どんな本?
“転生したらスライムだった件”とは、伏瀬 氏による日本のライトノベルで、異世界転生とファンタジーのジャンルに属す。
主人公は、通り魔に刺されて死んだ後、スライムとして異世界に転生。
そこで様々な出会いと冒険を繰り広げながら、魔物や人間との交流を深めていく。
小説は2014年からGCノベルズから刊行されており、現在は21巻まで発売されている。
また、小説を原作とした漫画やアニメ、ゲームなどのメディアミックスも展開されており。
小説のタイトルは「転生したらスライムだった件」だが、略称として「転スラ」と呼ばれることもある。
読んだ本のタイトル
転生したらスライムだった件 13
著者:伏瀬 氏
イラスト:みっつばー 氏
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あらすじ・内容
スライムが魔王に成り上がる!?話題のモンスター転生ファンタジー!!
ジュラの大森林に攻め込む帝国94万の大軍勢。 迎え撃つテンペストは、魔王ラミリスの権能により、 ダンジョンへと町を避難させた。 最前線で原初の悪魔であるテスタロッサ、 ウルティマが猛威を振るう中、帝国軍はダンジョン攻略に乗り込む。 しかしそこで待っていたのは、圧倒的な武力を誇るテンペストの、 凄まじいまでの虐殺劇であった……。 スライムが魔王に成り上がる!? 話題のモンスター転生ファンタジー‼
転生したらスライムだった件 13
感想
ジュラの大森林へと大きな脅威が迫る。東の帝国が、94万という途方もない数の兵をもって、テンペストに侵攻する。
テンペスト側は、魔王ラミリスの力を借りて、町をダンジョンに避難させ、帝国軍の攻撃に備える。
この戦いの最前線では、原初の悪魔であるテスタロッサやウルティマが圧倒的な力を見せつける。
帝国軍はダンジョンを攻略しようとするが、テンペストの戦士たちは想像を絶する強さで応戦し、蹂躙劇にまで発展する。
物語の中で、帝国軍はテンペストを侮っていたが、その誤算が命取りとなる。
特に、新加入組の悪魔、テッサロッサは帝国軍を文字通り蹂躙し、戦いの激しさを物語っている。ガビルやゴブタなど、テンペスト側のキャラクターたちは、それぞれが個性を発揮しながら、この危機を乗り越えようとする。
ガビルは研究者のように敵の攻撃に耐え、耐性を付けてから反撃を試みる。
ただ、部下にもそれを強要するのは、、
ゴブタはお調子者らしく、しかし彼らしい方法で戦いに臨む。
この巻では、東の帝国との戦いがメインであり、テンペスト側の強さが際立った。
しかし、その力の源泉であるリムルや新たに加わった仲間たちの活躍も、物語に深みを与えていた。
読者としては、これまでの積み重ねが、テンペストの勝利につながったと感じられる。
この戦いを通じて、テンペストの勢力図が明らかになり、今後の展開がさらに期待される。
結論として、この物語は、強大な敵に立ち向かうテンペストの結束力と、個々のキャラクターの成長が描かれる。
帝国との戦いは、一時的な終結を見せるが、物語の中で新たな脅威が示唆されることで、読者の期待は次なる展開に向けられる。
戦いの中での友情、信頼、そして強さの源泉について考えさせられる一冊であった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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備忘録
序章
ガドラは、自身に殺害未遂を試みた犯人が誰か、およびルドラ皇帝に似た人物について悩んでいた。ルドラ皇帝が自身の計画を見透かしていた可能性を恐れ、また、ユウキへの警告を考えるも、リムルへの報告が信頼を損ねる可能性を懸念していた。最終的には友情を優先し、ユウキへ警告し、リムルへ報告することを決意した。一方、ユウキは監視されている状況を認識しつつ、ガドラからの報告に基づき、現在の計画を見直す必要があると考えていた。その報告には、マサユキがルドラ皇帝と瓜二つであるという内容も含まれており、ユウキはその事実を受けて行動を計画していた。カガリとユウキは、裏切り者の存在を認識し、それが重要人物であることに驚愕していた。
第一章
幹部会議から一ヶ月経過後、リムルは管制室で帝国軍の動きを監視していた。常にスタッフが監視し、リムルとベニマルを含む幹部たちは戦争準備に励んでいる。帝国軍は思ったより遅れて侵攻を開始し、戦車部隊を使って威嚇しつつ、歩兵小隊を森に進軍させていた。これは帝国軍の主力で、約70万の兵力を有している。リムルたちは、帝国軍の戦力を分散させるために、迷宮内での迎撃作戦を実施する予定である。ゴブタとガビルはドワーフ王国で共闘関係にあり、ベニマルはガゼルと再確認のために連絡を取ることに決めた。全体的に、テンペストは帝国軍の侵攻に対して有利な立場を保っている。
ベスターが開発に成功した魔力念話機器「連絡器」は、音声だけでなく視覚情報も伝達可能であるが、使用者の思考が相手に筒抜けになる可能性がある。リムルはこの連絡器を用いて、ドワーフ国王ガゼルと共闘の最終確認を行った。ガゼルは帝国との交渉をリムルに任せ、ドワルゴンが守勢に徹することを告げた。また、帝国軍の新型兵器「魔導戦車」の脅威についても言及され、リムルはそれに対応するための防御策を提案した。交渉の準備が整い、リムルは正式に戦争を開始する決意を固め、交渉のための使者としてテスタロッサを選んだ。
リムルとガゼルの連絡器を通じたやりとりの頃、ドワーフ王国の大門内側では、ゴブタとガビルが率いる約一万五千の兵が集結し、帝国の出方を待っていた。ドワーフ軍は戦争準備を進め、土魔法と火魔法により強化された三重の防壁を構築していた。一方、ゴブタ達は野営地でリラックスしており、テスタロッサとウルティマはティータイムを楽しんでいた。ゴブタとガビルは、ウルティマの従者ゾンダが用意した食事を楽しんでいたが、テスタロッサとウルティマからは食事の品数やバリエーションに不満の声が上がっていた。
その後、リムルはテスタロッサに帝国との交渉を命じ、テスタロッサは全権代理としての権限を与えられた。テスタロッサはこの任務を喜んで受け、リムルはゴブタとランガを彼女の護衛に指名した。ゴブタは自信満々にこれを受け、出撃の準備を整えた。こうして、魔物の軍勢の出撃が決定し、静まり返った場にゴブタの号令が響き渡った。
リムルがテスタロッサたちに命令を伝えた後、その対応について考えていた。魔王としての威厳を示すためには、慌てることなく冷静に対応するのが適切だと感じた。テスタロッサは帝国軍との戦いに自信を持っており、その強い意志を感じさせた。一方で、ゴブタの成長にも気づき、彼が責任を持って行動しようとしていることに感心したが、その無邪気さにはやや心配も感じていた。ランガにゴブタの護衛を命じ、帝国との交渉が失敗した場合の戦争準備を進めた。戦車部隊を含む未知の戦力を持つ帝国に対して、ベニマルは狼鬼兵部隊を先行させる戦術を提案した。リムルは、仲間たちの安全を最優先に考え、無駄な犠牲を避けるためにも慎重な計画を立てる必要があると考えていた。
