決戦兵器として、2つの重工業のデモンストレーションとしてスラムで暴れた人型兵器を個人で撃破したアキラには、

人型兵器を倒したハンターにしてはハンターランクが低く。
このままでは人型兵器は、低ランクハンター個人以下の装備だとレッテルを貼られてしまう。

そこで2社は、アキラをハンターランク詐欺だとクレームを付け。

それを受けたクガマヤマ都市からアキラへ、ハンターランク調整依頼が出された。
その依頼の護衛対象として、ドランカムが採用している強化服の営業も兼ねて選ばれたユミナがアキラと同行する。
だが、そこはアキラ、、
彼はまたやらかしてくれる。

物語は、アキラとユミナの関係深化、そしてユミナはアキラ(アルファ)のトレーニングを受けて強くなって行く。

アキラのハンターランク調整の過程での戦闘、そしてアルファとツバキの間の複雑な関係に焦点を当てている。
アキラは新たな装備を手に入れ、強敵に立ち向かいながらも、自身の立場と役割について深く考えるようになって行く。

結末では、アキラとユミナは任務を成功させ、アキラのハンターランクは適切な位置に調整される。
しかし、ツバキの存在やアルファとの関係、さらにはクガヤマ都市やスラム街での動きなど、解決すべき多くの問題が残されている。
物語は、「統治系管理人格」という新たな要素を投じることで、シリーズの物語をさらに深く、複雑にしている。

アキラの成長と彼を取り巻く人々の関係性、そして旧世界と現世界のつながりが、今後の展開において重要な鍵を握っている。
読者はアキラが次にどのような行動を取るのか、そして彼の運命がどうなるのかについて、続編に大いに期待を寄せている。

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備忘録

第145話 ツバキ

スラム街で朽ち果てる運命から脱した少年アキラは、不思議な女性アルファとの出会いによって、ハンターとしての道を歩み始める。アルファの支援で飛躍的に強くなったアキラは、スラム街の大抗争に巻き込まれ、人型兵器との戦いで注目を集める。しかし、その強さがアルファの力に依るものであることに罪悪感を感じる。

アキラはハンター稼業を再開し、新装備と共に荒野を駆ける。アルファの案内で、通常では考えられない壁面走行などの特技を駆使しながら、クズスハラ街遺跡の奥部に位置する旧世界の都市へと進む。そこでは、管理人格ツバキに出会い、ビル内へ案内される。

第146話 廃棄品と、ある配慮

アキラは、アルファと共に未知の領域へと踏み込むことになるが、アルファの挙動やツバキの反応から新たな疑問を抱える。目的地である高層ビルの内部で何が待ち受けているのか、アキラにとっては未知数であり、その先には大きな挑戦が待っていることが示唆される。

仮想空間でツバキがアキラ達の動きを監視していた。アキラ達がツバキの管理区画から出ると、モンスターの抑制を解除し、アキラはウェポンドッグの群れと遭遇する。アキラは強化服とアルファの運転技術を駆使して激しい戦闘を展開し、大型のウェポンドッグや機獣を撃破する。戦闘中、アキラは遺物を保護しようと苦心し、結局成功する。ツバキはアキラの強さを認識し、興味を持つが、彼の若さと信頼性を利用しようと考える部分もある。

第147話 旧世界製の情報端末

2週間前、アキラはツバキハラビルでの遺物収集を終え、その一部をリュックに詰めてシェリルの拠点に向かった。スラム街を通過する際、その見た目から他の者たちに道を譲られる。シェリルの拠点近くでは、スラム街の通りが異例の賑わいを見せていた。アキラは拠点の裏にある新しい倉庫に向かい、カツラギと彼の商売仲間たちが待っていた。アキラは遺物を見せ、カツラギたちは鑑定を始める。中には旧世界製の情報端末と思われるものが含まれていたが、鑑定は難航する。

ヴィオラが現れ、アキラに対して旧世界製の情報端末を6億オーラムで買い取る提案をする。カツラギはこの提案に対抗できず、結局、ヴィオラの手に遺物は渡る。シェリルとユミナは、アキラが得た6億オーラムという大金に複雑な感情を抱く。シェリルは遺物販売店をさらに発展させることを決意し、ユミナはアキラの力に新たな興味を持つ。アキラの遺物収集能力と彼が直面する高難度の遺跡の探索に注目が集まる。

第148話 シェリルの遺物販売店

アキラはツバキハラビルから持ち帰った遺物を売り、6億オーラムを手に入れた後、シズカの店に新たな装備を買いに行った。そこで、既に持っているSSB複合銃の大きさに不満を持ちつつも、その威力には満足していたことを話した。結果として、同じSSB複合銃を2挺更に購入することになり、1挺は普通の使用、もう1挺は擲弾を使用する改造を加えることにした。これらの銃の購入には2億オーラムが必要だが、アキラはそれを支払う余裕があった。

一方で、ヴィオラはアキラから買い取った旧世界製の情報端末をシェリルの遺物販売店でどう扱うか計画を立てていた。詳細な鑑定の結果、これらの情報端末が全て本物であることが確認された。ヴィオラはこの情報端末を利用して店を繁盛させるために、ある程度の細工をすることをシェリルに伝え、シェリルはその計画に同意した。

アキラは荒野を東側へ向けてバイクで疾走し、高難易度の地域で遺物収集を行っていた。この活動は、遺物収集そのものが目的であり、ツバキハラビルで手に入れた遺物の出所をごまかすためのものだった。アキラは遺物収集を通じて自身の訓練にもなっていると感じていたが、同時に多くのハンターたちが彼の後を追っていた。これらのハンターたちは、アキラがどこから旧世界製の情報端末を手に入れたのかを知りたがっていた。アキラはこの状況を利用して、遺物の出所を巧みにごまかしていた。

シェリルたちの遺物販売店は、スラム街の一角にある3階建てで、異なる価格帯の遺物を扱うフロアに分かれている。特に高価格帯のフロアは高級店のような内装で、入店制限が設けられている。開店初日には、旧世界製の情報端末を求めて富裕層が護衛を連れて来店した。店側は品物の真贋の判断を客に委ね、高額な商品でもあり、客は価格や真贋について慎重な態度を示した。未鑑定の品もあり、これに対して客と店側との間で交渉が行われた。

ヴィオラは鑑定済みの情報端末を6億オーラムでアキラから買い取り、その後、未鑑定の品に関して客が高額な鑑定料を支払った後、鑑定済みとされた品を更に高い価格で売りつけるという商法を用いた。この方法は賭け事のような形を取っており、客の射幸心を利用している。鑑定に関しても、ヴィオラは差額を儲けるために、偽物の品を混ぜつつ、黒銀屋の鑑定を利用して真偽を操作していた。結果、一部の客は本物を手に入れることができたが、多くの場合、ヴィオラの策略によって利益を得ている。

一方で、アキラはシェリルたちから新たな装備を購入し、工作目的ではない遺物収集を再開する準備が整っていた。再び遺物を売るためにシェリルのもとへ向かい、そこでユミナやキバヤシと再会する。シェリルの遺物販売店は成功を収めているが、その裏ではヴィオラのあくどい商法や、アキラの遺物収集のための工作活動が行われていることが示されている。

