小説【ささピー】「佐々木とピーちゃん 4 」感想・ネタバレ

小説【ささピー】「佐々木とピーちゃん 4 」感想・ネタバレ

どんな本?

佐々木がペットショップで購入した文鳥は、異世界から転生した高名な賢者様だった。
可愛らしい賢者様に世界を超える機会と強力な魔法の力を与えられ、佐々木は異世界へと現代の物品を持ち込んで商売を開始。
世界間貿易でお金を稼ぎ、魔法の訓練をして、美味しい物を食べまくる――そんな悠々自適なスローライフを目指してみるも、ある日のこと、会社からの帰り道で佐々木は異能力者と遭遇する。

賢者印の魔法で異能バトルを切り抜けるが、その実力を見込まれて内閣府超常現象対策局という異能管理組織からスカウトされ、晴れて転職先が決定してしまい……?

佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件

このライトノベルがすごい2022 単行本・ノベルス部門 1位 獲得!

さらにアニメ化もする。

このラノベがすごい!2023でも安定の評価。

主要キャラクター
佐々木:冴えない中年男性で、異世界と現代日本を行き来する主人公。
ピーちゃん:異世界から転生した高名な賢者であったが暗殺され、現在は文鳥に転生している。 
エルザ:異世界の貴族の娘で、佐々木たちと行動を共にする。
お隣さん:佐々木の隣人であり、天使と悪魔のデスゲームに参加している中学生。
星崎さん:佐々木の職場の同僚で、異能力者。
魔法少女:異世界から現れた魔法少女で、物語に新たな波乱をもたらす。

物語の特徴

本作は、異世界ファンタジー、異能バトル、魔法少女など、多彩なジャンルを融合させたクロスオーバーエンターテインメントである。各界の少女たちが集結し、巨大怪獣の襲来というスケールの大きな展開が魅力である。また、冴えない中年男性と文鳥の賢者という異色のコンビが織りなす物語は、他の作品にはない独自性を持っている。

出版情報
• 著者:ぶんころり 
• イラスト:カントク
• 出版社:KADOKAWA
• レーベル:MF文庫J 
• 発売日:2021年11月25日
• ISBN:978-4-04-680848-6
• 関連メディア展開:2024年にTVアニメ化して放送された

読んだ本のタイトル

#佐々木とピーちゃん  4 
異能力者と魔法少女がデスゲーム勢を巻き込んで喧嘩を始めました 
~並びに巨大怪獣が日本来訪のお知らせ~

著者:#ぶんころり 氏
イラスト:#カントク 氏

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あらすじ・内容

お酒に酔っ払ったピーちゃんのミスにより、二人静が用意した拠点の存在がインターネットに流出。
これを確認したことで同所には、お隣さんを筆頭にして、星崎さんや魔法少女、エルザ様と各界の少女たちが集結した。
当然のようにいがみ合う面々。
魔法や異能力、銃弾やマジカルが右へ左へ飛び交う。
その傍らで佐々木には上司から新たなお仕事が与えられる。
太平洋の大海原に巨大怪獣、来訪のお知らせ。
佐々木は局員として二人静や星崎さんと共に、その調査に向かうことになった。
他方、お隣さんとアバドン少年の周囲では、天使とその使徒たちによる企みが蠢く。
ゲストに自衛隊をお迎えしてお送りする巨大怪獣襲来×各界クロスオーバー編、冴えない中年と文鳥賢者は無事に地球の平和を守れるのか。
ヒロインたちの関係が加速していく、待望の第四巻!

佐々木とピーちゃん 4 異能力者と魔法少女がデスゲーム勢を巻き込んで喧嘩を始めました ~並びに巨大怪獣が日本来訪のお知らせ~

感想

なかなかの面白さ。

魔法を使える佐々木達。

超能力、特異体質が使える異能者と超常現象対策室。
マジカルな魔法少女達。
そして、悪魔と天使の代理戦争のデスゲームが複雑に絡み合う。

そんな状況にピーちゃんの世界から水性龍の亜種(巨大怪獣)が太平洋上に現れ日本に接近。

その偵察に派遣させられる佐々木達は色々と巻き込まれて、沈没した船のクルーを救助して、水性龍の亜種に攻撃されて気を失った魔法少女を救出したり奮闘する。

その仕事の帰宅中に佐々木の住んでるアパートが爆弾で吹っ飛んだ。
仕掛けたのはお隣さんの命を狙った天使で、お隣さんの母親と彼氏が死亡。

そんな悪魔と天使のデスゲームの隔離結界を見て、佐々木はアイデアを思い付く。

隔離結界を利用して、巨大怪獣を退治する作戦を立案するのだが、悪魔側はお隣さんが居るから余裕。

天使側は逃げたので、国家権力を駆使して身元を割り出して、通ってる学校に連絡して警官を引き連れてアパートの爆破容疑をチラつかせて身元を確保。

何気にエグいw

最後の仕上げはピーちゃんにお願いして、、

そしたら佐々木達には亜種の触手が独立して襲いかかって来る。。

佐々木には何気にバードだわ、、、

次巻

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備忘録

〈クロスオーバー〉

隣人と女性たちの対峙

佐々木の隣人であるお隣さんは、彼と数年来の付き合いを持っていたが、ある日、高級ホテルで複数の女性と対峙する事態に遭遇した。警察風の化粧女、金髪の少女、魔法少女風の女児、さらに和服姿の見知った女性まで登場し、それぞれが武器を構えて睨み合う異様な状況に陥っていた。

破壊と緊張の均衡

リビングの窓が破壊された直後、魔法少女が屋外から攻撃を加えたことが明らかとなった。お隣さんとアバドン、化粧女、ブロンドはその余波を受けず無傷であったが、その理由は不明のままであった。魔法少女の意図が読み取れず、緊張が続く中、女性たちは佐々木との関係性を互いに探り合い始めた。

化粧女とブロンドの実力

ブロンドは謎の指揮棒を振るい氷の魔法を発動。化粧女もそれに対抗し、水を操る能力で反撃した。互いに強力な異能を持ちながら、お隣さんとアバドンは状況を回避すべく動いたが、水の攻撃を避ける中で、ブロンドの魔法やアバドンの機転により、なんとか直撃を免れた。

