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どんな本?
本作は、異世界転生をテーマにしたSFコメディライトノベルである。主人公リアムは、前世での善良さが仇となり不遇な人生を送った反省から、新たな人生では「悪徳領主」を目指すことを決意する。しかし、その行動が周囲からは善行と受け取られ、皮肉にも彼の評価は高まっていく。第10巻では、師匠の安士に背中を押され、リアムがロゼッタとの結婚式を決意するが、皇位継承権を巡る代理戦争に巻き込まれ、結婚式が中止の危機に陥る。それでもリアムは逆転の一手を打ち出し、困難に立ち向かう。
主要キャラクター
• リアム・セラ・バンフィールド:本作の主人公。前世の反省から悪徳領主を目指すが、その行動が周囲には善行と受け取られる。
• ロゼッタ:リアムの婚約者。彼との結婚を心から望んでおり、共に困難に立ち向かう。
• 安士:リアムの師匠であり、彼の成長を支える存在。リアムの結婚を後押しする。
物語の特徴
本作の魅力は、主人公リアムの「悪徳領主」を目指すという逆説的な目標と、その行動が周囲から善行と解釈されるというユニークな展開にある。また、SF要素とコメディ要素が巧みに融合されており、読者に新鮮な驚きと笑いを提供する。第10巻では、結婚と皇位継承争いという二つの大きなテーマが交錯し、物語に深みを加えている。
出版情報
• 出版社:オーバーラップ文庫 
• 発売日:2025年3月25日
• ISBN:978-4-8240-1113-8 
• 価格:858円(税込)
読んだ本のタイトル
俺は星間国家の悪徳領主!10
著者:三嶋与夢 氏
イラスト:高峰ナダレ 氏
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あらすじ・内容
2025年4月TVアニメ放送! 結婚と皇位継承争い、W決着!?
善良さ故に奪われ続けた前世の反省から「悪徳領主」を目指すリアム。師匠の安士に背中を押され、彼はついにロゼッタとの結婚式を挙げることを決めた。しかし皇位継承権を賭けた代理戦争に巻き込まれ、結婚式は中止の危機に陥ってしまう。それでも最初は決着を急ぐ気のないリアムだったけど――
「わたくしはダーリンと一緒にいるのが幸せなの」
敵の姦計も味方の裏切りも食い破る、逆転の一手を打ち出すのだった! 一方、戦争の裏ではリアムを排除するため最凶の刺客が生まれようとしていて……!?
悪徳領主が目標なのに花嫁を幸せにしちゃう(?)勘違い領地経営譚、第10幕!!
クレオの裏切りと皇帝の計略
- クレオは皇帝バグラーダとの面会で、バンフィールド家への依存を咎められた。
- リアムへの嫉妬と劣等感から独立した戦力を整備していた。
- カルヴァンとの裏での同盟を結び、案内人の期待を受けつつリアムへの謀略を進めた。
- クローン兵とAI機動騎士の禁忌兵器開発が開始された。
- テオドルの提案でリアムのクローンとAIを融合させた兵器が計画された。
- クレオは自身に傷を負わせることで計画の正当性を演出した。
遺伝子奪取事件とティアたちの責任問題
- リアムの屋敷が襲撃され、遺伝子が盗まれた。
- テオドルの指揮下で案内人が暗部を出し抜き、奪取を成功させた。
- ククリが責任を問われるが、リアムは処罰を見送り再起の任務を与えた。
- クレオはバンフィールド家を遠ざけ、独自の親衛隊を用意した。
- リアムはククリとクラウスを首都星に派遣し、事態の掌握を図った。
代理戦争の開幕とロゼッタの複雑な思い
- クレオとカルヴァンの代理戦争として、惑星シャルローの領有権を巡る戦争が始まった。
- リアムは戦争の総大将に指名され、結婚式を延期して出征を決意した。
- ロゼッタはリアムとの未来に不安を抱きながらも、彼の無事を祈った。
腐敗したグリン男爵とテオドルの陰謀
- グリン男爵領は荒廃し、男爵は支援物資を私用していた。
- テオドルはこの状況を利用し、リアムを足止めする意図を持っていた。
- クローン開発は難航し、3588番という少女のみが生き残った。
- 彼女は失敗作とされながらも、案内人の手で戦力として育成されることとなった。
艦隊戦直前の緊張と裏切りの種
- リアムの艦隊は準備不足の惑星に到着し、クラウスが簡易基地の建設を指揮した。
- テオドルは責任を放棄し、裏で情報撹乱を進めていた。
- リシテアはクレオの変化に不安を感じつつも、立場上口出しできなかった。
- クレオは自身の中にある憎悪を燃やし、帝位への野望を露わにした。
3588番と案内人の育成関係
- 3588番は案内人の導きで生きる希望を得た。
- 教育や絆を通じて、リアムを倒すための存在として育てられていく。
- 一方で、リアムはクルトや他貴族とともに戦力再編と戦略立案を行っていた。
敗北と反攻:芝居の反撃作戦
- テオドルの陰謀が明るみとなり、リアムは戦場での敗北を装って反撃の準備を整えた。
- ティアが地上戦に突入し、腐敗したグリン男爵を領民に裁かせた。
- クルトも戦線に加わり、赤い機体ガーベラと交戦。
- 3588番はリアムの模倣として現れたが、クルトにより制圧された。
