小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 14」感想・ネタバレ

小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 14」感想・ネタバレ

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どんな本?

転生したらスライムだった件”とは、伏瀬 氏による日本のライトノベルで、異世界転生とファンタジーのジャンルに属す。

主人公は、通り魔に刺されて死んだ後、スライムとして異世界に転生。
そこで様々な出会いと冒険を繰り広げながら、魔物や人間との交流を深めていく。

小説は2014年からGCノベルズから刊行されており、現在は21巻まで発売されている。

また、小説を原作とした漫画やアニメ、ゲームなどのメディアミックスも展開されており。

小説のタイトルは「転生したらスライムだった件」だが、略称として「転スラ」と呼ばれることもある。

読んだ本のタイトル

転生したらスライムだった件 14
著者:伏瀬 氏
イラスト:みっつばー 氏

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あらすじ・内容

スライムが魔王に成り上がる!?話題のモンスター転生ファンタジー!!

帝国からの侵略をなんなく退けたリムルは、 これ以上の戦争はごめんだと大本を叩くべく帝都へと乗り込む。 事前の計画は帝国幹部へとのし上がっていたユウキが国内でクーデターを起こし、 皇帝の座を簒奪する手はずとなっていた。 だがリムルは思い知らされる、先遣軍などとは比較にならない、 帝国の真の戦力たちの実力を……。

転生したらスライムだった件 14

感想

帝国からの侵略を退けたリムルは、これ以上戦争を続けることに反対し、根源的な解決を図るため帝都へと向かう。

計画では、帝国内で力をつけていたユウキがクーデターを起こし、皇帝ルドラを倒す予定であった。

しかし、リムルは帝国の真の力、そしてそれぞれの陣営に居るヴェルドラの姉たちの圧倒的な力に直面することとなる。

この物語の中心は、リムルと帝国、そしてヴェルドラを巡る戦いであった。
リムルはヴェルドラを奪われたことに激怒し、帝国に対して一切の容赦を捨てた。

戦いの中で、悪魔三人娘はその場で覚醒し、帝国戦は最終局面を迎える。
特にヴェルグリンド戦では、ラファエルが不調になるが、リムルはラファエルを「シエル」と名付け、アルティメットスキルを進化させることで、強さにインフレを起こす。

読者は、リムルが仲間を大切にする姿勢や、戦いを通じてさらなる成長を遂げる様子を見ることができる。
また、ヴェルドラの家族の複雑な関係や、天使や悪魔などの存在も物語に深みを与える。
物語の最後では、リムルたちの勝利が描かれるが、戦いはまだ終わっていないことが示唆される。

結論として、この巻はリムルと帝国の戦い、そして仲間との絆の重要性を描いている。
帝国の真の力と直面しながらも、リムルとその仲間たちは困難を乗り越え、さらに強くなる。

この物語は、友情、信頼、そして力の源泉について読者に考えさせる一冊であり、次の展開への期待を高める。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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備忘録

序章

帝国内にはまだ、帝国軍がジュラの大森林で全滅したという情報が届いていない。帝国臣民にとっては、まだ幸せな無知の状態にある。百万近い軍勢が西側諸国への侵攻を計画していたが、その進軍はジュラの大森林で停止し、帝国軍はジュラ・テンペスト連邦国によって全滅させられた。この事実は、帝国の民が知る日が近づいている。彼らは、帝国が西側の征服と完全なる統一国家の樹立を成し遂げることを疑わず、邪竜ヴェルドラの弱体化により、もはや恐れるべき存在がいないと信じていた。しかし、予想外の敗北により、世界の広さを痛感することとなる。

帝都において、中庸道化連の面々が集まり、事態の報告と議論が行われた。ユウキの指導の下、彼らは帝国軍の惨敗とリムルの勢力の増強を知り、驚愕する。彼らは、魔王リムルの勢力に対して、自分たちの立場を再評価し、今後の作戦について討論した。この会議は、帝国軍の全滅という予想外の事態を受けて、作戦の見直しを迫られるものであった。帝国軍がジュラ・テンペスト連邦国によって撃滅されたこと、リムルの勢力が想定以上に強大であったことが認識され、彼らは自身の計画と力量を疑うことになる。

この場には、ダムラダを含むいくつかのキーパーソンが登場し、彼らの関係性や忠誠心、そして裏切りに関する複雑な動機が暴かれる。特に、ダムラダの裏切りとその背後にある動機は、ユウキたちにとって大きな関心事となる。ダムラダは帝国皇帝ルドラに対する忠誠心を持ちつつも、ユウキに対しても忠誠を誓っていると主張し、彼の真意が議論の焦点となる。

結局、ユウキと中庸道化連は、ダムラダの提案に沿って行動することを決める。この決断は、彼らが帝国におけるクーデターを起こすという大胆な計画に基づいており、この選択は彼らの運命を大きく左右することになる。ダムラダの忠誠と裏切りの真意は明らかにされないが、彼の行動がクーデター計画において重要な役割を果たすことが示唆されている。

第一章

帝国軍との戦いが継続中である中、防衛戦で活躍した者たちを表彰する祝勝会が開かれた。会場には、帝国軍から蘇生させた約七十万の将兵や、外国からの賓客も含め多くの人々が集まっていた。外国からの賓客には、アルビスやフォビオなどが含まれ、彼らは防衛戦に参加してくれたり、リムルを心配して駆けつけてくれた。また、ドワルゴンからはジェーンとドルフが来賓として参加し、ジェーンからは禁呪の使用や原初を従えていることに対する苦情が述べられた。

