どんな本?
「陰の実力者になりたくて!」は、逢沢大介 氏による日本の小説。
異世界ファンタジーとコメディの要素を持ち、主人公のㇱドが、ヒーローではなく、陰で世界を牛耳る様な「陰の実力者」に憧れているというストーリー。
小説版は、小説家になろうにて2018年1月から掲載され、書籍版はエンターブレイン(KADOKAWA)より2018年11月から刊行。
また、漫画版やアニメ版も制作されている。
特徴は、ストーリー展開がメチャクチャ飛びまくる。
どうやら読者にアンケートして面白い展開を決めてたらしい。
だから展開が予想の斜め上や下に行くからメチャクチャに感じてしまう。
そして、それが面白い。
小説版3巻の後約2年間新刊が出てなかったが。、
アニメ化発表と同時に4巻を発売したのが21年3月くらい。
アニメ1期放映中(2022年12月28日)に5巻を発売。
そして、アニメ2期放映中(2023年10月30日)に6巻を発売。
小説家になろうの分は既に超えており。
いつエタるか判らない。
止まらないでください!!!
アニメ1期(全20話)は1,2巻分が大好評。
小説3巻、4巻部分を2期(全12話)で放送すると思われる。
読んだ本のタイトル
#陰の実力者になりたくて ! 05
著者: #逢沢大介 氏
イラスト: #東西 氏
あらすじ・内容
「陰よ――喰らいつくせ」 シリーズ累計200万部突破!!
陰の実力者になりたくて! 05
平穏なはずのミドガル魔剣士学園に突如、巨大な闇が迫る……。
生徒が次々と行方不明に!?
そして、シドの姉・クレアまでもが姿を消して……。
調査に乗り出す、七陰のひとり・ゼータ。
そしてシドは、アレクシアと共にクレアの自室に乗り込み……。
「こ、これは……ッ」
見た瞬間に、察してしまった。
古代文字、カッコいい魔法陣、意味ありそうで全く意味のない呪文。
「これは、中二病黒歴史ノートだ……!」
TVアニメ大好評放送中!
主人公最強×圧倒的中二病×勘違いシリアスコメディ!?
感想
5巻の新キャラは闇の眷属、七陰のゼータとイータ。
これで七陰が揃った。
ゼータは金豹族の獣人だがシャドー(シド)には猫獣人だと思われている。
スパイプレイをしてると思われており何気に気の毒な感じで、、
シャドーに対しての忠誠はチョット分かりづらい。
ただ、狼獣人のデルタと仲が悪くシャドーに献上したアジを食べられた事に腹を立てて乱闘してしまう。
なかなかに重い過去もある。
そのせいか、シャドー(シド)を神にして神の世界を構築しようと暗躍。
イータはエルフの少女で研究職。
ベータが持ち帰った地球の電子機器を解析していたが、ゲートを潜るった時に電磁波を浴びたらしく全ての機器が破損していた。
現地から誘拐したアカネはベータが話し相手になっているらしい。
お巡りさーーーん!!
ちなみに、イータはシャドーとの絡みは無し。
この巻では、シドの姉クレアとアレクシアがガッツリ生徒行方不明事件に関わってしまう。
だけどクレアの久しぶりの登場は、シドを拘束するために首輪を持ってるというのがなかなかにバイオレンスw
最初はクレアがアウロラと話をしようとしていたら、ディアボロス教団に誘拐されてしまう。
だが、、クレアはアウロラのサポートを受けて教団には拘束されなかった。
さらに七陰のゼータも後を尾行しており彼女の危機に備えていた。
それで、ディアボロス教団のネームドチルドレンの「暗黒微笑」がクレアを拘束しようと現れたらゼータがアッサリと倒し。
クレアを異空間から救出するのだが、、、
出てくる所がシドがテストを受けてる教室ってのが、、
シドもドサクサにカンニングするなよw
でも、ジャガとヒョロのモブ具合が本当にいい感じ。
悪い事するくらいなら勉強しろよww
本気を出してたんじゃないのか?ww
そんなテスト中に突然教室に現れたクレアの右手には紋章があり、それが疼くとたまに言ったり。
宙に向かって独り言を言ったりしてるから、弟のシドから厨二病だと思われてしまっている。
その夜、シドが何気なく夜に散歩をしていると「暗黒微笑」の後任の「闇蜘蛛」がいた。
そして目撃者のㇱドを殺そうとしたら返り討ちに遭い、勢い余って銅像の掲げている剣に串刺しにされてしまう。
その事件が王都の騎士団の捜査を錯綜させてしまう。
そんな時にクレアはアレクシアと組んで色々と探っていたのだが、、
彼女達を狙ってディアボロス教団が学園でテロを起こす。
多くの生徒を霧で攫い魔力を吸収する首輪を付けて魔力を吸収。
魔力を吸い尽くしたら首輪が爆発して首から落ちる。
悪趣味な、、
そんな状況下でシドは、モブプレーを敢行する。
シドの同級生で、モブ仲間で今回の騒動で呆気なく亡くなってしまったスズーキくんに扮する。
そして、他の学生達と行動を共にするのだが、、
スズーキくんの株がストップ高www
結局は、シャドーの変装だとバラしてスズーキくんは亡くなっていると教えるからアレだけど。
シリアスなんだけど、シドが中二病の遊び感覚でやってるから緊張感のギャップが面白い。
ところで、、
アカネは元気なんだろうか?
もしかして、数巻後じゃないと出ないのか?
そもそも続巻は出るのか?
エタらなければ良いな、、、
最後までお読み頂きありがとうございます。
アニメ PV
そして、アニメ2期制作決定
2023年10月から放送開始!!!