二人静の介入と戦局の変化

和服の女児・二人静が状況に介入。圧倒的な身体能力を見せながら化粧女に肉薄し、水の攻撃を突破した。彼女の登場により、戦局は一時的に落ち着きを見せるが、魔法少女が再び攻撃を開始し、ビームを発射。二人静はとっさに化粧女を救い、未然に直撃を防いだ。

関係の探り合いと焦点の転移

二人静を巡って魔法少女との関係が問われる中、お隣さんは化粧女を挑発し、相手の年齢や立場に言及して揺さぶりをかけた。会話の応酬はエスカレートし、互いの素性や信念が少しずつ明かされていった。一方、アバドンとお隣さんは撤退の判断を下す。

撤退と未解決の謎

お隣さんはアバドンに運ばれて撤退を試みるが、魔法少女の追撃が迫る。その攻撃を目に見えないバリアが防ぎ、再び未知の防御の存在が示唆された。逃走中に足を打つなど小さなトラブルもあったが、アバドンのサポートで退避に成功。混乱の最中、新たな人物が現れたことで、さらなる展開が予感された。

新興宗教施設への潜入

佐々木とピーちゃんは、異世界組織「セフィラ」の調査のため、千葉県の山奥にある新興宗教団体の施設に潜入した。外部と遮断されたその施設には異能の気配が満ちており、関係者の警戒も強かった。彼らは慎重に内部を探りながら、関係者への聞き込みや施設の構造確認を進めた。

魔法少女・咲夜の再登場

施設内で、佐々木たちはかつての因縁を持つ魔法少女・咲夜と再会した。彼女はセフィラと関わる存在となっており、佐々木らに敵意を向けてきた。再び戦闘となり、異能と魔法が交錯する激しい攻防が展開された。お隣さんはその様子を遠巻きに見守りながら、事態の深刻さを認識した。

デスゲーム参加者の介入

戦闘の只中に、別勢力として現れたのが、異世界で生き残ってきたデスゲーム参加者たちであった。彼らは状況を混乱させる形で乱入し、佐々木たちの任務は困難を極めた。各陣営の思惑が交錯する中、佐々木は冷静に立ち回り、最終的に咲夜を退けて施設の制圧に成功した。

巨大怪獣、日本に現る

戦いが一段落した直後、異世界の影響によって東京湾に巨大怪獣が出現した。都市部では混乱が広がり、自衛隊も出動する非常事態となった。佐々木は対応のために急行し、異能と魔法の融合技で怪獣と対峙した。周囲を巻き込む破壊の中、佐々木の戦いは続き、なんとか被害の拡大を食い止めた。

異世界との繋がりの深化

事件後、佐々木はセフィラの背後に存在する異世界の組織と直接接触することとなった。異界と現世の境界が徐々に薄れ、戦いの規模も拡大しつつある中で、佐々木たちは新たな局面に突入する覚悟を固めた。お隣さんは、佐々木の非日常に巻き込まれながらも、彼の背中に小さな信頼と安堵を抱いていた。

異世界報告と領地運営の再編

ミュラー伯爵への訪問と報告


ササキとピーちゃんは、現代から異世界エイトリアムへと移動し、ミュラー伯爵邸を訪問した。目的は、エルザからのビデオレターの届けと現代の近況報告であった。ササキは伯爵と和やかに会話を交わしつつも、天使と悪魔の代理戦争については、伯爵を不安にさせぬよう伏せた。伯爵からは新たな情勢として、ルイス殿下がマーゲン帝国への侵攻を決定したとの情報がもたらされた。ルイスは王位継承争いの一角であり、その唐突な行動にササキとピーちゃんは強い疑念と懸念を抱いた。

男爵領の視察と建設の進捗

ミュラー伯爵との面会を終えたササキとピーちゃんは、自領へと向かった。現地では、防壁を兼ねた砦の建設が急ピッチで進んでいた。大型ゴーレムの導入により、現場作業の効率は著しく向上しており、建設現場には人夫や商人、冒険者が集まり、活気に満ちていた。フレンチとの再会を果たしたササキは、砦が自身の屋敷として計画されていることを知らされ、複雑な心情を抱いた。

統治権の委任とスローライフへの布石

現場ではフレンチと棟梁が現地の管理を行っており、組織的に自治が成立していた。ササキは滞在期間の短さと統治の困難さから、領地の開拓権限をフレンチに委ねることを提案した。フレンチは驚きつつも責任を引き受ける意志を示し、ササキは投資の継続を約束した。この委任は、ササキが望むスローライフを守るための布石であり、領地の運営を現地住民に委ねることで自らの負担を軽減するものであった。

ルンゲ共和国での取引と収益確保

その後、ササキとピーちゃんはルンゲ共和国へと移動し、ヨーゼフと商品の受け渡しと取引を行った。持ち込んだ砂糖や薬剤、電卓などは高値で取引され、現地での需要は依然として高かった。取引による収益は三等分され、フレンチへの送金、二人静への土産、そして非常時に備えた貯蓄に充てられた。財務面でも安定を確保したササキは、以後の自由な時間を確保する体制を整えた。

魔法の訓練と新たな技術の習得

収益の確保後は、エイトリアム郊外にて魔法の練習に時間を費やした。ピーちゃんの指導により、ササキは新たにゴーレム生成魔法を習得した。これは砦の建設にも用いられている魔法であり、将来的な応用が期待された。一方で、現代との往来に用いる「出社魔法」の習得には未だ至っていなかった。

現代への帰還と振り返り

一連の任務を終えたササキは、エイトリアムの宿でピーちゃんと共に帰還の準備を整えた。異世界での活動を終え、現代への復帰を前に、落ち着いた時間を過ごしたことで精神的な安定を取り戻した。今後もスローライフの実現を目指し、必要最低限の関与に留めながらも、影響力は確保するという新たな方針が明確となった。

〈落下物の調査〉

仕事再開と呼び出し

お隣さんは現代に戻ると、ピーちゃんと共にそれぞれの作業に取り掛かっていた。ピーちゃんは異世界との時間差を計測し、お隣さんは局の端末を確認していた。その最中、課長から登庁要請の通知を受けたため、急ぎ準備を整えて出かけることとなった。

