小説【shieldhero】「盾の勇者の成り上がり 2」感想・ネタバレ

小説【shieldhero】「盾の勇者の成り上がり 2」感想・ネタバレ

どんな本?

物語の概要

『盾の勇者の成り上がり』第2巻は、異世界に召喚された盾の勇者・岩谷尚文が、仲間のラフタリアや新たに加わるフィーロと共に、数々の試練や陰謀に立ち向かいながら成長していく姿を描いた異世界ファンタジーである。尚文は、他の勇者たちとの確執や王国からの不当な扱いを受けつつも、自らの信念を貫き、人々を守るために奮闘する。

主要キャラクター
岩谷尚文:盾の勇者として召喚された青年。攻撃力のない盾を武器に、知恵と工夫で困難に立ち向かう。
ラフタリア:尚文に仕える亜人の少女。剣の腕に優れ、尚文を支える忠実な仲間。
フィーロ:尚文が孵化させた魔物フィロリアルの少女。天真爛漫な性格で、尚文たちの旅に彩りを添える。

物語の特徴

本作は、主人公が逆境に立たされながらも仲間との絆を深め、成長していく過程を丁寧に描いている。特に、フィーロという新たな仲間の登場により、物語に新たな展開と活気が加わる。また、異世界での経済活動や人間関係の複雑さなど、リアリティのある描写が作品の魅力となっている。

出版情報
出版社:KADOKAWA
発売日:2013年10月25日
ISBN:9784040660493
メディア展開:アニメ化、漫画化など多方面で展開中

読んだ本のタイトル

盾の勇者の成り上がり 2
英: The Rising of the Shield Hero
著者:アネコユサギ 氏
イラスト:弥南せいら  氏

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あらすじ・内容

盾の勇者として召喚された尚文。謎の災害《波》から村人たちを助けても、国王には蔑(ないがし)ろにされたままだった。
また俺だけが馬鹿にされるのか……!? 世界はまだまだ敵であるらしい。
そんな尚文がある日「たまごガチャ」と呼ばれるモンスターくじを引く。どこにでもいるような鳥型の魔物フィロリアルを引き当てて、「フィーロ」と名付けたはいいが、どんどんと成長していき――なんと、羽の生えた少女になってしまった!?
亜人の娘ラフタリアに、「ご主人さま!」と妙になつく天使のような少女フィーロ。彼女たちと共に尚文が始めたのは、なんと「行商」だった!!
異世界リベンジファンタジー第二弾、ここに始まる!

盾の勇者の成り上がり 2

感想

「盾の勇者の成り上がり 2」は、主人公の尚文が盾の勇者として異世界に召喚された俗に言う異世界召喚系の物語です。

彼は四聖武器の盾の勇者として新たな仲間たちと出会い、成長していく姿が描かれています。

物語の始まりは、盾以外の三勇教が国教のメルロマルクに召喚され。
その国の王女マルティーの罠に嵌められて尚文は婦女暴行を行った犯罪者にされてしまった。

尚文を目の敵にするメルロマルクの民。
中には盾の勇者を信仰している獣人達が、尚文を自国に連れて行こうとしたが、心を閉ざしていた尚文は無視してしまう。
そんな尚文を救ったのは、奴隷として売られていた少女ラフタリアだった。
周りが尚文を悪く言う中、彼女は尚文を信じていると言い。
尚文の心を救ったラフタリアの信頼に応えたい。

そう思っていた尚文は魔物商が店でやっていたモンスターくじで引き当てた鳥型の魔物「フィーロ」を育てます。
最初は成長が早いが普通のフィロリアルだったのだが、途中からフクロウのようにズングリむっくりした姿となり。
あまりにも変なので、魔物商に預けたら暴れて手が付けられない状態になってしまった。

そんなフィーロを迎えに来た尚文の目の前でフィーロは背中に羽を持つ少女に変幻してしまいます。

突然人型に変身したフィーロ。
どうやら彼女は、盾の勇者の力の影響でフィロリアルクイーンという種族になっていた。

尚文は新たな仲間フィーロと共に「行商」を始め、異世界の新たな生活をスタートさせます。

本書では、フィーロの誕生や成長、進化に加えて、新たな敵との戦いや、尚文とラフタリア、フィーロの絆が描かれています。

彼らは自身を敵視する国の中で一致団結し。
困難に立ち向かい、共に成長していく姿が感動的です。

また、ドラゴンゾンビとの戦闘で尚文の憤怒の盾「カースシリーズ」が発動し、その呪いがラフタリアに襲いかかり。
ドラゴンゾンビを倒した後もラフタリアは、呪いに苦しめられます。
味方まで攻撃してしまうカースシリーズ。
今後この力がどのようにして変化していくかが面白くなって来ます。

尚文が他の勇者たちが起こした問題の後始末をしながら、行商を通じて新たな経験を積む姿は、彼の成長と異世界への順応を感じさせます。
そして、新たな仲間との情や笑いもある一方で、彼の過去の怨恨と未解決の問題も揺るぎなく存在しています。

物語の結末までには、新たな展開と謎が多く提示され、読者は次巻への期待を高められることでしょう。

この作品は、異世界ファンタジーの魅力を存分に味わえる一冊であり、特に主人公の成長と絆の描写が心温まる作品です。

私はこのシリーズが大好きで、何度も読み返すたびに新たな発見や感動があります。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

