どんな本?
“転生したらスライムだった件”とは、伏瀬 氏による日本のライトノベルで、異世界転生とファンタジーのジャンルに属す。
主人公は、通り魔に刺されて死んだ後、スライムとして異世界に転生。
そこで様々な出会いと冒険を繰り広げながら、魔物や人間との交流を深めていく。
小説は2014年からGCノベルズから刊行されており、現在は21巻まで発売されている。
また、小説を原作とした漫画やアニメ、ゲームなどのメディアミックスも展開されており。
小説のタイトルは「転生したらスライムだった件」だが、略称として「転スラ」と呼ばれることもある。
読んだ本のタイトル
転生したらスライムだった件 18
著者:伏瀬 氏
イラスト:みっつばー 氏
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あらすじ・内容
「最悪だな。ミカエル陣営に、ヴェルザードさんまで加わったのか……」
ミカエル率いるセラフィム軍団の侵攻計画が進む中、
その対策のために開かれたワルプルギスに集結する八星魔王たち。ミカエルの能力『天使長の支配(アルティメットドミニオン)』により、
転生したらスライムだった件 18
竜種の長女でもあるヴェルーザードすらも敵の手中に落ちてしまったこの状況を打破するため、
リムルはテンペストの戦力を各所に配置するのだが――。
感想
迷宮でラミリスを襲ったディーノが天使側ってのが驚いた。
でも、リムルと思いっきり内通してるのが笑えるw
そしてディーノ、あとギィの側にいたヴェルザードが裏切った理由が、、
皇帝ルドラから変わったミカエルの能力「天使長の支配」が発動して天使系究極能力を持っている者が無自覚に傘下に入ってしまう。
ただある程度近づかないと天使系究極能力か判明出来ないらしい。
そのせいで、レオンはまたミカエルの傘下に入ってないと判明する。
解決方法はリムルが捕食してミカエルの支配回路を破壊すること。
それは竜種のヴェルドラ、ヴェルグリンドで実証済み。
さらに天使達はルドラの権能「天使之軍勢」で召喚され、カガリ(カザリーム)の力「妖死冥産」で妖死族を作って天使に受肉させる。
それで現世で覚醒魔王級の力を振るえる軍団が創れる。
そして、元魔王でいまはユウキの秘書みたいな立ち位置にいたガザリーム改、カガリが元々は女性で父親に実験されて性転換されて醜くなってしまったって、、酷いな。
それがレオンに滅ぼされてエルフの女性の身体に入って復活したのだが、、
それを達成した享楽の道化と共に生きて行こうとしたら。
天使側に取り込まれて人生を蹂躙されるとかついてないよな、、
トコトン他の人に人生を蹂躙される運命だよな、、
そして、魔王達は。
天使系究極能力「純潔之王」を持ってるレオンに領地を守護する必要のないギィが監視に付き、ギィの要請でリムルの側からディアブロを派遣。
ミリムの国にカレラ、ゲルド、ガビルを派遣。
ダグリュールの国にはウルティマを送る。
ルミナスの処にはシオン、アダルマンとその一行が行くと決まったのだが、、
天使が攻めてこない。
それで、リムルはディーノに聞いたら。。
ギィとの戦闘で弱っていた、ヴェルザードの竜因子を取り込んだミカエルが起きてこないらしい。
それで多少弛んだ状態で5ヶ月経ったのだが、、
ディーノからミカエルが起きたとの連絡があり。
レオンの処にフェルドウェイ、ヴェルザード、カガリ、ユウキ、ラプラス、ティア、フットマン、ピコ、ガラシャが攻め込む。
リムルの増援を妨害するためにヴェルザードが外を猛吹雪にすると、、
ピコとガラシャが戦意を喪失。
ギィのメイド組とカマクラを作り駄弁り出す。
周りの戦争を横に女子会に移行してしまう。
そして、カガリは裏切りを計画していたが、オーベラのミリムへの裏切りを知ってしまい。
天使長の支配の下の権能を強化してレオンを支配下に置き。
さらにカガリ、ユウキ達も完全に支配下に入った。
ただ1人、ラプラスだけ支配下に入らずにいたのだが、、
ラプラスを呼びつけたカガリがラプラスを抹殺しようとしたら、、
エルフの皇帝の母、レオンの師匠。
シルビアが助っ人に入りレオンを抑えに入る。
そんな2人を邪魔だと思ったフェルドウェイからユウキに抹殺命令が出すとユウキはラプラスに襲いかかる。
だがそこでユウキは支配されてるフリをしていたと発覚。
そしてユウキがカガリの権能を強奪して支配を取り除いてティア、フットマンもカガリの命令を聞いたまでは良かったのだが、、
フェルドウェイも奥の手を持っていた。。
フットマンにカガリをカザリームにした張本人ジャヒルを宿らせていた。
そのジャヒルが表に出てきてフェルドウェイ側に再度着いて形勢が一気に悪化。
ジャヒルの放った劫火でユウキとラプラスが??
死んだ?
うそ?
呆気なくね?
え?
本当に死んだの?