庁舎での報告と異世界の新展開

登庁したお隣さんは、出向命令を受けて異世界に再度向かうこととなった。同行者としてマジカルピンク(咲夜)が加わることになり、前回の戦いの影響もあって慎重な判断が求められた。新たな任務は異世界で発生した事件の対応と、各勢力との関係再構築であった。

異世界での再会と情報収集

異世界に到着したお隣さんは、現地での懐かしい面々と再会を果たした。現地では新たな事件が進行しており、王族や貴族たちの間でも情報が錯綜していた。佐々木は周囲の動きを把握しつつ、慎重に接触を図っていった。

新たな敵と陰謀の兆し

一方、異能者の活動が増しており、異世界の秩序を脅かす動きが顕著となった。お隣さんは敵対勢力の存在とその狙いを探り、マジカルピンク(咲夜)との連携を深めながら対策を講じた。敵勢力は計画的に動いており、戦いは徐々に激化していった。

都市の危機と巨大怪獣の来襲

都市近郊では突如として巨大怪獣が出現し、人々に混乱が広がった。お隣さんたちは事態の収拾に奔走し、住民の避難誘導と怪獣の封じ込めに尽力した。この一件を通じて、敵の行動がより露骨になってきたことが明らかとなった。

対話と和解の模索

戦いの後、お隣さんたちは各陣営との対話を重ねた。一部勢力とは衝突もあったが、理解と協力を得ることに成功し、今後の連携に向けた基盤が築かれていった。一連の事件は収束へと向かい、関係者たちは新たな局面に備えて動き出した。

魔法少女の登場とクラーケン調査の混乱

父島基地からの出発と調査準備


一行は朝一番で父島基地を出発し、補給を終えた海上自衛隊の飛行艇に搭乗した。座席の配置は前日と変わらず、吉川はコクピットから調査員側の座席に移動していた。機内では異物四号(クラーケン)の調査について打ち合わせが行われ、現地の危険性や調査方針、距離を取った観察の必要性などが確認された。

飛行艇内での質疑応答

飛行艇はクラーケンに接近するも、距離を保ちつつ旋回して観察を行うこととなった。二人静と星崎は外を見たいと希望するが、安全上の理由から搭乗口の開放は認められなかった。吉川は厳格に対応しつつも、質問には丁寧に応じ、機体の性能や現地の対応方法について詳しく説明した。

クラーケンの初確認と観察

まもなくクラーケンが視認され、乗員たちはカメラや双眼鏡を手に観察を開始した。クラーケンは巨大なタコのような姿で、海中に触手を伸ばし漂っていた。周囲には他国の軍艦や航空機の姿も見られ、現場の緊張感が高まった。

魔法少女たちの乱入と交戦の始まり

突然、軍用ヘリから数名の魔法少女が飛び出し、空中を舞いながらクラーケンにマジカルビームを発射した。一行の中には面識のある魔法少女の姿もあった。だが、攻撃はクラーケンに効果がなく、逆に激しい反撃を招いた。少女たちはマジカルフライで上空に避難し、再び集結して作戦を立てていた。

クラーケンの魔法と対抗措置

クラーケンは頭部を上げて魔法陣を展開し、魔法少女たちに向けて赤い閃光を放った。魔法少女たちはマジカルバリアでこれを防ぎつつ、高度を変えて回避行動を取り、再度海中から飛び出して反撃を試みた。魔法少女とクラーケンの攻防は激化し、異種格闘戦の様相を呈した。

事故発生と救助活動の開始

戦闘の余波で脱出を図っていた船舶がクラーケンの攻撃を受け、沈没を始めた。吉川は即座に救助指示を出し、飛行艇を現場へ向かわせた。飛行艇は着水し、救助作業が開始された。二人静は驚異的な腕力を発揮して乗員の救助を手伝い、その様子に自衛隊員たちは驚愕した。

サメの襲来と星崎の出動

救助活動中、海上にサメの背びれが現れ、避難者の一人が引き込まれた。星崎は魔法でサメを無効化するためにゴムボートへ飛び乗り、現場へ向かった。吉川もそれを認め、氷でサメを封じる戦術が展開された。星崎の活躍により、多くの人命が救われる結果となった。

継続する魔法少女とクラーケンの戦い

その間も魔法少女とクラーケンの戦闘は続いていた。魔法少女たちは高高度を飛行しつつマジカルビームを放ち、クラーケンは赤い魔法で応戦。双方に決定的な損傷は見られなかったが、第三者の被害を避けるように少女たちは配慮して行動していた。海面には凍ったサメが浮かび上がり、星崎の能力の強さが際立った。

魔法少女救出作戦と異物四号への接近

海上での異変と通信の開始


海上で沈没船の救助活動を進める最中、通信士が突如通信の到来を告げ、吉川が対応に当たった。英語での会話から、魔法少女の一人が巨大怪獣「異物四号」に捕まって離脱不能であるとの情報がもたらされた。調査により、青を基調とした少女が一人姿を消しており、他の魔法少女たちも攻撃を控えていた。

異物四号と魔法少女の関係性の検討

クラーケンと呼ばれる異物四号の上に意識を失って倒れている魔法少女の姿が確認され、彼女の回収が急務とされた。しかし、触手の激しい動きにより他の魔法少女たちは近づけずにいた。魔法少女それぞれの固有能力の存在や、スポンサーによる制約の影響も示唆された。

マジカルピンク(咲夜)の登場と協力の申し出

突然機内に現れたピンク色の魔法少女(マジカルピンク(咲夜))が、仲間を助けて欲しいと佐々木に訴えた。彼女の登場は機内を緊張させたが、吉川の提案で協力体制が整い、魔法少女の救出作戦が本格化することとなった。

救出作戦の計画と実働部隊の決定

異物四号の魔法反応の高さから、非魔法による接近が選択され、救命ボートによる作戦が採択された。佐々木、吉川、マジカルピンク(咲夜)、そして二人静が実働部隊に選ばれ、触手を避けつつ接近を開始した。

魔法少女たちの支援と最終突入

魔法少女たちの陽動によりクラーケンの注意を逸らす中、マジカルピンク(咲夜)が飛翔して青の魔法少女の救出に成功した。一方、救命ボートは触手の直撃を間一髪で回避。佐々木は推進力として魔法で水を噴射し、ボートを急加速させて離脱した。

