どんな本?
ルシエルは、聖シュルール教会の内部に腐敗が広がっていることを知り、それがブランジェ公国の関与によるものだと気づく。
教会を守るため、彼は他国の魔族化研究を調査するためにイルマシア帝国への旅を決意する。
『聖者無双』は、ブロッコリーライオン氏による日本のライトノベル。
サブタイトルは「〜サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道〜」。
小説投稿サイト「小説家になろう」にて2015年10月17日から2022年2月28日まで連載され、2016年8月からはイラストをsimeが務める形でGCノベルズ(マイクロマガジン社)より書籍化された。
物語は、仕事中に不慮の事故で銃弾に斃れたサラリーマンが、ルシエルという名前で異世界に転生し、平和な生活を送ることを願ったところから始まる。
ルシエルは護身術が必要だと考え、聖属性魔法を生かして必死に訓練に耐え、治癒士として名を馳せていく。
また、この作品は漫画版も存在し、2017年1月27日より「水曜日のシリウス」(講談社)にて連載されており。
その他にも、テレビアニメ版も制作され、2023年7月14日から9月29日まで放送された。
読んだ本のタイトル
#聖者無双~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~ 11巻
著者:#ブロッコリーライオン 氏
イラスト:#sime 氏
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あらすじ・内容
『魔族化計画を皇帝が進めているのであれば、私が皇帝を倒します』
聖者無双~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~ 11
自らを悪の手先とすることで教会を正そうとしたドンガハハの手記より、
自分が思う以上に教会が他国の手によって腐敗させられていることに気づかされたルシエル。
今回の内乱の黒幕も、ブランジェ公国だとドンガハハは記していた。
人間を魔族化させる研究を進めるブランジェ王国、
そして同じ研究を行うイルマシア帝国。
この世界で起きている悲劇の連鎖を止めるため、
研究の実態を調査しなければならない。
そう考えたルシエルは他国に乗り込むことを決意する。
01 愚痴
ドンガハハの手記を読んだルシエルは、教会が他国の手によって腐敗させられていることに気づく。彼は教皇からドンガハハの行動の真相を知り、教会を立て直すための決断を下す。ドンガハハの遺書を読み、魔族化の真相を探る決意を固める。
02 登用
ルシエルは騎士団に訓練を促し、さらに冒険者ギルドへ行くことを決意する。彼はリィナをルシエル商会の生産技術部門にスカウトし、彼女の夢を支えることを約束する。リィナは興奮して即答で承諾し、飛行艇の製作者としての道を歩み始める。
03 新たな通り名
リィナとナーニャを連れて冒険者ギルドに到着したルシエルは、リィナの過去の失敗が原因で出禁となっていたことを知る。彼の説得により、リィナは再びギルドで活動できるようになる。
04 帝国へ赴く理由
イルマシア帝国への訪問を決意したルシエルは、帝国の策略に対する不信感を抱きながらも、真実を知るために行動を起こすことを決める。ライオネルの影響力を活用し、帝国内での調査を進める計画を立てる。
05 自重
ルシエルは冒険者たちの治療を行い、教会へ戻る。彼はドンガハハの遺書の内容に基づき、帝国への行動を決意する。また、教皇の直属諜報部員としてのガルバや、騎士団の再建を約束するカトリーヌなど、仲間たちと共に未来に向けた計画を練る。
06 精霊結晶
精霊結晶についての議論が行われ、精霊の力を封じ込めた宝玉の重要性が語られる。ルシエルはこの情報を基に、イルマシア帝国への行動をさらに具体化する。
07 大事の前の小事?
ルシエルは飛行艇で帝国へ向かう準備を整える。彼は師匠たちと共に訓練を重ね、帝国内での行動に備える。帝国への侵入計画を詳細に立て、最終的に出発の準備を完了する。
08 絡まる運命と因縁
飛行艇でエビーザに到着したルシエルたちは、町の住民たちとの緊張した初対面を経て、彼らの信頼を得る。治癒魔法の実力を証明し、エビーザの住民たちから歓迎されるようになる。
09 厄介事の正体
エビーザでの治療活動を通じて、ルシエルは町の治安が悪化している理由を知る。彼は治療を求める住民たちのために、治癒魔法を駆使し、信頼を得る。
10 搦め手
ルシエルは帝国の元皇子と聖女を治療するが、その過程で襲撃を受ける。彼は治癒魔法で状況を収め、住民たちから感謝される。襲撃者が治療されていたグループの一員であることが判明し、さらに警戒を強める。
11 同盟
ルシエルは帝都への攻撃を決定するが、レジスタンスとの共同戦線には消極的である。彼はライオネルに交渉を任せ、自身の目的に集中することを決意する。
12 作戦会議……とは?