リムルは、戦いで得た魂を利用し、自身と繋がりのある者たちを覚醒させる計画を進めていた。覚醒対象者は十二名おり、この行為によって、彼らは真なる魔王に匹敵する力を得ることができる。リムルは、覚醒進化の影響がどこまで及ぶかや、外国の賓客の前で行っても問題ないかなど、いくつかの懸念を抱えながらも、この計画を実行することを決意する。覚醒進化は、魔素や魔力を十倍以上に増加させ、進化した者の部下にも祝福が配られる可能性がある。

祝勝会では、まずベニマルが覚醒の対象となる。ベニマルはリムルに対して、この重大な決定を相談なしに進めることに対する不安を表明するが、最終的にリムルの計画を理解し、覚醒に対する覚悟を示す。リムルはベニマルを含む覚醒対象者たちの力が自身を超えることや、暴走する可能性に対する不安を持ちつつも、彼らに対する信頼を表明し、覚醒進化を進めることにする。

帝国との戦いが継続中である中、防衛戦で活躍したベニマルに「赫怒王」という称号が与えられる。しかし、彼の進化には子孫を残す必要があるという未練が浮かび上がる。ベニマルは、鬼神に進化すると子供を作れなくなることに躊躇していたが、この問題を公にすると、モミジとアルビスが彼との結婚を望み出す。二人はベニマルと結婚することで、彼が鬼神に進化するための条件を満たす手助けを申し出る。リムルはこの事態に対処し、モミジとアルビスの提案を受け入れる。最終的に、ベニマルは二人との結婚を承諾し、「赫怒王」としての新たな一歩を踏み出す。

リムルがスライムの姿に戻り、三大軍団長であるゴブタ、ゲルド、ガビルが前に出る。ゴブタには特別な褒美ではなく、「今のままの気軽な口調で普通に接する権利」が与えられる。これはゴブタがリムルに対して敬語を使わず、自然に会話することを許可するという意味であり、周囲からは羨望の声が上がる。リムルはこの権利を与えることで、ゴブタの口調や対外的な面子に関する問題を解決しようとする。ゴブタはこの権利に大喜びし、忠誠心の深さを改めて示す。リムルは、魔物である自分たちには堅苦しい制度は不要で、内面が大事であると考えている。

ゲルドは新たに「守征王」という称号を名乗ることになり、リムルは彼に進化の儀式を試すことを提案する。ゲルドは当初、自分よりも適任者がいるとしてカレラを推薦するが、リムルはゲルド自身が進化によって仲間を守ることができると確信している。過去の出来事に対する責任感を持つゲルドに対し、リムルは彼の忠誠心と覚悟を認め、進化することでさらなる力を得て皆を守ることができると励ます。ゲルドはこれを受け入れ、進化のための「魂」の提供を受けることに同意する。

さらに、ゲルドには伝説級の装備一式が褒美として与えられる。この装備はゲルド専用で、彼の妖気に反応し、守備特化の能力を持つゲルドにとって非常に有効な武具となる。リムルは、ゲルドの進化と装備の提供を通じて、彼がこれまで以上に仲間と国を守る重要な役割を果たすことを期待している。進化の儀式が成功すれば、ゲルドと彼の配下の者たちも祝福を受け、国の防御力が格段に向上することになる。ゲルドはこの褒美と進化の機会に感謝し、休息を取ることで新たな力を身につける準備をする。

ガビルは第三軍団を率いて見事な活躍を見せたが、自己の未熟さを反省している。戦争中に魔法耐久訓練を行ったガビルの行動は、周囲からは驚きと批判の対象となったが、その結果として龍人族の固有スキル「竜戦士化」の秘密が解明された。リムルはガビルに対し、ウルティマから魔素の扱いを学ぶ機会を提供する。ガビルはこれを大いに喜び、さらなる成長を目指すことを誓う。リムルはガビルに「天龍王」としての進化を促し、ガビルはこの新たな力を使いこなすことを誓う。その進化は即座に完了し、ガビルの身体は劇的な変化を遂げる。

ガビルの進化により、彼の配下である第三軍団の「飛竜衆」も龍人族に進化し、Aランクの壁を越える戦闘能力を得た。彼らは新たなスキル「竜鱗鎧化」を獲得し、防具不要で経済的な強化を達成した。ガビルの「竜鱗鎧化」は特に強力で、防御力が神話級に近いレベルまで向上した。また、ガビル達とは異なる進化系統を辿ったソーカ達五名も強化され、上位魔人に匹敵する力を得た。これにより、リムルの軍団は大幅な戦力増加を達成した。

リムルはランガ、ハクロウ、テスタロッサ、ウルティマ、カレラを呼び出し、褒美を与えることを宣言する。ランガは「星狼王」として進化し、その進化は即座に開始された。ハクロウには、クロベエによって鍛えられた新しい仕込み刀が褒美として与えられた。悪魔三人娘、テスタロッサ、ウルティマ、カレラには、彼女たちの戦争での活躍を認めて幹部としての地位と、それぞれに称号「虐殺王」「残虐王」「破滅王」が与えられた。これらの称号は彼女たちの戦争での働きに基づいてリムルが選んだものである。リムルはこれらの褒美を通じて、彼らの働きを認め、さらなる活躍を期待することを示した。

迷宮内で活躍した者たちに褒美を与えた後、リムルは進化の儀式を行う。ゴズールとメズールには新装備が、ガドラには六十階層の階層守護者の任命と魔王の守護巨像が授与された。これによりベレッタは迷宮十傑筆頭を引退し、ガドラがその位置を継いだ。クマラには「幻獣王」という称号が与えられ、進化の儀式が行われた。クマラの進化は劇的で、八部衆の力も統合され、クマラは黄金色と白銀色の尻尾を持つ美しい外見へと変化し、魔素量も増大した。これによりクマラは、更に強力な存在へと進化を遂げた。リムルはクマラの進化を認め、休息を命じた。