緊急事態と二人静の救助

離脱中に佐々木はバランスを崩し海へ落ちそうになったが、二人静が素早く助け、海への転落を防いだ。彼女の腕はエンジンの熱で負傷したが、自然治癒により回復が始まった。

無事帰還と任務完了

飛行艇への帰還後、吉川が魔法少女連合の協力と合同作戦を承認。異物四号の調査に関わる申し出もあったが、今後の任務を優先して辞退した。一行は無事に父島基地を経由して本島への帰路に就いた。

クラーケンとの遭遇と異世界に関する報告

厚木基地への帰還と解散


佐々木たちは日が暮れる頃に厚木基地へ到着し、疲労困憊のため報告を翌日に回して解散した。星崎は局へ戻り報告書を作成したが、佐々木と二人静は手配済みの自動車で直帰した。

二人静の別荘での休息

帰宅後、佐々木はピーちゃんに迎えられて二人静の別荘を訪れた。二人静はソファーに沈み、着物の裾が乱れても気にせず疲労を露わにした。佐々木も向かいのソファーで深いため息をつき、体の痺れを感じていた。

クラーケン映像の再生と確認

佐々木は持ち帰ったビデオカメラをテレビに接続し、撮影映像をピーちゃんとエルザに見せた。映像には魔法少女たちの戦闘や、クラーケンの姿が収められており、途中からは星崎の撮影に切り替わっていた。ピーちゃんは映像を見てそれが異世界のドラゴンの亜種であると断定した。

クラーケンの正体と脅威性の確認

ピーちゃんは、クラーケンが稀に人目に触れ、過去には都市を壊滅させたことがあると語った。さらに映像から魔法の行使を確認し、これは通常の個体ではなく上位個体であると分析した。ゴールデンドラゴンよりも強力であることが示唆された。

脅威への対処と協力の申し出

佐々木は核攻撃による対処も口にしたが、実行性やその後のリスクに対する懸念が上がった。エルザは自らの無力を詫び、協力を申し出たが、二人静は客人であるとして断った。ピーちゃんは協力を惜しまない姿勢を見せたが、身バレの懸念や魔力抵抗の強さにより慎重な対応が必要とされた。

夕食と異世界への出発

夕食は別荘のスタッフによって用意され、美味であった。食後、佐々木は異世界へ向かうため、別荘から自宅を経て倉庫を通り、商品を携えてエイトリアムの町に向かった。今回の主目的は、エルザのビデオレターを届けるためのミュラー伯爵との面会であった。

〈領地と発展〉

砦視察とドラゴン騒動

ミュラー伯爵邸での応対と報告


佐々木と文鳥(ピーちゃん)はミュラー伯爵の邸宅を訪れ、いつものように応接室で対面した。異世界の海竜の出現と、それによる影響から訪問の間隔が空いたことを報告し、今後も不定期な訪問となる可能性を伝えた。ミュラー伯爵はこれを理解し、異世界での現象に関心を示した。やり取りの中で、王国第一王子ルイスが佐々木の領地を訪れていることが伝えられ、状況を把握するため急ぎ現地に向かう決断が下された。

レクタン平原の開発状況確認

飛行魔法によって上空から視察を行い、砦の建設が順調に進んでいる様子を確認した。石造りの砦と壁はすでに形を成し、テント街や作業員の姿も見られた。周辺では大規模な物資輸送が行われ、開拓事業が地域社会に与える影響の大きさが窺えた。

ルイス殿下との対面と砦案内

到着後、現地責任者のフレンチと合流し、ルイス殿下一行の滞在を確認した。フレンチの案内で王子のもとに向かい、ミュラー伯爵の仲介により対面が実現した。砦の開発状況や構造を案内しつつ、ルイス殿下の視察意図を探ったが、彼の態度からは明確な意図は読み取れなかった。砦の軍事的利用可能性について質問され、ミュラー伯爵が五、六千人の駐屯が可能と答えた。

戦争意志の表明と派閥間の緊張

ルイス殿下はマーゲン帝国への侵攻意思を明言し、協力を要請した。だが、佐々木たちはアドニス殿下派として忠誠を誓っていることを示し、協力には難色を示した。殿下はそれを承知しつつ、圧をかける形で対話を進めた。ミュラー伯爵は反論を試みたが、殿下の威圧に屈するかたちで言葉を引いた。

ドラゴンへの攻撃と予期せぬ展開

会話の最中、空を横切るゴールデンドラゴンが出現した。ルイス殿下は突如、無詠唱の火球を放ち、ドラゴンの尻尾に命中させた。ドラゴンは敵意を示すも、文鳥(ピーちゃん)の存在を確認して沈静化し、静かにその場を去った。佐々木たちはこの突発的行動に驚愕しつつも、殿下の行動力と胆力に圧倒された。

ドラゴンと人間社会の距離感

ルイス殿下はドラゴンの反応を観察し、彼らが人に危害を加えない理由を尋ねた。佐々木は、人より知性の高い存在が相手であれば、虫のように無視されることもあるのではと説明した。殿下はそれを受け入れつつも、砦に滞在し、周辺の調査を行う意思を示した。佐々木たちはこれに難色を示しつつも、ミュラー伯爵の厚意で自らの商取引を優先することになった。

ルンゲ共和国への訪問と無線通信の導入

その後、佐々木はルンゲ共和国へ移動し、ケプラー商会との定期取引を行った。取引後、現地担当のマルクと合流し、新たな通信機器を紹介した。アマチュア無線機を持ち込み、長距離通信によってマルクの負担軽減を図る提案を行った。ヨーゼフは機器の秘密保持を求め、佐々木は快く同意した。異世界での通信技術導入は、魔法に依存する社会において極めて画期的な試みであった。

魔法文明と電気技術の対比

文鳥との会話から、異世界における電気の未発達さの理由が明らかとなった。魔法の利便性やモンスターの存在が、電力網の発展を阻害していた。異世界においては魔法こそが正道であり、技術進化の鍵とされている。無線機の導入はその流れに一石を投じるものであり、佐々木は慎重に運用していく姿勢を見せた。

