どんな本?
リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。
物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。
物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。
彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。
この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。
最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。
読んだ本のタイトル
リビルドワールド VI〈下〉 望みの果て
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ 氏
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あらすじ・内容
書籍版書き下ろし! 怒涛の連続刊行で贈るシリーズ前半戦クライマックス!
イイダ商業区画遺跡での自動人形との戦いで装備を失ったアキラは、新装備の調達を済ませるまでハンター稼業を再び休止することに。
リビルドワールドVI〈下〉 望みの果て
アキラとの共同依頼をこなす内に体感時間の操作を身に付けたユミナも、その実力を示したことでカツヤの下に戻ることが叶う。カツヤもまた、ユミナの帰還を喜んでいた。
しかし、そこでクガマヤマ都市の幹部達の権力争いが激化する。巻き込まれたアキラ、カツヤ、ユミナ達は、その複雑な状況で己の意志と覚悟を示して戦い続けるが……。
想い、想われ、願い、願われ、すべてを懸けて戦う者達の、望みの果てにあるものとは――。
感想
表紙はカツヤとアルファと同じ存在の少女。
裏はユミナだった、、
読みあ終わった後に表紙のユミナを見ると悲しくなってくる。
元々仲が良くなかったカツヤとアキラ。
何処かで激突するだろうと思ってたら、都市の幹部の情報操作に踊らされ、さらに魔物となったティオルの稚拙な策謀で激突してしまうとは、、
2人の間を取り持とうとしたユミナだったが、タイミング悪く敵対してしまいアキラに殺され。
その敵討ちにアイリとカツヤも、、
数話で呆気なく。。
150話以上、続いていたカツヤとアキラの関係はコレで終わり。
同年代の友達として、戦いのパートナーとしてコレからと思われたユミナとも、、
後のアキラを見るに、ユミナを自身の手で殺してしまった事にアキラは堪えていたもよう。
シズカに慰められるアキラがなかなかに痛々しかった。
それをアキラに気付かれずに暗躍していたアルファが怖い。
クガヤマ都市の幹部達の派閥争いに巻き込まれ、建国主義者だと疑われたアキラ。
最初は因縁をつけるだけだったのだが、アキラが抵抗した結果。
最初は警備隊に拘束させようとしたが、問題を大きくしないためになるべく殺したくない。
それでアキラは警備隊の武装だけを壊して、彼等を安全圏まで送り届けたりと気を使っていたのだが、、
スラムの店舗にいた、シェリルに対しても尋問と言いながら拷問をし、シェリルを瀕死にした捜査官をアキラが躊躇なく殺害。
そこでウダジマvsイナベの争いが表面化。
お互いに後に引けなくなってしまう。
そして、ウダジマはカツヤにシェリルが巻き込まれいるとカツヤに吹き込み。
シェリルを助けるため、カツヤはアキラを打倒を誓い。
建国主義者を自称するティオル(巨人)を討伐した後に襲い掛かったカツヤ達だったが、、
アキラは全滅させてしまった。
あぁ、、居た堪れない。
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備忘録
第168話 見舞い客
イイダ商業区画遺跡での戦いにより入院していたアキラは、訪問者たちとのやり取りの後、再び休息を取ろうとしていた。7000万オーラムの治療を受け、完治していたが、訪問者たちからの話を聞くことによって疲れを感じていた。その後、シェリルとイナベが見舞いに来る。シェリルはアキラが目を覚ましたことに安堵し、イナベはアキラとの顔合わせを兼ねた見舞いであると語る。イナベからの予想外の提案である20億オーラムの立て替えを受け、アキラは新たな装備の購入資金を得る。条件として、アキラはイナベに旧世界製情報端末の出所について誰にも話さないこと、次もシェリルに売ることを約束する。イナベはアキラの応答に満足し、取引が成立する。
イナベの提案によって、アキラの金銭的な問題が一時的に解決する一方で、シェリルはアキラに対するイナベの期待と自身の役割について考えさせられる。イナベはシェリルに対して、アキラを完全に掌握していると思っていたが、実際はそうではなかったと述べる。このやり取りから、シェリルはイナベからの信頼を再確認し、今後の行動に対する決意を新たにする。
退院した翌日、アキラは新装備の調達のため、少し緊張しながらもシズカの店を訪れた。装備を全て失ったことへの躊躇いやシズカからの叱責を予想しつつも、店内に入ると、シズカをはじめ、エレナとサラに温かく迎えられた。アキラは装備の件を話そうとするが、シズカ達は既にアキラの事情を知っており、彼を怒っていないと安心させる。シズカからは、より高ランクのハンター向け装備を扱う別の店を勧められるが、アキラはシズカの店で引き続き購入したいと我が儘を言う。最終的に、シズカはアキラの願いを受け入れ、18億オーラムの予算で新装備の相談をすることになる。エレナとサラもこの相談に加わり、アキラは楽しい時間を過ごした。この一連のやり取りは、アキラとシズカ達の関係の深さと信頼を象徴している。
第169話 贅沢な風呂
拠点の改装で作られた幹部用の浴室は、白を基調にした高級感と清潔感に溢れ、大きな浴槽が特徴である。この浴室は高性能な水質調整装置が取り付けられており、入浴者にとって最適な水質に調整することができる。アキラはこの新たな入浴体験に非常に満足しているが、シェリルはアキラを毎日ここで入浴するよう誘っている。その後、ヴィオラとキャロルが突然入浴中のアキラたちのもとへ来て、アキラとシェリルに対して装備調達と徒党の武力向上に関わる話を持ち掛ける。ヴィオラとシェリルの間で質の悪いやり取りがあり、アキラはそのやり取りに戸惑う。キャロルはシェリルとアキラに対して、ヴィオラの扱い方について助言する。その夜、アキラは自宅の浴室での入浴が物足りなく感じるが、装備代に使うはずの金を浴室の改装に使うことについては複雑な問題があることを知り、改装計画を見送ることにする。
拠点の改装で作られた幹部用の浴室は、白を基調にした高級感と清潔感に溢れ、大きな浴槽が特徴である。この浴室は高性能な水質調整装置が取り付けられており、入浴者にとって最適な水質に調整することができる。アキラはこの新たな入浴体験に非常に満足しているが、シェリルはアキラを毎日ここで入浴するよう誘っている。その後、ヴィオラとキャロルが突然入浴中のアキラたちのもとへ来て、アキラとシェリルに対して装備調達と徒党の武力向上に関わる話を持ち掛ける。ヴィオラとシェリルの間で質の悪いやり取りがあり、アキラはそのやり取りに戸惑う。キャロルはシェリルとアキラに対して、ヴィオラの扱い方について助言する。その夜、アキラは自宅の浴室での入浴が物足りなく感じるが、装備代に使うはずの金を浴室の改装に使うことについては複雑な問題があることを知り、改装計画を見送ることにする。
第170話 強化服の試用会
アキラは機領製の強化服を試用し、その性能を確認するために施設内の訓練場で様々な動作を行っていた。シズカはアキラの動作を楽しそうに見守り、二人は強化服の機能について話し合った。試用中、アキラは壁を水平に走るなどの動作を試みるが、力場装甲の制御が難しく、落下する場面もあった。アルファからのサポートによって通常よりも訓練時間を短縮し、効率的に強くなっていたアキラは、アルファのサポートなしでの操作に苦労することを実感した。
