どんな本?
リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。
物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。
物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。
彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。
この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。
最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。
読んだ本のタイトル
リビルドワールド VIII〈上〉 第3奥部
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ 氏
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あらすじ・内容
★☆★TVアニメ化決定!!★☆★
リビルドワールドVIII〈上〉 第3奥部
都市間輸送車両の護衛依頼を終えクガマヤマ都市に帰還したアキラ。
奥部攻略のため続々と高ランクハンター達が訪れたことで、クズスハラ街遺跡を取り巻く状況は過熱していく。
そんな中、アキラはキャロルから意味深な誘いを受けるが……?
新装備を手にしたアキラが、ついにクズスハラ街遺跡の奥部を目指す!
読者を熱狂させる大人気SFバトルアクション、書籍版オリジナル展開で贈る待望の新エピソード!
前巻からのあらすじ
トップのハンターレベルを手に入れた結果。
ある程度の抑止力を持つ事が出来たが、脳裏には常にユミナへの後悔がチラつく日々。
都市の職員キバヤシからの紹介でクガマヤマ都市職員の若き才媛・ヒカルをアキラ専属の交渉役にして、都市からの仕事を斡旋させる。
そんな中で、シェリル傘下の連中を率いての狩を行いながらリハビリをして、ある程度復活したら。
ヒカルの手引きで都市間輸送車両の警護をして東側の領域のツェゲルト都市へ行く。
ツェゲルト都市行きは、行きは大規模で大型な蟲達に襲われ。
防衛していたハンター達に負傷者が多数出てしまい、警備不足を理由に帰りの行程を遅らせようとしたら、坂下重工から行程の遅延は許さないと命じられて出発してしまう。
そして帰りは大規模な陽動に蟲、機動兵器、空の要塞のような機械に襲われて守備側と四つ巴の戦闘。
さらに列車の中では旧領域接続者のシロウを誘拐しようとした連中は、何故かウダジマの部屋に避難したヒカルを襲撃。
外の敵を殲滅して中に戻ったアキラが間一髪でヒカルと襲撃者の間に入り戦闘となり。
その相手をほんの紙一重の差で勝利してヒカルを護ったアキラだったが、、
お約束にダウン。
そんなアキラ達を横目に護衛対象であるシロウは、護衛を振り切ってクガヤマシティーへ逃亡して行く。
感想
新キャラはハンターギルド、ドラゴンリバーのタツカワ。
キバヤシに仕事を斡旋されて成り上がった先達者。
武器は赤い人型兵器。
ハンターランク70
都市間鉄道の警備でハンターランク55から70になったアキラ。
お約束のように装備一式を全壊。
また装備を購入しないといけなくなる。
それをヒカルが各社を焚き付けて218億オーラムの装備を揃える。
それを相変わらずシズカ経由でしか買わないアキラ。
そんなアキラを護衛に雇うキャロルだったが、、
そしたら彼女の持つ地図のデータを巡って抗争が起き。
アキラはその抗争に巻き込まれて、ロットブレイクの組織員に家を襲われて破壊されてしまう。
金を注ぎ込んで作った風呂は数回入浴しただけで全壊。
そして護衛対象のキャロルの家にお世話になる。
でも、キャロルの地図を狙った組織が、ライバル組織に地図を奪わられるくらいならキャロルを殺してしまおうと動き出す。
クズスハラ奥部へ
そんな抗争から逃れるためにキャロルは、自身の地図の価値を下げるために、クズスハラ奥部へ行くための裏道を探索するために、ミハゾノ遺跡へ向かう。
そうして途中でシロウの依頼で奥部探索をしていたトガミと合流して、クズスハラ奥部と思われる所へ行ったら、、
濃度の濃い色なしの霧に囲まれ、真っ白な空間に閉じ込められてしまう。
そこに現れるツバキ。
ツバキはアキラに外に出してやろうかと言うが、アルファの事を秘密にしたいアキラはツバキと共に行動する事が出来ない。
そんなアキラにとってテンパった状態は魔物の襲撃で有耶無耶になる。
そうしてツバキと別れて奥部を彷徨うアキラ。
建築のいらない建設物、、
羨ましい技術だよな。。
さらに、迷子なアキラ達と途中で合流するタツカワ。
タツカワも仲間と戦闘をしていたら途中で真っ白な空間に紛れ込んでいたらしい。
そんなアキラの危機を利用してシロウが、ツバキへの仲介を頼む。
護衛にリオンズテイル社の自動人形オリビアを護衛に付けて、、
え?それ、全部アキラの、、、
さらにシロウはリオンズテイル社を目指していたレイナ、シオリ、カナエを協力者にしてアキラの下へ向かう。
途中でレイナを拘束、殺害しようとしたレイナの親族が派遣した執事、メイドの軍団を突破して。
そうして、シロウの導きを信じてアキラ達は奥部から出ようとするが、、
そこに怪獣が立ち塞がる。
その怪獣から逃げながらシロウ、レイナ達と合流するために必死にチェイスする。
あと1発喰らったら死ぬ。
そんな状態まで追い込まれてアキラ達は、何とか生還する事が出来た。
そしてキャロルの家に帰り、風呂に入って疲れを癒そうとしていたら、、
キャロルの友人(?)のヴィオラから緊急事態発生の情報が来る。
アキラがウダジマを殺したという事でクガヤマシティの治安部隊が襲撃して来ると、、
クガヤマシティーの幹部ウダジマを殺すと決意しているアキラだったが、、
時期が悪く、まだ殺そうとは思っていなかった。
それなのにアキラはウダジマ殺害の容疑で拘束されそうになってしまう。
しかも、アキラがウダジマを殺した映像もあり。
本人が冤罪だと言っても、拘束した側は絶対に信じない状態。
下手すると拘束中に殺されてしまうかもしれない。
そんな状態となりアキラはクガヤマシティーから逃亡する。
下巻に続く。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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同シリーズ
リビルドワールド シリーズ
その他フィクション
備忘録
第212話 きわどい話
スラム街から出て遺跡で不思議な女性に出会った少年は、多くの苦難を経て力を手に入れ、巨大なモンスターを打ち倒す強者となった。
かつての願いであった普通の生活を手に入れても、彼はさらなる力を求め続ける。
その理由は、アルファの依頼を果たすためと、死なせたくない者を守るためである。
激しい戦いを乗り越え、高ランクハンターとしての生活を得ても、彼はまだ満足していない。
アキラは自宅で贅沢な入浴を楽しみ、良く眠れたことで疲労を癒やす。
彼の日常は少しずつ変わり、以前とは異なる贅沢な食事に舌が慣れ始めていた。
しかし、彼は自身の変化に戸惑いも感じている。
さらに、アキラは都市間輸送車両での護衛依頼中に超人エルデと戦い、彼を撃破するが、この戦いは坂下重工の裏工作によるものだった。
この事実を知り、アキラは複雑な感情を抱えつつも、関わった事情を理解し、イナベの助言に従うことを決める。
坂下重工からの報酬の話を前に、アキラはどのような要求をするかを考えていた。
ヒカルはイナベに都市間輸送車両の護衛依頼の報告を行ったが、アキラと組んでウダジマの失脚を計画している点は除外していた。
キバヤシからの情報提供は、ヒカルを罠にかけるためのものだとイナベは推察した。
この情報では、アキラがウダジマを襲うよう誘導し、それによりヒカルがアキラの担当から外されることが予想されていた。
また、ウダジマがアキラに罠を仕掛ける可能性も示唆されていた。
イナベはこれらの推察が事実であっても、ヒカルが状況をうまく管理したと評価し、人事評価の上昇を期待させた。
しかし、ヒカルはその承認に対して複雑な感情を抱いており、自分の力不足を感じ、アキラの担当から外れることを希望した。
イナベはヒカルの希望を受け入れつつ、後任が決まるまでは続けるよう依頼した。
イナベはヒカルに、中立の立場が強者にしか許されないと助言し、今後の対応に慎重を期すよう忠告した。
ヒカルはこの忠告を受け入れ、今後どのように行動するかを検討する状況にあった。
イナベからウダジマを排除するための工作に報酬を使う選択肢を提案されたアキラは、それを断り、報酬として金とハンターランクの上昇を選んだ。
アキラにとってウダジマの問題は生きる目的ではなく、より強力な装備を優先する必要があると考えていた。
これは頻繁に超人との戦いに巻き込まれる彼にとって必要なことであり、装備の購入ではハンターランクが重要な役割を果たすからである。
イナベはアキラの決断を受け入れ、報酬を金とハンターランクで要求することを約束した。
また、イナベはアキラに契約を重んじる姿勢を評価しながら、もしウダジマを排除する選択をしていた場合、アキラが入院し続けることも考慮していたと説明した。
これはウダジマが極端な行動に出る可能性を高めるための安全策だった。
イナベとの会話後、ヒカルがアキラに戻ってきたとき、彼女はアキラからの装備購入の指示に従い、坂下重工からの報酬を装備の購入に全額充てることを確認した。
ヒカルはアキラの担当として彼のニーズに応える準備ができていた。