ルシエルとそのグループは独自の作戦を立て、帝都への侵入計画を詳細に練る。レジスタンスとは別行動を取る方針を固め、帝国への侵入準備を進める。
13 休暇の過ごし方
アルベルト元殿下がレジスタンスを率いて帝都へ出発する。ルシエルは帝国への行動を決め、エビーザの情報を基に計画を練り直す。
14 時間は平等に流れている
ルシエルたちは迷宮を攻略しながら、エビーザと帝国を繋ぐ連絡通路を利用する。彼らは迷宮内での戦闘を通じて、自身の成長と仲間の能力を再評価する。
15 意識改革
迷宮を攻略する中で、ルシエルは自身の戦闘センスが低下していることに気づく。彼は仲間からの指摘を受け入れ、戦闘センスを取り戻すために努力を重ねる。
16 過去の戦い
三十一階層への進入後、本格的な探索が始まる。彼は魔物との戦闘や罠の解除を通じて、緊張感を高めながら感覚を取り戻し始める。
17 模倣
闇の精霊は、レインスター卿と闇龍の戦闘をルシエルに見せる。彼はレインスター卿の戦い方を参考にし、自身の戦闘技術を向上させることを決意する。
18 とんだ前哨戦
五十階層のボス部屋の手前で戦闘が行われていることを察知する。彼らは待機を決め、戦闘を経てボス部屋に進む。
19 闇龍の想い
ルシエルは闇龍の封印を解き、闇龍との対話を通じて信頼を得る。彼は闇龍の呪いを解き、彼の加護を受けることに成功する。
20 砕け散ったゴーレム
闇龍との戦闘を終えたルシエルは、仲間たちと再会し、エビーザへ戻る。彼は闇の精霊と闇龍の加護を受けながら、今後の計画を進める。
21 戦闘準備
帝国への突入を前に最後の作戦会議が行われる。ルシエルたちは帝国への侵入計画を立て、最終的に出発の準備を完了する。
22 フォレノワールの実力
翼竜部隊の突入日が到来し、ルシエルは飛行艇を操縦しながらフォレノワールの力で翼竜部隊を撃退する。彼は帝国侵入の準備を進める。
23 帝都潜入
帝国の翼竜部隊を屠った後、ルシエルは帝都への接近を続ける。彼は強固な結界に気づき、フォレノワールの力を頼りにしながら帝都への侵入を進める。
感想
本書は、教会の腐敗と他国の陰謀を背景に、ルシエルが自身の成長と使命に立ち向かう物語である。
物語は、主人公ルシエルが教会の内部腐敗を発見し、さらにその原因がブランジェ公国やイルマシア帝国の魔族化研究によるものだと知るところから始まる。
教会を守るために彼は他国の調査に乗り出し、数々の困難に立ち向かう。
この巻では、教会内部の腐敗と陰謀が明らかになる一方で、ルシエルの成長と彼を取り巻く仲間たちの絆が深まっていく様子が描かれている。
特に、師匠やライオネルとの訓練や冒険者ギルドでの活動、リィナとの協力関係などが物語を豊かにしている。
物語の展開は、教会の腐敗と他国の陰謀に対するルシエルの行動を中心に描かれており、彼が自身の使命に対してどのように向き合い、成長していくのかが見どころである。
また、彼の仲間たちとの絆や協力関係も深く描かれており、物語全体に緊張感と感動をもたらしている。
特に印象的なのは、ルシエルが自身の過去と向き合い、成長していく過程である。
彼は自身の戦闘センスの低下に気づき、それを克服するために努力する姿が描かれている。
この過程は、読者に対して自己成長の重要性と、それに向けた努力の大切さを伝えている。
また、レジスタンスとの関係や帝国への突入計画など、物語は緊張感と冒険心に満ちている。
特に、帝国への侵入を前にした作戦会議や、翼竜部隊との戦闘は緊張感が高まり、物語のクライマックスに向けての盛り上がりを感じさせる。
総じて、『聖者無双 11』は、教会の腐敗と他国の陰謀に立ち向かう主人公ルシエルの成長と冒険を描いた物語であり、彼の努力と仲間たちとの絆が深く描かれている。
巻末の描写は緊張感と感動に満ちており。次巻も非常に期待される。
最後までお読み頂きありがとうございます。
アニメ
2023年7月から放送。
好きな物体Xのシーン・・・
漫画版と比べるとちょい微妙・・・
個人的にはこっちの方が好き。
同シリーズ
聖者無双
小説シリーズ
漫画シリーズ
その他フィクション
備忘録
01 愚痴
誰もが理想と現実の狭間で苦しむことがある。
ドンガハハは、聖シュルール教会と教皇を守るために命を賭す覚悟があった。
しかし今回の行動は、教会から不必要とされる者を排除するという決意からであった。主人公もその対象に含まれていたかもしれない。
主人公は過去に重要な役割を果たし、失った聖属性魔法を取り戻すために空中国家都市ネルダールでクラスチェンジを行った。
