- どんな本?
- 読んだ本のタイトル
- あらすじ・内容
- 感想
- 同シリーズ
- リビルドワールド シリーズ
- その他フィクション
- 備忘録
- 第232話 協力者達
- 第233話 状況の把握
- 第234話 潜伏場所
- 第235話 高価な死体
- 第236話 シェリルの不安
- 第237話 イナベからの支援
- 第238話 護衛の実力
- 第239話 裏にいる誰か
- 第240話 偽アキラ出現
- 第241話 ハルカ
- 第242話 サポートの質の差
- 第243話 意外な増援
- 第244話 交渉開始
- 第245話 命懸け
- 第246話 ハンターとしての生き方
- 第247話 払えるだけ払った
- 第248話 奇妙な質問
- 第249話 旧領域接続者達
- 第250話 スガドメの提案
- 第251話 5000億オーラムの賞金首
- 第252話 ドーラスの覚悟
- 第253話 追加の支援
- 第254話 第 3奥部の激戦
- 第255話 怪獣の撃破方法
- 第256話 今日はついてる
- 第257話 歪んだ想い
- 第258話 騒ぎは続く
どんな本?
長いなと思ったら578ページ。
凄い量だったが、面白くてあっという間に読み終わってしまった。
リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。
物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。
物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。
彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。
この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。
最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。
読んだ本のタイトル
リビルドワールド VIII〈下〉 偽アキラ
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
都市幹部殺害の容疑を掛けられ、賞金首となったアキラの運命は――!
☆★☆シリーズ累計100万部突破!!☆★☆
リビルドワールドVIII〈下〉 偽アキラ
★☆★TVアニメ化決定!!★☆★
自身の偽者により都市幹部殺害の濡れ衣を着せられ、クガマヤマ都市から賞金を懸けられたアキラは、ドラゴンリバーの拠点に身を隠して反撃の機会を窺う。
だが、その間に偽アキラはシェリルを攫って姿を消した。そして今度は、ある少女と共にセランタルビルに姿を現す。
偽アキラを狙うアキラと、その少女の下を目指すシロウ。それぞれの目的の交じり合いが、事態をより複雑に、大規模なものに変えていく……。
アキラの新たな激戦が繰り広げられる、書籍版オリジナルエピソード!
感想
本巻のストーリーは、主人公のアキラが自分の偽者が犯した犯罪の濡れ衣を着せられたところから始まる。
アキラはドラゴンリバーの拠点に身を隠し、この窮地を逃れるための計画を立てる。
偽アキラはさらに事態を複雑にし、アキラの表向きの恋人、シェリルを誘拐し。
アキラはシェリルを救出するため、同時に自身の名誉を回復させるため、偽アキラを追跡する。
偽アキラとの対決はセランタルビルで起こる。
アキラになりきろうと努力する偽物だったが、その姿が痛々しい。
アキラは友人たちと共に偽者を追い詰めるが、多くの困難が彼を待ち受けている。
敵対する勢力との戦闘、裏切り、そして不意の攻撃が彼の前に立ちはだかる。
この一連の出来事は、アキラが偽者と対峙し、最終的には彼を倒し、シェリルを救出するクライマックスへと繋がると思ったら、更なる困難が彼を襲う。
物語は、アキラと仲間たちが偽アキラとの激しい戦いを制し、シェリルを救出し、黒幕のウダジマを殺し、坂下重工とも一通り手打ちなり一応の終結を迎える。
しかし、アキラの戦いはまだ終わっておらず、新たな敵や課題が彼を待ち受けていることが示唆される。
感想としては、ストーリーが非常に濃厚でページ数の多さにも関わらず、引き込まれる展開が続いており、次の巻への期待を抱かせる内容であった。
エレナ、サラ、トガミなどキャラクターたちの成長や彼らの間の関係性が深まる様子が丁寧に描かれており、特にキャロルの過去、彼女の秘密が明かされた点や、ヴィオラの迷惑さがより際立った展開が見られた。
また、表紙が物語の緊張感を良く表しており、怒り心頭なアキラを無表情に見下ろす偽アキラの不気味さが際立っている。
ブチギレしてるのが本物だったとは・・
偽物に余裕かましていたのかと思ってた。
シェリルの再びの誘拐と救出、そしてアキラと彼の仲間たちの連携は読み応えがあり、多くの読者にとって魅力的な要素となっていると思われる。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
同シリーズ
リビルドワールド シリーズ
その他フィクション
備忘録
第232話 協力者達
都市間輸送車両の激戦を経てハンターランク70に昇格し、新たな装備を手に入れたアキラは、キャロルたちと共にクズスハラ街遺跡の第3奥部に到着した。そこで怪獣との遭遇があり、シロウの協力を得て生存を果たした。しかし、アキラの偽者が現れ、建国主義者を名乗り、過去の討伐戦がクガマヤマ都市の幹部たちによる権力争いの道具であったと主張。これによりアキラは賞金首とされる。偽者は怪獣の頭の上で、クガマヤマ都市の幹部たちへの復讐を宣言する。
アキラは、偽者の映像を見て怒りを募らせ、シロウの協力により都市の防衛隊から逃れた。その逃亡中、アキラは自分がユミナを殺したとされる事実に怒りを感じながら、冤罪を晴らすための行動を計画。その過程でキャロルは、アキラを起爆剤として使うヴィオラの行動を黙認する決断をする。
一方、シズカからの通話がアキラに届き、アキラはシズカに事情を説明する。シズカはアキラに対して、冷静であることを求め、無理をしないよう助言する。アキラはシズカの言葉に安堵し、落ち着きを取り戻す。その後、シズカはアキラに無事を祈ることを約束し、アキラはシズカの支持に感謝する。
アキラとその仲間たちがシロウに指定された場所に到着すると、キャロルのキャンピングカーがそこに停まっていた。車からトガミが現れ、彼らを車内に招き入れる。トガミは、このキャンピングカーをクガマヤマ都市まで運転してきた経緯を説明し、彼がこの任務を引き受けたのは、以前アキラと行動を共にしていたからである。ドランカムとしては、アキラ関連の仕事に不慣れなハンターを派遣するリスクを避けたかった。
途中でシロウが乗り込んできたため、計画は変更され、トガミはアキラ達と共に行動することになる。トガミは、自身がアキラに対して敵意は持っておらず、ドランカムがアキラと和平を結んでいるため、彼と敵対することはないと明言する。
その後、キャロルはトガミの任務を成功と認め、トガミはアキラとの借りを相殺しようと提案する。アキラはこれを受け入れ、キャロルもアキラに協力する意思を示す。この時、彼らはシロウが提供した通信環境を通じて、イナベを含む複数の人物と話をし、彼らもアキラの状況を支援することを決定する。最終的に全員がアキラの協力者となり、共に行動することとなる。
第233話 状況の把握
キャロルのキャンピングカーで集まった者たちがアキラへの協力を確認した後、イナベは一同に自己紹介を提案する。特に得体の知れないシロウの情報を確認するためであった。シロウは自己紹介で、坂下重工所属の旧領域接続者であり、現在は脱走中であることを明かす。これには参加者たちが驚き、笑いが起こる。
イナベはシロウの情報が漏れることの危険性を懸念するが、シロウは坂下重工の幹部が自分の自由行動を了承していることを明かし、緊張を和らげる。これによりイナベはシロウの情報の取り扱いを自身が引き受けることを決定する。
レイナはリオンズテイル社創業家出身であること、最近のミハゾノ街遺跡での戦闘についても言及する。トガミはレイナの発言に驚きを隠せず、彼女の出身についての衝撃を隠し切れない。レイナとアキラの間には出身の差による壁がないことが確認される。
会話は続き、イナベがアキラに対する賞金首の理由について詳しく説明する。それは防衛隊による決定であり、イナベ自身にもその理由は明確ではない。賞金額が異常に低いことや、ウダジマ殺害のみが理由であることの不自然さを指摘する。賞金首認定の背後には、都市内の複雑な動機や政治が絡んでいる可能性が示唆される。
最終的に、アキラは自身の偽者を倒すことを決意し、イナベはそれに協力する方向で一致する。アキラの行動は危険を伴うが、その決断はアキラ自身の性格と状況から理解できるものであった。キバヤシはアキラの冒険を楽しみにしており、彼の協力も得られることとなる。
第234話 潜伏場所
クガマヤマ都市で活動する高ランクハンターたちは、通常、都市内の高級ホテルか新規開発された郊外の住宅地で生活している。また、簡易拠点を遺跡の周辺に設置しているチームもある。ある日、ドラゴンリバー所属のハンターが運転する大型トレーラーが都市の部隊によって停止された。部隊は積み荷の調査を求めたが、ハンターはこれを断固拒否し、最終的には部隊が道を空けることを余儀なくされた。
この交流は、メルシアによるクガマヤマ都市への嫌がらせの一環として行われており、アキラもこの車列に隠れていた。彼は安全な潜伏場所が必要であり、ドラゴンリバーの拠点が選ばれた。ドラゴンリバーの拠点では、都市の部隊も手出しできず、アキラが安全に過ごすことが可能だった。また、アキラの目的は自身の偽者を倒すことであり、ドラゴンリバーの拠点から遺跡へのアクセスが良いことも選定理由となった。
アキラはクガマヤマ都市から追われる身となり、賞金首に認定されたが、これによる権利剥奪や制限はない。賞金首としての扱いは、捕縛も含む生死不問の依頼であり、必ずしも殺害を意味しない。壁の内外を問わず、賞金首を殺害した場合、殺人として通常より重い罪に問われる可能性がある。