第149話 ハンターランク調整依頼

遺物販売店での旧世界製の情報端末の販売は、1個5000万オーラムという高額ながらも、需要の高さにより在庫は減少していた。在庫不足を防ぐために、価格を1個8000万オーラムに引き上げることで対応していたが、これはあくまで集客維持のためで、実際には売れるとは考えていなかった。一方、ヴィオラは工作の成果を期待していたが、期待通りの反応は得られず、少し残念に思っていた。その後、都市の職員がアキラのもとを訪れるが、ヴィオラが期待した内容ではなかった。シェリルとヴィオラが倉庫に向かうと、ユミナとキバヤシがいた。ユミナは以前シェリルの護衛をしていたが、契約は終了しており、今回はキバヤシの用事で同行していた。キバヤシはシェリルに興味を示し、シェリルはアキラの恋人として振る舞っていたが、キバヤシはその関係を疑っていたようだ。アキラが遺物を売りに来たが、直接話をする間もなく、キバヤシに連れられて席を外してしまう。アキラから受け取った箱を開けたシェリルは、多くの旧世界製の情報端末が含まれていることに驚き、ヴィオラもその量に驚いていた。

アキラが遺物の扱いをシェリルに頼んだ後、キバヤシと共に拠点の応接間に訪れ、ユミナも同席する。キバヤシはアキラに対して、都市の役職者として利用できる関係性を示唆し、アキラにハンターランク調整依頼を持ちかける。この依頼は、アキラのハンターランクを実力に見合うよう調整するもので、基本的には断れない強制的な内容であるが、アキラにとっても利益がある。しかし、キバヤシからの説明を受けたアキラは、依頼の背景や条件に複雑な感情を抱く。キバヤシは、アキラがこの依頼を受けることで、八島重鉄と吉岡重工の都合によりハンターランクが調整されると説明する。また、キバヤシはユミナをアキラの同行者として指名し、これが彼女にとっても機領からの強化服の宣伝機会となる可能性を示唆する。ユミナは、アキラと共に依頼を遂行することを自身の意志で決定し、キバヤシはこれを歓迎する。

第150話 奥部のモンスター

アキラがシズカの店に訪れ、大量の弾薬を荷台に積み込んでいた。シズカはその量に苦笑いし、アキラは依頼元負担の弾薬費を得意げに話した。ハンターランク調整依頼を受けたアキラは、キバヤシと交渉し、シズカに大量の弾薬を注文した。シズカは短期間で可能な限りの弾薬を用意し、両者は良い関係を保っている。アキラは今回の依頼で同行者がいることを踏まえ、慎重に行動しようとしていた。シズカはアキラと同行者の安全を願いつつ、店に戻っていった。

アキラはユミナと共にクズスハラ街遺跡の奥部への準備を整え、出発した。ユミナは総合支援強化服の操作装置を車に搭載しており、その車は主に防御力を重視した装甲兵員輸送車である。二人は遺跡奥部攻略のためにクガマヤマ都市が造った後方連絡線を通って進み、ハンターランク調整依頼に対応するため、周囲の状況を把握しながら行動する。しかし、彼らは蜘蛛型甲殻機虫の大群に遭遇し、激しい戦闘になる。アキラは高性能な武器を駆使して群れを撃退し、ユミナも強力な装備で支援するが、最終的には彼女が先に退くことになる。アキラはアルファのサポートを受けつつ、一人で群れを殲滅し、ユミナと合流するために再び動き出した。

アキラはユミナと合流し、ユミナが自分を足手纏いだと思い込んでいることに対して、そんなことはないと慰める。ユミナは自分がアキラの戦闘に貢献できなかったと感じており、落ち込んでいたが、アキラの励ましにより少し元気を取り戻す。二人はその日のハンター稼業を終えて前線基地へ戻り、翌日の活動について話し合う。ユミナは準備に2日要するため、次の活動はそれからとなる。その後、キバヤシが現れ、アキラがその日倒した蜘蛛型甲殻機虫の群れについて話し、アキラに後方連絡線延長作業への参加を勧めるが、アキラはこれを断る。

第151話 ユミナの訓練

2日間の準備期間の後、アキラとユミナは再びクズスハラ街遺跡奥部へ向かった。今回、ユミナがアキラに提案し、アキラが了承したことで、活動はユミナの指揮の下で行われることになった。ユミナは実際には総合支援システムの指示に従っていたが、これにより遺物収集などの活動が効率的に進んだ。遺物を運び出し、運び屋に渡して都市へ運搬させる作業を行った後、アキラ達は前線基地に戻り、食事をしながら談笑した。

ユミナはこの間、自分がアキラや他の仲間達と同じように貢献できていないと感じており、それが自分の実力不足によるものではないかと悩んでいた。しかし、アキラはユミナが自分の実力とは別に総合支援システムを利用していたことを問題視せず、親近感を覚える。アキラ自身もアルファのサポートを受けているが、これを他者に自身の実力だと勘違いさせることに後ろめたさを感じている。

ユミナがアキラの強さの秘密について尋ねたとき、アキラは自分の体感時間をコントロールする能力を挙げるが、これは実際にはアルファのサポートに依存する部分が大きい。アキラはこの点についてはユミナに明かさず、夜が更けるまで続く楽しい会話でごまかすことにした。

ユミナは自室で一日の疲れを感じながら、アキラから聞いた話を思い返し、その過酷な訓練について考えた。アキラが強さを得るためには、体感時間操作技術と強化服の個別操作を組み合わせた独自の訓練方法を実践していることがわかった。この訓練方法は、死の危険を感じることで時間感覚の矛盾を生み出し、それを平常時に再現することで、強化服を用いて人間の限界を超えた動きを実現するものだった。

ユミナは自身の悩みが、訓練の量が足りないことに起因していると気づき、気持ちが楽になった。彼女は自分とカツヤの才能の差を認め、その差を埋めるためにはアキラのような過酷な訓練が必要だと理解した。ユミナは自分が強くなるための方法を知ったことで、意気を上げて前向きな姿勢を取ることができた。

アキラとユミナは、交互にモンスター討伐と遺物収集の日を続けることになった。特にユミナはアキラの訓練を受けながら、遺物収集の日にはアキラから総合支援システムの使い方に関する質問を受け、それが宣伝活動としても機能している。また、アキラもこの機会を利用してハンター稼業の基礎知識を再確認していた。

休みの日にもユミナはアキラから学んだ体感時間操作技術の訓練を独自に試みるが、成功することはなかった。彼女は訓練の難しさを実感しつつも、強くなるための道を模索し続ける決意を新たにした。

第152話 ある一つの正念場

シェリル達の遺物販売店で、ノグチという男が旧世界製情報端末を購入する過程で、価格が下がった理由を店員と軽妙にやり取りする。購入後、ノグチは上司に連絡を取り、遺物の質と量について報告する。その後、ノグチは再鑑定のために黒銀屋を訪れる。

一方で、ヴィオラはアキラから持ち込まれた情報端末を黒銀屋で鑑定に出し、キャロルと共に鑑定完了後に品物を受け取る。店を出る際にノグチが接触し、クガマヤマ都市の代表として話があると伝える。ヴィオラはノグチの正体を見抜き、彼の提案する交渉に対して警戒しつつも、興味を示す。

エレベーターでのやり取りで、ヴィオラがノグチの企みを見抜き、交渉の意味を問いただす。ノグチはヴィオラの賢さを認め、都市の幹部からの個人的な依頼であることを匂わせるが、詳細を明かさない。ヴィオラは情報収集を重視する人物として、今回の件に深く関わることを選択し、ノグチに対策を迫らせる。

ノグチはヴィオラとの交渉に向けて準備を進める一方で、ヴィオラも都市の幹部を引き出すために自らを餌として使う覚悟を見せる。この一連のやり取りは、ヴィオラが都市の幹部を誘き出すための計算された行動であり、彼女の非常に質の悪い性格を反映している。

ノグチがヴィオラに接触してから3日後、シェリル達の遺物販売店では、価格が急激に上昇した旧世界製情報端末の扱いに関して客達が驚きと困惑を見せていた。未鑑定の品がなくなり、鑑定済みの品の価格が1億オーラムに設定されていることが明らかになる。客達はこの価格設定に疑問を抱きつつ、貴重な遺物を手に入れる最後の機会かもしれないと考え、購入を検討していた。