ドンガハハは、主人公が聖属性魔法を失ったとの噂を聞き、万が一のために行動を起こした可能性がある。
教皇はドンガハハの行動に対して重大な決断を下し、関与した騎士たちにはジョブの力を剥奪する厳しい処置を施した。
この処置は、彼らのステータスやスキルを大きく下げ、生活に大きな影響を及ぼすものだった。
その後、教皇は自己の失敗を認め、迷宮問題を解決後に教皇の地位から退くことを表明し、すべての教会員との面談を行うことを決意した。
ルシエルはルミナに後で会う時間を依頼され、ルミナはドンガハハの私室へ向かうことを伝える。
その後、ドンガハハを除く魔族化した騎士達を牢に連行し、ドンガハハには回復魔法をかけて一時的に安置する措置が取られた。
ルシエルは騎士団に対して、自らの師匠と従者が模擬戦で訓練を行うと紹介し、騎士団に参加を促す。
その後、ルシエルはケフィンに案内されて執行部の建物へ向かい、複雑な建物構造にも迷わずに進むケフィンの能力を評価する。
ケフィンとの会話を通じて、ルシエルは自身の過去の経験と修行の重要性を思い出し、さらなる努力と精進を誓う。
最終的にドンガハハの私室に到着し、隣の書庫からドンガハハの遺書を含む重要な資料を発見する。
ドンガハハの遺書には、彼が魔族化の真相を探り、教会の危機を防ごうとした経緯が記されていた。
ドンガハハは、教会の膿とされる人物たちを利用し、彼らに邪法を使わせることで、魔族化の実験を進める計画を進めていた。しかし、その過程で自身も病に倒れ、生命が尽きる前に最後の手段として魔族化を促進した。
ルシエルはこの情報を受け取り、さらなる調査を行う準備を整えるが、同時に心の中でドンガハハへの敬意と複雑な感情を抱く。
ドンガハハの最終的な選択が、教会と彼自身にとってどのような意味を持つのかを深く反省し、未来に向けての行動を決意する。
ルシエルがドンガハハの遺書を読み進めると、ドンガハハが教会のために残した願いや計画についての記述があった。
その中には、公国ブランジュとイルマシア帝国の関与や、召喚術の書に関する情報が含まれており、ドンガハハが危機感を持って行動していたことが明らかになる。
ルシエルは、この遺書を読んで深い重圧と危機感を感じるが、教会と教皇への忠誠心から行動を決意する。
その後、ルシエルはケフィンと共に隠し階段を発見し、下へと降りると、そこにはグランハルトが囚われの状態で正座していた。
グランハルトは、ドンガハハの最後の望みを知っており、その情報を教皇に伝えることに同意する。
グランハルトの存在から、ドンガハハの行動や計画の全貌が少しずつ明らかになる。
その後、ルシエルは大訓練場に戻り、師匠とライオネルが訓練をしている様子を目の当たりにする。
彼らは、本気で戦いを楽しんでおり、ルシエルはそれを見て、彼らの生き方や戦い方に影響を受けていることを感じる。
訓練の現場では、ルシエルの存在が騎士たちに安心感を与え、また新たな戦いへの準備が進む。
ルシエルがルミナと交流している際に、戦いに身を投じる理由について問われる。
ルシエルは、治癒士として始まったものの、運命に導かれるように戦いに巻き込まれ、聖龍との出会いや迷宮の踏破が彼の戦う理由となっている。
また、彼は自分の行動が多くの命を救うことに繋がると信じており、魔族に対抗する力を持つことが彼に課せられた責任だと感じている。
ルシエルとルミナは互いに共感し、支え合う関係が築かれている。
しかし、ルシエルは自分の感情が固まるまで直接的な感情表現を避け、戦いの責任と調和させようとしている。
ルミナが彼の故郷である公国ブランジュへの行動を提案するが、ルシエルはまだドンガハハの意識が戻るまで決定を保留している。
ルシエルの戦いに対する誠実さと、彼の周囲の人々への思いやりが際立っており、彼の生き方や決断に影響を与えている。
彼は、個人的な感情よりも広範な責任感を優先しているが、同時に個人的な関係の発展にも前向きであることを示している。
02 登用
師匠とライオネルは騎士団を相手に戦闘訓練を行い、騎士団にとっては高度な戦術の実践の場となった。
しかし、二人の猛攻により騎士団は圧倒され、一部は恐怖にすくみあがった。
結果、騎士団は個々の戦いになり、同士討ちの危険も増し、師匠とライオネルはさらに攻撃を強めた。
騎士団は次々と疲弊し、気絶させられることとなる。
師匠とライオネルは騎士団を罵りながらも、その弱さに興ざめする。
戦乙女聖騎士隊のエリザベスとサランが登場し、彼らが騎士団を支える強力な力として尊敬されていることが語られる。