祝典の中で、アピトとゼギオンに対する進化の儀式が行われた。アピトは先の戦いで同胞を失い、引き分けに終わったことから褒美を受ける資格はないと主張し、代わりに死んだ同胞の魂を自分に宿すことを願い出た。この願いは叶えられ、アピトには英霊たちを宿すことが許された。ゼギオンは迷宮内の最強の存在として、リムルから「幽幻王」という称号が与えられ、進化の儀式を経て、究極の金属に変質できる外殻や、究極能力『幻想之王』を獲得した。アピトもまた、進化を遂げ、ユニークスキル『女王崇拝』によって複数の蟲型魔人を生み出し、真なる女王として君臨することになった。ゼギオンとアピトは迷宮内での王者と女王として、絶対的な地位を確立した。

迷宮組の中で残っていたアダルマンとその仲間たちは、リムルに深い信仰を持つ変人であるが、同時に天才的な才能を持っていることが認められる。アダルマンはエクストラスキル『聖魔反転』を編み出し、魔法による遠距離攻撃を得意としている。アルベルトは剣技に優れ、アダルマンの支援を受けながら戦う。今回の戦いでは、帝国軍の上位者達との戦いで苦戦を強いられたが、その戦いぶりは見事だったと評価されている。

リムルはアダルマンに更なる力を与え、『冥霊王』という称号を授けた。アダルマンは自分の働きが不足していると感じていたが、リムルは彼を評価し、敗北を糧に成長を期待している。また、アルベルトには神話級の武具一式が褒美として与えられ、これによりアルベルトは精神生命体と同等の存在に昇華する能力を得た。アダルマンのペットの竜には『冥獄竜王ウェンティ』という名前が与えられ、見た目は美女に変身した。

リムルは『魂』を消費しての名付けを行い、これが非常に便利であることを感じた。智慧之王の提案により、ラミリス配下の四体の竜王にも名前を与えることを検討している。これはラミリスへのお礼として、また戦時中にリスクを抑えながら強化を図る手段として考えられた。

迷宮組の儀式が終了し、祝典は最後の問題児二人、シオンとディアブロの儀式に移った。先にシオンが『闘神王』として任命され、彼女に〝魂〟が授けられたが、シオン本人には何の変化も見られなかった。しかし、シオンの親衛隊である『紫克衆』やファンクラブのメンバーには祝福が配られ、異変が起こった。結果として、『紫克衆』は新しい種族として進化し、精神生命体に近い存在になったが、肉体を保持しており、新種族としての特徴を持つようになった。シオン自身は変化がなかったが、彼女の周囲の人物には大きな変化があり、シオンの儀式は終了した。

祝典の最後の対象であるディアブロについて述べられている。彼は既に最強の地位にあるが、進化によってさらに強大な力を得ることになる。『魔神王』の称号を与えられ、儀式を通じて完璧にエネルギーをコントロールし、表には何の変化も見せなかった。進化を完了したディアブロは、この世で最強の一角を占める存在となり、その力の一端は『魂の回廊』を通じて主にも感じられた。ディアブロは新たな能力の獲得を目指しており、その副官であるヴェノムと他の配下の悪魔たちにも祝福が与えられた。ヴェノムは特に悪魔公に進化し、経験の重要性を理解している。ディアブロは進化後も変わらぬ性格を保ち、その配下たちは上位悪魔騎士として新たに誕生した。

幹部たちの進化の儀式が無事に終わり、祝勝会が開かれた。ジェーンさんや双翼の二人は急ぎの用で早々に帰ってしまったが、他の者たちとの宴は楽しい時間となった。恋愛の話で盛り上がる者たちもおり、宴は盛況だった。この結果、覚醒魔王に匹敵する力を持つ者が九名、加えて原初が三柱という強力な体制が整った。これらの者たちには「聖魔十二守護王」という称号を授けることにし、彼らは永世幹部としての役割を担うこととなる。ゴブタに対する評価も確立され、リムルは「聖魔混世皇」と呼ばれるようになった。

幕間

ジェーンは、リムルが配下の魔人たちを〝真なる魔王〟へと進化させる様子を目撃し、その非現実的な光景に驚愕した。彼女はリムルに対し、「原初」の取り扱いについて問いかける目的で祝典に参加していた。リムルはジェーンの苦情に対し、素直に謝罪し、起こったことがディアブロの独断だったことを説明した。ジェーンは、リムルが「原初」を従えることになったのは不可抗力であり、彼に悪意はないと理解したが、その後、「真なる魔王」を量産するリムルの行動に懸念を抱く。

帝国との戦争が終わっていない状況の中で、ジュラの大森林の中心には巨大な軍事国家が誕生しつつあることにジェーンは気づき、ガゼル王に報告することを決意する。一方で、現実逃避を考えるも、以前ガゼル王に「原初」の件で詰め寄った自分がいるため、黙秘する権利がないと感じる。ジェーンは憂鬱な気持ちで帝国への報告を考え、魔法で先に帰ることを選ぶ。

ルチアとクレアは、魔国連邦の戦力把握の任務で、魔王リムルが配下を進化させる様子を目撃し、非現実的な出来事に動揺する。彼女たちはフレイに報告し、フレイはカリオンとこの事態について話し合う。リムルが配下に魂を譲渡して覚醒を促したこと、そして魔国連邦が帝国軍との戦争で被害ゼロであったことが明らかになる。二人は魔王級の力を得た者が存在することに驚き、自分たちもさらなる高みを目指すことを誓う。ミリムが突如現れ、修行を申し出るが、フレイによって宿題を思い出させられる。フレイとカリオンは進化への野望を秘めつつ、ミリムと共に次の行動へと移る。

