どんな本?
「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー」は、佐島勤 氏によるライトノベルシリーズで、司波達也の新たな物語を描かれてる。
達也は一般社団法人『メイジアン・カンパニー』の専務理事に就任し、その組織の目的は、魔法適性はあるものの実用レベルに至らない存在、メイジアンの人権保護の実現。
達也は魔法師が兵器ではなく人間として生活できる新時代へ向け、大学生ながら、確実に歩みを進めている。
彼の影響力は世界中から注目され、魔法師の結社「FEHR」から刺客が送り込まれるなど、新たな騒動が起こる。
読んだ本のタイトル
#続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(2)
著者:佐島勤 氏
イラスト:石田可奈 氏
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あらすじ・内容
メイジアン・カンパニーのメンバーは魔工院の設立準備を進めていた。達也は十師族の一員である八代家の隆雷に、学院長就任の打診をする。魔法資質保持者の人権自衛という目的のために、着実に行動していた。
そんな中、加工途中のレリックを狙った魔法師犯罪が勃発。その背後には人造レリック盗難事件の犯人が属していたUSNAの魔法至上主義過激派組織『FAIR』の影が……。達也はこれに対抗するために同じくUSNAの魔法団体『FEHR』との接触を試みる。
三つの組織が交わることでレリックを巡る争いが激化する――。
感想
メイジアン・カンパニーの事業は現在の魔法資質保有者に生き甲斐をもたらし、希望が諦念に勝る未来を創り出す。
その第一歩が魔工院の設立。
魔法工業技術専門学院は、製造分野やインフラ整備・管理分野に魔法を応用する技術を教え。
その技術を以て、魔法で身を立てていくことが難しい魔法資質保有者でも、弱い魔法力で生計を立てられるよう手助けする。
その為の教育訓練機関。
魔法工業技術専門学院設立により学院長には十師族の一角、八代家当主の弟、八代降雷が就任することになる。
電波工学では世界的に有名な人物で、魔法師でなかったら世界を股にかける電波工学士になれたほどの逸材。
その八代家も魔工院、学院長就任の条件として魔工院の経営が軌道に乗ったら学校法人化して、八代家を経営に参加させる。
そして、、恒星炉プラントとは別のマイクロブラックホールを生成する縮退炉の開発協力の要請だった。
コレのリスクは、パラサイトが此方に渡ってくるリスクが大きい事が問題となってるが、、
そこはマッドな気質がある八代家。。
その対策としてパラサイトを殺せる達也への開発の協力要請だったりする。
この辺りは後々の話の伏線ぽいな、、
八代降雷の魔工院学院長就任が日本の魔法師界に激震が走り、それを知った六塚家が協力を持ち出し達也に接触し始めた。
コレにより。
十師族内で四葉、六塚、七草、八代が側から見ると協力してるように見える。
約半数の家が関わる魔工院設立。
裏では色々と思惑があるが、、
それによって魔法師界で変革は確実に進んでいる。
そして、パラサイトになった光宣と水波は調査のためにUSNAに潜入したが、、
いきなりFAIRに襲撃される。
パラサイトである光宣を認識して襲ってきたようだ。
その襲撃者の女が1000年前くらいから居るパラサイトの可能性も出てきた。
コレも伏線の匂いがする。
そしてFAIRがレリックを狙うのも、そのパラサイトが関係している可能性もある。
そして、そのFAIRが日本の過激派新人類戦線を利用してレリックを発掘して兵器への転用にするのが狙いといきなり言う。
へ?何故に突然そう言えるの?