プロローグ  分け合う痛み

異世界への召喚と冤罪

岩谷尚文は日本の大学生であったが、図書館で見つけた書物『四聖武器書』を読んでいる最中に異世界に召喚された。彼は盾の勇者として「波」と呼ばれる災害と戦う使命を与えられたが、盾しか装備できないという制約や卑劣な罠により冤罪を着せられ、人間不信に陥った。国から援助を受けられず、孤独な生活を余儀なくされていた。

ラフタリアとの出会い

尚文は生計を立てるため、亜人の少女ラフタリアを奴隷として購入した。当初は労働力として扱うつもりだったが、彼女の純粋な忠誠心と行動に触れ、大切な仲間として信頼するようになった。ラフタリアは亜人特有の成長速度で外見年齢が急速に変化し、美しい女性へと成長していった。

決闘と仲間への信頼

尚文は槍の勇者・元康との決闘を強制され、不利な状況にも関わらず戦った。国王と元康の不正により敗北を強いられたが、ラフタリアは尚文のもとに戻り、自らの意思で忠誠を示した。この出来事をきっかけに、尚文は彼女を信頼し、共に波との戦いに挑む決意を固めた。

国王との謁見と理不尽な仕打ち

波を乗り越えた後、尚文は報酬を受け取るため城を訪れたが、国王と他の勇者たちから理不尽な仕打ちを受けた。彼の功績は軽視され、援助金もほとんど与えられなかった。ラフタリアの毅然とした態度が尚文を支え、彼は再び歩き出す力を得た。

ラフタリアの忠誠と尚文の決意

謁見後、ラフタリアは尚文に再び奴隷紋を刻むよう提案した。彼女はその行為が尚文に信じてもらえる証になると信じていた。尚文は彼女の純粋な思いに心を打たれ、親のような保護者として彼女を守りたいという感情を自覚した。そして、ラフタリアと共に奴隷商のテントへ向かう道を選んだ。

一話  たまごガチャ

奴隷商との再会

尚文とラフタリアは奴隷商のテントを訪れた。奴隷商はラフタリアの成長ぶりに驚きつつ、彼女の査定価格を提示した。尚文は軽くいなしながらも彼女を売るつもりはないと告げた。奴隷商は笑顔を浮かべ、奴隷紋の再登録を開始した。

奴隷紋の再登録

奴隷紋の再登録に際し、ラフタリアは恥ずかしそうに胸当てを外し、奴隷紋が再び浮かび上がった。尚文は最低限の拘束のみ設定し、信頼の証として形だけの奴隷紋を施した。その後、余ったインクを盾に吸わせ、新たな盾「奴隷使いの盾」の条件を解放した。

魔物の卵との出会い

テント内で目にした魔物の卵に興味を持った尚文は、奴隷商から卵を一つ購入した。奴隷商は卵のくじ引き形式を説明し、尚文は直感で一つの卵を選んだ。その卵に血を塗ると、魔物使役のアイコンが表示され、尚文は魔物にも指示を与えられる設定を加えた。

新たな仲間の予感

購入した卵は孵化器に収められ、翌日には孵化する見込みであった。尚文はラフタリアと共にテントを後にし、孵化する魔物を楽しみにしながら新たな冒険への期待を抱いていた。

二話  命の御礼

薬屋での恩返し

尚文は波の戦いで使用しなかった回復薬を売るために薬屋を訪れた。薬屋の店主は、尚文がリユート村を助けたことに感謝し、中級の薬レシピが記載された本を贈った。尚文は文字が読めないながらも礼を述べ、これを機に文字を学ぶ必要性を感じ始めた。

魔法屋での適性診断

薬屋の紹介で魔法屋を訪れると、店主はリユート村の感謝の意を伝え、魔法適性を診断した。尚文には回復と援護魔法、ラフタリアには光と闇の魔法の適性があると判明した。店主は初級魔法書を譲り、魔法の学習を促したが、尚文は文字の読解に苦労する自分を思い悩んだ。

波の敵との戦いの余波

尚文とラフタリアはリユート村の近郊で波の戦いで残された魔物の死骸を盾に吸収させ、新たな盾の条件を解放した。特にキメラの素材からは有用な盾が得られたため、村人と協力して素材を保存する方法を模索した。これにより、村の復興資金の足しになることも期待された。

リユート村での滞在と準備

リユート村では破壊された建物の中で村人たちが共同生活を営んでいた。尚文は村の支援を受けながら、盾の素材収集や異世界文字の解読表の作成に取り組んだ。彼は波への備えとして薬の調合や魔法の学習を進める決意を新たにした。

三話  フィーロ

フィーロの誕生と成長

ラフタリアが孵化した卵に気付き、尚文は興味を持って観察した。ピンク色のふわふわしたヒヨコが生まれ、尚文を親と認識して懐いた。魔物商の牧場主に相談すると、このヒヨコはフィロリアルの雌と判明した。フィロリアルは成体で馬車を引く魔物として知られ、尚文は手頃な価格で当たりを引いたと感じた。フィーロと名付けた雛鳥は、短時間で急速に成長を遂げた。

初めての狩りとラフタリアとのズレ

尚文たちはフィーロを連れ、小さな湿地帯でビッグフロッグと遭遇した。ラフタリアが前に出て戦いを挑むが、尚文は慎重さを欠いた行動に不満を感じた。彼は自ら盾を構え、ラフタリアと共に連携を取りながら敵を倒した。しかし、二人の戦闘スタイルにはズレが生じ始めており、尚文はラフタリアに無理をさせないよう注意を促した。