無線設備導入と束の間の休息

ルンゲ共和国での業務を終えたササキ男爵は、ヘルツ王国のエイトリアムに戻り、マルク商会の支店で無線設備の説明と運用相談を行った。今後は日報の送信が予定され、マルクの業務負担が軽減される見通しであった。一方で、男爵はアフターサービスに手を取られることとなった。用事を終えて宿に戻った男爵は、愛鳥ピーちゃんとの会話を楽しみ、食事のためにルンゲ共和国の飲食店を開拓する案を提案したが、突如ミュラー伯爵からの急使が訪れた。

ミュラー伯爵からの要請と緊急対応

ミュラー伯爵から届けられた手紙には、第一王子ルイス殿下がマーゲン帝国の兵に捕らえられた旨が記されていた。事態を看過できないと判断した男爵は、ピーちゃんの空間魔法を使って即座に現地へ向かい、ミュラー伯爵らと合流した。伯爵の説明によると、殿下は商隊を救うため戦い、捕まってしまったという。男爵は捜索に名乗り出て、現場の案内を申し出た騎士と共にレクタン平原へ向かった。

襲撃現場の調査と謎の魔法使い

現地には焼けた馬車や遺体が散乱しており、マーゲン帝国兵と見られる者の遺体も確認された。現地を案内した騎士の証言によると、敵には強力な魔法使いが含まれており、殿下の部隊はそれに敗北したという。周囲を探索する中、男爵とピーちゃんは若い女性ナタリーと出会い、彼女の証言からルイス殿下が近隣の村で拘束されていることを知った。

村の潜入と女装したルイス殿下の正体

ナタリーの案内で男爵は森の中の村に向かい、単独で潜入した。監視を避けながら村長宅に忍び込むと、捕らわれた女性を発見したが、その正体は女装したルイス殿下であった。男爵は魅了魔法と隷属の首輪によって服従を強いられそうになるが、ピーちゃんの介入によって精神を取り戻した。

殿下の陰謀と交渉の顛末

ルイス殿下は商隊襲撃を自ら仕組み、男爵を捕えることで政治的優位に立とうとしていた。しかし男爵はそれを拒み、砦を譲渡する可能性をほのめかして交渉を有利に進めた。殿下は、階下にいた偽装兵を始末するよう命じたが、男爵はこれを拒否し続けた。最終的に騒動は殿下の帰還によって収束し、公式にはマーゲン帝国による襲撃とされた。

騒動の後始末とピーちゃんの説明

村に囚われていた人々は砦へ保護され、ルイス殿下の陰謀は秘されたまま決着した。ナタリーもまた殿下の策略に巻き込まれていた一人であった。ピーちゃんによると、魅了魔法をかけた魔法使いは逃走し、チャームの影響は彼が離れたことで解除されたという。また、隷属の首輪はササキ男爵の魔力量に対して効果を発揮できなかった。

ピーちゃんとの会話と内省

ササキ男爵は自らの魅了への耐性や判断力についてピーちゃんと語り合い、隷属の首輪やチャームの魔法について知識を深めた。最後には、常に誰かと一緒にいる日々を振り返り、孤独から救ってくれたピーちゃんに改めて感謝の念を抱いた。

〈巨大怪獣〉

巨大怪獣クラーケンを巡る局員たちの一日

帰還と日常への復帰


異世界からの短期滞在を終えた佐々木たちは、無事に現代へ帰還した。帰宅後は、文鳥殿が取得したデータの整理に励む一方、佐々木は局から支給された端末で連絡を確認した。しばらくしてピーちゃんから外出の提案があり、事前相談のため二人静の別荘へと向かった。

軽井沢での朝のひととき

文鳥殿の空間魔法によって軽井沢の別荘に到着した一行は、整った朝の風景と朝食の香りに癒された。二人静とエルザの和やかな朝の支度の様子に、佐々木たちは一時の安らぎを得た。そこへ上司・阿久津からの緊急連絡が届き、内容不明の急な呼び出しに一抹の不安を覚えるも、朝食後に対応することを決めた。

異世界通信と局での打ち合わせ

朝食を終えた後、アパート経由で局に向かった一行は、道中で異世界に設置した無線設備の報告や成果について語り合った。局では課長からの打ち合わせに呼ばれ、星崎と合流。彼女の相変わらずの鋭い指摘を受けつつも、真剣な話し合いが進められた。

クラーケンの移動と各国の対応

阿久津課長からの報告により、異世界から現れた巨大生物クラーケンが南方へ急速に移動していることが共有された。映像と共に進路予測が示され、今後の対応として各国の動向とともに、日本としても軍事的手段の可能性が示唆された。佐々木や二人静は異能力による対応に否定的であった。

歓迎会という名の拘束

その後、課長から歓迎会の提案がなされ、銀座の高級和食店にて飲食が始まった。意外にも課長が私費で設けた席は格式高く、料理も上質なものばかりであった。二人静と星崎の対照的な反応が場を盛り上げる中、課長との交流が進み、彼の私的な一面が少し垣間見られた。

バーでの二次会と異変の兆し

歓迎会の二次会は、銀座の静かなバーに移動して行われた。貸し切り状態の店内でカラオケも交えながら、賑やかな時間が流れた。しかし途中、課長に重要な連絡が入り、会話は一転して深刻なものとなる。なんと、海上のクラーケンに対し核攻撃が行われたことが告げられた。

核攻撃の失敗と人類の行き詰まり

課長からの続報により、核による攻撃は無効化され、クラーケンへの対処手段が尽きかけている事実が判明した。魔法少女たちのビームと同様、核兵器すら通じないクラーケンに対して、局内でも有効な策を見出せていない現状が共有された。

課長の真意と課せられた役割

課長が飲み会を口実に佐々木たちを拘束していた理由は、まさにこの瞬間の情報共有にあった。彼は佐々木たちに、異能力を用いた具体的な対処法を求めたわけではなかったが、現地で得た知見を基にした提案を要望した。見返りの示唆に対し、星崎の目が光ったことも印象深い。

次なる展開への布石

結局、佐々木は提案を持ち帰り、ピーちゃんとも相談することを決意した。課長からは翌朝の登庁を求められ、カラオケの余韻も冷めぬうちに、物語は新たな局面へと動き始めた。人類の危機を前に、佐々木たちの判断が試される時が迫っていた。