しかし、訓練は飛行艇の技術部の要望により終了し、戦闘訓練は次の機会へと持ち越される。
ルシエルはその後、騎士団に感謝を表し、再び戦闘訓練を行うことを約束する。
騎士団はポーラの巨大ゴーレムに勝つことができる日を夢見ながら、疲弊した状態でその日を迎えることとなる。
教会本部から出た後、ルシエルは師匠に先に冒険者ギルドへ行くよう指示し、ライオネル、ドラン、ポーラ、リシアンと共にリィナの店へ訪れた。
店ではゴーレムがお客を迎える仕組みに感動する一行であったが、特にポーラとリシアンはゴーレムに興味津々であった。
店員に案内され、リィナとの再会があり、ルシエルは彼女をルシエル商会の生産技術部門にスカウトしようと提案した。
リィナは、空を飛ぶ飛空艇の製作者になる夢があると語り、ルシエル商会への参加を断ったが、ルシエルたちが飛行艇の製作者であることを知り、興奮して即答で承諾した。
その後、リィナは店員も含めて一緒に夕食に行くことを提案し、飛行艇が雇用の決め手となった出来事にルシエルは苦笑いするシーンで締めくくられる。
03 新たな通り名
リィナと店員のナーニャを連れて冒険者ギルドに到着したルシエルは、彼らが緊張していることに気付いた。
冒険者ギルドに入ると、そこにはリィナに対する尊敬と期待の眼差しが向けられていた。
リィナが過去に魔道具の誤作動で訓練場を破壊したことが原因であることが明らかになった。
リィナは魔道具の暴走によって訓練場の結界を破壊し、その修理費に店の売上の大半を充てたという過去があった。
このため、リィナは冒険者ギルドで出禁となっていたが、ルシエルの説得により出禁が解除され、リィナは再びギルドで活動できるようになった。
また、リィナはこれから魔道具の実験を街の外で行うことを約束した。
04 帝国へ赴く理由
イルマシア帝国への訪問を控えていたが、その背景には帝国に対する恨みが根強いものがあった。
イルマシア帝国は過去に戦争奴隷を使って経済を発展させた軍事国家であり、帝国の策略に何度も巻き込まれた経験から、帝国への不信感を抱いていた。
しかし、真実を知るためには帝国を避けて通るわけにはいかず、飛行艇を使った脱出手段の確保により、イルマシア帝国訪問の考え方に変化が生じていた。
帝国訪問の動機は、強化された帝国兵との将来的な戦闘を避けるためであり、これを放置するわけにはいかないと判断していた。
また、ライオネルがイルマシア帝国の著名な戦鬼将軍として知られており、その事実を利用することで、帝国内での影響力を活用しようと考えていた。
この計画にはリスクが伴うが、帝国民が魔族化する最悪の事態を避けるためにも、帝国訪問が必要であると強く感じていた。
05 自重
冒険者ギルドでの食事を終え、地下訓練場で師匠を迎えに行くと、冒険者たちはボロボロになっていたが、師匠は不敵に笑っていた。
冒険者たちは師匠の厳しい訓練に疲れ果て、救援を求める声を上げた。
師匠には回復魔法をかけ、冒険者たちにも治療を施した後、教会へと戻った。教会では、師匠は飛行艇の下で寝ることを決めた。
その後、教皇様と会話を交わし、ドンガハハの遺書の内容に基づき、公国ブランジュまたはイルマシア帝国へ行くことを決意した。
また、ガルバさんは情報収集能力を活かして教皇様の直属諜報部員として働くことになった。
カトリーヌさんは騎士団の再建を約束し、ナディアとリディアは教皇様の下で訓練を受けることになった。
最後に、ドンガハハの机から発見された精霊結晶について話し合われたが、これは精霊の力を封じ込めた宝玉であり、教皇様はその発見に涙を流した。
06 精霊結晶
精霊結晶についての議論が行われた後、精霊結晶が精霊の居場所であり、精霊の魔力が凝固してできたものであることが語られた。
特にレインスター卿が精霊石に魔力を注ぎ、精霊結晶を作成したことが明かされた。
精霊結晶は、精霊にとって核のような存在で、これがなければ精霊は消滅の危機に瀕する。
この精霊結晶は、特定の条件を満たした者のみが視認し触れることが可能であるとされ、それが長い間失われていた理由も説明された。
また、精霊結晶を失った精霊フォレノワールが元の力を取り戻す劇的な場面が描かれ、最終的に精霊としての完全な形態を回復した。
その後、フォレノワールはこれからの計画においてもルシエルの側にいることを選択し、イルマシア帝国への行動が予告された。
イルマシア帝国とルーブルク王国の戦争再開が控えている状況が描かれている。