同シリーズ
陰の実力者になりたくて! シリーズ
小説版
漫画版
その他フィクション
陰の実力者になりたくて グッズ(Amazon)
備忘録
序章
ミドガル魔剣士学園の三学期始業式が終わり、シドは仲間たちと再会した。
シドの冬休みはオリアナ王国での王位継承戦と日本帰還で事件が多く発生し、楽しいイベントが盛り沢山だった。しかし、彼の不在で友人たちはシドの姉によって厳しく問い詰められることになった。
その間、ローズ元会長がオリアナ王国の女王になり、彼女が悪の道に堕ちたという風説が広まっていた。
この事実は、シドが裏で影響力を行使していたこととは誰も知らない。
さらに、学園では生徒が行方不明になる事件が発生し、陰謀論が流れていた。
その後、ヒョロ、ジャガ、シドは始業式後にトランプで遊ぶことを計画し、シドは彼らから「授業料」を巻き上げることを楽しみにしていた。
ポーカーはシドの部屋で行われた。ジャガは全財産を失い、ヒョロもほぼすべてのチップを賭けた。
ヒョロは罠に嵌められ、彼の手札に敗れた。
シドは絶望中の二人から金を回収し、廊下に蹴り出した。
その後、小さな声で応じる少女が現れた。
彼女は漆黒のボディスーツを着た猫の獣人で、彼に干した魚をおみやげとして渡した。
二人はディアボロス教団の動きや右腕の復活などの進展について話し合い、未来を見極めることにした。
夜が更けると、彼女は夜の闇に消えていったが、金色の尻尾でベッドにマーキングをしていったことをシドは見逃さなかった。
クレア・カゲノーは女子寮の自室で頰を膨らませ、シドとの約束違反に憤っている。
彼女は鋼の首輪を弄りながら、次にシドを帰省に引きずっていくと決心している。
しかし、首輪を落とした際に、右手が疼き始める。
これは以前、魔法陣が刻まれた日から時折起こる症状である。
彼女は資料を引き出しから取り出し、自身の右手に刻まれた魔法陣がディアボロスのものと酷似していることを発見する。
その後、部屋が割れて新たな世界が現れ、不思議な白い霧が漂う。
クレアは襲撃者を撃退するが、その襲撃者は突如消滅する。
彼女は廊下に出ても誰もいないことに気づく。
アウロラと名乗る声が彼女に逃げるように言うが、クレアは反抗的である。
アウロラはクレアを守るために魔法陣を刻んだと説明し、クレアが守られていることを強調する。
クレアはそれを否定し、自らの意志で行動することを望む。
最後に、アウロラはこの空間からの脱出方法を教えるが、クレアは不服と不快感を抱えながら進むことを決める。
三学期が始まり、クラスメートは学年末の試験に向けて真剣な様子である。
ジャガによると、魔力操作理論の授業の内容は毎年テストに出るとのことで、彼を含むクラスメートは本気を出す必要があると話している。
一方、シドは授業中ほとんど魔力トレーニングをしており、テストの内容には疎いが、本気を出せば問題ないと考えている。
彼のトレーニングは魔力圧縮による威力千倍理論の証明に集中している。
ある日、教室に銀色の髪の少女、アレクシアが現れる。
彼女の登場により、クラスの注目がシドに集まる。
アレクシアはシドに用があると述べ、授業開始間際に彼を教室から連れ出す。ヒョロとジャガはそれを許し、シドはアレクシアに連行されていく。
連行された先は女子寮で、そこはシドの姉、クレアの部屋であることが明かされる。
アレクシアはクレアが朝食の時間に現れなかったと説明し、シドに姉の行方について尋ねるが、シドには心当たりがない。
彼は姉が子供の頃から度々行方不明になることがあり、そのたびに自ら戻って来たと語る。
アレクシアはクレアが誘拐された可能性を示唆し、室内で発見された魔封の効果がある首輪を証拠として提示する。
その後、彼女は机の上の資料を調べ、それが厨二病関連のノートであることをシドは見抜く。
シドはそれについて黙秘するが、アレクシアは疑いを持つ。
最終的に、アレクシアはクレアの行動を理解しようと努めるが、シドはその試みに無関心を示し、授業に戻ることを選ぶ。
放課後にもかかわらず姉が戻らなかったため、シドは寮の裏庭で干物を焼きながら時間を過ごしていた。
そのとき、デルタが現れ、自らの活躍を報告し、ご褒美を望んだ。
デルタはシドに干物を食べる許可を得ようとするが、その干物は本来ゼータがシドへのお土産として用意していたものであった。
これを知ったゼータは、デルタに対して怒りを露わにし、両者の間で喧嘩が勃発した。
最終的に、シドはその場を離れ、デルタとゼータは喧嘩を続けながら去っていった。
この騒ぎにより、シドは警備の兵たちが近づいてくる気配を感じ、様子を伺うことにした。
アレクシアは学園の裏庭で警備兵たちとともに夜間に急いでいた。
彼らは強力な魔力の痕跡と戦いの跡を発見し、慌てていた。警備兵たちはアレクシアに応援を待つよう進言したが、彼女はそれを無視して先を急いだ。
現場には血の跡が残っており、それを追いながらアレクシアは学園で起きている連続行方不明事件の可能性を疑った。
その時、シャドウと名乗る人物が現れ、彼女たちの前で消えた。彼はアレクシアの剣で彼女を脅し、アレクシアの問いに対し、「裏と表、陰と陽──表の人間が関わるべきではない世界が存在する」と述べた後、消え去った。
アレクシアは彼が去った後、気絶した警備兵たちを見て力の差を痛感した。
一章
次の日、学園は前夜の事件で騒然としていた。
生徒たちは様々な推測をしており、事件の背後には何か大きな動機があるのではないかと噂されていた。
しかし、実際のところ、事件は犬と猫の喧嘩に過ぎなかった。
一部の生徒は、この事件をもっとドラマチックに演出し、陰の実力者としての自分の役割を楽しんでいた。
その後、主要な登場人物は授業の準備をするために動き始めた。
一方、ゼータという生徒は変装をして別の生徒と一緒に行動し、彼女に関する計画の失敗と今後の動向について話し合っていた。
教団は次の行動を計画していることが示唆され、彼らが監視下にあることが明らかになった。
昼休み、主人公はヒョロとジャガとともに学食で並んでいた。
彼らは金銭的な制約から日替わり定食を選択していたが、ニーナ先輩によって贅沢なランチを奢られることになった。
ニーナ先輩は彼らの学校生活で重要な存在であり、彼女の態度は自由奔放であった。
彼らはウィンドウサイドの席を確保し、ニーナ先輩とともに食事を楽しんだ。
会話の中で、ニーナ先輩は学業成績が良くないこと、そしてクレアが首席になる可能性があることを話した。
彼女はまた、クレアの行方不明に関しても言及し、進展があれば主人公に知らせると約束した。