一方、都市の公用車が遺物販売店の前に現れ、シェリルとヴィオラが乗り込む。二人はクガマビルに向かい、そこから荒野仕様の車両に乗り換えてクズスハラ街遺跡の前線基地を目指す。ノグチからは話を外に漏らさないようにと注意されるが、ヴィオラは安心してと答える。

前線基地に到着したシェリル達は、都市の幹部であるイナベと交渉を始める。交渉の内容は、旧世界製情報端末の取引だけではなく、都市の担当区画での遺物収集の支援を求めるものだった。イナベは、シェリルがこの交渉に足る人物であることを認め、交渉を続けることを決める。シェリルは成功すれば、自らの組織と遺物販売店を成長させ、ハンターとしての地位を確立できる可能性があることを理解していた。

イナベとノグチは、シェリルを通じての交渉を決断し、ヴィオラと細かい条件について話し合う。シェリルは交渉を始められたことに安堵するが、イナベはシェリルとの交渉が正しい選択であったかどうかを内心で問いかけながらも、シェリルの能力と覚悟を評価する。

交渉後、シェリル達は再びクガマビルに戻り、その過程でイナベはシェリルに対する評価を再確認する。イナベは、アキラという問題の多いハンターに直接関わることなく、シェリルを介して交渉することの意味を考察する。ノグチもこの決断を受け入れ、情報端末を通じてイナベの件について上司に報告する。イナベは、有能な者が情報を求め続ける現実を反映しながら、交渉の結果を見守る。

クガマビルの上層階でクガマヤマ都市主催の華やかな立食会が開かれ、防壁内外の企業家たちが集まっていた。この立食会は、都市経済を動かす強者たちが情報を集め、商機を広める交流の場となっている。シェリルは、ヴィオラとデイルを伴ってこの立食会に参加していたが、デイルは緊張しており、シェリルとヴィオラは余裕を見せていた。

シェリルは過去にヴィオラに連れられて高級レストランであるシュテリアーナに訪れ、立食会での立ち振る舞いを訓練されていた。この訓練は、都市の富裕層が集まる立食会でスラム街出身の自分が場違いに見えないようにするためだった。ヴィオラはシェリルに厳しい訓練を施し、シェリルはそれに耐えながら令嬢の演技を習得していた。

立食会で、シェリルはイナベと親しげに談笑している様子が他の参加者の注目を集めた。デイルは、シェリルが都市の有力者と繋がりを持っていることに驚き、恐怖を感じていた。また、デイルは他の参加者から親しげに声を掛けられ、その歓談に応じていた。

ヴィオラはイナベ派閥の長であるイナベとの繋がりを匂わせ、周囲に誤情報を流すことで、立食会の参加者の間で様々な反応を引き起こしていた。この立食会は、都市経済の情報戦の一環として、参加者たちが情報を交換し、様々な計算を巡らせている場であった。

ミズハに連れられ、クガマヤマ都市主催の立食会に参加していたカツヤは、緊張した様子を見せていた。この立食会は、都市の幹部や企業の重役などが出席し、その場で不評を買うことは自身の評価に大きな影響を与えると理解していた。ミズハは、カツヤを出席者に売り込んでおり、カツヤの才能と将来性をアピールして新たな支援者を獲得していた。

カツヤは会場でシェリルを見つけ、彼女が都市の幹部、イナベと親しげに話しているのに気づく。ミズハはカツヤがシェリルに声を掛けることを止め、ビジネスの場での慎重さを説明する。カツヤはシェリルとの直接のやり取りを控え、新たな支援者たちとの歓談に戻る。

支援者たちは、カツヤが都市の幹部に声を掛けるためには、ハンターランクが50程度必要であり、遺物収集の実力を示すことが重要だとアドバイスする。カツヤは、シェリルが高い地位の人物であり、プライベートな関係を超えた接点を持つためには自身の成長が必要だと感じ、更なる努力を誓う。

カツヤは、シェリルと普通に会えるようになるためにも、より成り上がることを決意する。これはカツヤにとって自ら望んだ初めての欲であり、彼を強く動かす願いとなる。カツヤは次の遠征を成功させ、都市からの注目を集めることを目指す。ミズハはカツヤの頑張りを信じ、彼の将来に大いに期待していた。

第153話 ユミナの契機

アキラのハンターランク調整依頼から2ヶ月後、彼とユミナはクズスハラ街遺跡でモンスター討伐を行っていた。ユミナの戦闘能力は、総合支援システムの補助を受けながらも、劇的に向上しており、アキラの足手纏いにはならないほどの実力を発揮していた。二人は、同型のバイクと装備でモンスターの群れを撃退しながら、戦闘技術の向上について雑談を交わしていた。

ユミナは自分が強くなったことを認識しつつ、アキラに体感時間の操作に関するコツを尋ねていたが、アキラからは特別なアドバイスを得られなかった。その後、二人は無数のモンスターを撃破し、任務を成功させる。

カツヤとの通信では、ユミナはカツヤの安全を気遣いながらも、彼の経験を参考に自己向上を目指していた。カツヤは他人の危機を自らの体感時間の歪みの契機としており、これがユミナにとって新たな気づきとなる。

ユミナは、カツヤの危機的状況を想像することで、体感時間の操作をマスターするための訓練を開始する。彼女はカツヤの危険を想像しながら、そのスキルを身につけることを決意し、長い夜を過ごすことになった。

アキラはいつもより早く前線基地でユミナとの待ち合わせ場所に到着し、ユミナの遅れを心配していた。しかし、ユミナは約束の時刻ギリギリに到着し、寝不足気味であることを告げる。アキラはユミナの体調を気遣い、遺物収集の任務を控えるよう提案するが、ユミナは自信を持って参加を決意する。二人は高層ビルでの遺物収集に向かうが、ビル内で未知のモンスター群に遭遇する。アキラの体感時間の操作とユミナの総合支援システムを用いた連携でモンスターを撃破し、ユミナは体感時間の操作ができるようになりたいと望む。アキラはユミナに頑張るよう励まし、二人はさらに探索を続ける。

アキラとユミナは廃ビルの最上階である30階に到達するが、高価な遺物は見つからず、モンスターの数は増える一方であった。そのため二人はうんざりとした気持ちでいた。アルファからの警戒の指示に従って慎重に進む中、人の反応を捉え、その方向へ進んだところ、同年代の少年ハンターに遭遇する。その少年は粗悪な装備をしており、彼がどうやってそこまで来たのか疑問であった。少年はアキラ達に気づくと、驚いて左腕を伸ばし、その直後にアキラ達に向けて爆発物を発射する。アキラとユミナは爆発を避け、無傷であった。アキラは追うか迷うが、ユミナの指示で追わずに廃ビルを後にすることにする。帰路についた後、アルファは爆発物を発射した少年がシェリルの倉庫の警備をしていた子供たちの一人、ティオルであることを明かす。ユミナは総合支援システムを通じてティオルに関するデータを調査し、彼が未知のモンスターとして記録されていることに困惑する。

第154話 ティオルの嘆き

大抗争の後、スラム街でティオルが追われる立場に置かれた。彼は以前、情報を漏らしたとしてシェリルの徒党から追放され、命を狙われるようになる。ティオルは追手に追い詰められ、生き延びる望みを失いかけていたが、ヤツバヤシに救われる。ヤツバヤシはティオルに対し、治療と引き換えに自身の実験に協力するよう提案し、ティオルはその提案を受け入れた。ティオルが目覚めると、自分の身体には奇妙な変化が起きていた。彼はヤツバヤシの実験の一環として、身体強化拡張者となっていた。これにより、ティオルは食べ物として金属ブロックを消化するなど、通常では考えられない能力を持つようになる。ヤツバヤシはティオルのこれからの活動に対して、クズスハラ街遺跡の奥部でハンターとしての活動を再開することを提案する。