第二章

魔王リムルは、ヴェルドラとラミリスに感謝の意を表すため、それぞれに礼をすることに決める。ヴェルドラには衣服をプレゼントし、予想以上に喜ばれる。次に、ラミリスには、彼女の配下である竜王たちに名前を付ける「名付け」の提案を行う。ラミリスはこの提案を喜び、成功すると竜王たちは人型に近い姿に進化する。これにより、彼らは人としての戦闘技術を習得することが可能になり、修行を始めることになる。ヴェルドラが竜王たちの修行を引き受け、彼らの中には人型の方が強い者が現れることになる。リムルは、この結果に「そりゃそうだよね」と感想を抱く。

カリギュリオたちは、魔王リムルによって蘇生させられた衝撃を受け入れ、今後の立場について考えを巡らせていた。彼らは迷宮の70階層にてアダルマンの厚遇を受けながら、自由に将来について考える時間を与えられている。会議では、帝国への帰国を望む声と魔国連邦に恭順する声が拮抗したが、魔王リムルに対する信頼を選択する。

バーニィは、情報局が実際には戦力を把握していたこと、皇帝ルドラが彼らの敗北を見越していたことを明かす。皇帝の目的は覚醒した手駒を集めることにあり、百万の犠牲をも厭わない計画であったことが判明する。将校たちは、自分たちが捨て駒だったこと、帝国に戻っても待ち受けるのは処刑か反戦ムードの拡大であることを悟る。

バーニィは、帝国に戻り、リムルとの交渉で案内役を務める覚悟を示す。彼の命運もまた不確かであるが、カリギュリオたちの運命は魔王リムルに委ねられていることを彼らは深く理解する。

主人公はヴェルドラとラミリスに感謝を伝えた後、迷宮の七十階層での帝国軍捕虜の様子を見ることにした。秘書二人を同伴し、捕虜たちの世話を任されていたアダルマンが不在のため、帝国に関する情報を集めるつもりであった。ディアブロとシオンは相変わらずの様子で、特にディアブロは新しい究極能力を獲得していた。主人公は捕虜たちに対し、今後の方針について話し合い、彼らが帝国に戻ることの危険性を理解していた。バーニィは、帝国軍の将兵が犠牲になることを皇帝ルドラが予見していたことを説明し、自分たちの命が既に皇帝にとって価値がないと主張した。最終的に、主人公は帝国軍の捕虜たちを働かせることに決め、破壊された城の復元作業を最初の仕事として任せることにした。

主人公は帝国軍捕虜からの情報収集を目的として、カリギュリオの部下から詳しい者を選び、会議室での対策会議を開く予定である。帝国側はまだ敗北を知らず、主人公側は帝国の動きを把握している。飛空船部隊の動きもルミナスに伝えられており、北方から来る帝国軍に対してはルミナスが守護に回る約束がある。会議には主人公の秘書や軍団長、顧問、情報担当などが参加し、帝国軍からはカリギュリオ、ミニッツ、バーニィ、ジウが参加する。ディアブロと悪魔三人娘が原初であることに帝国チームは絶句するが、主人公は会議を進め、カリギュリオに帝国の現状説明を依頼する。カリギュリオは、飛空船部隊がイングラシア王国北部へ向かっており、各飛空船が最大で四百名を運搬可能であること、非戦闘員が多いことなどを説明する。主人公は、シオンの反応にもかかわらず、捕虜の扱いについてはルミナスの反応や戦況によって決定するとし、戦争に絶対はないため軽々しく約束できないことを示唆する。

主人公は帝国軍の動向についての情報収集を進め、カリギュリオやミニッツら帝国の軍人たちとの会議を開催する。会議では、帝国とユウキの間の同盟関係や、帝国軍の動きがパフォーマンスであること、帝国軍の戦略的な敗北を議論する。さらに、帝国の皇帝ルドラとその守護者についての情報が交換され、帝国内の権力構造と皇帝ルドラの正体についての憶測が展開される。その過程で、バーニィとジウが帝国の皇帝ルドラと近藤との間の複雑な関係や、帝国内の序列と権力闘争について語り、帝国の軍勢が互いに互いの正体を知らない理由が明らかになる。また、主人公はマサユキに何か特別な事情がある可能性を指摘し、彼の護衛を強化することを決定する。この会議を通じて、帝国内部の複雑な動きや敵対関係が浮き彫りにされ、主人公と彼の仲間たちは帝国とのさらなる対峙に向けて警戒を強める。

主人公は帝国軍の上位者、特に究極能力を持つ者たちの動向を確認しようとする。帝国の「ひとけた数字」と呼ばれる上位者たちは、常に九名であり、その座は強さによって変動する可能性がある。バーニィとジウはそれぞれ序列七位と九位に位置し、警戒すべきは序列一位から六位、八位、そして「元帥」と呼ばれる最強の存在である。帝国軍の強さは目に見える形で示されるが、真の強さは上位者たちによって担保されていることが語られる。

帝国とヴェルグリンドの関係性も明らかにされ、帝国がヴェルグリンドに貢ぎ物を差し出していること、帝国の上位者がヴェルグリンドとの面会を経て、彼女に対する敵対をしない意思を示す儀式を行っていることが語られる。また、バーニィの発言から、帝国の真の目的が強者を生み出し、集めることにあることが示唆される。これは、帝国の皇帝ルドラの戦略として、究極能力者を集めて世界の支配を目指していることを意味している。

一方で、帝国の「元帥」が実は「灼熱竜」ヴェルグリンドである可能性が浮上し、これが帝国にとっての最大の秘密兵器であることが示唆される。この情報を受け、主人公は帝国との直接的な衝突を避ける戦略を模索する。さらに、ディアブロが勝手に魔王ギィを呼び出してしまい、これからの対応について複雑な事態が予想される展開となる。