爆発と隔離空間の邂逅

歓迎会の終幕と帰路の出来事


新入局員の歓迎会は、巨大怪獣の続報によって中断され、解散となった。佐々木は星崎と別れたのち、二人静と合流し、彼女の手配したタクシーに便乗して帰宅した。彼女の気配りと先回りの行動には感心させられた。道中では職場の上司に対する愚痴を語り合いながら、タクシーは佐々木の自宅アパートへと到着した。

帰宅直後の爆発と混乱

タクシーを降りた直後、佐々木の自宅アパートが爆発した。建物の一階部分が吹き飛び、火の手も上がる惨状に、近隣住民たちは騒然となった。特に爆心地となったのはお隣さんの部屋であり、彼女の安否を気遣った佐々木は、二人静と共に燃える建物へ急行した。魔法の障壁を駆使しながら、佐々木は敷地内を探索し、爆発の原因について思索を巡らせた。

お隣さん視点:不審な訪問者と逃避行

爆発の直前、お隣さんは不審な来訪者に遭遇していた。母親の交際相手である男が現れ、怪しい箱を携えていたことに不安を覚えた彼女は、即座にアバドンと共に避難を開始した。部屋から脱出した直後、背後で爆発が発生し、彼女は敷地の端まで吹き飛ばされた。被害の大きさを確認した後、彼女は逃走する不審な男を目撃し、アバドンと共にその後を追ったが、直後に隔離空間が発生した。

隔離空間での探索と再会

隔離空間の発生と共に、周囲の音や炎が一瞬で消え、デスゲームの舞台が現出した。佐々木と二人静も隔離空間に巻き込まれ、飛行魔法を用いてお隣さんの捜索を始めた。程なくして、アバドンに抱えられたお隣さんと再会。お隣さんの自宅アパートが狙われたことが判明し、事態は天使と悪魔の代理戦争に端を発していると認識された。

容疑者の追跡と使徒との再会

空中からの索敵により、交差点付近で怪しい二人組を発見した佐々木たちは、前後からの挟撃によって逃走を封じた。その正体は、以前隔離空間で接触のあった天使エリエルとその使徒であった。彼らは爆発への関与を明言しなかったが、お隣さんの詰問に対し明確な否定をせず、敵意を含んだ態度で接された。

お隣さんの怒りと覚悟

自宅を失ったお隣さんは、冷静ながらも怒りを滲ませ、天使と使徒に対して強い姿勢で臨んだ。彼女にとって、たとえ不遇な家庭であっても、居場所を破壊された事実は重く、失われたものの大きさを痛感していた。佐々木はそんな彼女の内面に想いを馳せ、年端もいかぬ少女の中に宿る強さと痛みに心を打たれた。

戦いの前触れと新たな展開の兆し

一連の出来事を通じ、天使と悪魔の代理戦争は現実世界にも浸食しつつあることが明らかとなった。佐々木たちは、お隣さんと協力しながら、次なる局面への準備を進めることとなった。隔離空間からの帰還後、彼らが直面する戦いは一層激しさを増すであろうことが予感されていた。

天使と使徒の提案と葛藤

爆破事件への怒りと葛藤


お隣さんは、目の前に現れた天使と使徒がアパート爆破の関係者であると確信し、激しい怒りに包まれていた。思い出の詰まった場所を一方的に奪われたことで、アバドンに命じて報復したい衝動に駆られたが、佐々木の目を気にして自制せざるを得なかった。使徒は自身らが捨て駒にされていたことを訴えたが、過去に嘘を吐いた相手の言葉は容易には信じられなかった。

天使と使徒のスパイ提案

使徒は天使陣営の内情を漏らすことでスパイとしての利用価値を訴えた。お隣さんは爆発騒動の再発防止のために情報提供が有効だと理解しつつも、感情的には殺意を抱いていた。アバドンは提案に乗り気の様子を見せ、佐々木も理性的な判断を示したことで、お隣さんは最終的に提案を受け入れた。ただし裏切りには即座に報復するという条件を付けた。

使徒の提案受け入れと交渉の締結

天使とその使徒は協力に同意し、使徒の連絡先を交換することで一時的な合意に達した。お隣さんはアバドンの態度と佐々木の気遣いを受け止め、自らの感情だけでは判断できないと悟った。提案は利用価値があり、使徒側に反発の姿勢もなかったことから、受け入れは合理的な選択と判断された。

クラーケンへの備えと佐々木の要請

佐々木はその場にいた面々に、クラーケン対策への協力を持ちかけた。天使と使徒に地球防衛の一員として参加してほしいと願い出たが、説明不足により困惑を招いた。だが、二人静氏は理解を示し、異世界の災厄が現実に及ぶ可能性を懸念していた。佐々木は自分たちにも責任があると認識し、事前の備えとして協力を要請した。

使徒との連絡体制構築と任務の引き継ぎ

使徒の少年は当初懐疑的であったが、協力を断る選択肢がないと理解し、連絡先の交換に応じた。隔離空間が消えると現実が戻り、佐々木は以降の連絡やスパイ活動の窓口を担うこととなった。爆破されたアパートの事後処理も進められ、阿久津との連携を通じて局員の派遣と処理方針の確認が行われた。

現場の処理と死者の確認

佐々木は現場に戻って警察手帳を提示し、爆発物の特定や監督権限の取得に努めた。報道を避けるため、ガス爆発として処理するよう指示し、消防や警察の対応を調整した。死者は二名で、内一人はお隣さんの母親、もう一人はその同伴者と推定された。お隣さんとアバドンはホテルに避難し、二人静氏が同行して警戒に当たることとなった。事件はお隣さんにとって深い傷となったが、代理戦争の中での任務は続いていく見通しであった。

〈コラボレーション〉

異世界での作戦会議と使徒確保

爆発騒動の後始末と別荘への帰還


佐々木は自宅アパートの爆発騒動を終え、朝方に軽井沢の二人静の別荘へと戻った。警察と消防は現場対応中であったが、佐々木はクラーケン対応の打ち合わせを理由に早々に現場を離れた。ホテルから文鳥殿の魔法で移動し、別荘ではピーちゃんやお隣さん、アバドン少年と再会した。少女の身寄りがない状況に配慮し、しばらく共に行動することとなった。