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最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
序章
リムル達がルドラ勢と戦っている間、獣王国ユーラザニア跡地で「天空城」と呼ばれる建造物の建設が進められていた。この場所に三妖帥の一柱、オベーラが訪れ、ミリムと対峙する。ミリムは自国の防衛と、人間を手にかけたくないという理由から戦争には参加していなかった。オベーラは全身を守る神話級の装備を解除し、ミリムの前に跪いて自己紹介をし、ミリムに挨拶と忠告を行うために来たことを伝える。オベーラの予期せぬ態度に、戦闘を予期していたミリムは戸惑う。
仮設された応接室での会話で、オベーラは自分が〝妖魔王〟フェルドウェイの配下であることを明かし、現在進行形の出来事をミリムに説明する。ミリムはリムルの救出を試みるが、オベーラによってそれが手遅れであることを知らされる。ミリムの怒りに対し、オベーラは自分の立場を説明し、ミリムの期待に応えられなかったことを恥じる。ミリムはオベーラの誠実さを認め、彼女の提案に耳を傾ける。オベーラはヴェルダナーヴァの復活を目論むフェルドウェイの計画を不遜と考え、ミリムの道具になることを望む。ミリムはオベーラを配下に加え、ミリムにも四天王がそろったことを喜ぶ。ミッドレイが四天王の筆頭に任命され、ミリムにも四天王が誕生することになった。
いきなり四天王に任命されたオベーラは、ミリムの命令を優先し、自分の立場を考える。ミリムとミッドレイは、オベーラをどう扱うか悩むが、オベーラ自身は敵陣営に籍を置きつつスパイとして活動することを選ぶ。彼女の最大の任務は、〝滅界竜〟イヴァラージェの動向を監視することである。オベーラの報告により、フェルドウェイがイヴァラージェを監視する任務を放棄し、ヴェルダナーヴァの復活を優先させる計画を立てていることが明らかになる。ミリムは、フェルドウェイの野望を打ち砕くことを決意するが、リムルが無事であることを知り、行動を見直す。オベーラはフェルドウェイの動向を探り、ミリムと連絡を取り合うために特殊な波長で通信手段を確保する。面会が終わり、ミリムとミッドレイは今後の争乱に備える。
第一章
レインが転移門を使って、ギィの居城にある氷雪の世界へと連れて行った。城内は快適な温度だが、半分が崩れている状態であった。ギィからは、ミリムとダグリュールも間もなく到着すると告げられる。大広間にはルミナスやレオンを含む既知の顔が見られた。ラミリスが騒がしく到着し、レインたちは彼女を置き去りにしてしまったことに気付く。ラミリスはベレッタとヴェルドラを連れており、ヴェルドラの参加はルミナスに不快感を与える。ギィからは呼び捨てで良いという提案があり、リムルはそれを受け入れる。レオンとルミナスもリムルに呼び捨てで呼ばれることを容認し、リムルは今後、親しみを込めて彼らの名前を呼び捨てにすることを決める。
ミザリーとレインはミリムとダグリュールの迎えに行き、他の者たちは大広間で待機していた。ミリムが元気いっぱいに到着し、ギィに事前の連絡がなかったことを指摘したが、すぐに会話は和やかになる。ギィは場にいる全員に敬称を省略することを提案し、カリオンやフレイもこれに同意した。フレイはリムルに敬称を使うことを続け、リムルはそれに苦手意識を示すが、ヴェルドラやディアブロはリムルの反応を楽しんだ。その後、ダグリュールが到着し、城の損傷を指摘する。ギィは真面目な話をするために場所を変えることを提案し、八星魔王だけで話し合いを始めることになった。
外界から隔離されたような円卓の広間で、八星魔王たちが集まり、飲み物まで用意されている。ディーノの不在が話題になるが、リムルはディーノが裏切り者であることを簡潔に説明する。ギィは天使系と悪魔系の能力について詳しく説明し、ヴェルダナーヴァが定めたこの世の法則に基づき、管理者権限を有する者が法則に影響を及ぼせること、また究極能力『正義之王』など美徳系の七つの権能があることを明かす。さらに、ディーノが天使長ミカエルによって支配されたこと、そしてヴェルザードも敵に回ってしまった可能性があることが話され、参加者たちはこの状況の深刻さに憂慮する。ミリムは前向きな態度を見せるが、リムルを含めた他の魔王たちは、ヴェルザードが加わったミカエル陣営の脅威に重くのしかかる。
八星魔王たちは円卓の広間で集まり、ギィが天使系究極能力が七つではなく、それ以上存在する可能性があることを明かす。美徳系の七つに加え、七天使にも特別な権能が与えられる予定だったが、すべてが与えられたわけではなく、ヴェルダナーヴァは一部の権能を解放した。天使系究極能力は最低でも十四個あった可能性があり、その能力を獲得した者はミカエルの「天使長の支配」に抗えないことが議論される。さらに悪魔系究極能力についても議論が交わされ、ギィは天使系スキルに対して悪魔系スキルが発生したと考えている。七大罪から進化した大罪系が美徳系と対になっているとの予測が示され、参加者たちはこの新たな情報に驚き、憂慮する。
