小説【shieldhero】「盾の勇者の成り上がり 1 」感想・ネタバレ

小説【shieldhero】「盾の勇者の成り上がり 1 」感想・ネタバレ

どんな本?

『盾の勇者の成り上がり』は、アネコユサギ氏による日本のライトノベルで、異世界に召喚された盾の勇者となった大学生の岩谷尚文と、彼の仲間である亜人の少女ラフタリアや鳥型の魔物フィーロの冒険を描いた物語です。
この作品は、小説投稿サイト「小説家になろう」にて2012年から連載されており、2013年からは書籍化もされています。
また、藍屋球氏による漫画版や、にぃと氏による外伝『槍の勇者のやり直し』などのコミカライズもあります。
さらに、2019年からはアニメ化もされており、第1期は2019年1月から6月まで放送され。
その後、第2期は2022年4月から6月まで放送。
現在、第3期は2023年10月より放送中。

この作品は、異世界ファンタジーとしての人気が高まり、シリーズ全体で1100万部以上を売り上げています。

盾という、攻撃に向かない武器を持つ主人公が、仲間との絆を深めながら異世界での冒険を繰り広げる様は圧巻。そして、主人公たちの関係や、それぞれのキャラクターの個性が、この作品の大きな魅力となっていいます。

この本に出会ったきっかけは、WEB小説投稿サイト【小説家になろうで】連載されていた当時から読んでいた「盾の勇者の成り上がり」シリーズが書籍化されたことです。
私は社会人としても忙しい日々を送っていますが、このシリーズは異世界ファンタジーの新たな魅力に惹かれ、Kindleで購入して読み始めました。
このシリーズは大好きで、何度も読み返しています。

オタクな大学生岩谷尚文は、本屋で「四聖武器書」というタイトルの本を立ち読みしてたら、いきなり異世界に来てしまった尚文。
召喚したメルロマルク王国は尚文達を四聖の勇者だと呼び。

尚文達にに次元の亀裂から溢れる魔物を倒し、聖武器を育てるために仲間を率いて冒険をしろと言う。

だがメルロマルク王国は盾の勇者を敵視する宗教三勇教を国教にしている国だった。
盾の勇者の尚文を犯罪者に嵌めて冷遇したメルロマルク王国。

縁者が誰も居ない中。
人間不信になった尚文は敵ばかりのこの国で生き残れるのだろうか?

2013年に初めてKindleで買ったのがこの1巻。
noteでは15巻くらいまで感想を書いたが、、
今読むと薄い、、、酷い。
次のアニメが10月に放送されるらしいのでそれまでに書き直せればと思っている。
ただ、、
ここ2年くらい新刊が出てないんだよな。。
2021年4月が最後。。
アニメ3期が放送しても新刊が出なかった。
完全に筆が止まったしまったのか?
エタるのか?

そして、この1巻の7割の話は鬱展開だよな、、
攻撃が出来ない盾の勇者を敵対視する国に召喚され。
その国の貴族は盾の勇者を悪魔だと言ってるし、、

召喚された方は何で召喚したと言いたくなるだろうな。
しかも勇者を殺したら世界が滅びるというのに冷遇してるとか本当にバカとしか、、
でも、自身でもそれほど割り切れるとは思えない。

読んだ本のタイトル

#盾の勇者の成り上がり 1
英: The Rising of the Shield Hero
著者:#アネコ ユサギ 氏
イラスト:#弥南せいら

出版情報
出版社:KADOKAWA
発売日:2013年08月23日
ISBN:9784040664903
• メディア展開:アニメ化、漫画化など多方面で展開中

あらすじ・内容

誰も信じるな――すべてが敵だ。異世界を舞台に勇者の復活劇が始まった!

盾の勇者として異世界に召喚された岩谷尚文。冒険三日目にして仲間に裏切られ、勇者としての名声と金銭を一度に失ってしまった。
……なぜ、俺だけがこんな目に遭うんだ!? 不信。疑念。猜疑心。世界中のすべてが敵だ! 他者を信じられなくなった尚文だったが、そんな彼の前に、一人の少女が現れて……!? 苦悩の果てに、彼が手にしたものは一体何なのか!?
これは一人の男が、絶望の底から這い上がって行く軌跡を描いた成り上がりファンタジー!

盾の勇者の成り上がり 1

感想

オタクな大学生岩谷尚文は、本屋で「四聖武器書」というタイトルの本を立ち読みしてたら、いきなり異世界に来てしまった。

他にも剣を持った天木練、弓を持った川澄樹、槍を持った北村元康がおり。

尚文の手には盾があった。

召喚した連中は彼等を四聖の勇者だと言う。

そして、彼等に次元の亀裂から溢れる魔物を倒して欲しい。そして、聖武器を育てるために仲間を率いて冒険をしろと言う。

そしてメルロマルク国王が用意した仲間の候補者から仲間を選んでくれと言われが、尚文には誰も仲間になろうとはしなかった。

そんな中、マインが尚文の仲間になってくれると言って、元康から尚文のパーティーへ移ってくれたが、、

それはマインの罠だった。

初日を終えて疲れて寝た尚文を確認してから。強姦されたと元康の下に駆け込み。元康が国王へ報告。

尚文は強姦罪で拘束され所持金、装備を全て奪われてしまった。

そして、インナーだけの姿で城から追い出されてしまう。

元々メルロマルクは剣、弓、槍の勇者の三聖武器を信仰している国で。

盾を信仰している獣人族の国とは敵対しているせいで、盾の勇者は敵の信仰対象として盾の勇者を冷遇するのは決まっていた。
それに生来の性格か、悪ノリしたマインが元康の踏み台にするために尚文をハメた。

そんな国の情勢を知らない尚文は、異世界が自身を冷遇し搾取しようとしていると思い込んでしまう。

そのせいで人の良かった尚文はスレてしまい。
誰も信じない人間不信になってしまった。
特に性を意識させる女性に対して嫌悪すら抱くようになった。

一応、盾の勇者が召喚されたと知った獣人の国の戦士達が仲間になろうと尚文に声を掛けるが、メルロマルクの連中の悪意に紛れてしまい。

尚文は全てを拒絶してしまう。

それでも次の災厄の波が来たら強制的に参加させられるので、生き残るためには強くならないといけない。

でも盾の勇者の尚文には攻撃手段が無い。

そんな時に、物凄く胡散臭い奴隷商人が人間不信の尚文にピッタリな存在がいると言って近付いて来た。

それは獣人の奴隷だった。

ただ尚文には手持ちが無いのでレベル75の強い獣人は購入出来ず。

買えるのは、腕がおかしくなっている兎獣人の男。
ラクーン獣人の小さい女の子で、病気持ちで、夜泣きも酷いラフタリア。
ハーフのリザードマンが候補に上がったが。
女は騙されてむしゃくしゃしていた尚文は、小さい女の子のラフタリアを購入した。