機甲軍団の中将であるガスターは、魔導戦車師団の指揮を任されており、ドワーフ王国を打倒することで英雄になることを夢見ていた。彼はユニークスキル『演奏者』を持っており、音波を操る能力で部隊を統率し、攻撃手段としても使用できる。帝国軍が進軍する中、ガスターはリムルの側近であるテスタロッサと対面し、彼女から警告を受ける。しかし、ガスターはテスタロッサの警告を無視し、戦闘を開始することを決意する。テスタロッサは彼の攻撃を軽々と防ぎ、帝国軍に対して宣戦布告を行った後、何事もなかったように立ち去る。ガスターは屈辱を感じながらも、帝国軍としてのプライドを保とうと戦闘を開始する号令をかける。
戦争が始まった。テスタロッサの示した警告線を帝国軍は踏み越え、戦争状態に突入する。ラミリスとヴェルドラは高みの見物をしているが、リムルは真剣に事態を受け止めている。町の避難はラミリスが迅速に行い、迷宮内に隔離することで準備を完了させた。トレイニーからの伝言で、怪しい気配の調査に行くとの報告があったが、具体的な情報は得られなかった。迷宮の防衛態勢は万全であり、帝国軍が迷宮を攻略することは極めて困難とされる。
戦車部隊がテスタロッサの警告を無視し、一斉射撃を開始した。狼鬼兵部隊は『影移動』により無事にその場を離れることができたが、敵の戦車砲の威力は想像を超えるものだった。特に一発の砲弾は極めて強力で、核撃魔法に匹敵する威力を有していた。この攻撃により地形が変化し、狼鬼兵部隊がいた場所は業火に包まれた。しかし、ベニマルの迅速な指示により、ゴブタ達は全員無事だった。リムルは戦場への意識を戻し、今後の対応を考える。
リムルが『思念伝達』を利用してベニマル、ゴブタ、テスタロッサと会議を行う。『思考加速』を発動させることで、体感時間を引き延ばし、短時間で有意義な打ち合わせが可能となる。ベニマルはガビル率いる部隊が敵の戦車部隊に強襲を仕掛け、ゴブタ達が挟撃する計画を提案する。戦車部隊の機動力は想定内であり、ガビル達が陽動を行い、ゴブタ達が攻撃を仕掛ける作戦には勝算があるとベニマルは説明する。
敵の戦車部隊に対して、『影移動』ではなく正面突破を選択することになり、テスタロッサもこれを支持する。ゴブタは当初、不安を感じるものの、作戦に納得し参加することを決める。リムルはゴブタに励ましの言葉をかけ、ベニマルはゴブタの勘違いを指摘するが、その詳細は明かされない。
ゴブタ達は戦車部隊への突撃を開始し、テスタロッサが提供した炎爆玉を使用して戦車を破壊することに成功する。この成功により、作戦は次の段階へと移行する。敵の戦車部隊との距離を詰め、戦車の死角である内部に潜り込むことが目標となる。ガビル達は陽動を続け、ゴブタ達は敵部隊への打撃を与えながら前進を続ける。
しかし、戦場での状況は常に変わりうるものであり、敵の航空戦力が到着すれば、ガビルは対処に追われ、ゴブタ達が孤立する可能性がある。リムルは時間との勝負であることを認識し、決定的な戦果を挙げることを期待する。
ガスターは内心でゴブタたちに対する怒りを抱きつつ、自分たちの勝利に自信を持っていた。しかし、リムルが用意した炎爆玉の使用により、戦車が破壊されるという予期せぬ展開に直面する。彼は、炎爆玉が敵の切り札で数が少ないと勘違いしており、実際には3,000個もの炎爆玉が存在していたことを知らなかった。この炎爆玉は、ゴブタたち狼鬼兵部隊やガビル率いる飛竜衆も保有していたが、ガビル達は陽動に専念しており、密閉空間での使用を控えていた。
ガスターは戦況を収めるため、左翼大隊に密集型空戦陣形を取るよう命じる。この陣形は、ゴブタたちが戦車部隊に近づけないようにするためのものだった。さらに、ガスターは戦車砲を準備させ、特殊弾を使用してゴブタたちの進路を遮るよう指示する。これにより、ゴブタたちは撤退を余儀なくされ、『影移動』が妨害される中で、生存のために全速力で逃走を試みる。
一方で、ファラガ少将率いる空戦飛行兵団が戦場に到着し、ガスターとの共闘を誓う。この参戦により、テンペスト勢はさらに不利な状況に立たされる。ゴブタたちは撤退を決意し、ベニマルからの指示に従って退くことにするが、帝国軍の『広範囲魔法妨害』により、『影移動』ができなくなる。
ガスターは自分たちの勝利を確信し、全車両に対し、戦車砲の発射を命じる。この命令は、自軍の安全を無視したものであり、ゴブタたちを直接的な危険にさらすことになる。
上空では、ファラガ少将率いる『空戦飛行兵団』の飛空船が、ガビルたちに対して魔素撹乱放射を含む強化魔法を発射し、激しい戦いが繰り広げられていた。ガビルたちは魔素の動きが乱され、身体が重くなるなどの影響を受けており、ゴブタたちを助けたいが、余裕がない状況であった。『空戦飛行兵団』は、魔法使いたちによる組織であり、ファラガはこれを率いていた。彼は上昇志向が強く、他の将校との出世競争に勝つため、同僚たちを持ち上げる一方で、自分に敵意を向けさせないよう努めていた。
ファラガは、魔法軍団の衰退を経験し、その教訓から機甲軍団の近代化に貢献する道を選ぶ。彼はカリギュリオに忠誠を誓い、『空戦飛行兵団』に新たな活躍の場を提供することを誓った。彼らの使命は、ヴェルドラを封じ込めることにあったが、ファラガはそれ以上に部隊の有用性を証明し、新たな時代の幕開けを目指していた。
飛空船は、魔素撹乱放射発生装置や最新鋭の兵器を搭載しており、運用部門、防衛部門、攻撃部門に分かれて運営されていた。特に攻撃部門では、魔法増強砲が設置されており、これにより大規模な魔法を簡単に発動させることができた。ファラガの指示で、魔法士たちは魔法増強砲を用いて、ガビルたちに対する攻撃を強化し、その凄まじい威力を見せつけようとしていた。
観戦していた主人公は、戦場の激化し、被害が拡大している現状に直面し、戦況の厳しさを実感する。自分の楽観視が甘かったと感じ、焦りと腹立ちを覚えるが、ベニマルは冷静に「想定内」と述べ、主人公に落ち着くよう促す。主人公は自分の力、「神之怒」を使うべきか悩むが、ベニマルやディアブロからの説明により、それが戦術的に意味を成さないことを理解する。理由は、国を自らの手で守る必要性と、「神之怒」の対策が立てられてしまう可能性があるからである。
主人公は、自分を守るために戦ってくれている幹部たちや配下の犠牲に対する自身の責任を改めて感じ、彼らの決意を受け入れることを決める。そして、全ての配下に対し、容赦なく戦うよう命令を下す。この決断により、魔物たちは活動を再開し、戦局は大きく変化することになる。主人公は、自分だけでなく国家や家族を守るという大義のもと、戦う覚悟を新たにする。
第二章
戦場において、盟主の命令により魔物たちは全力を解放することが許可された。それにより、これまでの偽装作戦が中止され、魔物たちは抑制されていた魔力を存分に発揮し始める。ゴブタもまた、この命令を受け、隊員たちと共に戦闘の準備を整える。戦場では、砲弾の爆撃が続く中、ゴブタと副官のゴブチは戦況を打開するための策を練っていた。
ゴブタからは全員に対し、制限なしに攻撃を行う許可が下り、それを受けて隊員たちは一層の意気込みを見せる。特に、ゴブタとランガは「同一化」を行い、強大な力を発揮し始める。この新たな姿のゴブタは、戦車の砲弾すらも打ち落とし、敵軍に対して圧倒的な力を見せつける。
テスタロッサもまた、リムルの命令を受けて別行動を開始し、戦場における自らの役割を終える。ゴブタはテスタロッサの行動を見送った後、自らも戦場において本気を出すことを宣言し、リムルに見守られながら、全力で戦いに挑む。