ギィからの天使系スキルに関する説明の後、レオンは天使系スキルを所有している者がいるかどうかを確認することを提案する。これを受けて、参加者たちは自らのスキルや権能について話し合い、互いに信頼を確認する。ラミリスやミリムは疑われることなく、ダグリュールも他の参加者から信頼される。リムルは自分のスキルについては黙秘するが、ミリムとラミリスを蜂蜜やケーキで買収し、ルミナスを水着の新作と迷宮内のプライベートビーチの話で説得することで、最終的に全員の信頼を得る。ギィとレオンはリムルの手法に苦笑いしつつも、リムルが支配されていないことを認める。
レオンが所有する究極能力『純潔之王』が天使系であることを告白すると、会議の場は驚きで静まり返る。ギィはレオンに真剣な返答を求め、レオンは自分が支配されていないと断言するが、他の参加者はレオンが敵に支配されている可能性を懸念する。リムルはフェルドウェイが迷宮に侵入した際の情報をもとに、天使系スキルを所有している者がミカエルからの命令に抗えない可能性について説明する。この情報を基に、レオンが支配されていないという結論に達する。最終的に、リムルがレオンの監視任務を引き受けることになり、会議は終了する。
レオンが所有する究極能力『純潔之王』が天使系であることが判明し、監視の問題が浮上するが、リムルが引き受ける。その後、ギィはミカエルを倒す意向を示し、全員がこれに賛同する。天使族の召喚と受肉に関する話が進む中、リムルはカザリームが生み出した妖死族が上位天使を受肉させる可能性について懸念を表明する。また、ヴェルグリンドが『天使長の支配』から解放されたこと、そして『救恤之王』が進化したことが明かされる。この話題は、スキルの進化可能性についての議論に発展し、ギィが自己反省する場面で終わる。
議論の中で、ヴェルグリンドがもう問題ないこと、そして「始原の七天使」のうち異界に渡った四名について話が進む。ミリムは「三妖帥」の一人、オベーラが自らの配下になりたいと申し出たことを報告する。この申し出について、ミリムはカリオンやフレイと相談した上でオベーラを信用することに決めたと説明する。リムルとギィはオベーラの申し出が敵の策略でないかと懸念を示すが、ミリムは自身も慎重に検討した上での判断だと強調する。結局、ミリムの説明を聞いた後、他の魔王たちも判断を下すことになった。
ミリムからの報告によると、オベーラは「妖異宮」で「滅界竜」イヴァラージェの動向を監視している。イヴァラージェの復活の可能性について懸念が示されるが、ギィはイヴァラージェを解き放つことはないだろうと結論付ける。リムルはイヴァラージェを利用する戦略を提案するが、ルミナスやダグリュールはその発想に批判的である。結局、イヴァラージェの復活に備え、ギィが対応することになった。
オベーラの信用性についても議論され、フェルドウェイの性格が分析される。オベーラがフェルドウェイから詳細な情報を得ていないことが、彼女の信用性を高める要因となる。最終的には、オベーラを信用する方向で様子見することに全員が同意する。
他の魔王たちとの議論を進める中で、現状の悪化について懸念が示される。敵の戦力が増大している一方で、味方側の戦力は減っているという非常に不利な状況が指摘される。〝王権発動〟による強制支配の話題が出るが、リムルはヴェルドラを解放した経緯を詳しく説明せず、胡散臭く感じられる説明をする。最終的には、支配されている者を見分ける方法があるという事実に焦点を当て、敵への対処法について議論が進められる。
具体的な戦術については、どこに敵が攻めてきても迅速に対応できるような体制を整えることが提案される。魔王たちは自国の防衛が優先であり、領地から離れることは難しいが、援軍の派遣を可能にするための準備が必要であると結論付けられる。ギィはレオンを心配しており、彼の監視を申し出る。リムルには、他の魔王の領地へ配下を派遣するよう要請されるが、これにはリムル自身が困惑する結果となる。
ギィの要求により、リムルは各領地に転移用魔法陣を設置し、適切な人員を派遣することになった。最終的に、ミリムの国にはゲルド、ガビル、ウルティマを、ルミナスの神聖法皇国ルベリオスにはシオンとアダルマンを、ダグリュールの国にはウルティマを派遣することに決定した。レオンの黄金郷エルドラドには、ディアブロが派遣されることとなり、リムルも招待を受けたが、クロエは絶対安静のため動かせない状況である。リムルは各地への人材派遣を渋るが、ギィの説得により承諾し、計画を進めることとなった。
ギィはレオンのところに向かうことを宣言し、各自に決まった通りの行動を促した。しかし、カリオンとフレイからは事情の説明を求められ、リムルが詳細を説明することになった。敵についての情報共有後、ヴェルザードの敵対行動とその理由、対抗策について話し合われた。さらに、ヴェルダナーヴァの復活を目的とするミカエルとフェルドウェイの動きについても議論された。リムルはヴェルドラをダグリュールの国に派遣することを拒否し、ヴェルドラ自身も拒絶した。ミリムはヴェルザードの対応策として、応援を速やかに呼べる体制の重要性を提案した。その後、ヴェルダナーヴァの復活という目的が共有され、その衝撃的な情報に参加者たちは驚愕した。リムルは自身の行動原則を再確認し、他者を不幸にするような行動は避けると心に誓った。