食事を終えたヒョロとジャガは、日替わり定食を静かに食べていた。
クレアは教室で白い霧に包まれており、人の気配はなかった。
彼女とアウロラの間で、元の世界に戻るための隙間を広げる作業について会話が交わされる。
この際、クレアは不快感を示しながらもアウロラの指示に従う。
突如、血まみれの半透明の人の腕がクレアの足を掴む。
これは亡霊であり、クレアはそれを力ずくで撃退する。
アウロラは封印が弱まっていることを指摘し、クレアはさらに現れる亡霊を撃退する。
その後、黒いローブを着た男が現れ、クレアに攻撃を仕掛ける。
戦いの中で、クレアは突如現れた赤い触手を使って男を撃退する。
この力に自らも驚くが、アウロラはそれがクレア自身の潜在能力であることを示唆する。
突然、ゼータと名乗る獣人の少女が現れ、黒い霧を使って男を弾き飛ばす。
ゼータはクレアを保護し、元の世界に戻るための割れ目に彼女を投げ込む。
クレアはその世界へと消え去り、ゼータは黒い霧と共に消える。
この一連の出来事は、クレアの未知の力や、彼女を取り巻く複雑な力関係を示しており、その背後にはより大きな計画が進行中であることが示唆される。
答案用紙にペンが走る音だけが教室に響いていた。
学年末テストに向けての小テストが増え、特別課題が課されるため、シドはカンニングに頼っていたが、今回はカンニングの対象であるアイザック君が欠席しているため、赤点の危機に直面していた。周囲に頼れる人物がおらず、自力で試験に挑むか、高等技能を用いて移動するかを考えていた。
突然、クラスメイトのヒョロとジャガがカンニングをしているところを教師に見つかり、特別課題を課された。
このため、シドのリスクも高まり、教師の警戒が強まる。
しかし、シドは魔力を練り上げて高速で動くトレーニングを決意する。
その瞬間、クラスの注目を集める形で姉のクレアが教師の上に突如落下し、混乱が起こる。クレアは特別な力があると主張し、教師を踏みつけながら立ち上がるが、間違ったクラスにいることに気づき、素早く退出する。
この騒動のおかげで、筆者は注意が逸れた隙にカンニングを行い、赤点を回避することに成功する。
クレアは生徒指導室を出た後、小さなため息をつきながら、誰もいない廊下を歩いていた。
学年主任からのお説教が一時間に及び、彼女は疲労感を隠せなかった。
シドのクラスでの出来事について誰にも説明できず、不可解な出来事について話すことができないと嘆いていた。
その時、彼女は自身が危険に晒されていることを感じ、自ら調査を決意した。
災厄の魔女アウロラについて言及すると、その場に少女が現れた。
彼女はミドガル王国の王女アレクシアで、クレアと会話を始めた。
アレクシアはクレアに話しかけたが、クレアは彼女を敵意を持って迎えた。
クレアはアレクシアを詐欺師と非難し、アレクシアは自分を弁護しようとしたが、クレアは聞く耳を持たなかった。
しかし、アレクシアがクレアの弟シドと似ている点を指摘すると、クレアの態度が変わり、互いに笑いながら廊下を歩き始めた。
二人は夕暮れの廊下を肩を組んで歩いていった。
アレクシアは特別な応接室でクレアを迎え、王族であることを示しながら彼女に座るように促した。
室内は豪華で、クレアはその豪華さを税金の無駄遣いと評したが、アレクシアはそんなクレアの言葉を軽く受け流した。
二人はソファーに座り、クレアは自身が騎士団に内定していることを隠さず、その実力と成長について話した。
その後、クレアは学内で起こった異常な出来事について言及し、アレクシアはその真実を知りたがっていた。
クレアは表面的な話をしたが、アレクシアは彼女が実際に知りたいのはその背後にある真実であることを理解していた。
アレクシアはクレアが調べていた「魔人ディアボロス」の資料を持ち出し、クレアの真剣な調査を確認した。
クレアはアレクシアに全てを明かそうと決心し、その過程で「災厄の魔女アウロラ」という存在について語り始めた。
しかし、クレアの話は幽霊のような存在への言及で、アレクシアはその話を真剣に受け止めるべきか迷った。
クレアは自身の限界と不安を吐露し、真実かどうかの判断をアレクシアに委ねた。
クレアが全てを語り終えた後、アレクシアは情報がつながっていると感じていた。
幽霊の存在については疑問を持っていたが、ディアボロス教団やシャドウガーデン、学園で起きている事件との関連については認識していた。
クレアは幽霊が隣にいると主張し続け、アウロラについての話を展開したが、アレクシアはそれに懐疑的だった。
話題は学園で起きている異常な現象へと移り、それが「聖域」と似たものであること、ディアボロス教団が関与している可能性が高いことが議論された。
アレクシアはディアボロス教団が学園で何かを企んでいると確信しており、クレアは学園内の禁書庫へ忍び込む提案を受け入れた。
二人はそれぞれの不安を共有し、協力して問題に立ち向かうことを決意した。
また、シャドウガーデンの協力を求めるかどうかについても話し合われたが、その組織の謎多き性質と潜在的な危険性についても懸念が示された。
最終的には、二人は自分たちで解決策を見つけることにし、お互いに感謝の言葉を交わした。
クレアとアレクシアが女子寮の部屋の前で立ち止まり、二人は禁書庫の話について議論する。
アレクシアはシドからの情報に疑念を抱いており、クレアはニーナが禁書庫の本を取ってきたと確信している。部屋に入ると、ニーナはリラックスした服装で迎える。
話は禁書の取得方法に移り、ニーナはその件について知らないと答える。クレアはシドが嘘をついていると怒り、部屋を出て行く。
アレクシアは慌てて追いかけるが、ニーナは部屋で一人、将来の行動について思案する。
シドは夜の散歩を好んでおり、学園の屋上から夜景を楽しんでいる。
彼はある品を月明かりにかざし、その美しさに見とれる。
突然、屋上に黒ローブを着た男が現れる。
男は何かを呟いており、シドは彼が学園の貴重な品を狙う泥棒であると気付く。
泥棒【闇蜘蛛】はシドに気づき、攻撃を試みるが、シドはそれを避ける。
戦闘が続く中、シドは泥棒【闇蜘蛛】の心臓を制服に擬態している黒いスライムで作った鉤爪で突き刺し、屋上から突き落とす。
泥棒【闇蜘蛛】は不運にも銅像の剣に貫かれて死亡する。
その後、シドは霧が現れる現象に気付くが、気に留めずにその夜は終える。
ある場所で白い霧が立ち込め、四本の円柱状の赤い光が周囲を照らしている。
この光の中には人間が四体、生き物のように伸縮する管に繫がれて浮かんでいる。
これらの人間から何かが吸い取られており、その顔には既に生気がない。細い男が、これらの人間を素体として用い、何かの計画を進めている様子である。