ゴブタの放つ「疾風魔狼演舞」は、帝国戦車部隊に甚大な被害を与え、戦場の一角を崩壊させる。この技は、超音速の衝撃波と破滅の嵐の魔法効果を組み合わせたものであり、計算され尽くした動きで効果的に敵を殲滅する。この結果、ゴブタとその隊員たちは戦場において大きな成果を上げるのであった。
地上でゴブタが戦闘を優位に進めている頃、ガビル率いる第三軍団も上空で動き出していた。ベニマルの命令に従い、「負けたフリ作戦」を実行中だったが、敵の飛空船部隊の魔法攻撃に対しては、一方的に攻撃を受ける立場に甘んじていた。しかし、ガビルは敢えてこの状況を耐久訓練と捉え、隊員たちの魔法耐性を高める機会としていた。
その中で、リムルからの新たな命令が下り、ガビルは隊員たちに「竜戦士化」を命じる。これは、龍人族の固有スキルであり、圧倒的な戦闘力の上昇をもたらすが、凶暴性が増すため、制御が困難な技だった。それでも、全力を出すことをリムルから命じられたため、ガビルたちはこの力を解放する。
竜戦士化したガビルたちは、飛空船部隊に対して圧倒的な力を見せつける。ガビル自身も特A級の魔素量を誇り、「渦槍水流撃」という強力な技で飛空船を一隻撃沈させる。竜戦士化により魔法が通用せず、物理攻撃にも強い彼らの前に、飛空船の攻撃手段はほとんど意味をなさなかった。
結果として、飛空船部隊はガビルたちの攻撃によって次々と撃沈され、全滅が時間の問題となった。ガビルの高揚感と隊員たちの競争心は高まり、最終的には帝国の空戦飛行兵団の敗北が確定したのである。
ハクロウが率いる緑色軍団が、帝国軍『魔導戦車師団』の補給部隊を攻撃する任務に就いていた。ハクロウは、団員達に自身が教え込んだ〈気闘法〉を駆使して、敵の補給を断つ作戦を指示する。団員達は、ハクロウの厳しい訓練と指導の下、瞬間的に移動する「瞬動法」や相手の認識を遮る「隠形法」などの技術を身につけていた。
ハクロウは団員達を鼓舞し、敵に対して情けをかけることなく戦うよう命じる。彼は団員達に、敵を見逃せば仲間が死ぬ可能性があること、そして戦場での鉄則を説く。ハクロウの指導の下、緑色軍団はリムルからの命令を受け、敵を迅速に排除することに集中する。
一方、帝国軍の補給部隊は、突然の奇襲によって混乱する。帝国軍は、魔物相手に有用ではなかった小銃から、魔法が刻まれた「魔銃」に切り替えるが、緑色軍団の特殊な防具により、その攻撃も無力化される。更に、ウルティマ率いる飛空龍部隊が上空から支援し、帝国軍を炎爆玉で攻撃する。
戦いは緑色軍団の圧倒的な優位に終わり、帝国軍の補給部隊は壊滅する。ハクロウは、ウルティマとの会話を通じて、戦場での余計な考えに囚われることなく、任務に集中することの重要性を再認識する。そして、ハクロウは戦場を支配するため、再び剣を抜くのだった。
ファラガ少将は、自身が率いる空の要塞である飛空船が、魔物の一撃で沈められるという事態に直面していた。その魔物は、龍人族と呼ばれる種族で、人型の竜としての戦闘力を有していることが帝国情報局によって報告されていた。しかし、実際に目の前で見た龍人族の力は、報告されていたものとは次元が異なり、その変身能力によって Aランクを数倍オーバーするエネルギー値を持っていることが判明した。
ファラガは、飛空船の武装が魔法に頼っているため、魔法に対する高い耐性を持つガビル達に対して効果がなかったと結論付けた。さらに、飛空船からの魔法攻撃は『多重結界』を破るほどの力を持たず、敵からの攻撃によって飛空船が落とされてしまうという状況に至っている。
この危機的状況に対処するため、ファラガは魔素撹乱放射を本格発動させることを決定。これにより、敵魔物の動きを封じる計画を立てた。魔素撹乱放射は飛空船が対ヴェルドラ用に開発した秘蔵の兵器であり、その真価を発揮することで龍人族の動きを封じることが可能だった。
しかし、この作戦には大きな犠牲が伴い、多くの飛空船が落ち始め、多数の搭乗員が犠牲になることになった。それにもかかわらず、ファラガは指令を下し、目の前の特殊個体、つまり龍人族の首魁であるガビルをヴェルドラと誤認し、これが帝国の悲願達成への大きな戦果であると確信していた。
副官達もこの認識を共有し、帝国軍がヴェルドラとその眷属に対して勝利を収めることができると確信していた。一方で、特殊個体のエネルギー値の減少率が軽微であることから、その弱体化には時間がかかるとされ、ファラガは更なる対策を練り直す必要があると感じていた。
艦橋で勝利を確信し、戦勝の雰囲気が高まる中、ウルティマと名乗る美少女が突如現れる。彼女はリムルから名前をもらったと語り、周囲の驚愕を誘う。ファラガ少将は、ウルティマが侵入した経路や目的を問い詰めるも、彼女は自身がリムルの部下であることを明かす。ウルティマの真の目的は、艦船の仕組みや帝国の戦力に関する情報を得ることにあった。
ファラガは、ウルティマを悪魔族と見抜き、彼女に対抗するため魔素撹乱放射を艦内にも発動させる指示を出す。しかし、ウルティマは容易に弾丸を避け、魔法を使わずに副官の頭をもぎ取るなど、圧倒的な力を見せつける。ファラガは最後の手段として精霊召喚:炎の巨人を呼び出すが、ウルティマはそれをも凍らせて砕く。
絶対的な力の前に、ファラガと将兵たちは絶望する。ウルティマは彼らから情報を得た後、ファラガだけを残して艦橋から去る。彼女は黒炎核と呼ばれる業火を放ち、ファラガと『空戦飛行兵団』を完全に破壊する。この結果、『空戦飛行兵団』は全隻轟沈し、帝国の虎の子は名誉の記録とともに敗北する。ファラガは究極の魔法に包まれながら、その生涯を閉じた。
ウルティマはファラガへの興味を失い、旗艦から飛び立った直後、自身の魔法による大爆発を満足そうに眺める。彼女はガビルの安否が気になり、彼のもとへ向かう。ガビルは、敵の特殊光線を浴びて新たな感覚を得たと語り、それが固有スキル『竜戦士化』の完全制御につながったとウルティマに説明する。この発見は戦力増強につながるとガビルは考えている。ウルティマは、ガビルとその部下たちが戦闘に戻る前に、この情報をリムルに報告することを提案する。最終的にウルティマはガビルの行動を見逃すことにし、ガビルたちは再び戦場へと戻っていった。
本陣でガスター中将は、自身の魔導戦車師団が魔狼によって翻弄されている様子を目の当たりにし、敗北を悟る。撤退を考えるものの、それが許可されない現実に直面している。帝国の主力部隊である『機甲改造兵団』が展開している中での撤退は、本隊の孤立を意味し、帝国の威信に関わる大問題であると考える。ガスターは、自軍の全滅を避けるため、なんとか膠着状態を維持しようとするが、その努力も虚しく、部隊は混乱に陥り、同士討ちも始まる。
そんな中、大爆発の音が轟き、核撃魔法による攻撃が帝国の飛空船を全滅させたことが判明する。この状況下でガスターは、ついに撤退命令を出すことに決める。しかし、その判断は遅すぎた。その時、テスタロッサという悪魔が現れ、ガスターは絶望する。テスタロッサは、ガスターの部下たちをすでに殺害し、魂を奪っていた。
ガスターは命乞いをし、自分が持つ情報を引き換えに命を救ってほしいと懇願する。その時、帝国情報局の人間が登場し、テスタロッサを取り囲む。彼らは帝国封殺陣という秘密の陣形を使い、テスタロッサを封じ込めようとする。しかし、テスタロッサの力は彼らが想像していたよりもはるかに強大で、彼女は封じられているにもかかわらず余裕の態度を見せる。