ヤツバヤシはティオルを乗せた移動診療所でクズスハラ街遺跡の奥部へ向かい、ティオルはそこで遺物収集の治験を行う。ティオルの体には特別な拡張処理が施されており、ヤツバヤシはその安全性を確かめたいと考えている。ヤツバヤシはティオルに治験への協力を促し、ティオルが見つけた遺物はすべて彼のものになると約束する。治験では、ティオルがモンスターに襲われないようにする新しい迷彩機能のテストも含まれている。実際に治験中、ティオルはモンスターに遭遇するが、襲われることはなかった。この成功により、ティオルは遺物収集を続け、多くの貴重な遺物を手に入れる。しかし、ティオルの体は最終的に元に戻される予定であり、ヤツバヤシとの今後の取り決めにティオルは少し不満を感じている。また、ティオルの視界には拡張現実のような文字や記号が表示されるようになっているが、これは何らかの不具合と考えられており、その意味は不明である。

ヴィオラとティオルは、クズスハラ街遺跡の外周部で取引を行うために待ち合わせていた。ヴィオラに護衛されたキャロルも同行している。遺跡の外周部は、遺物が枯渇し始め、モンスターが増えているため、ハンターが減少している場所である。ティオルはヴィオラを通じてシェリル達との和解を望み、自らが狙われることの停止と、シェリルの徒党に加わりたいと依頼する。この依頼をヴィオラが受けることに同意し、報酬の話になるが、ティオルは金銭ではなく遺物で支払うことを提案する。ティオルが持参したリュックサックに詰められた遺物を見たヴィオラは、その価値を見積もり、依頼に必要な金額がティオルの想定よりも遥かに高いことを指摘する。最終的にティオルはヴィオラの条件を受け入れ、前金として遺物をヴィオラに渡す。ヴィオラとキャロルは取引を終えて去り、ティオルはその判断が正しかったのか迷いつつも、決意を固める。

第155話 再構築完了

クズスハラ街遺跡の奥部でティオルはヤツバヤシによる迷彩機能を活用し、治験兼遺物収集を続けていた。当初はモンスターに襲われずに遺物を集めることができる高揚を感じていたが、それはすでに消え、焦りが生まれていた。ティオルはヴィオラに依頼の進捗を確認しつつ、限られた時間内にシェリルの徒党への復帰とシェリルとの関係を深めることを目指していた。しかし、遺物の運搬には物理的な限界があり、ヤツバヤシからは車両使用を却下されていたため、ティオルは大きな焦りを感じていた。ヴィオラは現在、シェリル達に危機感を煽り、ティオルが条件付きで遺物を提供できる人物であることを伝える準備を進めている。ティオルは焦るあまり、迷彩機能による安全の思い込みから警戒を怠り、遺物収集中に大型の暴食ワニに襲われる事態に直面してしまう。突然の襲撃に硬直し、逃げ遅れるティオルの前で暴食ワニが大口を開ける瞬間が描かれる。

ヤツバヤシの移動診療所で、ティオルが目を覚ます。彼はなぜそこにいるのか、自身の状況に混乱していた。ヤツバヤシから、遺跡で暴食ワニに襲われて返り討ちにしたことを聞かされるが、ティオルにはその記憶がない。ヤツバヤシが再現映像を見せると、自分が巨大なワニを圧倒している姿に驚き、自身の力に戸惑う。その後、遺物収集の最終日にクズスハラ街遺跡で遺物を探していたティオルは、アキラとユミナに見つかり、恐怖で反射的に攻撃してしまう。その後、白い部屋で暴食ワニに襲われるが、内部から暴食ワニを破壊して脱出する。ティオルは暴食ワニの一部を食べて自身の失った部位を再生させ、再びワニとの戦いに挑む。この戦いでは、お互いが互いを食らい合う異様な光景が展開された。

ヤツバヤシは、ティオルから送られてくるデータを解析しながら、興味深げに観察していた。ティオルが暴食ワニの腹から脱出したのは2度目で、その体内のシステムへの侵蝕が進んでいることに注目している。ティオルは異形の暴食ワニとの戦いに勝利し、しかし戦後、旧世界製の黒いドレスを着た女性、ツバキに遭遇する。ツバキはティオルのシステムに介入し、彼の体系を再構築していく。ティオルは自分の頭から強制的に爆弾を取り出し、それが手の中で爆発するが、即座に再生し、完全な状態に戻る。このプロセスを経て、ティオルは新たな任務を開始する準備が整った。

第156話 女に甘いタイプ

アキラたちはクズスハラ街遺跡の奥部でティオルと遭遇し、その日の活動を終えた後、キバヤシからの連絡を受けて前線基地に向かった。キバヤシはアキラたちにイイダ商業区画遺跡への活動場所変更を指示し、旧世界製の自動人形の捜索を依頼した。この情報はアキラをクズスハラ街遺跡から離すための口実であり、実際の目的は八島重鉄と吉岡重工がアキラによる干渉を避け、新型機体のプレゼンテーションを成功させることだった。アキラはこの変更を受け入れ、ユミナも引き続き同行することにした。しかし、キバヤシとの交渉では、アキラが弾薬費の負担方法や遺物の取り扱いについて悩むこととなり、結果的には夜遅くまで交渉が続いた。

アキラとユミナはイイダ商業区画遺跡への準備のため、シズカの店に弾薬を購入しに行った。シズカはユミナを見て驚き、アキラたちがこれまでと同様に大量の弾薬を購入することが今日で最後になると知り、その理由を聞いた。アキラはキバヤシとの交渉で、弾薬費を自己負担に変更しつつも、未使用の弾薬は都市に返却できるようにし、実質的に使った分のみの支払いとなるようにした。キバヤシはアキラが頑張って提案した条件を受け入れたが、その背景にはアキラにイイダ商業区画遺跡での活動を通じて更に騒動を起こしてもらいたいという思惑があった。シズカはこの事情を理解しつつも、アキラとユミナに対等の友人関係を望む一方で、ユミナに対してはアキラとの関係を深めることを無理強いしない態度を取った。ユミナもそれに対し、できる限りのことをすると答えたが、その望みは自分の中で明確にはしなかった。

アキラ達はシズカの店での弾薬補給後、カツラギから回復薬を受け取るためにシェリル達の拠点に向かった。カツラギはアキラが今後回復薬を大量に購入しないことを知り、慌てる。アキラの対応に、ユミナはアキラが女性には甘いのではないかと指摘するが、アキラはシズカには感謝しているため、カツラギとは対応が異なると説明する。その後、シェリルとヴィオラが加わり、ヴィオラは店の経営状況を説明しつつ、アキラに高価な遺物の提供を懇願するが、アキラは既にハンターランク調整依頼で集めた遺物は都市に売る約束になっていると拒否。しかし、結局アキラはシェリルのために遺物を提供する。ヴィオラはその出所に疑問を抱くが、アキラはハンターランク調整依頼とは無関係の遺物であると説明する。帰路につく際、ユミナは再びアキラをからかうが、それは二人にとって単なる親しいやり取りであった。

第157話 望みと選択

ドランカムの拠点にある車庫が、総合支援強化服の整備場として機領に貸し出されている。ユミナはその整備場で担当技術者のフルタと話し、最近の訓練成果を褒められる。フルタは、ユミナの成長が独自の高負荷訓練と回復薬の多用によるものであり、普通の宣伝には使えないと語る。一方で、フルタの開発チームは個人運用の総合支援システムを目指しており、ユミナの成果がその実証に役立っているとも話す。フルタはユミナに、訓練の効率性と耐負荷能力の違いについて説明し、彼らのチームではユミナのような実力を活かせると強調する。イイダ商業区画遺跡の探索準備が整ったユミナは、自動人形の発見に成功すれば大きな成果になると励まされる。その夜、ユミナは遠征から戻る恋人カツヤと話し、再会を楽しみにして眠りにつく。