それを一条家の将輝に情報を流して、彼の国家公認戦略魔法師の立場を利用して陸軍のキャンプ場を模した発掘場で過激派を捕まえさせる。
そして、レリックは四葉家が裏から奪って一条家が取り逃した新人類戦線のサブリーダーを捕まえようとしたが、、、
取り逃す。
そして、新人類戦線のリーダーは古式魔法機の十六夜家に匿われており。
十六夜家は元老院がバックに付いてるようで中々手が出せない。
それを達也も元老院を通して十六夜家に直接乗り込む事になる。
そして、十六夜家の当主の弟と対峙しながらも四葉家の分家、黒羽家の文也がリーダーを取り押さえようとするが、、
そのリーダーは魔法を反射する魔法を使う。
それに苦戦する文也だったが、それを達也が手助けする。
そして、サブリーダーはメイジアン・カンパーニーの七草真由美を誘拐して、リーダーの開放を画策して真由美を襲う。
襲われた真由美は、昏倒する薬品(魔法?)を使われてアッサリと戦力を落とされる。
たまたまそこに居合わせた遠上が助けるが、、
力不足で力尽きそうになるのだが、達也からの援護で真由美が戦闘可能になり相手を撃退。
この結果により、四葉家は元老院の1人を敵に回しだかもな。。
いや、お気に入りの新人類戦線のリーダーを返却したから大丈夫かな?
九重八雲がどっちの元老院に属してるかによっては、また敵対するのか?
それとも仲間になるのだろうか?
とにかく、魔法界が達也を中心に動き出した。
続きが早く読みたい。
あ、、、
藤林の姐さんが出てきてないぞ?
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備忘録
1
巳焼島の恒星炉プラントおよび町田のFLT研究所での人造レリック盗難未遂事件後、達也が魔法大学の学食で友人たちと再会する。達也はステラジェネレーター社長、メイジアン・カンパニー専務理事、メイジアン・ソサエティ副代表として、三つの団体の設立に関わる。彼らは達也が関わる組織や、七草先輩がメイジアン・カンパニーに就職したことについて話し合う。また、幹比古の研究や彼の家の日常についても触れられる。幹比古の家が魔法の道場であることや、男女別の浴室があることも明かされ、彼らはリアルとフィクションの違いについて軽く議論する。
七草真由美がメイジアン・カンパニーに就職したことは、魔法界だけでなく、国防軍や警察、反社会勢力にも関心を引いている。メイジアン・カンパニーは四葉家と見なされがちだが、実際には七草家と四葉家の間の直接的な結びつきはない。真由美は『魔工院』の事務作業に携わり、魔法資質保有者のための職業訓練と職業紹介に努めている。達也はまだ魔工院の学院長を決定しておらず、真由美と遠上遼介は魔工院の準備作業に取り組んでいるが、特に遼介は事務作業に不慣れである。達也と真由美は、学院長に魔法界で信用のある人物を選ぶべきだと意見を交わしている。
2
衛星軌道居住施設「高千穂」は、九島光宣と桜井水波という二人のパラサイトの住居として用意された。この施設を提供したのは、司波達也であり、彼は光宣の技量を高く評価し、秘密戦力として彼を味方につけたいと考えていた。光宣は、魔法至上主義過激派組織「FAIR」の調査を達也から依頼され、その準備を進めていた。高千穂には地球の重力を利用した飛行システムが組み込まれており、光宣の計算に基づく実験を達也が監視していた。
光宣は、自分がアメリカに潜入する間、水波を一人にしないよう達也に願い出た。達也は短期間であれば水波を巳焼島で匿うことができると答え、光宣が地上に降りている間、高千穂に留守番をさせるためのパラサイドール(バッテリー式ガイノイド)の用意を提案した。この提案は、光宣にとっては有益な道具として最適であると受け入れられた。達也はこのパラサイドールを使って光宣に様々な実験をしてもらうつもりでいた。
3