ガスターは撤退命令を出そうとするが、テスタロッサによって部隊はすでに全滅しており、彼の努力は無駄に終わる。この出来事は、帝国の軍事作戦の失敗を象徴するものであり、ガスターは自分の野望が砕け散るのを見ることになる。
デイビス、バルト、ゴードンの三人は、かつて原初の白を倒した英雄であり、その事件以降、悪魔に対する警戒が高まった。デイビスは帝国皇帝近衛騎士団の序列十一位であり、彼らは自身の力に絶対的な自信を持っていた。しかし、テスタロッサとの戦いで、その自信は根底から覆されることになる。テスタロッサは、彼らが封じたと思っていたにもかかわらず容易く封じを解き、ガスターを殺害する。デイビスたちは、テスタロッサが原初の白以上の存在、「悪魔公」として進化していたことを知り、絶望する。
テスタロッサは、ウルティマと共に戦場を制圧し、「死の祝福」という禁呪を使い、帝国の『魔導戦車師団』と『空戦飛行兵団』を完全に敗北させる。この禁呪は、生き残る者を魔物に転じさせる可能性があるが、実際には魂を刈り取ることで生存率をゼロにする。戦場での魔国連邦側の勝利が確定するも、戦争はまだ終わらない。帝国『機甲軍団』の主力『機甲改造兵団』が魔国連邦の首都に向けて動き出そうとしていた。
幕間
ドワーフ王ガゼルとその側近たちは、現在進行中の戦争の様子に衝撃を受けていた。戦争の常識が根本から覆される様子を目の当たりにし、特に帝国が使用する戦車や魔銃などの近代兵器の威力に対し、リムルから提供された知識をもとにした対策の有効性を確認していた。帝国の兵器が持つ圧倒的な力にもかかわらず、魔法という概念を活用することでこれらに対抗できることが示された。
一方、ガゼルと側近たちは、リムルの配下にいる悪魔たちの真の力について議論し、その中でも特にテスタロッサとウルティマが尋常ではない強さを持っていることを認識していた。さらに、ディアブロが「原初の黒」という存在であることが明かされ、リムルの勢力がいかに強大であるかが改めて認識される。
ガゼルとその側近たちは、この事態をどう受け止め、どのような対応を取るべきかについて真剣に検討し、リムルとの信頼関係を再確認しつつも、最悪のシナリオに備えるべく準備を進める。帝国軍の敗北が明らかになる中で、彼らはリムルの勝利を疑わず、今後の展開を予想しつつ、戦争が終わりに近づいていることを確信していた。
第三章
全力を出すように命じたことを思い出しながらも、リムルは自分の軍の一方的な蹂躙戦を大スクリーンで見て驚いた。ゴブタ、ランガ、ガビル、そして『飛竜衆』が見せる圧倒的な強さに、使用された『竜戦士化』の効果の凄まじさを実感する。しかし、戦場で最も衝撃的だったのは、テスタロッサが発動させた核撃魔法「死の祝福」によって敵司令部を含む敵軍が壊滅したことである。この魔法の発動により、勝敗が決定し、帝国軍との戦闘はテンペスト軍の大勝利で終了した。リムルは、この魔法がどれほど危険かを理解しつつ、戦場での混乱を避けるために口出しを控え、戦いを見守ることを選んだ。
帝国軍は全滅し、リムルは自分が「全力を出せ」と指示したことで、予想外の結果になったことに驚きを隠せない。ベニマルは情報武官たちの力量について問いただし、リムルは彼らの正体が原初であることを正直に説明する決意をする。ディアブロが原初の一柱であることが明かされ、シュナをはじめとする仲間たちは、その事実を受け入れる。リムルは仲間たちがテスタロッサたちを受け入れる姿勢を見て、心配し過ぎたと安心する。
戦闘はリムルたちの大勝利で終わり、テスタロッサたちの強大な力が影響した。ガビルと飛竜衆は「竜戦士化」による大きなダメージを受け、肉体に反動が出るが、人的被害はなかった。戦闘後、リムルは回復薬の使用や、今後の注意点について反省会を行う。特に「竜戦士化」の使い所には注意が必要であると、ガビルたちに伝えられる。
帝国軍の戦力である『魔導戦車師団』と『空戦飛行兵団』は、合わせて約二十四万名が全滅した。この戦闘でリムルは多くの魂を獲得し、〝真なる魔王〟に既に覚醒しているため、更なる進化はなかった。しかし、智慧之王からの報告により、余剰の魂を利用して配下を覚醒させることが可能であることが判明する。対象はランガやベニマルなど十二名で、十万個の魂が必要であることが明らかにされる。
リムルは仲間たちの進化について検討するが、進化の条件や魔素量の基準、進化後の状態など多くの不明点と危険性を考慮し、さらに帝国軍の本隊が侵攻中である緊急事態を鑑みて、仲間たちを覚醒させる冒険は避ける決断をする。最終的にリムルは「NO」を選択し、この件は一旦放置することに決める。
リムルはゴブタたちに戦場の回収作業を命じ、無事な戦車や飛空船の残骸を回収させた。ガビルたちは動けない状態だったため、ドワーフ王国まで運ばせた。ベニマルは青色兵団をゴブタたちに合流させ、帝国に隣接するイースト方面に展開する帝国軍約六万名に対する対策も指示した。この戦力はユウキの部隊であり、陽動作戦である可能性があるが、状況の不透明さから油断は禁物である。
ベニマルは帝国軍本隊との決戦を視野に入れつつ、幹部たちの戦意は高く、シオンなどは特にやる気満々であった。カレラも出番を求めており、核撃魔法の使用を提案するが、ベニマルによって却下された。仲間たちの士気は高いが、帝国軍との数的不利を質で補うことが重要であり、迷宮を戦略の中心に据えることが計画されている。
リムルは帝国軍が迷宮を目指すことを望んでおり、地上戦になった場合は、迷宮内での有利条件を活かせないため、互角の条件で戦うことになる。戦術の根幹は、リムルを守ることにあり、全ての作戦はベニマルが立案し、リムルはそれに従う姿勢を見せる。リムルは仲間たちにさらに頼られるよう、努力を続ける決意を新たにする。
リムルは帝国軍を迷宮に誘い込むため、地上に大きな門を用意した。帝国軍約七十万の軍勢がその門前に展開し、迷宮への侵攻を開始したことで、リムルとその仲間たちは戦術上の勝利を確信した。迷宮内での戦いならば、自軍の損害をゼロに保ちつつ、時間をかけて勝利を収めることが可能だった。リムルは、帝国軍がエサに食いついてくれたことを喜び、戦力を分散させずに纏まっていることが戦いを有利に進める上で助かると考えた。
ベニマルや他の幹部たちは、勝利を前提に話し合い、敵軍をどのように迎え撃つかを議論した。地上の大門には、「弱き者、この門をくぐる資格なし」というメッセージを刻んでおり、これが敵軍の反応をどう引き出すかも興味の対象だった。シオンやディアブロなどの仲間たちは、戦いに前向きで、迷宮の恐ろしさを敵に見せつけることに意気込んでいた。ヴェルドラやラミリスは迷宮主としての準備に入り、リムルは帝国軍の動きを見守りながら、決戦の開始を宣言した。
機甲軍団の軍団長であるカリギュリオは、自軍の侵攻が計画通りに進んでいることに満足していた。彼は、迷宮攻略を通じて莫大な富を得ることを確信し、自分の権勢が帝国内で増すことを楽しみにしていた。カリギュリオの計画には、『魔導戦車師団』と『空戦飛行兵団』を含む大規模な軍事作戦が含まれており、特に『空戦飛行兵団』は邪竜ヴェルドラに対抗するための重要な戦力と位置づけられていた。また、飛空船を用いた兵站支援も計画されており、カリギュリオは戦力を集中させて迷宮を攻略し、西側全域を制圧することを目論んでいた。