ギィが不機嫌な様子で訪れた。彼を豪華な応接室に案内し、機嫌を損ねないように気を遣った。応接室には美術品が飾られており、ミョルマイルが選んだものである。リグルドはこの場所が落ち着くと感じていたが、ギィが暴れた場合の被害は避けられない。ギィを通常の応接室に案内するわけにはいかないため、ある程度の被害は受け入れるしかないと考えた。

ギィの隣には、ヴェルドラの姉である「白氷竜」ヴェルザードがいた。彼女は美しく、優雅な振る舞いで、自然に妖気をコントロールしていることが感じられた。ヴェルザードは、弟のヴェルドラに感謝しており、礼儀正しく挨拶を交わした。彼女の存在感は、別次元のものであった。

その後、原初の緑のミザリーと原初の青のレインが紹介された。二人はギィの隣で、一歩引いた姿勢をとっていたが、彼らもまた悪魔族の中で最強クラスの存在である「原初」だった。面子の紹介が進む中、ベニマルやシオン、ディアブロの紹介時には特に緊張したが、無事に紹介を終えることができた。

ギィが訪れ、リムルはシュナにお茶を用意させ、本題に入った。リムルは帝国への侵攻を考えていたが、ヴェルグリンドがいると聞いてギィに相談した。ギィはリムルの質問に応じ、自分が帝国の皇帝ルドラと賭けをしていること、その賭けが互いの持ち駒で勝負するというものだったことを明かした。リムルたちはギィの手駒として扱われていることが判明し、勝負の相手は確かにルドラであることも確認された。ベニマルが勝利条件について尋ねたところ、ギィはリムルにルドラを止めるよう頼むが、直接倒すことまでは求めなかった。リムルは条件を交渉しようとするが、ギィによる脅迫的な要求に応じる形で依頼を受け入れることとなった。

ギィが応接室に戻ると、シュナが紅茶とケーキを運んできた。休憩タイムが始まり、緊張が和らいだ。ギィとリムルは紅茶を楽しみながら、本題に戻る。ギィはリムルに帝国との戦争継続を依頼し、帝国を潰して欲しいと述べた。リムルはギィとの勝負の相手が帝国の皇帝ルドラであることを確認し、ギィがルドラとの間に長期的な賭けをしていることを知った。リムルはギィの頼みを受け入れ、帝国との和平を目指すことに決める。ギィはルドラが他人に究極能力を貸し与えることができるが、その能力は限定的であり、受け皿となる者も特定の条件を満たさなければならないと説明した。ギィとリムルは今後の戦略について話し合い、ギィはリムルたちにとっても戦争が無関係ではないと強調した。ケーキを食べながら、リムルは情報を整理し、これからの行動を考えることにした。

静かな時間が流れる中、ギィは帰る気配を見せず、シュナによるお茶のお代わりが進む。ギィはシュナの仕事ぶりに感心し、彼女のスイーツ作りの技術を評価した後、自身の配下であるミザリーとレインを修行に出したいと提案する。リムルは、自国のスイーツ製造技術の一部をギィに提供することに同意し、材料に関する取引を提案する。ギィはこの提案を受け入れ、リムルとの間で更なる協力関係が築かれる。その後、ギィはリムルの配下の魔物が覚醒している理由について尋ね、リムルは自分の権能「暴食之王」によるものだと説明する。ギィはリムルが転生者であることを知り、リムルの進化の速さや究極能力の獲得に納得する。さらに、ギィはリムルに対し、自分の配下も覚醒させるよう要請し、リムルはそれが可能であることを示唆する。しかし、覚醒には大量の「魂」が必要であることが明らかになり、ギィは自身が溜め込んでいた「魂」で足りることを知る。このやり取りを通じて、リムルとギィの間で更なる信頼関係が築かれ、リムルはギィの依頼を受け入れることになる。

静かな時間の中で、ギィが帰る気配を見せず、シュナがお茶を注ぎ直す場面から始まる。ギィはシュナのスイーツ作りの腕を評価し、自分の配下であるミザリーとレインにも教えてほしいとリムルに提案する。リムルは、自国で開発したレシピを教えることに同意し、材料に関する取引も提案する。ギィとの間で経済的な協力関係が深まることで、両国の安全保障にも繋がるとリムルは考える。ギィがリムルに、配下を覚醒させることについて尋ねると、リムルは自分の権能「暴食之王」の効果によるものであると説明する。また、リムルが転生者であることをギィに告げ、ギィはそれに納得する。さらに、ギィはリムルに対し、自分の配下にも同様の覚醒を促すよう要請し、リムルはそれが可能であることを示唆する。しかし、覚醒には大量の「魂」が必要であることが明らかになり、ギィは自身が溜め込んだ「魂」で足りることを知る。このやり取りを通じて、リムルとギィの間でさらに信頼関係が築かれる。

ヴェルドラ達が去った後、ギィはリムルのもてなしを受けることになる。ギィは泊まる意向を示し、リムルはやむを得ず最高の部屋と晩御飯を用意することに同意する。その間、ディアブロはギィを奥座敷に案内し、究極能力についての話を持ちかけることで、リムルに時間を作る。リムルはこの隙に、ミザリーとレインの進化を促すために魂を注ぎ込む。予想よりも少ない魂で進化が成功し、リムルはギィから受け取った余剰の魂について慌てるが、智慧之王は余剰分は報酬として考えるべきだと説明する。夜は宴会となり、ギィは満足し、温泉で機嫌を直す。ヴェルザードはヴェルドラと迷宮で手合わせをし、ヴェルドラは満身創痍になるが、リムルはこれを優しく見守る。最終的に、リムルは帝国の竜種についての対策を考えることを決意する。