アキラは5億オーラムの賞金をかけられたが、高ランクハンターである彼にとっては大した問題ではない。ドラゴンリバーのメルシアはキバヤシの依頼を受け入れ、アキラを密かに匿うことにしたが、都市との全面衝突は避け、状況をコントロール下に保っている。公式にはドラゴンリバーがキャロルを護衛しており、アキラはこの場にいないことになっている。キャロルの護衛の名目で、ドラゴンリバーが遺跡の情報を得るために関わっているとされている。アキラはこの状況を利用して、自身の偽者を見つけ出し、適切なタイミングで対峙する準備を整えている。
日が落ち、入浴を終えたアキラは、脱衣所を出る際にキャロルから声をかけられる。キャロルはすでに脱衣しており、アキラは彼女の裸体に対して無反応であった。アキラと同様に、シロウもキャロルの体に興味を示さない。これにより、キャロルは自身の魅力に疑問を持ち始める。トガミに対する誘惑を通じて、キャロルは自身の魅力を確認し、満足する。一方、アキラはキャロルからの問いかけに苦笑いしながら対応し、自身のベッドへと向かう。トガミはアキラの無反応を不思議に思いつつも、自身がキャロルに魅力を感じていることを自覚する。アキラとキャロルはその夜、問題なく眠りにつくが、トガミはなかなか寝付けずにいた。
シロウが潜伏場所からスガドメに連絡を入れ、報告する。スガドメはその報告の真偽を疑い、シロウに対して報告内容の主観性と曖昧性を指摘する。シロウはツバキとの交渉ルートを構築するために、ツバキが好感を持っている者と交渉中であると述べ、その可能性が高いと主張する。スガドメはシロウの主張を一定の成果とは認めず、シロウに交渉の継続を許可する。シロウはスガドメからの捜索を停止するよう要求するが、拒否される。通信終了後、シロウは一息つき、自身の演技に自信を持ちつつも、不安を感じている。その後、オリビアからコーヒーを受け取り、落ち着きを取り戻す。シロウはスガドメとのやり取りに満足しつつ、次の行動を考え始める。スガドメはシロウの状況を再評価し、自身の推察に誤りがないか考慮する。
第235話 高価な死体
アキラ達はクズスハラ街遺跡の第2奥部で仕事をしていた。アキラは迷彩機能を使用して姿を隠し、キャロルとトガミは普通に姿を見せていた。遺跡内を巡回中にモンスターの一団に遭遇し、キャロルとトガミが戦闘を担当し、アキラは控えた。彼らは情報収集機器を介してアキラの姿を拡張視界で見ることができた。出現したモンスターは球状の警備機械で、多脚や飛行能力を持ち、機銃やレーザー砲、ミサイルポッドで武装していたが、アキラの迷彩はこれらに対して有効で、機械達はキャロルとトガミを狙った。キャロルとトガミは敏捷な動きで照準を狂わせ、機械を撃破した。戦闘はクズスハラ街遺跡の第2奥部で行われ、その地域の特殊な環境が激しい戦闘を支えた。勝利後、キャロルとトガミは自力で敵を倒したことを喜び、アキラは彼らの実力を認めた。その後も機械系モンスターの襲撃が続き、同様に二人だけで対処した。アキラは必要に応じて支援の態勢を整えていたが、キャロルとトガミの活躍によりほとんど介入することはなかった。
アキラとバオレギレの激しい戦いが続く中、バオレギレはキャロル達からの弾幕を受けつつも、アキラの邪魔によりキャロル達への攻撃が不可能であると理解していた。アキラは獣の背中に着地し、異形の人型を銃で撃ち、その破片が遺跡内に散らばる。バオレギレの攻撃を躱しながら、アキラは反撃を続ける。バオレギレの肉体は再生を繰り返し、エネルギーが枯渇して動きが鈍る。アキラはこの機を捉え、銃撃を浴びせてバオレギレを倒す。アキラが着地し、バオレギレの死体を確認する。アルファがバオレギレの死を確認し、アキラの訓練になったと評価する。アキラはバオレギレが以前ほど強くなかったことを指摘し、エネルギー供給の低下が原因であるとアルファは説明する。バオレギレの死体は運び屋によって回収され、キャロル達は再び巡回を続けることにする。
今日の仕事を終えたアキラ達が、キャロルのキャンピングカーで休息を取っていた時、トガミが複雑な表情で自身のハンターランクが50になったことをアキラに告げる。トガミは、そのランクアップが自分の実力によるものではなくアキラに依存しているために複雑な気持ちを抱えている。アキラはトガミの気持ちを理解しているが、アルファの存在を秘密にしているため直接共感を示すことができない。キャロルは気楽に自分のハンターランクが51になったことを話し、アキラはそれに感謝の言葉を返す。トガミは、現在のランクが自分の実力に見合わないと感じつつも、それを超える実力を身につけると決意する。キャロルはトガミに対し、将来的にはハンターランク70が必要だろうと励まし、アキラもトガミに頼むと言う。トガミは苦笑いしながらその期待に応えると答える。
第236話 シェリルの不安
スラム街にあるシェリルファミリーの新拠点の最上階で、シェリルは様々な資料を確認している。ビルの壁一面のディスプレイから見えるのは、豊かになりつつある周辺地域と薄汚れたスラム街の対照的な景色だ。この豪華なビルと周辺の発展は、シェリルファミリーが手掛ける事業の成功と、その繁栄を支える武力の象徴である。かつてはエゾントファミリーとハーリアスがこの地を支配していたが、現在はシェリルファミリーが圧倒的な力で一強状態にある。
この地位はシェリルファミリーが運営する遺物販売店が大きく寄与しており、遺物を求める富裕層が安全な環境で買い物を楽しめるようになっている。しかし、その裏ではシェリルはアキラに見切られるかもしれないという不安に苛まれており、自分がどれだけの力を持っていても、それがアキラに認識されれば意味がないと感じている。
シェリルの部下からの連絡で我に返り、シジマが訪れたことを知る。シジマはかつての中堅徒党を率いていたが、現在はシェリルファミリー以外の徒党の纏め役となっており、アキラとの交渉を成功させたことで、その地位を確固たるものにしている。しかし、シジマ自身はその立場に疲れを感じており、シェリルとの交渉を控えて疲れた表情を浮かべている。
スラム街の高層ビルの最上階にあるシェリルファミリーの拠点で、シェリルはシジマと対面している。シジマはシェリルに、アキラが賞金首になったことが徒党内外に与える影響が無いことを説明しに来たと伝える。彼は下位の構成員に連合の姿勢を明確に示すために来たのだと述べ、これが必要であることを強調する。シェリルはこの情報を迅速に処理し、シジマに帰るよう促す。
帰ろうとするシジマはシェリルからもう一つ質問を受け、アキラの映像が示される。シジマはそれが偽者だと断言する。その場にアキラが現れ、シジマとシェリルは偽者であることを確認し、シェリルは偽アキラが詐欺を企てていることを見抜く。しかし、シェリルの精神的な不安定さが露わになり、アキラに対する不安を感じている。
この緊張の場面でシェリルは部屋の防衛装置を作動させ、偽アキラを分割された空間に閉じ込める。シェリルは偽アキラに対して自信を見せつけるが、シジマはシェリルの部下に壁の頑丈さを尋ねる。部下はそれに答えられず、シェリルは部屋の全員に合図で伏せるよう指示する。そして、人型兵器が部屋に突入し、偽アキラに向けて砲火を浴びせる。この行動で部屋は一瞬で破壊される。
シェリルは偽アキラを閉じ込め、部屋の防衛装置を操作し、力場装甲の出力を最大限に上げる。さらに時間稼ぎをしながら、シェリルファミリーが保有する黒狼強化型の人型兵器を遠隔操作で出撃させる。これらの兵器は貴重な遺物を取り扱う店舗の防衛のために調達されたものである。
出撃した兵器はビルの壁を破壊し、偽アキラに銃撃を加えるが、シェリルは偽アキラの接近を隠し、その姿を壁の表示装置に映していた景色の記録に切り替える。しかし、その攻撃は偽アキラによって軽々とかわされ、彼は反撃を開始する。シェリルの部下は偽アキラの攻撃により瞬時に殺される。
シェリルは逃走を試みるも、偽アキラに捕まり、攻撃を受ける。偽アキラはシェリルに回復薬を与え、「殺す気はない」と伝える。その後、偽アキラはシェリルを抱え、シジマを連れて、ビルから離脱する準備をする。シジマは偽アキラから質問され、偽アキラの行動の背後にある意図を推測するが、最終的には偽アキラに連れ去られる。
この一連の出来事で、シェリルとシジマは偽アキラによって誘拐され、増援が到着するものの、すでに手遅れとなっていた。
第237話 イナベからの支援
アキラはキャロルたちと共に第2奥部を巡回しているが、今日は機械系モンスターとしか遭遇していないため、アキラは姿を隠し、戦闘はキャロルたちに任せている。アキラたちが第1奥部に近い場所を巡回していることから、他の場所で倒されなかった個体との遭遇が減少している。このため、アキラはより奥で戦うべきかと考えるが、ドラゴンリバーから指定された巡回ルートを変更することは好ましくないとアルファに忠告される。
アキラは拡張現実を用いてアルファとの訓練を行っており、これはアキラの拡張感覚を使って自分のブレードを操作している。しかし、アキラは自身の体を動かした方が良いと感じている。訓練中、アキラはアルファに十字に刻まれ、死体のように見えるが、これは拡張現実での出来事であり、アルファは現実のアキラに対して微笑んでいる。
その後、トガミから連絡が入り、都市のヒカルがアキラに会いに来るという。アキラはこの訓練を通じて、実際に動かなくても拡張現実を通して戦闘訓練を行うことが可能であることを証明している。
荒野仕様の輸送車両がドラゴンリバーの拠点に向かって進んでいる。ヒカルは護衛であるエレナとサラに万一の場合の対応を依頼しており、エレナたちはその要求を理解している。エレナはヒカルに対し、アキラとの会見時の態度を変えるよう助言する。途中、車両は都市の検問をヒカルの身分で通過し、ドラゴンリバーの見張りに止められるが、積み荷の確認後に通行が許可される。エレナは積み荷が問題なかった理由をサラに説明し、ヒカルは高ランクハンターに関連するプロジェクトを説明するためにトガミと話を続けることになる。
トガミがキャンピングカーのリビングルームにヒカルたちを案内する。アキラが迷彩機能を解除し、姿を現す。アキラはヒカルとの関係に不安を抱えており、ヒカルもアキラに対する緊張を隠そうとするが、エレナとサラが和やかに接することで場の雰囲気を和らげる。ヒカルはアキラに渡すべき装備について説明し、アキラはそれを受け取る。装備にはアキラが使う強化服や武器が含まれ、エレナたちはアキラとの協力を希望し、一度その装備での実戦テストを提案する。ヒカルはこれに同意し、アキラとエレナ、サラは再び第2奥部へと向かう。