しかし、カリギュリオの考えは幾つかの誤算を含んでいた。特に、彼は敵の実力を過小評価しており、自分の部隊が絶対に敗北しないと信じて疑わなかった。カリギュリオは、迷宮への入り口である大門に刻まれた言葉「弱き者、この門をくぐる資格なし」を見ても、自分たちの勝利を確信し続けた。彼は迷宮内での略奪を前提に作戦を立て、兵站の問題も完全に解決したと考えていた。
しかし、迷宮攻略の開始とともに、カリギュリオとその部下たちは、自分たちが知らない迷宮の本来の姿──この世の地獄に直面することになる。彼らが下りていく階段は、二度と上ることのないものであり、迷宮は来る者を拒まないが、その先に待つのは誰も経験したことのない恐怖であった。
迷宮最奥の秘密の会議室に、迷宮の支配者たちが集まった。この集まりには、迷宮統括者のベレッタ、四体の竜王、九十階層の階層守護者クマラ、八十階層のゼギオン、七十九階層のアピト、七十階層のアダルマンとアルベルト、そして、ゴズールとメズールなど、迷宮十傑が含まれていた。彼らは、迷宮に侵入してきた帝国軍を撃退する方法について議論するために呼ばれた。
帝国軍が迷宮に侵入してきたことを受け、ラミリスとヴェルドラは、迷宮の防衛計画を発表した。迷宮は帝国軍を迷宮内に誘い込み、各階層に千人ずつ分断して送り込む戦略を採用し、帝国軍の侵攻を阻止することになった。この戦いでは、迷宮のルールが変更され、特に、ヴェルドラの討伐がクリア条件となり、戦いは総力戦となる。さらに、十傑が落とす鍵を十個集める必要がある新しいルールも導入された。
ガドラが暫定的に十傑に加わり、ゴズールとメズールには、逃げてくる帝国兵を排除する任務が与えられた。この戦いは、リムルも観察しており、迷宮の防衛に成功すれば、その活躍がリムルに認められる大きなチャンスとなる。
この会議により、迷宮の支配者たちは、帝国軍に対する迷宮の真の姿と恐怖を見せつけるため、一致団結して行動を開始した。彼らは、リムルに勝利を捧げるため、帝国軍の侵攻に立ち向かう準備を整える。
地下迷宮には、整然とした列をなして帝国軍の兵士たちが続々と侵入していく。彼らは事前準備を万端に整え、迷宮攻略に挑んでいた。カリギュリオは、迷宮から得られる富に思いを馳せていたが、戦闘での時間消費が懸念されていた。迷宮は六十階層が最下層とされていたが、実際には百階層まであるという噂もあり、その深さから得られる宝物や魔晶石の価値は非常に高いと考えられていた。
カリギュリオは、迷宮の構造変換によって兵士たちとの連絡が途絶える事態に直面する。これを、迷宮側が意図的に行っていると考え、それでも攻略を続行させた。三日間で約半数の三十五万名が迷宮に侵入し、その数は更に増え続けた。しかし、兵士たちとの連絡は取れず、迷宮内の状況は不明のままだった。
カリギュリオは、迷宮攻略を諦めさせようとする敵の策に乗らず、続行を決意する。しかし、内心では不安を感じており、迷宮の大門が不気味なものとして映り始めていた。地上には十七万の将兵が残されていたが、彼らの運命や迷宮内に挑んだ者たちの結末は、依然として不明のままである。
迷宮内での帝国軍の運命は、階層によって大きく異なり、四十一階層から四十八階層に至るまでの兵士たちは比較的順調に攻略を進めていた。彼らは訓練された実力者で、迷宮の魔物たちとの戦闘においても優位に立っていた。しかし、四十九階層からの状況は一変し、特に五十階層では強力な魔物たちとの激しい戦闘が繰り広げられた。
迷宮のさまざまな階層では、特定の領域守護者や固有の危険が存在し、帝国軍はそれぞれに苦戦を強いられた。例えば、毒素が充満する階層、重力を操る兎が支配する階層、炎鳥が炎を纏って攻撃する階層などがあった。これらの階層では、帝国軍は数多くの犠牲者を出し、多くの隊員が命を落とした。
特に注目すべきは、帝国軍が絶望的な戦いを余儀なくされた点である。迷宮内での帝国軍の数は最終的にゼロになり、迷宮への挑戦は失敗に終わった。この過程で、帝国軍は多くの挑戦と困難に直面し、その都度、彼らの戦略と力量が試された。しかし、迷宮の深層には、帝国軍の想像を超える強敵が待ち受けており、最終的には全滅という結果に終わったのである。
第四章
迷宮攻略開始から七日が経過したが、迷宮は依然として沈黙を保ち、帝国軍との連絡は途絶えたままであった。カリギュリオは報告が届かないことにイライラし、不安を感じていた。迷宮に入る際には、迷宮クリアの条件が提示され、十傑を倒し十個の鍵を集める必要があることが明かされていた。しかし、迷宮内の階層は五十階層以上あり、予想以上に迷宮は広大であることがわかった。帝国軍は五十三万の兵士を投入したが、情報は乏しく、迷宮内の実際の状況は不明であった。
カリギュリオと参謀たちは、迷宮攻略が失敗に終わる可能性を認め、帝国軍の将兵たちの命を危惧していた。迷宮の攻略には新たな戦略が必要と判断し、精鋭百名を選抜して迷宮に挑むことにした。選ばれたのは、ミニッツ少将、カンザス大佐、異世界人のルキウスとレイモンドを含む、帝国軍の中でも特に優れた戦士たちであった。彼らは迷宮内での戦いに意気揚々と乗り出したが、その時、迷宮内で生存している者は既にいなかった。
この状況は、迷宮が帝国軍にとって予想をはるかに超える難敵であったこと、そして、カリギュリオが迷宮の真の危険性に気づくのが遅すぎたことを示している。選ばれた精鋭たちは、迷宮の危険を知らずに挑んでいったが、その決断が帝国軍にとって正解だったかどうかは、彼らが迷宮内に足を踏み入れた時点で既に手遅れであった。
大スクリーンで迷宮内の様子を観察していた観測者たちは、帝国軍が警告を無視して大量の将兵を迷宮に送り込んだことに対し、予想以上の成果を得たと満足していた。帝国軍は数に頼る戦略から選抜された部隊へと戦術を変更したが、この遅れた決断は、迷宮側にとっては都合が良かった。迷宮の十傑の強さと帝国軍の戦力の過剰投入により、帝国軍は大きな損失を被り、残りの兵力は西側諸国が対応可能なレベルにまで減少していた。
この結果は、迷宮側の意図した通りであり、帝国軍の間引きという目的が達成された。しかし、迷宮内での敵指揮官の判断や、帝国軍のさらなる戦力投入の意図については疑問が残った。侵入者に対するさらなる対策として、迷宮側は異世界人のルキウスとレイモンドを仲間に引き入れること、そして復讐のための特定の敵を特定の迷宮の防衛者に引き渡すことを決定した。これらの要望は、迷宮内の力関係や異世界人の存在に関する新たな情報を提供している。
さらに、指揮官の一人が特定され、彼を標的として迷宮の別の守護者に引き渡す作戦が計画された。この策略は、帝国軍の纏まりを失わせ、迷宮側の有利な状況をさらに強化することを目的としていた。観測者たちは、戦力の適切な分配と戦略的な利用により、帝国軍に対する徹底的な対抗策を講じている。この過程で、帝国軍の野望を挫き、将来的な戦争を抑止することが目標とされた。
観測者たちは、敵軍に対する冷静かつ合理的な分析を行いながらも、敵に対する慈悲を排除し、戦略的な優位性を維持することに焦点を当てた。この行動原理は、帝国軍に対する確実な勝利を目指しており、迷宮内での勝負の行方に対する自信を表している。