シズカからは、機領から提案されたアキラの装備に関する話があり、様々な割引や購入条件が提示された。これにより、アキラの予算配分や契約条件に注意が必要となった。エレナとサラも協力を求められ、特にエレナは交渉に積極的に参加する意向を示した。
アキラたちは機領製の強化服の性能をある程度確かめ、試用会を終了した後、食事を共にした。この席で、アキラは試用した中で最も気に入った強化服について話し、その価格が基本構成で12億オーラムであることを知る。アキラたちは今後の装備の購入計画について話し合い、機領との更なる交渉を行うことになった。
食事の後、アキラはアルファと共に帰路につき、今後の装備の充実に向けて楽観的な考えを持ちながらも、アルファの依頼の遺跡攻略の難しさを改めて感じる。アルファはアキラが強力な装備を手に入れることで自分の目的が達成に近づくと考え、いつも通り微笑んでいた。
機領からの再度の交渉により、アキラは新しい強化服の試用会に参加し、購入済みのその強化服を荒野で試していた。アルファのサポートを受けながら、強化服の高い身体能力を使って様々な動作を実演し、同行した機領のスタッフから驚きの反応を得た。オプション品の取り付け後、アキラは強化服の性能をさらに試し、特に力場装甲や情報収集機器、補助アームの性能を確認した。マエバシから提案された構成変更について、アキラは特定の条件下で最大効率を発揮するが、実用性に欠ける極端な構成を選択した。
その後、アキラはTOSONの営業であるソメヤに紹介され、新しい複合銃「LEO複合銃」の実演を見せられた。この銃はC弾に対応し、高い威力を発揮する。アキラは銃の購入を決定し、ソメヤからはTOSONの製品の宣伝協力を条件に、さらなる値引きの提案を受けた。アキラはこの提案を受け入れ、詳細の話し合いは強化服の動作確認が終わった後に行うこととなった。
アキラの強化服の確認が終了し、マエバシに感謝の意を示した後、アキラは都市に戻る準備を始めた。機領との交渉では、強化服の値引きと引き換えに総合支援システムの開発テストへの協力も求められており、アキラはそれにも参加する予定だった。
第171話 ユミナの実力
ドランカムの大型訓練施設にシェリルとイナベが訪れた。機領は都市の防衛隊に総合支援システムの導入を目指し、イナベの提案で試用期間を経て都市導入の可能性を探ることになった。シェリルはスラム街の徒党のボス兼遺物販売店経営者として、イナベが指定した企業の代表者を装う。機領はこの事実を黙認し、イナベとの裏取引を進めている。訓練場では、シェリルの武力要員が総合支援システムの効果を試しており、システムの開発者タカギは自信をもってその性能を説明する。総合支援システムは支援の有無で大きな差が出ることを実演し、シェリルにもその優れた性能をアピールした。
その後、機領の幹部ヨドガワがシェリルとイナベにエリオ達とユミナによる模擬戦を提案する。この提案は、タカギのチームとフルタのチームの開発した総合支援システムの性能比較と、開発チーム間の競争の一環だった。ヨドガワは、両システムの統合を目指しているが、どちらのシステムが主導権を握るかで揉めている状況を説明する。模擬戦はタカギのシステムを使用したエリオ達と、フルタのシステムを使用するユミナの間で行われ、シェリルは参加者に賞金を約束してやる気を促した。この模擬戦は、両チームのシステムの優位性を示すため、そして開発チーム間の競争を解決するために実施されることになった。
ユミナとエリオ達の模擬戦は、戦闘範囲が縮小していく幅広で長めの通路と二つの部屋を舞台に行われた。勝利条件は相手の全滅で、エリオ達は数の有利を活かしユミナとの戦いを挑む。賞金に釣られて意気込むエリオ達に対し、エリオはアキラと同等の強敵だと考えることで油断を禁じた。総合支援システムの支援を受けることで勝利の可能性を信じるエリオ達は、ユミナに対して全力で戦うことを誓う。
模擬戦が開始され、ユミナはエリオ達を迎え撃つ。ユミナの緻密な戦略と高速で正確な射撃により、エリオ達は次々と撃破される。ユミナは体感時間を操作する技術を駆使し、エリオ達の動きを遅く感じながら圧倒的な速さで部屋に侵入し、最後にエリオも撃破した。模擬戦はユミナの圧勝で終わり、彼女は自らの強さを証明するとともに、総合支援システムの効果を見事に示した。
ユミナとエリオ達の模擬戦は、ユミナの圧勝で終わり、その結果に場にいた者たちは大きな驚きを見せた。タカギは自身のシステムが原因で敗北したことに言葉を失い、フルタも自分のシステムによる勝利だとは断言できずにいた。ウダジマとイナベはユミナの実力に驚き、シェリルはユミナの強さを予想していたため驚いていなかった。
エリオ達の実力不足は認められつつも、総合支援システムの導入による戦力向上が期待されていたこと、ユミナがタカギのシステムで戦力外判定を受けた背景には、部隊行動の効率を重視したシステムの特性が影響していたことが指摘された。フルタはユミナの実力を認めつつ、彼女の強さが自分のシステムの助けがあってこそだと主張した。
ウダジマはユミナの扱いについて議論し、彼女の待遇改善を提案。これはユミナをカツヤのチームに戻し、ウダジマの影響下に置く意図があった。結果として、ユミナは自己の望みを叶えるが、新たなしがらみに縛られることになった。
第172話 模擬戦
強化服の値引きの条件として機領の総合支援システムの開発テストに協力することになったアキラは、ドランカムの大型訓練施設でエレナたちやレイナたちと合流し、共にテストに参加していた。シオリとカナエも同伴していたが、彼らは参加者ではなく付き添いであった。アキラたち参加者は同じ総合支援強化服を着用し、予定されていたテスト内容が変更されたことを知らされる。新たなテスト内容はカツヤたちとの共闘であり、異なるシステムの併用と、システムの支援を受けない参加者を交えた部隊管理がどこまで可能かを確かめることだった。
エリオたちはユミナに完敗した衝撃から立ち直り、再び仲間と意気を合わせて模擬戦に挑む。一方、ユミナはカツヤたちと再会し、以前と変わらない関係を楽しんでいた。彼らは模擬戦開始の合図と共に共闘を始め、以前とは装備も実力も立場も変わったものの、昔のように協力して戦いに挑んだ。
模擬戦では、参加者たちは拡張現実上のモンスターの大規模な襲撃から防衛地点を守る設定で戦っていた。最初は比較的簡単に撃退できるモンスターから始まるが、時間の経過と共に敵の数と質が増し、最終的には防衛側が全滅するまでの時間をどれだけ引き延ばせるかが評価の基準だった。
アキラは真面目に戦いつつ、この模擬戦の質にいくつか不満を感じていた。特に、敵の弱点に対する着弾判定の精度の低さや、弾切れ後の一定時間待たなければならないルールに不満を持ち、アルファとその点について話し合った。アルファは、設備の限界から仕方がないとしつつも、アキラには急所をしっかり狙うことの重要性を説いた。
エリオはアキラよりも後に撃破されたことで、ユミナに完敗したことからの回復としては大健闘であると感じ、仲間達と小さな勝利を喜んだ。一方でエレナとサラは、撃破された後もポジティブに前向きに考え、アキラに対して少し先輩面をしようとしたが、内心ではアキラの強さを認めていた。
レイナはこの模擬戦で自身の実力と装備の性能を正しく認識する重要性を改めて感じた。カツヤとの比較によって自分を評価することをやめ、強くなること自体に集中する姿勢を見せた。しかし、カツヤの下に自信を持って戻れる日はまだ遠いと感じながら、カツヤのチームに再び加わることを目指し続けていた。
模擬戦ではエリオ達が最初に全滅し、期待通りに結果が出た。エリオはアキラより後に倒されるという成果を出したが、チームとしてはユミナ戦での敗北の印象を払拭するには至らなかった。続いてアキラ達が全滅し、総合支援システムの有用性を都市の幹部に宣伝するのに役立った。アキラ達の指揮役であるエレナは多忙であり、総合支援システムがあればより良い結果が出せたかもしれない。最後に残ったカツヤのチームも次第に追い詰められ、最終的にはカツヤとユミナが残るが、ユミナも限界を迎えて全員が撃破された。