ギィ達が去った後、リムルは慌ててやって来たミョルマイルから、エルメシアが来訪していると聞かされる。エルメシアは魔導王朝サリオンの天帝であり、リムル達とは「悪巧み三人衆」として裏で経済圏の支配を目論む仲間である。彼らは新たな経済圏を構築し、その中で犯罪組織を統一し、新たな秘密結社「三賢酔」を立ち上げる。また、表世界では「四ヶ国通商連盟」と「西方総合商社」を立ち上げ、健全な競争を促しつつ、裏で犯罪組織を利用する者には秘密結社が手を打つ体制を整える。リムルはエルメシアの急な来訪に緊急事態を感じ取り、エルメシアとの会合に向かう。

リムルはエルメシアに呼び出され、彼女の不機嫌な様子に直面する。エルメシアはリムルに対し、彼が部下を進化させたことや、帝国との関係について厳しく問い詰める。リムルは彼の行動の理由を説明し、エルメシアに自分の計画を打ち明ける。計画は帝国の皇帝ルドラとその手駒を無力化することで、和平交渉に臨むというものだった。エルメシアはリムルに全力を尽くすよう促し、彼が死ぬことの重大な影響を警告する。リムルは自分の命を犠牲にするつもりはないと答え、エルメシアの忠告を真摯に受け止める。翌日、リムルたちは帝国へ向けて旅立つことになる。

幕間

これは天上の遊戯として続けられた、魔王と勇者の戦いの記録である。しかし、〝灼熱竜〟ヴェルグリンドにとっては、その戦いに興味はなく、直接戦って勝者を決めるべきだと考えていた。ギィとルドラの直接対決が決着しなかったために始まったこのゲームは、直接対決を禁じる唯一のルールがある。ヴェルグリンドはこの勝負が不利だと考えており、自身がギィには勝てないと見ていた。ヴェルグリンドはルドラが勝利を望む以上、協力は惜しまないが、策を弄することを嫌い、準備には不得手であった。ヴェルザードにはルドラに勝てる可能性があるが、ヴェルグリンドとヴェルザードが戦えば、最悪の場合、両者が消滅する恐れがある。ヴェルグリンドは、自分が消えてもルドラを愛する気持ちがなくなることを恐れていた。ヴェルドラに対しても不満を抱きつつ、ジュラの大森林への侵攻ではヴェルドラとの遭遇戦が避けられないと考えていた。ルドラにとっては、軍団ではなく個々人の進化が重要であり、ヴェルグリンドもそれに同意していた。今回の作戦では多くの死者が出ることが予想されるが、それが新たな覚醒者を生むとヴェルグリンドは考え、楽しみにしていた。

帝国軍百万の全滅という結果に、ヴェルグリンドとルドラは予想外の驚きを隠せない。遠征の隠された目的は、経験を積んだ将兵から覚醒者を生み出すことだったが、生存者が皆無という事実は計画の失敗を意味していた。ルドラの淡々とした反応にヴェルグリンドは不満を感じるが、ルドラの目に宿る激しい不満を見て理解する。ヴェルグリンドは、全滅した軍団の損失を乗り越え、問題の本質に焦点を当てるべきだと考える。生存者がいないという報告は、戦力評価にも影響する。

ヴェルグリンドは、ヴェルドラが関与しているかどうかを問うが、ルドラからはヴェルドラだけではなく魔王リムルとその陣営が大きな力を持っていることが明かされる。ルドラは、ヴェルドラが魔王リムルに協力していることを示唆し、ギィの計画が成功している可能性を示唆する。ヴェルグリンドは、ヴェルドラがリムルに従う理由について考えるが、明確な答えには至らない。

ルドラは、近藤の計画を含む今後の作戦を見直す必要があると提案する。ヴェルグリンドは、ルドラの意図を理解し、両面作戦の撤回と今後の行動計画について合意する。二人は、ヴェルドラを説得し、魔王リムルを潰す計画を立てる。ヴェルグリンドは数千年ぶりに真剣に動くことを決意し、彼女の行動によって『紅蓮の粛清』と呼ばれる惨劇が始まる。

第三章

帝都の夜、科学文明により街灯で照らされるものの、裏通りには闇が残り、ミーシャはそこを歩んでいた。彼女はクーデターの準備に追われており、敵前逃亡の危険を冒していた。ミーシャは自信を持って帝都の闇を歩くが、情報局の近藤達也に遭遇し、状況は最悪になる。近藤はミーシャを問い詰め、彼女は事態を誤魔化そうとするも、近藤は彼女の思考を読み取るユニークスキル『解読者』を用いて全てを把握していた。ミーシャの魅了術も効かず、近藤によって撃たれてしまう。ダムラダが現れ、ミーシャの遺体に対して最後の敬意を払うが、近藤はダムラダに対しても警戒心を強める。最終的に、ミーシャの遺体は情報局により痕跡を残さずに処理され、帝都の闇に葬られるのだった。

ユウキの指示を受け、カガリはクーデターの準備を開始し、世界各地から幹部が帝都のユウキの豪邸に集まる。集まったのはユウキに忠誠を誓う者たちで、半数ほどの幹部が集結した。クーデターの計画は以前から進められており、皆がユウキの指示を待つ中、ユウキは明日魔王リムルとの会談を予定していることを告げる。帝国軍が壊滅し、リムルが帝国軍を全滅させたこと、そしてリムルと手を組む決意を伝える。会場は騒然とするが、ユウキはリムルとの同盟の重要性を説明し、参加者たちはこの情報を基に作戦行動の協議に移る。

混成軍団本隊で帝都を制圧し、近衛をこの場にいる者たちで受け持つ計画が立てられる。リムルとの会談での取り決めと、どのように作戦行動に移るかが主な議題となる。皇帝ルドラや「元帥」といった強敵の相手はリムルが担い、残りはユウキが見込んだ者たちで対処する方針が示される。しかし、ユウキは不安感を拭えずにおり、その原因を探っている最中にダムラダが会場に到着する。