彼は素体の調達状況に不満を抱きながらも、計画の進行を確認している。
その場には別の男が現れ、「細柳」と呼ばれる細い男に話しかける。
素体の適合と計画の進行についての報告を受けるが、予定通りには進んでいないようだ。
過去にもシャドウガーデンと呼ばれる組織に計画が阻まれた経験があるという。
更に、この場に投影された映像から、シャドウガーデンの二人の少女が登場し、その一人がゼータと呼ばれていることが明かされる。
このゼータが計画に関与している可能性が示唆されている。
最終的に、「細柳」は現場に赴くことが決定され、彼はその任務を引き受けることになる。
その後、映像は続き、シャドウガーデンと関わりのある人物たちが映し出され、計画の未来に対する不確かさが感じられる終わり方を迎えている。
二章
目覚めは爽快で、その理由は暗黒蜘蛛シルクの黒ローブを無償で手に入れたからである。
そのローブを鑑賞しながら、いつもより早く学園へ向かった。一人での登校は久しぶりだった。
通常は友人たちと一緒だが、彼らはよく遅刻する。
校門をくぐると、アレクシアと出会う。
彼女と一緒に登校することになり、会話を交わしながら歩いていたとき、校舎前で人だかりができており、生徒たちの間でざわめきが起こっていた。
死体が発見されたことが原因であった。
二人は死体を確認しに行くことにし、そこでシドは前夜に屋上から蹴落としたことを思い出す。
死体は特徴的な方法で殺されており、アレクシアはその理由を探ることに興味を持っていた。
その後、アイザックという男子生徒が現れ、シドに小テストの話や休校の話をする。
その場で、クレアがシドに首輪をはめ、二人はその場を離れることになった。
この出来事は、学園生活に変化をもたらす事件として受け止められていた。
クレアに部屋に連れ込まれ、姉からの責めを受ける。
クレアは数え切れないほどの嘘を指摘し、彼はそれを否定するものの、実際には嘘をついている。
特にニーナに関する嘘が話題になるが、彼はその内容を忘れていた。
クレアは彼に過去の嘘を指摘しながら、綺麗な目を理由に彼が今は嘘をついていないと判断する。
クレアは彼の嘘にいつも気付いており、シドもそれを認める。
最終的に姉は彼を許し、会話は終わるかと思われたが、クレアは引き続き彼を見つめる。
クレアは突然、学園に迫る強大な組織の脅威について語り始める。
クレアは危険な作戦を行うと言い、シドのためなら頑張れると強調する。
クレアは彼を守るために戦うと誓い、万が一自分が戻らなかった場合のことを涙ながらに語る。
このドラマチックな場面は、クレアが幻聴と話すアウロラを注意することで中断される。
シドは姉の行動を理解し、どんな事情も受け入れると返答する。最後に姉は彼にもし自分が死んだらと言いかけ、彼はそれに応じ、姉は感謝の言葉を述べる。
シドは姉の演出に巻き込まれつつも、その愛情を感じている。
待ちに待った夜が来ると、シドは寮を抜け出し、学園の屋上に立つ。
学園は泥棒事件の影響で警戒態勢を強化しており、生徒たちも落ち着かない様子を見せていた。
シドは非日常的な出来事にワクワクしていたが、実際には何も起こらなかった。
シドは前世での経験から、何か大きなイベントを起こす使命があるのではないかと考え、学園で生徒たちが期待する大きなイベントを計画する。
そんな中、彼は突然、白い霧に包まれた別の空間に移される。
そこにはヴァイオレットという名の少女がおり、彼女は彼を警戒していた。
シドは彼女を安心させようとするが、彼女は自分の記憶に苦しみ、魔力を解放してしまう。
シドは彼女の魔力を受け流しながら彼女に近づき、抱きしめて魔力を流し込むことで彼女の暴走を収める。
シドは彼女と一緒にこの空間から出ようとするが、彼女は自分は出られないと言う。
彼は彼女との再会を約束しながら、出口を探す。
その過程で、ヴァイオレットが彼の持っていた赤い宝石を指して、それが大切なものであると言う。
突然、シドは元の屋上に戻り、少女も白い霧も消えてしまう。
シドは落ちた赤い宝石を拾い、ヴァイオレットの気配を探すが見つからず、代わりに姉とアレクシアの気配を感じる。
月明かりの下、アレクシアとクレアは図書室に侵入する。
アレクシアが先に入り、クレアが後から入って安全を確認する。
アレクシアは負けられない理由があると言い、決意を新たにする。
二人は図書室の奥にある禁書庫へと進む。
アレクシアが古代の呪文を使って禁書庫の扉を開ける。
室内には貴重な書物が保管されており、二人は学園の歴史が記された本を探す。
アレクシアは古代文字で書かれた本を手に取り、それを自動翻訳させる。
禁書庫の精が現れてディアボロスの右腕が学園地下の遺跡に封印されていることを教える。
アレクシアとクレアはこの情報をもとに行動を起こそうとするが、図書室の司書長に見つかる。
司書長は二人に対し、禁書の持ち出しは重い罪であると警告するが、アレクシアの説明を聞くことを許す。
二人は司書長を追って図書室を後にし、アレクシアはクレアに対して、自分たちの行動がシドに悪影響を及ぼさないようにと注意する。
アレクシアが前を歩く司書長に声をかけると、彼は立ち止まり、白い霧が立ち込める廊下で話を始める。
その間に、状況は一変し、周囲は白い霧に包まれ、環境が変わる。
クレアがアレクシアに剣を抜くよう促し、二人は囲まれていることに気づく。
司書長はこの時点で鉈を取り出し、戦闘が始まる。アレクシアは剣技を披露し、クレアも戦い、司書長は驚く。
しかし、突如発生する甘い匂いにより、アレクシアとクレアは力を失い、司書長に捕らえられる。
司書長は彼女たちを生け贄として利用する意図を明かし、彼の過去が明らかになる。
かつて彼は正義の騎士であったが、ディアボロス教団によって騙され、最愛の人を失った過去を持つ。
彼はその後、教団の手先となり、自分の失敗を悔やんでいる。
その直後に、シャドウと呼ばれる人物が現れ、司書長との決戦が始まる。
シャドウの力によって、戦いは一方的に終結し。
司書長は敗れ、彼の最期の言葉は、未来と世界の命運がアレクシアの手に委ねられていることを示すものだった。
シャドウガーデンとディアボロス教団の戦いが、より大きな世界的な影響を持つことが暗示されている。
アレクシアはクレアを帰らせた後、ミドガル王国の王女である姉のアイリスと共に、司書長の死体を調べていた。
アレクシアは騎士団に事件の説明をしていたが、アイリスはアレクシアの言葉を遮り、ディアボロス教団の存在を否定した。