カツヤ達の活躍は、特に総合支援システムの性能を示すのに適したものであった。タカギのシステムとフルタのシステムの統合が済んでいない中での作戦行動は、ユミナにとってはうまく機能していたと感じていた。カツヤは自分の行動をシステムに依存していることを認め、今後もそれ無しには戻れないと話した。また、タカギはカツヤからのシステムに対する肯定的な評価を聞いて自信を取り戻し、これからもそのシステムを活用して活躍することを期待した。
アキラは模擬戦を振り返り、自己反省を行い、気を引き締めることを決意した。一方で、白い世界からカツヤ達の模擬戦を見ていた少女は、ユミナに対する対処が必要だと考えており、どのように対処するかを思案していた。
第173話 第2奥部
アキラはキバヤシからハンターランク50相当の弾薬購入費補助が入ったとの連絡を受ける。この補助により、アキラはハンターオフィスの提携店で弾薬を安く購入できるようになる。キバヤシはアキラの交渉力を褒めつつ、報酬についての交渉が続いていることを伝える。アキラはできるだけ早く借金を返済したいと考えており、キバヤシに交渉を続けるよう頼む。
また、シズカから装備が届いたとの連絡を受けたアキラは、新しい強化服とLEO複合銃を受け取りに行く。シズカはアキラの宣伝効果を褒め、アキラが人型兵器の部隊に一人で立ち向かった話が宣伝に使われていることを伝える。アキラはその事実を知り、困惑する。
その後、アキラはカツラギから注文していた車とバイクを受け取る。カツラギはアキラの要望に応えて調達した車とバイクの性能を力説する。アキラはカツラギの努力に感謝しつつ、その反応は控えめだった。カツラギはアキラの反応に不満を見せるが、アキラは実際に使用して確かめると答える。カツラギはアキラが大金を軽く払うハンターであることを改めて認識し、次も依頼してくれるよう期待を寄せる。
ハンター稼業再開の準備を整えたアキラが、新しい装備を試すために再びクズスハラ街遺跡の奥部へと向かう。途中で使用した後方連絡線の使用料が150万オーラムという高額であったが、自力で行く苦労を考えれば適正料金と納得する。遺跡のさらに奥では、八島重鉄と吉岡重工による人型兵器のプレゼンテーションが行われており、アキラはその戦闘を遠くから観察していた。その後、アキラは遺物収集を試みるが、部屋から物を持ち出した途端に警備システムによる激しい攻撃に遭遇する。アキラはアルファのサポートを受けながら、警備機械との戦いを強いられる。建物の外では更に大型の警備機械が登場し、アキラとアルファは壁面を走行可能なバイクで砲火から逃れつつ、遺跡からの帰還を試みる。
アキラはアルファのサポートを受けながら警備機械と戦闘を続け、体感時間を操作しながらも照準のズレを指摘されるなど、実力の限界を感じていた。訓練を重ね、現実の解像度の操作など新たな技術を身に付けようとしていたが、今のところは成功していない。戦闘を通じて、アキラは死地の再現としての訓練の重要性を感じつつも、アルファの存在無しでは生き残れない現状に不甲斐なさを感じていた。しかし、アルファの指摘を受け入れつつも戦いを有利に進め、最後に残った警備機械を撃破する。戦闘後、アルファとの雑談を交わしつつ、アキラは自分にはまだ敵が強過ぎると感じていたが、また訓練のために同じ場所に戻ることを決意する。その後、巨大な狼が現れるが、アキラはアルファのサポートと高性能な装備を活用してこれを撃破し、安堵して場を後にする。アキラが去った後、ハンターたちがその場に残された巨狼の死体を運び去るシーンで終わる。
第174話 危険な取引
アキラはクズスハラ街遺跡の新たな奥部から収集した遺物を売るため、前線基地の買取所に立ち寄る。そこで、遺物の出所が「第2奥部」と記載されていることに気づき、その区分が都市側による便宜上のものであることを知る。また、アキラが一人で第2奥部に行ったことが、彼のハンターランクの調整依頼と関連していることが示される。一方、モラフたちは第2奥部でアキラに倒された巨狼型モンスターの死体を運び、不明な取引相手に渡す。その取引相手はメイド服を着た女性とハンターのような子供であり、彼らは死体を軽々と運び出す。モラフたちはその報酬として得た遺物の扱いについて議論する。
一方で、クガマヤマ都市の幹部たちは後方連絡線の延長作業の一時的中断を決定する。これは第2奥部に対する費用対効果の懸念からであり、第1奥部でのハンター活動の効率化に資金を振り向ける方が有益とされた。この決定は、ヤナギサワと他の幹部たちとの間で緊張が高まるが、最終的にヤナギサワは中断を受け入れる。また、会議では建国主義者の活動についての情報共有が求められる。
このように、アキラは遺跡探索を続け、都市の幹部たちは組織内の調整や外部の脅威に対応している中、モラフたちは危険な取引を終え、その報酬の扱いに頭を悩ませる。
スラム街の裏店舗に旧世界製の情報端末を持ち込んだ男性が、提示された買取額50万オーラムに不満を示す。店側は、その情報端末の真贋を確かめるためには外部の鑑定業者に頼む必要があり、その場の鑑定に限界があるため50万オーラムが限度であることを説明する。男性は渋々ながらも、外部の鑑定業者を500万オーラムで呼ぶことに同意し、鑑定結果が本物であることが確認されると、シェリルは3000万オーラムでその情報端末を買い取る。
一方、シェリルはその後、黒銀屋でその情報端末の正式な鑑定を依頼する。また、旧世界製の情報端末を売りに来た人物がまた現れるが、前回とは別の人物であり、今度は2個を持ち込む。シェリルは店に指示を出し、同じ条件での買取を続けるようにする。
モラフはティオル達との取引で手に入れた旧世界製の情報端末を、スラム街の裏店舗で換金しようと決める。しかし、計画は二大徒党の大抗争がスラム街の裏経済に残した傷跡の深さと、貴重で高価な遺物を即金で買い取れる店がシェリルの店ぐらいしかなかったために頓挫する。多くの店に数点ずつ持ち込む計画を断念し、モラフはシェリルの店で残りの旧世界製情報端末を一気に売ろうとする。店の前でモラフに声を掛けた男は、カツラギ達が手配した鑑定人の一人で、2800万オーラムで買い取ることを提案する。モラフはこの提案を受け入れ、男達との取引を進める。取引が無事に終了し、換金が済んだ後、モラフは再びティオル達との取引を行うかどうか仲間と相談するが、「次はない」と断言する。
第175話 ツバキハラ方面
クズスハラ街遺跡の中で白い人型兵器の部隊が大型ウェポンドッグの群れと戦闘を繰り広げ、機体の強固な力場装甲と高い操縦技術で大型ウェポンドッグを全滅させる。この機体は後方連絡線延長作業のために用意されたもので、エリオらはその戦闘を観戦後、遺物収集に向かう。エリオらはカツヤの部隊に分散し、模擬戦の時のように総合支援システムの支援を受けながら遺物収集に取り組む。一方、シェリルはドランカムの大型車両の中から総合支援システムの性能に感心し、エリオらが足を引っ張らずに遺物収集に貢献している様子を確認する。イナベが配置した旧世界製情報端末を見つけることを期待しながら、エリオらのチームワークと成長に注目が集まる。
アキラはシェリルの依頼でエリオ達の遺物収集に同行する予定であったが、イナベの介入により計画は中止となり、現在は救援依頼に対応している。過去の経験を振り返りつつ、アキラは自身の成長を実感しつつも、装備の向上に頼っている現状と自己の限界を感じていた。一方、遺跡内で苦戦していたハンター達はアキラに救助され、アキラは彼らの実力不足を指摘する。ハンター達は、都市が人型兵器を派遣してモンスターを間引いているチャンスを利用して遺物収集に来ていたが、想定以上の苦戦を強いられる。彼らは高価な遺物を発見しており、アキラにはその情報を隠していた。エリオは、同じスラム街出身のハンターたちとの交流を通じて、彼らの成長とカツヤのリーダーシップを称賛し、自分も強くなりたいという願望を抱いていた。