クガマヤマ都市へ向かう都市間輸送車両内で、カツヤはユミナと情報端末を通じて会話しており、上司のミズハも同席している。カツヤがユミナとの再会を楽しみにしている様子をミズハは見ているが、彼女はカツヤのチームにとってユミナが足手纏いになると考え、二人の距離を取ることを望んでいる。しかし、ユミナをカツヤのチームから外す決定はミズハが他人に押し付けたことにより、不満はミズハに直接向けられていない。ミズハは、カツヤがアキラを嫌っていることを利用し、ユミナがアキラと行動していることを知ってカツヤが不快に感じることを期待している。

翌日、ユミナは機領の整備場でカツヤと再会する。彼女はアキラとイイダ商業区画遺跡で遺物収集をする予定であることを説明し、これがミズハの指示であることを明かす。カツヤはユミナがアキラと行動していることに対し、混乱するが、ユミナはドランカムから離れてカツヤと再び行動を共にすることを提案する。しかし、カツヤはその提案を受け入れられず、ユミナは自力で強くなってカツヤのチームに戻ることを決意する。カツヤはドランカムの要望を無視できない現状を改善するため、さらに頑張ることを誓う。

第158話 イイダ商業区画遺跡

アキラとユミナは、イイダ商業区画遺跡へと向かっている。彼らの目的は、遺跡内にあるとされる旧世界製の自動人形の探索である。この任務は、二大企業による彼らの追い出しの口実であり、実際に自動人形が存在するかは不明である。彼らは日帰りの予定で、弾薬を大量に携帯しているため、持ち帰れる遺物のスペースは限られている。この条件から、ユミナは普通の遺物収集よりも自動人形探索に集中する提案を受け入れる。

荒野で進行中に、大型の肉食獣と遭遇する。アキラは遠隔操作で自身のバイクを使い、複合銃でモンスターを効率的に撃破する。この一件から、ユミナはアキラの技術と彼の訓練について話し合う。アキラは装備を強化服の延長として扱う感覚について説明し、この特殊な操作感覚を通じて、遠隔でバイクや銃を精密に操作する能力を身につけたことを共有する。

ユミナはアキラの話に興味を持ち、自分でも試みるが、すぐに困難さを認識する。この経験を通じて、ユミナは自分もより一層努力しなければならないと決意を新たにする。一方、アキラはユミナへの思いやりを見せつつ、彼女の挑戦を支持する。

このやり取りを通じて、アキラとユミナはお互いの能力や、訓練に対する姿勢を尊重し合っていることが示される。

アキラとユミナは、イイダ商業区画遺跡に到着し、その独特な風景に興味を示す。この遺跡は旧世界のショッピングモールであり、緑に覆われた状態であった。彼らは遺跡内で自動人形を探す任務にあるが、実際にはその存在は不確かである。探索を始めるにあたり、ユミナが総合支援システムによる遺物収集力を活用し、アキラは情報収集機器を用いて入口を特定する。

遺跡内は強靭な植物で覆われており、ハンターにとっては探索が困難であることが明らかになる。しかしアキラの持つ旧世界製のブレードにより、彼らは容易に植物を切り開き、進むことができた。アキラはユミナにもブレードを贈り、ユミナはその嬉しさを表しつつ、アキラを女性に甘いとからかう。二人は和やかな雰囲気の中で遺跡探索を続ける。イイダ商業区画遺跡はその特異な環境と遠隔地に位置するため、ハンターには不人気であるが、そのために自動人形が未発見で残されている可能性があると考え、探索に励むことにする。

アキラとユミナはイイダ商業区画遺跡の探索を一通り終え、自動人形の発見には至らなかったものの、それなりの量の遺物を見つける。この結果は、遺物収集を優先するか自動人形の探索を続けるかで迷うものであった。アキラは他のドームも調べた上で決めることにするが、これはあくまで決断の先延ばしである。その後、2棟目の探索でも結果は変わらず、アキラは最終的に遺物収集を優先することを決断する。この決断に至るまで、ユミナは同行者としてアキラの決定に従う姿勢を見せつつ、その責任の大きさにも配慮していた。アキラの決断を受けて、遺物収集の準備を始めるために遺跡から離れ、適した寝床を探す過程で、後ろから逃げてくる大型モンスターとそれを追うレイナ達の車を発見する。

第159話 レイナとトガミ

レイナとトガミは大型モンスターを追いかけていた。レイナは助手席から身を乗り出し、小型だが強力な銃でモンスターを撃つも、モンスターは倒れず加速する。レイナはトガミに急ぐよう促し、トガミはそれに応じるが、途中でレイナたちの口論やカナエとシオリの介入がある。カナエはレイナとトガミの仲の良さをからかい、シオリは二人に冷静さを求める。レイナは近接戦闘用の銃を使っているため、撃破に至らず、最終的には狙撃銃を使うことを決断するが、その瞬間、目の前にアキラが現れる。アキラはモンスターに向かってブレードを振り、モンスターを一刀両断にして倒す。レイナとトガミはその場面に驚きながらアキラを見つめていた。

レイナたちはアキラとユミナと出会い、意外な組み合わせに驚きながらも挨拶を交わす。カナエは近接戦闘のスリルについてアキラに興味を示すが、アキラは安全のためにブレードを選んだと説明する。シオリはアキラに感謝を示し、トガミは戦闘の評価について質問する。レイナとトガミは、モンスターを倒す過程での彼らの貢献を評価してほしいと願うが、シオリは運も実力の一部として、アキラの介入による結果を受け入れる。カナエはアキラ達をレイナたちの計画に引き込むことを提案し、シオリは情報の源を問いただす。アキラは情報源を明かし、レイナはイイダ商業区画遺跡で眠っている旧世界製の自動人形を目指していることを説明する。アキラとユミナも同じ目的であることを知り、レイナは少し失望するが、協力することになる。

アキラは遺物収集と自動人形探しを両立する条件を提示し、遺物の分配に関する複雑な問題を指摘する。レイナはそれに応じ、シオリはレイナとカナエのサポートを確約し、レイナたちの成長と独立性を重視する様子を見せる。レイナたちはアキラ達と共に遺跡探索に向かい、シオリは一人で準備を進めることになる。シオリはレイナたちが自動人形を確保する可能性を考え、その準備を開始する。

アキラたちはレイナたちと共にイイダ商業区画遺跡で遺物収集を開始する。カナエは戦闘参加の意欲を示すが、レイナとトガミは自分たちだけで対処する意志を強く示す。彼らはミハゾノ街遺跡での経験から成長しており、その力をアキラに示す機会と捉える。ドーム内で遭遇したモンスター群に対し、レイナたちは連携して対処し、無事撃退する。アキラとユミナはレイナたちの成長を認めつつも、特別な反応を示さない。トガミはアキラに向けて自信を見せつけるが、アキラの反応は薄い。それでもレイナたちは互いに支え合い、これからも力を示していくことを決意する。アキラたちはレイナたちの様子に不思議そうにしつつ、遺跡探索を続ける。

第160話 運も実力の内

アキラたちはイイダ商業区画遺跡での第一回目の遺物収集を終え、成果をシオリに報告する。レイナは達成感を示しながらも、アキラからの反応に不満を感じている。シオリはレイナに向上心を持つことの重要性を説くが、急ぐ必要はないとも伝える。シオリの準備が整い、アキラたちは二回目の遺物収集に出発する。この回では、アキラとユミナが前衛を務め、モンスターとの戦いで圧倒的な力を見せつける。レイナとトガミはその強さに驚くが、ユミナは総合支援システムの支援を受けていることを「ズルい」と評し、これにアキラは内心で反応する。アキラは自身が受けているアルファのサポートを考え、更に努力する必要を感じるが、それを深く気にすることはなく、前向きに受け止める。アキラの成長と彼が感じる責任感が描かれる。