クラーケン封印作戦の打診

佐々木は、隔離空間を用いたクラーケン封印の案をピーちゃんに提案した。文鳥殿はすぐにその意図を理解し、実行可能との見解を示した。人目を避けて戦える隔離空間内では、ピーちゃんの力が最大限に発揮される見込みがあった。また、封印後の理由付けも容易であると判断された。

二人静の限界と異世界での仮眠提案

徹夜明けの二人静は疲労困憊であり、異世界での休息を懇願した。ピーちゃんの配慮により、彼女も一緒に異世界へと同行することが認められた。寝不足による苦悩は魔法でも解消できず、佐々木らも配慮を示した結果である。

エルザ様の提案と異世界訪問

エルザ様は、何か役に立てることはないかと自ら申し出た。佐々木はその気持ちに応える形で、後日依頼を行う可能性を告げ、話は穏やかに収まった。その後、佐々木たちは異世界へと渡り、ルンゲ共和国での物資搬入、ミュラー伯爵への挨拶、領地への資金提供などを矢継ぎ早に実施した。

異世界での休息と二人静の制限

異世界の高級宿に到着した後、二人静はその贅沢さに驚きつつも、宿屋からの外出を望んだ。しかし、ピーちゃんの結界により外出は制限されており、仕方なく眠りについた。佐々木もピーちゃんの提案で短時間の仮眠を取り、異世界滞在は無事に終えられた。

現代への帰還と局への出勤

現代に戻った後、佐々木はホテルにてお隣さんたちを休ませ、自身は二人静の車で局へ出勤した。課長と合流した会議では、クラーケンの進路予測が報告された。黒潮の影響により北上を続けるクラーケンの対策として、各地に部隊が配置されていた。

課長との打ち合わせと決意表明

阿久津課長の問いに対し、佐々木は日中までに準備を整える旨を返答した。課長もその意志を尊重し、作戦行動への協力を依頼した。

使徒確保作戦と警察の連携

クラーケン対策の一環として、佐々木と二人静は使徒である少年の確保に向かった。事前に警察と連携し、学校にて応接室に少年を呼び出した。大量の警察官を配備し、圧力をかけたことで、少年は佐々木の要請に応じて同行することを承諾した。

作戦の確実な布石

今回の一連の対応により、クラーケン対策の準備は着実に進展した。敵対する天使側への牽制も意図された措置であり、代理戦争への布石がまた一つ打たれたのである。

駿河湾への移動と厚木基地での協議

天使の使徒と合流した佐々木たちは、二人静の車で厚木基地へと向かった。天使の子は警官と別れた後に姿を現し、使徒を守るために佐々木たちへ挑んできたが、二人静の能力で無力化された。基地ではかつてクラーケン事件で協力を得た犬飼三等海尉、そして星崎と再会した。二人静は天使と使徒の移送を担当し、佐々木と星崎は応接室で吉川一等海佐と面会した。佐々木は異物四号への対応として、接近時に一分間の猶予を求めた。吉川はこれに理解を示し、協力を承諾した。

駿河湾での前線展開と迎撃準備

佐々木たちは海上自衛隊のヘリで駿河湾の静浦地区へと向かい、現地の前線基地に合流した。クラーケンは愛知沖を通過して駿河湾へと進入しており、自衛隊は伊豆半島から攻撃を行い、ミサイル艦を相模湾に配置した。佐々木と星崎は防波堤から海を見つめ、互いにささやかな私生活の話を交わした。その最中にも自衛隊の戦闘機による陽動作戦が失敗し、作戦の限界が露呈していた。

文鳥による障壁魔法と防衛作戦

お隣さん、アバドン、そして文鳥(ピーちゃん)は、佐々木の指示に従い空路で駿河湾へ向かった。お隣さんは空を飛ぶ力を得て、自力で移動していた。文鳥はクラーケンに対して障壁魔法を展開し、自衛隊の攻撃に紛れる形で隔離空間の発生を狙った。その間にも、漁業組合の提案で、魚を満載した無人漁船がクラーケンの下に送り込まれ、怪獣は明確な興味を示して餌付けに応じた。文鳥は障壁を二重に張ることでクラーケンを常時隔離空間に保つ工夫を凝らした。

星崎との緊迫とマジカルピンク(咲夜)の介入

現地では星崎と佐々木が防波堤で状況を見守っていたが、そこへマジカルピンク(咲夜)が突如飛来し、星崎を異能力者として認識したことで対立の気配が高まった。佐々木は即座に障壁魔法を展開して事態の悪化を防いだが、咲夜は攻撃の構えを崩さず、星崎も応戦の姿勢を取った。しかしその直後、隔離空間が発生し、周囲の音や人々が消失し、三人は空間内に取り込まれた。

【お隣さん視点】隔離空間内での対応

お隣さんとアバドン、そして文鳥は隔離空間においてクラーケンを包囲した。文鳥は障壁魔法を駆使して状況を制御し、船舶の動きを利用してクラーケンの進路を外洋へと誘導する策を展開した。一方、お隣さんは自分に対する佐々木の無関心さと文鳥への親しみを羨み、内心の嫉妬を募らせた。その後、遠方から現れた車両の接近に気付き、それが天使と使徒を乗せた二人静の車であると察した。直後に音が失われ、隔離空間が発動。クラーケンと漁船、そして周囲の存在が空間に取り込まれた。お隣さんは事態の変化を受け止めながらも、佐々木が別の女性を抱いている姿に動揺した。

触手との激闘と隔離空間の終結

日常の混乱と星崎の同行


クラーケン出現後、佐々木は星崎の安全を考慮して同行を依頼し、彼女を地上に留めることを回避した。文鳥殿が現場に現れ、クラーケンは海上で動きを止めていた。その様子から、クラーケンにはある程度の知性があると判断された。星崎とお隣さんの応酬の中、魔法少女(マジカルピンク(咲夜))も合流し、かつてホテルで顔を合わせた面々が揃って対クラーケンに臨んだ。

魔法少女との一時協力とアバドンの出現

佐々木たちは魔法少女と一時停戦し、共闘体制を築いた。アバドン少年が魔法少女に興味を示しつつも、状況はクラーケン対処へと移行。佐々木はアバドンとお隣さんに天使とその使徒の回収を依頼し、二人は迅速に地上へ向かった。