ラフタリアを購入した尚文は、唯一信用している武器屋のオヤジの処に連れて行き。

服と武器一式を購入して彼女にモンスターを攻撃させようとするが、、
オヤジは国の制度が悪いのか、アンちゃんがスレてしまったのかとボヤく。

剣なんて握った事の無いラフタリアは強制的に戦わされる事に戸惑い。

嫌がるが、攻撃してもらわないと生き残れないと思っている尚文に奴隷紋を通して命令して攻撃させる。

戦い慣れないラフタリアに攻撃させ。彼女を護る事を使命にする尚文。

そうして多少、ラフタリアが戦えるようになったらもう少し稼ぎの良い場所を探査しようと廃坑に行くと、、

最初の波でラフタリアの故郷を襲ったモンスターとソックリなモンスターが現れて、ラフタリアはパニックを起こしてしまい戦う処じゃない。

何とか逃げて時間を稼ぎ、何でパニックを起こしたのかと尚文はラフタリアに聞く。

そして彼女の過去を知ると、必ず護ると彼女に約束をして実際に襲って来たモンスターから彼女を護っていた。

そして攻撃をしてくれとラフタリアに頼むが、彼女はパニックを起こしており呆然としてしまった。

戦えないなら”逃げろ”と言われた瞬間。

両親と尚文の姿がダブりラフタリアはモンスターに攻撃を開始する。
それでも相手は強く、なかなか倒せず、、

苦戦の末、モンスターを何とか倒して2人は無事に炭鉱から出て来れた。

尚文とラフタリアはパーティーとして機能し始めた。

数週間が経過してラフタリアは大きくなっていた。

獣人族の子供は急激なレベルアップをすると身体がレベルに合った体格になるように急激に成長する。そんな種族特性がありラフタリアは見た目は高校生くらいになったのだが、、

自分の世界に閉じこもっている尚文から見たラフタリアは、相変わらず小さい女の子のままだった。

ラフタリアは小さい子供だと思い込んで目の前の成長している姿を認識しておらず。
何を食べても味もしていない味覚障害も発症している状態。

そんな尚文が防具を一切着ていない事をラフタリアは心配しており。

尚文に防具を買うように提言するが、防御力が高い尚文は”必要ない”と言う。

それでもラフタリアは”死ぬかもしれない”と引かなかった。

それを反抗的になっていると思ってしまう尚文、、

武器屋のオヤジもラフタリア側に立ち、予算を考えて鎖帷子を勧めたが、マインにハメられて没収された装備だと思い出し。

尚文は”絶対に買わない”と頑なになってしまう。

それを悪いと思ったオヤジは、尚文用に鎧をオーダーメイドすると提案。

さらにラフタリア用の剣もオマケに付けると大サービスしてくれた。

鉄やモンスターのドロップ品など鎧の材料を尚文に揃えさせ。

親父が作り、渡されたのが蛮族の鎧だった。

まだ拡張の余地が残っており、武器屋のオヤジ渾身の一作となる。

尚文は世間に言われているような奴ではない。

宗教が三勇教ではなく、王都出身では無い武器屋のオヤジにとって盾の勇者は差別の対象ではなく。

先入観なく尚文と付き合い得た信頼だった。

そして厄災の波がいつ来るかという話になり、教会にある龍刻の砂時計を確認すると残りの時間がステータスに表示された。

さらに槍の勇者の元康とも再会するが、仲間からの情報を鵜呑みにする元康は完全に尚文を強姦魔だと思っており。

尚文を完全に見下していた。

さらにラフタリアにちょっかいを出して来て尚文が強姦魔だとラフタリアに教えそうになるのを防ぐ。

この時の尚文は、ラフタリアは自身の言葉より元康の言葉を信じると思っており。

自身の王都での噂を耳に入れたらラフタリアも裏切ると思い込んでいた。

そんな自身からラフタリアを取り上げようとする元康にイラつくが尚文には攻撃力が無い。

いまラフタリアに離れられたら完全に詰むと思っており、ラフタリアの裏切りに怯えていた。

そんな事は絶対に起きないのに、、

そして、厄災の波が発生して尚文とラフタリアは強制的に現場に召喚されると。

炭鉱探査でお世話になったリュート村の側だった。

急な厄災の亀裂の発生。

溢れてくるモンスター達に襲われるリュート村。

他の勇者達はゲーム感覚で村人を護るよりボスを倒しに亀裂の発生元に向かってしまい。

一応、国軍を呼ぶ発煙筒を上げたが村はには多勢のモンスターに襲われていた。

村に駐留している兵士と冒険者が迎撃しているが急襲されたせいで防備が間に合わず混戦となってしまった。

そんな時に盾の勇者の尚文が住民を助け、ラフタリアが避難誘導。

ある程度の住民が逃げられるように手助けする。

そしてある程度、住民を避難させたら。

後から来た騎士団達が、モンスターを尚文諸共焼き払おうと魔法を撃ってきた。

盾の勇者が宗教的に敵だと思っている騎士達は尚文を役立たずだとレッテルを貼り。

バカにするが尚文は今すぐ現場から退却して、モンスターを騎士団に押し付けても良いんだぞと言う。

そうして騎士団と一悶着あったが波を乗り越えて生き残れた。

リュート村は半壊してしまい。

村人等はどうしたら良いかと途方に暮れている横で、派遣されて来た騎士団長達は勝利のパーティーを城で開こうと言う。

アホらしくて尚文はパーティーなんて行く気なんて無かったが、褒賞を渡すと聞いて仕方なく王城へ行くと。

パーティーが開催され。

あまり良い物を食べてないせいで、豪華な食事に喜ぶラフタリアを横目に目立たないようにしていたら。
マインから元康がラフタリアが奴隷だと知羅されて尚文に怒りをぶつけて来た。

独善的に尚文にラフタリアを奴隷から解放しろと言う元康。

それを拒否したら、攻撃できない盾の勇者の尚文を相手に決闘を申し込む。

ラフタリアは尚文からの解放を求めていないのに、三勇教の連中が決闘を煽り。
それに踊らされてる元康が尚文との決闘に挑む。
ただ槍のスキルを使うだけの元康に対して、尚文は盾の勇者の特性を活かしバルーンを使って。
顔に攻撃を行くように元康を拘束する。
さらに股間にもバルーンを噛み付かせようとしたら。

元康の不利を面白く思わないパーティーメンバーマインが、風の魔法を尚文に当て尚文の体制を崩す。
対抗して尚文が勝手にバランスを崩したと思った元康は決闘に勝ったとハシャぎ。

ラフタリアを解放するが、、
勝手に解放して尚文との縁を切断した事に怒り。
勝手な事を言ってる元康を殴り尚文の下に戻って行った。

それに驚く尚文。

ラフタリアが自分の下に戻って来るとは思っておらず。
寧ろ罵倒されて笑い者にされると思っていた尚文は、ラフタリアが尚文が何もやってないと一番言って欲しかった事を言ってくれた結果。

ラフタリアが大きくなってる事にこの時に認識する。

決闘に勝ったが、解放された奴隷が尚文の下に戻ってしまった。
それを面白く思わない国王と姫のマルティだったが、、、

他の勇者の練と樹がマルティが試合を妨害し。

さらに攻撃力の無い尚文に決闘を申し込む元康をどうかしていると言って批判すると。

状況が悪いと思ったらしく、今回は大人しく引き下がった。

そして王城の物置で目覚めた尚文は、ラフタリアが持って来た昨日の残りを食べて。
味がすると言って、世界を素直に見れるようになった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

