簡単な感想
国民には当たり前にある海外渡航の自由。
でも、魔法師には自粛を要請させられる。
それを牽制する意味も込めて、達也はマテリアル・バーストの新たな利用方法を世界中に見せつけた。
そんな裏の事情をやりながら、表のキャンパスライフでは達也と深雪を中心に拗れていた恋愛模様に変化が見えて来た。
どんな本?
「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー」は、佐島勤 氏によるライトノベルシリーズで、司波達也の新たな物語を描かれてる。
達也は一般社団法人『メイジアン・カンパニー』の専務理事に就任し、その組織の目的は、魔法適性はあるものの実用レベルに至らない存在、メイジアンの人権保護の実現。
達也は魔法師が兵器ではなく人間として生活できる新時代へ向け、大学生ながら、確実に歩みを進めている。
彼の影響力は世界中から注目され、魔法師の結社「FEHR」から刺客が送り込まれるなど、新たな騒動が起こる。
読んだ本のタイトル
#続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー (3)
著者:佐島勤 氏
イラスト:石田可奈 氏
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あらすじ・内容
FEHRとの提携交渉のためUSNAへ向かう真由美と遼介。優秀な魔法師の海外流出を防ぐために海外渡航が自粛されている中での渡航。自粛を要請している国防軍への挑発行為と受け取った情報部は、国を牛耳る陰の組織、元老院へ助力を求める。
しかし、国内に残る達也にも策はある。魔法師の自由を確立するため、魔法の存在意義を示すため、達也が持つ最強魔法、マテリアル・バーストが放たれる――。
一方、魔法大学のキャンパスでは普段と違う空気が流れていた。リーナが渡米しているため深雪の護衛として達也がそばにいることが増える。そのことにやきもきする、とある男女の姿が……。
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(3)
感想
FEHRとの提携交渉のためメイジアンカンパニーとして3人がUSNAに出張するのは、軍から遺伝子流出のリスクがあるから渡航するなと横槍が入る。
軍事力の流出を恐れる軍部、個人として渡航の自由を制限される事に不満を持つ魔法師達。
それが元老院を巻き込んで軍部は真由美の実家、七草家へ圧力を掛けるが、七草家当主が跳ねつけてしまった。
さらに達也は地球接近への発見が遅れた、不揮発性のタールのような物に覆われており尾を引かない彗星をサードアイで観測してマテリアル・バーストを発射して、半分蒸発させて、地球への軌道を外してしまう。
マテリアル・バーストを地球を護るために使用出来る事を世界に知らしめる。
反対に言うと、観測できれば何処でも蒸発させる事が出来る、、
そんな魔法師達のパフォーマンスに対しての報復として軍部は、渡航の命令を出した達也の関係者の女性に呪術を飛ばす依頼を裏の家業をする連中に出す。
それを九重八雲経由で知った達也は、警戒を幹比古に依頼する。
結果、エリカと美月に呪術が飛んで来たが警戒していた幹比古が防ぐ。
そんな裏でのゴタゴタの決着は、軍の部長が1人亡くなる事で決着が付くのだが、、
組織として理不尽を感じてしまう、、
え?彼が詰め腹を切らされるの??
経緯はともかく結果として軍と元老院の板挟みで殺されてるのが気の毒な気がしてくる。
そして、表の学生生活の話では一条とほのかの内面に変化が出て来た。
2人とも実らない恋に疲れていたんだな、、
そりゃそうだよな。
昔の感覚なら、ほのかはまだ可能性は有ったけど今は法律的には無理だもんな。
それでも日影者になるからな、、
達也自身も四葉家当主の伴侶、メイジアン・ソサエティーの副会長など地位が上がって来てる事に距離を感じてしまってるのもあるんだろうな、、
だけど、そんなほのかに恋慕を募らせ鍔迫り合いするのが七宝ってのがまた良いw
此処で出て来たか!w
そんな状況を言葉少なく裏で操る雫も中々に悪女よのぅ〜
ほのかは新たな一歩を踏み出せるのだろうか?