ギィがリムルにミカエルの計画について質問した際、ディアブロが〝竜種〟の力を三体取り込むことでヴェルダナーヴァが復活するという敵の考えを説明した。リムルは、この方法での成功を疑問視し、ギィと同じく疑似体が生まれるだけで真の復活には至らないと考えた。一方、ルミナスはミカエルの真の目的がヴェルドラの〝竜の因子〟かもしれないと指摘し、議論が展開された。ヴェルドラの因子が狙われる可能性について話し合い、ミカエルがヴェルグリンドの権能を奪ったこと、そしてヴェルザードも危険にさらされていることが懸念された。ミカエルが権能を奪う理由については、完全なヴェルダナーヴァを再現するために純正の権能を集めようとしているのではないかと推測された。しかし、レオンが存在する限り、ミカエルが全権能を集めることは不可能であることが結論付けられた。シエルは、ヴェルグリンドが消滅する際に支配から解放される可能性に言及し、ミカエルが追放した真相について推測した。この議論を通じて、敵の計画の矛盾点や不確実性が浮き彫りになった。
議論が再開され、リムルはミカエルの計画に関する自身の見解を述べた。彼は権能の収集はヴェルダナーヴァの復活とは直接関係がなく、重要なのは〝竜の因子〟であると指摘した。ギィはリムルの説明を信用し、警戒すべきはヴェルザードとヴェルドラを接触させないことであると結論付けた。リムルはその責任を負うこととなり、ヴェルドラの重要性を再認識した。最終的には、各自が健闘を祈り合いながら、分散して行動することになった。ミカエルの戦略がヴェルドラの〝竜の因子〟を狙っているとの認識のもと、リムル達は敵の動きに警戒しながら準備を進めることとなった。
幕間
魔王レオン・クロムウェルは、魔導王朝サリオンの天帝エルメシア・エルリュ・サリオンに会うため、自国に戻る前にサリオンに立ち寄った。彼はギィが自国に来る予定があるため、時間がなく、エルメシアに直接本題を話すことを望んだ。エルメシアとレオンの関係は古く、レオンがまだ若い頃にサリオンを訪れた際にエルメシアの母シルビア・エル・リュに剣技と魔法を学んだことから始まる。レオンはエルメシアに、魔王リムルが東の帝国に勝利し、さまざまな危機を乗り越えたことを報告した。エルメシアはこの情報を初めて聞いたわけではなかったが、レオンから詳細を聞いて驚いた。レオンはエルメシアに、彼女の母シルビアに連絡を取って協力を求めるよう頼んだ。エルメシアは、シルビアが自由人であり連絡を取るのが難しいが、全力を尽くすことを約束した。レオンはその返答を受け入れ、会談を終えてサリオンを後にした。
レオンが去った後、エルメシアは彼との約束に従い行動を開始した。彼女は近衛を呼び、母シルビアへの緊急連絡を指示した。エルメシアとシルビアは容貌が瓜二つで、これを利用して交互に天帝の役割を演じ、互いの自由時間を確保していた秘密があった。エルメシアは、自分の自由時間を奪う行動に母が激怒するだろうと予想していたが、異常事態に対処するためには仕方がないと覚悟を決めていた。魔王ギィがレオンの護衛を買って出るなど、異例の事態に直面していることから、エルメシアはこれまで経験したことがないほどの大変な状況にあると感じ、憂鬱な気持ちになっていた。
第二章
魔王たちの宴から5か月が経過し、その間平和が保たれていた。リムルはゼギオンがディーノに刻んだ刻印を利用してディーノと連絡を取り、情報を得ることに成功した。ディーノはミカエルに支配されていることに自覚がなかったが、リムルとの会話を通じて自己の状況を理解し、リムルへの情報提供を約束した。ディーノの究極能力「至天之王」の存在が明らかになり、リムルは天使系能力に対する悪魔系能力の相殺可能性を示唆した。リムルはディーノに対し、ミカエルとの全面戦争において直接的な行動を控えるよう指示し、代わりに情報提供を行うよう促した。ディーノからは、ミカエルが休眠状態にあり、ヴェルザードも回復中であることが伝えられた。この情報を基に、リムルは他の魔王たちと共有し、状況に備える態勢を整えた。
ミカエルの動きが見られない5か月の間、リムルは魔王たちとの協力体制を構築し、準備を進めていた。彼は各魔王の領域に恒常的に利用可能な「転移用魔法陣」を建造しており、これにより速やかな対処が可能になる。ミリムとダグリュールは「転移」ができないが、リムルはそれでも各地に魔法陣を設置した。特にダマルガニアとルベリオスには、リムル自身が設置作業に関わった。ダマルガニアでは、ウルティマと悪魔たちが、ルベリオスではゴブキュウ親方や「超克者」たちが作業を行った。また、リムルはシオンやアダルマンをルミナスの元に派遣し、彼らがルミナスの神殿で過ごすことになった。シオンは料理をすることになり、ルミナスはそれを楽しみにしているようだった。リムルはこの状況に恐れを感じつつも、全てをアダルマンに任せ、その場から逃亡した。
ミリムの国に向かったリムルは、ガビル一派やカレラ&エスプリと共に、旧市街跡地でミリムの迎えを待っていた。待ち時間中にエスプリとジャギィとの間で意外な戦いが勃発し、技を交えることになる。ジャギィは龍人族であり、ガビルをリムルと勘違いしていた。ミリムが宿題で忙しく伝言を伝え忘れていたことが判明し、リムルはミリムを責めずに対処する。戦いがエスカレートしそうになったとき、リムルは介入してジャギィに上司を呼ぶよう求める。しかし、ジャギィの無礼な態度にカレラとガビルが反応し、ジャギィを制裁する。最終的にリムルは、ジャギィが引き連れていた魔人達に対して威圧し、事態を収束させた。