アニメ

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盾の勇者の成り上がり

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盾の勇者の成り上がり 1巻

漫画版

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

一話 王道的召喚

図書館での読書と思わぬ出会い

大学二年生の尚文は、自身をオタクと自覚しながらも自由な生活を満喫していた。家庭では両親が弟を優遇する中で、尚文は弟の不良化を機にオタク文化へと誘い、弟の進学を助ける形となった。その日、尚文は月々の限られた資金を節約するため図書館を訪れ、古本を手に取った。

古い本との遭遇

図書館で尚文が手にしたのは「四聖武器書」という古い本であった。その本には、異世界の終末予言と四人の勇者が描かれていた。尚文はその内容が王道過ぎると感じながらも、盾の勇者に物語が移る部分に興味を抱いた。しかし、盾の勇者の章以降が真っ白で途切れていたことに困惑する。

異変の発生

本を読み進めていた尚文は突然体調の異変を感じ、意識を失う。その直前、異世界への転移など思いもよらなかったが、後にこの出来事が彼の運命を大きく変えることとなった。

二話 勇者紹介

異世界への召喚と初対面

尚文が目を覚ますと、見知らぬ石造りの建物の中であった。彼の周りには剣、槍、弓を持つ三人の男が立ち尽くしていた。彼らはローブを纏った男たちから「勇者」と呼ばれ、世界を救うよう懇願された。尚文たちは突然の召喚に困惑しつつも、話を聞き始めることとなった。

王との謁見と世界の危機

ローブの男たちに導かれ、尚文たちは王との謁見に臨んだ。王から語られたのは、終末の予言による「波」の災厄であった。王はこの災厄を防ぐために彼らを召喚したと述べ、報酬や援助を約束した。尚文たちは条件を確認しつつも、協力を始めることを決意した。

勇者の役割と伝説の武器

四人の勇者にはそれぞれ剣、槍、弓、盾の伝説の武器が与えられていた。彼らは自身のステータスを確認し、武器を強化しながら自らを磨く必要があると説明された。尚文は盾が武器として役に立つのか疑問を抱きつつ、旅立つ準備を進めることとなった。

パーティーの分散と新たな始まり

伝説の武器同士は反発する性質があるため、勇者たちはそれぞれ別々に行動するよう指示された。王は各勇者に仲間を用意すると約束し、彼らは一晩休息を取ることになった。尚文たちは異世界の冒険に胸を膨らませつつ、新たな生活の始まりを感じていた。

三話 勇者相談

武器とステータスの確認

尚文たちは来客室でそれぞれの武器を確認し、視界に表示されるステータス画面に集中していた。伝説の武器はメンテナンス不要で、持ち主の成長やモンスターの討伐で強化される仕組みが説明されていた。尚文が自身の盾を見つめながら特性を確認する中、他の勇者たちはそれぞれの武器システムを理解し始めていた。

異なるゲーム世界の記憶

勇者たちはこの世界をそれぞれ異なるゲームに似ていると語り合った。錬はVRMMO「ブレイブスターオンライン」、元康はオンラインゲーム「エメラルドオンライン」、樹はコンシューマーゲーム「ディメンションウェーブ」と述べ、尚文だけが全く知らないと困惑していた。さらに、彼らが出身世界の日本について話すと、それぞれ全く異なる環境であることが明らかとなった。

異世界への来訪理由

錬は殺人事件に巻き込まれた際に異世界へ来たと語り、元康は女性関係で刺され、樹は交通事故でダンプカーに轢かれたと述べた。一方で、尚文は図書館で古い本を読んでいただけだったため、他の三人から冷たい視線を向けられる結果となった。

職業の格差と戦闘への不安

尚文は盾の勇者としての立場が、他の武器に比べて不利であることを知り愕然とした。他の三人が経験豊富で自信に満ちている一方、尚文は自分の無知さを痛感し、彼らに助けを求めた。元康や錬は各々のゲームの知識を披露し、尚文にアドバイスを与えたが、盾の立場の厳しさを痛感させる内容ばかりであった。

食事と休息のひととき

その夜、尚文たちは城内の食堂で初めて異世界の料理を味わった。料理は珍しい味付けであったが、十分に満足できる内容であった。食事を終えた後、尚文たちはそれぞれ部屋に戻り、冒険の始まりに期待を抱きながら就寝した。翌日から始まる試練に備え、彼らは静かに眠りについた。

四話 特別支度金

勇者の仲間選びと不公平な結果

朝食後、尚文たちは王の呼び出しを受け謁見の間へ向かった。そこで各勇者の仲間を募った結果、錬に5人、元康に4人、樹に3人が集まり、尚文には誰もつかなかった。この不公平な状況に尚文は抗議したが、城内で盾の勇者が頼りないという噂が広まっていたことが原因と説明された。結果、尚文は自力で仲間を見つけることを提案され、代わりに他の勇者より多い支度金が与えられた。

マインとの出会いと新たな旅立ち

仲間に選ばれたのは赤髪の女性マインであった。マインは気さくな性格で、尚文に快く接した。二人は冒険の準備のため町へ向かい、尚文は異世界の町並みに感動しつつ、武器屋へ案内されることとなった。

武器屋での困難と鎧の購入

武器屋では尚文が盾以外の武器を使えないことが判明した。伝説の武器には専用以外の武器を扱えない制約があり、尚文は盾のみで戦う必要があることに困惑した。代わりに防具を揃えることを決め、銀貨120枚でくさりかたびらを購入し、装備を整えた。

冒険の始まり

装備を整えた尚文とマインは城を出発した。尚文は新しい防具と共に冒険者らしい姿になり、初めての旅立ちに胸を高鳴らせていた。城門を抜け、騎士たちに見送られながら、尚文たちは新たな冒険の一歩を踏み出した。

五話 盾の現実

草原での初戦闘

城門を抜けた尚文とマインは、広がる草原の中で弱い魔物「オレンジバルーン」を探した。尚文は初めての戦闘に挑み、盾を使って攻撃を試みたが、魔物はなかなか倒れなかった。五分間の戦闘の末、ようやくオレンジバルーンを倒したが、経験値はわずか1であった。尚文の防御力は高いものの、攻撃力の低さが明らかとなった。

他の勇者たちとの比較

戦闘中、錬とその仲間たちが現れ、錬が剣を一振りしただけでオレンジバルーンを一撃で倒した。尚文はその圧倒的な攻撃力との差に愕然としたが、マインから「勇者ごとに戦い方がある」と励まされ、引き続き戦闘に取り組むことにした。

伝説の武器の特性発見

オレンジバルーンの残骸を盾に吸収すると、新しいシールド「オレンジスモールシールド」がウェポンブックに記録された。この行動を通じて、尚文は伝説の武器が特定のアイテムを吸収して成長する仕組みを理解した。

マインとの連携と効率化

尚文が攻撃を担当する非効率さを考慮し、マインが攻撃を担い、尚文が防御に徹する戦術を取ることにした。この方法により、オレンジバルーンやその色違いのイエローバルーンを次々と倒し、効率的に戦利品を集めることができた。