一条は家の繋がりで婚約者を決められそうになるのだが、、
其処に中国から亡命して来た戦略級魔法師、劉が一条の嫁候補に立候補する。
此方も目が離せないww
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備忘録
1
FEHRは、魔法師の人権を守ることを目的とした政治結社で、本拠地はUSNA旧カナダ領バンクーバーにある。
2100年6月、FEHR本部では、リーダーのレナ・フェールが部下のルイ・ルーの怪我について静かに心配する一幕があった。
ルイは怪我を軽く見せるが、レナとシャーロット・ギャグノンは懸念を抱く。
ルイとレナは長年の同志であり、ルイはレナに対して特別な責任感を持っている。
レナはルイに、FAIRという組織が魔法師にとって悪影響を及ぼす活動をしているか監視するよう命じていた。
ルイの報告によると、FAIRはシャスタ山で何かを計画しており、ルイはその調査中に怪我をした。
レナはFAIRの動向に懸念を示し、彼らが魔法師社会に悪影響を及ぼす可能性があることから、行動を起こす必要があると考える。
シャーロットは、魔法師でないプロの私立探偵を雇うことを提案し、レナもこれに賛成する。
彼らは、魔法に頼らない専門家の方が安全に監視できると考え、シャーロットに探偵事務所への依頼を出すことを決める。
この決定は、FEHRが直面している問題に対処するための慎重なアプローチを示している。
2
六月十五日、東京の特定されていない場所で、国防陸軍情報部の幹部たちが非公式の秘密会議を開いた。
この集まりは、緊急事態にのみ開催されるもので、国内で外国の武装勢力による侵入や破壊工作が観測されていないにも関わらず、比較的些細な問題に対応するために呼び出された。
会議の主催者は、防諜十課の前課長である副部長の犬飼が務めた。
会議では、七草家の長女がUSNA大使館にビザを申請し、政治団体訪問のためバンクーバーへの渡米を計画していることが議題となった。
同行する遠上遼介についても言及され、彼が魔法師の海外渡航に関連する潜在的な問題を示す事例として取り上げられた。
この行動は、国防軍や政府への相談を一切せずに行われる予定であり、特に魔法師の渡米は国防の観点から多くの問題を含むため、懸念された。
この件には、四葉家とも関連があるとされ、七草家が政府の方針に逆らっている背景には、元老院という存在が影響している可能性が示唆された。
恩田課長は、元老院の意向を確認すること、そして元老院の中で異なる意見を持つ人物から支持を得ることを提案した。
また、西苑寺元陸軍大将を防衛大臣に推挙する案が出され、これが適切な行動方針として採用された。
最終的には、七草家の当主に娘の渡米を止めさせるべきだという意見が出され、この提案は賛同を得た。
防衛大臣には、その役割を果たすことが期待され、会議は具体的な行動計画の下で終了した。
陸軍情報部の指示の下、防衛大臣の古沢は、七草家当主の七草弘一を大臣室に呼び出し、娘の海外渡航を自粛するよう要求した。
しかし、弘一は法律に基づく移動の自由を引き合いに出し、魔法師としての権利を主張し、古沢の要求を拒絶した。
古沢は魔法師の海外渡航に潜在的な問題があると主張したが、具体的なリスクを示せず、弘一に論破された。
その夜、弘一は四葉達也と会い、魔法師の経済的自立と国外市場へのアクセスの重要性について話し合った。
二人は魔法師の海外進出が経済的自立の突破口になる可能性を認識し、共通する利害に基づき協力することに同意した。
弘一は政府への依存を強めるために魔法師を国内に留める動機があると指摘し、達也との間で利害の一致を見出した。
二人は過去の蟠りを抱えているが、共通の目標に向けて協力することを選んだ。
陸軍情報部副部長の犬飼と西苑寺退役大将は、元老院の一人、樫和主鷹と会うために高級ホテルを訪れた。
樫和との会話から、魔法師の海外渡航に関する元老院のスタンスは個別に許可も禁止もしないが、樫和自身は、特定の若者たちへの肩入れが過剰ではないかと感じていることが明らかになった。
樫和は、犬飼に対して適任者を紹介すると提案した。