ジャギィの迎えに関しての誤解はミリム側の責任であることが明らかになり、勝ち抜き戦をして盛り上がっていた結果、ジャギィが勝者となった。ミッドレイは謝罪し、フレイはカリオンやカレラに協力を求める。カリオンは自分の強さを試したいと言い出し、カレラも乗り気であったが、リムルは安全を考慮して許可を出さなかった。しかし、カリオンの説得により、リムルは彼らの訓練をサポートすることに同意する。カリオンとフレイはリムルに同行し、カレラはミリムの国での防衛を任された。リムルはカリオンとフレイの訓練のために適任者を選ぶことを計画し、カリオンの下の配下は各自の裁量に任せることになった。
ミリムの国から戻った後、リムルはカリオンたちをベニマルに預けて迷宮に放り込み、レオンの国エルドラドへ向かう準備をする。ソウエイとランガが護衛を申し出る。レオンの国は、自然の風景を大魔法で整えた、計算されつくした都市であり、魔法陣の効果を発揮する人工的な都であることが明かされる。アルロスが案内し、都市が持つ〝進入監視〟と〝迎撃防御〟の魔法陣の効果について説明する。レオンがこの都市の設計者であることが判明し、リムルはその完成度と機能性に感銘を受ける。将来的には自国にもこのような魔法都市の概念を取り入れることを考え、設計することを楽しみにする。
リムルはアルロスに案内され、レオンの国エルドラドの内部を進んでいく。都市内の美しい風景を楽しみながら、一般人立ち入り禁止のエリアに到達し、そこから魔法陣を使って王宮前に移動する。そこで魔王レオン・クロムウェルと対面し、レオンのラフな服装やクロエに対する一途な態度に驚く。レオンはやつれている様子で、ディアブロによる何かの影響を受けていることが暗示される。リムルはエルドラドの豪華な内装や調度品に感心しつつ、ディアブロとギィに出迎えられ、レオンの国での彼らの振る舞いに戸惑う。リムルは各国に転移用魔法陣を建造しておいたことを報告し、レオンにその設置場所の指定を求める。レオンとギィは、リムルの他国への気配りや帝国臣民の避難計画について話し合い、リムルが自国だけでなく他国にも配慮する姿勢を評価する。レオンはリムルをお人好しと評しつつも、リムルの行動に重みを感じる。リムルは後悔を避けるために可能な限りの努力をすることを誓い、レオンとの間で若干の口論が発生するが、ギィによって仲裁される。
ギィが疲れた様子でリムルに不満を漏らし、ディアブロはリムルとレオンの間で決着をつける提案をするが、リムルはそれを却下する。ディアブロとギィが争っていることにリムルは驚くが、レオンは更に不機嫌になる。レインがディアブロに挑んだことが話の発端であったが、結局、レインとディアブロは意気投合しており、日常的に口喧嘩をしながらも協定を結んでいた。リムルはこの状況を解決しようとするが、結局、問題は解決せず、ディアブロとレインの関係はそのままになる。リムルはレオンの国の訪問を終え、レオンからクロエの面倒を見るように頼まれる。レオンとの関係が改善され、リムルはレオンの建築家としての夢を知り、新たな評価をすることになる。
レオンの国から戻ったリムルは、外国を精力的に飛び回り、各国との連携を強めるために動いていた。最初に向かったのはドワーフ王国で、ガゼル王と会い、アゲーラ(ハクロウの祖父が転生した姿)の修行の成果も確認した。リムルは小市民的な感覚を捨てきれずにいるが、ガゼル王やアゲーラからは立場が同等であること、堂々とした態度で対応すべきであることを諭される。リムルはドワーフ王国に『転移用魔法陣』を設置し、情報のすり合わせを行い、大戦の回避が不可能であること、しかし勝つための努力を惜しまないことを伝えた。ガゼル王はリムルの提案に快諾し、リムルは神話級武具の入手可能性についても言及するが、その入手が難しいことを認識していた。ガゼル王の剣を新生させるため、リムルはクロベエに頼むことを約束し、精神生命体として究極能力に対抗できる可能性についても話し合う。最後に、リムルはドワーフ王国との緊急時の連絡方法として『携帯電話』を提供し、相互の支援を約束することで協議を終了する。
リムルはドワーフ王国からファルメナス王国へ向かい、ガドラと再会した。ガドラはディアブロの弟子であり、マサユキの即位を支援するためにテスタロッサとも協力していた。ファルメナス王国の王都は活気に満ち、大規模な工事が行われていたが、その費用はリムルが貸し付けている状況であった。王国の経済活動を支える『魔導列車』の設置や都市整備にリムルは貢献し、ヨウム王の下での都市開発にも関与していた。ガドラはリムルを出迎え、マサユキの即位式が無事に終わったこと、テスタロッサとヴェルグリンドの支援により新皇帝が歓迎されている状況を報告した。不満を持つ者への対応もテスタロッサが担当しており、ガドラはその手腕を信頼している様子であった。リムルとガドラは共通の認識を共有し、親しく話し合った。
リムルはファルメナス王国を訪問し、王と王妃であるヨウムとミュウラン、重臣達に出迎えられた。訪問の目的は来るべき災厄について話し合うことであり、ファルメナス王国の財政的な余裕がないこと、軍事力の回復も進んでいないことが認識されていた。リムルは、可能な限りの援助を行う意向を示し、ガドラを派遣したのもその一環だと伝えた。ヨウムからの質問に対して、リムルは魔王間で対策を練ったものの、状況は不透明であると回答した。〝転移用魔法陣〟の設置場所についても合意し、使用方法はガドラが担当することになった。