一日の冒険の締め

日が暮れる前に冒険を切り上げることを決めた尚文たちは、翌日に備えて武器屋でマインの装備を整える計画を立てた。尚文は盾の特性をさらに活かすため、経験値を積み重ねる決意を新たにしながら城下町へ戻るのだった。

六話 地雷という名の裏切り

武器屋での装備購入と値引き交渉

尚文とマインは夕方に武器屋を再訪した。尚文はマインの装備を新調するため、値引き交渉を行った。マインが選んだ装備は可愛らしい鎧と高価な剣であったが、最終的に銀貨480枚にまで値段を下げることに成功した。残金が少なくなる不安を抱えながらも、尚文はマインの攻撃力を重視し、購入を決断した。

宿屋での滞在と今後の計画

装備を整えた二人は城下町の宿屋で部屋を借りた。尚文は地図を広げ、マインと共に翌日の狩場について相談をした。次の目的地は「ラファン村」を経由した先のダンジョンと決まり、初心者向けの冒険の計画が固まった。食事の後、尚文は早めに休むことにし、翌日の冒険に向けて気持ちを高めていた。

夜明けと異変の発覚

翌朝、尚文が目覚めると、装備や銀貨がすべて盗まれていることに気づいた。慌てて隣室のマインを訪ねたが、彼女は応答しなかった。不安を募らせる中、城の騎士たちが現れ、尚文に王からの召集命令が下ったことを告げた。

強制連行と不穏な展開

尚文は事情を訴えようとしたが、騎士たちは聞く耳を持たず、半ば強制的に城へ連行された。身に着けるものがほとんどない状況にもかかわらず、尚文は犯罪者のような扱いを受け、困惑しながら馬車で城へと向かうこととなった。

七話 冤罪

謁見の間での告発

尚文は騎士たちに拘束され、城の謁見の間へと連行された。そこには王、錬、元康、樹、そしてマインが揃っていた。マインは尚文を「無理やり襲った」と訴え、涙ながらに元康の背後に隠れた。その言葉に錬や樹も同調し、尚文を非難した。尚文は身に覚えのない罪で断罪される理不尽さに困惑し、マインがつけている装備が自身のものであることから、彼女の策略を疑った。

王の裁定と三勇者の反応

王は尚文を外道と呼び、厳しい言葉で糾弾した。元康はマインを庇いながら英雄のように振る舞い、錬と樹も尚文を断罪する姿勢を崩さなかった。尚文は自分が嵌められたことを確信し、三人の勇者たちや国民に対する不信感を募らせた。尚文が元の世界に戻ることを要求すると、王は「勇者を召喚し直すには全ての四聖勇者が死亡しなければならない」と語った。これにより、尚文は帰還の手段がないことを知り、怒りと絶望を感じた。

罰としての社会的孤立

王は尚文に直接的な罰は与えないとしたが、彼の罪はすでに国中に知れ渡っており、これが罰だと宣言した。尚文は王国での信頼と地位を完全に失い、冒険者として孤立したまま波への備えをするよう命じられた。尚文は最後に盾に隠していた銀貨三十枚を取り出し、元康に投げつけて城を後にした。

冒険の幕開けと孤独

城を出た尚文は、道行く住民たちから冷ややかな視線と噂話に晒された。信頼も金も仲間も失い、彼の冒険は最悪の形で始まったのである。

八話 堕ちた名声

武器屋の親父との再会

尚文は城下町をインナー姿で歩いている際、武器屋の親父に呼び止められた。親父は尚文が仲間を襲ったという噂を信じて激怒したが、尚文の睨みつける態度に気圧され、攻撃を控えた。その後、親父は在庫処分のマントと服を渡し、最低限の服装を整えた尚文は草原へと向かった。

草原での戦闘と成長

草原に到着した尚文はバルーン系の魔物を次々に討伐した。時間はかかったが、盾の高い防御力により無傷で戦い続け、徐々に経験を積んでいった。その結果、レベルが2に上がり、新たな盾の変化条件が解放された。戦利品として得たバルーン風船を持ち帰ることを決め、城下町へ戻った。

商人との交渉と「バルーンの刑」

魔物素材の買取店で尚文は相場を大きく下回る買取額を提示された。怒りを感じた尚文は商人にバルーンを押し付け、顔に噛み付かせるという脅迫的な手法で正当な買取額を引き出した。これにより、尚文は収入を得ると同時に自身の評判を「バルーンを使う盾の勇者」として広めた。

薬草採取とリーフシールドの解放

尚文は草原に群生する薬草に目を付け、採取を始めた。薬草を盾に吸収させたことで「リーフシールド」が解放され、採取技能が付与された。この技能を利用して高品質な薬草を効率よく集めることに成功し、城下町での薬草販売でこれまで以上の収入を得た。

酒場での孤立と仲間募集の挫折

尚文は酒場で食事を取る際、仲間になりたいと申し出る者たちに出会った。しかし、彼らは尚文を利用するつもりの者ばかりであり、契約条件を巡って言い争いが絶えなかった。最終的に尚文は申し出を全て断り、一人で冒険を続ける決意を固めた。

孤独な日々と希望への一歩

尚文は味覚を失ったまま、城下町での生活と草原での戦闘を繰り返しながら少しずつ金を貯めていった。この過酷な日々の中でも、自身の成長と収入の増加にわずかな希望を見出していた。

九話 奴隷と言う名の物

奴隷商との出会い

尚文は草原での戦闘の限界を感じていたある日、裏路地で奇妙な奴隷商と出会った。奴隷商は「裏切らず、命令に従う存在」として奴隷を提案し、興味を引いた尚文を自らの店舗へ案内した。

奴隷商の店と商品の説明

奴隷商の店内には檻が並び、亜人や獣人が囚われていた。奴隷商は奴隷の特性や主に逆らえない魔法の仕組みを説明しながら、尚文に複数の奴隷を見せた。最初に見せられた狼人は高額だったが、負傷や状態の悪さから尚文は購入を見送った。

ラフタリアとの契約

奴隷商は尚文に三人の奴隷を提示した。尚文は怯えた目をしたラクーン種の少女を選択し、「ラフタリア」と名乗る彼女との契約を結んだ。奴隷登録の儀式が完了し、尚文は彼女を伴って店を後にした。

ラフタリアとの新たな旅の始まり

尚文はラフタリアを連れて裏路地を歩きながら、彼女の名前を尋ねた。怯えながらも応えたラフタリアに尚文は冷淡に指示を出しつつ、新たな冒険への準備を進めていった。

十話 お子様ランチ

武器と装備の準備

尚文は武器屋でラフタリアのためのナイフを選んだ。銀貨六枚の範囲で銅、青銅、鉄のナイフを見比べ、ラフタリアに最も適したものを決めた。同時に、在庫処分の服とマントも用意させ、彼女を着替えさせた。

ラフタリアへの戦闘指導

着替えを終えたラフタリアに尚文は戦闘を強要した。最初にオレンジバルーンを突き刺す練習をさせ、彼女は苦痛に耐えながらも魔物を倒すことに成功した。その後、より強力なレッドバルーンに挑ませ、経験値を得ることができた。