クラーケンの攻撃と文鳥殿の転送

クラーケンが魔法陣を展開して攻撃を開始すると、文鳥殿が咄嗟に佐々木たちを海岸へ転送。転送後、クラーケンの周囲では激しい魔法が飛び交い、佐々木は文鳥殿の奮闘を遠目に見守った。クラーケンは文鳥殿の攻撃により苦戦しつつも反撃を続けた。

触手の再来と星崎の凍結魔法

文鳥殿の攻撃により切断されたクラーケンの触手の一部が意志を持ち再来。星崎は咄嗟に海水を凍らせて触手を封じるも、触手は自力で氷を割って再起動。魔法少女のビームも通じず、敵の頭部から魔法陣が出現。佐々木は星崎を抱えて空へ退避した。

魔法少女の囮と佐々木の反撃

魔法少女が囮となり、触手の魔法を引き受ける間に、佐々木は海面近くへ迂回。ピンポイント魔法で触手を撃破し、見事に頭部を貫通させた。しかし、その直後、別の触手が出現し、佐々木を丸呑みにした。

【お隣さん視点】捕縛とアバドンの反撃

お隣さんとアバドンは天使とその使徒を確保し、海岸へ向かう途中、騒動を察知。暴れる触手と魔法少女、そして星崎の姿を確認するが、佐々木の姿がないことに不安を募らせた。アバドンに要請して触手を迎撃させ、肉塊に変貌した彼が触手を包み込み咀嚼を開始。魔法少女と星崎も佐々木救出のために動いた。

佐々木の救出とアバドンの変態

佐々木は触手内部で意識を保ちつつも抵抗できずにいた。アバドンが内部から肉塊で包み込み、佐々木を押し出す形で救出。外に飛び出した佐々木は無事に飛行魔法で体勢を整え、星崎、お隣さん、魔法少女らと合流した。

触手の消滅とアバドンの再生

アバドンは触手を完全に捕食し、人の姿へと戻った。星崎の関心が佐々木に向かい、過去の出来事や関係性に言及。一方で、お隣さんとアバドンの仲も深まり、文鳥殿の安否が気遣われた。

クラーケン撃破と文鳥殿の帰還

沖合から巨大な光柱が立ち上がり、激しい衝撃と共に光が消失。それにより発生した津波が隔離空間を襲うが、一行は空へ退避し難を逃れた。やがて空間魔法により文鳥殿が現れ、クラーケンを撃破したと報告。アバドンとの対話で報酬に関する言及もあり、星崎とお隣さんの確執が再燃した。

触手処理と異能力者への態度

文鳥殿はクラーケンの体組織が残らぬよう処理し、現実への影響を最小限に留めたと語った。天使と悪魔の代理戦争の枠組みや、異能力者への処遇に関する議論が交わされる中、魔法少女の異能力者に対する殺意が揺らぎ始めたことも示唆された。

星崎とお隣さんの対立

星崎は自己の貢献を訴えるが、お隣さんから厳しい指摘を受ける。魔法少女や佐々木との関係性に劣等感を感じつつも、星崎は一歩引いた姿勢を崩さず、相互理解への道筋は険しいままであった。全体を通じて、彼らは再び共闘する可能性を残しつつ、ひとまずの平穏を迎えることとなった。

旅館での慰安とアクシデント

隔離空間の消滅と状況整理


クラーケンの撃破を確認した佐々木たちは、予定通り隔離空間を開放し、天使とその使徒である少年とは現地で解散した。少年とお隣さんが十分に距離を取ったことで空間は消滅し、佐々木の濡れたスーツも元に戻った。現実世界ではクラーケンが突如消滅したため、自衛隊は混乱し、各地で捜索が行われたが再出現はなかった。佐々木たちは先に撤収し、二人静氏と合流して熱海の旅館へ向かった。

旅館での慰安と夕食の場面

旅館では特別室に泊まり、佐々木たちは二人静氏の予約により豪華な夕食を囲んだ。参加者は二人静氏、佐々木、ピーちゃん、お隣さん、アバドン少年、星崎さん、そしてマジカルピンク(咲夜)の七名であった。座卓には多数の料理が並び、文鳥のピーちゃんもステーキを楽しんでいた。食事中には星崎とマジカルピンク(咲夜)との間にやや刺々しいやり取りがあったが、咲夜は席を離れず、夕食を続けた。

エルザの動画公開と情報操作

佐々木はエルザとピーちゃんの新作動画を星崎に見せた。動画は和室で撮影されたもので、再生回数や注目度は非常に高かった。クラーケンの話題がトレンド入りした直後にこの動画が拡散されたため、話題はすぐにすり替えられた。収益化はしていないが、メディア操作と情報誘導の成果として、局からも高く評価されていた。エルザがYoutuberとして活動を始めた背景には、世間や関係機関に恩を売る計算が含まれていた。

露天風呂でのアクシデントと各人の思惑

夕食後、佐々木は露天風呂を満喫し、その帰り道でアキバ系の男と再会した。彼は二人静氏に招かれており、佐々木の働きを高く評価しつつも、別組織への勧誘も行ったが断られた。彼は現地確認のみにとどまり、立ち去った。

その後、佐々木は庭でアバドン少年とピーちゃんの会話を偶然聞き、異世界由来の力やこの世界への影響について語られていることを知った。アバドン少年はピーちゃんの素性に興味を持ちつつも敵意は見せず、佐々木の存在も認識していた。

露天風呂騒動と星崎の災難

客室に戻った佐々木は、お隣さんとともに談笑していたが、アバドン少年がカーテンを開けたことで露天風呂に入っていた星崎の姿が丸見えになる事態が発生した。慌ててカーテンは閉じられたが、星崎の羞恥心を刺激し、佐々木は対応に頭を抱えた。

転校と将来の課題

風呂上がりに現れたお隣さんとの会話の中で、転校の話題が持ち上がり、本人は驚きを隠せなかった。一方で佐々木自身も焼けた自宅に代わる住居を探す必要があり、改めて山積する課題を自覚するに至った。

アニメ

PV

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二期制作決定

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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