ユウキの指示を受け、カガリはクーデターの準備を開始し、世界各地から幹部が帝都のユウキの豪邸に集まる。集まったのはユウキに忠誠を誓う者たちで、半数ほどの幹部が集結した。クーデターの計画は以前から進められており、皆がユウキの指示を待つ中、ユウキは明日魔王リムルとの会談を予定していることを告げる。帝国軍が壊滅し、リムルが帝国軍を全滅させたこと、そしてリムルと手を組む決意を伝える。会場は騒然とするが、ユウキはリムルとの同盟の重要性を説明し、参加者たちはこの情報を基に作戦行動の協議に移る。

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ダムラダが帝国の軍服を着て現れ、ミーシャが近藤によって殺されたことを伝えると、会場は沈黙し、緊張が走る。ダムラダの忠誠はルドラ皇帝にあり、自身が操られていることに気づいていない様子である。ユウキは、ダムラダが操られていることと、自身がダムラダに見出された一人であることを悟る。ダムラダは自身が操られていることをユウキに気づかせようとしており、ユウキもそれを理解し、ダムラダを助けようと決意する。ユウキは撤退を命じ、自らはダムラダと対峙する。ダムラダは序列二位の実力者であり、ユウキに対してもその力を見せつけるが、ユウキはダムラダを助けることを約束する。ダムラダはユウキの野望のために、そしてルドラとの約束を果たすために、ユウキに全てを託す覚悟を決める。

帝都から混成軍団との合流を目指していたカガリ達は、帝都の大通りを急いでいた。しかし、彼らは近藤中尉率いる帝国皇帝近衛騎士団によって阻まれる。近藤は圧倒的な力でフットマンを制し、カガリもまた「支配の呪弾」によって近藤の支配下に置かれた。近藤はカガリに命じて、彼女の仲間たちに戦闘行為の中止を命令させる。カガリの仲間たちは、彼女の命令に逆らうことができず、また、抵抗するよりも捕らわれる方が賢明だと判断し、抵抗をやめた。こうして、カガリ達は近藤によって容易く捕らえられた。近藤は、強い意志によって統合される正義と理想を説き、カガリ達の野望がルドラ皇帝の大義の前には無に等しいと告げる。この出来事は、弱肉強食の世界での厳しい現実を象徴していた。

ユウキとダムラダは激しい戦闘を行いながら、心理的な防壁を突破しようとしていた。ダムラダは、皇帝ルドラから与えられた究極能力を使用しているが、これは「借り物」であり、彼の本来の力ではなかった。ユウキはダムラダに対し、自身の究極能力『強欲之王』を用いて、ダムラダを操る「支配の呪弾」を除去することに成功する。二人は互いに忠誠を誓い合い、クーデターに向けて動くことを決意する。しかし、その瞬間、ルドラの忠実な部下である冷たい声が二人を止める。これにより、本当の危機が始まることを示唆している。

音もなく現れた蒼色の髪を持つ美女は、圧倒的な強者の気配を放っていた。彼女は「ヴェルグリンド」と呼ばれる人物であり、皇帝ルドラの隣に座す「元帥」であった。ユウキはヴェルグリンドとその隣に立つ男、皇帝ルドラの存在に気づき、ルドラの圧倒的な支配力に直面する。ルドラは自分の「支配」に耐えられたらユウキを自由にすると提案し、ユウキは全力で抵抗するが、ルドラの究極能力『正義之王』の前には無力だった。しかし、ルドラはユウキを殺さずに見逃すことを選び、ユウキに対する自信を見せつけた。この一件は、皇帝が直接介入することで帝都に新たな時代が訪れることを示唆している。

第四章

武装国家ドワルゴンの東部都市は、偽装工作によって六万名により封鎖されていた。実際には、両陣営は同盟関係にあり、不幸な事故が起きないよう細心の注意を払っていた。この事態の中で、士気が高まっていた兵士たちは、帝国を打倒し新たな国家を樹立する夢に向かっていた。しかし、帝都で何かが起きたと知り、混乱が生じた。この時、副軍団長のゼロが最高指揮官として兵士たちを落ち着かせた。だが、その平静は蒼色の髪を持つ美女、ヴェルグリンドの出現によって破られた。彼女の圧倒的な存在感に、兵士たちは恐怖を感じた。ゼロがヴェルグリンドの正体を認識した時、ヴェルグリンドは彼らと「遊ぶ」と宣言し、惨劇が始まった。

ガゼルは憂鬱な日々を送っていた。戦争が続き、部下たちが真なる魔王に進化するという報告を受け、さらに心配が増した。真なる魔王とは、魔物の王を意味する称号であり、彼らは災禍級の最上位に位置づけられる。リムルの下で複数の部下がその力を得たことにより、ガゼルとエルメシアは深い悩みを抱えることとなった。最終的には、リムルたちを観察し続けることで問題の先送りを決定した。

この決定は、東部都市にいた混成軍団に何者かが攻撃を加えたという報告が届いた時に試されることになった。報告によると、攻撃者は竜種であるヴェルグリンドであった。彼女の圧倒的な力により、軍団は混乱し、ガゼル達は最悪の事態を直面することとなった。ヴェルグリンドの力は、遠く離れた場所で監視していたガゼル達にまで影響を及ぼし、彼らの監視魔法用の水晶球が砕け散った。

ガゼルは出陣を決意し、ドルフ率いる天翔騎士団を引き連れて出陣した。彼はリムルが部下たちが生き残れるように力を授けたことを理解し、リムルの甘さに苦笑いする。同盟国への連絡と国民への対応を指示した後、ガゼルは戦場へと向かった。彼らはリムルのような非常識な行動にも関わらず、今回も何とかなるという楽観的な気持ちを抱くこととなった。