アキラたちは二回目の遺物収集を終え、シオリが手配した運び屋のトラックに遺物を積み込み、その日の作業を終了する。シオリがドランカムではない別の運び屋に頼んだのは、遺物売却や報酬分配において不都合を避けるためであった。その後、レイナたちはシオリが手配した豪華なキャンピングトレーラーでゆっくり休むことができた。ユミナから、彼女がアキラとの訓練で受けた総合支援システムの支援について話を聞き、その過酷さに驚く。トガミはその訓練を自分も受けられるか尋ねるが、費用の面で無理だということが分かる。また、アキラがスラム街の騒ぎに関与していたことや、彼のハンターランク調整依頼の背景についても話し、レイナたちはその情報の重さに動揺する。夜が更けると、シオリが皆に就寝を促し、夜間の見張りを申し出る。アキラたちはそれに応じて就寝することにした。

トガミは以前、シカラベから過酷な訓練を受けたことを思い返し、自分が強くなったことを実感しながらも、アキラやユミナの強さに驚き、自身の成長を見つめ直していた。彼はシカラベによる過酷な訓練を乗り越え、レイナと共にハンター稼業を続け、相互に切磋琢磨してきた。しかし、アキラとユミナの話を聞いた後、自身の訓練や成長に対する考え方を改め、さらなる強さを目指すことを決意する。

一方で、レイナもユミナの訓練について考え、自分も強くなるために何ができるか模索していた。シオリとカナエによる過酷な訓練を受け、装備の改善も求めるなど、自身の強化に努めてきた。レイナはユミナの過酷な訓練について知り、それを参考にすることを考えるが、カナエからそのような訓練の危険性と、自分の安全を考えるよう忠告される。カナエとシオリは、レイナが強くなるためには安全な方法で訓練を進めるべきだと伝え、レイナもそれに納得し、自分の成長を信じて眠りにつく。

シオリとカナエは車外で見張りをしながら、アキラが言及した自動人形の情報源について話し合う。その情報の真偽や、自動人形が本当に見つかるかどうかについては不明であるが、見つかった場合の自分たちの対応についても話し合う。結局、情報に基づいて対応することになるが、シオリは自動人形の存在に対する複雑な感情を持っていることがうかがえる。

第161話 総合支援システムの欠点

アキラたちは、シオリが手配したキャンピングトレーラーで過ごした翌日、再びイイダ商業区画遺跡で遺物収集を行った。調査予定のドームでの作業を終えた後、自動人形探しを開始する計画であった。その中で、カナエとシオリはモンスターの群れとの戦いでそれぞれの強さを見せつける。カナエは格闘戦でモンスターを圧倒し、シオリは剣技で巨大な獣を両断した。トガミとレイナは彼らの戦いぶりに感心する一方で、アキラの反応はカナエとシオリの技術に対して異なり、カナエに不満を抱かせた。ユミナはアキラがシオリの技術をより高く評価した理由を尋ね、アキラは自分にもできそうなカナエの技術と比べてシオリの剣技が特別に感じたことを説明した。このやり取りから、アキラたちが各自の強さと技術に対する見方が異なることが示された。

イイダ商業区画遺跡での遺物収集作業中、アキラ達は遺跡内に広がる頑丈な植物に阻まれるものの、彼らにとってはそれが支障となることはなかった。遺物を見つけ、ユミナが鑑定を行い、価値があるものをリュックサックに詰めていく。この作業を通じて、アキラ達は様々な遺物を収集した。特に注目すべきは、拡張現実機能を通して見える商品カタログのような表示がされる遺物もあったが、これはアキラには見えない。トガミとレイナも似たような作業を行い、シオリとカナエは警戒を怠らない。遺跡の特性上、拡張現実の表示内容に恥ずかしがる場面もあり、ユミナとレイナは無言の意思疎通で余計なことを言わないことに合意する。

遺物収集の成果を換金することを想像しながら、トガミはユミナの総合支援強化服に興味を持ち、その値段について尋ねる。しかし、その高額な価格を聞いて、個人的に購入するのは難しいと感じた。レイナはシオリに総合支援システムの導入について尋ねるが、シオリはレイナがまだ自らの決断を依存させる恐れがあるため、お勧めしないと説明する。この遣り取りから、レイナは自分がまだ成長途中であり、シオリ達からもっと学ぶ必要があると感じた。最終的にアキラ達は明日からの自動人形探しに向けて早めに休むことにし、レイナは少し気恥ずかしさを感じながらもシオリ達におやすみと言ってベッドに向かう。

イイダ商業区画遺跡での探索が3日目に入り、アキラ達は旧世界製の自動人形探しを本格的に始める。ユミナとレイナは遺跡の拡張現実情報送信機能に対応した装備を利用し、総合支援システムの支援を受けながら探索を進めていくが、総合支援システムを用いて自動人形の探索を行うと、その情報がドランカムや機領に伝わる可能性があるため、自動人形に関する情報は機領にもドランカムにも報告していない。

探索は地道に進み、トガミは総合支援システムを使用することの利便性と引き換えにハンターの夢である未発見の遺跡を独り占めすることが難しいと感じ、複雑な思いを抱く。しかし、シオリから、総合支援システムの契約内容次第で、未発見の遺跡の情報を一定期間は保護できる可能性があることを聞かされ、少し安心する。

一方、アキラはユミナに総合支援強化服の必要性について問われ、既にアルファのサポートがあるため不要だと答える。アキラはユミナから、普通の強化服についても話が及び、最終的には笑い合いながらも約束の重要性を認識するやり取りが交わされる。

アキラ達はその日、終日遺跡探索を続けるが、自動人形を発見することはできなかった。

第162話 競争相手

クガマビル上層階で開かれる立食会に出席しているシェリルは、イナベの支援を受けて商売をしており、この場にいる他の出席者たちとも交友を深めている。シェリルはイナベから旧世界製情報端末などの遺物を受け取り、それらを店で売っていた。アキラからも旧世界製情報端末が持ち込まれ、シェリルはその出所を明かさないようにしている。

会場にウダジマが現れ、シェリルとその周りの人々に感謝を表する。ウダジマはイナベとは別の派閥の長であり、アキラの活躍によって彼の担当区画での遺物収集が捗ったことに対して礼を言ってきた。この行動は、都市の幹部としての彼の立場とイナベとの間の権力闘争の一環と見られる。

シェリルはカツヤとの関係についてイナベから尋ねられ、二人の関係は純粋なものであり、カツヤを利用する意図はないことを説明する。シェリルはスラム街の出身であり、自身の出所やアキラとカツヤの不仲についても語る。

イナベはシェリルの行動とカツヤへの接し方について評価し、シェリルが質の悪い人物だという話を聞いていたヴィオラと同様に手強い人物だと感じる。シェリルはイナベの評価を褒め言葉として受け取り、礼を言う。

アキラたちがイイダ商業区画遺跡に到着してから1週間が経過し、目的の旧世界製自動人形はまだ見つかっていない。ある日、ユミナの提案で自動人形店を調査し、2つの完全な状態の自動人形を発見するも、それが立体映像であることが判明し、喜びは短-livedであった。その後、クロサワと名乗る部隊の指揮官がアキラたちに接触し、自動人形探しで協力を提案するが、アキラたちは複雑な報酬交渉を避けるためにこれを断る。代わりに、アキラたちは総合支援システムをフルに活用して自動人形の探索を進めることに決める。システムの助けを借りて、彼らは自動人形が存在する可能性が高い場所を特定し、探索を再開する。クロサワとその部隊は、アキラたちが去った後で自動人形店の確保を開始する。