食事の場面とラフタリアの反応

草原に向かう途中、尚文はラフタリアの空腹を感じ取り、手頃な食堂に立ち寄った。彼はラフタリアに子供向けの食事を注文し、自身は最安の定食を選んだ。ラフタリアは驚きつつも食事を取り、美味しいと喜んでいたが、尚文は味覚の欠落に苛立ちを感じていた。

今後の計画への思案

食事を終えた尚文は、ラフタリアを伴いながらこれからの行動について思案した。ラフタリアの成長と戦力強化が重要であると認識しつつ、二人で草原を目指して進む姿が描かれていた。

十一話 奴隷の成果

草原での初めての戦闘

ラフタリアを連れて草原へ向かった尚文は、彼女に魔物との戦闘を教えた。怯えるラフタリアを励ましつつ、レッドバルーンを捕まえ、ナイフで攻撃させた。彼女は徐々に戦闘に慣れ、レベルが2に上昇した。同時に尚文は新たな盾「レッドスモールシールド」を解放し、防御力を強化した。

森での探索と戦闘

森へ進んだ二人は新しい魔物である動くキノコ「ルーマッシュ」や色違いの「ブルーマッシュ」「グリーンマッシュ」と遭遇した。尚文は盾で防御し、ラフタリアに攻撃を任せる形で戦闘を続けた。これにより、尚文はレベル5、ラフタリアはレベル3に上昇した。また、新たにマッシュ系の盾を複数解放し、調合に役立つスキルを得た。

野営地での調合とラフタリアの体調管理

夕方、川辺で野営を始めた尚文は、釣りをしながらラフタリアに行水を指示した。その間に草原や森で採取した薬草を使い、調合に挑戦した。試行錯誤の末、「ヒール丸薬」を作ることに成功した。ラフタリアの風邪を治すため、作成した薬を彼女に飲ませた。

夜泣きと魔物の襲撃

夜、ラフタリアは親を呼びながら激しく泣き始めた。その声に魔物が反応し、尚文はラフタリアを抱えたまま戦闘に挑むことを余儀なくされた。バルーンの群れを退ける間、尚文は彼女をなだめ続け、夜が明ける頃には彼女も少し落ち着きを取り戻した。

翌日の計画

朝を迎えた尚文は、前日の収穫を基に薬や薬草の買取価格を確認する計画を立てた。休息が取れないまま疲労を抱えつつも、効率的に資金を稼ぐ手段を模索していた。ラフタリアの過去について知ろうとせず、自身の目標である帰還のための手段を追求していた。

十二話 お前の物は俺の物

薬の取引と調合道具の入手

尚文はラフタリアを連れ、城下町の薬屋を訪れた。彼は自作の薬を見せ、薬草との比較でどちらが高く売れるか相談した。結果として薬の方が高価に取引されるとわかり、薬屋から授業料として中古の調合道具一式を譲り受けた。

ラフタリアへのプレゼント

薬草の売却後、尚文は買取商人からバルーン風船で作られたボールを入手し、それをラフタリアに渡した。ラフタリアは初めて笑顔を見せ、尚文は彼女の喜ぶ姿に心地よさを感じた。その後、二人は森へ向かい、魔物退治と採取を進めた。

新たな魔物との遭遇と成長

森の奥で新しい魔物「エグッグ」と遭遇した尚文とラフタリアは、協力してこれを倒した。戦闘を通じてラフタリアはさらに成長し、レベル7に到達した。一方で尚文は新たな盾「エッグシールド」やその派生スキルを解放し、調理や目利きなどの技能を習得した。

城下町への帰還と食事

探索を終えた尚文とラフタリアは城下町に戻り、採取したアイテムを売却した。その収益でラフタリアが屋台で目をつけた食べ物を購入し、彼女に与えた。ラフタリアは嬉しそうに感謝を述べ、尚文も彼女の素直な態度に満足した。

宿泊先での騒動

宿に泊まることにした尚文は、ラフタリアにボール遊びを許可した。しかし、外で遊ぶラフタリアが他の子供たちに絡まれ、ボールを奪われそうになる場面に遭遇した。尚文はバルーンを利用して子供たちを追い払い、ラフタリアを守った。ラフタリアは改めて感謝の意を示し、尚文は彼女の頭を撫でて励ました。

十三話 治療薬

晩飯と散髪

尚文とラフタリアは近くの飯屋で夕食を取った。ラフタリアは料理を手づかみで食べるほど食欲旺盛で、尚文は彼女が満足するまで追加注文を繰り返した。その後、宿に戻った尚文はラフタリアの髪を整えた。長すぎた髪を肩まで切り揃えた結果、ラフタリアは自分の変化を喜び、笑顔を見せた。

調合作業と新たな盾の解放

夜になり、尚文は調合作業を始めた。栄養剤や治療薬をいくつか作成し、その一部を盾に吸収させた。これにより「カロリーシールド」「エナジーシールド」などの新しい盾が解放され、それぞれスタミナやSPに関する能力が付与された。尚文は戦闘向きのスキルが少ないことに不満を覚えながらも、効率的な薬草の活用方法を模索した。

夜泣きと安心の夜

ラフタリアが夜泣きで目覚めた際、尚文は彼女を宥めながら一緒に寝ることにした。翌朝、ラフタリアがおねしょをしてしまい、恐る恐る謝罪する彼女に尚文は優しく対応した。怒るどころか、彼女の服やシーツを洗い、新しい服を買うために武器屋に向かった。

朝の再出発と薬の効果

ラフタリアの空腹が続く中、尚文は朝食をとる前に治療薬を彼女に飲ませた。苦さに顔をしかめるラフタリアに対し、尚文は飲み続けるよう促した。その後、調合した薬が高値で売れたことを確認し、彼らは新たな一日を始める準備を整えた。

十四話 命を奪うという事

森での新たな戦闘とラフタリアの成長

尚文とラフタリアは拠点を森へ移し、順調に採取と魔物退治を進めていた。ある日、動物型の魔物「ウサピル」と遭遇する。ラフタリアは初めての血を見ることに恐怖を感じつつも、尚文の説得によりウサピルを倒すことに成功した。その後、ウサピルの解体を尚文が行い、得られた素材を盾に吸収させた。ラフタリアは強くなる覚悟を決め、積極的に魔物に立ち向かう姿勢を見せるようになった。

キャンプでの食事と戦闘準備

その日の夜、尚文とラフタリアは森の広場でキャンプを行い、採取した薬草とウサピルの肉を使って料理を作った。尚文の料理スキルによる補正もあり、ラフタリアは満足そうに食事をとった。その間、尚文は調合作業を続け、治療薬や栄養剤を製作したが、品質の向上には限界を感じていた。

おねしょと夜の生活

夜、ラフタリアは尚文が用意したウサピルの毛皮で眠りについた。尚文は焚き火を見守りながら調合作業を続けたが、ラフタリアが以前のように夜泣きすることはなかった。翌朝、目を覚ましたラフタリアは空腹を訴え、尚文が用意していた肉をおいしそうに食べた。