ウダジマは部下からアキラが生存しており、イナベの影響下にある病院にいるという報告を受けた。
アキラが死んでいなかったことにウダジマは激しい怒りを感じた。
アキラのハンターランクが短期間で55に上がったことも知り、その実力に驚愕した。
その後、ヴィオラから情報取引の提案があったが、ウダジマは最初はその提案を拒否した。
しかし、後に情報の価値が下がったとして200万オーラムで提供された情報を購入し、アキラが装備を失ったことを知り、状況を理解した。
ウダジマは自己の判断が正しかったと自分を納得させながら、まだ逆転の機会があると自らを鼓舞した。
その一方で、ヴィオラはウダジマがどのように行動するかを楽しむかのように待っていた。
第213話 シロウの観光
クガマヤマ都市の特別貸出区域で、坂下重工の重役スガドメと彼の部下ハーマーズが会話をしている。
ハーマーズはシロウの脱走事件について報告し、スガドメはハーマーズの責任を問わない判断を下す。
ハーマーズにはシロウの捜索を一時中断し、適切な仕事が見つかるまで休むよう指示される。
また、スガドメはシロウの捕獲協力が必要になるかもしれないとして、完全には休むことを許可しない。
その後、スガドメは同席していたマツバラに対し、最近の襲撃がシロウの身柄を狙ったものであったことを説明するが、その目的が単なる身柄の奪取ではなく、他の大企業による威力偵察の可能性を示唆する。
スガドメはシロウの身柄が重視されていない可能性を示し、他の大企業がクガマヤマ都市の動向を探るために襲撃を行ったとの見解を示す。
この情報はマツバラにとって新たな懸念を生じさせるが、スガドメは確固たる意志を持って遺跡攻略のための補給線を守る姿勢を見せる。
シロウが脱走した夜、スガドメは執務室で一人で仕事をしていた。
突然、立体映像表示装置が起動し、シロウが表示された。
スガドメは驚いた後、呆れた表情を浮かべる。
シロウは軽い態度で話し始め、ただ観光を楽しみたいと言い出す。
スガドメは、護衛付きであれば観光を許可すると提案するが、シロウは護衛を拒否し、一人での外出を求める。
スガドメはそれを拒否し、仕事に戻ることを要求する。
シロウは、条件付きで自由な外出を認めるようスガドメに迫るが、スガドメは冷静に対応し、シロウに成果を出すことを条件に外出を認める方針を示す。
シロウは、スガドメの提案に苦しい表情を浮かべながらも、その条件を受け入れる。
その後、シロウは通信を切り、スガドメはシロウの真意を探るためにその会話を精査する。
進捗報告のために立体映像で現れたシロウに対し、スガドメは何でもないことのように「観光は順調かね?」と尋ねる。
その質問に、シロウはわずかな不安と焦りを覚え、少し目を逸らして「いろいろ見て回ってる感じ」と答える。
スガドメは釘を刺すように、シロウがこれまで積み重ねた成果を消費していると指摘し、早く成果を出すことを促す。
次の報告での朗報を期待していると伝える。
シロウは不満げな顔で通信を切り、スガドメは「観光は、順調ではないか」と呟くが、シロウを確保するのはまだ早いと判断する。
第214話 内緒話
ヒカルは精力的に働き、高ランクハンターのアキラに自社製品を使用させ、広告させたいと考えている。
彼は複数の企業と交渉し、アキラのハンターランクが55まで上がったことを強調している。
ヒカルは企業を競わせ、アキラに最新の装備を提供させようとしている。
しかし、具体的な詳細を述べることなく、さらなる報酬があることを示唆することで、交渉を有利に進めようとしている。
一方で、同僚からの意外な情報を受け、ヒカルはキバヤシから特別な評価を受けていることを知る。
彼は自身が高い評価を受けていることに戸惑いながらも、キバヤシと直接話すことを決意する。
最終的にキバヤシと会う約束をし、彼の挑戦を受け入れる準備をする。
ヒカルは約束の場所でキバヤシを待ち、彼の到着にいらだちを隠せずにいた。
キバヤシは嬉々とした態度で現れ、ヒカルの挑戦を受け入れる。
ヒカルはキバヤシを殴ろうとするが、簡単に防がれてしまう。
キバヤシは、適切な場所で話すことを提案し、ヒカルはそれを受け入れる。
キバヤシが選んだ会話の場所は、予想に反して防壁外の下位区画にある一般的なレストランだった。
ヒカルはこの選択に驚くが、キバヤシはそこが情報漏洩の心配の少ない場所であると説明する。
二人は秘匿回線を使用して、重要な情報を交換する。
ヒカルはキバヤシからアキラと関連した情報や都市間の権力争いについての詳細を聞かされる。
また、アキラの護衛として選ばれた経緯や、その後の展開についても明らかにされる。
キバヤシはヒカルを高く評価しており、今後もその関係を維持したいと考えていることを伝える。
ヒカルは自分の担当から降りる意向を明らかにするが、キバヤシからはそれが容易でないこと、すなわちイナベが彼を手放す意向がないことを示唆される。
この情報にヒカルは困惑し、今後の対応に悩むことになる。
坂下重工はエルデの撃破に関わったアキラとヒカルに報酬を支払った。
アキラには個人的な報酬が与えられたが、ヒカルには彼がクガマヤマ都市の職員であるため、報酬が都市へ支払われた。
ヒカルはこの事実を知らされておらず、自分が直接情報を得る手段がないため驚いた。
キバヤシはヒカルに対して、より積極的に情報を収集する必要性を指摘する。
報酬の違いはヒカルのキャリアに影響を与える可能性があり、通常は出世として評価されるが、アキラの担当から外される場合には降格と見なされるリスクもある。
この事情を利用してイナベはヒカルをアキラの担当に留めようとする。
キバヤシはこの展開がほぼ確実であるとヒカルに伝える。
ヒカルはこの予測に悩み、キバヤシに代わりにアキラの担当になるよう提案するが、キバヤシはその提案を却下する。
その後、キバヤシはヒカルに協力を提案し、アキラの新装備調達を支援することを申し出る。
その目的はアキラがより高性能な装備を手に入れ、それによって大きな騒動が起きることを楽しむためである。
ヒカルはキバヤシの提案に応じる他ない状況に置かれる。
第215話 悪女の副業
キャロルは副業として高級ホテルでドーラスというハンターランクが63の高ランクハンターと関係を持っていた。
初回の関係では1万オーラムの料金で始まり、酒を奢るだけで良いとされていたが、次第に料金は指数関数的に上がり、最終的には一晩20億オーラムを請求されるまでになった。
ドーラスは金銭だけでなく、情報や遺跡調査の手伝いなども支払いに利用しており、キャロルはこれを受け入れていた。
一方、キャロルは支払いを受けつつも、さらに高い金額を要求し続け、ドーラスを経済的にも感情的にも圧迫していた。
ドーラスはこの関係にどっぷりと嵌まっている状態で、高い料金を不満に思いつつも関係を断ち切ることができずにいた。
キャロルは次回の料金を25億オーラムに設定し、このサイクルが続くことを示唆していた。
アキラはクガマヤマ都市に帰還後、自宅で勉強と訓練を重ねている。
特に今日は、アルファと名付けられた訓練用プログラムと模擬戦を行っており、実戦では無いものの、高度な戦闘スキルを養うための厳しい訓練を行っている。
アキラは、過去の激戦を経て、さらに戦闘技能を磨き上げ、幾多の危機を乗り越える力を身につけていた。
訓練の内容は、アルファとの戦闘であり、アキラがどれだけ生き残れるかが試されている。
アルファは、様々な武器や戦術を使い分け、アキラに多角的な戦闘経験を提供している。
アキラはこれを通じて、実戦における即死を避け、生存し反撃するためのスキルを高めている。
アキラの訓練は、エルデと同等の戦闘力を持つ設定のアルファと対峙することで、現実の危険を想定した状況下での反応速度や戦術の適応能力を鍛えている。
それにより、アキラは実戦での生存確率を向上させ、より効果的に敵を撃破する方法を模索している。
本日の訓練を終えたアキラは、自宅の改装した豪勢な浴室でリラックスしていた。
アキラは以前キャロルからその浴槽が安っぽいと言われていたことを思い出し、大金をかけて改装し、回復薬を混ぜたお湯に身を浸していた。
この贅沢な入浴は、アキラにとって興味から試してみたもので、実際の必要性はなかったが、彼はそれを心から堪能していた。
そんな中、キャロルから通話要求があり、アキラは浴槽から話をすることにした。
キャロルはアキラに直接会って話したいことがあると言い、アキラはそれを受け入れた。
二人は明日キャロルの家で会うことにし、アキラは再び湯に身を任せた。
アキラのこの様子を、同じ浴槽にいるアルファは笑って見ていた。
第216話 護衛依頼
アキラがキャロルの家を訪れると、彼女は彼の武装した姿に苦笑しながら歓迎した。
キャロルの自宅は高級マンションの一室で、アキラの家と比べ物にならないほど豪華な内装と広さを持っていたが、アキラはそれに気後れすることはなかった。
リビングルームでキャロルと対面したアキラは、直接話したいという彼女の言葉を受け、護衛依頼の説明を聞いた。
キャロルはアキラに護衛を依頼し、その条件として1日100万オーラムの基本料金と追加で戦闘があった場合の料金を支払うと提案した。
期間は未定であり、アキラは基本的に自由に行動でき、キャロルの同行を許す限り他の依頼も受けられる。
アキラはその提案に困惑し、キャロルに護衛の具体的な目的を問うたが、彼女は明確な答えを持っていなかった。
情報料が必要なほどの秘密があるとも述べられたが、アキラはその話を追求することを避けた。
最終的にアキラはキャロルの護衛を引き受けることを決め、キャロルは感謝の意を表し、1億3000万オーラムを先払いで支払った。
その後、アキラはクズスハラ街遺跡の第2奥部に行く計画をキャロルに説明し、彼女もそれに同行することを承諾した。