フィーロの急成長と食欲

狩りを終えたフィーロは一日で大きな成長を見せた。小さなヒヨコから大きな丸い体形に変わり、羽毛の色も変化した。フィーロの成長スピードは驚異的で、彼女のエサへの食欲も際立っていた。尚文はエサを補給しつつ、フィーロの体がさらに成長する様子を見守った。

宿での新たな発見と準備

宿の馬小屋でフィーロを休ませ、尚文は余ったキメラの肉と骨を観察した。村人が加工を進めている様子を見て、復興に役立つよう提案した。その後、尚文はラフタリアと共に部屋に戻り、世界の文字を覚えるための勉強に取り組んだ。彼は日々の成長と準備に集中し、次なる波への備えを進めていた。

四話  成長中

フィーロのさらなる成長

尚文が朝、馬小屋を訪れるとフィーロは更に成長し、ダチョウのような姿になっていた。体も大きくなり、走り回る元気な様子を見せた。尚文は成長の早さに驚きつつ、フィーロと遊びながらその変化を楽しんでいた。羽を盾に吸わせたことで新たな盾「魔物使いの盾 Ⅲ」が解放され、成長補正が強化された。

草原での探索と戦闘

ラフタリアの提案で南の草原を探索することとなり、尚文たちは薬草を採取しながら魔物と戦った。フィーロも加わり、戦闘を通じてさらに成長した。尚文のレベルは25、ラフタリアは28、フィーロは15に到達し、着実に力をつけていった。

フィーロの驚異的な成長

その日の夕方、フィーロは立派なフィロリアルに成長し、人を乗せられるほどの大きさとなった。尚文は試しにフィーロの背中に乗り、その速さと乗り心地の良さに驚嘆した。フィーロの能力は尚文の期待を超えるものとなり、有益な戦力であると確信した。

フィーロの寂しさと馬小屋での勉強

夜になり、フィーロが尚文たちに寂しさを訴えた。尚文とラフタリアはフィーロが眠りにつくまで馬小屋で勉強を続けた。尚文はこの世界の文字の習得に苦戦しながらも、努力を怠らず、ラフタリアと共に文字と魔法を学ぶ決意を新たにした。

薬作りの挑戦

部屋に戻った尚文は新たに採取した薬草を使い、薬作りに挑戦した。しかし、レシピが解読できていないため試行錯誤が続いた。尚文は努力を重ねながら、さらなる成長を目指していた。

五話  蹴り逃げ

フィーロのさらなる成長と村の手伝い

朝、尚文とラフタリアが馬小屋を訪れると、フィーロはさらに成長していた。体つきが完全に大人のフィロリアルのようになり、成長期を終えたようである。村を散策する中でフィーロは木製の荷車に興味を示し、村人から村の復興作業を手伝ってほしいと依頼を受けた。尚文はその条件として荷車を提供され、フィーロと共に森で材木を運ぶことを決めた。

元康とビッチの妨害

森に向かう準備を進めている最中、元康とビッチが現れ、元康が村の新領主に任命されたと宣言した。これに村人たちは困惑し、尚文も異議を唱えた。ビッチはさらに復興費として重税を課すと提案し、村人たちの怒りを買った。そこで、村の権利を賭けたフィーロと元康のドラゴンによるレースが提案され、尚文は不本意ながら参加を決めた。

レースと妨害工作

レースが始まるとフィーロは圧倒的なスピードで元康のドラゴンを引き離した。しかし、元康側の騎士たちによる魔法妨害でフィーロは転倒し、ペースを乱された。それでも尚文とフィーロは協力して巻き返し、元康のドラゴンを再び追い越してゴールした。妨害の証拠を示したことで村人たちは尚文を支持し、元康とビッチは敗北を認めて村を去った。

村からの報酬と新たな計画

尚文は村から感謝の印として商業通行手形と馬車を受け取った。この通行手形は領地ごとの税金を免除するもので、尚文は行商の可能性を考え始めた。フィーロも自分専用の荷車を気に入り、意気揚々と森での材木運搬に出発した。

ラフタリアの乗り物酔いと森での静寂

道中、フィーロのスピードによりラフタリアが乗り物酔いを起こし、小屋で休むことになった。尚文はフィーロと共に静かな森を散策し、ラフタリアがいないことの寂しさを感じた。これまでの短い時間で彼女との絆が深まっていたことを実感し、改めて彼女を守る決意を強くした。

六話  翼を持つ者

フィーロの急成長と異変の兆候

森から戻った尚文たちは、フィーロの急成長を目の当たりにした。木こりたちが驚く中、フィーロは健脚を発揮し荷物運びを完了した。翌朝、フィーロの身長はフィロリアルの平均を大きく超え、体格もさらに逞しくなっていた。異常な成長に尚文とラフタリアは疑念を抱き、奴隷商を訪れることを決めた。

奴隷商での調査と新たな疑問

城下町の奴隷商に到着後、フィーロの成長記録を伝えたが、奴隷商もその異常性に困惑していた。調査の結果、フィロリアルの中には「主」と呼ばれる特別な個体が存在する可能性が示唆された。奴隷商はフィーロが「フィロリアル・クイーン」であるかもしれないと述べたが、正確な種別は特定できなかった。

フィーロの暴走と謎の現象

奴隷商の檻に入れられたフィーロは暴れ、檻を破壊し、多くの被害を出した。その後も成長音が続き、ついに檻から出現したのは白い翼を持つ裸の少女だった。フィーロは尚文に向かい「ご主人様」と呼びかけ、その姿の変化に尚文たちは驚愕した。