ガルバとブロドの会話から、戦争再開の引き金がルーブルク王国によるものであり、ルシエルが間接的に関与していることが明らかにされる。
ルシエルはネルダールでルーブルク王国の貴族を治療し、その貴族が戦鬼将軍の偽者情報を持ち帰ったため、王国内で記憶を読み取る魔道具を使用された結果、情報が漏れることとなった。
ガルバはブロドに、イルマシア帝国へ行くことを提案し、帝国内の混乱に対処するためブロドの同行を促す。ブロドは当初反発するが、最終的に同行を承諾する。
ルシエルは、ナディアとリディアを説得した後、様々な事を考えながら部屋で休んでいた。
特にドンガハハが精霊結晶を所持していたことや、フォレノワールと闇の精霊の今後について悩む。
ドンガハハが精霊の加護を得ていたことに驚き、その詳細が気になっている。
また、エスティアが帝国に行くことによって、情緒不安定になるリスクがあるため、彼女が帝国に行かず教皇様と共にいることが望ましいと考えている。
次の日、教皇様にフォレノワールを連れて行ってよいか確認する予定である。
その夜、ルシエルはドンガハハの突然の出現に驚くが、彼との会話で様々な疑問を解決することを試みる。
ドンガハハは死にかけているが、魂の契約のため逃れることはできないと告げる。
ドンガハハは最終的に、ルシエルが教皇様に評価され成長することを望んで行動していたが、その方法は問題があった。
最後に、ルシエルはドンガハハを教会の地下牢に送り、彼の話に耳を傾けることで多くの情報を得る。
部屋に一人残ったルシエルは、ドンガハハに向けた言葉を自身にも投げかけ、その後、朝食を摂るために食堂へ向かう。
途中、訓練場で剣の素振りをしている師匠に出会い、彼と模擬戦を行うことになる。
模擬戦は他の者たちが食堂から下りて来るまで続き、ルシエルは自身の進歩を実感しつつも、まだ師匠たちには及ばないと感じる。
その後、ポーラが食堂への移動を提案するため、ゴーレムを解除し、全員で食堂に向かう。
食堂での様子や騎士団とのやり取りを経て、ルシエルは師匠たちに深く感謝する。
最終的に、ルシエルは師匠との切磋琢磨を通じて、自己の成長と精神的なクリアリングを図る。
07 大事の前の小事?
騎士たちは自発的に師匠たちに教えを乞うために訓練に参加していた。
その動機はルシエルの姿勢に影響を受けたためである。
師匠とライオネルは訓練を楽しんでおり、騎士たちは感謝の意を示して去っていった。
その後、ガルバがメラトニの冒険者ギルド長代行を務めることになり、ルシエルはイルマシア帝国への同行を許可される。
飛行艇での議論では、帝国への侵入経路や戦力分析、翼竜部隊への対策などが話し合われる。
また、帝国には飛行する魔物を撃ち落とす兵器があるが、飛行艇はそれに耐えうるだけの装甲を有していることが確認される。
最後に、帝国行きの作戦が決定し、飛行艇は出発する準備を進めることになる。
08 絡まる運命と因縁
飛行艇の操縦を二度目にしている主人公は、空の上を飛行する魅力を感じている。
リィナとナーニャは、帝国へ向かうと誤解しており、帰還を希望するが、主人公が聖シュルール共和国内の北の町エビーザへ向かうことを明かすと安心する。
その後、リィナとナーニャは飛行艇に滞在し、食事を提供されるという待遇に喜びを表す。
エスティアは、エビーザへの道案内をしつつ、町について説明し、エビーザが荒くれ者が多いが協力して町を守るという習慣があることを語る。
また、エビーザには迷宮があり、それが聖シュルール共和国とイルマシア帝国の両方に出入り口を持つ珍しいものであることが語られる。
飛行艇がエビーザに接近すると、町から何かが飛んでくるのを目撃し、師匠がそれを迎撃し、その後爆発に巻き込まれるが、飛行艇によって無事受け止められる。
エビーザの町の人々が警戒していることを感じ取った主人公は、エスティアに説得を任せ、同時に他のメンバーも同行させることにする。
エスティアとその仲間たちがエビーザに到着すると、当初は緊張した雰囲気が漂っていたが、歓迎される様子に変わる。
ライオネルは、バザックと名乗る魔導士と再会し、過去の因縁について言及する。
バザックは、かつての敵対関係を理由に緊張が高まり、周囲の傭兵や冒険者も武器を構える。
しかし、ルシエルが自らの治癒魔法の能力を証明し、バザックの失われた腕を回復させることで状況は一変する。
バザックとその周囲の者たちは、治癒魔法の実力に驚き、エビーザの人々はルシエルとその仲間たちを歓迎する姿勢を見せる。