五月十六日、司波達也、四葉深雪、そしてリーナは福岡へ向けてリニア新幹線に乗車した。目的地は博多駅であり、目的は十師族・八代家当主の自宅を訪れることだった。彼らの用件は、八代家当主の弟、隆雷にメイジアン・カンパニー設立の目的である「魔法工業技術専門学院」の学院長を引き受けてもらうことであった。達也は隆雷に対し、魔法資質保有者でも生計を立てられるように手助けする教育訓練機関であること、そして自分の目的がメイジアンの人権自衛であることを説明した。隆雷は達也の提案に同意し、八代家からの条件として、魔工院が独立した後の経営への参加と、達也個人として重力制御魔法を用いた縮退炉の開発に協力して欲しいと求めた。縮退炉は極小のブラックホールからエネルギーを取り出す理論上の発電システムで、達也はパラサイト発生のリスクがあるにもかかわらず、この計画に協力することを承諾した。これにより、達也は魔工院の学院長として八代隆雷の招聘に成功し、メイジアンの職業選択権の拡大に向けた一歩を踏み出した。
4
USNAサンフランシスコ郊外には『FAIR』という団体が存在している。これは表向き人間主義者による魔法師保護団体だが、実際には魔法至上主義を掲げる過激派であり、非合法の手段も辞さない。リーダーはロッキー・ディーンで、側近兼愛人のローラ・シモンからオリジナルレリックの発掘場所や素材に関する情報を得ている。発掘場所は乗鞍岳の山麓、素材は翡翠で、赤瑪瑙と思われていたが、硫化水銀を用いた加工が行われていることが判明している。
一方、USNAの中部州旧新潟県糸魚川では、世界最古の翡翠原石産地であり、古墳時代の翡翠製の勾玉半製品が発掘され、地元博物館に展示されていたが、魔法を使って盗まれる事件が発生した。盗難された勾玉はレリックに加工中の物だったことが後で判明し、魔法師による犯罪であることも明らかになった。
これを受けて、魔法大学に通う一条将輝は十師族・一条家当主である父親から呼び出され、糸魚川の博物館から盗まれた勾玉の調査を命じられた。将輝はこの任務を引き受け、犯人が次に狙う可能性のある物を調べることになった。剛毅は将輝に対して、聖遺物だけでなく加工途中の遺物も標的になり得ると指摘し、東京に戻り出番に備えるよう告げた。
十師族の間で急遽オンライン会議が開催されたのは、糸魚川の博物館から古墳時代の出土品である加工途中の翡翠製勾玉が盗まれたことに関連していた。この勾玉は、レリックに加工する途中のもので、盗難が魔法師の犯行と判明したことから、再調査された。会議ではこの件の情報共有と今後の対策について話し合われたが、犯人の行方や正体については特定できていなかった。盗難犯が進人類戦線である可能性が高いとの情報があり、FAIRとの関連が指摘された。
達也は津久葉夕歌からこの会議の内容と追加情報を受け取った。犯人グループが進人類戦線であり、FAIRと協力関係にある可能性があること、また進人類戦線が元々FEHRの日本支部を作る目的で結成されたが、非合法の実力行使を厭わない思想からFAIRに鞍替えしたことなどが明らかになった。達也はこの情報を受け、必要に応じて手伝うことを了承した。
5
魔法工業技術専門学院(魔工院)の学院長に八代隆雷が就任した。彼は十師族・八代家当主の弟であり、この就任はメイジアン・カンパニー内外に大きな驚きをもたらした。メイジアン・カンパニーは達也が設立した社団法人であり、四葉家と密接に関連している。八代家からの学院長就任は、四葉家と八代家の間に何らかの取り決めがあったことを示唆する。達也は八代隆雷が自らの理念に共鳴したから学院長を引き受けたと語ったが、この話には疑問が残る。
真由美は七草家からメイジアン・カンパニーに送り込まれた事務員であり、この事件に対する家族の反応を目の当たりにする。彼女の父、七草弘一は、八代隆雷の就任とそれが示す四葉家と八代家の関係について深く考え込む。特に、この動きが十師族間の相互監視のルールに違反していないか懸念される。
八代隆雷が個人的な理由で達也に協力している可能性が指摘されるが、真由美はメイジアン・カンパニーの事業が社会変革を目指していると確信している。彼女は、達也と八代隆雷が社会の変革を目指し、それが八代隆雷を動かした大きな理由の一つであると考えている。社会変革の理念は人を動かす強力な力であり、それを真由美の父は理解していないと彼女は感じている。