会議では、ファルメナス王国が戦場になった場合の対応について話し合われ、要人の避難よりも戦力派遣を重視する方針が確認された。リムルは、ファルメナス王国を守ることよりも、人的被害を最小限に抑えることを優先し、必要なら復興事業を支援することを約束した。これにより、ヨウム達はリムルの決定を理解し、納得した様子を見せた。リムルの訪問により、ファルメナス王国での用件は無事に完了し、互いの理解と協力のもと、今後の対策が進められることになった。
ヨウムの案内で、リムルはファルメナス王国内の重要施設の工事現場を訪れた。王国はファルムス王都をそのまま利用しており、中心部の改修や地下道の設置が行われていた。地下鉄の建設計画もあり、ミュウランが魔法で地盤調査を行った。この技術により、科学技術の発展が遅れる理由が明らかになった。地下道は避難場所としても利用され、魔法で強化された天井やバイオトイレが設置されていた。これらの準備により、都市防衛や避難訓練が進められている。
訓練場では、グルーシスが鍛えた新生ファルメナス王国騎士団の戦力をリムルが見学した。騎士団は、地上に降りてきた敵から住民を守る任務を担っていた。グルーシスは最近力が増したと述べ、これはカリオンの覚醒が影響していることが明らかになった。リムルは、グルーシスがラーゼンに鍛えられたことに驚き、ガドラとラーゼンの現在の活動についても興味を示した。ヨウムとグルーシスによると、ガドラとラーゼンは修行に励んでおり、戦い続けている様子だった。リムルは、ガドラ達の活動を見学することに決めた。
リムルはヨウムの案内で、ファルメナス王国外の平原にある簡素な小屋へと向かった。ここにはラーゼン、サーレ、グレゴリー、ガドラの四人が暮らしており、リムルたちを出迎えた。ガドラはリムルの配下としての敬意を示し、サーレとグレゴリーもリムルに対する敬意を表した。彼らはリムルのもとで力試しをしたいと願っていた。
ランガがグレゴリーとの力試しに乗り出し、グレゴリーは気絶してしまうが、ランガは手加減を知らないとリムルに叱られる。グレゴリーはランガに再会することを恐れていたが、リムルとランガはグレゴリーの勇気を讃え、ヨウムたちもそれに同意した。
サーレとグレゴリーはリムルの配下になることを願い出ており、リムルたちは彼らの願いを受け入れる様子を見せた。グレゴリーはリムルからの尊敬を辞退し、状況は収束した。
リムルはファルメナス王国での任務を終え、サーレとグレゴリーを自国で受け入れ修行させることに合意した。戦力減少の懸念はあるものの、ラーゼンとガドラの存在により、大規模な侵攻に対する時間稼ぎは可能であると判断された。サーレとグレゴリーがいなくても、戦況に大きな影響はないという評価のもと、二人の実力向上を優先した。
サーレとグレゴリー、ラーゼン、グルーシスの間の戦力比較が興味深いものであった。ヨウムは戦力外とされ、グルーシスはカリオンの祝福により成長しているが、騎士団長として本国から離れることはなかった。グレゴリーは『万物不動』の特殊能力を持つ強者で、存在値約四十万。サーレは存在値が百万に達する『聖人』であり、ラーゼンは二つのユニークスキルを有しているが、サーレの『万能者』スキルにより技術を習得する能力が特筆された。
ガドラは存在値が約112万とサーレを上回り、上位聖魔霊としての強力なステータスを持つことが確認された。彼の力の源は究極贈与『魔道之書』であり、これが彼をサーレより強くする理由であった。
最終的に、リムルはサーレとグレゴリーの修行方針を決定し、二人の成長に期待を寄せることにした。
リムルはサーレとグレゴリーを迷宮で修行させることにし、ベニマルに修行方針を伝えた。カリオンとフレイが進化し、それぞれ獣神と鳥神となったことがシエルによって報告された。カリオンの存在値は約277万、フレイの存在値は約194万であることが明らかになった。
リムルはカリオンとフレイの力を全力で試すつもりだったが、ベニマルがカリオンとの力試しを行った。カリオンが使用した「獣王閃光吼」という技術は、自身の肉体を粒子と化して敵を攻撃するものであった。この攻撃に対して、ベニマルは「陽炎」を使用して勝利したが、勝敗は紙一重であった。この経験から、リムルとベニマルは慢心や油断が敗北につながることを認識し、カリオンへの感謝の念を抱いた。
ベニマルとリムルは、カフェオレを楽しみながらフレイとの対決について話し合ったが、フレイはベニマルとカリオンの戦いを見て自分では勝てないと判断し、戦わなかった。その代わりに、迷宮攻略での力試しを行うことになった。カリオンは迷宮での快進撃を続け、アダルマン達との戦いでは3対1にもかかわらず勝利を収めた。その後、クマラとの戦いでは、カリオンの勝利で終わったが、ゼギオンとの戦いでは瞬殺された。この一連の出来事から、リムルとベニマルは自分たちの慢心を認め、反省した。ゼギオンは圧倒的な実力を持ちながらも慢心せず、常に自己改善を目指している様子が描かれた。