こうして、当初の不安は解消され、エビーザでの滞在が始まるが、ルシエルは今後何か問題が起こるのではないかと懸念を持ち続ける。
09 厄介事の正体
エビーザの代表であるバザック氏が治癒されたことで、彼らはエビーザに歓迎されることができた。
バザック氏は感謝の気持ちを示しつつも、町の治安が悪化している現状を説明し、その理由として悪徳治癒士や帝国兵の残党による問題を挙げた。
彼らは町を案内されながらも、住民たちからは疑念の視線を感じる。
その後、バザック氏はルシエルに怪我人の治療を依頼したが、ルシエルは町の治癒士に仕事を奪うことを避けるため、依頼を断った。
しかし、バザック氏が助けを求めたのは、他の治癒士では助けられなかった重傷者たちであったため、ルシエルは状況を確認後に治療を行うことを決めた。
中央広場で患者たちが集まる中、バザック氏が集めた多くの住民は、助けを求める心から来ていたことが明らかになる。
10 搦め手
エビーザで治療を求められた患者たちは、帝国の元皇子と聖女、おそらくその関係者であった。
元皇子と聖女からは瘴気が漏れており、通常の治療では難しい状態であった。
治療開始前に隠れた魔族の存在を疑い、念のため浄化波を発動した。
治療を開始しようとした瞬間、襲撃がありバザック氏がルシエルを庇った。
治療後、バザック氏は無事回復し、謝罪と感謝を述べた。
襲撃者は治療されていたグループの一員で、エスティアが無力化した。
住民からは一部が浄化波に反応し苦しんだが、敵意を持つ者は少なかった。
この事件から、元皇子たちは危険な状況にあったことが明らかになった。
エビーザで治療を終えたルシエルは、バザック氏との今後の対応について慎重な姿勢を示した。
元皇子が帝位に就くことを目的とするレジスタンスの最終目標に疑問を抱きつつ、バザック氏の招待を受け入れ、彼の屋敷に宿泊することになった。
屋敷でリィナ、ナーニャと共に留まることを決めたルシエルは、ドランたちが屋外で飛行艇の調整を行う中、地下室でケティ、ケフィン、エスティアが魔族化した者たちの取り調べを開始した。
その後、ライオネルと共にアルベルト元殿下とメルフィナと面会し、ライオネルが彼らの正体を確認した。
バザック氏からは、レジスタンスとの協力を求められたが、ルシエルは独立して行動するかを検討するため、さらなる話し合いを持つことになった。
11 同盟
ルシエルは帝都への攻撃を決定していたが、アルベルト元殿下の率いるレジスタンスとの共同戦線にはメリットを感じていなかった。
しかしながら、皇帝が魔族化研究を指示している場合、それを止める必要があるため、皇帝との敵対が避けられない。
アルベルト元殿下との関係を維持する必要があるため、ルシエルはライオネルに話し合いを委ねた。
アルベルト元殿下が率いるレジスタンスと組むことについては、アルベルトが内乱を危惧していることが理由であることが判明した。
しかし、ルシエルはレジスタンスとの共同行動には消極的で、自身の目的である施設の破壊に集中することを明らかにした。
そのため、アルベルト元殿下の反応と評価を下げ、ライオネルに交渉を任せることを決めた。
12 作戦会議……とは?
ルシエルとそのグループは帝都への侵入を計画しており、レジスタンスと行動を共にしない方針を決定した。
彼らは空から帝都へ侵入し、レジスタンスの動きに左右されない独自の作戦を進めることにした。
レジスタンスもまた、帝都での自身の目的を果たすために行動する予定である。
帝都潜入後は、地下経路を通じて城内に侵入する計画で、アジトには帝都内の地図が保管されているという。
この計画はバザック氏によって説明され、ライオネルとケティが後で矛盾がないか精査する予定である。
また、アルベルト元殿下は帝都民の安全を確保することを最優先とし、自らも危険を冒す覚悟であることを明かした。
レジスタンスの戦力は限られており、エビーザの町の協力者が多いものの、実戦可能な兵士は五十名程度と少数である。
アルベルト元殿下は帝都に侵入し、皇帝を説得することに自信を持っているが、具体的な侵入経験は限られている。
また、帝都への侵入期間については一週間から十日を要求しているが、この期間が適切かどうかはライオネルの判断に委ねられている。
13 休暇の過ごし方
アルベルト元殿下がレジスタンスを率いて帝都へ出発した。レジスタンスの数の多さに驚き、町の人口が目に見えて減ったことを実感した。
バザック氏がアルベルト元殿下をどれだけ制御できるかが、今後の展開に影響を及ぼすだろう。