七話  変身能力

武器屋での混乱

尚文は武器屋の親父に助けを求め、フィーロの人型変身に対応する服を探した。親父は変身後の姿に驚きつつも、適切な服を見つけることができなかった。フィーロの食欲旺盛な様子や、尚文への親しみ深い態度は周囲を困惑させた。

フィロリアル・クイーンの正体

奴隷商はフィーロが「フィロリアル・クイーン」である可能性を示唆した。高度な変身能力を持つフィーロは、自らの身を守るために人型になる習性を持つと説明された。奴隷商はこの特異な成長を詳しく知りたがったが、尚文は盾の力による成長だと説明し、詳細は明かさなかった。

フィーロとの共寝の問題

宿に戻った尚文は、フィーロのわがままに手を焼いた。フィーロは尚文と一緒に寝ることを希望し、馬小屋での宿泊を拒否した。夜中に本来の姿へ戻ったフィーロに抱き枕にされ、尚文は困惑しながらラフタリアの助けを借りて脱出した。

命令に従わないフィーロ

尚文は魔物紋を使いフィーロに命令を試みたが、フィーロはそれを無効化した。命令が通じない状況に尚文は困惑し、奴隷商への抗議を決意した。フィーロの特異性はますます謎を深めた。

八話  飴と鞭

奴隷商との対峙

尚文は魔物紋が効かない問題を解決するため、朝一で奴隷商のテントを訪れた。奴隷商は高位の魔物であるフィロリアル・クイーンには通常の魔物紋が効果を持たないと説明した。特別な魔物紋を施すため、銀貨200枚を要求された尚文は渋々支払いを了承した。

特別な魔物紋の刻印

奴隷商の指揮のもと、フィーロに特別な魔物紋が施された。魔法陣が展開される中、フィーロは激しく抵抗したが、紋の刻印が完了すると大人しくなった。この魔物紋によって尚文の命令は絶対的なものとなった。

フィーロとの衝突と妥協

尚文は魔物紋の効果を確認するため、フィーロに人型への変身を命じた。フィーロは命令に反抗し、痛みによる呪いを受けて嫌々ながら従った。尚文は「本来の姿で宿屋の部屋に戻らない」という条件を提示し、フィーロもそれを受け入れた。

奴隷商の評価

奴隷商は尚文の「外道的」な手腕を高く評価し、称賛の言葉を送った。尚文は冷静に対処しつつも、奴隷商の提案する新たな魔物育成には興味を示さなかった。その後、尚文たちはさらなる目的地へ向かうため、テントを後にした。

九話  ご褒美

武器屋の親父と魔法屋の協力

尚文はフィーロに変身しても破れない服を与えるため、武器屋の親父に案内されて魔法屋を訪れた。魔法屋は変身能力を持つ者のために「魔力を糸に変える装置」を用意しており、これを使えばフィーロに適した服が作れる可能性が示された。

魔力糸の生成

フィーロは魔力を糸に変える作業を始めたが、疲労感を訴えながらもなんとか糸を作成した。しかし、途中で装置の一部である宝石が壊れたため、宝石を調達する必要が生じた。魔法屋の提案で、メルロマルク南西部の洞窟へ向かうことが決まった。

洞窟探索と魔物との戦闘

洞窟内部には挑発的な声を放つ魔物や暗闇を作り出す魔物が待ち受けていた。尚文たちは罠に苦戦しつつも、ボイスゲンガーシールドの能力を活用して敵を撃破した。さらに洞窟奥ではヌエと遭遇し、フィーロの声と魔法屋の魔法を駆使して辛くも勝利を収めた。

糸の完成と服の制作

採掘した宝石を糸巻き機にセットし、再び魔力糸の生成を行った結果、必要な量の糸が完成した。その後、洋裁屋に糸を届けて服の制作を依頼し、フィーロに適した服が作られることになった。

バーベキューと仲間たちの絆

尚文はフィーロへのご褒美として川原でバーベキューを行った。フィーロは満足そうに肉を食べ、親父やラフタリアも尚文の料理を楽しんだ。途中で食材が足りなくなり、フィーロは追加の食材を調達した。尚文自身はほとんど食べられなかったが、仲間たちと過ごした一日は充実していた。

十話  行商

フィーロの新しい服

洋裁屋のオタク風の店主が徹夜で作り上げたフィーロの服が完成していた。白を基調としたワンピースに青いリボンがアクセントとして施され、フィーロの天使のような外見をさらに引き立てる仕上がりとなっていた。フィーロは喜びつつ服を試着し、魔物の姿に戻った際には服がリボンに変化する便利な仕様も備わっていた。

リユート村への帰路

尚文一行はリユート村へ戻るため、フィーロに荷車を引かせた。道中で偶然出会った魔法屋も同乗し、賑やかな帰路となった。フィーロの体力や力強さに改めて感心しつつ、尚文は魔法の勉強の必要性を痛感し、今後の課題として意識するようになった。

復興作業の手伝い

リユート村に到着すると、尚文たちは村の復興作業に協力した。特にフィーロは荷車を引くことが得意で、作業を進めるうえで重要な役割を果たした。尚文は復興作業を通じて、行商や運び屋としての活動を視野に入れる計画を立てた。