カツヤたちは遺物収集を続けるが成果は上がらず、シェリルを同行させている状況から成果を出したいという焦りが生じる。その結果、ミズハはシェリルに遺物収集の現場体験を提案し、カツヤもこれに賛成する。シェリルは戦闘能力がないものの、カツヤたちの保護のもとであれば安全だと判断し、提案を受け入れる。遺跡内での探索は危険を伴うものの、シェリルは新鮮な体験を楽しむ。一方でユミナは複雑な感情を抱きつつも、カツヤとシェリルのやりとりを見守る。探索中、カツヤたちは未知の反応を捉え、警戒態勢をとる。現れたのは武器を持たない少年であったが、ユミナは以前の戦闘経験からこの少年が敵であると確信し、撃つ。その判断はカツヤやミズハにも受け入れられ、チームは撤退を決定する。この出来事はシェリルにとって不安を感じさせるものであったが、状況を鑑みて従う。撤退後、少年の死体からは緑色の血が流れていた。
第176話 異形の少年達
遺跡内で得体の知れない少年との遭遇後、カツヤたちは撤退を試みるが、大量のモンスターに遭遇する。撤退路が阻まれる中、カツヤたちは非戦闘員を含む小規模ながらも戦力を集中させて撤退を試みる。外部の部隊も大量のモンスターに襲われていたが、人型兵器の部隊が支援にあたり、一時的には安全な撤退が見込まれる。
突如、異形の少年達が出現し、砲撃を行う。ユミナはシェリルを庇って爆発から逃れ、カツヤもミズハを守りながら避難する。異形の少年達は、左腕を大砲や機銃に変形させる能力を持っており、カツヤたちと戦う。ユミナは小型ミサイルを使って敵の接近を阻止し、カツヤたちは数の多さに苦戦しながらも戦い続ける。シェリルは、ユミナがカツヤたちから十分な支援を受けていないと感じ、違和感を覚えるが、状況を深く考えることはなく、カツヤはユミナとシェリルの安全を気にしながら戦闘を続ける。
オリビアとティオルが、遺跡内でモンスターの死体を利用して異形の少年を生成する場面から始まる。カツヤ達は異形の少年達との激しい戦いの中で、退路確保のための増援を受けながら苦戦する。ユミナはシェリルと共に立て籠もり、カツヤからの救援を待つ。カツヤはユミナの提案に従い、一度外へ脱出し弾薬補給と救出部隊の編制を計画するが、その過程で自分の無力さに直面する。アキラが突如現れ、カツヤと共にバイクで建物に再突入し、ユミナとシェリルの救出に向かう。
アキラはシェリルからの救援要請を受け、急いで現場に向かっていた。シェリルがドランカム事務派閥の精鋭部隊に護衛されているとはいえ、第1奥部の危険な状況下で救援依頼が来ることに驚いていた。アキラはアルファと共に、モンスターの群れを強力な武器で突破しながらシェリルとユミナのもとへ急いでいた。建物に近づくと、カツヤがバイクに飛び乗り、アキラと共にシェリルとユミナを助けに向かった。
第177話 誰かの望み、誰かの願い
カツヤの指示により、ドランカムの部隊は人型兵器の撤退と同時に現場から撤退を開始した。撤退はスムーズに行われ、包囲していたモンスター群を突破し、後方連絡線へと安全に戻る計画であった。一方で、エリオ達は自分たちが過信していたことを反省し、再び立ち直る決意を新たにする。アキラはカツヤをバイクに乗せ、ユミナ達の救出に向かうが、その途中で強敵と遭遇する。アキラは高いエネルギーを消費する強力な攻撃で敵を一掃するが、それによってエネルギー残量が急激に減少し、アキラとアルファは今後の戦闘におけるエネルギーの使い方について考えを巡らせる。アキラは強力な武器を駆使しながらも、ユミナとシェリルを助けるために急ぐ。
ユミナとシェリルは室内で立て籠もっていたが、異形の少年たちを含むモンスターの襲撃により徐々に追い詰められていた。しかし、異形の少年たちが突然シェリルに注目し、その動きを止めるという予期せぬ事態が発生した。これを機にユミナは反撃を試み、少年たちを倒すことに成功する。その後、アキラとカツヤが駆けつけ、ユミナとシェリルを救出する。アキラたちは、バイクで外に出ようとするが、異形の少年たちは現れず、外への脱出に成功する。この間、カツヤは自分の実力に対する疑問と失望を感じており、もっと強くなることを決意する。外には救援のために送られた人型兵器の部隊が到着し、ユミナたちは無事に第1奥部からの脱出を果たす。
クズスハラ街遺跡奥部から脱出したアキラたちは前線基地に戻り、それぞれの道を行くことになる。アキラは用があったという体で早々に去り、ユミナは彼に感謝の意を表す。シェリルは、第1奥部に連れてきたミズハからの謝罪を受け入れ、今回の事件を共に反省し、再発防止を誓う。シェリルは今回の件に何か意図があるかもしれないと疑い、関係者を疑ってみるが、最終的には偶発的な出来事だったと結論付ける。
一方で、カツヤは前線基地内の診療所で死んだ仲間を悼んでいた。彼は戦いによる犠牲を受け入れつつ、これからもっと強くならなければならないと決意する。ユミナもカツヤの意志を理解し、支持する。しかし、カツヤたちが過去に成し遂げた成果が彼らに慢心を抱かせ、今回の危機で再び真の強さを求める気持ちを促すこととなる。仲間たちはカツヤの更なる強さを願い、彼が彼らを導くと信じている。
第178話 容疑
第1奥部での騒動から一週間が経過し、シェリルは拠点での業務に追われていた。スラム街では旧世界製情報端末関連の詐欺が多発している中、シェリルの店では鑑定料を客負担で厳密な鑑定を行い、偽物を排除していた。シェリルは、スラム街に流れる本物の旧世界製情報端末の出所について疑問を抱いていたが、アキラが多くを持ち込んだとされていることには触れずにいた。
一方、ウダジマはイナベの工作行為を疑い、スラム街に流れる旧世界製情報端末の出所に関する鑑定を総合遺物鑑定局に依頼していた。鑑定結果がイナベの担当区画内であると判明し、ウダジマは自分がイナベの罠にかけられたことに気づく。ウダジマはイナベ、アキラ、シェリルに対して激怒し、罠を仕掛けたイナベへの対抗措置を考え始める。
ウダジマが鑑定結果を基にイナベを告発しようとする計画は、イナベが逆にウダジマを陥れる罠だったことが明らかになる。アキラが関与しているとされ、イナベがアキラに支払ったとされる20億オーラムが示される。ウダジマはイナベの罠をかいくぐり、さらなる罠がないかをヴィオラに調査依頼することにする。ウダジマの怒りはイナベだけでなく、アキラとシェリルにも向けられていた。
アキラは、拠点に都市の連中が乗り込んできたというエリオからの連絡を受け、シェリルの下に向かった。到着すると、シェリルは総合捜査局の職員による尋問を受けており、アキラが持ち込んだ旧世界製情報端末の出所について執拗に問われていた。職員たちはシェリルに対して暴力を振るい、建国主義者の情報ではなく、アキラを建国主義者に仕立て上げる口実を求めていた。スワングと名乗る職員はシェリルをテーブルに頭を叩きつけるなどして脅迫し、最終的にはシェリルを殺そうとした。
その時、アキラが現れ、シェリルに対する暴行を止めた。アキラはシェリルに回復薬を与え、その命を救った。シェリルは「知らない」という言葉を繰り返したのみで、アキラが建国主義者に関連していることを示唆する情報は何も話さなかった。アキラはシェリルに危害を加えた職員たちを射殺した。シェリルへの尋問と暴力の実態から、アキラが持ち込んだ遺物や建国主義者に関する情報を強要する都市の捜査局の行動が明らかになった。アキラの行動は、シェリルを守るためであり、彼らが求める情報を隠すためではなかった。
第179話 建国宣言
シェリルが目を覚ますと、イナベに派遣されたノグチがアキラと話していた。ノグチは、アキラが第1奥部の関係者を全員無傷で後方連絡線まで護衛したことに対し、この場合も同様に対処できなかったのかと問う。アキラは、状況が異なり、対処の仕方も変わるため不可能だったと説明する。続いて、部屋の掃除をせずにスワング達の遺体だけを持ち去るようノグチは指示し、シェリルとの話を始める。