カリオンの挑戦が終了し、次にフレイの結果が話題となる。フレイはアダルマンたちに対して圧倒的な勝利を収め、その理由は彼の「魔力妨害」能力にあった。この能力により、アダルマンたちの魔法が封じられ、フレイのペースで戦闘が進んだ。フレイは空中戦においても優れており、アダルマンたちを一方的に攻撃して勝利した。続いてクマラとの戦いは両者ともに全力を尽くす激戦となり、最終的にはフレイの勝利に終わった。フレイはその後、アピトと戦い、地力の差で勝利を収めた。これらの結果から、フレイの実力が明らかになり、リムルとベニマルは自分たちの慢心を認識し反省する。アダルマンたちは敗北のショックを受けつつも、これを教訓として今後に活かすことを期待される。リムルはラミリスに感謝し、サーレたちの今後の修行をベニマルに任せることにする。サーレたちはアダルマン一行ではなく、アピトを修行相手にすることになる。
ベニマルにサーレ達を預けた後、リムルはミョルマイルが待つブルムンド王国に向かい、イングラシア王国への同行を予定していた。ブルムンド王国では、世界中央駅建設中の一等地に四ヶ国通商連盟の本部建物が新築されている。この高層ビルには特に思い入れがあり、新築祝い兼ねたパーティが予定されていた。リムルはミョルマイルに会うために、ガバーナと名乗る男性に遭遇するが、彼はリムルを認識できず、疑っていた。しかし、受付嬢の確認によりリムルの正体が明らかになると、ガバーナは涙ながらに感謝を述べ、リムルは彼の行動を不問にすることを選ぶ。リムルはこの一件を通じて、格式に合わせた行動の重要性を再認識し、同時にガバーナの勘違いも含め、今後はより注意深く行動する必要があると感じた。
ガバーナから感謝されながら、リムル達はミョルマイルの執務室に向かう。最上階の部屋は日当たりが良く、見晴らしの良い快適な空間だった。ミョルマイルに、リムルの絵が飾られていることについて問い詰めると、その絵は闇市場で入手されたもので、出所も画家も不明だという。ソウエイが調査したが、足取りを追うことはできなかった。リムルは、自分をモデルにした絵を気持ち悪く思い、没収することにする。ミョルマイルは抵抗するが、リムルは決定事項として絵を回収した。また、ソウエイがスライムの姿の絵を持っていることが判明し、ディアブロが一枚奪ったという。リムルはディアブロから絵を回収することを約束し、絵の出所については徹底的に調査することで、その話題は終了した。
リムルとミョルマイルは、今後の予定について話し合う。ミョルマイルは計画が順調に進んでおり、裏社会の組織を次々と傘下に収め、表の事業でも信頼を得ていると報告する。特にベルヤードの手腕が抜群であり、彼の努力によって勢力が拡大している。しかし、リムルはミョルマイルが組織の代表に相応しいと考え、ベルヤードがトップに立つことに懸念を示す。リムルは部下に合った仕事を割り振ることの重要性を強調し、ベルヤードが効率を優先する傾向にあることを指摘する。彼は、組織に属する者たちが誰かの役に立つ喜びを味わえるような組織を目指している。ミョルマイルはトップとして、有能な部下に仕事を割り振るだけで良いとリムルに説得される。しかし、ミョルマイルはリムルの言葉を誤解し、リムル自身の謙遜だと思い込み笑い飛ばす。リムルは自分の話ではなく、ミョルマイル自身のことを言っていると怒るが、ミョルマイルはしばらく笑い続けた。
ミョルマイルからの報告を受けた後、リムルとソウエイはパーティ開始の時間になり、会場へ向かう。このパーティには各国の貴族が招待されており、リムルは注目を集めることになる。リムルは自身の対人スキルで適当に対応しようと決め、ソウエイとランガは少し離れて護衛することにする。会場の飾り付けはベルヤードが担当しており、料理のチョイスには魔国の人気メニューが含まれていたが、リムルは新しい風を吹かせる気概があれば問題ないと考える。ベルヤードとの会話では、彼が侯爵家の相続を放棄し、将来的に貴族の地位が揺らぐことや、平民として権限を引き受ける計画について話す。ベルヤードの先見の明と合理的な考え方に、リムルもミョルマイルも感心し、彼の知恵と計画性を高く評価する。
パーティが開始され、ミョルマイルとドラム王が挨拶し、乾杯の音頭を取る。しかし、リムルの周囲にはすぐに多くの貴族や外交官が集まり、各自が自国の関心事を訴え始めた。この混乱する状況で、ガバーナが介入し、リムルの大切さを強調して貴族たちを制御した。彼の行動により、多くの貴族が退散し、リムルはパーティを楽しむことができるようになった。リムルはガバーナの頼もしい行動に感謝し、彼を見直した。
自由に動けるようになった主人公は、来賓を見回し、特に注目すべき人物としてヒナタを見つけた。ヒナタは背中が大きく開いた、星のような宝石がちりばめられた黒いドレスを着ており、その美しさと色気に主人公は強く惹かれる。しかし、シエルさんにその映像を記録するよう依頼しても、迷宮内部ではないため不可能だと言われてしまう。結局、主人公は自身の記憶に頼ることにし、ヒナタに近づき、彼女の美しさを褒めた。ヒナタは主人公の挨拶に対し、疑念を抱きつつも反応する。
主人公はパーティでヒナタに話しかけ、彼女のドレスを褒めるが、ヒナタは当初、その言葉を御世辞として受け取り、冷たく返答する。主人公は謝罪し、ヒナタのドレスの大胆さについて言及するが、これが彼女の怒りを買う。ヒナタはドレスを着ることをルミナスに強く勧められたと語り、主人公はルミナスのセンスを褒め称える。しかし、ヒナタの美しさについてのさらなるコメントは、彼女の怒りをさらに引き起こす。ヒナタがアルコールに酔っているのではないかと主人公が疑うものの、彼女は自分が「聖人」であることを主張し、アルコールを無毒化できると反論する。最終的に、主人公はヒナタをなだめるのに苦労するが、なぜヒナタが頬を赤くしたのか、その真相を知る間もなく時間は過ぎていく。