アキラの護衛としての役割は始まり、彼は彼女の隣での生活を選択することになった。
アキラがキャロルの高級マンションに到着し、彼女の浴室の設備の質の高さに驚愕した。
アキラは負けていないと自分に言い聞かせつつも、キャロルの浴室の贅沢さに圧倒された。
その場でアルファが、明確な優越がなければどちらでも構わないと述べた。アキラはキャロルを自宅に住まわせるか、彼女の家で暮らすかを迷っていた。
キャロルが浴室に入ってきて、アキラは彼女の裸体に動じずに話を続けた。
アキラはキャロルに、なぜ自分を護衛に選んだのかを問いただした。
キャロルは過去にアキラが彼女を守ったことから信頼しており、再び護衛を依頼したと答えた。
その過去の経験は簡単なものではなかったが、アキラがきちんと彼女を守ったため、再度彼を選んだのだった。
キャロルはアキラに対し、彼女がアキラを再度雇う理由を評価しないことに苦笑しつつ、追加報酬について話した。
キャロルは追加報酬の価値が200億オーラムにも及ぶと主張し、アキラがそれを信じるかどうかに挑戦した。
アルファがその主張が嘘ではないことを確認し、アキラは驚きながらもキャロルの言葉を受け入れた。
このやり取りの中で、アキラは自身の家かキャロルの家のどちらで生活するかを決めかねていた。
キャロルはアキラに彼女の家での生活を勧め、その上質な浴室を体験してみるよう提案した。
アキラはその提案に乗り、キャロルの家での生活を選ぶことになった。
第217話 一晩100億オーラム
ヴィオラからの情報を受けた後、アキラとキャロルは武装を済ませ、キャロルの自宅に留まっていた。
既に10分が経過しており、マンションは包囲されているはずである。
しかし、この包囲が自分たちを狙ったものかどうかは明確ではなく、交戦に至る必然性もないため、無闇に行動することは避けていた。
その時、マンションの警備からロットブレイクがキャロルに会いたいとの連絡が入った。
キャロルはそれに応じ、外での対話を選択した。これにより、もし交戦になっても部屋を壊すことを避けられると考えた。
アキラはキャロルの判断に賛成し、共に外へ出ることを決めた。
ロットブレイクによるマンションの包囲は完了していたが、それは大規模な封鎖というわけではなく、散発的に配置された数十名の構成だった。
警備は高ランクハンターには対抗できないものの、マンションのセキュリティとしては十分な力を有していた。
しかし、警備隊長はロットブレイクの隊長ゼロスに対して、できるだけ穏便に事を進めるようにと頼むが、ゼロスは相手の出方次第であると応じた。
アキラとキャロルがマンションの外に出ると、ゼロスと警備の男がいた。
アキラはキャロルから提供された情報を基に、ゼロスのハンターランクが77であることを知る。
ゼロスはキャロルに向けて、自分たちの情報を探っていることについて説明を求めたが、キャロルは何のことかわからないと返答。
ゼロスはその後、キャロルが彼のチームから情報を購入していたことを追及し、その背後に何があるのかを問いただした。
警備の男は状況が悪化することを恐れ、アキラに何かあればキャロルを連れて逃げる準備をしていた。
交渉の中で、キャロルはゼロスの部下から情報を購入したが、その目的はロットブレイクの内部情報を狙うことではなく、彼女が受け取った情報は彼からのものであり、彼女が直接要求したわけではなかったことを明らかにした。
最終的には、キャロルの購入意図が彼女の責任ではないことが認められ、彼女の対応にゼロスも納得し、誤解が解けたことで、事態は穏便に収まった。
アキラとババロドの格闘戦は、キャロルがゼロスに不満を表明することから始まる。
キャロルは、ババロドの戦い方が一般的な格闘戦の範囲を超えていると感じ、ゼロスに文句を言う。
しかしゼロスは、ババロドがサイボーグの能力を利用していると認めつつ、アキラも強化服を着用しているため「似たようなものだ」と反論する。
キャロルは反論しないが、ゼロスも自分の言い分に無理があることを自覚している。
戦いの中で、ババロドは自身のサイボーグの能力を最大限に活かし、アキラとの距離を保ちつつ攻撃する。
しかしアキラはすべての攻撃を巧みにかわし、ババロドが攻撃の手を緩めた隙に反撃する。
アキラはババロドの攻撃を完全に制御下に置き、最終的にはババロドを圧倒する。
ババロドはアキラの圧倒的な実力と戦術に打ちのめされ、敗北を認める。
ゼロスは、ババロドが敗れたことを認め、アキラとキャロルのチームの機密情報の取り扱いについて、後日改めて交渉することを提案する。
キャロルは、ヴィオラが交渉に加わることを示唆し、場を後にする。
ゼロスはこの状況を受け入れ、ババロドに対して今後の対応を決めるよう促す。
ババロドは負けを認め、その結果を受け入れる準備ができている。
この一連の出来事は、キャロルとゼロス間の交渉と、アキラとババロドの戦いが主要な内容であり、高ランクハンター同士の潜在的な紛争が比較的平和的に解決されたことを示している。
第218話 今のアキラのもてなし方
アキラはキャロルの自宅に戻り、シャワーを浴びて部屋着に着替える。
キャロルも部屋着に着替え、その服が非常に薄手で魅力的だったが、アキラは特に反応を示さなかった。
キャロルはアキラがその日は自宅に泊まることを承諾し、二人で夕食を楽しむ。
食事は簡単な調理法だが、富裕層向けの食材を使用しており、味は高い水準だった。
夜、キャロルの要望に応じてアキラは彼女と同じベッドで寝ることになるが、すぐに眠りにつく。
キャロルはアキラが過去に他の女性に対して示した反応とは異なり、自分に対しては反応が薄いことに少し落胆する。
アキラはキャロルの自宅で暮らし始め、現実解像度操作やその他の訓練に励む一方で、余暇には動画鑑賞やゲームを楽しむ生活を送る。
ある日、キバヤシから急ぎの連絡が入り、新装備調達の話でクガマビルに呼び出される。
アキラはキャロルと共に車で向かい、ヒカルに高級レストラン、シュテリアーナに案内される。
その場でキバヤシから、アキラの新装備に関する話が持ち上がり、食事を楽しみながら待たされることになる。
キバヤシはアキラを贔屓にし、高性能な装備の提供を進めているが、企業側はその高額な投資に躊躇しており、アキラのハンターランクが更新されるのを待っている状態だ。
その後、企業の代表者たちとアキラが新装備の交渉を行う場が設けられる。
この交渉にはアキラのハンターランクが重要な要素となり、キバヤシがアキラのランクを事前に操作していたことが明かされる。
アキラのランクが更新され、企業の代表者たちはその高いランクに驚愕する。
その場はアキラの新たな装備調達のための重要な交渉が行われることとなり、アキラはその過程で自身の成長と市場価値を痛感する。
アキラのハンターランクが異例の速さで55から70まで上昇した背後には、坂下重工からの報酬の特別な取り扱いがあった。
通常、報酬は金額とランクの向上の両方が含まれるが、キバヤシの介入により、金額部分が排除され、ハンターランクの大幅な向上のみが行われた。
これは、坂下重工にとってハンターランクを上げる方が金銭的な負担が少なく、かつ企業の体面を保つのに十分だったからである。
さらに、ヒカルの報酬もアキラのハンターランク向上に充てられ、ヒカルは昇進の機会を失ったが、これによりハンターランクの大幅な上昇を正当化した。
ハンターランクはそのハンターの実力を示すものではなく、統企連への貢献度を示すものとされ、アキラの実力は明らかに55を超えていたため、70への調整は彼の実力に見合ったものであると解釈された。
これらの経緯により、アキラはハンターランク70となり、坂下重工はアキラを勝手に囮として使用したことに対する報酬として、この特別な調整を実施した。
この異例のハンターランクの上昇は、アキラに対する坂下重工の大きな評価と、その貢献に対する見返りとして行われたものである。
アキラは機領との重要な交渉部分を終えた後、残りの詳細をヒカルに委ねてキャロルと共に現場を離れた。
機領はハンターランク70に相応しい装備を翌日までに提供することを確約しており、そのハンターランクの根拠は、イナベとの裏取引により、機領が65という評価を申し出たものだ。
これにより、イナベは機領からの装備供給に関する支払いの保証を行うことになった。
アキラにはこの事情は知られておらず、彼は予想外に高性能な装備が提供されることに気持ちを良くしていた。
しかし、実際にハンターランクが70まで上がったことはアキラにも意外であり、それに対して幸運だったと捉えることは難しかった。
それでもキャロルは、不運を幸運に変えたと肯定的に捉えるよう励ました。
第219話 自宅跡の攻防
アキラの自宅が完全に破壊される事件が発生した。
現場から離れた場所に駐車されたトレーラーの上には、人型兵器用の武器を装備したババロドの姿があった。
彼は本来持つことのできない巨大な銃を使用していた。
この銃から放たれた連射がアキラの家を吹き飛ばしたのである。ババロドは周囲を慎重に警戒し、アキラが生存していると判断していた。
アキラは戦闘中、高速で移動しながら応戦し、ババロドの攻撃を巨大なブレードで防ぎつつ反撃した。
この攻撃で周囲の家屋が破壊される被害が出た。
アキラはキャロルを守りながら戦い、二人は危険な状況から脱出しようとした。
しかし、ババロドの狙いはアキラだけではなく、見た目は同じでも中身が異なる新しい敵であることがアルファによって明かされた。
ババロドはアキラとの間合いを詰める戦術で攻撃を仕掛け、アキラはそれに対応しながら戦闘を続けた。
その最中、キャロルが高出力のレーザー銃でババロドを攻撃し、彼の銃を破壊することに成功した。
これによりアキラは優位に立ち、最終的にババロドを撃破した。