一方、シェリルは精神的疲労を感じながらも、アキラと共に入浴し、現状をどう乗り越えるかを話し合う。イナベの指示により、アキラ達がスワング達を殺害した件は公にはなかったこととされることになり、事実上の隠蔽が行われる。
その後、都市の幹部達が集まる会議では、イナベとウダジマが対立。イナベは、アキラに対する建国主義者の疑惑を巡る総合捜査局の対応を問題視し、サワタリ局長の解任を求める。サワタリは、アキラへの疑惑の根拠を説明するが、イナベはその根拠を否定し、疑惑の捜査方法に問題があると指摘する。結果的に、サワタリの解任要請は取り下げられ、アキラに対する建国主義者の疑惑もひとまず置かれることになる。
会議中に、防衛隊から緊急の映像が届けられ、アルフォト団と名乗る子供達が建国を宣言する様子が映し出される。この衝撃的な発表に、会議室は騒然となる。
ティオルが行った演説と、その後の動向に関する文書を要約すると以下のようになる。
ティオルの演説について、ヤナギサワは疑問を持ちつつも、ネルゴとの秘匿通信を通じて互いにその映像の出所や意図について調査することを確認する。両者ともに、アルフォト団と名乗るこの一団の背後には大きな組織がいると推測しながらも、具体的な手がかりはつかめない状況であった。結局、ヤナギサワは自身の目的を達成するため、どのような結果になるかわからない賭けに出ることを決意する。
一方、都市の幹部たちはティオルの演説の影響に頭を悩ませており、イナベはこの事態への対処を考え始めるが、その直後にサエバからの監視下に置かれると告げられる。その理由は、イナベがアキラから手に入れた旧世界製情報端末の出所がアルフォト団との取引に関連している疑いがあるためだ。イナベとサエバは、ウダジマよりもイナベを支持するなど、互いの立場を超えた意見交換をする。
その後、イナベとサエバはシェリルの拠点へ向かい、スラム街の住民たちの警戒を受けながらも、都市の防衛隊の力を背景にして平和的な面会を試みる。この過程で、イナベはアキラが建国主義者と取引するような人物ではないという結論に達する。
アキラがシェリルを救助した事例が続いた後、シェリルの拠点に滞在することに決める。イナベたちの訪問を受け、アキラは旧世界製情報端末の出所についての情報提供を求められるが拒否する。アキラは建国主義者ではなく、取引もしていないこと、またティオルの映像についても知識がないことを明確にする。サエバはアキラにティオルの殺害を依頼し、これを拒否するアキラの反応から、彼が建国主義者ではないと判断する。
一方で、キバヤシからの通信を受けたアキラは、旧世界製自動人形の売却から得た30億オーラムのうち20億オーラムを返済に充てること、残り10億オーラムで戦力を向上させることを決める。キバヤシは、アキラがティオル討伐を躊躇していると誤解し、都市からの圧力に屈したと勘違いするが、アキラが既にティオルを敵視していたことを知り、彼の戦力向上に協力することを申し出る。
アキラはキバヤシの提案を受け入れ、10億オーラムの予算で装備を強化することを計画する。このやり取りを通じて、アキラとキバヤシは協力関係を再確認し、アキラは改めて自己の立場と目的を明確にする。
ウダジマがカツヤとミズハに建国主義者の討伐を頼み、特にカツヤにアキラとの戦いも暗に求める。カツヤは困難な表情で聞きながらも、ウダジマからの支援を受け入れることにし、シェリルを助ける目的も含めて討伐への参加を決意する。ウダジマはカツヤにアキラの倒し方を含めた詳細な要求をし、生存よりも捕獲や排除を優先するという強硬な姿勢を示す。カツヤはウダジマの提案に同意し、戦力を集めるために準備を進める。一方で、ウダジマは自分の行動を少し反省しながらも、他の手段を模索し始める。カツヤの無意識下には、彼の行動を止めようとするアルファと同類の存在の声があるが、カツヤの意識は他の者達の歓声に支配されていた。
第180話 通信障害
アキラは自宅の車庫から出発する準備をしており、ハンター稼業の誘いを断った後、賞金首速報を受けて第1奥部へと向かう。クガマヤマ都市はティオル達に500億オーラムの賞金を懸け、討伐完了は対象の壊滅とする。賞金は貢献度に応じて参加者に分配され、多くのハンターがこの機会を利用しようと動き出す。一方、クガマヤマ都市はハンター達を使ってティオル達の威力偵察を行い、無理ならば必要な戦力を投入する計画を立てている。アキラはツバキハラ方面へ進みながら、この件の裏にツバキがいる可能性を考え、アルファに対する迷いを感じつつも進む決意を固める。同時に、都市内部の権力争いが進行中であることをアルファから聞かされ、ややこしい状況に巻き込まれていると感じる。
イナベとサエバは前線基地の司令室で、ティオル達への賞金懸けの件を見守っていた。これはイナベの提案によるもので、ハンター達による奮闘を期待しつつ、必要に応じて防衛隊が出撃する計画である。両者は防衛隊や都市の情報について意見を交わし、ウダジマが防衛隊に影響を及ぼしている可能性を懸念していた。
一方、ウダジマはティオル達の討伐にあたり、吉岡重工の黒狼部隊を派遣していた。この行動はイナベの勢力拡大を妨害する目的があり、賞金首討伐による利益の独占と、アキラから建国主義者の疑念を晴らす機会の奪取を狙っている。ウダジマは、これが成功すればイナベに対して大きな打撃を与えると考えていた。
アキラはツバキハラ方面に進む途中、ネリアと再会する。ネリアはアキラに随伴し、彼の成果を奪う目的で行動していることを明かす。この状況はアキラにとって非常に面倒なものであったが、直接戦うことは避けられる。アキラは車両からモンスターの群れを一掃しようとするが、ネリア達によって戦局はアキラの想定よりも優勢に進んでいた。
アキラはこの好都合な状況を利用して弾倉とエネルギータンクの交換を行い、ティオル達の出現に備える。しかしその間にも、ネリア達はアキラの成果を搔っ攫うために行動を続けていた。
黒い人型兵器の部隊が第1奥部を進む中、アキラらとは別に巨大な廃ビル群を発見し、その内側には劣化していない旧世界の都市が広がっているのを目撃する。これにより、通信が完全に遮断され、前線基地では通信障害として建国主義者による妨害と判断される。司令官は防衛隊の出動を決定し、ハンター達による建国主義者の討伐から防衛隊による直接行動へと方針を転換する。
イナベはこの通信障害に懸念を示し、事態の悪化を危惧する一方で、ヤナギサワの動向についても気にかけるが、彼の所在や行動は不明であることが明かされる。
アキラはモンスターの大規模襲撃をネリア達の援護もあり乗り切るが、突然の頭痛と目眩に見舞われ、車がモンスターの死体に激突し、投げ出される事態に直面する。更に、アキラはアルファとの連絡が途絶え、彼女の姿が見当たらなくなってしまう。
第181話 襲撃と襲撃
走行中の車が大型モンスターの死体と激突し、アキラが屋根から放り出された後、アルファとの接続が切れる事態に直面する。アキラは慌てずに落ち着こうと自らを鼓舞しながら、ネリアからの短距離通信で、彼女も長距離通信が切れていることを知る。原因不明の大規模通信障害が発生していると判断し、アキラは通信が回復する地点まで引き返す決意をする。しかし、帰路につく途中で廃ビルが倒壊し、通行を阻む。さらに、無数の緑色の血を流す敵に襲われ、激しい銃撃戦が展開される。ネリアも加わり、アキラと共に敵を撃退するが、敵の増援が止まらず、状況は優勢ながらも勝利には程遠い状態が続く。
地上で戦うアキラとネリアの様子を空中から観察しているC12は、アキラに加勢しているネリアと敵の狙いについて思案する。通信障害の中、C12(ザルモ)はアキラを殺害しようと決意し、砲撃を行うが、アキラは生き延びる。一方、空中ではネリアとザルモの間で激しい空中近接戦闘が展開され、ネリアは防御を捨てて攻撃に出る戦法を選択する。ザルモはネリアの機体を撃破しようとするが、ネリアは巧みに戦い、二機は互いに攻撃を繰り返す。その間、アキラは爆発で昏倒し地面に転がっていたが、意識を取り戻し、重傷を負いながらも車に戻り回復薬を服用して戦闘状態に復帰する。アキラは再び戦えるようになったものの、上空の人型兵器の脅威は依然として存在し、状況は依然として危険であった。