リムルはエルメシアとの飲酒の翌日、遅くまで寝ていた。起床後、シュナから昨晩の悩み事について尋ねられるが、リムルは無茶をするつもりはなく、安全を第一に行動すると答える。しかし、敵の戦力が不明であることに不安を感じている。近藤中尉、ヴェルグリンド、皇帝ルドラは特に強大な敵であると認識している。

リムルは精鋭を連れて帝国との戦いに挑むことを決め、どのメンバーを連れて行くかで悩んでいた。一方、ラプラスがリムルに伝言を持ってきたことをシュナが伝える。伝言の内容は、ドワルゴンの東口を封鎖している軍団で帝都を攻める計画についてで、リムルも共闘することに同意しているが、戦い方についてはユウキと詳細を話し合う必要があると考えている。

会議では、リムルが帝国との最終戦について話し合い、ラプラスを介してユウキとの共闘を計画していることを説明する。リムルはベニマル、シオン、ディアブロと共に、ラプラスに運んでもらうことになる。しかし、テスタロッサが自身の方が案内役として適任であると主張し、リムルはテスタロッサの提案を受け入れる。

最後に、ラプラスがリムルたちの国の保養施設を満喫していたことが判明し、その行動についてソウエイが報告する。リムルはラプラスの振る舞いに苦笑しつつ、その自由奔放さを認める。そして、リムルと幹部たちは次の議題に移ることとなる。

ラプラスが食堂に慌てて現れ、大事な報せを伝えた。混成軍団の前にヴェルグリンドが現れ、ガゼル王から支援要請があった。リムルは出撃準備を指示し、ラプラスに情報を求めた。カガリが近藤に操られ、帝国で大規模な事件が発生していることが判明。リムルは神之瞳を用い、現地の状況を視察する。超重力力場を使い、大軍を一掃するヴェルグリンドの姿が映し出された。カガリの精神支配と、帝国軍の状況についてラプラスから詳細を聞いた。

ラプラスは、カガリによって生み出されたが、自身は命令に従わない特例だった。帝国軍の多くが呪言で支配されているが、一部には自由な者もいる。リムルはラプラスの協力を得て、カガリと近藤を倒し、事態を解決しようと提案した。その過程で、ラプラスは自身と帝国軍の過去を語り、リムル達と手を組むことに躊躇いを見せた。しかし、リムル達は過去の恨みを越え、共闘を決意。ラプラスも深く頭を下げ、協力を求めた。

ラプラスの提案に対して、ベニマル達は賛成し、リムル達はユウキの救助へと向かうことに決定した。シオンは、近藤が黒幕であり、クレイマンも操られていた可能性を指摘し、これには全員が驚いた。ディアブロとハクロウもこの考えを支持し、リムルは近藤を警戒する方針を固めた。

リムルは、ヴェルグリンドとの対策を考える中で、ガビル達にはガゼル王の救援を命じ、ヴェルグリンドへの直接対決は避けるよう指示した。ウルティマとカレラがヴェルグリンドとの戦闘に自信を見せる一方で、テスタロッサも加わりたいと申し出た。最終的に、ソウエイが代わりに同行することに決まった。

作戦会議では、ヴェルグリンドの協力で行われるカガリの儀式への対策も議論された。ディアブロは、儀式に時間がかかることを説明し、ラプラスが裏技について言及。最終的に、儀式を無視し、ヴェルグリンドが動き出したらウルティマとカレラが対応することが決定された。

ガゼル王が天翔騎士団と共に到着したことを受け、リムルは迅速に行動を開始するよう指示。この決定により、リムル達は戦闘に備え、長い夜の始まりを迎えた。

ガビルたちを転送術で送り出した後、リムルたちはラプラスに案内されて帝都へと移動した。しかし、予定の場所ではない豪華な広間に着き、罠だと気づく。ユウキが現れ、リムルたちを罠にはめたと主張するが、ラプラスは自分も罠にはまったと困惑していた。その場にはヴェルグリンドもおり、周囲は強者で囲まれていた。ルドラが登場し、リムルに対して帝国への忠誠を求めたが、リムルは拒否し、和平を提案したがルドラはこれも拒否。ルドラは人類の理解と世界統一を語り、リムルとの間で理想の世界について議論が交わされた。ヴェルグリンドは戦闘の準備を進め、リムルたちも戦いに備える。リムルはヴェルドラと連絡を取り、戦況を確認。ヴェルグリンドの『並列存在』の能力が明らかになり、その強大さを改めて認識する。ルドラの提案を再び拒否したリムルは、戦いへの覚悟を決める。

終章

二体のドラゴン、ヴェルグリンドとヴェルドラが、ジュラの大森林上空で壮絶な戦いを繰り広げた。ヴェルドラは、封印されていた時期よりも魔素量を増大させ、成長した技術でヴェルグリンドに互角以上に渡り合っていた。しかし、リムルはヴェルグリンドの魔力制御の上手さと、ルドラの余裕に不安を覚えていた。戦いは膠着状態に陥り、ヴェルグリンドが『並列存在』を解除する展開になる。リムルは、自身も究極能力を持つことから、帝国の上位者達に対しては自信を持っていたが、ルドラの落ち着きは彼に不安を与えた。

最終的に、近藤が飛空船で現れ、ヴェルドラに対して亜光速の銃弾を撃ち、ヴェルドラは苦しみ始める。ルドラはこれを機に、ヴェルドラを完全に支配下に置いたと宣言し、リムルに対しても降伏を迫る。しかしリムルは拒否し、ルドラは『並列存在』を解除し、偽者のルドラが消える。リムルは自分が完全に敗北したことを認め、ヴェルドラとの魂の絆が断たれたことによる喪失感と怒りに苛まれる。リムルはこの経験から、戦争の厳しさを改めて認識し、帝国に対する復讐の決意を固める。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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