第238話 護衛の実力
ヒカルとその護衛であるエレナとサラを加え、アキラたちは第2奥部の巡回を再開する。アキラは迷彩機能で姿を隠しているが、ヒカルたちもアキラの姿が見え、声が聞こえている。ヒカルはアキラに、攫われたシェリルの捜索を自分たちに任せるように念を押す。アキラはヒカルの指示に従うが、その冷静さにヒカルは逆に懸念を覚える。アキラは、攫った者がすぐにシェリルを殺す気がないと推測し、現状では勝手に助けに行くことはしないと説明する。エレナたちは、アキラの現実的な対応に内心安堵するが、ヒカルはシェリルのことでアキラがより深い疑念を持っていると感じる。その後、アキラたちは敵機械系モンスターと遭遇し、エレナとサラが見せた戦闘能力にアキラは感心し、ヒカルもそれに少し焦りながら同意する。
アキラたちが第2奥部の巡回を続ける中、機械系モンスターの襲撃が続いたが、エレナたちは問題なく撃退する。ヒカルも次第に慣れ、自身の成果としてイナベに報告しようと考えるようになる。サラは以前病気の治療のために身体強化拡張者になったことをアキラに話し、その病気が治ったことを伝える。アキラはそれを素直に喜び、サラも治療費の話を交えながら喜びを共有する。エレナもサラも引き続き身体強化拡張者であり、その事実はサラの発言から明らかになる。アキラはその事実を受け入れつつ、エレナたちが装備について話すと、ヒカルがその調達の苦労を語り始める。ヒカルは高性能な装備をエレナたちに用意し、その過程で多くの努力と交渉を重ねたことを明らかにする。その結果、エレナたちの装備は非常に高性能になり、その実力を機械系モンスターとの戦いで証明された。
サラとエレナがバオレギレに対して強力な光弾を撃ち、その一撃でバオレギレを完全に破壊する。その威力はアキラに感嘆され、エレナとサラの能力が確かに高いことを証明する。一方で、使用された兵器の大きさや複雑性から、整備業者に出さないと元の大きさに戻せないというデメリットも明らかになる。さらに、高ランクハンター向けのエネルギーパックを使い切るほどのコストがかかるが、その価値はあったとエレナは主張する。ヒカルはそのコストを支払うが、無駄遣いを避けるよう忠告する。アキラはエレナとサラが自己の実力で問題なく行動できることを認め、彼女たちの支援を評価する。そして、アキラたちは引き続き巡回を続け、遭遇するモンスターを撃退していく。
第239話 裏にいる誰か
アキラたちが巡回後、キャロルのキャンピングカーで休息を取る。今後の主な予定は風呂に入って寝ることである。この間、トガミはヒカルに、アキラが公にはいないことになっているのに、ヒカルがなぜここにいるのかを問う。ヒカルは、ハンター支援プロジェクトの一環としてトガミの監視がその名目であると説明する。表向きの理由はトガミへの支援であるが、その実、アキラへの支援の資金調達と監視のためである。トガミはこの説明に納得しつつも、その実態には複雑な感情を抱く。また、ヒカルはキャロルから特別な銃の購入依頼を受けるが、それがレンタル品であるため、簡単には売れない状況である。しかし、キャロルの交渉により、1挺の銃が販売されることになる。この取引によって、キャロルは制限のある強力な武器を入手する。
エレナとサラは一緒に入浴している。一人用の浴槽ではあるが、工夫して二人で入ることができる。深夜に近い時間であり、早く寝なければ明日に響くため、彼女たちは効率的に時間を使うことを選んだ。この入浴中に、エレナはクガマヤマ都市とドラゴンリバーの間の関係が当面改善されないとサラに伝える。これにより、アキラがドラゴンリバーに身を隠している状況がしばらく続くことになる。ドラゴンリバーはこの状況を利用し、他都市への売買を拡大しているという噂があり、エレナとサラはその話をしながら入浴を終える。二人はリビングルームに戻り、アキラたちと合流する。
エレナとサラが寝間着を選び、アキラたちのいる部屋に戻ってくると、アキラはその姿に固まる。トガミとヒカルもエレナ達の格好に対する反応を抑えることに決める。その間、キャロルはアキラが女性に興味を持っていることを確認し、自分の立場を改めて評価する。エレナはアキラにソファーではなくベッドを提供するよう提案するが、アキラは最終的にエレナとサラと一緒にベッドで眠ることになる。この配置で、アキラはエレナ達に挟まれて寝ることになり、エレナとサラはアキラに対して軽く冗談を言う。トガミは自分のベッドに戻り、ヒカルはキャロルの提案を受け入れることができず、ソファーで寝ることになる。夜が進む中、それぞれが眠りに就く。
第240話 偽アキラ出現
アキラたちは第2奥部での巡回を続け、トガミは強くなるため、機械系モンスターと単独で戦う訓練を行っていた。トガミは新しい装備の力を借りて、一人でも多くの敵を倒そうと努力しているが、敵が多数になるとエレナやアキラたちも援護に加わった。トガミは自分一人で戦うことに執着していたが、キャロルからの注意で他人への配慮も求められている。
また、トガミが一人で対応できる場面では自力で戦い、アキラたちに援護されないように努めていた。トガミの実力はアキラたちにも認められ、ヒカルはトガミの能力に感心し、トガミは更なる強さを目指す決意を新たにした。
その一方で、アキラは警備機械が減らない理由に疑問を持ち、アルファからは遺跡の警備機械が大量に製造されている可能性や、倉庫の保管能力が高いために数が減らないと説明された。アキラはその説明に納得し、その日は特に強力なバオレギレとの戦いがなかったため、通常の戦いが続いた。
第2奥部の戦いでは、融合体の群れがハンターたちを襲い、強化された個体たちが空や地から攻撃を仕掛けていた。これに対抗して、ハンターたちは高性能の人型兵器を用い、重火器や身体能力を駆使して戦っていた。第3奥部への進入は困難が伴うため、ハンターたちは第2奥部での戦いに留まり、融合体を撃破することが主な任務であった。
一方で、ハーマーズはシロウの捜索を続けていたが、クガマヤマ都市からの人員は使用できず、協力者を選ぶ必要があった。その過程でヤナギサワに接触し、前線での戦果をもってシロウ捜索の協力を引き出そうとした。ヤナギサワはその条件を受け入れ、戦場での協力を開始した。
ヤナギサワ自身はアキラの居場所に関する情報を持ちつつも、その詳細は明かさず、アキラが賞金首になる背景に自らが関与していることを内心で思っていた。この情報操作により、アキラは近くのドラゴンリバーの拠点に身を隠すことになり、その情報がハーマーズには知らされていた。
戦闘ではハーマーズが前線に加わり、その存在がハンターたちに更なる奮起を促していた。融合体は効率的に撃破され、特にバオレギレやドレデマスといった強敵も確実に処理されていた。この日の戦いでは、通常の機械系モンスターのみがアキラたちの相手であったことが、ハンターたちの努力の成果として示されていた。
第2奥部での巡回中、アキラ達は休憩を取っていた。トガミが機械系モンスターの群れと戦い、疲労が蓄積していたため、一時的に休息を取ることが必要とされた。アキラ達はキャンピングカーで体力と弾薬の回復を図りながら、軽食を取りつつ歓談していた。
その中でヒカルがアキラに本人認証を要求し、アキラが偽者の存在による混乱を防ぐために応じた。アキラの偽者がミハゾノ街遺跡に出現したとの情報を受け、アキラは本人確認が終わり次第、現場に向かうことを決意した。アキラはヒカルや他のメンバーには危険を避けさせるために同行を拒否したが、キャロルが同行することになった。
アキラがミハゾノ街遺跡に向かう際、エレナはアキラに無理をしないように言い、ヒカルは苦渋の表情を浮かべつつトガミの提案によりアキラの後を追うことになった。エレナ達はヒカルを支援する意志を新たにし、アキラ達が安全に任務を完遂できるよう祈っていた。
第241話 ハルカ
荒野仕様車両に乗った偽アキラとハルカがミハゾノ街遺跡を目指していた。ハルカは旧世界風の武装を身に纏い、偽アキラはアキラに似せた装備をしていた。運転は自動運転に任せ、迷彩機能の使用について議論が交わされたが、ハルカは違法性と目立つリスクを理由に使用を拒否した。
ミハゾノ街遺跡に到着後、セランタルビルへ向かった二人は、リオンズテイル社の部隊に出迎えられたが、交戦の意志は示されなかった。偽アキラは事態の収束を試みるが、パメラに対しても巻き添えになることを容認する姿勢を示した。一方、都市の部隊は偽アキラに気付き、発砲の承認を都市上層部に待機していたが、リオンズテイル社の部隊を巻き込むリスクを考慮し、発砲を控えていた。
ハルカはパメラに協力を求めたが拒否され、偽アキラはセランタルビルに向けて進み出し、それによって都市の部隊も動きを見せ始めた。交戦が始まり、セランタルビル周辺はかつての荒廃が再現される形となり、周囲の建築物が次々に破壊されていった。
都市の部隊は迅速に行動し、偽アキラを捕捉するための攻撃を開始した。部隊は人型兵器と歩兵を用いて偽アキラに強力な砲火を浴びせたが、偽アキラはすべてを避けながら進行を続け、部隊が展開している広場に到着した。そこでは、偽アキラが部隊に対し攻撃を加え、多くの損害を与えた。
偽アキラが非常に高い回避能力を持ち、攻撃も強力であることから、部隊内では疑念が生じた。特に偽アキラが人型兵器を瞬時に破壊し、歩兵も著しく損傷させたことから、部隊は混乱に陥った。ヤナギサワが流用した部隊は、本来高ランクハンター達を撃退する力を持っていたが、偽アキラに対しては効果が薄かった。
部隊長はシステムの改竄を疑い、支援システムの介入を疑い、最終的には部隊長が部隊を円形に展開させ、偽アキラを集中攻撃した。しかし、偽アキラはそれをも回避し、さらに反撃を続けた。部隊はその攻撃に耐えきれず、次第に追い詰められていった。
最終的に部隊の司令機が自身の誤射で被弾し、それが部隊長がシステム改竄を確信するきっかけとなった。ハルカが操作していた支援システムの改竄が明らかになり、偽アキラが無傷でいられた理由が解明された。その結果、部隊は撤退を決定し、偽アキラはミハゾノ街遺跡での戦いを終えた。
パメラはクロエから指示を受けた後、部下4人を選んでセランタルビルに向かう。その途中でクガマヤマ都市防衛隊から立入禁止区域であると警告を受けるが、パメラはそれを無視し、進行を続ける。通信でのやり取りでは、都市の部隊が戦闘で半壊していることに触れ、無駄な犠牲を出さないよう呼びかける。都市の部隊長はパメラの言葉に反論できずに通信を切る。