ラフタリアの成長と尚文の課題

この日の成果でラフタリアと尚文のレベルはそれぞれ10に達した。ラフタリアは積極的に魔物を倒し、尚文も新たな装備やスキルを解放することで戦闘能力を高めていた。しかし尚文は、自身の行動が私利私欲に基づくものであることを自覚しつつも、迫る災厄の波に備えなければならないと改めて決意を固めた。

十五話 亜人の特徴

ナイフの破損と城下町への帰還

ラフタリアのナイフがウサピルとの戦闘中に折れたため、尚文は作業用ナイフを渡し、残りのウサピルを倒させた。その後、二人は荷物を分担して城下町へ戻り、収集品を売却して銀貨七十枚を得た。食事を取りながら、尚文は装備の更新を検討し、武器屋へ向かうことを決めた。

新しい装備の購入とラフタリアの成長

武器屋で尚文は銀貨六十五枚の範囲で武器と防具を揃えるよう依頼した。武器屋の親父は、ラフタリアに短剣ではなくショートソードを勧め、基本的な剣の使い方を教えた。また、皮の胸当ても提供され、ラフタリアは装備を整えることができた。尚文は武器の手入れ用に砥石を受け取り、それを盾に吸わせて新たな能力を解放した。

砥石の盾の特性と親父とのやり取り

砥石を吸わせた盾は「砥石の盾」として新たな能力を得た。親父が試験的に錆びた剣を盾に研磨させた結果、「研磨中」と表示され、尚文のステータスのSPが徐々に減少することが判明した。この効果により、武器の自動研磨が可能であることが確認された。

次なる目的地と新たな旅立ち

尚文は親父から情報を得て、街道の先にある村に似たような魔物が出現することを確認した。ラフタリアの装備が整い、成長期による空腹にも備えが必要なため、経験値稼ぎと金策を目的に新たな場所への移動を決意した。旅の準備を整えた二人は、さらなる成長と試練に挑むために城下町を後にした。

十六話 黒頭双犬

リユート村への到着と廃坑の情報収集

尚文とラフタリアは武器屋の親父の情報を頼りにリユート村へ向かった。この村は宿泊費が安く、行商人が定期的に訪れるため、拠点として適していた。村の周辺で倒した魔物の素材を売却するも、効率的な収入には至らなかった。行商人から炭鉱で鉱石を採掘すれば稼げる可能性があると聞き、二人は廃坑へ行くことを決めた。

廃坑の探索と新たな盾の能力解放

廃坑へ向かう道中、尚文とラフタリアは入り口で放置されていたツルハシや休憩所を発見した。中には地図やロープがあり、これらを盾に吸わせた結果、新たな盾の能力が解放された。特にロープシールドでは、伸縮自在のロープを使った新たなスキル「エアストシールド」を試すことができた。これにより廃坑での探索がさらに効率的になった。

双頭犬との遭遇とラフタリアの恐怖

廃坑内で鉱石を目指して進む中、双頭の黒い犬が二人の前に現れた。尚文が盾で犬の突進を受け止めたが、ラフタリアはその姿に恐怖し、過去のトラウマが蘇って叫び声を上げた。この声に反応して犬はターゲットをラフタリアに変え、彼女に向かって突進したが、尚文が咄嗟に彼女を突き飛ばして守った。その結果、二人は滝壺に落下し、どうにか安全を確保した。

ラフタリアの過去とトラウマの告白

尚文の励ましの下、ラフタリアは自身の過去を語り始めた。彼女はかつて家族と幸せに暮らしていたが、災厄の波で骸骨兵や黒い三頭犬の襲撃を受け、両親を失った。その後、奴隷狩りや拷問を受けながらも生き延び、現在に至った。双頭犬の姿は彼女に両親を奪った犬を思い出させ、恐怖と混乱を引き起こしていた。

尚文の説得とラフタリアの決意

ラフタリアが恐怖に飲み込まれそうになる中、尚文は盾の勇者として彼女を守り続けることを約束した。また、両親は戻らないが、自分たちの力で他の人々を守ることができると語りかけた。尚文の言葉にラフタリアは少しずつ落ち着きを取り戻し、再び立ち上がる決意を固めた。

十七話 波に備えて

盾の成長と新たなスキルの獲得

尚文は一週間の間に周辺の魔物や素材を盾に吸わせ、多くのスキルと能力を解放した。特に「エアストシールド」や「シールドプリズン」といった防御スキルは実戦で活用され、ヤマアラとの戦闘では逃げる魔物を捕らえる手段として役立った。一方、攻撃力を持つ盾の解放も進み、「アニマルニードルシールド」による攻撃力向上に成功した。

ヤマアラとの戦闘と素材の活用

尚文とラフタリアはヤマアラを追い詰め、スキルを駆使して撃破した。ヤマアラの解体で得られた針や皮、骨は素材として活用され、盾に吸わせることで新たな能力を解放した。尚文は攻撃型の盾に可能性を見出し、さらなる素材収集と探索に意欲を見せた。

金策と装備の必要性

尚文は盾の技能を活かし、伐採や採掘で収入を得た結果、銀貨230枚を貯めた。しかし、防御力を過信して軽装備のまま戦闘を続けたため、ヤマアラとの戦闘で負傷する場面もあった。これを機にラフタリアから装備の見直しを強く求められ、災厄の波に備えるため、自身の装備を新調することを決意した。

ラフタリアの成長と尚文への指摘

ラフタリアは尚文の指導のもとで急速に成長し、戦闘や立ち振る舞いに自信を見せるようになった。しかし、尚文が自身の装備を軽視していることに対しては厳しく指摘し、災厄の波に向けた準備を促した。尚文は彼女の提案を受け入れ、共に装備を整えるため城下町へ向かう計画を立てた。

十八話 蛮族の鎧

武器屋での防具選び

武器屋で尚文は装備を新調するため、ラフタリアと共に訪れた。ラフタリアの外見の変化に親父が驚き、以前の痩せこけた姿から一転し、美しく成長したと称賛した。親父の助言を受け、防具選びを進めたが、尚文はエアウェイク加工が施されていないフルプレートに対し動きにくさを懸念し、軽量化された蛮族の鎧を作る計画を立てた。必要な素材の一部は既に手元にあり、残りの金属を購入することで製作が決まった。

装備製作の準備とラフタリアの活躍

尚文とラフタリアは金属工房で銅と鉄を購入し、親父に製作を依頼した。ラフタリアの愛想の良さが価格交渉に有利に働き、材料が揃ったことで製作が順調に進むことになった。親父は翌日に完成することを約束し、さらに武器の下取りも提案した。

ラフタリアの新たな武器入手

ラフタリアの剣を下取りに出し、魔法鉄の剣を購入した。親父は尚文の努力を評価し、ラフタリアにも励ましの言葉を贈った。ラフタリアは新しい剣を手にし、さらに強くなることを決意した。

昼食時のラフタリアの成長

武器屋を出た尚文たちは昼食を取るため、以前訪れた店を再訪した。尚文は子供用ランチをラフタリアに勧めたが、ラフタリアは成長を誇示し、定食を注文した。彼女の振る舞いに尚文は微笑ましさを感じつつも、背伸びする彼女の態度に少し手を焼いていた。