一方、達也は自宅でリーナと渡米の準備について話し合っていた。リーナは秘密裏に渡米し、現地での妨害活動に対抗する予定だった。
リーナの渡米は、軍の輸送機を利用し、米軍とのつながりを活用して円滑に進める計画であった。
深雪とリーナは、政府や国防軍からの干渉について達也と話し合い、達也はマテリアル・バーストを使ったデモンストレーションを考えていることを明かした。
このデモンストレーションは、魔法師の自由を制限することへの反対意見を示し、魔法師の真の能力と役割を理解させるために実施される予定だった。
達也は、デモンストレーションの標的が地球ではなく宇宙になると説明し、魔法師の自由を守るための行動を計画していたことが示された。
達也はメイジアン・カンパニーの執務室で、デモンストレーションの下準備として藤林を呼び出し、報告を受けていた。
藤林は退役軍人であり、電子通信の専門家として活動しており、デモンストレーションに必要なデータ回線の準備を完了していると達也に報告した。
達也は藤林の努力を褒め称えた。
その後、達也は藤林が兵庫と共に展示会に行ったことに言及し、彼女が動揺する中で、その目的が仕事関連であることを強調した。
藤林は達也に、展示会への訪問が純粋に仕事のためだったことを説明し、彼らの間に恋愛関係はないことを強く主張した。
3
十八日の金曜日の深夜、達也は八雲からの呼び出しを受け、九重寺を訪れた。
過去に真剣勝負をした経緯があるが、現在は稽古をする仲である。
八雲からの呼び出しは珍しく、達也は何か重大な事態が発生していると感じた。
八雲は比叡山の一員であり、坊主であると同時に忍びの一面も持つ。
今回、比叡山に関連する深刻な問題が生じ、達也に協力を求めていた。
問題の核心は、比叡山のある弟弟子がとんでもない仕事の依頼を受けたことにある。
この依頼は元老院四大老の一人、樫和主鷹からのものであり、達也とその友人たちに呪詛を掛ける内容だった。
依頼の目的は殺害ではなく、精気を奪い衰弱させることにある。達也はこの事態に対処するため、対応策を模索し始める。
翌日、達也は魔法大学に向かい、重要な話があるとして幹比古を呼び出した。
幹比古と会話している最中に、エリカも現れ、達也は彼女にも関わる話であることを伝え、三人で話し合うことにした。
この状況から達也は、陸軍情報部の依頼を受けた呪詛の問題を解決するための手がかりを探していることが明らかになる。
達也は幹比古とエリカを未確認魔法研究会のサークル室に連れて行き、陸軍情報部が元凶である呪詛の計画について説明した。
この計画の背後には元老院の樫和主鷹の支持があると伝えた。幹比古はこの呪術師を「都落ち」と呼び、達也もこの呼称を使うことにした。
達也は女性が狙われる可能性が高いと考え、幹比古とエリカを特に警戒させた。
彼らはその後、保護策を話し合った。
その後、達也は黒羽家の文弥と亜夜子に連絡し、彼らに十六夜調の監視を依頼した。
この依頼は比叡山の呪術僧が陸軍情報部の依頼を受けた呪詛に関連している。
達也は十六夜調が実際に呪詛に関わっているかどうかを確認し、それによって樫和主鷹がどれほど本気で達也に報復しようとしているのかを判断したいと考えている。
文弥と亜夜子はこの依頼を受け入れ、監視チームの手配を進めることにした。
4
真由美と遼介の渡米手続きについて、国防軍内では意見が分かれていた。
習志野基地の独立魔装連隊では、情報部の妨害工作とは対照的に、新任曹長である渡辺摩利が連隊司令官から民間人の護衛任務を命じられた。
摩利は当初、千葉修次とともに別の部隊への配属を希望していたが、独立魔装連隊に配属され、今回の任務を受けた。
摩利が任務内容を聞いた際、護衛対象が真由美であることを知り、なぜ自分のような新米が選ばれたのか疑問に感じた。
しかし、連隊司令官は、魔法師の海外渡航にはリスクがあるものの、魔法師の出国を法令で制限してはならないと説明し、国民を守ることが軍の使命であると強調した。
摩利は任務の重要性を理解し、護衛を引き受けた。
真由美は、渡米が謀略の火種になっていることを知らされておらず、単に海外出張の準備に専念していた。