パメラ達がセランタルビルに入ると、ビルの管理人格であるセランタルが来訪申請がないことを告げるが、パメラ達がリオンズテイル社の人間であることを証明すると、通行を許可される。セランタルはパメラ達を案内することはなく、規定に従った対応をした。
第242話 サポートの質の差
アキラはキャロルと共にミハゾノ街遺跡を目指しており、途中で地上のモンスターに刺激されるが、それには気を留めず速度を保って進んでいた。偽アキラが出現したことを知り、急いでその場所に向かう。一方、どう行動すべきかをキャロルと話し合っているが、アキラは偽アキラの具体的な位置を確認せずに出発していた。
シロウからの連絡があり、偽アキラがいる可能性のあるセランタルビル前で都市の部隊と交戦中であることを知る。シロウはアキラに急ぎすぎず安全に行動するよう忠告し、アキラの偽者以外は生け捕りにし、情報を引き出すよう促す。
一方、シロウ自身もオリビアに運ばれる形でミハゾノ街遺跡に急いでおり、その過程で追加料金を支払っている。アキラは偽者に関連する問題解決のため、独自に行動を決めて進むことにする。
ミハゾノ街遺跡に到着したアキラはキャロルと別れ、単独でセランタルビルに向かうことを決める。キャロルはアキラが偽アキラと都市の部隊との間で交戦していることを理解し、アキラの安全を願って別れる。アキラは4挺の銃を装備し、危険な状況に備える。偽アキラが一人で都市の部隊を撃破した事実にアキラは驚愕する。アルファから偽アキラが単身で戦闘を行い、勝利したことを聞かされ、アキラは自身も強力な装備を持っているが、偽アキラの強さに不安を感じる。それでもアキラはセランタルビルに向けて進み、アルファのサポートを受けながら勝利を目指す。
セランタルビルの60階は真っ白なフロアであり、クズスハラ街遺跡の第3奥部の景色に似ている。偽アキラとハルカはそこにおり、ハルカは本人認証に失敗し続けている。偽アキラは自分が本物であることを本人認証システムに訴え掛け、ハルカはその情報を調整して再送しているが、成功しない。ハルカは自分の技術に自信を持っているが、失敗が続くと偽者であるために認証が通らないことを認めざるを得なくなる。最終的に、天井から切り離された天井が落下し、その上に本物のアキラが現れる。
セランタルビルの屋上に着いたアキラは、アルファの指示に従ってブレードを振るい、屋上を切り裂いて60階に落ちる。そこで偽アキラと対峙し、互いに戦闘を開始しなかった。アキラは偽アキラに警告し、戦闘を避ける条件を提示するが、偽アキラはアキラを追って屋上へ向かう。アキラは戦闘を始める前に偽アキラがどのような行動を取るか探る。偽アキラが屋上に来るのを確認し、アキラは彼との対決を続ける。
アキラは偽アキラに質問を投げかけ、偽アキラは怒りを露わにする。アキラの感情は高まり、アルファにサポートを求める。アキラは偽アキラを攻撃し始め、ハルカは偽アキラをサポートするが、計算が追い付かず、アキラの攻撃に押される。ハルカはアキラの装備に侵入を試みるも失敗し、状況は更に悪化する。戦闘が激化する中、ハルカは偽アキラに逃げるよう指示し、偽アキラはハルカが用意した脱出手段を利用して逃れる。
第243話 意外な増援
アキラは4挺の銃で連射し、偽アキラと激しく交戦している。アキラの銃撃はC弾とS弾を交えており、その防御には高い計算量が必要である。偽アキラはこれを完全には防げず、全身に被弾しているが、その耐久力にアキラは驚いている。しかし、戦闘には人型兵器が介入し、偽アキラの後方から支援を行う。アキラはこれを対処しながら戦闘を続ける。
一方、ハルカはアキラがシェリルを助けるために使った人型兵器を遠隔操作していた。しかし、アキラとシェリルの戦いが続く中、意図しない行動を取る偽アキラの存在が新たな問題を引き起こす。偽アキラはシェリルを助けることに固執し、ハルカの指示に反して行動する。これにより、計画は予想外の方向へ進む。偽アキラはシェリルを助けるために危険を冒し、その結果、ハルカとの念話を切断する。
この混乱の中、アキラはシェリルの助けを求める声に反応し、シェリルを助けるために全力を尽くす。しかし、その選択はシェリルを救うことと偽アキラを追跡することの間で葛藤を引き起こし、アキラは重大な決断を迫られる。最終的にアキラはシェリルを助ける選択をし、その後の戦闘でアキラはシェリルとの間に生じた問題を解決しつつ、彼女の安全を確保するために努力する。
第244話 交渉開始
アキラは壁越しに偽アキラを撃ち続けていたが、その行動に困惑していた。偽アキラがなぜ自分にシェリルを助けさせたのか、その意図が読めず、混乱している。その上、偽アキラが攻撃ではなく回避と防御に集中していたため、アキラは彼を仕留めきれなかった。
ビルの外壁を盾にし、偽アキラが内部に侵入しようとすると、突然「シェリルを助ける」と宣言する。この予想外の行動にアキラは銃撃を止め、偽アキラの意図を試みる。アキラはシェリルに自分が本物であることを確認させ、状況をコントロールしようとする。しかし、偽アキラは、自分が本物のアキラだと信じて行動しているようで、シェリルを助けるためにアキラに反抗する。
この複雑な状況で、アキラは戦闘を続けながらも、最終的に偽アキラの動機がシェリルを本当に助けようとするものであることを理解する。アキラは偽アキラをただ殺すだけではなく、情報を得る意向がないため、戦いを早期に終わらせることに決める。
シェリルはアキラによって守られながらも、偽アキラとの対立に動揺し、偽アキラがユミナの死に関与しているという情報によって一層混乱する。アキラはシェリルを安全な場所へと移動させるため、最終的に偽アキラとの戦いに勝利し、シェリルを助け出す。
セランタルビル60階に戻ったハルカは、念話で偽アキラを呼び戻そうと試みたが失敗し、館内放送を使って説得を行う。しかし、その試みも失敗に終わり、ハルカは落胆するが、作業を開始する決意を固める。ハルカはシェリルの強化服を操作し、アキラに対する認識データを収集していた。そのデータを基に偽アキラの個人認証情報を調整しようとする計画を進行させる。
一方で、ハルカの背後にはシロウが現れ、ハルカを驚かせる。シロウはハルカを助けに来たと告げ、ハルカはその意図を困惑しながらも聞く。シロウはハルカに自分が用意したセーフハウスでの隠遁生活を提案し、ハルカの情報を消去する計画を説明する。しかし、ハルカはその提案を拒否し、シロウの説得にも動じない。
その後、ハーマーズが現れ、シロウとハルカの会話に割り込む。ハーマーズはシロウの脱走の原因をハルカだと推測し、シロウを坂下重工に連れ戻すことを目指す。しかし、シロウはハーマーズの提案を拒否し、ハルカと共に抵抗する準備を整える。シロウは自身が坂下重工から脱走した真意をハルカに伝え、ハルカを保護するために戦うことを決意する。その間、オリビアが登場し、ハーマーズとの交渉を試みるが、結局は力による対決に発展する。
第245話 命懸け
ハーマーズとオリビアがセランタルビルの外に飛び出した後、シロウはハルカに逃げるよう指示する。シロウは敢えてハルカと離れることで、ハルカの逃走を確実にする。ハルカは迷彩機能を使い、姿を消して逃げる。シロウはハルカを助ける方法を考えながら、オリビアに頑張るよう願う。
ハーマーズとオリビアはセランタルビルの外で激戦を続ける。両者はミハゾノ街遺跡の市街区を巻き込むような戦闘を展開し、その余波でビルが破壊される。オリビアはハーマーズに打撃を与え、ハーマーズはその攻撃を受け止めつつ、反撃の準備をする。
アキラたちはその戦闘の影響を避けて現場を離脱し、ミハゾノ街遺跡を脱出する。アキラは突然キャロルとシェリルに別れを告げ、ミハゾノ街遺跡に戻る。アキラが抱える借りがあるため、彼は再び戦いに向かう決意を固める。キャロルはシェリルを安全な場所に連れて行き、アキラの安全を祈りながら行動を続ける。
オリビアがまだブレードを使用しておらず、ハーマーズとの格闘戦の余波だけでミハゾノ街遺跡の市外区画を破壊していた時、シロウは焦っていた。シロウはハーマーズが死んだ場合のことは特に気にしていないが、オリビアの契約期間が使い切れることに強い焦りを感じていた。シロウはオリビアと1ヶ月500万コロンの基本料金で契約しており、ハーマーズの強さに応じた追加料金が発生することを予見していた。その料金が多ければ、雇用期間が短くなるリスクがあり、それがシロウの行動の自由を制限する。
状況はさらに悪化し、オリビアから契約更新の連絡が入る。新たな基本料金は1000万コロンと告げられ、シロウはその金額に驚きつつも、ハルカを助けるために必要なため更新を承認する。シロウの焦りは、追加料金の支払いを許容しても、ハーマーズがさらに攻撃的な手段を取る可能性を考えると、更に強まる。
その後、シロウはアキラに連絡を取り、援助を求める。アキラは当初は乗り気ではなかったが、シロウが借りを持ち出すと承諾する。シロウはアキラが戦闘に参加することで何かしらの改善が見られることを望んでいた。
ミハゾノ街遺跡に戻ったアキラは、オリビアとハーマーズの戦いに巻き込まれずに、シロウの下に到着した。シロウはアキラにオリビアの援護を依頼したが、アキラは参加を嫌がった。アキラは戦いの様子を見てオリビアが優勢であると判断し、参加する必要がないと考えた。シロウはアキラに借りがあることを理由に強く頼んだが、アキラは生命の危険を冒してまでの行動を拒否した。
その後、アルファが介入し、シロウにもリスクを負うよう提案した。シロウがこれに応じると、アキラは協力することに同意した。アキラはシロウを物理的に保護しながらハーマーズに向けて攻撃を行ったが、ハーマーズはこれをかわし続けた。しかし、アキラがシロウを盾に使った瞬間、ハーマーズの動きが鈍り、オリビアが致命的な一撃を与える機会を得た。
第246話 ハンターとしての生き方
ミハゾノ街遺跡の近郊でキャロルはアキラと別行動を取り、シェリルを連れてアキラのバイクで荒野を駆ける。キャロルはヒカルたちが乗るキャンピングカーへ向かい、連絡を取らずに現れたため、ヒカルたちは彼の突然の登場に驚き、車を停めて外で待つ。到着したキャロルはアキラの不在とシェリルの同乗を説明せず、急ぐ理由を告げて速度を上げて再び出発した。残されたシェリルに事情を聞かれるが、詳細は不明である。