八代隆雷の魔工院学院長就任が広く知られると、四葉家と八代家に多くの問い合わせがあった。これらの家は「同盟関係を結んだ事実は無い」と回答した。六塚家当主、温子から四葉家に対し、達也の事業への協力を申し出たが、距離や十師族の務めとの両立の難しさから、真夜はそれを遠回しに断った。しかし、温子は個人として協力することに強い関心を示し、真夜は達也と話すことを提案した。温子は達也の事業を通じて、自分も世の中を変えたいという気持ちに気づいたと語った。このやり取りから、温子の熱意と真夜の理解を感じることができる。
6
四葉家と八代家に対する疑心暗鬼が日本魔法界に広がる中、達也はメイジアン・ソサエティ代表のアーシャ・チャンドラセカールとの国際暗号通信に集中していた。彼は、魔法至上主義団体FEHRとの協力可能性について話し合い、FEHRと接触する意向を示した。チャンドラセカールはこの提案に対して肯定的であり、FEHRとの提携条件を文書化し、達也に最初の交渉を任せることに同意した。
達也は家族との夕食の場で、FEHRとの協力関係について語り、リーナと深雪から意見を聞いた。リーナは反対の意を表明し、達也はリスクを避けつつもチャンスを逃さないようにする必要があると説明した。深雪は、達也がFEHRを監視し、非合法活動への傾斜を防ぐ意図を理解し、支持した。
翌日、チャンドラセカールは提携案を送付し、達也は内容を確認した。一つの条件が達也の予想を超えていたが、それは彼に不利ではなかった。さらに、チャンドラセカールは戦略級魔法師アイラ・クリシュナ・シャーストリーをFEHRに派遣する計画を明かし、彼女の保護と能力の不安定さを理由に出国を許可するよう政府と交渉していることを達也に伝えた。達也はこの事情を了承し、提携条件に基づき交渉を進めることを決めた。
7
糸魚川の博物館から盗まれた半製品の翡翠勾玉は、FAIRのサンフランシスコ拠点に運び込まれ、分析されたが、レリックの製法について新たな発見はなかった。ローラは、オリジナルレリックを採掘現場から盗み出すことを進言し、ディーンはそれに同意した。彼らは進人類戦線に依頼を考え、房総半島の秘密拠点にいるサブリーダーの深見に連絡を取った。深見は依頼内容を聞き、国防軍が警備する乗鞍岳の南西山麓からレリックを盗む作戦を立て、FAIRに受諾の返事を送った。
8
五月二十五日の夜、達也は深雪とリーナと共に巳焼島南西部にある仮想衛星エレベーターに来ていた。荷物をエレベーターの魔法陣中央に降ろした後、彼らは荷物を対地高度約六千四百キロメートルの衛星軌道へ送った。荷物はパラサイドールの素体とパラサイト封印の器を納めた「棺」であった。光宣は高千穂の外殻の外側に接する宇宙空間で棺を受け取り、高千穂内の作業室へ運んだ。そこで、彼と水波はパラサイトをガイノイドの電子頭脳に移植し、新たなパラサイドール「マギー」を覚醒させた。マギーには高千穂の管理と仮想衛星エレベーターの運転を含む地上でのサポートが任された。
達也は、深雪とリーナと共に巳焼島に一泊し、光宣がパラサイドールを使った実験をサポートするため、東京へ戻らなかった。三人は通常授業があるにも関わらず、高千穂での不測の事態に備えるためにこの選択をした。達也は自力で宇宙空間へ到達できないため、深雪とリーナが仮想衛星エレベーターを操作する必要があった。その夜、二人はゆったりとした時間を過ごし、達也は深雪に二人での旅行を提案した。翌日、光宣はサンフランシスコに降り立ち、遠距離のテレパシーを使って高千穂との通信を確認した。この成功により、地上から衛星軌道への移動実験は順調に進んでいることが示された。
9
バンクーバーに本拠を置くFEHRは、魔法資質保有者の人権を合法的に主張する政治団体であり、魔法師を迫害する人間主義団体を対立相手としている。リーダーのレナ・フェールは、魔法師が組織的に法を犯すことが反魔法主義者による迫害の口実となることを懸念しており、特にサンフランシスコに拠点を置くFAIRを警戒している。ある日、FEHRの監視員からレナに対し、FAIRがシャスタ山に何かを企んでいる可能性があるとの報告が届く。レナはシャーロット・ギャグノン、元FBI捜査官であり弁護士資格を持つ、FEHRの参謀役に相談を持ち掛ける。二人は、FAIRがシャスタ山で何か魔法的に貴重なものを手に入れようとしている可能性が高いと推測し、FEHRのメンバーをシャスタ山に派遣し、FAIRの活動を監視することを決定する。