彼女は摩利から護衛任務について聞かされ、当初は疑問に思ったが、摩利の説明を聞いて前向きに受け入れることにした。
摩利の職場の良さや、軍人としての心構えを褒め称え、護衛を快く受け入れた。
5
達也は、四葉家東京本部の応接室で、藤林大門から報告を受けていた。
大門は、独立魔装連隊の渡辺摩利曹長が七草真由美の渡米中の護衛を命じられ、その許可を得るために七草邸を訪問したと報告した。
達也は、七草真由美の護衛を風間大佐が支持しているのか確認しようとしたが、風間大佐の諜報技術を考慮し、調査を中止した。
その後、藤林響子が訪れ、彗星の最新データについて達也に報告した。
彗星は地球に非常に近い距離を通過する予定であり、万が一破片が地球に落下すれば大惨事になる可能性があった。
しかし、この情報はまだ公表されておらず、達也は彗星を観測し、そのデータを確認するために、深雪とリーナを伴って巳焼島の仮想衛星エレベーターを使用し、宇宙ステーション「高千穂」へと向かった。
「高千穂」に到着後、達也は彗星の正確な位置と情報を確認し、直接宇宙空間に出て彗星をエレメンタル・サイトで視認することに成功した。
これにより、達也は彗星の情報体をいつでも観測可能になり、デモンストレーションの準備が整った。
達也は、光宣による疑似瞬間移動で地上に戻り、深雪とリーナと合流した。彼は、ターゲット彗星に情報的なマーキングを施し、高千穂から帰還した。
翌日、四葉家が所有する巳焼島のビル群の一つである指令室にて、達也、深雪、リーナ、藤林響子が集まり、達也が送信するメッセージの準備を行った。
このメッセージは防衛省に送られ、混乱を引き起こした。達也のメッセージは、彗星の観測を促す内容だったが、彼の真意は深いものがあった。
達也は、マテリアル・バーストの本来の用途を自ら定義し、天体衝突災害防止を目的とした使用を提案した。
これは、大規模な隕石や小惑星、彗星が地球に衝突し、大災害を引き起こすことを防ぐためである。
彼は、メイジアンとマジョリティの協力を通じて、この問題の解決を目指している。深雪とリーナは、達也の考えに理解と賛同を示した。
6
達也は、巳焼島の四葉家ビルの最上階で、マテリアル・バースト専用CAD「サード・アイ Ⅱ」を使用してターゲット彗星を狙撃した。
彼はCADを構え、黄緯六十一度、黄経百二十二度に照準を合わせ、エレメンタル・サイトで彗星を視認し、その位置を微調整した。
午前三時四十三分にマテリアル・バーストを発動し、平均直径二十キロメートルの彗星の一部を純粋なエネルギーに変換した。
これにより彗星は爆発し、その反作用で軌道が大きく変わり、砕け散った破片が吹き飛ばされた。
防衛省では、幹部たちがリアルタイムの星空を観測し、達也の予告通りの現象を待っていたが、午前四時に何も起こらなかったように見えた。
しかし、達也たちは指令室で結果を待ち、ターゲット彗星の崩壊と破片の軌道変更を確認した。
彗星の崩壊は、氷の大半が蒸発したためと推測された。達也は成功を確認し、口元を緩めて満足の表情を見せた。
統合軍令部長が、軌道未確定の彗星が高熱により崩壊したことについて疑問を呈した。
この事件について、司波達也が戦略級魔法で彗星を太陽系外に吹き飛ばした可能性が最も高いと考えられた。達也はその後、仮眠を取り、深雪と一緒に朝を迎えた。
午前十一時に参謀本部長への直通回線に電話し、その夜の実験について説明した。達也は、天体衝突災害防止の実証実験であり、魔法技術と科学技術の連携の有効性を示すためのものだと述べた。
彼は魔法が人類社会の繁栄と存続に役立つためには、魔法師が自由に移動できるようになる必要があると主張し、将来的に魔法師に対する出国制限などが無いことを望んだ。
翌日、防衛省では緊急幹部会議が開かれ、達也との電話会談の内容が開示された。
会議では、魔法師との協力関係が重要であるとの意見が共有され、真由美と遼介に対する渡米妨害工作が事実上取り消された。
これは古沢防衛大臣の発言によるもので、彼は魔法師の出国制限に関する法令が存在しないことを指摘した。
7
達也たちは調布のマンションに帰宅し、重要な仕事が一段落した後、文弥と亜夜子からの訪問を受けた。