アキラたちが総合支援システムを使って特定した自動人形店を目指し、遺跡内を進む中で、目的地がクロサワたちの部隊によって既に確保されていることが判明する。複数の店舗跡を調査するも、全てがクロサワたちによって先回りされており、レイナたちは落胆する。日が落ちる時刻を考慮し、アキラたちはその日の探索を終了し、キャンピングトレーラーへ戻ることにする。クロサワは自動人形の立体映像を見ながら、アキラたちが再び訪れることに気づくが、具体的な行動は取らない。クロサワたちの作戦の成功確率は低いが、成功すれば大きな報酬が期待できることを語り合う。自動人形に関して、専門業者を通じて販売する流れが一般的であること、自動人形を自分で起動させるリスクが高いにもかかわらず、それに賭けるハンターが絶えない現状が描かれる。

アキラたちはキャンピングトレーラーで休憩しながら、クロサワたちがイイダ商業区画遺跡内の自動人形店を全て占拠している可能性について話し合う。しかし、具体的な対策は思いつかず、アルファからの助言もあり、アキラは自動人形が再入荷される可能性に気づく。彼らは、クロサワたちが空の店舗まで占拠していたのは、再入荷される自動人形を確保するためだと推測する。また、展示されていた立体映像の自動人形についても、在庫切れの際に立体映像で代用している可能性があることを指摘する。その夜、アキラたちは次の行動計画を立てた後、早めに就寝する。

一方で、荒野を走る大型トレーラーの運転席にいたティオルは、自分がイイダ商業区画遺跡に向かっていることを思い出し、その理由に困惑しながらも進んでいく。

第163話 配達人、または乱入者

早朝、アキラたちはキャンピングトレーラーで休息を取り、自動人形探しの最終日に挑む準備を整えた。彼らはクロサワたちが遺跡内の自動人形店を全て占拠している状況に直面し、計画を再考する必要に迫られた。アキラたちは、店舗の中で商品の再入荷を待つのではなく、倉庫に搬入される自動人形を狙う作戦を立てる。この作戦は、自動人形が再入荷される直前にクロサワたちが店舗を占拠すると予想し、その搬入を狙うものであった。

アキラとユミナのチームは再入荷される自動人形を運ぶ輸送機械の探索に、レイナたちは倉庫を探す任務に当たった。しかし、一日をかけた探索の結果、アキラたちはクロサワたちに先手を取られ、自動人形の獲得には至らなかった。

その夜、アキラたちは今後の対策について話し合い、最終的には自動人形を手に入れることができなかった場合には諦めると決定した。彼らはそれでも最後まで可能性を追求しようと決意し、笑顔で続行を選んだ。

翌日、アキラとユミナは輸送機械を見つけられなければドライブを楽しむことにし、レイナたちは倉庫の中を探索したが、荒れ果てた状態から自動人形がここにはないと判断し、他の場所を探すことにした。彼らの行動は確実性に欠けるものの、自分たちの判断で最善を尽くす姿勢を見せた。

クロサワたちは自動人形店の廃墟で場の確保を続けており、仲間からの通信で哨戒中の隊員が遺物収集をしたいという要望があったが、クロサワはこれを厳しく拒否した。クロサワは安全第一を心掛ける一方で、作戦に必要な指示を無視する者まで手を差し伸べる意思はなかった。仲間たちはクロサワの厳しい態度を警戒の現れと捉え、予想外の事態への準備を固めた。クロサワはアキラたちの存在が予想外であったことと、彼らが近年の大きな騒動に関与していたことを認識し、最大限の警戒を続けていた。

アキラたちは遺跡の外周部を調査中、何かが遺跡へと続く跡を発見し、これを追うことにした。ユミナは総合支援システムを用いて解析を試みるが、トレーラーが現代製か旧世界製かは判断できなかった。一方で、地下に続く入口を開けたトレーラーが見つかり、アキラたちはこれが旧世界製の可能性に疑問を抱いたが、旧世界製に見えないトレーラーの存在が謎を深めた。

ティオルはトレーラーでイイダ商業区画遺跡に到着し、地下の集配所へと進んでいった。彼はそこで機械的な収納装置を搬入し、その後、何をするか思い出し、単独で行動を続ける。これらの行動は、アキラたちやクロサワたちが知らない別の動きが遺跡内で進んでいることを示唆していた。

アキラとユミナはレイナたちに連絡を取り、地下の巨大な駐車場のような場所に辿り着き、そこに停まっていた大型トレーラーを調査する。このトレーラーが何者かによって遺跡内へ持ち込まれたこと、そしてそのトレーラーから何かが搬入されたことが明らかになったが、その全容は依然として不明のままである。

ティオルは、記憶にない方法で収納装置を起動し、旧世界製の自動人形を覚醒させた。この自動人形はティオルを攻撃し、彼は意識を失う。自動人形は拡張現実を介してツバキから依頼を受けていたことが明らかになる。ティオルが意識を取り戻したとき、彼は自分の行動や目的について何も思い出せなかった。自動人形は「オリビア」と名乗り、ティオルに別れを告げる。

アキラたちは地下で巨大な空間に辿り着き、そこで大型トレーラーを調査する。ユミナは総合支援システムを使ってそのトレーラーが東部では売られていないことを突き止める。アキラたちはトレーラーの周辺でティオルと遭遇し、彼からの攻撃を受ける。ティオルは強力な武器でアキラたちを攻撃し、一時的に逃走するが、アキラは彼を追跡することを決意する。

一方で、レイナたちは撤退することにし、アキラを援護しながら遺跡からの脱出を計画する。その最中にクロサワから、遺跡内で旧世界製の自動人形が暴れているという通知が届く。この新たな情報により、彼らは自動人形探索の継続に疑問を抱き、状況の再評価を迫られることになる。

第164話 ティオルの変異

クロサワ達が自動人形店の廃墟を確保している中、展示ケースの床が開き、本物の自動人形が現れた。予想外の大成果により、クロサワは全ての部隊を収集し、専門業者の手配を進める。しかし、全ての確保した店舗跡で自動人形が出現し、部隊が手薄になることを懸念して増援を要請する。

その後、自動人形が勝手に起動し始め、クロサワは部隊とともに脱出を試みる「プランC」を実行に移す。ティオルはトレーラーで逃走を試みる中、アキラに追跡される。ティオルは自らの左腕を強化し、アキラに攻撃を仕掛けるが、アキラは回避しながら反撃を続ける。追走劇は地上で続き、ティオルは自暴自棄になり、自身の左腕を異形の武器に変えてアキラを攻撃する。

アキラはバイクで逃げるティオルを追い、ティオルは新たに得た武装でアキラに対抗する。両者の間での戦闘は激しさを増し、ティオルの変異した姿と武装はアキラを驚かせるが、アキラは戦いを続ける決意を固める。

レイナ達はアキラの状況を確認した後、撤退を決意し、ユミナの車両で地上に向かう。地上でアキラは未知の襲撃者、ティオルと交戦中であったことが判明する。アキラから直接の援護を求められなかったユミナは、弾薬を置きつつ撤退する作戦を提案する。しかし実際にはユミナは遠距離からアキラを援護し、ティオルに攻撃を加える。この攻撃によりアキラは弾薬を補給し、ティオルを圧倒する。ティオルは絶望感に襲われ、支援要請を開始するシーンが浮かぶ。この展開により、アキラとレイナ達の連携がティオルに対する優位を築く。