レナはこの情報を遠上遼介にも伝えるべきだと考え、彼にアストラルプロジェクションを使って直接連絡を取る。遼介は、レナの報告を受け、この件を司波達也に報告する許可を得る。レナは、自らの名前を出しても構わないと遼介に許可を与え、彼女がFEHRの一員であることを公にすることに対しても躊躇がない様子を見せる。遼介はレナの決断に感謝し、彼女の訪問を喜ぶ。
レナ・フェールからの訪問と情報提供の約一時間後、遼介は魔工院に出勤し、同僚の真由美に明るい様子を指摘されるが、特に理由は語らなかった。真由美自身、視線を感じる不安を抱えていることを遼介に話す。その後、遼介は司波達也に呼び出され、メイジアン・ソサエティからの依頼で、FEHRとの提携交渉の打診をバンクーバーで行うことを命じられる。遼介は達也に自分がFEHRのメンバーであることを告白し、達也はその事実を受け入れ、遼介にバンクーバーへの旅支度を進めるよう指示する。
達也はその後、魔法大学で亜夜子と文弥に糸魚川でのレリック原材料の盗難とFAIRの動向について説明する。亜夜子と文弥は、遼介がFEHRに属していることを知り、遼介をFAIRに「返す」ことを冗談めかして提案する。夕食時、達也は家族にも同様の話をし、リーナと深雪は達也の情報と計画に興味を示す。達也はレリックが先史文明の遺物である可能性についての自説を家族に説明し、彼らは達也の推測に驚きつつも、その可能性を考える。
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五月二十八日午前二時に、光宣と水波はUSNAへ降下し、現地時間の二十七日午前十時に観光を開始した。彼らにはFAIRの調査という目的があったが、それだけに留まらない予定もあった。光宣と水波は、魔法資質保有者にとっては訪れるのが難しい地であり、彼ら自身にとっても祖国の土を踏むことが難しい状況だった。しかし、達也の手配により偽造パスポートとクレジットカードを持っていたため、彼らはサンフランシスコを観光できた。観光中、水波はケーブルカーに乗り、フィッシャーマンズワーフでウィンドウショッピングを楽しんだ後、ロブスターロールやクラムチャウダーを味わった。
観光の途中、光宣は水波と共にゴールデンゲートブリッジを訪れ、その後アルカトラズ島を遠くから見る遊覧船に乗る計画を立てた。彼らの関係は、公的には兄妹という設定になっており、二人は新婚に近い感情を抱いていた。
しかし、彼らの幸せな時間は突然の危機に見舞われた。有人タクシーに乗るよう強要された後、光宣は銃で脅されるが、彼の超治癒力と魔法技能により危機を脱した。その過程で、光宣と水波は、彼らを襲った者たちがFAIRの視覚系異能者ブルーノ・リッチとそのパートナーであることを知る。最終的に、光宣は彼らを倒し、二人は何事もなかったようにサンフランシスコ湾クルーズを楽しんだ後、高千穂に戻った。
光宣は日本時間の五月二十八日午後に巳焼島との通信を開いて達也と連絡を取り、サンフランシスコでの出来事を報告した。彼はFAIRのメンバーとの遭遇と交戦について説明し、敵が使用した未知の魔法と、敵から現れた想子情報体について話した。達也はその想子情報体が魔女に取り憑いていた可能性を示唆した。また、FAIRによる情報漏洩のリスクについて議論し、光宣と水波は新しいパスポートを受け取るために巳焼島に再訪することになった。
五月三十日、約束の通り達也は仮想衛星エレベーター近くで光宣と水波を迎えた。達也はFAIRがシャスタ山でレリックを発掘しようとしている可能性について語り、それが高い価値を持つ理由を説明した。光宣は、単一のレリックだけでは目的を果たすには不十分だと指摘し、複製技術の必要性を提案した。達也は古代文明が魔法的効果を持つ道具を作り出していた可能性を示唆した。