ルキウスとレイモンドは、迷宮の階段で休息を取りながら、迷宮内での厳しい戦闘に疲れ果てていた。彼らは異世界人であり、ガドラによってこの世界で生きる術を教わった恩義を感じており、ガドラの行方を追って迷宮に入った。しかし、迷宮内は想像以上に危険であり、彼らは数多くの罠や敵と戦いながらも、生存のための食糧や安全を確保することに苦労していた。
彼らはカリギュリオから受け取った、死んでも復活できるとされる首飾りについて疑問を抱いていた。この首飾りは、ガドラが持ち帰った蘇生アイテムの模造品であり、その効果や安全性については確認されていなかった。ルキウスとレイモンドは、自分たちが実験台にされている可能性を考え、このアイテムを信用していなかった。
迷宮を進むにつれ、彼らはガドラや救出対象であるシンジたちと再会し、混乱する中でガドラからの説得を受けることになった。二人はこの状況をどう乗り越えるか、という決断を迫られていた。
ガドラとシンジたちの説得により、ルキウスとレイモンドは迷宮内での協力を承諾した。ルキウスの持つユニークスキル『融合者』は、物質を変容させて融合する能力であり、その使用方法は爆発を引き起こすものだった。レイモンドは格闘術と盾で防御する技術に長けている。二人は信用できる人物と判断され、暫くの間、研修としてシンジたちの下で働くことになった。
一方、七十階層では帝国軍の生き残りが百名ほどが落ち着いて行動していたが、迷宮内ではアダルマンたちと帝国皇帝近衛騎士団の序列位の高い戦士たちとの戦闘が行われていた。戦いは激しく、最終的には帝国軍の生き残りがたったの三名となり、迷宮側もアダルマンたち以外は生き残っていない状態になった。敵方の強力な戦士たちには、序列十七位のクリシュナなどがいたが、彼らもまた強大な力を持っていた。
戦闘の結果、迷宮側は敵の奥の手を引き出し、鍵を二個奪われてしまうが、敵の健闘を称賛することになった。次なる戦いでは、クマラが復讐相手と戦い、アピトが指揮官と見られる男と互角に戦う様子がスクリーンに映し出された。アピトの実力は魔法なしのヒナタに匹敵し、その指揮官とされる男もかなりの実力者である様子が描かれている。
ミニッツ少将は、自分の美学に反する今回の作戦に不満を抱きつつも、戦いが大好きで、無敵の自信を持っていた。迷宮内でアピトと遭遇し、互いに激突する。ミニッツはユニークスキル『圧制者』を駆使してアピトを圧倒しようとするが、アピトもまた、リムルの下で訓練を積み、ミニッツの攻撃をかわし続ける。数時間の激戦の末、アピトはミニッツに対して最後の攻撃を仕掛け、両者は相打ちとなる。ミニッツはこの戦いで満足感を覚えつつも、まだ強い者との戦いを求め、ゼギオンの声に導かれるように新たな戦いに挑むことを決意する。
かつて、世界の秘境に「妖魔郷」と呼ばれる常春の楽園が存在していた。しかし、二十年前に帝国軍によって蹂躙され、消滅させられた。クマラはその時の生き残りであり、母や仲間を失ったことへの怨念を抱えている。妖魔郷と妖魔王は無関係であり、妖魔郷の破壊は帝国によるデモンストレーションの犠牲に過ぎなかった。クマラはクレイマンによって拾われ、力を増した後、リムルに拾われて心の傷を癒やしていた。一方、カンザス大佐は実力主義の帝国軍人で、妖魔郷の襲撃にも関与していた。自己の出世のためには手段を選ばないカンザスは、現在も生き残った部下を捜索中である。両者の怨念と実力が、再び激突することになる。
傾国の美女と評されるほどの美貌を持つクマラが、かつての敵であるカンザスと対峙する。カンザスはクマラの母である先代九頭獣を出世のために利用した人物であり、その事実を隠さずに話す。互いに戦意を燃やし、戦闘が開始される。カンザスは闇の魔獣を召喚し、クマラも対抗して八部衆を召喚するが、カンザスは更に強力な闇の魔獣を出現させる。クマラは一時的に不利に立たされるものの、カンザスの力『略奪者』の限界を見抜き、八部衆を自分に戻して本来の姿でカンザスに立ち向かう。最終的には、カンザスが召喚した母親である先代九頭獣の闇の魔獣を含む全てを圧倒し、カンザスを討つ。クマラは冷酷ながらも冷静さを保ち、カンザスから母親の尊厳を取り戻すことに成功する。勝利を確信していたカンザスは、クマラの予想外の強さに驚愕し、最終的に彼女によって討たれる。
何者かが静かに瞑想していた。その者は、漆黒の外骨格に金色の筋が走る蟲皇帝ゼギオンである。ゼギオンはリムルによって改造され、生体魔鋼のような性質を持つ外骨格を有している。彼の強さは、戦いを求める本能に由来しており、迷宮の絶対強者として君臨していた。彼の前に新たな獲物が現れるが、彼は自分と闘う資格がある者たちを呼び寄せるのであった。
一方、ミニッツ少将は迷宮の八十階層に到達し、休憩できる部屋にたどり着く。そこにはすでに皇帝近衛のクリシュナ、バザン、レイハがおり、ミニッツと協力することになる。彼らは、迷宮から生きて出るためには、迷宮の王への挑戦権を得る鍵を集める必要があり、彼らはその鍵を持っていた。時間が進み、戦いの時が来ると、彼らはゼギオンがいる場所へと進む。
ゼギオンは彼らを歓迎し、自分との戦いを挑む資格があると告げる。ミニッツはゼギオンを魔王リムルと間違えるが、ゼギオンは自分はリムルではなく、迷宮十傑の一人であると訂正する。そして、彼らに全力で戦うよう促す。ミニッツ達はゼギオンの挑戦を受け、戦いに挑むのであった。
ある者が、大スクリーンに映し出された光景に驚愕していた。画面は沈黙し、帝国軍の将兵たちが全員倒れたことを意味していた。この者は、ゼギオンが想像以上に強力であることを認めざるを得なかった。ディアブロは、ゼギオンとの戦いでその強さを認めつつも、敗北を認めなかった。テスタロッサたちもゼギオンに挑んだが、勝つことができなかった。ゼギオンは、自らが認めた強者だけを迷宮内で集め、戦わせるという行為を行っていた。この行為は、ゼギオンの異常なほどの強さと、彼が持つ空間操作の能力によって可能にされていた。
戦いはゼギオンの圧倒的な勝利で終わり、迷宮内の戦闘は予想通りに終了した。ゼギオンは、リムルから授かった技であらゆる攻撃を無効化し、彼の強さはリムルやヴェルドラからも認められていた。ディアブロや他の者たちも、ゼギオンの強さを認めるしかなかった。
ゼギオンは、リムルの一部である肉体を使って強化され、戦闘特化の魔人として開花した。彼の強さは、リムルの期待を超えるものであり、彼の前に立ちはだかる者はいなかった。ゼギオンの存在は、リムルたちにとっても驚きであり、彼の強さを改めて認識させられた出来事であった。
帝国軍七十万の内、五十三万余りが殲滅され、これにより七名の幹部を進化させるだけの魂を獲得した。残る帝国軍は二十万弱で、迷宮への追加派兵は見込めない状況である。帝国軍の残りに対して、地上戦の準備を進めるが、敵の補給線は既に断たれており、戦略的には勝利している。帝国軍に再び野望を持たせないため、残る侵入者は全て排除する方針で一致した。
リムルは、迷宮内での戦いが無事に終了したことに安堵し、帝国に対しては全面戦争を避け、慎重に進めることを検討する。しかし、ディアブロ、シオン、カレラなどの幹部たちは、自ら戦闘に参加し、一気に戦いを終わらせたいと主張する。最終的にリムルは幹部たちの出陣を認めることになり、自身は迷宮に残ることを決めた。