アイリスの隣にいた紅の騎士団副団長ハブは、シャドウガーデンがディアボロス教団を捏造したと主張し、証拠資料をアレクシアに示したが、彼女はその説明を信じることができなかった。
アイリスはアレクシアの訴えを無視し、シャドウガーデンに対する対策が忙しいと言って去った。
一方、紅の騎士団のメンバーであるマルコも、アレクシアに冷たく接した後、彼も去っていった。
アレクシアは自分の信じる真実を語ったが、信じてもらえず、孤立無援の状態に置かれてしまった。
白い霧の中で、黄金の尻尾を持つゼータが鼻歌を歌っていた。
彼女の周囲には血糊が広がり、ピチャピチャと音を立てていた。
ゼータはチャクラムを手でくるくる回し、その後、空中に投げた。
上からは男の生首が降ってきて、驚愕の表情をしていた。
フードを被った少女が現れ、ウィクトーリアの報告を伝えた。
ゼータはその報告を聞き、聖域の解析が終わったことを知らせた。
彼女は自らの手の平サイズの装置で魔力回路を可視化し、学園の生徒たちの魔力を使用して封印を解こうとしていた。
ゼータは解析後の管を破壊しないと決め、巨大な扉に魔力を流し込んだ。
扉は開かなかったが、細い光が消えると、そこに獣人の女性が現れた。
この女性はゼータと酷似していた。獣人の女性はゼータの首を刈り取り、ゼータの生首が消えた後、無傷のゼータが再び現れた。
最後に、ゼータは自分の過去を振り返り、獣人の英雄に別れを告げた。
二人の少女は霧の中へと消えていった。
三章
昨夜、学園で大変な事件が発生した。連続失踪事件の犯人が学園の司書長であることが判明した。
目撃者は司書長が姉とアレクシアを誘拐し、不思議な霧の中で縛っているのを見たという。
司書長はその行動に葛藤しながらも、犯行を止めることができなかった。
人それぞれに生きる目的があり、その目的が社会から拒絶されたとき、自己を貫くか、それとも自己を否定するかの選択を迫られる。
目撃者は前者を選び、司書長も同じ選択をした。
翌朝、学園には騎士団が出入りし、事件の捜査が行われていた。
その中で、黒髪の女生徒クレアが歩いていた。
目撃者シドは通常ならば隠れるところだが、今回はその必要がないと判断し、適当な鼻歌を歌いながら歩いた。
その後、シドはクレアに声をかけられ、首根っこを掴まれた。
クレアは元気がなく、弟であるシドに心配を促した。
シドは適切な言葉を探し、姉に対して気遣った。
最終的にクレアは司書長が亡くなったことを意味深に伝えた。
豪華絢爛な応接室でシドが優雅にミルクティーを飲んでいた。
この応接室はセレブだけが入ることができる特別な場所である。
クレアは深刻な顔で何かを言おうとしたが、詳細を話すことはできず、シドを巻き込みたくないと伝えた。
クレアは騎士団が司書長の真実を隠蔽しようとしていると言及し、それが悔しいと感じていた。
シドは、司書長の真実が隠されることについては仕方がないと感じていたが、クレアは恐い目つきで反論した。
クレアは真実を隠すことに反対し、真実が闇に葬られてもそれで終わりではないと述べた。
彼女は自らが事件を解決する役目を担うべきだと思っていたが、シドはそれに異を唱え、自分で身を守ることができると主張した。
しかしクレアはそれにもかかわらず、シドを守ると強く誓った。
最後に、シドはクレアに抱きしめられながら、ミルクティーを楽しんだ。そのミルクティーはやはり美味しかったと感じた。
休校日にシドの寮にヒョロとジャガが押しかけ、豪華なコーヒーを飲みながら司書長の事件について話していた。シドの部屋にはミツゴシ製の高級コーヒーやお菓子があり、二人はそれを勝手に消費していた。彼らはシドの部屋に豪華な飲食物があることから、シドが借金していると勘違いした。実際には、ガンマが送りつけていたものだった。
ヒョロはシドに借金があると誤解し、ミツゴシ銀行のリボ払いサービスを利用していると指摘した。
彼らはそのサービスを利用して大きな金額を借りており、月々の返済額が固定されていることに安心していた。
しかし、その返済額は利息をカバーするだけであり、元金が減らない構造になっていた。
これにより、実質的に返済が一生終わらない状態となる。
この事実を知り、シドは困惑した。
その後、トランプで遊ぶことを提案し、彼らはゲームを始めた。
シドはヒョロとジャガとのカードゲームで勝利し、彼らの抗議を無視して部屋から追い出した。
二人はイカサマを練習していたが、シドには全て見抜かれ、反撃されていた。
シドは勝利した札束を貯金箱に入れ、ミツゴシリボ払いを利用したヒョロとジャガからの金を回収した。
その日はシドの誕生日であり、彼は自分の人生と残り時間について考えていた。
この日、金色の髪の獣人ゼータが現れ、シドに「永遠の命」を求める意志を確認した。
ゼータは過去の経験と世界の愚かさについて語り、シドとの出会いが彼女にとって意味深いものであったことを示した。
リリムは格式高い獣人族、金豹族に生まれた。幼い頃から優秀で、一族のために高度な教育を受けていた。
十二歳の時、彼女の腹に黒い痣が現れ、これが「悪魔憑き」の兆候であると判明した。
リリムは一族のために自ら火炙りにされることを願ったが、父はエルフの書物に記された治療法を見つけることを決意し、涙ながらに治療薬を探す旅に出た。
母はリリムに怪我を理由に外に出ないよう言い、家の事情を何とかすると約束した。
リリムは父の帰りを信じて待つことにした。
一か月後、リリムは深夜に叩き起こされ、外の騒ぎに気づいた。
外へ出ると、父は縛られており、周囲は松明で囲まれていた。
金豹族の分家筆頭が、父に剣を突きつけ、穢れの清めを求めた。
父は悪魔憑きの臭いがすると非難され、暴力を受けた。
父は金豹族の英雄譚が真実であり、聖教がそれを捻じ曲げていると主張したが、嘲笑の的となった。
最終的に、リリムに逃げるよう促しながら、父は獣人としての力を解放し、リリムと母を庇った。
司祭との衝突の中で、母はリリムを抱えて逃げた。リリムは父の背中を最後に見て、悲痛な叫びを上げた。
深夜、母はリリムを抱えながら森を疾走していた。
しかし、特別な能力を持つ追手が近づいているため、母はリリムに川を越えて東へ進むよう指示した。
リリムは母に同行を願ったが、母はリリムに小さな弟を託し、彼女の賢さを称え、困難を乗り越えることができると信じていた。
母はリリムと別れ、川に沿って東南へ疾走した。
リリムは川の中で匂いを消し、東の森へと向かった。
母はリリムの後ろ姿を見送りながら走り続けた。
リリムは東へと進み、冬の寒さの中を走った後、初めて見る海に出た。