その日の終わりに、達也は新しいパスポートと国際運転免許証を光宣に手渡し、彼らが安全に行動するように注意を促した。達也と深雪は、光宣と水波の安全を願いながら、彼らが宇宙を目指して去っていくのを見守った。
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遼介の自宅に『深見快宥』と名乗る青年が訪れ、彼が第二研の数字落ちであることを明かした。深見は遼介に、四葉家や七草家のような十師族が支配する組織で働くことへの不満をほのめかし、遼介がその現状に満足しているか尋ねた。遼介は深見の持論に呆れ、彼の訪問を無駄と感じた。
一方で、四葉家当主・真夜は進人類戦線とFAIRの関係を調査しており、その組織間のビジネスライクな関係を指摘。特に、進人類戦線がFAIRの依頼を果たす対価として、チャイニーズマフィア経由で武器を受け取っていることが判明した。達也の自宅に訪れた黒羽文弥はこの情報を共有し、FAIRが南米で支配地域を作ろうとしている可能性や、魔法兵器の開発を計画していることを報告した。また、FAIRが乗鞍岳のレリック発掘現場を狙っているとの推測がなされた。
この計画に対し、達也と文弥は、進人類戦線の次なる動きとして乗鞍岳の発掘現場を狙うことを見込み、その場所の監視と犯人の追跡・捕獲を計画した。達也はFAIRについての情報を聞き出すことを文弥に依頼し、文弥はその任務を引き受けた。
五月三十一日に大学で達也は将輝に会い、糸魚川の事件について話をするために彼を食堂へと誘った。達也は遮音フィールドの魔法を展開し、その強度に将輝たちは驚いた。達也は将輝に、オリジナルレリックが発掘された場所を警戒するよう話したが、その詳細な場所は国防義務に抵触するため明かせなかった。
翌日、将輝は舞鶴基地を訪れ、司令官にレリックの発掘現場について尋ねた。司令官は将輝の要求に応じ、レリックの発掘現場とされる地点の情報を提供した。この情報提供は、将輝が国家公認の戦略級魔法師として訓練中の将兵を激励するという建前に基づいていた。
五月三十一日に大学で達也は将輝に会い、糸魚川の事件について話をするために彼を食堂へと誘った。達也は遮音フィールドの魔法を展開し、その強度に将輝たちは驚いた。達也は将輝に、オリジナルレリックが発掘された場所を警戒するよう話したが、その詳細な場所は国防義務に抵触するため明かせなかった。
翌日、将輝は舞鶴基地を訪れ、司令官にレリックの発掘現場について尋ねた。司令官は将輝の要求に応じ、レリックの発掘現場とされる地点の情報を提供した。この情報提供は、将輝が国家公認の戦略級魔法師として訓練中の将兵を激励するという建前に基づいていた。
将輝と一条家の手勢は、飛驒高山の発掘現場で張り込みを開始し、賊の侵入を監視していた。監視員からの連絡を受け、将輝たちは現場に急行し、ゲリラ戦が勃発していることを目の当たりにした。賊は一部が囮となり、本命のグループが他の場所でレリックを掘り出そうとしていた。将輝は女性二人を無力化し、賊を追跡するも、途中でトンネルが塞がれたため、賊を捕捉することはできなかった。しかし、進人類戦線の一部メンバーを生きたまま確保することに成功した。
一方、進人類戦線のサブリーダーとそのグループは、後方支援を行っていたが、黒羽文弥と亜夜子によって発見された。文弥は系統外魔法『ダイレクト・ペイン』を用いて賊を昏倒させ、盗掘されたレリックの回収に成功した。進人類戦線の後方支援要員が潜んでいた場所に、亜夜子と文弥は疑似瞬間移動で現れ、有毒ガスに覆われた状況の中で賊を捕捉しようとしたが、賊は逃走した。
黒羽家の部下は、逃走支援要員の潜伏場所を監視していたが、賊は有毒ガスを発生させて逃走に成功した。この有毒ガスは、第二研で開発されたものであり、進人類戦線に第二研のメンバーが所属している可能性が高いことが示唆された。
12