アキラはシロウを盾に使用しながらハーマーズを銃撃してオリビアを支援する。アルファのサポートを受けたアキラの射撃は非常に精密で、ハーマーズの行動を阻害する。ハーマーズはオリビアからの斬撃を躱すことが困難になり、既に負った深手の治癒も遅れている。加えてアキラの銃撃により、ハーマーズは防御と回避に追われる。アキラはシロウを離さずに連射し続け、ハーマーズはアキラに対して衝撃波を放つが、アキラはそれを避ける。しかしアキラはその余波を受け、ハーマーズは攻撃を続ける。
ハーマーズが自身の所属を明かし、攻撃の停止を要求するが、アキラはシロウに頼まれたと答える。ハーマーズはシロウが坂下重工から脱走中と反論するが、シロウはそれを否定し、ハーマーズをさらに惑わせる。アキラはその攻撃を再開し、ハーマーズは防御に徹する。その最中、キャロルが現場に到着し、銃を構えるが、ハーマーズからの衝撃波でビルが倒壊し、キャロルは瓦礫に埋もれてしまう。ハーマーズはキャロルの存在を認識しており、銃を構えた彼女に対して速やかに行動を起こしていた。
ハーマーズがキャロルを狙ったことを受けて、アキラがその存在に気付くが、既に彼女は瓦礫に埋もれていた。アルファはアキラに戦闘に集中するよう指示し、キャロルを教えなかった理由を説明する。アキラは感情を抑えて戦闘を続けるが、ハーマーズはアキラがキャロルを助ける気配がないため、追撃を中止する。キャロルは生きており、アルファの戦略が功を奏した。アキラは戦闘を速やかに終わらせようと努力し、感情を抑えて理性的に戦いを続ける。
ハーマーズがミハゾノ街遺跡の外に出た直後、上司のスガドメから連絡が入り、仕事の依頼を受ける。スガドメはハーマーズの休暇中の行動について業務外であることを認識し、それを咎める意志はないが、復帰後の業務に支障が出ないように要請する。ハーマーズは普段通りに対応しながらも内心では緊張していた。通話が終了した後、ハーマーズは安堵のため息をつき、オリビアとの戦闘を中止した自己の判断を改めて肯定する。
第247話 払えるだけ払った
アキラとシロウは戦闘を終えた後、キャロルのもとへ急ぎ、キャロルが無事であることを確認する。キャロルは、自身が起こした爆発で気を失っていただけで、大きな怪我はなかった。アキラは戦闘が終わったと伝え、二人はハーマーズが無傷であることに驚くが、攻撃が防がれたと理解する。キャロルは自身の行動がアキラへの借りを返すためであると説明し、アキラはそれを理解して笑い出す。二人は相互の借りに関して笑い合い、互いの価値観を共有する。
その後、シロウはオリビアから機体修理に関する選択肢を提示される。シロウは修理中にリオンズテイル社の施設に滞在することを選び、アキラとキャロルもそれに同意する。アキラのバイクが無事であることを確認した後、三人はオリビアに先導されて施設へ向かう。
アキラたちはオリビアに案内され、セランタルビルの57階にあるリオンズテイル社の支店に到着する。受付でセランタルと遭遇するが、オリビアが対応し、アキラたちは奥へ通される。アキラはセランタルから意味ありげな視線を受けるが、黙ってそれを無視する。この階にはメイドのパメラたちがいるが、オリビアは彼らを無視し、アキラたちを先へ進ませる。シロウはパメラたちが現代のリオンズテイル社の人間だと説明するが、具体的な状況は不明である。
部屋には当初何もないが、床が変形してテーブルとソファーが現れ、部屋全体に立体映像が表示される。アキラたちはソファーに座り、オリビアが飲み物と菓子類を提供する。これらは旧世界製であり、非常に高い品質であることから、アキラとキャロルはその味に驚く。シロウも味は悪くないと評価するが、以前の高い生活水準に慣れていたため、特に驚くこともない。
アキラはアルファと共に状況を確認し、オリビアの真の姿が立体映像で作られたものであることを知る。その後、アキラたちは休憩を取り、そのままヒカルたちに連絡を入れる。シロウは過去の贅沢な生活を捨てて今の場所にいることをアキラに説明し、その覚悟を示す。
第248話 奇妙な質問
ヒカルたちがシェリルから話を聞いたが、アキラの具体的な状況は明らかにならなかった。それでもアキラとキャロルがミハゾノ街遺跡に戻ったと推測される中、ヒカルたちは現場に近づくことをトガミが提案したが、エレナたちはこれに難色を示し、その場に留まることに決めた。一方で情報収集を進め、セランタルビルが壊滅し、多くのハンターが遺跡から逃れていることや、オリビアがリオンズテイル社と関連があるかもしれないという情報を得た。
その後、アキラからの連絡があり、彼とキャロルが無事であることが確認される。ヒカルたちは安堵し、アキラとの通信を通じて情報を共有することになった。その過程で、シロウが坂下重工に喧嘩を売ったことで、ヒカルが絶望し、その重大さを実感する。しかしアキラは、シロウへの借りを返すために行動したことを改めて強調し、キャロルもリスクを承知で行動していたことが明らかになる。
最終的には、アキラとキャロルはその場に残り、ヒカルたちは都市に戻ることにする。シェリルからは彼女とシジマ、ヴィオラが攫われた経緯が語られ、さらに詳細な情報が期待される中で、アキラたちはその場を後にする。
偽アキラに攫われたシェリルは、人型兵器の中に閉じ込められ、高度な技術を感じさせる建物の内部に運ばれた。そこで現代のリオンズテイル社の執事服を着たラティスに出迎えられ、シェリルとシジマはラティスに案内されながら建物を進んだ。しかし窓もなく、情報を得る手段は限られていた。
シェリルとシジマは、ラティスに強化服を渡され、着替えるよう指示された。その後、シェリルはラティスの案内で、既にそこにいたヴィオラと合流した。ヴィオラはシジマに対してからかうような態度を取り、シジマはそれに憤りを感じた。
その後、シェリルはラティスからアキラに関する一見些細な質問を受け、そのすべてに答えた。質問はアキラの好きな飲み物や動物など、個人的な好みに関するものが中心だった。シェリルはこれらの質問がアキラの弱点や重要な情報につながるものではないと判断し、素直に答えた。
最終的にシェリルはヴィオラがいた部屋に戻され、同じようにシジマも一定の質問を受けた後に戻された。そしてシェリルは日々、アキラに関する質問に答え続ける日々を送り、その間にも人型兵器に乗せられ、意識を失ったままミハゾノ街遺跡まで運ばれたことが明かされる。
シェリルから自身が攫われた後の状況について聞いたアキラは、その内容に困惑していた。アルファも正確な理由は分からなかったが、シロウは一定の仮説を立てていた。シロウはアキラの偽者がセランタルビルに現れた理由について考え、アキラにその意見を求めたが、アキラには心当たりがなかった。
シロウとアキラは、偽アキラとその動機について議論を交わした。シロウはセランタルビルでの偽アキラの行動が、ウダジマと関連がある可能性を示唆した。特に、偽アキラがウダジマの執務室に容易に侵入できたことから、ウダジマが偽アキラを意図的に招いた可能性が高いと推測された。
また、ウダジマが映像で攫われるシーンが自作自演である可能性や、ウダジマの死亡が偽装されている可能性も浮上した。シロウはこれらの情報を基にウダジマが生きているとの結論に至った。
この事実はアキラにとって驚きであり、同時にシロウの推理力に一定の信頼を置くことになった。アキラはシロウの提案に従い、しばらく彼と行動を共にすることを決めた。
ウダジマが生きていることが確認された際、シェリルがラティスに質問されている様子を遠隔で見ていたハルカとウダジマは、シェリルの反応からアキラに関する情報を取得していた。高性能な強化服を使って、シェリルの認識をデータとして収集するために質問が行われていた。このデータはアキラの偽者をより本物らしく見せるために使用される予定であった。ハルカは、偽者が本物らしく振る舞うためには、本人の特徴を理解して再現する必要があると説明した。ウダジマはこの計画に一定の理解を示し、ハルカに任せることを決定した。
一方、ウダジマ自身は自分の計画に対して不安を抱えており、ハルカにその進捗を問われると、順調であると答えたが、返答にはためらいがあった。ハルカは保険が必要だと考えながら去っていった。ウダジマは一人残り、偽アキラを通じて本物のアキラに対する脅威を感じつつ、その排除が計画成功の鍵であると考えていた。
ヒカルは仕事に追われながらも、アキラ達が拡張現実で行っている会話に参加していたが、ウダジマが生存し、アキラの偽者と関わっている可能性を知らされ、驚きを隠せなかった。クガマヤマ都市の幹部が建国主義者に協力しているという情報は、ヒカルにとって信じ難い内容だった。シロウから不正アクセスによって得た資料を受け取り、その信憑性について確認すると、ヒカルはその情報の使用を任された。シロウはクガマヤマ都市がウダジマの裏切りを隠蔽しようとする可能性を指摘し、その情報を交渉材料としてアキラの賞金首指定の解除を図る計画を説明した。アキラはこの計画についてさらなる質問をしなかった。交渉は都市への圧力に近く、その基となる情報は不正に得たものであるため、実行するには大きなリスクが伴う。しかし、ヒカルは他に選択肢がなく、イナベと共にこの困難な道を進む決意を固めた。
第249話 旧領域接続者達
シズカは店を開け、いつも通り丁寧な接客で営業を続けていた。アキラの装備に関して高ランクハンター向けの商品を扱うよう提案されたが、シズカはこれを断った。彼女は長年の顧客を切り捨てたくなかったし、高ランクハンター向けの商売には自信がなかった。そのため、店は従来通りの場所で営業を続けていた。一方でアキラの安否が心配だったが、都市の幹部イナベが彼の賞金首認定を取り下げるために動いていることを聞かされていた。しかし、アキラが身を隠す必要がある現状に、シズカは懸念を抱えていた。店内での戦闘が発生し、シズカはカナエとレイナに救われた。偽アキラはレイナたちの手により完全に倒された。店が大きな被害を受けたが、シズカは損害保険があることを話し、自分で交渉を試みる意向を示した。レイナはアキラへの連絡を準備し、シズカもそれに同席することになった。