作戦の立案において、リムルの赤色軍団三万と、ゲルドの黄色及び橙色軍団から選抜された一万七千の精鋭が主力となる。シオンの秘蔵部隊からは一万の兵が参加し、これらの部隊の質は B+ランク相当であると評価される。しかし、数で四倍近く上回る帝国軍に対しては不利が予想される。そこで、幹部の力を活かし、大技で敵を混乱させる戦術が提案される。ベニマルはリムルの護衛として参戦しないため、他の幹部が初撃を担うことになり、カレラがその役割を引き受ける。
さらに、ディアブロは敵の最高司令官の始末を任され、カレラは敵軍を混乱させる役割を担うことになる。戦力としては、アルビスが率いる二万の援軍も加わり、獣人族や有翼族、獣王戦士団からの参加者もいるという。
中でも、シオンとモミジ、アルビスの間ではリムルを中心とした親衛隊を巡る競争が発生し、モミジがベニマルの軍の指揮を取ることになり、女性陣間のバトルも勃発する。これにより、帝国軍に対する総攻撃の準備が進められる。
出撃する部隊が決定した後、リムルは各軍団に出撃準備を命じた。アルビスの援軍も加わり、ゲルドが最前列、モミジが後方、シオンとアルビスが両翼の遊撃部隊を務める配置が決まった。百階層には軍団が集結し、リムルは軍団を鼓舞するために現地に向かった。その間、ソウエイからトレイニーが戦闘中であるとの報告があり、リムルはソウエイにトレイニーの支援を依頼した。ソウエイは、リムルの護衛が減ることを懸念しつつも、リムルの命令を受けて出立した。百階層での集結後、リムルは士気を高める簡潔な演説を行い、軍団を転移魔法で地上へ送り出した。
リムルとベニマルだけが残った場所で、リムルは迷宮内に敵が潜んでいる可能性について考える。しかし、智慧之王から迷宮内は安全との保証があったため、リムルはその考えを棚上げにする。その後、マサユキたちが訪れ、迷宮都市での混乱と義勇兵団の状況について報告する。リムルは戦争が終わることを約束し、問題解決を試みるが、ジンライがバーニィに不満を述べ、バーニィがリムルの命を狙うことが明らかになる。バーニィとジウは帝国皇帝近衛騎士団であり、究極能力を持つ強敵であることが判明する。ベニマルとバーニィ、クロエとジウの戦いが始まり、リムルは戦いの行方を見守ることに決める。
バーニィが槍術を駆使し、ベニマルとの戦いを開始した。バーニィは雷系の大魔法を槍に集中させ、攻撃を仕掛ける。ベニマルも『黒炎』を愛刀に纏わせて応戦し、両者は激しい戦いを繰り広げた。しかし、バーニィの持つ究極能力により、ベニマルの攻撃は干渉され効果を発揮できなかった。戦いは一時、互角の様相を呈していたが、バーニィが究極能力を用いたことで形勢が逆転し、ベニマルが苦戦を強いられることになった。バーニィはベニマルの攻撃を無効化し、自身の傷を即座に回復させることができたため、ベニマルは必殺の一撃で勝負を決める以外に勝ち筋が見えなくなった。
クロエはジウとの戦いで予想外の苦戦を強いられ、ジウは搦め手を駆使し、クロエと正面から戦わずに有利な状況を作り出そうと試みた。クロエには究極能力があるため、直接的な勝負ではジウに勝るものの、ジウの逃げ足と戦術により戦いは長期化した。一方、ベニマルはバーニィとの戦いで防戦一方になり、『迷宮都市』への攻撃を防ぐため、リムルの負担も増加した。クロエが『時空之王』を用いて事態を打開しようとするが、力の制御に失敗し、子供の姿に戻ってしまった。しかし、智慧之王からバーニィとジウの究極能力の解析結果が出たことで、彼らの力が借り物であることが判明し、勝機が見えてきた。リムルはベニマルとクロエに作戦を提案し、クロエが再度『時空之王』を用いることで戦況を打開する計画を立てた。クロエとベニマルはリムルの提案に賛同し、反撃を開始することになった。
ベニマルは戦闘スタイルを変更し、攻撃重視の〝動の太刀〟に切り替え、リムルから『絶対切断』の力を貸し与えられたことで、バーニィを圧倒し、一分足らずで倒した。一方、クロエは『時空之王』の力を用いてジウを打ち破ったが、その過程でエネルギー不足に陥り、リムルと智慧之王からの支援を受けて成功させた。しかし、バーニィとジウは〝復活の腕輪〟を装備しておらず、実は足首にそれを嵌めていたため、死亡せずに済んだ。この結果、リムルとベニマルは今回の件を忘れ、次回に向けて対策を立てることに同意した。
バーニィとジウを撃退した後、リムルとベニマルはマサユキたちの裏切りにショックを受けた彼らの回復を信じ、管制室に戻った。そこでラミリスとヴェルドラが心配していることを知り、智慧之王の不許可の力の利用を反省し、ヴェルドラには感謝とオヤツを約束した。ラプラスがユウキからの伝言を持ってきていたが、彼の胡散臭さから信用されず、トレイニーとの戦いに十日間も費やしていたことが明らかになった。最終的に誤解は解け、ラプラスの情報によりバーニィとジウに注意が必要であることが再認識された。リムルはこの一連の出来事を水に流し、全員で最後の戦いに集中することにした。
カリギュリオは、迷宮に派遣した精鋭百名の報告を待ちながら、不安に駆られていた。得られた財宝に悦に入っていたが、それが魔王リムルの策であったことを悟り、自らの決定に後悔していた。報告を待つ中、美しい女性士官であるミーシャが帰還し、『魔導戦車師団』が全滅したことを告げる。ミーシャは秘密結社〝三巨頭〟の一員であり、カリギュリオの参謀として仕えていた。彼女の報告により、カリギュリオは迷宮攻略が不可能であることと、帝国軍が大敗北を喫したことを認めざるを得なくなる。クリシュナと名乗る男が帝国皇帝近衛騎士団から生き残りとして現れ、迷宮内での戦闘の様子と全滅した事実を伝える。ミーシャの更なる情報により、迷宮を攻略することの難しさと、〝暴風竜〟ヴェルドラの存在が未だに脅威であることが明らかになる。カリギュリオは撤退を決断するが、それは既に遅すぎた行動であり、帝国軍の命運は尽きていた。
カリギュリオの撤退命令の際に、アゲーラという使者が現れ、魔王リムルの意志として撤退を許可しないことを宣言した。アゲーラは、敵に降伏を促すと共に、徹底抗戦するか降伏するかの選択を迫った。カリギュリオは、アゲーラに降伏ではなく、見逃してもらう交渉を試みるが、アゲーラはこれを一蹴する。その後、バーニィとジウが現れ、ミーシャを連れて撤退した。カリギュリオと残った兵士たちは、全力で最後の決戦に臨む決意を固めた。
ゲルドは帝国軍の動きに敬意を表しつつも、防衛の任に就いている。彼の率いる第二軍団は、最前線を維持し後方の火力部隊を守る役目を担っている。一方で、火力部隊を指揮するモミジは、勝利を目指して士気を高めている。ゲルドは、モミジの戦略を評価しつつも、ベニマルへの忠誠心とアルビスとの競争について考える。彼は、自身と部隊がしっかりと役目を果たせば、勝利は確実だと確信している。ゲルドの防衛部隊は、彼のユニークスキルにより強化されており、リムルが提供した大量の回復薬によって、怪我の治療と補給も可能である。ゲルドは、勝利に自信を持ち、決戦を静かに待ち続けている。