進人類戦線は、反魔法主義運動に対するアンチテーゼとしてスタートし、当初はFEHRをリスペクトしていたが、次第にその姿勢が中途半端に見え始め、暴力を伴う行動に出るようになった。組織の非合法化の経緯と、その背後には大物政治家も逆らえない影の権力者がいることが明らかになる。達也の自宅に文弥と亜夜子が訪れ、進人類戦線のメンバーの捕縛について報告する。リーダーの呉内杏は十六夜調の屋敷に匿われており、これが問題となる。呉内の保護を命じているのは元老院四大老の一人であることが判明し、達也と深雪は対応を協議する。最終的にはリーナを通じて東道に相談することを決める。進人類戦線の背後には、日本を陰で支配する元老院とその四大老が関与しており、その中の一人が進人類戦線を支えていることが示唆される。
達也たちは、十六夜調の自宅を訪問し、進人類戦線のリーダーである呉内杏の引き渡しを要求した。東道青波からの封書を持っており、東道自身も十六夜調に呉内が匿われている事実を知らされていなかったことから、東道は達也たちの行動に協力的であった。十六夜調は達也たちに対し、表面上は協力的であるものの、実際は時間稼ぎをしていたことが示唆される。一方で、呉内杏は古式魔法を伝える家の出身であるが、自身は魔法の訓練を受けておらず、異能者および霊媒師の素質を持つ。彼女は元老院四大老・樫和主鷹から特別な任務を受けていた。逃走中の呉内は、人を締め出す結界を用いて四葉家からの追跡を振り切ろうとするが、文弥に阻まれる。文弥はナックルダスターをはめた手で彼女の前に立ちはだかる。
文弥は呉内杏を捕縛しようとしたが、彼女は突然消えて逃走を図った。これは彼女の異能である「固有時間加速」によるもので、自分自身の時間を加速する能力だった。文弥は自己加速魔法を使用して彼女を追跡し、捕縛しようとするものの、呉内は再び姿を消し、文弥の魔法攻撃を自動的に反射する異能を持っていたことが明らかになる。文弥は部下に呉内に直接攻撃しないよう命令し、呉内の逃走を阻止しようとする。
一方、十六夜調の自宅では達也と調が対峙し、調は達也の質問に答えつつも、意識を別の場所に向けていた。この間、達也は「眼」を使って文弥と呉内の戦いを観察していた。
呉内杏は十六夜調から受けた古式魔法の効果で追跡者の感覚を逸らせ、一時的に時間を加速させる能力を使って逃走を試みる。しかし、彼女は最終的に文弥に追い付かれ、彼の攻撃を直接反射することで自己防衛する状況に陥る。文弥は呉内に向けて魔法攻撃を試みるが、その魔法が反射されてしまい、自らが痛みを感じる結果となった。文弥はその現象を理解し、魔法の反射を意識して対策を練る。一方で、呉内は内心で進人類戦線の現状と自分の立場について思いを巡らせていた。
深雪と調のやり取りの最中、達也は文弥と呉内杏の戦いを観察していた。文弥は呉内に反射魔法を使わせながら戦い、そのスタミナ切れを狙っていたが、達也は呉内がただの中継点に過ぎず、別の術者が魔法を操作していることに気づく。達也はこの魔法を過去に経験しており、魔法資質の有無に関わらず中継できることを知っていた。達也は呉内に使わせられている反射魔法に興味を持ちつつ、文弥が戦況を打開できないことに気づき、介入を決意する。彼は「呪刻」を対象として「術式解散」魔法を発動し、文弥に「ダイレクト・ペイン」を使用する機会を与えた。文弥は達也の支援を受け、呉内に決定的な一撃を与えた。
一方、調は達也の介入を察知し、自分の術が破られたことに衝撃を受ける。彼は達也が自分の術を軽々と破ったことに戦慄と嫉妬を感じる。調は自身を十六夜家で最も優れた魔法師だと自負していたが、達也によってその自信を根底から揺さぶられた。この出来事は調の心に達也に対する強い敵意を植え付けることとなった。
13
文弥に捕らえられた呉内杏は、四葉家が伊豆半島に設けた拠点に送られた。この施設は、魔法技術を守るための監獄兼要塞として機能している。四葉家は、魔工院の有用性を考慮し、非合法活動から守る必要があると判断した。呉内以外にも飛驒高山で捕らえたメンバーが既に収容されていた。四葉本家では、呉内とその配下の処遇について話し合われ、彼らの一部は四葉家での利用が検討された。残りは、一条家を通じて国防軍に引き渡される予定だ。