第165話 自動人形

レイナ達は遠距離からアキラを援護し、ユミナは小型ミサイルをティオルに向けて撃ち続ける。シオリとカナエはレイナの安全を確保し、自動人形が遺跡中で暴れていることによる外界への影響を懸念する。一方、クロサワ達は旧世界製の自動人形に苦戦し、撤退を余儀なくされる。アキラはティオルとの戦いで優勢に立っていたが、自動人形が介入し、戦況が複雑化する。自動人形はティオルを守り、アキラの攻撃から救出する行動を見せる。アキラと自動人形の間で激しい戦いが展開され、ユミナの援護攻撃が再びティオルを狙うが、状況は更に混迷を深める。

移動中の車両の屋根からユミナが小型ミサイルを撃っている際に、連係データからアキラを巻き込んでしまったと慌てる。しかし、アキラは無事であり、ユミナに支援を続けるよう促す。ユミナは再び攻撃を開始し、アキラはそれを楽しむかのように応じる。その後、レイナとシオリは、自動人形に対抗するために戦闘に加わる。レイナは訓練の成果を発揮し、シオリは力場装甲で守られている自動人形を撃破する。シオリたちが自動人形を効率的に倒す一方、レイナはアキラとの連携で支援を続ける。レイナとトガミは軽口を叩き合いながらも、シオリたちの支援を真面目に続ける。

シオリとカナエは、レイナたちの支援を受けながら自動人形達と戦っている。シオリは、自動人形達を一撃で切り裂きながら、戦闘を効率的に進め、レイナたちの安全を確保しようとしている。その一方で、シオリはレイナがハンターとしての生活を続けることに不安を感じている。カナエは戦いを楽しむ性質を持つが、自動人形との戦いを退屈に感じ、最終的には冷めた態度で効率的に自動人形を破壊する。レイナの強さに気付きながらも、シオリはレイナの将来について考え、カナエは自分の戦い方に対する悪癖に苦悩するが、戦闘の中でその枷が消える瞬間もある。

第166話 現実の解像度

遺跡の外を目指し、アキラが8体の自動人形と戦っている状況を目の当たりにしたレイナたちは、ユミナの支援を受けてアキラの援護を決意する。トガミはカナエの力を見て驚きながらも、シオリたちが安全だと確信し、ユミナの提案に同意する。アキラは、残された弾薬を最大限に利用して自動人形たちとの戦いを続け、ユミナの小型ミサイルの支援によって一時的に敵の動きを鈍らせる。アキラが使用しているSSB複合銃や拡張弾倉は彼の戦闘能力を支えており、アルファの照準補正を受けた精密射撃により自動人形のジェネレーターを破壊し、戦闘を有利に進める。ユミナとレイナたちはアキラを直接狙える位置から銃撃を加え、アキラが回復薬を用いて急速に回復することを助ける。アキラの持つ強い意志とレイナたちの支援によって、彼は死地を乗り越える希望を見出す。

アキラと自動人形との戦いを見て、レイナとユミナは強い意志を持って援助を提供し続ける。ユミナはアキラをカツヤに重ね合わせ、彼の訓練を受けてきた経験を生かして、カツヤとアキラを助けるために集中する。体感時間の操作に成功し、ユミナは自動人形に対して高い命中率を持つ銃撃を行う。アキラもユミナたちの支援を受けて、自動人形たちを効率的に撃破し続ける。この戦いの中で、ユミナは体感時間操作の負荷に苦しみながらも、アキラを守ることに成功する。

アキラが最後の自動人形を倒した後、レイナとユミナは勝利を喜ぶが、ユミナは体感時間操作の負荷によって大きな疲労を感じており、吐血するほどの状態になる。それでも、高価な回復薬を服用することで体調を回復させ、アキラの方を見守り続ける。しかし、その瞬間、アキラの近くで巨大な光刃が突如現れ、彼を襲おうとする様子が描かれる。

アキラは最後の2体の自動人形を倒すが、その戦いで大きな疲労と傷害を負う。強化服とSSB複合銃の限界を超えた使用により、アキラは一時的に高い戦闘能力を発揮するが、最終的には意識を失い、倒れる。シオリ達はアキラを助けるために急ぎ、オリビアと名乗る自動人形と遭遇する。オリビアはリオンズテイル社所属の汎用人格であり、戦闘意志がないと明言するが、その圧倒的な能力にシオリ達は手を出せない。オリビアは姿を消し、シオリ達はアキラの応急処置を行う。

その後、遺跡外からクロサワ達が増援部隊と共に戻ってきて、イイダ商業区画遺跡での騒動に一応の終止符が打たれる。アキラ達のハンターとしての活動も一段落を迎える。シオリ達はアキラの回復を見守りながら、オリビアが残した白いカードの扱いについて悩む。

第167話 試行の障害

アキラはクガマヤマ都市の病院で目を覚ます。数日間意識を失っていたが、アルファのサポートにより、一時的に現実の解像度を向上させた経験があったことを知る。これによりアキラは自動人形達との戦闘で辛うじて勝利することができたが、脳に大きな負担がかかったことも判明する。アルファは同じことを自力で行うことは不可能であることを説明する。

シオリがアキラの病室を訪れ、イイダ商業区画遺跡での出来事から5日が経過したこと、そして破壊された自動人形の処理について報告する。シオリは白いカードをアキラに見せ、これを彼らに譲るよう提案する。このカードは特定の人にとって高い価値があると説明し、成功した場合にはアキラに謝礼を渡すと約束する。アキラはアルファの助言も受け、カードをシオリに譲ることに同意する。

シオリはその後、キバヤシに代わって病室を去る。カナエと合流し、レイナのもとへ戻る途中でこの取引について話し合う。カナエはこの行為が詐欺に近いと指摘するが、シオリは自己の判断で行動しており、レイナから見切られる可能性を承知の上であることを明かす。

アキラが意識を取り戻した後、キバヤシは病室を訪れ、アキラに治療費の請求書を渡す。アキラの治療費は7000万オーラムに上がり、以前よりも1000万オーラム増加していた。キバヤシはアキラに、ハンターとしてのメンテナンス費用として考えるよう助言する。アキラは新たな装備と弾薬の購入に多額の資金が必要であることを理解していた。

また、キバヤシはアキラに、イイダ商業区画遺跡での戦いで失った装備の代わりに新しい装備を揃えるため、自動人形の所有権に関する交渉について説明する。この交渉は複雑であり、アキラが参加することになるが、キバヤシが代理人を務めることでアキラは面倒から逃れることができる。交渉の条件として、アキラは得た金を全額装備や弾薬の代金に充てることに同意する。

トガミもシカラベからの呼び出しを受け、クガマビルで自動人形の所有権を決める交渉の席に参加することになる。レイナと共に参加することになったトガミは、交渉が企業を交えたものであることを知り、不安を感じる。交渉は非常に難航し、トガミとレイナは苦戦を強いられる。

クズスハラ街遺跡の奥にある廃ビルの一室で、メイド服を着た自動人形のオリビアと管理人格のツバキが会話を交わしている。オリビアはツバキからの依頼を受けるために来たが、まずはツバキから詳細な内容を聞くことを希望している。ツバキは遺跡の自動人形の再入荷を管理しており、彼の柔軟な判断によって遺跡の状況は変化していた。オリビアはその判断を不思議に思いつつも、ツバキの意向に従って動いている。一方、ティオルはアキラによって意識を失った状態で、自動人形によって運ばれてきたが、オリビアによってツバキのもとへ運ばれる。

この場面では、ツバキとオリビアが今後の行動について議論しており、ティオルの扱いや、遺跡での自動人形の挙動についても触れられている。ティオルが自動人形に支援要請を出し、その結果自動人形の一部が異常な挙動を見せるようになったことが明かされている。

また、別の場所ではアルファが、ツバキに関連する問題について話し合っており、直接的な誘導が難しいことや、彼女(ツバキ)の行動が試行の障害になっていることに触れている。アルファは、問題の解決にはツバキの協力が必要であると考えているが、その行動には制限があることを認識している。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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