2機の黒狼の空中戦は、ネリアがザルモの攻撃を誘い、反撃を試みるものの、最終的にザルモの機体には敗れ、地上に落下する。一方で、アキラはバイクを囮として用い、ザルモを攻撃する準備を進めていた。バイクには誰も乗っておらず、アキラはこの機を利用してザルモの機体に直接攻撃を仕掛ける。両手の銃で最大威力のC弾を発射し、ザルモの機体を撃破するが、その過程でアキラ自身も大きなリスクを背負う。ザルモは操縦席で死亡していることが確認される。
その後、アキラはネリアの無線連絡を受け、戦闘で重傷を負ったネリアの救助に向かう。ネリアは吉岡重工の部隊員であり、部隊の方針としてアキラとの戦闘は意図していなかったことが語られる。アキラはネリアの要請に応じ、彼女を前線基地まで送ることを決める。この一連の出来事を通じて、アキラはネリアに一定の借りがあることを認識しつつも、警戒心を解かずに行動する。
第182話 巨人達
アキラとネリアはクズスハラ街遺跡の第1奥部をバイクで進んでおり、アルファとの接続は切れた状態である。ネリアは、アキラが何故建国主義者から狙われているのか興味を持っている。アキラは過去に彼らから襲われた経験があるが、狙われる具体的な理由については不明であると説明する。一方で、ネリアからはアキラを襲った機体の操縦者がザルモであることが明かされるが、アキラにはその名前が以前から何らかの意味を持つように感じられている。アキラはその事実に動揺を隠せず、ネリアはアキラがウダジマの都市幹部や建国主義者と何らかの関連があるのではないかと推測するが、アキラは話を打ち切り、気にするのをやめることに決める。
クズスハラ街遺跡で発生した大規模な通信障害の時、異形の少年たちに対し、ヤツバヤシが処置を施していた。異形の少年たちとは外見上は普通の少年たちと変わらないが、実質は異なっていた。ティオルと名乗る少年は、アキラを狙って送り込んだモンスターの群れと部隊が全滅したことに驚愕していた。ヤツバヤシは、ティオルの体が持つ非常に貴重な技術の研究を続け、ティオルとの間で取引をしていた。一方、第1奥部から第2奥部の境界付近では、前線基地から送り込まれた大規模部隊が巨大な人型のモンスターと戦闘を繰り広げ、激しい撃ち合いの末に巨人を倒す。しかし、部隊は第2奥部からのさらなる巨大な人型のモンスターの群れの出現に直面し、迎撃の準備を始める。この事態は、建国主義者討伐以上の問題となり、都市防衛の規模にまで発展していた。
アキラが後方連絡線に向かう途中、アルファのサポートがなく、自分でバイクを運転していたため、速度は遅くなっていた。ネリアは運転を代わることを提案するが、アキラは信頼できないとして断る。スラム街での経験から他者を疑う習慣が残っており、アルファとの接続が切れている現状では、特に不安が募っていた。後方連絡線に近づいたところで、アキラは数十体の武装した巨人が都市の防衛隊と戦闘を繰り広げている場面に遭遇し、建国主義者との戦いが予想以上に激しいことに気づく。巨人たちはアキラを狙っており、ネリアの提案で索敵情報を共有した結果、アキラが目標にされていることが明らかになる。アキラは巨人たちの攻撃から逃れるためにバイクを加速させるが、途中で強化服の力場装甲を最大限に上げても耐えられないと判断し、迎撃を試みるが失敗する。迎撃に失敗したミサイルが黒い機体の部隊によって撃ち落とされ、爆発の衝撃でアキラは吹き飛ばされる。
第183話 甘えからの脱却
イイダ商業区画遺跡でアキラとの戦い後、ティオルは過度な変異により肉体と精神に大きな負担がかかり、生死の境を彷徨った。その後、ヤツバヤシによる処置とツバキの改造を受け、システムとティオルの精神が融合し、ティオルはシステムに支配された存在となった。しかし、シェリルとの再会によりティオルは自我を取り戻し、オリビアへの攻撃を試みるが失敗する。その後、ツバキの介入によりティオルは自我を消されそうになるが、強い意志で抗い、ツバキから取引の提案を受ける。ツバキはティオルに仕事を依頼し、成功すればティオルの犯罪行為を大目に見ると約束する。ティオルはツバキの提案に応じるが、その内容に疑問を抱く。ツバキはティオルに対して約束を守るよう警告し、ティオルは取引の内容に戸惑いつつも受け入れる。
ティオルはツバキからの仕事として、都市の戦力を第1奥部に誘い出し、撃破する任務を受ける。このために建国主義者を装い、都市への襲撃を偽装する。オリビアの協力で建国宣言の映像を作成し、広域汎用通信に流すことで、都市の大規模な戦力を引き出す計画を実行に移す。ヤツバヤシからも協力を得て、戦力を増強して都市防衛隊との戦闘に備える。
ティオル自身も巨人と化し、都市の防衛隊と交戦するが、アキラの殺害も目論む。アキラとの再会と戦闘が始まるが、アキラはティオルの攻撃を避ける新たな能力「現実の解像度の操作」を手に入れ、ティオルの懐に飛び込む。アキラはこの能力によって、ティオルの攻撃を回避し、反撃するチャンスを見出す。しかしティオルの巨体は生物的な特性を持ち、アキラの銃撃が決定的なダメージにならないことに苦悩する。アキラはティオルの攻撃をかわしつつ、戦いを続ける決意を固める。
第184話 殺害対象
ティオルはアキラを振り払おうと奮闘するが、アキラはティオルの表面を走り回り、その攻撃を巧みに避け続ける。ティオルがビルに衝突して瓦礫を生じさせるなどの激しい行動に出るも、アキラを引き剝がすことには失敗する。戦闘は黒い機体の部隊も交えて続き、黒い機体の部隊はアキラには銃撃のみを、他の巨人達には銃撃と砲撃を用いる戦略を取る。
ティオルに対しては砲撃を避け、アキラに当たらないように配慮された銃撃のみが行われる。アキラはティオルの銃撃を邪魔し続け、ティオルはアキラを直接攻撃しようとするが、アキラの迅速な動きにより攻撃はことごとく回避される。ティオルの随伴する巨人達は黒い機体の部隊によって一つずつ撃破され、ティオルはますます孤立する。
この状況下で、黒い機体の部隊が撤退を開始し、アキラはティオルとの直接対決を余儀なくされる。その時、ネリアがアキラのバイクに乗って現れ、アキラを救出する。アキラとネリアはティオルの攻撃を避けながら逃走を試みるが、後方連絡線への道は断たれ、ティオルを倒すしかないという結論に達する。ネリアはティオルを倒すための賭けを提案し、アキラはそれを受け入れる。ネリアはバイクを走らせ、ティオルとの決着に向かう。
ティオルはアキラを銃で撃ち続けるものの、どの弾もアキラには当たらない。ティオルには迷いが生まれ、弱気に流されそうになるが、アキラが射程外に逃げる前に銃を下げる決断をする。しかし、その直後にアキラは転倒し、ティオルは撃つチャンスを逃してしまう。ティオルはアキラの追跡を諦めようとするが、再び追跡を決意する。一方、アキラとネリアはティオルの追跡を確認し、ティオルを誘い出すためにミサイルを撃つ。ティオルは追跡を続け、アキラはティオルからの攻撃を巧みに回避し、さらに反撃する。
アキラとネリアはティオルを倒すための作戦を実行し、ティオルの装甲に穴を開けることに成功する。アキラはティオルの体内にチェーンソー型の武器を挿入し、内部からダメージを与える。この戦法はティオルの再生能力を上回るダメージを与えることができ、ティオルの装甲を弱体化させる。さらに、アキラはティオルの銃を破壊することに成功する。アキラの攻撃がティオルに有効であることが示され、勝機をつかむ。ネリアの賭けは成功し、アキラとネリアはティオルを倒すための最終準備を進める。