十九話 龍刻の砂時計

蛮族の鎧の完成

翌日、尚文たちは武器屋に訪れ、親父が仕上げた「蛮族の鎧」を受け取った。この鎧は野生的で無骨なデザインであり、ウサピルの皮やヤマアラの素材が使用され、防寒性と防御力を兼ね備えていた。試着を渋る尚文だったが、サイズが完璧に合う仕上がりに驚嘆した。ラフタリアは彼の姿を褒めたが、尚文はその見た目に少し戸惑っていた。

龍刻の砂時計との対面

武器屋を後にした尚文とラフタリアは、城下町の時計台に向かった。案内された教会の中には巨大な「龍刻の砂時計」が設置されており、その神々しさに尚文は圧倒された。砂時計の砂が落ちる速度から、波の発生まで残り約20時間であることを確認した。盾が砂時計と連動して時間を表示する機能を発動し、尚文は行動計画を練ることを決意した。

槍の勇者との再会

教会内で尚文は槍の勇者・元康と再会した。元康は豪華な装備に身を包み、多くの女性を従えていた。尚文の鎧を嘲笑し、侮蔑的な態度を取る元康に対し、尚文は怒りを押さえつつ無視を決め込んだ。しかし、元康の背後にいる尚文の因縁の女性が挑発的な言葉を投げかけ、尚文の内心に再び怒りが芽生えた。

二十話 剣

災厄の波の準備と決意

城下町では災厄の波に備え、騎士団や冒険者が準備を進めていた。尚文はライトメタルシールドを装備し、ラフタリアとともに転送に備えた。波を前にしてラフタリアは自身の過去を語り、辛い経験を振り返りながらも尚文に感謝の意を述べた。彼女は尚文を支える剣として共に戦う決意を表明したが、尚文はその言葉を冷静に受け止めることしかできなかった。

災厄の波の発生と転送

波の発生時間になると、龍刻の砂時計が鐘を鳴らし、尚文とラフタリアは転送された。空には亀裂が走り、不気味なワインレッドに染まっていた。周囲を確認するうち、尚文たちは他の勇者たちとその仲間が波の中心に向かって走る姿を目撃した。

リユート村の危機

ラフタリアの分析によれば、転送された場所はリユート村の近辺であった。そこは多くの人々が暮らす農村地域であり、避難が済んでいる様子はなかった。波から現れた魔物たちが村に向かうのを見た尚文は、他の勇者たちの行動を批判しつつ、村人を守るために村へ向かう決意を固めた。

村への向かう行動

勇者一行が波の中心で照明弾を打ち上げるのを横目に、尚文とラフタリアは村人を守るため、勇者たちとは別の方向に駆け出した。尚文は村人への恩義を胸に抱えながら、ラフタリアとともに危険に立ち向かう準備を整えた。

二十一話 災厄の波

波の防衛戦と村人たちの協力

波の発生によりリユート村は危機に直面していた。尚文はラフタリアに避難誘導を任せ、自身は盾の力で魔物たちを引き付け、村人や宿屋の主人を守った。やがて村人たちも農具を手に戦闘に加わり、尚文の指示で防衛線を形成したことで、次第に戦況は安定していった。

巨大屍食鬼との戦闘

突如現れた巨大な屍食鬼は他の魔物とは異なり圧倒的な力を誇っていた。尚文は負傷しながらも盾で攻撃を受け止め、ラフタリアと連携して屍食鬼を撃退した。村人たちの避難が完了するまで、尚文は防衛に徹し、最前線で戦い続けた。

騎士団との衝突

援軍として到着した騎士団は魔法を無差別に放ち、尚文たちを巻き込む失態を犯した。尚文はこれに激怒し、騎士団に対して厳しい叱責を加えた。騎士団の隊長と言い争いになるも、ラフタリアの助けにより事態は収束した。

波の収束と王の宴

波が収まり、村人たちは尚文に感謝の言葉を述べた。尚文はその言葉に無関心を装いつつも、守る者がいることの重要性を再認識した。その後、王が主催する宴に参加し、戦果を称えられたが、尚文は報酬を目的に渋々宴に臨んだ。

元康との決闘の発端

宴の席で元康が尚文のもとを訪れ、ラフタリアが奴隷であることを理由に決闘を申し入れた。尚文はこれを拒否したが、王の介入により無理やり決闘が決定された。ラフタリアは尚文の側に立つ意志を示したものの、王によって黙らされ、尚文は不利な状況の中、決闘を余儀なくされた。

二十二話 矛盾の実践

決闘の始まり

城の庭は決闘の場となり、観衆は槍の勇者・元康と盾の勇者・尚文の戦いに注目していた。しかし、観客の大半は元康の勝利を確信しており、尚文の不利な状況を嘲笑していた。決闘のルールは、相手を追い詰めるか降参を認めさせることで勝敗が決まるものであった。

尚文の奇策と元康の動揺

戦いが始まると、元康はスキル「乱れ突き」を放ち、尚文に傷を負わせた。しかし、尚文は攻撃をかわしつつ距離を詰め、盾と拾ったバルーンを武器に嫌がらせを行った。元康は顔や股間をバルーンに噛みつかれ、狼狽しながら防戦一方となった。この間、尚文は盾のスキルを駆使して元康を追い詰め、観衆の間に動揺が広がった。

マインの介入と尚文の劣勢

尚文が勝利を目前にしていたその時、マインがこっそり風の魔法「ウイングブロウ」を放ち、尚文を背後から攻撃した。この不意打ちにより尚文はよろめき、元康はその隙を逃さず態勢を立て直して反撃を開始した。尚文の反撃手段は限られており、最終的に元康の猛攻に耐えきれず倒れた。

元康の勝利と尚文の無力感

元康は矛を掲げ、自らの勝利を宣言した。尚文は卑劣な手段による敗北を噛み締めながら、決闘の不公平さに怒りを覚えていた。しかし、観衆や王は尚文の抗議を聞き入れる気配を見せず、尚文は孤立したまま屈辱を味わうこととなった。

二十三話 聞きたかった言葉

王女の正体と不正の暴露

決闘後、尚文は元康の勝利宣言に異議を唱えたが、観衆や王は彼の主張を退けた。さらに王女マインの正体が明かされ、彼女が王の娘であることが公にされた。尚文は、王女が王と結託し、自分を犯罪者に仕立て上げていたことに気付いた。これにより、尚文はより深い絶望と怒りに苛まれた。

ラフタリアの反抗と元康の動揺

奴隷契約を解除されたラフタリアは、元康の行動に怒りを表し、彼を非難した。彼女は尚文が自分に優しさを持って接し、信頼に足る人物であることを主張した。一方、元康はラフタリアの言葉に動揺し、自分の正当性を主張しようとしたが説得力を欠いた。

尚文の心の葛藤とラフタリアの変貌

尚文はラフタリアの信頼の言葉に触れ、自身の中に渦巻く黒い感情が和らぐのを感じた。そして、ラフタリアが幼い少女から急成長した姿を見て驚いた。彼女は亜人特有の成長過程を説明しながらも、自分の忠誠と信頼を改めて表明した。