アキラはこの戦いを「楽に倒せた」と評したが、実際には非常に危険で困難な戦いであったことが明らかである。
ババロドの攻撃が、彼の体でも中身が異なる者によって行われていた理由は不明であり、アキラとキャロルに多くの疑問を残した。
アキラの自宅は瓦礫の山すら残さずに消し飛ばされ、その上に人型兵器用の銃とブレードを持ったババロドが現れた。
彼は人間には扱えないほどの巨大な武器を無理矢理操作していた。
アキラの家を破壊したのも、この武器による連射であった。
ババロドは周囲を警戒し、アキラがまだ生きていると考えていた。
アキラが現れると、二人の間で激しい銃撃戦が繰り広げられた。
ババロドは銃撃をブレードで防ぎながら反撃し、その結果、周囲の建物が被害を受けた。
アキラはキャロルを守りつつ、敵の攻撃を巧みに回避し戦った。
しかし、ババロドの攻撃は以前とは異なり、別人がババロドの体を使っていることがアルファによって示された。
アキラはババロドとの距離を詰め、敵の照準を狂わせながら戦闘を優位に進めた。
キャロルも戦闘に参加し、彼の攻撃でババロドの銃が破損した。
結局、アキラの連携と戦略によって、ババロドは倒された。
しかし、この戦いはアキラにとって楽なものではなく、常に死と隣り合わせの状態であったことが、アルファのコメントからも伺える。
アキラはキャロルと共に勝利を収めたが、戦いが終わった後も、ババロドがなぜ別の人物の体で襲ってきたのかという疑問が残った。
この問題は戦後に解明される必要がある。
第220話 端金脱却
クガマヤマ都市の防壁には複数の大型搬入口があり、アキラとキャロルはそこに新装備を受け取りに来ていた。
アキラを迎えたのはシズカであり、彼女の店「カートリッジフリーク」で取引が行われた。シズカの店は以前は普通のハンター向けの店であったが、今ではアキラのような大口の顧客のおかげで、大きな利益を上げている。
アキラは新たな強化服と装備を購入し、その代金が非常に高額であることから、シズカは苦笑いを浮かべながらも、この金額を聞いてもアキラは支払いを確約する。イナベも出席しており、広告料としての値引きが裏で行われていることが示され、アキラの支払いはサポートされていることが明かされる。
アキラと一緒に来たキャロルと、シズカの付き添いのエレナとサラは、このやり取りを見守りながら、エレナがサラに対してアキラに追いつくことは難しいが、先輩としての態度を続けるべきだと話す。サラはそれに同意し、アキラが自分たちを排除しない限り、距離を置くことはないと決める。
このやり取りは、アキラのハンターランク70という地位と、シズカの商売の成功、そしてアキラと彼の知人間の人間関係の深さを示している。シズカはこの場に必要ないにもかかわらず、イナベと機領が彼女の参加を求めたことで、アキラへの敬意を表している。
エレナたちがハンターとしてさらなる高みを目指すことを決める姿を、キャロルは観察していた。キャロルは自身もエレナたちに劣らないと感じていたが、アキラの反応が自分に対して冷たいことに疑問を抱いていた。彼女はアキラの行動から、親しさが彼の態度に影響していると結論づけた。
その後、アキラは新しい装備に着替え、その装備には迷彩機能が含まれていた。これによりアキラは周囲から見えにくくなる実験を行い、シズカはその効果に感心した。アキラとシズカは冗談を交わし、アキラは新装備のおかげで以前よりも大幅に能力が向上したことを実感していた。
アキラが受け取った装備は非常に高価で、総額は218億オーラムにも上ったが、その支払いは広告料としての値引きが裏で行われていたため、アキラ個人が全額を負担するわけではなかった。エレナたちはこの様子を見ていたが、自分たちとアキラとの間の明確な実力差を感じていた。
アキラが新しい装備を完全に受け取った後、キバヤシとヒカルが現れ、アキラに話があると伝えた。これによりアキラはシズカとの会話を切り上げ、キバヤシたちと共にその場を去った。一方、シズカはエレナたちだけでなく、他の企業の営業担当者たちとも交流することになり、彼女の店がアキラのおかげで大きな利益を上げたことを再認識した。
アキラがキバヤシたちと場所を離れた際、シズカの周りには多くの営業担当者が集まっていた。これについてキバヤシは、アキラの新装備の調達に関わったために彼女への興味が集まっていると説明した。彼らはシズカがアキラの信頼を得ていることを知っており、彼女を通じてアキラとの良好な関係を築こうとしていた。
その後、ヒカルからアキラの自宅に関する話が振られた。アキラの家は襲撃により壊れたが、賃貸業者との契約のため、アキラ自身に賠償の責任はなかった。ヒカルはアキラに、自宅の土地にはもう住まないようにと要請し、新しい賃貸物件を紹介した。その家賃はアキラにとって高額であったが、安全性の高い地域であるため問題が起こりにくい。
アキラはキャロルの家に一時的に住むことにし、その間に新しい住まいを考えることになった。ヒカルはアキラに住宅の資料を送り、気に入った物件があればすぐに連絡するようにと念を押した。
キバヤシはこの状況を楽しそうに見守っていた。
第221話 ドラゴンリバー
昨日の襲撃騒ぎに関する会合にアキラがキバヤシに連れてこられたのは、シュテリアーナという場所であった。そこでタツカワとメルシアという男女を紹介される。彼らはドラゴンリバーというハンターチームの隊長と副隊長であった。
会話の中で、タツカワはアキラに対して、昨日の襲撃者が使用した人型兵器用の装備がドラゴンリバーから盗まれたものであると説明した。ドラゴンリバー自体は襲撃とは無関係であり、むしろ被害者の一方だと強調した。
メルシアも話に加わり、もしドラゴンリバーが主犯であればアキラは生存していない可能性が高いと指摘し、彼らが無実であることを示唆した。アキラは彼らの説明を信じ、彼らが更なる調査を進めることを約束した。
食事が運ばれてきてからの雑談の中で、メルシアは襲撃が実はドラゴンリバーと敵対するロットブレイクによる工作の可能性を指摘した。タツカワはアキラに、事態が落ち着くまでドラゴンリバーに加わることを提案し、これにアキラは驚きつつも考慮する様子を見せた。
結局、アキラはタツカワの提案についてキャロルと相談することを決め、ドラゴンリバーの一員としての一時的な加入を検討することになった。
アキラがメルシアとタツカワとの会合に参加していた。メルシアはタツカワに厳しく当たり、自身が度々彼を守るために命の危険にさらされたことを力強く訴えた。タツカワはこれを認め、チームの運営をメルシアに委ねることを認めた。
メルシアはドラゴンリバーがもともと彼女とタツカワの二人だけのチームであったことを説明し、現在のチーム構成が、タツカワが無茶をしないように配慮されていることを明かした。
彼女はアキラがドラゴンリバーに仮加入することを歓迎し、キャロルを含めたアキラのチーム全体を守る用意があることを強調した。
アキラはこの提案を検討すると答え、メルシアとタツカワは少し和んだ様子を見せた。
その後の会話で、アキラがハンターランクを短期間で大きく上げたことについて話が及び、その背後にはキバヤシの存在があることが示唆された。
キバヤシはその方法を語ることはなかったが、楽しげに会話に参加していた。
高級ホテルの警備は非常に高く、自前の戦力と都市防衛隊との支援契約により、緊急時の対応が可能である。
そのため、高ランクハンターによる襲撃も、以前の騒動のようには起こしにくい状況であった。
キャロルはそのホテルでドーラスと会い、25億オーラムの支払いについての話をする。
ドーラスは、キャロルに命に関わる情報を提供し、その情報の価値を25億オーラムと設定する。
その情報とは、キャロルが関与している可能性がある襲撃事件についてのもので、クズスハラ街遺跡奥部の攻略に関連していた。
ドーラスはキャロルに対して、情報提供を条件に護衛として雇うことを提案し、キャロルが危険な状況にあることを説明する。
しかしキャロルはその提案を受け入れず、部屋を去ることを選んだ。
第222話 裏口探し
新装備の調達を終えたアキラはキャロルと合流し、彼女の自宅に戻った。
そこで彼らは風呂に入りながら、最近の出来事について情報を共有した。
特に先日の襲撃が自分たちが組んだことによって起きた可能性について話し合った。
また、ドラゴンリバーからの加入の誘いが、キャロルを狙ったものかもしれないという疑念も浮かんだ。
アキラはその後の行動に迷っており、元々の計画ではキャロルと一緒に第2奥部へ行く予定だったが、その計画に疑問を持っていた。
アキラはアルファに相談し、新装備での戦い方を確かめることが重要であるとされ、第2奥部以外でも試すことができると判断された。
アルファはアキラの依頼に対する誠実さを評価しており、彼女の依頼の開始が遅れることも容認していた。
キャロルはアキラに対し、彼の都合に合わせることも構わないと言い、予想外の提案としてミハゾノ街遺跡での探索を提案した。
そこでの成功が第2奥部の地図情報の価値を下げ、襲われるリスクを減らす可能性があると考えていた。
この提案に、アキラは興味を持ち、キャロルの提案に乗ることを決めた。
遺跡探索の準備を終えたアキラとキャロルは、荒野仕様の大型キャンピングカーでミハゾノ街遺跡に向かった。
車内にはバイクや多量の食料品、弾薬などが積み込まれており、1ヶ月程度は都市に戻らずとも生活できるように準備されていた。
この準備は、前回の大規模襲撃を受けての対策であり、今回も同等かそれ以上の襲撃に備えたものだった。
彼らの目的はミハゾノ街遺跡でクズスハラ街遺跡の奥部への裏口を探すことであった。
東部の地下には旧世界時代からの施設が残っており、ミハゾノ街遺跡にも同様の施設がある可能性があった。