一方、ライオネルはクラウドが偽ライオネルである可能性についてウィズダム卿から指摘された。
クラウドは公国ブランジュから流れてきた奴隷である可能性があり、変身魔法に長けているという情報が得られた。
奴隷紋の存在とその機能についても議論が交わされ、クラウドが既に奴隷ではなくなっている可能性が高いとの見解が示された。
また、奴隷が魔族化した場合、奴隷紋が消える可能性についても言及された。
バザック氏やエスティアたちが提供した情報により、帝国の内情が明らかになりつつある中で、ライオネルとルシエルは帝国への行動を一任され、状況を改善するために動くことを決めた。
14 時間は平等に流れている
エビーザと帝国を繋ぐ連絡通路が迷宮の十階層にあり、レジスタンスはそこを利用して帝国に侵入していた。
師匠とライオネルはその道を進み、迷宮での罠解除や敵との戦闘において圧倒的な強さを発揮し、迅速にボス部屋に到達した。
ボス戦ではブラックウルフとの戦闘が行われたが、特に問題なく制圧し、その後も階層を進めていった。
途中、暗殺タイプの敵との戦いがあったが、この戦いを通じて、一行は自分たちの戦闘技術の差を意識し、それぞれの特性やスキルを活かした戦い方を再確認した。
これにより、主人公は自分の成長と他のメンバーの能力を再評価することになった。
ボタクーリの事件で命を狙われた時、師匠に強くなってきたかと尋ねた主人公は、慢心についての教訓を受けた。
師匠は常に緊張感を持って訓練しており、慢心しないことの重要性を強調した。
主人公は生き残るために師匠を超えることを目指すと決意し、緊張感を持って修業に励むことを誓った。
迷宮攻略を進めながら、主人公は過去を振り返り、仲間たちに感謝の気持ちを表した。
ライオネルは喜んで階段を下り、主人公は安全第一で頑張ろうと仲間たちを励ました。
迷宮内はさらに暗くなり、ブラックウルフやシャドウウルフとの戦いが続いたが、主人公たちは難なく倒していく。
攻略が進むにつれて、迷宮の更なる深部に挑む準備を整えていった。
15 意識改革
迷宮を攻略する中で、主人公は自分の戦闘センスが以前に比べて低下していることに気づかされる。
特に暗闇から現れるシャドウウルフに苦戦し、これに焦りを感じる。
エスティアからは以前の修業時の能力を活かせていないと指摘され、視覚に頼りすぎているとのアドバイスを受ける。
仲間からも慢心が原因で感覚が鈍っているとの意見を聞く。
迷宮への挑戦は、実戦の勘と修業時の感覚を取り戻すためであったことが明かされる。
主人公は自らの慢心を認め、戦闘センスを取り戻すために意識して努力することを決意する。
16 過去の戦い
三十一階層への進入後、本格的な探索が始まり、魔物との戦闘や罠の解除が続く中、主人公は緊張感を高めながら感覚を取り戻し始める。
しかし、師匠が怪我をする機会が増え、心配の中、四十階層のボス部屋に到達する。
ボス部屋では、自爆特性を持つタートルメットボムという魔物と対峙し、戦略的な対応が求められる。
師匠の提案で、炎が出る場合は風の力を使い、炎がなければ氷壁を作る戦略を立てる。
氷壁が成功し、魔物は全て自爆し、部屋は安全になる。
この過程で、主人公は魔力の消費が激しいものの、闇の精霊からの意識誘導により重要な情報を得ることになる。
17 模倣
闇の精霊は、レインスター卿と闇龍の戦闘を主人公に見せた。
レインスター卿の戦術、特に空中での方向転換や属性を込めた攻撃、強力な魔力障壁の使用などが印象的であった。
これに触発された主人公は、自身も風龍の力を用いた魔力障壁の作成や回復魔法の活用を考え、レインスター卿の戦い方を参考にすることを決意する。
その後、仮眠を促された師匠とライオネルが、短時間で起床する。
主人公は帝国兵との戦闘時にライオネルが手加減せずに戦うことを伝え、ライオネルも覚悟を表明する。
さらに、主人公は魔力障壁を使った防御の練習をケフィンと行い、その効果を確かめる。
最終的に、主人公たちは四十一階層に到達し、視界が限られる暗闇の中で戦闘を続けることになる。
18 とんだ前哨戦
五十階層のボス部屋の手前で轟音が鳴り、主人公たちは立ち止まる。
内部で戦闘が行われていることを察知し、上位の実力者が先行していると推測する。
彼らが危険な存在に変貌していないことを祈りつつ、待機を決める。
各自がレベルアップを目指して戦闘を続けるが、疲労や装備の耐久に関する問題も浮上する。
主人公はエスティアに新しい剣を提供し、闇の精霊が操るエスティアが警戒を続ける中、主人公たちは魔物との戦いを継続する。