彼女は海を目指し、漁村を探して船に乗る計画を立てたが、その途中で、父と母の首を掲げる司祭ペトスに遭遇した。
ペトスはリリムの前で家族の残酷な運命を明かし、彼女の弟も殺害した。
リリムは家族の仇である金豹族が始末されたことを知らされたが、その後ペトスによって捕らえられた。
彼女の意識はその場で途切れた。
リリムが目を覚ますと、馬車の中で両手足が拘束されていた。彼女は力を求めていた。
周囲を見渡すも、見張りの男以外は誰もいなかったが、深淵からの低い声が「力が欲しいか」と問いかけた。リリムは力を強く願った。
突然、馬車の中に青紫の魔力が現れ、その中から漆黒のロングコートを着た少年が出現し、漆黒の剣を掲げた。
この少年は膨大な魔力を操り、リリムが求めていた全てを打ち砕く力を示した。
最終的に、魔力が爆発し、音が消え、世界は青紫の光に包まれた。
リリムは目を覚まし、少年が大きなクレーターの中心で話しているのを聞いた。
少年はリリムの悪魔憑きを治し、彼女の黒い痣を消した。
少年はシャドウガーデンの一員で、リリムが悪魔憑きの英雄の子孫であることを知っており、彼女を救うために現れた。
彼はディアボロス教団が英雄の子を標的にしていると説明し、リリムに力を与えることを約束した。
その後、金色の美しいエルフであるアルファが現れ、リリムにシャドウガーデンの一員としての新しい役割を与え、彼女は「ゼータ」という名を受け取った。
ゼータが全てを語り終えると、彼は外を見ながら「大変だったな」と言った。
ゼータもそっけなく答え、あの日の憎悪を心の奥底に押し込んでいた。
余計な感情は計画の邪魔をするため、感情が漏れ出さないように言葉数を減らしていった。
ゼータは主の意図を理解しようとし、主が永遠の命を望んでいることを知った。
彼もそれを理解していたが、ゼータは更に深く考え、魔人ディアボロスの復活を決意した。
彼はその選択を否定しなかった。
ゼータは自らを犠牲にしてでもそれを達成するとし、最終的には彼に切り捨てられることを望んで夜の闇に消えた。
ゼータは冷たい冬の風の中、学園を見下ろしながら屋上に立っていた。
彼女は「時は来た」と呟き、背後にいる二人の影、ウィクトーリアとフードを被った女に向かって「魔人ディアボロスを復活させる」と宣言した。
ウィクトーリアはシャドウに話をしたが、許可は得られなかった。
ゼータはアルファが持たない、教団を倒した後のビジョンを持っており、シャドウガーデンを裏切る覚悟で行動を進めると述べた。
彼女は永遠の命を手に入れ、世界を永遠に管理する計画を持っており、シャドウは神となることを目指す。
フードの少女はゼータに計画の進行を促し、二人は音もなく姿を消した。
ゼータは一人で学園の灯りを見下ろし、全てを奪うことが自らの使命であると確信していた。
彼女は自分が強くなったと確認し、父や主への思いを胸に夜空を見上げた。
四章
白い霧の中でフェンリルが無傷の装置の前に残された血溜まりと足跡を見て、装置を破壊する力が足りなかったことに気付いた。
封印された扉の前に立ち、防衛装置が発動していたことからリリが侵入者を追い返したと推測した。
その時、司祭のペトスが現れ、挨拶を交わし、フェンリルに協力を申し出るも、フェンリルはその申し出を拒否した。
ペトスは円卓会議でフェンリル派の失態が問題になっていることを伝え、今年の「雫」の減少が予想されると話した。
二人は過去の事件とシャドウガーデンの影響について話し合い、最終的にペトスは教団の新しいアーティファクトをフェンリルに渡した。
話の途中で金色の獣人の存在が言及され、ペトスはそれについての情報を求めたが、フェンリルは教える気がなかった。
最後にペトスは急ぎ足で霧の中へ消え、フェンリルは事態が面白くなってきたと感じた。
オリアナ王国がシャドウガーデンの助けを得て復興している中、アルファは王城からその様子を眺めていた。
彼女はローズ・オリアナに王になる覚悟が決まったかと問いかける。
ローズは民衆の恨みを意識しつつも、国の現状と外交の危機を知り、混乱を避けるために王として立つ覚悟を決める。
アルファは、オリアナ王国が聖教に異端国家とされ、周辺国による討伐が予測される中で、シャドウガーデンとディアボロス教団との間で代理戦争が行われると説明する。
彼女はシャドウガーデンがオリアナ王国を利用し、教団との戦いで勝利し世界に宣言する計画を持っていることを明かす。
ローズは教団を滅ぼすために、自身が敵対国の王として立つ重責を受け入れる。
最後にアルファはローズにメイドとして配属される二人の番号付きエージェントを紹介し、彼女の王としての道を支えることを約束する。
そして、ガンマがミドガル王国でのフェンリル派の動きについて報告し、ローズが公然と話を聞くことを許可する。
これにより、ローズはシャドウガーデンの一員としての役割を強く意識し、新たな使命に向けての覚悟を固める。
五章
アレクシアはミドガル学園の校舎を眺めながら、教団が学園内でディアボロスの右腕を復活させようとしている事実に対処する決意を固めていた。
彼女は姉や騎士団を信用できず、自ら証拠を見つけ出すことで皆を納得させようと考えている。
その時、クレアという黒髪の美しい少女が現れ、アレクシアを強引に引っ張って教会へと向かう。
クレアは自身が特別な存在であり、シドを守り、世界を救う使命があると主張し、自身の右手に刻まれた魔法陣から導かれる力を信じている。
クレアの行動に戸惑いつつも、アレクシアは彼女と共に行動することになる。
クレアは何かを隠していると感じつつも、その魔法陣が彼女を真実へと導くと信じている。
その後、クレアの魔法陣が強く輝き、突然、世界が硝子のように割れて、白い霧が学園を包み込む現象が起こる。
この光景はアレクシアが以前に司書長に捕らえられた時に見たものと同じであった。
屋上で夕焼けに染まるミドガル学園を見下ろしていたシドは、ゼータのセリフにアレンジを加えながら、自分が世界から恨まれることも使命だと考えていた。
彼は、世界に反逆する男シャドウとして、世界を守るために罪を一人で背負うことをカッコいいと感じ、そのセリフを自身のものとして採用することにした。
その後、シドは屋上でポーズを決め、世界の罪を背負うと宣言する。
彼のセリフは過去にも言ったもので、屋上の風景によく合っていると自負している。
また、セリフの鍛錬を疎かにしていたことを反省し、初心に返って練習することを決意する。
しかし、彼のポーズとセリフの後、突然世界が粉々に砕け散り、白い霧が学園を覆い始める。
霧が立ち込め、学園が隔離されるような状況になる。