乗り物酔い克服訓練

尚文はラフタリアの乗り物酔い克服のため、フィーロの背中にラフタリアを乗せる訓練を開始した。最初は緩やかなペースで進んだが、徐々に速度を上げてラフタリアを慣れさせた。途中、フィーロが人型に変身してラフタリアを背負うなどの珍騒動も起きたが、尚文は迅速に対応し事態を収めた。

新たな挑戦の準備

復興作業を終えた尚文は、行商や運び屋として活動を本格化させる準備を整えた。フィーロの体力と力を生かし、今後の旅路やビジネスに活用することを目指して新たな一歩を踏み出す計画を練った。

十一話  馬車の旅

領主からの馬車の贈り物

村の領主が尚文たちに馬車を贈呈し、村人たちと共に感謝の意を表した。尚文は素直に感謝の気持ちを伝え、フィーロは自分が馬車を引く役割に大興奮していた。一方で、乗り物酔いを克服していないラフタリアは不安げな様子を見せた。

行商の開始

尚文は領主から受け取った商業通行手形を活用し、行商を開始した。薬を中心に販売しながら、訪れた村々で薬草を買い取り、移動中に薬を調合するというスタイルを確立した。フィーロの速さによって次の村へ迅速に移動することが可能となり、時折野宿を挟みつつ旅を続けた。

野宿とフィーロの甘え

野宿中、フィーロは尚文に甘え、共に寝ることを求めた。フィーロとラフタリアは些細なことで言い争う場面もあったが、尚文は二人をなだめ、次第に家族のような関係を築いていった。

フィーロの興味と子供らしさ

フィーロは尚文の薬作りを真似しようとするも失敗し、不満を漏らした。また、「なんで?」と次々に質問を投げかける子供らしい一面を見せた。尚文はその質問攻撃を巧みにかわしながらも、フィーロとラフタリアとの交流を楽しんでいた。

行商の継続と旅の未来

尚文たちは馬車を活用して行商を続け、薬の販売や輸送を通じて資金を得る活動を展開した。旅路は順調でありながらも試行錯誤が続き、尚文はこれからの旅と商売の発展に向けた期待を抱いていた。

十二話  勇者達の噂

緊急の依頼と薬の効果

馬車で移動中、尚文は急いで山向こうの村へ向かう男を発見した。男の親が病で倒れており、薬を届ける必要があるという事情を聞き、フィーロの力を借りて運搬を提案した。銀貨一枚相当の報酬で合意し、フィーロの全速力で目的地に到着した。尚文は男に代わって薬を母親に飲ませ、スキル「薬効果上昇」により容態が改善した。男は後日報酬を支払い、母親の回復に感謝の意を表した。

行商の進展と成長

尚文たちは村々を巡り、薬の販売を軸に行商を続けた。移動中には魔物を倒して盾の種類を増やし、治療薬の直接投与などで信用を得たことで収入が増加した。また、地方ごとの魔物の特徴を活かして効率的に素材を収集した結果、フィーロの能力は大幅に向上した。

盾と薬の新たな成果

行商中に得た素材を盾に吸わせた結果、多くの新しい盾が解放された。特に「トレントシールド」や「アンチポイズンシールド」など、薬や植物系の特性を活かした能力が備わっていた。また、薬の中級レシピを解読し、新しい薬品の製造に成功したが、一部の素材は入手が困難であったため、限られたアイテムに留まった。

魔法の習得への挑戦

尚文は魔法書を用いて魔法の習得に挑んでいたが、感覚的な要素が多いため困難を感じていた。一方で、ラフタリアは魔法の基本的な使用に成功し始めており、尚文は自らの学習の遅れを痛感していた。それでも、将来のために魔法を習得する必要性を強く感じ、日々努力を続けていた。

行商と旅の継続

尚文たちは「何でも屋」として近隣で評判を高め、徐々に客も増加した。地方の情報収集や行商活動を通じて収益を上げ、尚文たちの旅は順調に続いていた。旅の中で魔物との戦いや新たな発見を重ねつつ、尚文は次の目標に向けて準備を進めていた。

十三話  命以外の全てを奪う

馬車の噂と奇跡の薬

隣町へ向かう途中、商人が「神鳥の馬車」の噂を語った。尚文は治療薬が奇跡と称されていることに驚いたが、商人に実際の薬を見せ、その効果を説明した。商人は宝石商を名乗り、安価なアクセサリーを扱っていると語ったが、話の途中で盗賊に襲撃される。

盗賊の襲撃と戦闘

盗賊団が馬車を包囲し、アクセサリー商の所持品を狙った。尚文はラフタリアとフィーロに指示を出し、戦闘に挑んだ。盗賊の中には用心棒として雇われた強敵がいたが、フィーロとラフタリアが魔法を駆使して撃破した。残党も捕らえられ、盗賊たちは装備や金品を奪われた上で解放された。

盗賊のアジト襲撃と収穫

盗賊のアジトを探索し、大量の金品や装備を回収した。盗賊団を自警団に引き渡すことを検討したが、尚文の悪名が原因で問題が起こる可能性があるため、身ぐるみを剥いで放置するに留めた。アクセサリー商は自分が狙われた理由を明かし、尚文に謝罪と報酬を提示した。

アクセサリー商の提案と行商の続行

アクセサリー商は尚文の行動に感銘を受け、細工や魔力付与の技術を教えると申し出た。尚文は半信半疑ながら提案を受け入れ、旅を続けることを決意した。盗賊団から得た財産により資金を増やした尚文たちの行商は順調に進み始めた。