四葉家の最上階自宅にあるレストランで会い、文弥が十六夜調の監視をしていること、その監視を続けることを決めた。
また、陸軍情報部による達也の関係者への呪詛攻撃計画が、防衛大臣の命令で中止された。
この命令は、防衛大臣が元老院の存在を知らないために出された。
陸軍情報部副部長の犬飼は、作戦の中止により元老院の一員である樫和からの反応を危惧し、彼に謝罪を試みたが、樫和はこの件について心配する必要はないと述べた。
一方、幹比古は吉田家で美月とエリカを保護しており、彼女たちへの呪詛攻撃を察知し、防御魔法を行使して呪術師を退けた。
国立魔法大学キャンパスで、深雪とリーナがエリカから、彼女と美月が呪術攻撃を受けたことを知らされる。
深雪は達也にこの情報を伝え、達也は兵庫を呼び出して対応策を話し合う。
達也は藤林大門に陸軍情報部副部長の犬飼への警告を命じる。
大門が犬飼のマンションに忍び込んだ際、犬飼が死亡しているのを発見し、そこで独立魔装連隊の柳少佐と遭遇するが、戦闘は避けられる。
柳少佐からは国防軍の暴走に関する風間大佐のメッセージが達也に伝えられる。
これにより、真由美と遼介の渡米が可能になり、リーナも輸送機で基地を離陸する。
この出来事は魔法師の出国制限に対する変化の始まりを告げるが、その影響が広く認知されるのはまだ先のことである。
偽装恋愛
西暦2100年6月28日、達也が深雪と共に魔法大学に登校する。これはリーナが不在であるための珍しい光景であった。
リーナは日本に帰化し、達也の不在時に深雪の側にいることが多かった。
深雪とリーナの関係は特別であり、リーナは深雪のボディガードとして、また友人として、彼女の側にいた。
リーナの生活保障は、彼女が深雪の側にいることの対価として四葉家から提供されていた。
ある日、達也と深雪が外でランチを取るために学外へ出かける途中で、一条将輝と吉祥寺真紅郎に遭遇する。一条は深雪とランチに誘うが、達也が辞退する。
将輝はリーナの帰国について達也に問い合わせるが、達也はリーナが国内にいると答え、リーナの渡米に関する噂は誤解から生じたものであると説明する。
将輝がリーナの帰国を心配する様子を見せるも、達也は深雪の側から離れない意向を示す。
この出来事は、達也、深雪、リーナの間にある特別な絆や、将輝の彼らに対する気持ちを反映している。
将輝はリーナの帰国を心配し、達也と深雪の関係に複雑な感情を抱いている様子が描かれる。
東山研究室が入っている基礎魔法学部棟の昇降口で、鶴画黄里恵が一条将輝を待っていた。
黄里恵と将輝は再従兄妹にあたり、古い家系の背景を持つが、二人の間に直接の血のつながりはない。
黄里恵は将輝を待ち伏せしたわけではなく、「何となく」感じて待っていたという。将輝は黄里恵を喫茶店に連れて行き、飲み物を奢る。
黄里恵は将輝に対して特に用事があるわけではなく、ただ彼の近くにいたいという気持ちを持っているようだった。
その後、一条将輝は講義中に深雪の隣に座る機会があり、深雪が達也と一緒ではないかと尋ねる。
深雪は、将輝が隣に座って以降、彼から特定の視線を感じることがあったと語る。
その視線は、絵画や彫刻を鑑賞する際のようなもので、深雪は「見ているだけで満足」しているような気がすると表現する。
この話を聞いた達也は、将輝の行動に対して何か引っかかりを感じるが、すぐにはその理由を深雪に明かさない。
深雪は、将輝の態度が過去の婚約介入の意図とは異なることに戸惑いを感じており、達也も将輝の行動が訳が分からないと感じている。
達也は深雪が将輝に対してどう接すれば良いか分からないと悩んでいることに気付き、放置するわけにはいかないと考える。
魔法大学の土曜日、講義終了後の正午過ぎに達也と深雪はランチのため北門へ向かっていた。そこで一条将輝とその女子学生グループと偶然出会う。
将輝は深雀にランチに誘うが、達也と深雪は既に予定があったため断る。
その場を去った後、吉祥寺真紅郎は将輝に二人だけで話がしたいと言い出し、二人は学食へ向かう。
学食で吉祥寺は遮音フィールドを展開し、将輝の近頃の行動について真剣に問いただす。
吉祥寺は、将輝が最近おかしいと指摘し、特に深雪に対する態度が変わったことについて話す。