AI兵器との決戦とアヴィドの覚醒
- 四機の白いAI機体が戦場を蹂躙し、ネヴァンらを圧倒した。
- リアムはアヴィドで出撃し、激戦の末に新機能を開放。
- 敵AIを操る能力により一部機体を鹵獲するも、他の機体は破壊してしまった。
- マリーが誤解から出撃し、リアムを援護した。
結婚と新たな誓い
- リアムとロゼッタの結婚式が執り行われ、家臣たちからの祝福を受けた。
- 案内人の妨害も神聖な加護により跳ね返された。
- 式後、リアムは「質素な生活」を宣言し、悪徳領主としての信念を保とうとしたが、ロゼッタとの絆が確かなものとなった。
帝国崩壊への第一歩とリアムの決断
- クレオが皇太子に即位し、リアムは彼と決別。
- 帝国の腐敗と真の敵バグラーダ皇帝を打倒する決意を固めた。
- クラウスの現実的な助言により、まずは四百万隻の維持戦力を確保する領土拡張を目指すこととなった。
贈り物とクローンの行方
- リアムはロゼッタへの贈り物として惑星を検討したが、周囲の反対で思い直した。
- クルトとの通信で、3588番(リリー)を引き取ることを決断。
- 帰還後、盛大な歓迎を受け、リアムはロゼッタとの結婚の意味を再確認した。
新生活と過去の影
- カルヴァンは開拓惑星で家族と共に慎ましく暮らしていた。
- 元皇太子である自分が処刑されなかったことに納得し、リアムの寛容さを評価していた。
- クルトはセシリアとともにリリーを妹のように保護し、彼女の無邪気さに癒されていた。
- リリーは案内人への感謝からナイフの具現を送り、案内人は致命的な傷を負った。
感想
モブせかの広告用に書かれていた星間国家がアニメ化。
web版から追いかけていた自身にとっては非常喜ばしい。
代理戦争という名の陰謀劇
今巻では、リアムが属する皇太子第二候補のクレオ派と皇太子候補筆頭のカルヴァン派との代理戦争が、グリン男爵領を舞台に始まった。
だが、その戦場には最初から裏切りが仕組まれていた。
舞台となる男爵領の領主グリン男爵と督戦として派遣された中将テオドルが密かにカルヴァン側に通じていたため、リアムの作戦は常に先読みされ、連戦連敗という苦境に陥ったのであった。
部下たちとの信頼も揺らぎ、戦場の空気は険悪となっていった。
劣勢からの逆転と陰謀の終結
裏切りの証拠を掴んだリアムは、見事な策略で反撃を開始する。
部下のクラウスやティアの助言も取り入れつつ(?)、組織分解を演じて敵を男爵領におびき寄せて一網打尽にする作戦を決行した。
結果として、敵艦隊は壊滅し、裏切り者たちにも厳しい裁きが下された。
敗戦を演じたリアムは多くを失いながらも、戦局をひっくり返し、名実ともに勝者として帰還したのである。
新たなる脅威とクローン少女の登場
その最中、人工知能で動くアヴィドの後継機である白い機動騎士たちが現れ、バンフィールド家の部隊を次々と撃破して行った。
中でも赤い機体ガーベラに乗るクローン少女3588番は、リアムに酷似した存在であり、強力な戦闘力を誇っていた。
彼女は過去の実験の産物で、リアム打倒のために育てられたが、幼く体力が無くスタミナ切れで最終的にクルトとの戦闘に敗れ、捕縛された。
案内人と人工知能との激戦
リアムはアヴィドで出撃し、人工知能が操る機体4機と直接対決する。
途中、案内人が強化のために暗躍したが、リアムは覚醒したアヴィドの新たな力で敵機を支配下に置き、戦局を掌握した。
この戦いでは、神秘的な存在である「光の巨人」までもが現れ、リアムを守るように振る舞った。案内人はその力に恐れをなし、戦場から逃げ出すこととなった。
結婚式と新たなる誓い
戦争終結後、リアムとロゼッタの結婚式がついに執り行われた。
家臣たちの心温まる支援と、リアムの本心を知ったロゼッタの無垢な笑顔が印象深い場面であった。
式の裏では案内人が妨害を試みたが、神聖な加護によって撃退され、リアムとロゼッタの絆はより強固なものとなった。
帝国との決裂と未来への一歩
皇太子となったクレオの裏切りが確定し、リアムはバンフィールド家を帝国から切り離すことを部下に宣言した。
帝国打倒を決意した彼は、今後の戦いに備えて勢力の拡大と領地の発展に注力する方針を示した。
家臣たちもそれに従い、帝国との全面戦争への道が動き出したのである。
クローン少女と案内人のその後
クローン少女3588番はクルトに保護され、新たな人生を歩み始めた。
彼女の存在が何を意味するのか、まだ定かではないが、物語に大きな影響を与える存在となるであろう。
一方、案内人はまたしても敗北し、次なる策を練っている様子が描かれていた。
総括
本巻は、戦争と陰謀、裏切りと信頼、そして成長と再出発が織り交ぜられた濃密な内容であった。
特にクローン少女3588番の登場と、リアムの更なる成長が大きな見どころであった。
リアムが真の悪徳領主(名君)であることを証明するのか、それとも変わっていくのか、次巻の展開が非常に楽しみである。
ちなみにリアムのハーレムは天城を入れて2人である。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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