十四話  魔法習得

アクセサリー商との出会いと教え

アクセサリー商が尚文の馬車に乗り込み、行商の知識や技術を教えた。商人組合の刺客として行動していたが、尚文の資質を評価し、特別に指導を申し出た。アクセサリー加工の技術を伝授し、必要な道具や採掘場の紹介も行った。

魔法習得と魔力付与

尚文はアクセサリー商の助けを借り、魔法を習得した。商人が渡した鉱石の欠片を使い、魔力を感じ取る訓練を成功させた。さらに魔力付与の技術を学び、宝石に魔力を込めることでアクセサリーを強化する手法を習得した。商人の指導により、尚文は装飾品製作の基本を身につけた。

採掘場での経験

紹介状を持って採掘場を訪れた尚文は、自ら採掘に挑戦した。盾の技能により短時間で多くの原石を掘り出し、質の良い宝石を手に入れた。採掘した原石を使い、ルビーブレスレットを製作し、魔力付与も試みたが、品質が若干低下するという課題を発見した。

アクセサリー製作と行商の発展

採掘した素材でアクセサリーを製作し、行商の品に加えた。ブレスレットは高値で売れたが、製作時間やコストを考えると利益率に課題が残った。それでも、装飾品製作の技術は尚文の行商に新たな可能性をもたらした。

除草剤の依頼と急行

南方の街で、除草剤を大量に求める地方の情報を得た。フィーロの俊足を活かして納期に間に合う唯一の手段として、尚文たちは依頼先の村へ向かった。大きな利益を見込んだ尚文は、行商の範囲をさらに広げていった。

十五話  封印された理由

植物の侵食と難民キャンプ

尚文たちが村へ向かうと、蔓植物が大地を覆い尽くし、村人たちが難民キャンプを形成していた。蔓は繁殖力が非常に強く、人々は食料には困っていなかったが、住居を追われていた。元康が「奇跡の種」を持ち込み飢饉を解消したが、その種が原因で異常繁殖が始まったという。

植物化した人々の治療

尚文はキャンプで植物に寄生された人々を目にし、治療薬と除草剤を用いて治療を施した。治療の効果は高く、患者たちは次々と回復し、キャンプの雰囲気も明るくなった。治療の代金を請求しつつ、尚文は現状を冷静に観察していた。

村人からの救助要請

村人たちは尚文に侵食する植物の駆除を懇願した。尚文は先払いを条件に依頼を引き受けることにした。村人から集めた情報によれば、今回の異変は大昔の錬金術師が作り出した植物の種子が原因であり、それが封印されていた理由を軽視した結果であった。

駆除の準備と進行

尚文は村人たちから寄付金を受け取り、キメラヴァイパーシールドに盾を変化させて駆除に向かった。村人たちが彼の正体に驚く中、尚文、ラフタリア、フィーロの三人は蔓の中へと進んでいった。金の袋を腰に下げ、尚文は仕事を遂行するべく前進した。

十六話  侵食植物

植物の侵食と魔物との遭遇

尚文たちは蔓植物が侵食する村へ向かった。蔓は毒や酸を吐く魔物と化し、周囲には果実や芋が実っていた。尚文は除草剤が有効と判断し、ラフタリアとフィーロに防御魔法を施して慎重に進んだ。進行中、魔物が次々と襲いかかるが、彼らは蔓を切り払いつつ村の中心へ進むことに成功した。

村中心での本体との対峙

村の中心には巨大な目玉を持つ植物の集合体がそびえ立っていた。フィーロの攻撃で目玉を破壊するも、再生する本体に対し決定打を見つけられなかった。尚文は本体内部に見えた種へ除草剤を使うことを決意し、ラフタリアとフィーロに除草剤を持たせて攻撃を続行した。

除草剤と尚文の技能の活用

ラフタリアとフィーロの連携で種に除草剤を振りかけたが、効果が不十分であった。尚文は薬効果上昇の技能を用いることを思いつき、自らが除草剤を撒くことにした。除草剤の効果が最大限発揮され、本体は枯れ果てて崩壊し、周囲の魔物も動きを止めた。

戦闘後の整理と収穫

本体の崩壊後、尚文たちは落ちてきた光り輝く種を回収し始めた。これが再び問題を引き起こさないよう、尚文は盾に吸わせることも検討した。一方でフィーロは残った果実や芋を食べながら、平穏を取り戻した村を見渡していた。

十七話  品種改良

バイオプラント討伐後の種子改造

尚文たちはバイオプラントを討伐し、種子や枯れた植物を盾に吸収させた。吸収の結果、バイオプラントシールドやマンドラゴラシールドなどが解放され、それぞれ植物改造や植物解析といった技能が付与された。尚文は興味を抱き、試験的に種子の改造を行い、植物の成長力や生産力を調整する実験を開始した。

植物改造による実験の成果

改造された種子を使い、尚文は村の一角を覆う安全な植物の生成に成功した。新しい植物はトマトのような実を宿し、繁殖力が低いため成長範囲が限定されていた。尚文はこれが村の飢饉対策に役立つ可能性を示唆しつつ、再び同じ問題が起こらないよう注意を促した。

村からの感謝と作物の贈呈

尚文たちは村を救った礼として、残った作物を大量に贈られた。バイオプラントが生み出した果実や芋が馬車に積み込まれ、旅の荷物が増えたが、フィーロはこれを楽しげに引いていた。尚文はこれを処分する方法を考えつつ、次の商売先を模索していた。