将輝がおかしくなったのは、鶴画黄里恵が大学に入学してからだと吉祥寺は言い、将輝のナンパに見える振る舞いが、実は彼の内面の変化を反映していると語る。
吉祥寺は将輝に、深雪に対する一方的な好意を続けることは将輝にも深雪にも失礼だと助言し、そのような行動を止めるよう促す。
将輝は吉祥寺の言葉を受け入れ、その行動の理由については語らないが、考え直すことを約束する。
七月三日の土曜日の夜、一条家の長女である茜が受け取ったメールにより、吉祥寺真紅郎との電話で一条将輝と鶴画黄里恵の間の関係について語り合った。
茜は一色家と鶴画家が将輝と黄里恵を結婚させようとしていることを明かし、一色家と鶴画家の間では優秀な魔法師が生まれやすいという遺伝的相性の良さを説明した。
吉祥寺は将輝と黄里恵が祖父同士が一色家先代を介した義理の兄弟であること、そして黄里恵には一色家の遺伝子が入っていないことを知る。
茜は黄里恵が将輝のことを好きであると推測し、将輝の求婚が四葉家に正式に回答されていないため、形式上は未決状態であることを話した。
この情報を基に、吉祥寺は将輝と黄里恵の問題について考え、茜に感謝しつつ将輝と黄里恵のことをよろしく頼むと約束した。
吉祥寺真紅郎は一条将輝を魔法大学に呼び出し、鶴画黄里恵との関係について話し合った。吉祥寺は、将輝が黄里恵との結婚を避けるためにナンパな態度を取っていると指摘した。
将輝は、自分が黄里恵を嫌っているわけではなく、家族や一色家が結婚を強く望んでいるため、黄里恵を思わせぶりに扱うのは残酷だと感じていると語った。
さらに、将輝は黄里恵を思いやるがゆえに、自分が嫌われるように行動していたことを吉祥寺に明かした。
その会話中に黄里恵が現れ、将輝に対して本当の気持ちを告白した。黄里恵は、家族の影響もあるが、将輝への恋愛感情は自分自身のものであると強調した。
この突然の告白に将輝は戸惑いつつも、黄里恵の真摯な気持ちを受け止める様子を見せた。最終的に吉祥寺は二人に話し合いの時間を与え、その場を去った。
七月四日、魔法大学付近の喫茶店にて、一条将輝は鶴画黄里恵と話し合う。将輝は黄里恵の前に立ち、緊張と暑さで思考がまとまらない中、二人は涼しい場所で話すことに決める。
喫茶店で、黄里恵は将輝に対し自分の感情を正直に告白し、試しに恋人同士としての関係を持つことを提案する。
しかし、将輝が答えようとした瞬間、一条家の養子である劉麗蕾が現れ、将輝に対して真剣なお付き合いを申し込む。
この提案は、将輝だけでなく、黄里恵との間で緊張感を生む。
突然の展開に将輝は混乱し、吉祥寺真紅郎の提案で話は一旦保留となり、将輝は店を後にする。このシーンは、将輝、黄里恵、劉麗蕾の間の複雑な感情や関係を示している。
七月五日、魔法大学のキャンパスで、深雪の隣にはリーナがいた。
通常、深雪の隣には達也がいるが、この日は異なっていた。
その時、女子学生に囲まれた一条将輝が登場する。
リーナは警戒するが、将輝は深雪にのみ挨拶をして、いつものような軽薄なセリフを言わずに去っていく。
リーナが深雪に将輝の様子を尋ねると、深雪は何か進展があったかもしれないと返答する。深雪は将輝と彼の側にいる下級生の距離が近くなっていることに気付く。
失恋
魔法大学二年生の七宝琢磨は、三年前に女優小和村真紀と将来彼女の願いを叶える約束を交わす。
この約束は、反魔法主義が高まる中、マスコミの力を借りるためであった。
一年前、真紀からその約束の履行を求められ、琢磨は真紀が差し出す契約書にサインし、彼女の依頼を完遂する。
依頼は映画の主演男優として出演することであり、琢磨は役者としてのスキルを特訓し、映画の撮影に参加する。映画は約半年後に公開予定である。
キャンパスに戻った琢磨は友人の千川と再会し、最近の出来事について話を交わす。
千川から、学内での新たな噂や、ほのかに言い寄る男・酉位真友の存在を聞かされる。
琢磨はかつて、ほのかに対して不適切な行動を取った過去があり、それ以来、ほのかへの正直な感情を抱えつつも、距離を置いていた。
しかし、酉位真友の現れにより、自分のほのかへの感情と向き合うことを決意する。