剣と弓の勇者による介入と決闘結果の見直し

剣の勇者・錬と弓の勇者・樹が現れ、元康の仲間が不正を働いていたことを指摘した。二人は尚文の主張を支持し、決闘の結果を不正だと認めた。元康は不服ながらも敗北を受け入れ、決闘は尚文の勝利として処理された。

信頼の絆と尚文の涙

ラフタリアは尚文を慰め、その苦しみを共有することを誓った。彼女の優しい言葉と行動は、尚文にとって初めての安らぎをもたらした。尚文は涙を流しながら、ラフタリアの信頼と支えを受け入れ、彼女との絆を深めた。この瞬間、尚文の心は初めて救われたと言えるであろう。

エピロ ーグ

使用人部屋での夜とラフタリアの気遣い

尚文は宴の後、埃にまみれた使用人部屋で休息をとることになった。待遇の差を嘆きながらも、ラフタリアが彼のために城のキッチンから廃棄予定の食材を集めてきた。彼女の手作りサンドイッチを口にした尚文は、久しぶりに食べ物の味を感じ、涙を流した。これまで感じられなかった味覚が蘇り、それがラフタリアの信頼によるものだと気づいた。

明日への準備と新たな決意

ラフタリアは尚文に翌日の予定を尋ねた。尚文は報奨金を使い装備を整えることや、効率よく稼げる場所を見つける計画を立てた。ラフタリアの信頼に応えるため、尚文は彼女と共に前向きに戦う決意を新たにした。彼女の「頑張りましょうね」という言葉に力を得た尚文は、信じてくれる仲間のために戦う道を選んだ。

感謝の表現と尚文の成長

尚文はラフタリアに感謝の意を伝えるため軽いキスをしたが、それが不適切だったのではないかと反省した。彼女のために何ができるかを考えながら、アニメやゲームのような異世界ではなく、現実の厳しい異世界に身を置いていることを再確認した。ラフタリアの手を握り返し、信頼に応える覚悟を胸に、尚文は少しずつ前進することを心に誓った。

番外編 槍の勇者の道化道

槍の勇者召喚と初期の仲間

北村元康は大学生でありながら、伝説の槍を携えた勇者として異世界に召喚された。彼は持ち前のゲーム知識を武器に、この世界を救い、ハーレムを築く夢を抱いて冒険を開始した。元康の最初の仲間は赤い髪のマインで、彼女は王女という立場を活かしながら元康をサポートした。後にマインの友人レスティやエレナも加わり、冒険者としての生活が進んだが、メンバーの入れ替わりが頻繁に起きる中、和やかな冒険の日々が続いていた。

飢饉の村のクエストと初めてのダンジョン攻略

元康たちは飢饉に見舞われた村を救うため、食料を運ぶ護衛クエストを受けた。道中で盗賊を撃退した後、飢えた村人たちを目の当たりにし、元康は村を救うための「奇跡の種」を探すべくダンジョン攻略に挑んだ。ダンジョン内の仕掛けを知る彼は、自信を持って挑んだが、仲間のマインが重要な火を消したために失敗し、ペナルティを受ける事態となった。それでも元康は再挑戦し、奇跡の種を入手した。

奇跡の種の活用と村人の感謝

村に戻った元康は奇跡の種を村長に託し、飢饉解決への希望を与えた。種はすぐに成長し、村人たちは歓喜の声をあげた。村人たちの感謝を受ける元康は、救済の成功を誇り、さらなる冒険への意欲を高めていった。

クラスアップの準備と元康の慢心

元康は仲間たちのレベルを上げ、クラスアップを目指して城下町へと向かった。彼は冒険が順調に進む中、ゲーム知識を駆使して全てが思い通りに進む状況に満足していた。しかし、都合の悪い意見を聞き流し、仲間を盲信する姿勢が、後に重大な障害を生む伏線となった。

元康の道化としての歩み

理想的な冒険生活に浸る元康であったが、彼の行動が引き起こした問題の影響は物語の外に広がっていく。彼自身が気づかぬ間に道化としての役割を演じ続け、やがて避けられぬ大きな波が彼と世界を襲うことになる。この世界における槍の勇者の物語は、まだ序章に過ぎなかった。

番外編 お子様ランチの旗

村での無邪気な日常

ラフタリアは晴れた朝、村の友人キールたちと草原で遊ぶ計画を立てた。彼らは鬼ごっこやかくれんぼに夢中になり、無邪気な時間を過ごしていた。幼い彼女たちは、村での平穏な日々が永遠に続くと信じて疑わなかった。

空の異変と村への脅威

草原で遊ぶ中、空に赤い亀裂が現れ、不気味な風が吹き荒れた。キールたちは村に戻り、異変を伝えた。村の大人たちは魔物が迫る危険を察知し、避難を急いだ。しかし、三つ首の大きな魔物が村を襲撃し、大人たちは応戦したものの、圧倒的な力に敵わず多くの命が奪われた。

両親の犠牲とラフタリアの喪失

ラフタリアの両親は、彼女を守るために身を挺し、崖から彼女を突き落とした。海に流されたラフタリアは、岸に辿り着いたものの、戻った村には両親の遺体が残されていた。彼女は両親を失った悲しみを胸に、村の復興を誓った。

村の再興と新たな悲劇

生き残った村人たちと共に村を再興しようと努力したが、人間の襲撃により再び悲劇が訪れた。村の大人たちは殺され、ラフタリアも奴隷として捕らえられた。彼女は鞭打ちや過酷な扱いに耐え、同じく奴隷となった友人リファナの看病を続けたが、彼女も命を落とした。

盾の勇者との出会い

絶望の中、ラフタリアは盾の勇者ナオフミに買われた。彼は無愛想で口は悪かったが、食事や薬を与え、ラフタリアを気遣った。その優しさに触れたラフタリアは、心に小さな希望の芽を育て始めた。

過去の克服と新たな決意

ナオフミと共に冒険を重ねる中で、ラフタリアは身体と心の傷を癒やしていった。彼女は、自らの強さを取り戻し、失った村や家族のために戦うことを決意した。そして、未来への希望を胸に、再び歩み始めたのである。

登場キャラクター


召喚勇者
• 岩谷尚文(ナオフミ): 盾の勇者(主人公)。
• 天木錬: 剣の勇者。(ロソプレイヤー)
• 北村元康: 槍の勇者。(仲間を無条件に信じるギャルゲー主人公)
• 川澄樹: 弓の勇者。(正義厨)

メルロマルク王国
• オルトクレイ=メルロマルク32世: メルロマルク王。
• マルティ=S=メルロマルク(マイン): 元康のパーティメンバーで、尚文を陥れた女性。
• 王宮魔術師団: 勇者召喚を行った王国の魔術師たち。

尚文のパーティ
• ラフタリア: 尚文に購入された亜人の少女。剣士として戦う。

商人や村人
• 武器屋(エルハルト): 尚文を支援する武器商人。
• 奴隷商人: 尚文にラフタリアを売った人物。
• 村の長: 村の問題解決を尚文に依頼する村人。

敵対者・その他の登場人物
• 三勇者教: 尚文を敵視する宗教組織(名前のみの登場)。
• 波の魔物: 異世界を襲う脅威。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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