シドはこれがイベント開始のフラグであることを感じ取り、意味深に呟いて立ち去る。
階段を降り、霧が立ち込める廊下に出たシドは、この霧が何なのかよりも、霧の中でどのように楽しむかを考えていた。
そして、他の生徒と合流するか、シャドウとして登場するかを考えながら、廊下を進む。
狭い間隔で多数の扉が並ぶ個室の自習室で、シドは鍵のかかった一室から物音がすることに気づき、部屋に入る。室内で首輪に苦しむ男子生徒スズーキを発見する。
スズーキの首輪はタイマー付きの爆発する首輪であり、タイマーがゼロに達するとスズーキの首が爆発し、血が飛び散る。
シドは、この首輪が魔力を吸い取り、残量が少なくなると爆発することを突き止める。
彼はスズーキが自習室で魔力の鍛錬を行っていた際に運悪く事件に巻き込まれ、爆発死したと推理する。
その後、シドは首輪が自分にも付いていることに気づき、首輪が高度な方法で装着されたと考える。
彼は首輪の魔力残量を調整し、スズーキの魔力残量に合わせる。これにより、彼は事件の真犯人を追い詰めるために、スズーキに変装し、潜入捜査を行う計画を立てる。
アレクシアとクレアは講堂で首輪について話し合っていた。
この首輪は魔力を吸い取り、タイマーがゼロになると危険な状態になると判断された。
彼らの首輪にはそれぞれ異なる数字が示されていた。
白い霧に包まれた生徒たちが講堂に集まり、外界との連絡が途絶えていた。
その中で、アイザックはシャドウガーデンが関与していると指摘したが、アレクシアは根拠のない犯人指定を避けるよう呼びかけた。
生徒たちの中には魔力残量が少なく、不安が広がっていた。
ニーナは魔力残量が低くなっており、状況は切迫していた。
亡霊のような存在が現れ、彼らに襲われた生徒たちもいた。
スズーキは戦力を二つの部隊に分ける案を提案し、それに対する賛否が分かれた。
彼の魔力残量は限られていたが、彼の案には賛成する声もあり、反対する声もあった。
最終的には、彼の参加が許可され、特攻隊を組むことが決まった。
クリスティーナはスズーキの参加に責任を持つことを申し出た。
アレクシアが作戦を説明している際に、一部の生徒から抗議がありながらも、六人は講堂の裏口から外に出た。
クレアとアレクシアが亡霊を迅速に処理し、一行は進んだ。
その中でクリスティーナは、白い霧の中で冷静に立ち回るスズーキを密かに観察していた。
彼の行動は、普段の彼とはかけ離れていて、まるで別人のようだった。
彼女は、スズーキが何かしらの影響を受けているのではないかと疑い、その変化の原因を探っていた。
そのとき、スズーキが危険を察知しクリスティーナを救った。彼はその行動を分家としての当然のこととして淡々と述べ、先を急いだ。
クレアが微細な魔力を感じ取りながら校舎内を進んでいた。
彼女の右手には特異体質があり、魔力を敏感に感じることができる。
アレクシアとアイザックは霧の中を進みながら話を交わし、アレクシアは突如、亡霊の腕を斬り裂いた。
彼らは進む中で悲鳴を聞き、逃げ遅れた生徒がいることを知る。
しかし、既に魔力を大幅に消費しており、進む余裕がない状況だったが、アレクシアは助けに行くことを決断した。
校舎の奥では亡霊が生徒を囲んでおり、クレアは触手を操り亡霊の群れを切り裂いた。
アレクシア、アイザック、クレアは戦闘の主力として活躍し、ニーナ、クリスティーナ、スズーキは補助的な役割を果たしていた。
スズーキは戦いに参加せず、戦いを傍観していた。
戦いが終わった後、クリスティーナはスズーキの非戦闘的な態度を批判したが、スズーキは魔力残量を理由に戦わなかったことを説明した。
その間に、クレアは救出された女生徒の怪我を気にかけていた。
しかし、その女生徒は教室に戻ることを拒んでいたが、教室の戸が開き、生徒会副会長エライザが登場した。
エライザは怪我をした女生徒に手当てを施し、その優しさに女生徒は震えながら感謝の言葉を述べた。
エライザの隣には側近の大柄な生徒が立っていた。アレクシアが教室を見渡すと、彼女たちを除くと八人の生徒と四人の遺体が残っていた。
エライザは皆をまとめて戦ったと語り、教室の出口には血で染まったバリケードが設けられていた。
アレクシアはエライザの魔力残量が 1971 であることを知り、エライザはその魔力の多さを血筋によるものと自慢げに語った。
アレクシアは講堂への移動を提案したが、エライザは移動が不安であると答えた。
教室に残っている生徒たちの魔力残量は全員 300 以下であった。
アレクシアたちは一緒に行くことを提案し、エライザはそれに安心し、女生徒は最後まで震えていた。
アレクシア、クレア、アイザックの三人が先頭で道を進み、魔力残量が少ない生徒を守るために戦っていた。
しかし、アレクシアの魔力も限界に近く、彼女は1000を切った魔力残量を口に出してしまう。
アイザックは1100、クレアは1300の魔力が残っており、彼らも精神的には限界に近かった。
特に苦しいのは、魔力残量が59になっていた女生徒で、彼女には死が迫っていることが明白だった。
その後、周囲に多数の魔力反応があり、空間に白い霧が集まり亡霊が形成された。
アレクシアたちは亡霊と戦うが、数が多く、後方の生徒たちも戦闘に加わった。
エライザは戦わず、彼女の側近の男子生徒も彼女を守るため最低限の魔力を使用しているに過ぎなかった。
スズーキは、エライザを挑発し、彼女が戦うべき時ではないと言われた。
しかし、スズーキは戦い、女生徒の魔力が尽きかけている際に彼女の首輪に魔力を流し込んで魔力残量を増やした。
彼の行動により女生徒は一時的に助かったが、その事実を認識しているエライザの態度に疑問が投げかけられた。
スズーキは教室で死んだ生徒の首輪を調べ、首輪が魔力を受け渡す機能があることを突き止めた。
エライザは生徒たちから魔力を奪い、自らの魔力を増やしていたが、それが公になり彼女は他の生徒たちから信用されなくなった。
スズーキはエライザに対して、この場で彼女を討つ可能性を示唆し、彼女を脅迫した。
彼女は最終的に魔力を他の生徒たちに分け与えることを余儀なくされた。
彼らはエライザの魔力を受け取り、彼女との取引を終えた後、現場を後にした。
エライザはその場の状況を理解し、スズーキに従うしかなかった。
アレクシアたちは亡霊の襲撃が落ち着いた後も、首輪の魔力を辿りながら校舎を進んでいた。その中で、アレクシアはクリスティーナにスズーキの正体を問うが、彼女も確信は持てていなかった。アイザックは、スズーキが事前にすべてを知っていた可能性を示唆し、注意を促した。一行は疑念を抱きつつも、スズーキを監視下に置くことに決めた。