午前の講義が終わった後、ほのかは急いで立ち去ろうとするが、雫は彼女が急いでいる理由を知っており、注意を促す。
その後、雫は琢磨から声をかけられる。
琢磨は魔法法学を専攻しているため、彼女にとっては珍しい訪問者ではなかった。琢磨はほのかに関する相談を持ちかけ、二人は話をするために自動運転の車に乗り込む。
車内で琢磨は過去に雫に「最低」と言われたことを振り返り、現在のほのかへのアプローチが適切かどうかを相談する。
雫はほのかの友人として彼の感情に口出しする立場ではないと言いつつも、琢磨に自身の感情を探るよう助言する。
ランチタイムには、琢磨がほのか、達也、深雪が座るテーブルに近づき、一緒に食事をしようと提案するが、雫が来る予定であるため、彼は断られる。
この断られ方を通じて、琢磨はほのかに対するさりげないアプローチを試み、その日のランチタイムや講義の合間、終了後も繰り返しほのかへの接近を試みる。
魔法大学でのランチタイムに、琢磨はほのかを見つけ、彼女に声を掛けようとした時、別の男子学生である酉位真友もほのかに声をかける。
琢磨は酉位とほのかの間に割って入り、ほのかをランチに誘う。
その場に後から到着した雫は、三人の間に起こっている微妙な緊張を解消する。
その後、ほのかと雫は北山邸でゼミのレポート作成中にティーブレイクを取り、ほのかが最近の自身の振る舞いについて雫と話し合う。
ほのかは、自分が達也に恋をしていると思っていたが、その感情が恋愛感情ではなくなっていたこと、そして達也に正式に振ってもらいたいという願望があることを認める。
雫はほのかに対して、直接達也に自分の感情と願望を正直に伝えることを提案する。
ほのかはその提案に同意し、月曜日に達也に自分の思いを伝えることを決意する。
二一〇〇年七月五日、月曜日に魔法大学に登校した深雪の隣にリーナがいた。
正門で達也を待っていたほのかと雫は、深雪とリーナを見送った後、ため息を吐いた。
その場に七宝琢磨と酉位真友が現れ、ほのかに声を掛けた。
雫はほのかに、達也が大学に来るまでの間、後輩たちを振り回す「悪女プレイ」を楽しむことを提案するが、ほのかはそのアイデアを面倒臭いと拒否する。
しかし、琢磨と真友に愛想よく挨拶するほのかの様子から、雫はほのかに悪女の素質があると心の中で呟く。
一方で、雫自身もほのかの恋愛事情に対して複雑な心境を抱えており、琢磨と真友をほのかの気晴らし相手として見る自分に気づく。
本編エピローグ
七月五日月曜日、USNAから帰国した真由美と遼介は、魔法工業技術専門学院に出勤し、渡米の成果を達也に報告する任務があった。
達也との報告会では、FEHRの代表であるミズ・レナ・フェールが達也との話し合いを望んでいること、そして一高でカウンセラーを務めていた小野遥先生がシアトルの探偵事務所で働いており、FEHRの依頼を受けていることが報告された。
達也はこれらの情報に対し、詳細を確認する意向を示した。
リーナも帰国後、魔法大学に登校しており、キャンパス内で起きた変化や友人の心境の変化について話し合っていた。
その後、遼介は達也に再び理事室を訪れ、二人だけの面談を求めた。
遼介の隣にはアストラルプロジェクションによるレナ・フェールの虚像が現れ、彼女は達也にFEHRが直面している困難について協力を求めた。
達也はレナの話を聞くことにし、彼女が語るUSNAで起きている事態について詳しく聞き入れた。
アニメ
PV
OP
ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)ED
佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED同シリーズ
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー
新魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち
魔法科高校の劣等生
漫画版
四葉継承編
師族会議編
エスケープ編
その他フィクション
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