次なる目的地への出発

旅の途中で東方で疫病が流行しているとの噂を聞いた尚文は、薬を作って売り込むことを決定した。彼らは新たな商売先を目指して、再び旅を続けることとなった。

十八話  疫病の村

ドラゴンの死骸がもたらした疫病

治療薬の調合と村の現状

尚文たちは疫病が蔓延する東の農村を訪れ、治療薬を使って症状の緩和に努めた。治療薬には範囲効果があり、一度の使用で複数の患者に効能をもたらしたが、完全な治療には至らなかった。村の空気は淀み、死者を出した影響で雰囲気は重かった。

病の原因とドラゴンの死骸

疫病の原因は、一ヶ月前に剣の勇者・錬が討伐したドラゴンの死骸であると判明した。冒険者たちが素材を剥ぎ取った後、腐敗した肉や臓器が放置され、その毒素が空気に混じり病を引き起こした。また、山脈の生態系が変化し、毒が広がった結果、誰も近づけない危険地域となっていた。

治療師の説明と国の対応

村人は国に報告し、薬の支援を待っていたが、勇者たちは忙しく後回しにされていた。治療師も高位の薬を調合中であったが、完成までに時間が必要であり、即時の解決策がなかった。

尚文の決断と準備

尚文は村人たちから依頼料を譲り受け、代わりにドラゴンの死骸を処分することを決めた。治療薬の完成を待つ間に山脈へ向かい、腐敗源を取り除くことで疫病の根本的な原因を断つ計画を立てた。こうして一行は危険な山脈へ向かう準備を整えた。

十九話  カースシリーズ

怒りの盾とドラゴンゾンビとの対峙

山道の毒と魔物たち

尚文たちが山を登ると、ポイズンツリーやポイズンフロッグなど毒系魔物が次々と現れた。毒の瘴気が漂う中、尚文は盾を次々と強化し、フィーロは馬車を引きながら敵を跳ね飛ばして進んだ。山の空気は悪く、ラフタリアには厳しい状況であったが、チームで協力しながら前進した。

ドラゴンの死骸との遭遇

山の頂上付近で腐敗したドラゴンの死骸を発見した。冒険者たちに剥ぎ取られ、腐肉と骨だけが残されており、異臭が辺りに充満していた。解体作業に取り掛かろうとしたその時、ドラゴンの死骸が突如動き出し、腐敗しながらも再生を続ける「ドラゴンゾンビ」と化していた。

フィーロの奮闘と絶望的な状況

ドラゴンゾンビが紫色の毒ガスを吐き、ラフタリアが咳き込む中、フィーロは果敢に攻撃を試みた。しかし、ドラゴンゾンビの跳躍攻撃により、フィーロが捕まり喰われてしまう。尚文とラフタリアは大切な仲間を失った絶望に打ちひしがれた。

怒りの感情と憤怒の盾

悲しみと怒りに囚われた尚文は、盾から囁かれる声に導かれ「憤怒の盾」を解放した。赤黒い光を放つ禍々しい盾が現れ、尚文の感情をさらに煽った。激しい怒りの中、尚文はドラゴンゾンビに向かって咆哮し、戦いを続ける決意を固めた。

二十話  憤怒の盾

憤怒の盾とドラゴンゾンビの戦闘

黒い怒りと憤怒の盾の解放

尚文は怒りに飲まれ、憤怒の盾を解放した。黒い炎を放つ盾は敵の攻撃を防ぎながら、反撃としてドラゴンゾンビを焼き尽くした。しかし、怒りの力を増幅する盾は尚文の心を侵食し、さらに攻撃的な力を引き出していた。

ラフタリアの声と尚文の葛藤

ラフタリアは尚文に手を差し伸べ、怒りに飲まれないよう必死に語りかけた。その言葉は尚文の心を揺るがし、彼は理性を取り戻した。だが、ラフタリア自身は憤怒の盾の炎による火傷を負い、重傷を負った。尚文は彼女を救うために魔法を繰り返し唱え、急いで治療を施した。

ドラゴンゾンビの終焉

尚文たちの戦いの中、ドラゴンゾンビは突然苦しみだし、再び動きを止めた。フィーロの攻撃や憤怒の盾の炎が影響したのか、ゾンビの体は崩れ、静寂が戻った。

フィーロの帰還とドラゴンゾンビの秘密

フィーロはドラゴンゾンビの体内から無事に出現した。彼女はドラゴンの心臓部にあった紫色の結晶を発見し、一部を尚文に渡した。結晶は盾に吸収され、新たな可能性を秘めた盾の進化を示した。

ドラゴンゾンビの後始末

尚文たちはドラゴンゾンビの残骸を処理し、一部を素材として回収した。憤怒の盾の危険性を改めて感じながらも、尚文は自分を取り戻し、フィーロとラフタリアの安全を守ることを誓った。

エピローグ  盾として……

呪いと向き合う決意

ラフタリアの治療と呪詛の正体

尚文は村に戻り、ラフタリアの黒い火傷の治療を治療師に依頼した。治療師はそれが強力な呪詛によるものと診断し、聖水を使った応急処置を施した。完全な治療には大都市の教会で作られる強力な聖水が必要だと言われたが、尚文は自分の過ちで負わせた傷を深く悔いた。