戦闘を経て、ボス部屋に進むと、人族ではなく、帝国特殊部隊と名乗る魔族と遭遇する。
彼らは帝国の配下であり、純粋な魔族ではないことが明らかになる。
主人公は魔法陣詠唱を開始し、魔族は高圧的な態度を示す。
対話の末、彼らのトップがクラウドであること、人族に戻る意思がないことが判明する。
戦闘が勃発し、主人公たちは帝国特殊部隊を迅速に撃破する。
最後に装備だけが残される中、主人公は仲間と迷宮踏破の成果を分かち合う。
19 闇龍の想い
帝国特殊部隊は魔族化しており、情報を聞き出すことはできなかった。彼らは捨て駒である可能性が高いと思われる。魔族になった元人族を倒すことには慣れず、気持ちの良いものではなかった。彼らの装備は念のために持ち帰ることに決定し、魔法陣が現れたことから、ルシエルは封印の解除と闇龍の解放を決意する。彼は師匠と共に封印門を通過しようとするが、師匠は通り抜けることができなかった。ルシエルは師匠に皆と共に帰るように伝え、自身は闇龍の解放に挑む。
封印門を開ける際、ルシエルは魔力を吸い取られるが、戦いが始まり、すぐに全力で出てくる可能性がある闇龍に対処する。
彼は自分の命と闇龍の解放を賭け、転生龍の封印を解くことに成功する。
その後、闇龍との対話を通じて、闇龍がかつてレインスター卿との約束を破ったことについて学ぶ。
ルシエルは闇龍に対して誠実に振る舞い、彼の信頼を得るために全力を尽くす。
最終的には、闇龍の呪いを解き、彼を解放する。
その行為で、ルシエルは闇龍の加護と龍神の加護の称号を獲得し、彼の旅は新たな展開を迎える。
20 砕け散ったゴーレム
闇龍との戦闘は短時間で終了したが、それは闇龍が邪神の呪いで衰弱していたためである。
迷宮からの帰還後、ルシエルは仲間たちと再会し、闇龍が弱っていた理由を話した。
また、食事を共にしながら迷宮を攻略したことについて感想を述べた。
師匠とライオネルはレベルがまだ完全には回復していないが、対人戦では問題ないと判断している。
さらに、一度迷宮を踏破した後の再攻略について議論が交わされたが、最終的にはエビーザへ戻ることになった。
エビーザに帰る途中、闇の精霊と闇龍の加護によって暗闇でも視界が確保できるようになっていることを感じた。
そしてエビーザに戻ったところで、飛行艇に取り付けられた魔導砲の試射の音が聞こえ、ドランとの今後の話し合いが行われた。
21 戦闘準備
迷宮から戻って四日が経ち、飛行艇の中で帝国への突入を前に最後の作戦会議が行われた。
この四日間、ライオネルはドランが作った地下訓練場で対人戦を重ね、ルシエルとエスティアは魔法の研究を行った。
作戦会議では、飛行艇で帝都に突入し、降りた後はドランが飛行艇を退避させる計画が話された。
さらに、ライオネルが帝都で住民の信頼を勝ち取るために演説を行い、ルシエルが回復や魔族化した者の弱体化を担当することになった。
ライオネルは、戦闘中に魔族として変貌した者を殺さないよう要求し、その負担をルシエルに託した。
また、拡声器を使用してライオネルが演説を行う予定である。
最終的には帝国に向けて出発する前の夜、最後の晩餐として夕食を共にし、互いに英気を養った。
22 フォレノワールの実力
翼竜部隊の突入日が到来し、ルシエルは飛行艇の自室で身体をほぐしてから操縦室へ向かった。
そこでドランと出会い、リシアンが開発中の索敵機について話を聞いた。
リィナとの協力を提案し、索敵機の改良について考えることにした。
その後、飛行艇を発進させ、帝国への進路を取った。途中で、師匠達も操縦室へ来て、緊張感を共有した。
ルシエルは、飛行中に翼竜部隊に遭遇した場合、自ら直接対峙することを決意し、ドランに操縦を任せた。
その後、フォレノワールを使用し、翼竜部隊に攻撃を仕掛けた。フォレノワールの力で、翼竜部隊を撃退し、飛行艇への安全を確保した。
この行動を通じて、ルシエルは帝国侵入の準備を進めた。
23 帝都潜入
帝国の翼竜部隊を屠った後、フォレノワールとルシエルは帝都への接近を続けたが、戦闘は発生しなかった。
帝都が近づくにつれて、フォレノワールは帝都からの気配や魔力が感知できないことに気づき、強固な結界が張られている可能性を指摘した。
この発見により、ルシエルは帝都への侵入に慎重になり、フォレノワールの力を頼りにしながら進行を続けた。
帝都への侵入を前にして、ルシエルはフォレノワールと共に戦闘の準備を整えた。
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