途中、クレアが指示する学園の端にある古びた教会へと向かい、そこが予期せぬ場所であることに驚いた。教会内で、クレアは魔法陣を使って隠された地下への入り口を開いた。この際、クレアの魔法陣から放たれた魔力が強力であることが示され、彼女の未知の力が明らかになった。
地下に進むと、アレクシアたちは巨大な扉を開け、地下牢が現れた。
しかし進むにつれて、状況は司書長の言葉と酷似しており、アレクシアは罠に気づいたが、すでに遅く、閉じ込められてしまった。
地下室でガスが噴出し、一行は次々と意識を失った。
最後に残ったアレクシアは、ガスマスクをつけたアイザックが内通者であることを知り、意識を失った。
アレクシアたちは亡霊の襲撃が落ち着いた後も、首輪の魔力を辿りながら校舎を進んでいた。
その中で、アレクシアはクリスティーナにスズーキの正体を問うが、彼女も確信は持てていなかった。
アイザックは、スズーキが事前にすべてを知っていた可能性を示唆し、注意を促した。
一行は疑念を抱きつつも、スズーキを監視下に置くことに決めた。
途中、クレアが指示する学園の端にある古びた教会へと向かい、そこが予期せぬ場所であることに驚いた。
教会内で、クレアは魔法陣を使って隠された地下への入り口を開いた。
この際、クレアの魔法陣から放たれた魔力が強力であることが示され、彼女の未知の力が明らかになった。
地下に進むと、アレクシアたちは巨大な扉を開け、地下牢が現れた。
しかし進むにつれて、状況は司書長の言葉と酷似しており、アレクシアは罠に気づいたが、すでに遅く、閉じ込められてしまった。
地下室でガスが噴出し、一行は次々と意識を失った。
最後に残ったアレクシアは、ガスマスクをつけたアイザックが内通者であることを知り、意識を失った。
終章
クリスティーナは地下牢で目覚め、身体が拘束されていることに気づく。
彼女の前にはアイザックがおり、クリスティーナとスズーキを拘束したことを明かす。
アイザックは彼らを利用しようと企むが、スズーキが意外にも拘束から脱出し、アイザックを制圧する。
スズーキは、万年筆を使用してアイザックを攻撃し、最終的に彼を倒す。
スズーキはクリスティーナの拘束を解除し、彼女が彼に感謝する場面がある。
しかし、スズーキはクリスティーナに対して距離を置くような言動をとり、彼の孤独な背中を追いかけるクリスティーナの姿で終わる。
クレアとアレクシアは白い霧に包まれた場所で拘束され、目を覚ます。
周囲にはカプセルがあり、行方不明の生徒が入っているのを確認する。
フェンリルと名乗る少年が現れ、彼らがディアボロスの復活のために使用されると明かす。
フェンリルはクレアとアレクシアの魔力を吸い取ることを目論むが、アウロラの力を借りたクレアは拘束を解き、アレクシアも解放する。
フェンリルは強大な剣術を持ち、アレクシアとクレアを圧倒する。
フェンリルの正体が「ミドガルの悪鬼」として知られる人斬りであることが判明し、彼の真の力が明らかになる。
戦いの中で、クレアの攻撃はフェンリルには効かず、最終的には彼女の力が尽きる。
アレクシアも彼に対抗しようとするが、彼の剣技には及ばず、最終的にフェンリルに敗れる結果となる。
鋭い音とともにスズーキが現れ、フェンリルの攻撃を遮る。
スズーキは万年筆を武器にしてフェンリルに立ち向かう。
彼はその場に落ちた万年筆を用い、フェンリルとの間合いで攻防を繰り広げる。
フェンリルはその万年筆を軽く受け流し、戦いは一進一退の様相を呈する。
スズーキは最後に万年筆を投げつけるが、フェンリルはそれを凌駕し、スズーキは敗れたかのように見えた。
しかし、スズーキは実はまだ戦闘を放棄しておらず、追加の万年筆を用いてフェンリルに最後の一撃を加えようとする。
フェンリルはこれを受け流すが、スズーキの本性が明らかになる。
彼は「シャドウ」と名乗り、新たなる姿を現す。
シャドウとフェンリルが戦闘を続ける中、フェンリルは己の技「空蟬」を用いてシャドウを攻撃するが、シャドウはこれを巧みに防ぐ。
フェンリルはシャドウの戦術に警戒を強め、シャドウはフェンリルの魔力の流れを読み取り、攻撃を防ぎ続ける。
フェンリルは自身の剣術の奥義を発動し、シャドウに九本の剣で攻撃するが、シャドウはこれを避けつつ、反撃の機会を窺う。
フェンリルはシャドウに最終的に致命傷を与えたかに見えるが、実はシャドウの策略であり、フェンリルを欺いて反撃し、フェンリルを圧倒する。
シャドウはフェンリルとの戦いで得た経験と技術を駆使し、フェンリルを倒す。
戦闘の末、フェンリルはシャドウの能力を認め、二人は互いの剣術を称え合いながら戦いを終える。
シャドウは勝利を確信し、フェンリルは敗北を受け入れる。
シドは真っ白な空間におり、最近の戦闘とロールプレイに満足している。
ある敵の技を学び、自身のものとするロマンを感じている。
また、スズーキ君として活躍したことでシャドウのキャラクターが深まったと感じている。
気が付くと、過去に出会った子供のヴァイオレットと同じ場所に立っており、彼女と再会する。
彼女は傷ついており、シドは魔力を使って彼女を癒やす。
ヴァイオレットはシドに感謝し、彼女が何かを待っていたことを示唆する。
シドは彼女に赤い宝石を渡し、それが彼女にとって大切なものであることが明かされる。
しかし、その後、彼女の周りの空間が暗くなり、悪意が溢れ出す。
化け物が現れ、彼らがグチャグチャな肉塊へと変わる場面が繰り返される。
気が付くとシドは学園の屋上におり、何事もなかったかのような平和な景色が広がっている。
シドは、ヴァイオレットに宝石を渡さない方がよかったのかもしれないと考えていた。
銀髪の少女、アクレシアが校庭を見下ろしており、騎士団の調査で生徒の証言しか得られなかったと述べている。
彼女は空き教室で黒髪の少年、シドと会話しており、シドが事件に関係しているとしているが、シドは自分は何も知らないと主張している。
アクレシアはシドに対してこの世界の闇の深さについて言及し、シドが世界について何も知らないと評している。
話は一時、シドが教室の寒さを訴えるものの、アクレシアは会話を続け、シドの平和な状態を羨ましく思っていると述べている。
最後に、シドは騎士団の呼び出しに応じ、教室を去る前に永遠の命についてアクレシアに問う。
アクレシアはシドを俗物と評しながら、永遠の命を求める存在がいるならば、それが世界にどんな影響を及ぼすかを考えていた。
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