ティオルは体内に埋め込まれた巨大なチェーンソーを取り出そうとするが、アキラに阻まれる。アキラはティオルの手に連射を浴びせ、液体金属のブレードで斬り付ける。ティオルはアキラを引き剝がそうとするが、アキラは抵抗し、チェーンソーの摘出を阻止する。ティオルの銃が完全に破壊されると、アキラは離れてしまうが、ティオルはチェーンソーを強引に取り出し、自身の手を潰してしまう。しかし、アキラはティオルの念話を聞き、殺意を新たにする。ティオルが大砲に変形させた腕で攻撃するが、アキラは回避し、反撃してティオルの首を切断する。アキラの攻撃でティオルは大きく損壊し、頭が両断される。アキラはギリギリで逃れ、ティオルは動きを止める。
第185話 偽アキラ
アキラは巨人を撃破した後、その死体を前にして、本当に倒したのか確信が持てずにいた。アルファとの接続が回復していないため、確認もできず、不安が残る。ネリアがバイクで現れ、二人は現場を後にする。アキラは自分の車に戻り、装備を整え直したが、大量に持ち込んだ弾薬や回復薬、エネルギータンクがほぼ使い果たされていたことに気づく。防衛隊の人型兵器の部隊が現れ、アキラが巨人を単独で倒したことに驚きつつ、アキラ達を都市まで運ぶことはできないと伝える。部隊長はティオルがまだ生きており、ハンター達が建国主義者の拠点で交戦中だと告げる。アキラは拠点の位置を聞き出し、一人で向かうことにする。ネリアを防衛隊に託し、アキラは再びバイクで拠点を目指す。自分が本当にティオルを倒したのか確かめ、生きていれば今度こそ殺す決意を固めている。
ツバキが巨人と化したティオルの首の無い死体を背景に立ち、自身の管理区域近くに異なる大きな戦力が存在する非常事態を宣言し、外に出る権限を得る。その後、ヤナギサワとツバキは遺跡で遭遇し、ヤナギサワは対滅弾頭を使用してツバキを攻撃する。ツバキは攻撃を受けて大きく損傷するが、ヤナギサワは交渉を申し出る。ツバキは交渉に応じ、ヤナギサワが武器を捨てると共に、交渉の場へと案内される。一方、アキラは建国主義者の拠点を目指していたが、途中で異形の人型に襲われる。その後、ハンター達と遭遇し、誤解から彼らに攻撃される。アキラはバイクから離脱し、廃ビルへと逃げ込むが、ハンター達から投降を迫られる。アキラは自分がハンター達の追う対象であることに驚き、どう対処するか迷う。
巨人と化したティオルがアキラに倒されそうになった時、彼の意識は遠隔操作端末の一体に転送されて生き延びる。この技術により、ティオルは自分の元の体を失ったものの、意識的には生存することができた。彼は自分がなぜ生き延びたのか混乱しながらも、自分が死なずに済んだことに安堵する。その後、ティオルは遠隔操作端末の外見と装備を変更し、建国主義者の拠点で劣勢に立たされていることを知り、脱出を図ることにする。彼は他の端末を使って自分の代わりになる個体を作り、自分はハンターに変装して拠点からの脱出を試みる計画を立てる。ティオルはアキラの装備を模して端末の外見を変え、自分が再びアキラと戦うことはないが、誰かにアキラを倒してもらおうと考える。
ドランカムの部隊が、ティオルの遠隔操作端末とビル内で激戦を繰り広げている。カツヤたちが前線を引き継ぎ、他のハンターたちは退路の確保や迂回する敵の排除を行う。カツヤは部隊の指揮を取り、強者を評価するハンターたちの間でその地位を確立していた。ユミナはカツヤの隣で複雑な感情を抱いており、カツヤがドランカムに参加したことについて後悔していた。
ビルの最上階に突入したカツヤたちは、ティオルとアキラが敵対する偽装を行っていた。ティオルは偽のアキラを用いてハンターたちを欺き、ビルから脱出する計画を立てていた。しかし、本物のアキラが敵としてハンターたちに追われる状況が生まれた。この事態は、アキラがアルファとの依存から脱却し、独自の判断で行動した結果である。
カツヤたちは偽アキラを追い、ティオルは偽物を作り出し、本物のアキラを利用してハンターたちを騙す計画に成功した。しかし、その結果としてアキラはハンターたちに追われることになり、彼の運命に深く影響を与えた。
第186話 ローカルネットワーク
アキラを追うハンターたちにカツヤが合流し、建国主義者のネルゴと会話する。アキラはビル内におり、多数のハンターが突入しているものの、生還者は交戦を避けた者のみである。カツヤはアキラを重傷を負わせたと主張し、ネルゴはアキラの強さについて議論する。カツヤはアキラを追い、周囲のハンターたちも彼に期待を寄せる。ネルゴはカツヤの特異性について考え、彼が旧領域接続者であることを知っていた。
ヤナギサワはネルゴと会い、カツヤを建国主義者側で確保したいという提案を受ける。ネルゴはカツヤが旧領域接続者であり、彼の影響力を利用して建国主義者への好印象を広めたいと説明する。ヤナギサワはその提案を受け入れるが、必要があればカツヤを殺すことも辞さないと言う。アキラについても話題に上がり、彼が旧領域接続者ではない可能性が高いと結論づける。
ネルゴの提案により、カツヤの確保が決定する。カツヤとアキラの運命が建国主義者とヤナギサワの手によって動き始める。
ネルゴはカツヤのローカルネットワークの異常な構築能力について考察する。一方、アキラとの戦闘から生還した男がカツヤたちの元に現れ、アキラの強さを証言する。アキラは男に対し、なぜ自分を狙うのかを問い、交戦の理由を探る。男から、アキラに賞金がかけられていることを聞き出す。この賞金はウダジマがイナベを排除するために用意したものであると推測される。カツヤたちは、アキラが本物で、彼らが戦ったのが偽物だった可能性を考え始める。
ユミナはアキラとの誤解を解くために、単独で廃ビルへと向かう決意をする。カツヤはユミナの安全を気にするが、彼女の決意を尊重し、待つことを選ぶ。アキラが賞金首にされている真相や、ウダジマの意図、そしてカツヤたちとアキラの間で起こっている誤解が、物語の中心となっている。
ユミナは一人で廃ビルに入り、アキラに接触を試みる。情報収集妨害煙幕の影響で短距離通信が繋がらず、危険を承知でアキラを探し、彼に戦う意志がないことを伝える。アキラと対面したユミナは、お互いの誤解を解くために情報を交換する。アキラが巨人のような存在に勝利した話を聞いて、ユミナは驚くが、彼の話を信じる。アキラは、現在の状況がイナベとウダジマの権力争いの一部であることを明かし、通信障害が解消されるのを待ち、イナベに連絡しようと考えている。
ユミナはアキラに投降を促すが、アキラは拒否。彼は、ユミナに都市の幹部間の権力争いの話をして、ユミナを驚かせる。ユミナはアキラに大人しく待つよう頼み、カツヤを説得しようと決意してビルを後にする。アキラは一人残り、体の回復と通信障害の解消を待ちながら、短い休息を取る。彼はスラム街で培った危機感知能力を頼りに、安全を確保しつつ休む。
第187話 アキラとユミナ
アキラはユミナとの再会後、彼女の投降の提案を再び拒否する。その一方で、ユミナはカツヤに撤退を進言するが、カツヤはアキラが建国主義者と無関係である証拠がないと主張し、撤退を拒否する。ユミナはカツヤにアキラとの直接対話を試みる時間を求め、一時的な包囲維持にカツヤを説得する。しかし、カツヤは都市の幹部からの通信を受け、シェリルを助けるためにはアキラを倒す必要があるとされ、戦闘の準備を始める。ユミナはアキラを説得しようと再び彼の元へ向かうが、アキラとの間に殺し合いが始まる。カツヤはユミナが戦闘中であることを知り、彼女を救うために仲間達と共にビルに突入する。
戦闘が始まり、ユミナはアキラとの間合いを詰めつつ、連射による銃撃を繰り返す。アキラはブレードを用いて接近しようとするも、ユミナの猛攻に対して回避に努める。ユミナはカツヤの到着前に決着をつけようと、自分からアキラとの距離を詰めるものの、アキラの手により致命的な一撃を受ける。ユミナは最後までカツヤを助けようとするが、その願いはかなわず、アキラに抱き締められながら命を落とす。
カツヤはユミナの死を知り、アキラに対する怒りを露わにして戦闘を挑む。アキラもまた、殺したくなかったユミナを殺したことへの葛藤を抱えながら、カツヤとの戦いに臨む。二人はユミナを戦闘の巻き添えにしないように場所を変え、激しい銃撃戦を展開する。