アキラはレイナとシズカからの報告を聞き、深く感謝の意を表し、シズカには巻き込んでしまったことを謝罪した。レイナは自分の行動に後ろめたさを感じながらも、その必要性を理解していた。シズカはアキラの謝罪に対して、自分の救出がレイナのおかげであることを認め、アキラに気にしないよう助言した。レイナはアキラの親友として、またアキラに恩を売るためにシズカの護衛を引き受けていたが、その行動には複雑な感情があった。シズカは護衛の申し出を受け入れ、実際に偽アキラの襲撃を防いだことでレイナの判断が正しかったことが証明された。最終的にはシズカが通信から退出し、アキラが自身の状況を話し始めた。
アキラの状況について知ったレイナは、その内容に驚いていた。アキラが坂下重工を敵に回した可能性について話し、アキラはシズカとシェリルの護衛をレイナに依頼した。レイナはこれを受け入れ、アキラは後でエレナたちとの合流について尋ねたが、ヒカルが調整を約束した。
会話が進む中、レイナはアキラに前もって伝えていた重要な頼み事について話を進めることを決め、その話をするために場を整える。エレナ、サラ、シェリルは席を外し、ヒカルも自分の仕事を理由に退場した。残ったのは、アキラ、レイナ、そしてシロウ、キャロル、トガミである。
レイナはアキラに、旧世界のリオンズテイル社に関連する特定の端末の場所への案内を依頼する。アキラは詳しい説明を求めるが、レイナはその話が非常に敏感な内容であることをほのめかした。アキラが旧領域接続者である可能性について触れられ、これによりアキラは驚きつつも、話を受け入れる。
アキラはレイナの依頼を受け入れ、具体的な場所の案内ではなく、直接案内することを承諾する。アキラの状況や今後の安全を考慮しながら、双方が協力し合うことに同意し、今後の行動計画について合意した。
キャロルはアキラに自身の過去を語った。かつて真面目にハンター活動をしていたキャロルは、ミハゾノ街遺跡の探索中に重大な体験をし、旧領域接続者としての能力に目覚めた。その結果、周囲との関係が断絶し、過去を捨てることを余儀なくされた。新たな名前「キャロル」と身体強化を施し、地図屋として、また他の副業を通じて生活を送っていた。これらの活動は全て、旧領域接続者としての自身の正体を隠すための策だった。
その後、キャロルは自身の生活とアイデンティティが完全に一体化し、かつての自分を失ったと感じている。キャロルがアキラにこの話をすることで、長年の重荷を少しでも軽くしようとしていた。この会話を通じて、キャロルはアキラに自分の本当の姿を明かし、二人の信頼関係を深めていた。
第250話 スガドメの提案
ミハゾノ街遺跡から帰ったハーマーズは、スガドメからの指示でクガマヤマ都市に戻り、執務室に呼ばれた。スガドメから体調を気遣われながらも、ハーマーズは問題がないと答え、新たな任務としてツバキとの会談の護衛を任された。これにはハーマーズが驚きつつも、了解した。
ツバキの管理区域へ向かう移動中、ハーマーズはミハゾノ街遺跡での出来事をスガドメと他の同乗者に報告した。この中でシロウという人物が旧世界のリオンズテイル社の者を護衛に雇い、アキラの偽者と協力していたことが明らかになった。ハーマーズはシロウの行動について、逮捕や公表の必要性を提案したが、スガドメはこれを検討するに留めた。
その後、セランタルビルでの被害の話題が出た際、ヤナギサワはその状況に動揺している様子を見せた。スガドメはヤナギサワの心配をやわらげるために補填を提案し、その話は受け入れられた。
また、この移動中にもう一人の男がマルオと名乗り、対再構築機関所属であることを明かした。これにはハーマーズも驚きを隠せず、ヤナギサワも内心でその重大さを感じていた。マルオは自身が調査のためにここにいることを説明し、その任務が日常的なものであることを強調した。
ツバキが管理する旧世界の都市は周囲の廃墟とは異なり、綺麗で洗練された景色を保っており、その真実を巨大な防壁で隠していた。この防壁内にある倉庫で、スガドメとツバキの会談が設定されていた。会場は以前坂下重工の部隊が壊滅した同じ場所である。会談を前に、ハーマーズはスガドメに彼女との接触の危険性を指摘したが、スガドメはその必要性を認識していた。
スガドメは以前自らが安全を優先し部下を犠牲にしたことを認めつつ、その行動が必要だったと主張し、自分の命が他者よりも価値があるとした判断を正当化した。彼は自らが直接会談に臨むことの重要性を説明し、そのためには強力な護衛が必要であるとしてハーマーズの存在意義を強調した。
会談が始まると、ツバキはスガドメの提案を冷静に聞き、提案内容が自分にとって価値があるものであるかどうかを評価した。スガドメは坂下重工が第3奥部の一部制圧を提案し、その管理権をツバキに移譲する計画を提示したが、ツバキはそれを拒否した。
スガドメはこの交渉が失敗に終わったことを受け入れ、ツバキとの会談を終了し、安全に会場を後にした。ツバキはスガドメたちの生還を許可し、何も言わずに彼らを見送った。
クガマヤマ都市の幹部、イナベは執務室でヒカルからの報告を受けていた。ヒカルが報告した内容は、アキラが坂下重工との対立を深めていることであった。イナベはこの重大な情報を受け、アキラにかかっている賞金首の認定を解除するための動きを進める決意を固める。
一方、レイナ達はエレナたちと合流し、一時的な安全を確保していた。シェリルはレイナに感謝の意を表しつつ、アキラの状況を心配していた。エレナとシズカはアキラの問題を何とか解決できることを希望していたが、確証は持てなかった。それでも彼女たちはアキラが無事であることを願っていた。
全体的に、アキラの危機的状況に対して、関係者たちはそれぞれの立場で対応を模索し、彼の無事を願っていた。
拠点に戻ったハルカは、偽アキラによってシズカが狙われた事実に困惑していた。それは彼の意図に反して行われた行動であり、旧バージョンの人格が独自に動いた結果だったと考えられる。ヴィオラとウダジマもこの行動に関与していないことを確認し、この問題を旧バージョンの人格の欠点として受け入れる。
一方、ヴィオラは自らの役割と計画について考えていた。彼女は偽アキラに強い殺意を注ぎ込み、ユミナの復讐を追求させることに成功していた。この計画の一環として、シェリルとシズカのどちらを攫うかが重要な選択となり、結果的にシェリルを選んだ。ヴィオラはこれにより、アキラをより追い詰めることができると考え、シェリルを攫わせた。
ヴィオラの策略により、クガマヤマ都市は大きな騒動に巻き込まれ、彼女はこれを特等席から見守っている。彼女の計画は、アキラが関与しなければ成立しなかったが、彼の存在により大規模な騒動へと発展していた。
第251話 5000億オーラムの賞金首
アキラはシロウの依頼でハーマーズを銃撃し、結果として坂下重工を敵に回す恐れが高まっていた。これを受けて、シロウは何とかすると約束していたが、アキラは巻き添えを避けるため別行動を取ることに決めた。その夜、アキラはリオンズテイル社の支店に泊まり、一日の疲れを癒やしていた。その間、アルファとの会話から、状況が概ね良い結果に終わったとの認識を持っていた。
アキラはシロウの依頼をほぼ完了させ、シロウに対する借りを返し終えた。これにより、シロウの都合で動くリスクが大幅に低下していた。アキラはキャロルの助けも得ながら、自分の偽者を殺し、シェリルを救うことができたが、坂下重工を敵に回した事実に変わりはなかった。アルファは坂下重工との敵対をそれほど危険視しておらず、アキラの行動を全体的には肯定していた。
翌日、アキラはシロウに装備調達を依頼し、これが受け入れられた。その後、アキラには坂下重工から5000億オーラムの賞金首認定の通知が届き、これが公示される前に問題が解決されれば賞金首認定が取り消される可能性があることをスガドメから伝えられた。しかしアキラは、賞金首の取り消しを条件にシロウを引き渡すことを拒否し、自分の決定に固執した。
スガドメはアキラに、賞金首の内容が曖昧にされており、偽アキラの撃破が含まれていることを説明した。これはアキラに行動の余地を与える譲歩として提示されたが、アキラはこれを脅迫と捉えず、自分の判断で行動することを選んだ。最終的に、スガドメはキャロルに賞金を懸けなかったことをアキラに伝え、これがアキラにとっての譲歩となった。アキラはスガドメの行動に感謝を表し、通信が終了した。
スガドメとの交渉後、アキラは第3奥部に乗り込む計画を再度決意する。元々、アキラは自分の偽者をセランタルビルで殺す予定だったが、偽者が既に死亡していたため、目的は変わり、スガドメの譲歩に応じる形で第3奥部への再侵入が決定される。アキラは賞金首速報が出る翌日に行動を開始しようと考えており、高ランクハンターと共に戦う可能性もあるとしている。
キャロルはアキラの計画に理解を示しつつ、自分が同行することはないことを承知している。アキラも単独行動を選び、シロウに対しても独立して行動する意向を明らかにする。この選択は、アキラがシロウの要求に応じることなく、自らの判断でリスクを負う意向があるためである。
さらにアキラは、キバヤシからの支援提案に応じ、装備類を提供してもらうことに同意する。キバヤシはアキラが第3奥部での戦いを有利に進めるために、効果的な支援を約束している。これにより、アキラは装備を受け取った上で、第3奥部への侵入を開始する計画を立てている。
アキラとキャロルは、セランタルビルを出発し、荒野へと向かう。アキラは翌日に5000億オーラムの賞金首となるが、それまでの時間をキャロルと共に過ごす。この間、アキラは自己の判断と行動に基づいて、リスクを管理しつつ目的を達成しようと努めている。
第252話 ドーラスの覚悟
アキラはミハゾノ街遺跡を出た後、キャロルと共にクガマヤマ都市に戻った。彼らは一度は別行動を取る予定だったが、結局はもう少し一緒に行動することになる。キャロルのキャンピングカーを利用し、クズスハラ街遺跡の外周部へと向かった。この場所はほとんどの遺物が取り尽くされ、遺跡は廃れており、安全に稼げる他の遺跡と比較して訪れるハンターは少ない。加えて、最近の建国主義者の騒ぎにより、多くのハンターがクズスハラ街遺跡を危険地帯とみなしているため、人目を避けるには適した場所である。アキラは再びキャロルに第3奥部へは連れていかないと伝え、彼らは明日の準備を整えて早めに就寝した。