これが見つかれば、クズスハラ街遺跡の奥部への裏口となり、キャロルが保有している地図情報の価値を相対的に下げることができる。
アキラはキャロルに成功する可能性について尋ね、キャロルは実際に調べてみないと分からないと答えた。
ミハゾノ街遺跡の再建築が繰り返されているため、地下への出入口が見つかるかどうかは不確かだった。
彼らはこの遺跡探索を通じて、キャロルが保有する地図情報が襲撃の理由とされないように価値を下げることを期待していた。
もし裏口が見つからなければ、次の手を考えるという柔軟な姿勢で臨んでいた。
ミハゾノ街遺跡に到着したアキラ達は、クズスハラ街遺跡奥部への裏口探しを開始した。
アキラのバイクで遺跡内を駆け巡り、キャロルの車は遺跡のハンターオフィス出張所が管理する駐車場に安全に置かれていた。
ミハゾノ街遺跡は再建され、以前の戦闘の痕跡は見られなかった。
アキラ達の目的は、クズスハラ街遺跡の奥部への裏口があれば、それを発見することだった。
しかしアキラ達の現地調査により、ミハゾノ街遺跡内の瓦礫の山や新しい高層ビルなど、探索しても目的の裏口は見つからず、多くが外れだった。
探索は3日で終わる予定だったが、それでも結局裏口は見つかっていない。
アキラ達が出会った予想外の人物はドランカム所属の少年ハンター、トガミであった。
予想外の場所での再会に、アキラ達は驚いたが、探索は続行された。
アキラ達の情報収集能力により、探索範囲は広がり、詳細に調査が行われている。
第223話 地下トンネル
アキラたちはクズスハラ街遺跡奥部への裏口を探していた際に、ミハゾノ街遺跡で発見した地下トンネルを進むと、トガミと出会った。
トガミは遺跡のマップ作成の依頼を受けており、アキラたちも同様の目的で遺跡を探索していたことが分かる。
トガミは折り畳み式の小型バイクを使い、トンネルを進んでいたが、途中で行き止まりに達しないため進むか引き返すか迷っていた。
その後、トガミの依頼主から一緒に行動する提案があり、キャロルが交渉を進めた結果、トガミはアキラたちの護衛対象として行動を共にすることになった。
アキラたちはミハゾノ街遺跡から荒野の地下トンネルを進んでいた。
アキラとキャロルは前を走り、トガミは後ろを追う形でバイクを運転していた。
アキラはトガミを護衛対象として加えることにしたキャロルの判断に疑問を持っていたが、キャロルはそれが自分たちの目的に都合が良いと答えた。
キャロルの目的は、クズスハラ街遺跡奥部への裏口の情報を広めることで、自身が持っている情報の価値を落とさないようにすることだった。
トガミの依頼主であるシロウに情報を広めさせる計画を持っていたが、それはアキラには明かされていなかった。
トガミはシロウに対して不満を持ちながらも、依頼中の情報が全て記録される契約内容を受け入れた。
シロウはアキラのハンターランクが70であることをトガミに告げ、一緒に行動することのリスクが許容できると判断したため、トガミが一人で行動する計画を変更した。
アキラたちはトガミたちと行動を共にすることになったが、2チーム体制を維持し、各チーム間での通信が行われていた。
アキラとキャロルの密談、トガミとシロウの交流は互いに聞こえない状態で進められていた。
シロウがクズスハラ街遺跡奥部への裏口を探していると明かし、トガミはその事実を知らされていなかったことに驚いた。
キャロルは、シロウの計画を透かして質問し、シロウが答えた。
シロウの目的は、特定の封鎖区域への裏口を見つけ、管理人格と交渉することであったが、それが重大な敵対行為につながるリスクを含んでいた。
トガミはアキラたちに同行するかどうかを自身で決めることになり、もし同行するならアキラの護衛代を支払う必要があるとキャロルから通告された。
トガミは自分が足手纏いになった場合の代価として、自分の報酬が減ることを受け入れ、最終的にはアキラたちとの同行を決めた。
シロウの計画に対する報酬減による意趣返しも兼ねて、トガミはアキラたちの負担を減らすために努力することを誓った。
アキラたちは地下トンネルを進み、クズスハラ街遺跡の外周部と第1奥部の境界に近い位置に到達した。
ここで行き止まりに遭遇し、閉ざされた隔壁があり、その先には可能性として強力なモンスターが存在する危険があった。
アキラは隔壁を開けるべきかどうかを慎重に考え、キャロルは地図情報の価値を高めるために開けたい意向だったが、トガミはアキラと同じく開けることに消極的であった。
シロウからの提案により、アキラたちは迂回路を探すことにし、全面的に調査を開始した。
アキラは迂回路の存在を確認し、アルファとの通信を通じて、見つけることができれば問題ないと判断していた。
その後、迂回路が発見されたが、それはトガミがシロウの遠隔操作によって見つけ出したものであった。
アキラはその迂回路を利用して先に進むことを決め、力場障壁を破壊して通路を開いた。
こうしてアキラたちは隠された迂回路を通じて、遺跡の更なる探索を続けた。
第224話 保留
アキラたちは地下トンネルを進んでおり、途中で隔壁の迂回路に辿り着いた。トンネルは狭く、バイクでは通れないため、トガミは折り畳み式のバイクをバックパックに収め、アキラのバイクは自動運転で後を追った。
アキラの装備の高価さに驚くトガミに対し、キャロルも自身の装備が高性能であることを強調した。
進む中で、彼らはトンネル内の通信が悪化する問題に直面したが、トガミの情報端末は旧領域対応であり、問題なく機能した。
アキラたちが進むにつれて、モンスターの群れと遭遇し、アキラは新しい複合銃を使い、容易にこれを退けた。
トガミはアキラの銃を借りて参加し、戦闘に貢献したが、その性能差に自らの足手纏いであることを感じた。
その後も彼らは迂回路を通じて進み、新たな障壁に遭遇した。
キャロルがその障壁を破壊し、彼らは更に奥へと進んだ。
この経験を通じて、トガミは自分の役割について改めて考え、アキラとキャロルのサポートを心掛けた。
アキラとキャロルはその強力な装備と戦闘力を再確認し、シロウとのコミュニケーションを維持しながら未知の領域へと進んでいった。
アキラたちは地下トンネルの第2奥部に到達し、機械系モンスターの襲撃を受けた。
敵は高性能のレーザー砲を装備しており、アキラは単独で戦い、敵を容易に撃破した。
これまでの戦闘と異なり、敵の耐久力が増しており、弾数も増えていたため、アキラは避けながら戦う必要があった。
さらに、キャロルとトガミの安全を守るためには適切な位置取りが求められた。
増援の敵も続々と現れ、アキラは戦い続けた。
トンネル内のエネルギー供給が敵の強化に寄与しており、敵はますます強固になる一方だった。
しかし、アキラは持ち前の技術と装備を駆使し、敵を次々と倒していった。
一方でトガミは、アキラの強さに感心しながらも、自分の戦いに集中していた。戦況は厳しいものの、アキラたちは援護射撃を続けながら前進した。
キャロルは地下トンネルがまだ有効な裏口として機能していると判断し、アキラが撤退を命じるまで進むことを決めた。
トガミとキャロルは一時的な懸念を置いておいて、アキラのサポートに専念した。
アキラは機械系モンスターたちとの戦闘で、敵が強くなることが止まったことに気づいた。
これは機体の性能の上限に達したためであり、無限に強くなるわけではないことが明らかにされた。
そのため、アキラは戦いを続け、敵の増援も止まり、残った敵を容易に片付けた。
アキラは戦いを通じてアルファに自身の実力を示そうとし、その後の依頼を開始する準備ができていると考えたが、アルファからは意外な「保留」の返答があった。
これは、アキラが現在の護衛依頼を続けているため、その依頼を途中で放棄させるわけにはいかないためである。
また、アキラの実力が指定された遺跡を攻略するには十分かもしれないが、より困難なルートでは死亡リスクがあるとアルファは指摘した。
そのため、アキラにはさらに強くなるよう促された。
キャロルたちとの護衛契約を続けながら、アキラはアルファのサポートを受けつつ、より危険な領域へと進む準備が進められた。
最終的には、アキラとそのチームは互いに進むことを決定し、より危険な第3奥部へと進むこととなった。
第225話 第3奥部
ミハゾノ街遺跡からクズスハラ街遺跡の奥部に至る地下トンネルを通って、アキラたちは第3奥部に到達した。
この部分はどこまでも白い広大な空間で、床と壁の境界が分からないほどであった。
彼らはこの予期せぬ景色に困惑しつつも、その状況を受け入れた。
アキラが周囲を探ったが、情報収集機器では床の存在しか確認できなかった。
その後、彼らが通ってきた通路が実は立体映像と力場障壁で作成されており、その存在が消えてしまう事態に直面した。
シロウの解説により、通路は高度な旧世界の技術によるもので、彼らの情報収集機器でも見破ることは難しかった。
キャロルたちは帰路を模索し始めたが、移動経路が床の中に消えてしまい、進めなくなった。
さらに、位置情報のズレや測位システムの誤差が発生している可能性が考えられた。
アキラは強化服の力を使って床を叩いたが、通路は見つからず、床自体が偽物ではないことを確認した。
最終的に、トガミが提案し、シロウが支持する中で、近くを念入りに調べることになり、アキラたちは何かを待つことにした。
その際、アキラは誰かが近づいてくることに気づき、その人物がハンターであることを期待したキャロルは、その人物との交渉を試みることを決意した。
この謎多き白い空間で、彼らは新たな挑戦と向き合っていた。
アキラは予期せぬ人物、ツバキとの遭遇に戸惑いを隠せずにいた。
ツバキは実体を持つ存在で、彼女がここにいる理由はアルファにも不明であった。