第188話 望みの果て
アキラとカツヤ達の激しい戦闘が続く中、アキラは自分の全力を出し切って戦う。彼はC弾を使い、敵の射線から逃れようとするが、カツヤ達もアキラを囲んで同時に銃撃し、彼の逃げ場を塞ぐ戦術を取る。アキラは何とかそれらの攻撃を凌ぎ、エネルギーパックを交換して反撃を試みる。一方で、カツヤは仲間の死を乗り越え、アキラを倒すことに全てを注ぐ。
戦闘の中で、アキラはカツヤ達の突撃を凌ぎつつ、ビル内を駆け回る。しかし、カツヤ達はアキラを執拗に追い、ある時点でアキラを撃つために前衛の仲間すら盾にするほどの決断を下す。これにより、アキラは重傷を負いながらもなんとか逃れることができる。
カツヤは戦いを続ける中で何か致命的な間違いをしているのではないかという違和感を覚えるが、それを具体的に理解することはできず、アキラとの戦いに固執する。アキラはカツヤ達の予想外の行動に混乱しつつも、生き延びるための戦いを続ける。
カツヤは、自分が仲間を盾にしてアキラからの銃撃を防いだことを思い出し、その行動に混乱と絶望を感じる。彼がこうした行動に至ったのは、彼自身が知らず知らずのうちに築いたローカルネットワークの影響であり、それがカツヤの意志を強く後押ししていた。このネットワークは、カツヤがハンターとして成り上がるのを助けると同時に、彼の意志に同調する集団を形成し、カツヤ自身もこのネットワークからの影響を受けていた。
カツヤの認識の揺らぎは、通信障害による外部からの干渉の途絶え、ユミナの死、そして仲間の大量死といった複数の要因によって引き起こされた。これにより、彼は自分の行動を振り返り、正気に戻る。しかし、この正気が彼にとっては耐えがたい現実をもたらし、仲間の声によって辛うじて精神の崩壊を防ぐ。アイリの必死の呼び掛けにより、カツヤは戦闘の継続が間違いであると認識し、撤退を決断する。
アキラは、カツヤ達との戦いで消耗しながらも生き残る方法を模索していた。その中で、アイリとの一騎打ちになり、互いに全力で戦う。アキラは消耗していたが、アイリに勝利し、彼女はカツヤの悲痛な姿を最後に見ながら死んでいく。アイリはカツヤに自分の死を悲しんでほしいと願っていたが、その願いが叶ったことを知り、安堵して息を引き取る。
カツヤはアイリと仲間達を失った悲しみと、彼らを救えなかった自己の無力さに苛まれながら、生き残りの仲間とともに撤退する。
カツヤは、自身のローカルネットワークからの影響が一時的に途切れた後、緊迫した精神状態の中で自身が起こした惨劇を客観的に見つめ直す。アキラとの最終対決では、カツヤはアキラに投降を勧めるも、アキラは拒否。カツヤもまた、自分が引き起こした過ちを正すため、そして仲間たちの死を無駄にしないために、戦いを避けることはできないと決意する。二人は武器を捨て、ブレードでの一騎打ちを選ぶ。カツヤの中には、生きることに対する強い意志よりも、贖罪の思いが強く、この差が二人の決闘の結果に影響を及ぼす。
アキラの一撃がカツヤを倒し、カツヤは床に倒れる。死の間際、カツヤは自分が選択しなかった未来を幻視し、友人たちへの謝罪の思いを抱きながらこの世を去る。カツヤ、ユミナ、アイリの三人は、同じ日に同じ場所でハンターとしての生を終える。生き残ったアキラが去った後、三人の亡骸が静かに寄り添うようにして残される。
第189話 義理と命
アキラはカツヤたちとの戦いを終えたものの、ビルは依然としてハンターたちに包囲されており、自身も極限状態にあった。休息を取ろうとした瞬間、予期せぬツバキの出現に驚く。ツバキはアキラに旧世界製の回復薬を提供し、体調を一気に回復させる。その後、ツバキはアキラとの取引を提案するが、アキラはアルファとの事前の約束を理由にこれを断る。通信障害がツバキによるものであることが明らかになるが、アキラはツバキの提案を断り続け、自身の意志を貫く。
その後、ツバキは通信障害を解除し、アキラとアルファの接続を回復させる。ツバキはその場を去り、アキラとアルファに別れを告げる。その直後、ビルの屋上にはティオルの成れの果てと思われる巨大な異形のモンスターが現れ、アキラたちに襲い掛かる。アキラは新たな危機に直面し、ツバキによる安全保証の終了と同時に、再び生存のための戦いに挑むことになる。
ティオルは、アキラが立て籠もるビルまで追いかけていったが、ビルを包囲するハンターたちに紛れ込むことはせず、離れた位置から様子を伺っていた。しかし、近くにいたモンスターを追い払う様子をハンターたちに目撃され、アルフォト団と誤認されて襲われる。ティオルは反撃し、銃撃戦に勝利するが、致命傷を負ってしまう。死を回避しようとモンスターの死体を食い、変異を試みるも、遠隔操作端末の体は暴走し、意識も侵蝕される。ティオルはハンターたちを蹂躙し、アキラを目指してビルの屋上に上がる。
アキラとアルファの協力の下、ティオルとの戦闘が始まる。ティオルは異形の姿で襲い掛かるが、アキラとアルファの連携によって抵抗される。ティオルの変異した姿は、アキラとアルファにとって厄介な敵であったが、エレナとサラが輸送機からの銃撃で援護し、最終的にアキラがティオルを倒す。ティオルは、人としての最後の意識の中で、シェリルのことを思い出し、生涯を終える。
アキラは戦闘の後遺症で手が動かなくなるが、エレナとサラに助けられて輸送機で安全な場所へと運ばれる。ツバキは、この一連の出来事を見届けながら、次の機会を期待して去っていく。
第190話 試行は続けられる
夕暮れ時、ヤナギサワはツバキの都市で取引を終え、廃ビルの外まで送られる。取引に満足するヤナギサワに対し、ツバキはヤナギサワが約束を守るかどうかに取引の成果がかかっていると告げる。ツバキはヤナギサワが過去に他の管理人格との約束を破ったことを指摘し、その理由を問う。ヤナギサワは少し動揺しつつも、不特定多数の人間の幸福と救済を目的として行動していると答える。ツバキは約束違反の場合、ヤナギサワの情報を他者に引き渡すと警告する。
一方、夜、第1奥部でネルゴとザルモというサイボーグたちは、互いに自分を回収し、生存していたことを確認し合う。彼らはアキラに敗れた同志の存在を認識しており、アキラを危険視することを決める。
その後、ヤツバヤシは自身の診療所でティオルから得たデータを整理し、研究に役立ったことに満足を示す。
病院で目覚めたアキラは、自分が再び病院送りになっていることをあまり驚かずに受け入れる。アキラの両手は医療用の義手に置き換えられており、本物の手とほぼ変わらない感覚で動かすことができる。アルファはアキラに義手の感触を試させるために、あえて自身の胸にアキラの手を触れさせる。アキラはその感触に驚きながらも、アルファの誘いを拒絶する。
アキラの病室に、イナベがシズカを連れて見舞いに来る。イナベはアキラが建国主義者として疑われた件がクガマヤマ都市において解決したと説明し、アキラの無実を保証する。この訪問はアキラとシズカの間の誤解を解くとともに、イナベがアキラに恩を売る意図もあったが、アキラはその意図を理解していない。イナベは短い会話の後に退室し、シズカはアキラの堂々とした態度を褒めつつ、彼が無事であることを安堵する。アキラはシズカにこれまでの事情を説明し、彼女からユミナの話題が出た際に、アキラがユミナを殺害したことを告白する。シズカは衝撃を受けつつも、アキラを慰め、彼にユミナの死を悼むことを許す。
一方、ツバキの行動は、自身の管理区画を防衛し拡大する目的で行われていた。ツバキはティオルや他の人物を利用して、隣接区画の管理権を獲得し、自己の立場を強化する。ツバキと対立する存在は、彼女に手出しできない状況を悟る。アルファはツバキの行動が自身の目的に間接的に貢献したと評価しており、アキラとの取引を継続する意志を固める。アルファはアキラが自分との約束を優先する姿勢を評価し、試行の続行に自信を持つ。
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