深夜、アキラがアルファに起こされた。アルファから届いたメッセージによると、アキラへの取引提案があり、指定された場所で待つようにとのことであった。アキラはキャロルを巻き込まないとの期待を寄せ、慎重に車から出て、指定の場所に向かった。そこで待っていたのはドーラスという男で、彼はアキラに対し、坂下重工から巨額の賞金が懸けられること、およびキャロルとの関わりを絶つことを引き換えに安全な逃走を手助けすると提案した。アキラはその提案を拒否し、ドーラスとの間で交渉が続いたが、最終的には交戦状態に突入した。
戦いが始まると、ドーラスはアキラを殺害しようとするが、アキラは彼の動きを察知して反撃し、最終的にはドーラスの攻撃を防ぎつつ、彼を制した。戦いの最中、アキラはドーラスにキャロルを守るよう説得し、ドーラスはそれを受け入れる。アキラは彼を殺す代わりに、キャロルを庇って死ぬことを選ぶよう提案した。ドーラスは最終的にアキラの提案を受け入れ、アキラは彼を殺さずに済んだ。この結果、アキラは自身の成長を感じ、過去の失敗を乗り越えたと感じた。
戦闘を終えたアキラとドーラスは廃ビルを出て、回復薬を飲んだ後、アキラが銃を拾って帰路についた。ドーラスはアキラの強欲さについて語り、アキラの強さを認めつつ、坂下重工からの賞金問題も何とかなるかもしれないと話した。アキラはそれに普通に頷いて、明日には何とかすると返答した。ドーラスはアキラの返答に驚きを隠せず、もっと早く知っていれば戦う必要がなかったかもしれないと思ったが、結局のところ戦いになったかもしれないと考え直した。
また、ドーラスがアキラにキャロルとの関係について尋ねると、アキラはキャロルに一度も手を出していないと答え、その理由を説明した。これにはドーラスが驚き、キャロルがアキラを信用した理由について疑問を持ったが、結局は自分が振られたことを受け入れた。
キャロルが目を覚まし、アキラが居ないことに気付き慌てたが、アキラがドーラスを連れて戻ると、ドーラスがキャロルを庇って死にたいと言っていることを伝えた。キャロルはその事実を受け入れ、ドーラスがアキラに雇われた形で自分を護ることになったことを理解した。キャロルはそれを受け入れ、ドーラスに何が起こったのかを問いただしたが、ドーラスはハンターとしての取引の内容を漏らすことはできないと答えた。
結局、キャロルはドーラスが自分を護ることになった経緯を完全には理解できないまま、眠りに就いた。翌朝、キャロルがアキラに経緯を尋ねたが、アキラはあまり詳細を語らず、ドーラスから連絡があり、キャロルを護って死にたいと言うので、会って連れてきたとだけ答えた。キャロルはそれ以上詳しい事情を聞かなかったが、アキラが騙されたり脅されたりしていない限り、それで良いと思った。
第253話 追加の支援
ウダジマは、アキラが第3奥部に乗り込む理由が無くなったことに困惑し、アキラを誘い込んで殺す計画の難しさに直面していた。クガマヤマ都市がアキラの賞金首指定を取り消したことで、アキラの無実が暗黙のうちに認められたと解釈され、ウダジマの計画に影響を与えた。アキラが建国主義者に寝返ったとされるのは偽者であることが市によって認められたためである。
ウダジマはハルカにアキラの実力を尋ね、セランタルビルでの戦いにおけるアキラの強さに驚かされた。アキラは偽者をも上回る実力を持っており、ハルカの支援があっても完敗していた。これにより、ウダジマはアキラを簡単には殺せないことを悟る。
その後、ウダジマはアキラが以前よりも強くなっていることに気づき、ツェゲルト都市へ向かいながらも、坂下重工を敵に回す覚悟がなかったことを反省する。しかしながら、アキラが更に強くなる前に、どうしても彼を殺さなければならないと決心し、新たな計画を進める。
アキラがクズスハラ街遺跡の外周部に向かったことを知り、ウダジマはアキラを第3奥部に誘い込むための新たな策を練り直す。同時に、坂下重工がアキラに巨額の賞金を懸けるという情報を得て、それが偽者に対するものか、本物のアキラに対するものかを確認する。
最終的にウダジマは、アキラがセランタルビルで偽者を殺すことに固執していることを利用し、新たな偽アキラを派遣してアキラを第3奥部へと誘い込む計画を立てる。その計画の成否は未だ不明であるが、ウダジマは坂下重工との関係を考えつつ、次の一手を検討していた。
坂下重工がアキラに5000億オーラムの賞金を懸けたことが一般に公表される直前、アキラの元には重要な支援物資を持ったトガミが到着した。トガミは、ヒカルから借りたOFX複合銃をアキラに渡し、シロウからは、坂下重工が最前線のハンター向けに提供する高品質なHBTNブレード一式とエネルギーパック、回復薬を提供した。さらに、トガミはキバヤシからの特別な弾倉、対滅弾頭を渡した。これらの支援はアキラに対する大きな「貸し」であり、彼に多大な支援を提供することで、アキラの生存と成功が期待されていた。
アキラは、提供された武器と弾薬を使って最も困難な挑戦に直面する準備を整え、これまで以上に困難な状況へと自らを投じることになる。彼の行動は、彼が直面するであろう危険とその準備の重要性を浮き彫りにしている。
アキラが5000億オーラムの賞金首に指定されたという速報がキャロルたちに届く。トガミはその高額賞金に苦笑するが、キャロルとドーラスはその金額でアキラと戦う気になれないと語り合う。その中で、ドーラスはアキラの強さを確かめるために戦った経験を明かし、完敗したことを認める。このことからキャロルは、ドーラスが自分を護ることになった経緯を推測し、ドーラスが自分を護ることを条件にアキラから命を助けてもらったと理解する。その上で、キャロルはドーラスに対して、殺されなくてよかったと軽く言い、ドーラスはアキラの強さを称賛する。その後の会話で、トガミとキャロルの関係が話題になり、トガミもキャロルに手を出していないことが明らかになる。ドーラスは自分が最初から詰んでいたと感じ、その場の会話を楽しむキャロルを見て大きな溜め息をつく。
アキラが5000億オーラムの賞金首になったことが報じられる。昔はわずか300オーラムで襲われたことがあるとアルファが言及し、アキラは自分の価値が上がったことを認識する。遺跡を進みながら、シズカからの通信を受ける。シズカはアキラが賞金首になったことを心配し、坂下重工の件を気にかける。アキラは未だ解決していないが、対処すると前向きに答える。シズカはアキラの無事を祈ることを約束し、アキラは力強く応える。
その後、アキラは第2奥部を高速で通過し、第3奥部に向かう。道中、融合体の群れが襲来するが、アキラはアルファのサポートを受けながら巧みに避けつつ、複合銃を使って反撃する。使用したS弾とOFX複合銃は融合体に対して有効で、多くを撃破する。アキラは敵を蹴散らしながら前進し、第3奥部に突入する直前まで進んでいる。
アキラがバイクでクズスハラ街遺跡を駆け抜ける場面から始まる。遺跡の外周部を出発して、すでに第1奥部に入っていたアキラは、5000億オーラムの賞金首速報を受け取り、自身の価値が上がったことを苦笑いしながら認める。アルファもアキラと共にその状況を楽しみ、以前と比べて大きく変わったアキラの立場について話し合う。アキラは更に奥に進む中、シズカから通信が入り、アキラはシズカの心配を受け、自身の困難に立ち向かう決意を新たにする。その後、シズカからの激励を受け、アキラは気持ちを新たにし、アルファと共に前方に迫る融合体との戦闘に臨む。アキラは複合銃を使用して融合体を効果的に撃退し、その途中、第2奥部を駆け抜ける。
シズカがアキラとの通信を終えた後、一緒にいたエレナ、サラ、シェリルに向けて笑顔を見せる。坂下重工から莫大な賞金がかけられたことにもかかわらず、アキラの努力によって状況が改善する可能性があると考えられた。エレナとシェリルはアキラの典型的な行動を振り返りながら、彼の性格を軽く批判するが、同時に彼の無事を信じている。シズカたちはアキラの過去のエピソードを共有し、それを笑い話に変えることで彼の無事を願う。
第254話 第 3奥部の激戦
アキラがクズスハラ街遺跡の空をバイクで駆けていく。多数の融合体を倒しながら、第3奥部を目指して進む。目的地に近づくにつれ、融合体の数は増えるが、アキラは邪魔なものだけを倒しながら前進する。第2奥部と第3奥部の境目に問題なく到達すると、周囲は色無しの霧に包まれ、真っ白な世界が広がる。アキラはアルファと共にレラグロスという怪獣を探し始める。目的は建国主義者の壊滅であり、それにより坂下重工からの賞金を取り下げさせることだ。しかし、その怪獣と戦うのは前回逃げるしかなかったほどの強敵である。今回はキバヤシから提供された対滅弾頭のおかげで戦う機会があると考え、アルファの指示に従いながら慎重に行動を進める。バイクを降りて徒歩で進む中、高濃度の霧が索敵を困難にするが、アキラは気配を消しながら敵に近づく。そして、アキラはモンスターと遭遇し、シロウが用意したHBT Nブレードを使って敵を一撃で倒す。その性能に驚きつつ、アキラは次の行動に移る。
都市間輸送車両で第3奥部に乗り込んだ高ランクハンターたちが、融合体の群れと激戦を繰り広げている。第3奥部の融合体は以前のものよりも格段に強いが、高ランクハンターたちは、その数の多さにも負けずに戦いを続けている。この場所の広大な拡張空間は、膨大な数の融合体を容易に収容できる。ハンターたちが使用する強力な武器によって、融合体は次々と倒されていくが、撃ち倒した分だけ追加が現れるため、戦いは終わりが見えない。
坂下重工が背景にあるこの戦いでは、クガマヤマ都市が利益を得るため、ハンターたちには莫大な賞金が懸けられている。しかし、実際の賞金分配は多くのハンターにとってはそれほどの額ではなく、主な動機は坂下重工からの支援と認知を得ることにある。高ランクハンターたちは、この一戦によって自らの価値を示し、より一流の地位を目指している。
メルシアは、都市間輸送車両の運用を通じて、第3奥部への高速で安全なアクセスを提供している。この車両は、タツカワなどのハンターがエネルギー供給を気にせずに戦えるようにするために、大きな投資をして調達された。その結果、ハンターたちはエネルギーを惜しみなく使いながら戦うことができ、大量の融合体を効率的に倒し続けている。
このようにして、タツカワを含むハンターたちは、第3奥部の融合体群れに対して圧倒的な火力を持って挑み、その強大な敵を次々と討ち取っていく。全力を尽くした戦いで、彼らは自己の技量と機材の有効性を証明し、坂下重工からの更なる支援を得ることを目指していた。