ラフタリアの覚悟と尚文の反省

ラフタリアは、自分が尚文を止められたことを喜び、その代償として負った傷を気にしないと笑顔を見せた。その姿に尚文は心を打たれ、仲間を守るだけではなく、攻める勇気を持つ必要性を痛感した。ラフタリアの強い意志に支えられ、尚文は守るだけではなく進む決意を固めた。

フィーロの気持ちと自分らしさの発見

フィーロは尚文に、自分が人型でいる理由を語った。尚文やラフタリアのようになりたいと願いながらも、自分は自分であると認めることが大切だと気づいたフィーロは、尚文への信頼を新たにし、仲間として努力を続ける意志を示した。尚文はフィーロの成長を喜びながらも、守る責任を再確認した。

疫病の根絶と村での絆の深まり

尚文たちは治療師と協力し、疫病の原因を解消するために奔走した。努力の結果、村は平穏を取り戻し、感謝の声が広がった。尚文は、仲間と共に困難を乗り越えた達成感を胸に抱きながら、彼らの信頼に応え続けることを誓った。

未来への希望と共闘の決意

ラフタリアとフィーロは、尚文に「一緒に頑張ろう」と声をかけ、彼を支えた。尚文は、仲間の存在の大きさを改めて実感し、独りで抱え込むことをやめると決めた。笑顔を取り戻した尚文は、仲間と共に平和な未来を築くため、前を向いて進むことを誓った。

番外編  あの人への贈り物

温泉街での休息と絆

温泉街への到着と期待

ナオフミ達は温泉街へと到着した。ラフタリアは久しぶりの休息を喜び、フィーロは温泉の匂いに興味を示していた。ナオフミは薬の販売を終えた後、数日間の滞在を決め、温泉でゆっくりする計画を立てた。これにラフタリアとフィーロも賛同し、彼らの表情には安堵が浮かんでいた。

温泉での出来事とラフタリアの思い

ラフタリアは温泉の看板に「この温泉に入った男女は永遠に結ばれる」という伝説を見つけ、フィーロとナオフミが一緒に入浴している現状に動揺した。その後、ラフタリアは宿に戻り、ナオフミから背中の傷の治療を受けたが、勇気を出して自身の想いを伝えようとするも、ナオフミに子供扱いされ、心を折られた。フィーロの乱入もあり、さらに複雑な感情を抱えることとなった。

ラフタリアとフィーロの競争

翌朝、ラフタリアはナオフミに喜ばれるものを探そうと温泉街で情報を集め、恋愛成就の鉱石「ラチウム」の存在を知った。一方、フィーロも珍しい食べ物を求めて同じ山へ向かっていた。偶然再会した二人は、ナオフミを喜ばせるための競争を始め、山の奥地へと進んだ。

銀色の魔物との遭遇と混乱

山中でラフタリアとフィーロは、鉱石や卵を目指して奮闘していたが、突如現れた銀色のイノシシ「シルバーレイザーバッグ」により計画が狂わされた。魔物の突進で鉱石も卵も粉々になり、二人は怒りを込めてイノシシを仕留めたが、目標を達成できなかったことに落胆した。

意外な報酬と感謝の贈り物

下山後、温泉街の住民がシルバーレイザーバッグを「銀様」と呼び、儀式に必要な魔物として高額で買い取ることを申し出た。得られた報酬をナオフミから譲られたラフタリアとフィーロは、感謝を込めてアクセサリー作りの器材をプレゼントした。ナオフミはその心遣いに感謝し、二人を優しく撫でた。

前向きな決意

ラフタリアは、ナオフミに自分を一人の女性として見てもらえるよう努力することを改めて誓い、フィーロと共にその目標に向かう決意を新たにした。仲間としての絆を深めながら、彼らは次の目的地に向かう準備を進めていった。

登場キャラクター


召喚勇者
• 岩谷尚文(ナオフミ): 盾の勇者(主人公)。
• 天木錬: 剣の勇者。
• 北村元康: 槍の勇者。
• 川澄樹: 弓の勇者。

メルロマルク王国
• オルトクレイ=メルロマルク32世: メルロマルク王。
• マルティ=S=メルロマルク(マイン): 元康のパーティメンバーで、尚文に執拗に嫌がらせをする。
• メルティ=Q=メルロマルク: メルロマルク第二王女(名前のみの登場)。

尚文のパーティ
• ラフタリア: 尚文の仲間で剣士。精神的にも成長し尚文を支える。
• フィーロ: 尚文が奴隷商人から購入した卵から孵化したフィロリアルの魔物。馬車を引き、戦闘にも活躍する。

商人や村人
• 武器屋(エルハルト): 尚文を支援する武器商人。
• 奴隷商人: 尚文にフィロリアルの卵を売った人物。
• 宝石商人: 尚文にアクセサリー制作について教えた商人。
商人や村人
• 仕立て屋: フィーロ専用の魔法対応服を制作した人物。
• 魔術商人: フィーロの服の素材となる魔力対応の糸を生成した人物。
• 村の長: 尚文に助けられた村の代表。
• 温泉街の宿の主人: 尚文たちに宿泊を提供した人物。
• 治療師: 疫病の村で尚文と協力して治療薬を調合した人物。

敵対者・その他の登場人物
• 波の魔物: 異世界を襲う脅威。
• ドラゴンゾンビ: 錬が討伐したドラゴンの死骸が瘴気で蘇った魔物。
• シルバーレイザーバッグ: 温泉街付近の火山地帯に現れる銀色の巨大なイノシシ型の魔物。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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