カレラはリムルからゲルドを守る密命を受けていたが、先陣を切る役割で独立行動を取っている。使者のアゲーラが帝国軍との約束時間を守るようにとカレラに説得するも、カレラは自分たちを舐めた帝国軍に対し、核撃魔法「重力崩壊」を使うことを決意する。この魔法は人工的なブラックホールを生み出し、帝国軍を壊滅させる力がある。アゲーラは最初は反対していたが、帝国軍の行動によって怒り、最終的にはカレラの行動を支持する。結果、カレラは重力崩壊魔法を発動させ、帝国軍を壊滅させる。アゲーラはこの行動に後悔しつつも、すでに遅く、彼の苦労はこれからも続くことになる。
ゲルドはカレラの圧倒的な力に驚くが、帝国軍の生き残り約二万人が死に物狂いで襲ってくる状況に直面する。ゲルドの指揮のもと、彼の軍団は堅固な防御を見せ、帝国軍の攻撃を一切受け付けずに押し返す。一方、シオン親衛隊は恐怖を煽る『恐怖覇気』を駆使し、帝国軍に襲い掛かり、圧倒的な戦闘で帝国軍を蹂躙する。援軍として参加した獣王戦士団も、リムルへの恩返しを果たすべく全力を発揮して戦う。
その中で、モミジは一世一代の大妖術「妖天紅華焔」を使用し、敵を一掃する。この技は敵を行動不能にする酸素の奪い、意識を奪う高温の炎、そして強力な敵の炙り出しを目的としていた。結果、生き残った帝国軍の兵士は一人もおらず、これにより決戦は終結した。
最終的に、リムルの軍勢が勝利を収め、戦場には歓声が満ちる。この戦いで、カレラの力、シオン親衛隊の圧倒的な戦闘能力、そしてモミジの決定的な一撃が帝国軍を壊滅させた。
カリギュリオは絶望的な状況に直面している。目の前で起こった大惨事により、彼の下へは敗北の報告が多数寄せられる。逆に、生き残った者たちは恐怖に駆られて本陣まで逃げ帰ってくる。この状況でカリギュリオは、帝国軍がたった一撃で壊滅したこと、そして残された将兵も全滅するのは時間の問題だと悟る。彼は強大な力を求めるが、そのような力がないことを痛感する。
そこに、ディアブロが現れる。ディアブロは魔王リムルの忠実なるしもべと名乗り、カリギュリオとその部下たちに対峙する。カリギュリオはディアブロとの力の差を悟り、交渉を試みるが、ディアブロは彼らの逃亡を試みる部下たちを既に始末していたことを明かす。この事実はカリギュリオに絶望を与え、彼と部下たちは抵抗を試みるも無力であることを悟る。
最終的に、カリギュリオは力が欲しいという願望を持ちながらも、その願いは叶わず、ディアブロによって部下たちとともに壊滅させられる。彼の絶望と悲しみは最高潮に達し、血の涙を流しながら絶叫するが、それも虚しく終わる。カリギュリオの心の中では、強者とは何か、そして帝国の栄華とは何だったのかという疑問が残る。
ディアブロはリムルからの命令を受け、戦地に乗り込む。敵の司令部を発見し、バーニィ達を始末する。ミーシャだけは、リムルとユウキの共闘を黙認している関係から見逃された。ディアブロは究極能力に興味を持ちつつも、自分の任務を忘れずに帝国軍の陣地に戻り、敵兵を無差別に皆殺しにした。カリギュリオが絶望から覚醒し、エネルギー量が増加するが、ディアブロはそれを面白いと見なす。ディアブロは強くなることに興味を持ち始め、リムルにとって有用な道具となることを目指している。彼は無能な部下を持たず、独りで有能であり続けることを重視している。強者との戦いはディアブロにとって好機であった。
カリギュリオは絶望と恐怖から覚醒し、未知の力に目覚める。この力は皇帝ルドラが彼に期待していたものであると悟り、自身が覚醒することを望んでいたと確信する。カリギュリオは仙人を超えて聖人へと至り、覚醒魔王に匹敵する力を得るが、自分がどれだけ無能であったかを悟る。この新たな力を持っても、帝国の軍隊では魔王やヴェルドラを相手に勝てないことを理解する。最後の戦いでディアブロに挑むが、ディアブロはカリギュリオの全力の攻撃を軽く流し、彼の力量が足りないことを指摘する。カリギュリオはディアブロとの戦いで敗北し、魂を刈り取られる。ディアブロはカリギュリオが早すぎる時期に戦ったことを惜しみ、彼が力を完全に扱う技量が足りなかったことを示唆する。
終章
カリギュリオは覚醒し、未体験の力に目覚める。この力が皇帝ルドラの彼に対する期待だったと悟る。彼は精神と肉体が一体化し、覚醒魔王に匹敵する力を得るが、自らが無能であったことを悟る。神話級の鎧を纏い、ディアブロに挑むが、その攻撃は軽く流される。ディアブロはカリギュリオの技量が不足していると指摘し、戦うには早すぎたと評する。カリギュリオはディアブロとの力の差を認識し、絶望するが、それでも戦いを挑む。しかし、彼の努力はディアブロにとっては単なる作業であり、カリギュリオは敗北し、魂を刈り取られる。この戦いでカリギュリオは自分の力を完全に理解し、使いこなせなかったこと、そしてディアブロの圧倒的な力の前には、どんなに強大な力を持っていても無意味だったことを痛感する。
カリギュリオは、未体験の力によって覚醒し、自分が持つ壮絶な力を感じ取る。この力は皇帝ルドラが彼に対して抱いていた期待の現れであり、カリギュリオは自己の限界を超えて「聖人」の境地に達したと自覚する。ルドラからの言葉を思い出し、今までの自己解釈が誤っていたことを悟る。彼はこの新たな力を使い、ディアブロとの戦いに挑むが、その攻撃は軽くかわされてしまう。ディアブロはカリギュリオの技量が足りないと指摘し、戦うには早すぎたと評価する。カリギュリオは自分の力がディアブロに通用しないことを悟り、深い絶望を感じるが、それでも戦いを挑む。しかし、彼の努力はディアブロにとっては単なる作業に過ぎず、カリギュリオは敗北し、魂を刈り取られる。この一連の出来事は、カリギュリオが自己の力の本質を理解し、使いこなせていなかったこと、そしてディアブロという圧倒的な存在の前では、どれだけ強大な力を持っていても無意味であることを痛感する結果となった。
カリギュリオは、かつて体験したことのない壮絶な力によって覚醒する。この力は、皇帝ルドラが彼に託した期待の現れであったとカリギュリオは悟る。ルドラからの言葉を思い返し、自己の解釈が誤りであったことを認識する。カリギュリオは「聖人」へと至り、覚醒魔王にも匹敵する力を得る。彼はディアブロとの戦いに挑むが、攻撃は容易にかわされる。ディアブロはカリギュリオの技量が不足していると指摘し、戦うには早すぎたと評価する。カリギュリオは敗北を悟りつつも、全力で戦うが、結局はディアブロに敗れ、魂を刈り取られる。この一連の出来事は、カリギュリオが自己の力の本質を理解し、使いこなせていなかったこと、そしてディアブロという圧倒的な存在の前では、どれだけ強大な力を持っていても無意味であることを示している。
同シリーズ
転生したらスライムだった件 シリーズ
小説版
漫画版
その他フィクション
コミックス(外伝含む)
『「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」(ライドコミックス)』
『転生したらスライムだった件 異聞 ~魔国暮らしのトリニティ~(月刊少年シリウス)』
『転スラ日記 転生したらスライムだった件(月刊少年シリウス)』
『転ちゅら! 転生したらスライムだった件(月刊少年シリウス)』
『転生したらスライムだった件 クレイマンREVENGE(月刊少年シリウス)』
TVアニメ
転生したらスライムだった件 3期(2024年4月から)
劇場版
PV
OP
ED
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