第3奥部に乗り込んだハンターたちは、融合体の群れとの戦闘で優勢に立っていた。アキラはその様子を遠くから観察しており、ハンターたちの強さに驚いていた。アルファもアキラの意見に同意し、融合体の数が減るのを待って行動することを提案する。そこで怪獣レラグロスが現れ、アキラとアルファは動き出す準備をする。
怪獣は都市間輸送車両に向けて進行し、融合体だけでなく、車両やハンターたちの機体にも攻撃を試みるが、光線は防がれる。アキラとアルファは、ハンターたちが怪獣により近づくのを待ち、適切な距離からの攻撃を試みる計画を立てていた。しかし、予期せずハンターたちが撤退を始め、その理由は不明のままだった。アルファはこの状況を好都合と捉え、アキラに攻撃の準備を促す。アキラはバイクで怪獣に急接近し、戦いを開始する。この一連の展開は、アキラにとって予期せぬ好機となった。
第255話 怪獣の撃破方法
都市間輸送車両が第3奥部に進入した後、その後部で多数のハンターがモンスターと戦闘を繰り広げていた。これらのハンターたちは主に歩兵として活動し、車両の屋根や飛行バイクから攻撃を加えていた。第3奥部への主力派遣に伴い、残りの戦力が第2奥部での戦いに従事していた。
ゼロスを含むロットブレイクの高ランクハンターたちは、第2奥部での防衛を固めつつ、アキラと思しき存在が接近しているとの報告を受けた。メルシアとの通信を経て、敵性と判断されたアキラに対しての攻撃準備が整えられた。仲間とのやり取りの中で、偽者である可能性が高いと見なされていたが、予期せずにアキラの存在が車内にあることが確認され、さらなる警戒が必要とされた。
アキラが持つ可能性のある対滅弾頭による脅威を前に、ゼロスは部隊を指揮して迅速な対応を試みた。最終的に偽アキラは排除され、主要な脅威は一時的に回避されたが、その後も偽アキラの複数存在が示唆される事態に直面し、緊迫した状況が続いている。
以上の状況は、都市間輸送車両を利用した大規模な作戦の一環として展開されており、ゼロスを含む各ハンターたちは、予測不可能な敵との遭遇に備えつつ、連携と迅速な対応を重視していた。
高ランクハンターたちが融合体の群れを殲滅した後、アキラはレラグロスと一対一で戦う機会を得た。アキラは坂下重工に賞金を取り下げてもらうため、レラグロスを単独で撃破しようとした。しかし、レラグロスとの距離が中途半端なため、アキラは光線の直撃を避けられず、対エネルギー力場障壁で防ぐしかなかった。アキラはアルファの指示に従い、対滅弾頭を装填しレラグロスに向けて発射した。その後、レラグロスの光線と対滅弾頭が衝突し、エネルギーの濁流が発生したが、アキラは無事だった。
それにもかかわらず、レラグロスは攻撃を続け、アキラはバイクで機敏に避けつつ攻撃を継続した。アキラが対滅弾頭でレラグロスを撃つ戦略を採りつつも、レラグロスの回復能力に苦しんでいた。しかし、高ランクハンターたちが対滅弾頭で一斉射撃する計画だったため、アキラもその戦略を取ることにした。
レラグロスの生体力場装甲の隙間を利用し、アキラは再び対滅弾頭で攻撃する準備を整え、レラグロスの背中に対滅弾頭を撃ち込み、大きなダメージを与えた。しかし、レラグロスはまだ倒れず、アキラはその巨体との戦いに再び挑む必要があった。
第256話 今日はついてる
旧領域を介して偽アキラをサポートしていたハルカが、対滅弾頭をアキラに迎撃されたことに驚愕している。対滅弾頭は、通常は途方もない障害物がなければ止められないものである。しかしアキラがその迎撃に成功し、ハルカはそれが信じられなかった。アキラが迎撃に成功したのはアルファのサポートのおかげであり、S弾の衝撃波を利用して、色無しの霧を特定の点に凝縮させていた。この高度な戦術により、普通ではあり得ない対滅弾頭の迎撃が可能となった。
アキラがこの驚異的な射撃を達成するためには、非常に高い射撃技能が必要だったが、アルファの計画通りに実行された。しかし、この技術を成功させるには、4挺のRL2複合銃が必要であり、アキラは対滅弾頭の迎撃を実現したことを理解している。この事実に直面して、アキラは自分も対滅弾頭を持っていると再確認し、対滅弾頭が非常に貴重なものであるにもかかわらず、自分の偽者も持っている可能性に驚いた。
アキラとアルファは迎撃後の展開を計画し、状況に応じて対策を講じている。アキラはこの一連の出来事を通じて、その場の状況を最大限に活用し、自分と偽者の戦いを制御下に置くことに成功している。そしてアキラは、対滅弾頭の迎撃が普通では不可能であるというアルファの言葉を受けて、再度迎撃の準備を整える。
第257話 歪んだ想い
ウダジマたちの拠点は第3奥部に建造されていたが、通信障害の影響で外部との連絡が途絶え、さらに拡張空間の解除に伴い建物が移動し、強風に煽られて半壊状態になった。その中でウダジマは無事だったが、部下たちからの報告により、派遣していた偽アキラが全て連絡不能となり、アキラに倒されたことが推測された。これにより、ウダジマはアキラの能力を再認識し、狼狽を隠せなかった。
その後、アキラが拠点に向かっていることが判明し、ウダジマは迎撃の準備を指示した。一方で、通信障害発生後に拠点を出たハルカとの連絡が取れず、彼の安否も不明であった。この状況の中、ウダジマは逃走を考えたが、現実的な対策として迎撃を選択し、部下たちに対処を命じた。
アキラが青空の下、白い地面を進んでいる場面から始まる。地平の先に見えるビルが第2奥部と第3奥部の境目にあり、その距離は近いことがわかる。周囲の霧の濃度が低いため、アキラの情報収集機器の精度が高い。「第3奥部って、本当はこんなに狭かったんだな」とアキラは驚き、アルファは拡張空間での拡張の必要性を説明する。
アキラは、荒野が広がる土地を見て、旧世界の技術であれば問題なく対処できると考えるが、アルファはその土地がかつて荒野ではなかったことを指摘する。アキラは納得し、目的地に進む。そこにあるボロボロの建物について尋ねると、アルファはその建物が第3奥部外から資材を運んで建てたものであり、強風で破壊されたことを説明する。
地面が実際には縮小していたために、建物が転がり破壊されたことが理解される。アキラは以前に見た立体映像と力場障壁で作られたビルが、拡張空間の解除に対処するためのものだと推測する。
アキラが空を見上げると、以前に見た銀色の立方体が消えていることに気づくが、直後にウダジマがいる建物の前に到着し、その件は後回しにする。アキラはアルファにサポートを頼み、建物に侵入し、内部でラティスと揉めているウダジマを発見する。
ウダジマはアキラに全力で対抗しようとしていたが、ラティスから契約終了を通告され、予想外に彼らは撤退してしまう。これによりウダジマは残された重装強化服を使って自らの防御を図る。その間、アキラは隠れている位置からこの一部始終を観察していた。ラティスはアキラの隠れていることに気づいていたが、追求せずに立ち去る。
アキラが出現すると、ウダジマは驚き、恐怖から怒りに切り替えて攻撃を指示する。重装強化服はアキラに攻撃するが、アキラはそれを軽くかわし、すべてを破壊する。最後にウダジマだけが残され、アキラは彼に接近する。
ウダジマは逃げ出すこともできず、絶望的な状況で自分の死を受け入れる。アキラは殺意を抱えつつも、殺すべきかどうかで迷う。ウダジマは最後の力を振り絞って坂下重工の陰謀をアキラに話すが、アキラはウダジマの言葉を全て信じない。
アキラの決断は彼の内面の葛藤と正義感によって左右されるが、最終的にウダジマを殺すことになる。これにより、直接の脅威は除去されるが、アキラはその行動に対する後悔の感情を抱く。その後、アキラは自分の行動に対して深く反省し、さらに成熟した考え方へと進化する。
第258話 騒ぎは続く
偽アキラたちが都市間輸送車両に侵入した事件は、高ランクハンターたちによって迅速に解決されたが、その侵入自体が異常であることから、車両内部の徹底的な検査が必要だった。この検査が終了した時、タツカワたちが再び第3奥部へ向かおうとした瞬間、そこにかつての旧世界の都市の景色は消え、代わりに広大な空き地が広がっていた。
この状況に困惑しつつも、タツカワたちは新たに変化した第3奥部の探索を開始するが、彼らが目指していたレラグロスは既に他の誰かによって倒されていたことが確認される。賞金首速報を受け取り、その事実を知ったタツカワは落胆し、メルシアからはその出来事に少し嬉しそうな声で対応される。メルシアは、この出来事によってタツカワが無鉄砲な行動を取らずに済むという安堵感を示していた。
最後に、タツカワが探索を続ける中、機体の索敵装置が大規模な部隊の反応を捉える。これは坂下重工の部隊であり、新たな事態が発生していることを示している。
ヴィオラを連れてウダジマの拠点を出たアキラに、ヒカルから連絡が入る。ヒカルはアキラに急いで状況を尋ね、アキラの偽者に関する賞金問題が解決したことを伝える。坂下重工の部隊が第3奥部に向かっているが、敵ではないと強調し、アキラには大人しくしているよう命令する。
多数の人型兵器や大型輸送機が第3奥部に到着し、坂下重工は拠点作成の準備を進める。その中でヒカルが緊張した様子でアキラを迎えに来て、彼を輸送機に乗せる。一方でヴィオラはマルオにウダジマの死亡を告げ、ウダジマの居場所や情報については自分が把握していると説明する。マルオは興味を持ってヴィオラからの報告を受け入れるが、彼が対再構築機関の所属であることが明かされる。
ヴィオラはこの情報を楽しむ様子を見せ、ヒカルはアキラを輸送機の中に連れて行く。ヒカルはアキラにウダジマを殺したことをなぜ伝えなかったのかと責めるが、アキラはそれを避けようとする。最終的に、ヒカルはアキラが言うウダジマの話を聞くことの危険を理解し、話を打ち切る。
アキラとヴィオラの行動と決断が、周囲の人々や組織に影響を与えつつ、彼ら自身も次の動きを予測しながら対応を進めている様子が描かれている。
オリビアを連れたシロウとハルカは、第3奥部を駆け巡っている。坂下重工の部隊から見つからないように迷彩機能を使用し、シロウとハルカが協力して索敵を誤魔化している。ハルカは銀色の立方体を持っている。ウダジマの死と第3奥部の怪獣の討伐、建国主義者の消滅により、状況は一段落しているが、これで全てが終わったわけではない。次の出来事への過程が続いている。
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