キャロルはアキラとツバキの関係が単なる知人以上であることを感じ取り、ツバキと交渉を試みることを考えていた。
アキラはシロウとの通信を急に切断させることで、ツバキについての情報が漏れるのを防ぐ必要があると感じていた。
これは、アキラがツバキとの関係を隠したいと考えていることを示していた。
シロウはツバキを知っており、その存在が意外であると反応していた。
ツバキはアキラに対して友好的に接近し、彼らが帰路を見失っていることを知ると、一緒に帰ることを提案した。
アキラはこれに難色を示し、言葉を濁したが、キャロルやトガミに疑問を持たれることを恐れていた。
この間に、アキラとアルファはツバキに対して警戒を強め、敵対する準備をしていた。
その後、ツバキは去る際に、彼女を狙う敵は自分が、アキラたちを狙う敵は彼らが対処するよう伝えた。
その瞬間、彼女はアキラたちの視界から消え、一方で巨大なモンスターが現れた。
このモンスターは異常な再生能力を持ち、アキラはアルファの支援を受けながら戦いを続けた。
アキラはモンスターとの激しい戦闘を続け、その中で状況に応じて自力とアルファのサポートを使い分けていた。
最終的にモンスターの一部がアキラによって倒されたが、その戦いはまだ続いている様子だった。
融合体との激しい戦闘が続いている。
アキラは前衛を務め、融合体の攻撃を巧みにかわしながら、黒い刀身のブレードで応戦している。
一方、キャロル達は後衛として、アキラを支援しながら融合体の攻撃に対処している。
アキラは融合体の強靭な生体力場装甲に苦戦しつつも、次々と斬りつけているが、その度に融合体は異形の上半身を再生させ、新たな攻撃を繰り出してくる。
アルファによると、融合体は高い技術レベルの場所であり、生体力場装甲の出力を部分的に上げてアキラの攻撃を防いでいる。
これにより、アキラの攻撃が一部では防がれているが、エネルギーの限界があるため、持続的な攻撃には耐えられず、徐々に劣勢に追い込まれている。
アキラは融合体のエネルギー消費を増やし、その上限を超えさせる戦略を立てる。
アキラはブレードの連続攻撃と銃撃を組み合わせ、融合体の防御が脆くなった部位を狙い、攻撃を続けている。
その結果、融合体は再生と防御が間に合わず、大きなダメージを受ける。融合体は自身のエネルギーが枯渇し始め、攻防が激化する中で、アキラ達を道連れにしようと自爆を試みる。
アキラはアルファの完全なサポートを受け、最後の攻撃を決める。
アルファが操作する強化服を着たアキラは、融合体の最終攻撃を断ち切り、その反動で融合体を粉砕する。
これにより、融合体は完全に破壊され、アキラ達は勝利を確信する。
アキラはその経験を通じて自身の力を再確認し、キャロル達もアキラの能力を高く評価する。
しかし、実際にはアルファのサポートが大きな要素であり、アキラはそれを正直に認める。
キャロル達はアキラの護衛代を減額してもらうことを願い出るが、アキラは遭遇したツバキの存在を秘密にしてほしいと交渉する。
キャロル達はその条件を受け入れ、ツバキとの遭遇を否定することに同意する。
最終的にアキラ達は互いの要求を満たす形で合意し、融合体との戦いを経て、それぞれの関係を再確認しながら次の行動に移る準備を整える。
激戦を終えたアキラ達は、その場で休憩を兼ねてこれからの方針を相談し、自動生成された地図情報に基づき、高低差を無視して逆走することを決定した。
しかし、濃密な色無しの霧により測位システムが誤動作しているため、北と南を間違えることがなければ第2奥部に出られると期待している。
アキラはシロウとの通信を再開するか悩んでいる。
ツバキのことを口止めしており、シロウに説明できるか自信がないため、自力での脱出を選ぶ。
アルファはアキラが単独なら脱出が容易であるが、キャロル達も一緒であるため、複雑な事情を考慮する必要がある。
アキラはキャロル達に、シロウに助けを求めるかどうかはもう少し検討すると述べ、キャロル達もこれに異論はないが、アキラの決定が生還の可能性を減らすリスクを承知している。
彼らはアキラがツバキのことに触れられたくないために通信を避けていると理解し、その選択を尊重する。
休憩後、アキラ達は徒歩で第3奥部からの脱出を試みる。
しかし、予想よりも長く歩いても白い空間の端に辿り着けず、アキラがバイクでの移動を提案する。
アルファが運転するバイクで、濃い霧の中を高速で進むことになるが、前方の障害物に気付けない可能性もある。
それにもかかわらず、アキラ達はバイクで進むことを選び、真っ白な空間を抜けるために速度を上げ続けている。
第226話 レイナの成長
アキラ達が地下トンネルを進んでいる間、レイナ、シオリ、カナエの3人は荒野を走る大型車両に乗っていた。
レイナは見た目に騙されるほど高性能な強化服を身につけており、その性能は非常に高い。
シオリとカナエも同様に、外見とは異なる高性能の戦闘服を着用していた。
シオリは運転しながらレイナに再び独りで行くことを提案するが、レイナはこれを拒否し、共に行くことを決める。
カナエもレイナの決定に賛同し、シオリの提案には反対する。
レイナは、シオリがどうしても一緒に行かない方がいいと言うなら帰ると申し出るが、シオリはそれを拒否し、最終的にレイナの意志を尊重する。
レイナはシオリに自己犠牲のない決定をするよう要求し、シオリはそれに応じる。
シオリはレイナに、今後の行動について全てを話すことを決め、レイナはそれを聞いて行動を決める。
そしてシオリはレイナが過去に知らなかった事柄について全てを説明する。
レイナはシオリからカードの入手方法を含む様々な事柄を聞き、カードをアキラから半分騙し取った件はアキラに謝礼を渡すことで解決すると述べた。
それについて強い叱咤や嫌悪を示さなかったため、シオリは安堵した。シオリは計画について説明し、成功の可能性があるが、必ず成功する保証はないと話した。
レイナは安全を最優先に、全員が生きて帰ることを大前提として計画を進めることを決定した。
レイナは過去数ヶ月間、クガマヤマ地方を離れており、その間にアキラから得た白いカードを活用するための交渉をシオリが行っていた。
この行動の背後には、アキラとの抗争を避け、レイナを安全な場所に移す意図があった。
カツヤの死を知ったレイナは、自分が無意識のうちに彼が生き残ると信じていたことを認識し、それに衝撃を受けた。
この経験を通じて、レイナは自分の死に対する認識を新たにし、これからの困難にも臆することなく立ち向かう覚悟を固めた。
レイナ達はミハゾノ街遺跡の近郊で車を停め、遺跡内の状況を観察した。
遺跡にはメイド服や執事服を着た者達とリオンズテイル社の人間がいるのを確認し、レイナは自分たちの来訪が漏れていることを感じ取った。
シオリもそれを認め、しかしそれがどの程度漏れているかは確信が持てないと答えた。
レイナ達は車で遺跡の市街区画に移動し、その後徒歩でセランタルビルを目指した。
道中で何度かモンスターに遭遇したが、彼らの装備の迷彩機能により発見されることはなかった。
しかし、彼らが警戒している者達に見付かる恐れがあるため、進行を止めることにした。
セランタルビル周辺ではクガマヤマ都市の部隊とリオンズテイル社の部隊が配置されており、ビルの二重封鎖が確認された。
レイナはこれを突破するのは無理だと判断し、シオリも同意した。
彼女たちはクガマヤマ都市の部隊だけならビルへの潜入が可能だと考えていたが、リオンズテイル社の部隊がいるために計画を断念した。
結局、レイナとシオリは安全で妥当な接触方法を模索しながら、旧世界のリオンズテイル社所属の汎用人格であるオリビアとの接触を目指していた。
シオリはセランタルビルの57階にあるリオンズテイル社の支店に向かおうとしており、そのためにクガマヤマ都市とリオンズテイル社の部隊を避ける必要があった。
彼女たちはまた、キャロルとアキラからの連絡を待つ状況にあり、シオリはキャロルに通信を試みたが繫がらず、シロウと名乗る人物からの意外な連絡を受け取る。
この人物はアキラとキャロルが遭難していると伝え、彼らの助けを提案した。
シオリとレイナはこの提案を受け入れ、アキラとの通信を繫ぐことに成功した。
第227話 シロウとの取引
真っ白な空間で、ツバキに倒された巨大な獣の体から人型が生えた融合体の死体が横たわっている。
ツバキはこの個体を即死させたため、死体は原形を留めており、融合体が砂になることはなかった。
戦闘後、ツバキはアキラ達の様子を見守っていたが、濃密な色無しの霧のため、視認はできなかった。
それでもツバキはアキラ達の活躍を感じ取り、アキラが自力で勝つ可能性が高いと判断し、支援の要請は不要だと考えていた。
ツバキはそろそろ帰ろうとしたが、その前に旧世界風の武装をした少女が現れ、ツバキの足を止めさせた。
アキラたちは、真っ白な空間をバイクで走り続けていたが、位置が特定できず困惑していた。
キャロルによると、データ上では彼らはクズスハラ街遺跡の外にいるはずであるが、そこには至っていない。
トガミは旧世界の遺跡の不可解な性質を指摘し、アキラもそれに同意した。
彼らは遺跡が不思議な現象で満ちた場所であることを理解し、心を落ち着けた。
その後、アキラはレイナからの通信を受け、驚きつつも応答する。
シロウが通信に介入し、アキラたちが遺跡から脱出するための取引を提案した。
シロウはアキラに、後のツバキとの友好的な交渉ルート構築に協力することを依頼し、その見返りとしてアキラたちの脱出支援を約束した。
アキラはその提案を受け入れ、シロウの計画に従うことを決めた。
レイナは、シロウがアキラとの通信を制御していることに気づき、自分たちが状況に介入できないことに不快感を示す。