進人類戦線の残りのメンバーは、リーダーの呉内が四葉家に捕らえられたと知り、混乱していた。彼らは、四葉家が関与していると断定し、七草真由美を人質に取る計画を立てる。この計画は、彼らが犯罪組織であることを示している。
2100年6月9日、真由美は仕事が長引き、いつもより遅い時間に帰宅途中、ガスによる目眩を感じる。彼女はこれが攻撃であることを察知し、自分を守ろうとするが、意識を失ってしまう。その時、遼介が現れ、真由美を守る。遼介はリアクティブ・アーマーという魔法を使い、進人類戦線のメンバーと戦い、真由美を救う。真由美も、自身の魔法技術で反撃に参加する。敵の一人が遼介に鎖を巻き付けるが、遼介はそれを振り払い、最終的には真由美と共に敵を撃退する。戦いの後、二人は無事であることを確認し合う。遼介は真由美の強さに感心し、二人はお互いに感謝の意を示す。
真由美が進人類戦線に襲われた事件は魔工院の社宅の監視カメラで記録され、四葉家の東京本部でリアルタイムで視聴されていた。その映像を見た四葉家の人々は、進人類戦線のメンバーが警察に引き渡されること、そして真由美と遼介が事件に巻き込まれた経緯を話し合っていた。文弥は撤収の指揮を執り、警察が到着する前に現場から離れる。真由美と遼介は警察で事情聴取を受けた後、解放される。真由美は遼介をディナーに誘い、二人は一緒に外食を楽しむ。
一方、達也は四葉家のVIP用レストランで他の四葉家のメンバーと食事をしており、進人類戦線の事件について話し合う。達也は遼介をレナ・フェール宛の使者として使う計画について説明し、リーナは遼介の監視役を担うことになる。達也はこの配役について、ソサエティとFEHRの提携が互いの利益になるためだと説明する。食事中、彼らは事件の顛末やそれに関わる計画について意見を交わし、楽しい雰囲気の中でディナーを終える。
14
遼介は警察署に呼び出され、深見快宥と会う。深見は進人類戦線のサブリーダーで、「二」の数字落ちだと判明している。深見は遼介に、社会への絶望や行動を起こさなかった理由を問いただす。遼介は、彼が大切に思う人物の意向を尊重するため、犯罪の手段を選ばなかったと答える。深見は、それを聞いてもがきながらも、遼介を非難し、二度と会うことはないだろうと言い残す。
翌日、達也は将輝を晩餐に招き、真由美が進人類戦線に襲われた件と進人類戦線リーダーの身柄を一条家に引き渡す交渉について話す。真由美は、四葉家からのけじめとして、進人類戦線リーダーの身柄の引き渡しを受け入れることを了承する。これにより、達也は真夜から命じられたミッションを完遂し、進人類戦線のリーダーは無事一条家に引き渡された。
一条家は進人類戦線のリーダー、呉内杏の身柄を四葉家から引き取った後、国防軍に引き渡した。国防軍では呉内が飛驒高山の襲撃に直接関与した証拠を見つけられず、彼女の身分が文民であるため軍法会議での裁判もできなかった。そのため、憲兵隊は彼女を警察に引き渡したが、警察も直接的な関与を立証できず、彼女を釈放して秘密裏に監視することにした。呉内杏は釈放されたその日に警察の監視を逃れ、行方をくらました。
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ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)ED
佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED同シリーズ
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー
新魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち
魔法科高校の劣等生
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四葉継承編
師族会議編
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