どんな本?
「サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと」は、モニカ・エヴァレットという無詠唱魔術を使える世界唯一の魔術師を主人公にしたファンタジー小説。
彼女は伝説の黒竜を一人で退けた英雄であり、極度の人見知りの天才魔女でもある。
しかし、彼女は無詠唱魔術を練習しているのは、人前で喋らなくて良いようにするためで。
無自覚なまま「七賢人」に選ばれてしまい、第二王子を護衛する極秘任務を同僚の七賢人に押しつけられることになり、気弱で臆病ながらも最強の力を持つ彼女が、王子に迫る悪をこっそり裁く痛快な物語が展開している。
読んだ本のタイトル
サイレント・ウィッチ VI 沈黙の魔女の隠しごと
著者:依空まつり 氏
イラスト:藤実なんな 氏
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あらすじ・内容
呪竜騒動は人為的な事件だった――その疑惑から第二王子との向き合い方が分からなくなるモニカ。そんな折、王城でクロックフォード公爵から呼び出しが! モニカは真実を求め、王国の重鎮との直接対決に挑むが……?
サイレント・ウィッチ VI 沈黙の魔女の隠しごと
感想
主人公であるモニカ・エヴァレットは、無詠唱魔術を操る世界唯一の魔術師で特別な力を持つ少女です。前巻までの出来事で呪竜騒動を終結させた彼女は、新たな学期を迎える中で、次なる騒動に巻き込まれていきます。
物語は、モニカが父が処刑された原因に絡むクロックフォード公爵の関与を疑う場面から始まります。
しかし、確証を得ることが難しく、呪竜騒動で負傷した左手の痛みと、左手を痛めている小柄な女子がサイレント・ウィチーだと知り、彼女を探している第二王子フェリクスからの追究に逃げながら新学期を迎えることになります。
モニカの周りでは次々と問題が起こり、彼女の平穏な日常は揺るがされていきます。
モニカが以前通っていた学園ミネルヴァの問題児であり、モニカの正体を知る先輩であるヒューバートが転入してきます。
彼は強い者に挑むのが大好きで、ミネルヴァでは手応えが無いのでセレンディア学園へと転校して来ました。
このヒューバートと結界の魔術師の弟子であるグレンはヒューバートと因縁があり、モニカを見つけたヒューバートが、モニカの事情を無視して決闘をしようとしたら、横槍を入れてグレンとシリルがヒューバートと決闘する事となります。
これがまた次なる騒動に繋がる事となるとは、、
さらに、隣国のセレンディア学園からチェス大会でモニカに結婚を申し込んだロベルトが編入して来て。
モニカに会う度にチェスを前提に結婚を申し込み。そして新入生である第三王子のアルバートは、第二王子フェリクスが愛玩(ペット)しているモニカを奪うために暗躍する。
モニカはヒューバートに怯え、ロベルトに求婚され第三王子に絡まれ。
彼等との関わりに悩みつつ翻弄されて行きます。
そんなモニカの受難とは別に、「星詠みの魔女」メアリーが「七賢人の誰かが欠ける」という不穏な予言を発せられ、物語は更なる謎へと進展します。
ヒューバートとグレン、シリル、ロベルトとの決闘でグレンとシリルが行方不明となります。その後、彼らを拉致した精霊たちから、精霊を実験で使い潰す七賢人の一人である「宝玉の魔術師」エマニュエルが、禁止された古代魔道具を用いて精霊を集めて使いつぶしていることが明らかになります。そんな危険な実験を止めて欲しいと精霊たちからの懇願を受け、グレンとシリルは意図せずにエマニュエルの研究所をぶっ潰しに向かうことになります。その後を第二王子のフェリクスが付いていくことになります。
さらに、七賢人の中でも「結界の魔術師」として知られるグレンの師匠であるルイスと共に、モニカは七賢人の中で評判の悪いエマニュエルへのカチコミに巻き込まれます。
ところが、エマニュエルに捕まっていたと思われるルイスの契約精霊のリンが現れ、次巻へと続きます。
本書は笑いとシリアスが交錯する魅力的な展開が特徴です。
プロローグのノートン一家による、ノートン家で過ごした夏休みのエピソード(偽造)は笑いを誘い、読者を楽しませます。
しかし、一方でモニカが大切に思う人々に嘘をつかなければならない苦悩や、彼女の運命に巻き込まれるさまは、共感を呼び起こす要素でもあります。
物語は、魔法と友情、成長のテーマを通じて展開されています。モニカは愛する父を失い、その才能を持ちながら王国の七賢人になった孤独な少女です。彼女の成長や友情の絆が、読者の心を打つことでしょう。
「サイレント・ウィッチ VI 沈黙の魔女の隠しごと」は、幻想的な世界観、魅力的なキャラクター、緻密なストーリー展開が読者を魅了する作品です。笑いとシリアスが交錯する中で描かれるモニカの冒険(苦難?)は楽しさと感動をもたらしてくれることでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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