一方、アキラとシロウの間で交渉が進行しており、アキラの帰還にシロウの協力が必要であることが明らかになる。
シロウはレイナたちが聞いていることを意識しながらも、アキラにリオンズテイル社のカードを使わせる許可を求める。
このやりとりを通じて、アキラが困難な状況にあることがレイナたちにも理解される。
シロウは、レイナたちの同意を得るために交渉を進め、最終的にレイナがアキラと直接話ができるようにする条件を提示する。
その条件には、シロウ自身が直接会いに来ること、自分の真実の身元を明かすことが含まれている。
レイナはこれに同意し、シロウにカードの使用を許可するが、それはシロウが自分たちの前に現れたときに限ると条件を付ける。
シロウはこの要求を受け入れ、自分がすでにその場にいることを明かす。
これにより、レイナたちの警戒は一層強まるが、シロウの迅速な行動と誠実な対応により、最終的には彼の提案が受け入れられる。
シロウがアキラの救助へ急ぐことを決め、レイナたちに同行することを提案するが、自分のペースで動くことを明言する。
オリビアからは既存の顧客に対する業務中であることを通告され、レイナはそれ以上の介入を見送る。
レイナたちはシロウの指示に従って移動する準備をし、迷彩機能付きバイクでシロウが先行する。
一方、レイナたちは指定された経路を追うが、その道は地下トンネルを含む厳しいルートであることが分かる。
この状況に対してもレイナは前向きに取り組み、カナエと共に意気込んで行動を開始する。
第228話 リオンズテイル社
セランタルビルを包囲するリオンズテイル社の部隊を指揮するパメラは、主人のクロエと通信中、レイナがまだ到着していないことを確認する。
パメラは部下の情報収集機器からレイナ達が高速で車を走らせている映像を発見し、これをレイナ達の接近と判断する。
パメラはレイナに停止を要求するが、レイナは命令を無視し、突破を試みる。
パメラは部下に射撃命令を出し、レイナ達は包囲網を突破しようとするが、高ランクハンター並みの部下達が車に飛び乗り、接近戦を展開する。
シオリとカナエはこれを迎撃し、一方レイナも武装して戦う。
パメラはセランタルビルの包囲を強化し、レイナ達がクガマヤマ都市と取引をしたかもしれないと推測し、注意を払うように部下に指示する。
パメラの部下達からの迎撃が止まったことを察知したシオリ達は、セランタルビルへの強行突破を決意する。
レイナは車の進行方向を急激に変更し、シオリ達は建物を蹴り付けて慣性を相殺し、高速で進行方向を変えることに成功する。
この行動は、自分達の目的地をパメラに誤認させ、敵の配置を変更させるための策略だった。
壁に見えたものは実は立体映像であり、力場障壁の組み合わせであり、レイナ達の車は実際の壁をすり抜けて地下トンネルに入る。
この技術的なトリックにより、パメラ達はレイナ達の動きを誤認し、結果的にレイナ達の計画を誤解させることに成功する。
シオリ達は安堵の表情を見せる一方で、この先の行動について議論を続ける。
移動要塞と呼べる巨大な荒野仕様車両の内部で、黒い服を着たクロエがパメラからの報告を聞いている。
クロエはパメラに確認し、レイナがセランタルビルには入っていないことを確かめた。
パメラはレイナたちが逃げたことを報告し、セランタルビルではなく異なる方向へ消えたため、レイナがセランタルビルに入った恐れはなかったと報告する。
クロエはその報告を聞き、レイナたちの行動の意図を思案する。
クロエはパメラがレイナたちの策略に引っかかり、部下をビルの近くに集めてしまったことを指摘し、パメラの判断を理解しつつも、なぜレイナたちがそのような行動を取る必要があったのかを疑問視する。
レイナたちには他の選択肢もありえたが、どうしても車でそのトンネルに入らなければならない何かがあったと推測される。
また、レイナが追跡を逃れるための囮役の可能性も考えられるため、クロエはパメラにセランタルビルの近くに留まるよう指示する。
その後、クロエは通信を切り、ラティスに準備を命じる。
部屋の設備が動き、ラティスに重装強化服が装着される。
ラティスはクロエの側近であり、その場の重装強化服の着用者の中でリーダー的存在だ。
クロエはラティスと他の重装強化服着用者に行動を開始するよう命じる。
シロウが高速で地下トンネルを走行するバイクに乗っており、同時にオリビアが並走している。
シロウはオリビアに大金を支払って雇っているため、彼女の力を信用している。
オリビアはシロウに提案された際、追加料金が必要な場合は事前確認を行うと約束した。
その後、シロウはレイナ達の車両に追い付かれ、オリビアはシロウをバイクから直接レイナの車両に移動させた。
この操作には追加料金はかからなかったため、シロウはその理由を尋ね、オリビアは護衛としての雑務の範囲内と答えた。
シロウはレイナの車に乗り換え、彼のバイクも車内に搭載される。
一行はそのまま地下トンネルをさらに高速で進むことになる。
この一連の出来事は、オリビアの能力と彼女が提供するサービスの範囲についてのシロウの理解を深めるものであった。
第229話 幻影都市
アキラたちは真っ白な空間をバイクで進み、脱出のためにシロウによる救援を期待している。
彼らは、シロウが第3奥部と地下トンネルを繋ぐ通路を生成し、同じ場所に出入口を設ける可能性が高いと判断した。
しかし、元の場所に戻れる保証はなく、周囲は依然として白い空間が続いている。
その中で、アキラはアルファに問い合わせず、キャロルやトガミと同様に限られた情報で最善を尽くすことを決めている。
彼らはデータ上は元の場所に戻ったところで、周囲に目印はなく、倒した融合体の痕跡も消失していた。
しかし、休憩中に濃密な色無しの霧を突き破って融合体の死体が落ちてきた。
その死体は巨大な拳で撃たれた痕跡を持ち、同種のモンスターが次々と落ちてくる様子が見られた。
最終的に現れた赤い人型兵器は、これらモンスターを撃退した主であった。
人型兵器の搭乗者は敵意を示さずに降りてきて、アキラに呼びかけた。
その声の主はタツカワだった。
この出来事は、アキラたちが直面している未知の状況と外部の助力との関連を示している。
アキラたちは真っ白な空間をバイクで進み、脱出のためにシロウによる救援を期待している。
彼らは、シロウが第3奥部と地下トンネルを繋ぐ通路を生成し、同じ場所に出入口を設ける可能性が高いと判断した。
しかし、元の場所に戻れる保証はなく、周囲は依然として白い空間が続いている。
その中で、アキラはアルファに問い合わせず、キャロルやトガミと同様に限られた情報で最善を尽くすことを決めている。
彼らはデータ上は元の場所に戻ったところで、周囲に目印はなく、倒した融合体の痕跡も消失していた。
しかし、休憩中に濃密な色無しの霧を突き破って融合体の死体が落ちてきた。
その死体は巨大な拳で撃たれた痕跡を持ち、同種のモンスターが次々と落ちてくる様子が見られた。
最終的に現れた赤い人型兵器は、これらモンスターを撃退した主であった。
人型兵器の搭乗者は敵意を示さずに降りてきて、アキラに呼びかけた。
その声の主はタツカワだった。
この出来事は、アキラたちが直面している未知の状況と外部の助力との関連を示している。
タツカワがアキラたちの元に到着し、初対面のキャロルとトガミに自己紹介を行う。
キャロルは交渉に長け、タツカワの地位にも動じないが、トガミは圧倒される。
タツカワはクガマヤマ都市のハンターチーム出身のトガミに驚くが、詳細について深く追求しない。
キャロルは、地下トンネルから真っ白な空間に迷い込んだことを説明し、タツカワも似た状況にあることを明かす。
タツカワが進行中に突如白い空間に放り出された経緯を話し、その場から戻ろうと試みるも、周囲が白い世界に変わってしまっていた。
キャロルは脱出の目処がついていると話すが、詳細を知りたいタツカワに対して、情報と引き換えに条件を要求する。
交渉の末、キャロルは地下トンネルの地図情報をタツカワに提供することに同意する。
その後、シロウとの通信がつながらず、アキラはシロウが何かしらの理由で通信を遮断していることを知る。
アルファからの説明により、通信は実際には維持されており、シロウが通信を切っているように見せかけていることが明らかになる。
この事実に戸惑いながらも、アキラは情報を他者に知られないようにしながら現状に対処することを決める。
アキラたちはタツカワと共にシロウの到着を待つ。彼らが倒した融合体の死体が砂化せずにそのまま残っていることにアキラが疑問を抱く。
アルファは、融合体が即座に枯渇するほどのエネルギー消耗を経ずに倒されたためだと説明する。
タツカワはアキラの戦闘能力を称賛するが、アキラは謙虚に対応する。二人は協力しながら周囲の状況に警戒を続ける。
その間に彼らは突如変わる周囲の環境に驚かされる。高層ビルが立ち並ぶ都市景観が現れ、アキラとタツカワはその真実性を確かめようとする。
タツカワが人型兵器を使ってビルに打撃を加えると、壁に穴が開くが、それがすぐに元に戻る。
キャロルはこれが立体映像と力場障壁によるものではないかと推測する。
タツカワは彼らが第3奥部にいるという認識を共有し、アキラたちはこの新しい環境での行動を計画する。
彼らはビルの屋上を目指し、そこからの景色を眺めながら次の行動を考える。
しかし、索敵機器が前方に強い反応を捉え、アキラたちは突如現れた巨大なモンスター、通称「怪獣」と対峙する準備をする。この状況はアキラとタツカワにとって新たな試練であり、彼らは怪獣との遭遇に向けて警戒を強める。
第230話 怪獣
シロウたちは、クズスハラ街遺跡の外周部と第1奥部の境にある隔壁に到達する。
レイナがシロウに隔壁を開ける方法を問うが、シロウは既に迂回路を知っていることを示す。
しかし、シロウは隔壁を開けるために坂下重工で鍛えられた技術を用いて、隔壁のシステムに介入し、隔壁を開けることに成功する。
シオリが運転する車は、隙間が開いた隔壁を抜けて第1奥部に進入する。
進行中、シロウは非常に疲れており、レイナにアキラたちが危険な状況にあることを伝える。
レイナはシオリに速やかに進むよう命じ、車載の銃でモンスターを撃退しながら前進する。
車は隔壁を抜けて第2奥部に入り、そこでさらに強力なモンスターと遭遇する。
レイナたちは車載の銃を連射し、敵を粉砕するが、モンスターの強さに圧倒される場面もある。
レイナはシロウからアキラたちの状況を詳しく聞き出すが、提供された情報によると、アキラたちは巨大な怪獣から逃げる状況にあることが明らかになる。
アキラたちは巨大な怪獣と対峙する。その巨大な怪獣は非常に強く、破壊を続けている。
タツカワは怪獣から離れるためにアキラに指示を出すが、その途中で魚類と鳥類の特徴を持つ融合体が現れる。
アキラたちは情報収集機器を怪獣に集中していたため、融合体の発見が遅れた。
タツカワはその融合体を撃退するが、その行動が怪獣に気付かれるリスクを高める。
怪獣の注意がこちらに向かわないよう、慎重に行動するが、融合体が攻撃を仕掛けてきたため、戦闘を避けることはできなかった。
タツカワは融合体を迅速に撃退し、怪獣に気付かれないようにするが、その後も怪獣に発見され、アキラたちは逃走を試みる。
怪獣はアキラたちより遅いが、進行方向を変えて追いかけてくる。
アキラたちは怪獣の超高出力のエネルギー攻撃から逃れるために高層ビル群を利用し、怪獣のエネルギー攻撃を避けながら移動を続ける。
また、彼らは融合体の群れと戦いながら進むことを余儀なくされる。
タツカワはアキラを助け、アキラはタツカワの機体を盾にして、両者は協力して融合体を撃退する。
この危険な状況でアキラとタツカワは、お互いを励ましながら戦いを続け、どうにか生き延びることを目指す。
アキラたちは怪獣と融合体の群れと戦いながら逃走を続ける。
アキラはアルファのサポートを受けつつ、タツカワはハンターランク78の力を発揮して戦っている。
怪獣からの攻撃をあと2回だけ防ぐことができるが、それ以降はどうにもならない状況である。
アキラは焦りつつも、自身がキャロルたちの護衛を引き受けているため、他の者たちを見捨てる選択はできないと感じる。
怪獣の4回目の攻撃が来た際、アキラたちは距離を稼ぎつつも威力は減少しているが、これが最後の防御機会であることに変わりはない。
アキラはアルファに最後まで待ってくれと依頼し、それに応じてもらう。
5回目の攻撃では、怪獣は突進を選び、エネルギー光線ではなく体当たりでアキラたちを襲う。
アキラたちは怪獣の動きを見極めつつ、逃走を続ける。
最終的に、シロウから救援が来てアキラたちは指定された脱出地点へ向かう。
アキラたちはシロウが示した場所へ向かう途中で、怪獣から再びエネルギー光線が放たれるが、アキラとオリビアの協力により、その攻撃を防ぐことに成功する。
そして無事にトンネルへと逃れることができる。
アキラ達は怪獣からの逃走に成功し、地下トンネルで一息ついている。
その場でアキラは周囲が真っ暗で第3奥部の景色が消えていることから、脱出に成功したことを実感する。
キャロルはその事実に気付くと、安堵の笑いを浮かべてアキラに抱きつき、共に笑う。
その後、二人は落ち着きを取り戻す。
その間にタツカワから通信が入り、アキラ達の危機を回避したことを確認し、シロウの護衛であるオリビアの存在について触れる。
アキラはオリビアと初対面であることが判明し、彼女がシロウに雇われていたことが明かされる。
その後、アキラ達はシロウと再会し、昔の知り合いであることが判明する。
地下トンネルを進むアキラ達は、レイナ達とも合流し、過去のつながりや現状について交流する。
キャロルはアキラに休息を取らせるために、自らがアキラの護衛を務めることを申し出る。
アキラ達はモンスターとの遭遇も軽く処理しながら、目的地へ向けて進んでいく。
第231話 殺した理由
アキラはレイナの車に乗り込んだ後、車内で意識を休息モードに切り替え、疲労のために回復薬を飲む。
その間、シロウが自身の助けでアキラが生還できたことを強調し、それに対する借りがあると主張する。
しかし、アキラはシロウの要求を拒否し、自身の立場としては護衛を行うことくらいは引き受けると提案する。
その後、アキラはシロウがレイナを利用してオリビアを雇ったことを確認し、レイナとオリビアがその過程にどう関わっていたのかを探る。
シロウは自分が直接オリビアを雇ったと主張し、レイナはそれに対してアキラを通じて何かしらのアクションを起こそうとする。
このやり取りの中で、アキラとレイナはそれぞれの立場から相手の行動を評価し、シロウの行動に対するアキラの反応が問題になる。
レイナは、アキラとの関係を悪化させたくないと語り、アキラに対する責任をとる姿勢を見せる。
最終的にアキラは、レイナとの関係をこれ以上悪化させないように、大きな貸しを作ったことを認め、将来的な援助を求める形で話をまとめる。
この過程で、アキラはレイナに対して敵対しないよう要求する。
アキラはレイナに対し、敵対しないよう頼み、レイナもこれを誓約する。しかし、その頼みがあまりにも簡単であるため、レイナは戸惑い、不満を感じる。
アキラはこの頼みが、以前ユミナとの葛藤に由来する重いものだと明かし、レイナは納得する。
レイナはアキラとカツヤ、ユミナとの関係を理解し、過去の出来事を受け入れる。
一方、シロウは自分の行動を説明しようとするが、場の空気に悩む。彼はレイナに少し助けられつつ、自分がオリビアを雇った経緯をアキラに説明し、その関係を明確にする。
アキラはシロウの説明に応じ、将来の依頼を考慮するが、直接行動に移すことはない。
レイナとシロウはアキラに対してそれぞれ貸しを作ることを考慮し、そのための方策を模索する。
シロウはレイナからの説明によって、オリビアの雇用が急であったことを理解し、アキラもこれを受け入れる。
全体的に、シロウとレイナはアキラとの関係を深め、互いの立場を確固たるものとしようと努力する。
車は遺跡の第1奥部と外周部の境目に到着し、シロウによって外壁も閉められる。
車内には全員が集まり、タツカワは遺跡を出た後の移動方法について要望を出す。
彼はすぐに仲間と合流したいため、ミハゾノ街遺跡に戻る通常のルートではなく、近くの別の出口を使いたいと提案する。
レイナも同じく迅速な移動を望んでおり、キャロルは確実な地上への出口を求めてミハゾノ街遺跡に戻ることを提案するが、アキラは疲れており、早く地上に出たいと感じている。
アキラはシロウに他の出口の存在を尋ねる。
シロウは知識がないことを認め、オリビアに情報があるかどうかを尋ねる。
オリビアは出口の場所を知っており、案内することを申し出る。
これにより、タツカワとレイナは安堵し、オリビアの案内に従って車は進んでいく。
シロウがオリビアに出口について尋ねた際、アルファがオリビアを注意深く観察していたが、他の者はそれに気づいていなかった。
クズスハラ街遺跡の近郊、東部に位置する瓦礫地帯にドラゴンリバーの大部隊が展開している。
指揮を取っているのはメルシアで、不機嫌な表情を浮かべている。
部隊の準備が短時間で整ったことに対し、他の兵士は事前に準備がされていたのではないかと疑念を抱いている。
話の中で、いつも即座に対応できるように準備をしているという副隊長の姿勢が語られている。
その間、オリビアが地下トンネルでの活動を行い、大穴を開けて地上に現れる。
その後、レイナの車両がオリビアによって運ばれ、メルシアはタツカワに近付き、彼に抱きつきながら心配させないようにと言う。
その後、メルシアはタツカワを厳しく叱責するが、それは恋人同士の高度な技術を用いた攻防であり、周囲のドラゴンリバーのハンターたちはその様子を半ば呆れながら見守っている。
同時に、アキラとキャロルはレイナに別れを告げ、帰路につく。
レイナもその後、シオリと共に戦略を見直す話をしながらクガマヤマ都市へ向かう。メルシアとタツカワの間の攻防が続きながら、作業は進められ、地下トンネルの制圧とドラゴンリバーの簡易拠点の構築が行われている。
アキラがキャロルの自宅に戻り、快適な入浴体験を楽しんだ。
高揚した状態であったが、アキラはキャロルに対して興味を示さず、単に疲労を癒やしていた。
二人は入浴中に過去の行動について話し合い、アキラは自分の判断を反省しているが、キャロルはその必要がないと慰めた。
護衛代の話題が出ると、キャロルはその支払いが困難であることを認め、代わりに他の方法を提案したが、アキラはそれを断った。
最終的に、アキラは護衛代を大幅に減額し、支払いを急がないことを決めた。その後、二人は睡魔に任せて眠りについた。
アキラとキャロルが就寝しているとき、キャロルはヴィオラからの緊急通知を受け取り、二人は急いで準備を始める。
通知は非常に危険な状況を示唆しており、すぐにその場を離れるよう指示していた。
準備中、イナベからも連絡が入り、アキラがウダジマ殺害の容疑で賞金首になったと告げられる。
これにより、アキラとキャロルは急いで移動を開始し、追撃を受けながらもシロウの助けを借りて逃走する。
安全な場所に到着した後、ヴィオラから送られてきたデータの内容を確認し、そこにはアキラがウダジマを殺害する様子を映した映像が含まれていた。
この映像はアキラに対する陰謀の一部であることが示唆され、アキラはその映像を見て深い怒りと殺意を感じていた。
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