パーティの翌日、会談が開催された。会談には四ヶ国を支援する各国の王や王妃、西方聖教会のヒナタ、西方諸国評議会の議長レスターなど、総勢約30名の厳選された参加者が集まった。会談の目的は、新たな敵ミカエルの出現とその狙い、対処法についての説明であった。会談では、近未来に起こりうる危機に備えて、指導者たちはうろたえず、日常の営みを続け、事前に準備をしておくことが強調された。会談では、魔導列車の軌道敷設工事や避難場所の用意など、準備が進められていることが明かされた。会談に参加した議員たちは、テスタロッサの指導力を恐れ、彼女の意向に従うことを約束した。シエンは参加者を軽くからかい、テスタロッサの恐ろしさを改めて印象づけた。最終的に、会談は成功し、参加者は日常の大切さと、危機に対する準備の重要性を理解し、協力を約束した。
会談で、テスタロッサからの連絡により、帝国皇帝となったマサユキが西側との協力関係を築きたいとの申し出があったことが話された。この発表に対し、会談の参加者は大きな驚きを示した。レスター議長を含む会議参加者は、帝国との話し合いの場所と、新皇帝が「閃光」のマサユキであることに興奮し、その行動を高く評価した。会談では、帝国の新政策やマサユキの即位によって、戦争が回避されたとの見方が共有され、帝国との協調を前向きに捉える雰囲気が形成された。さらに、会談では避難訓練実施計画推進が共有され、帝国新皇帝の次回評議会への参席が決定された。
過去五ヶ月間、準備は着々と進められ、帝国の評議会加盟はほぼ確実に可決される見通しであった。人類の意思統一も表面上は達成され、魔王勢の準備も整っていた。しかし、敵の戦力が予想を超えることがなければとの懸念があった中、ディーノから何か起きたことを示唆する連絡が入り、平和な日常に終わりが訪れた。
第三章
カガリはフェルドウェイによって戦場から連れ出され、異界である「天星宮」にたどり着いたことを知った。近藤中尉の死により、支配から解放されたカガリは、ディーノと再会し、自身が異界にいること、そしてユウキが何者かに支配されていることを知る。カガリは自身の状況と戦闘能力の低下を認識しつつ、ディーノに情報を求めた。ディーノは「天星宮」が異界の始まりの場所であり、ここからの脱出には特別な「鍵」が必要であることを示唆したが、詳細は教えなかった。カガリは自分の子供たち、ティアとフットマンを元に戻し、彼らとともに現状を共有したが、逃げ出す方法が見つからなかった。ディーノからも脱出方法について明確な回答は得られず、カガリとその仲間たちは「天星宮」からの脱出を模索する中で、城から誰かが出てくるのを目撃した。
異界「天星宮」にて、カガリとその仲間たちは、グノムと名乗る男と出会う。グノムはヴェガという人間の肉体を利用して、受肉に成功したことをディーノに報告する。グノムは、ヴェガの特殊な再生力を利用し、その肉体を触媒として自身の受肉を達成した。カガリは、この情報からグノムが天使族、またはそれに類する存在であり、地上への侵攻を目論んでいることを推測する。グノムは自分たちを戦力増強の道具と見下し、ディーノに対してもカガリたちと軽々しく交わることを非難するが、ディーノはカガリを古い知り合いとして扱い、彼女の名前変更にも寛容な態度を示す。グノムの攻撃に対して、カガリの仲間たちが立ち向かおうとする場面で文書は終わる。
妖魔族のグノムは、ザラリオ麾下の戦力として活動していたが、受肉してからはその戦闘能力が増していた。しかし、カガリの仲間であるフットマンに一方的に打ちのめされる。フットマンは、その強大な力でグノムを圧倒し、カガリたちはその戦いを見守っていた。ザラリオが登場し、グノムを諭すとともに、彼の行動を非難し、グノムに天罰を与える。この一連の出来事は、カガリとその仲間たちが、ザラリオの力の前に全ての抵抗を諦める結果となった。ザラリオはカガリたちに城への同行を促し、ディーノとその仲間たちはその場に残された。
カガリとその仲間たちは、ザラリオの案内で荘厳な城に到着し、ヴェガの肉体を培養している研究室に案内される。そこで、ヴェガの肉体を培養していた計画が中止されることをザラリオに告げられ、カガリはザラリオとその部下たちのやり取りを見守る。ヴェガが目覚め、グノムを吸収して力を増した後、ザラリオはヴェガに仲間になるか戦うかの選択を迫り、ヴェガは仲間になることを選ぶ。カガリはこの一連の出来事に困惑しつつも、現状を受け入れ、ヴェガとの協力を誓う。その後、ミカエルとフェルドウェイが帰還し、カガリたちの運命はさらに未知の方向へと進むことになる。
城の謁見の間で、ミカエル、フェルドウェイ、ザラリオ、カガリ一行を含む多数の強者が集まり、ヴェルダナーヴァの復活に向けた計画について議論される。ザラリオはヴェルグリンドが健在であることと、コルヌの消失を報告し、計画の修正が必要であることを指摘する。フェルドウェイとミカエルは、ヴェルザードを仲間に加え、可能な限りの準備を行うことに同意し、受肉する対象としてザラリオ達の名前が挙がる。また、熾天使の召喚についても話され、ゼラヌスは余った熾天使を蟲魔族が利用することを提案するが、フェルドウェイはそれを保留とする。最終的に、ザラリオの案が採用され、彼らが妖死族に憑依し、その肉体に宿る意思を解き放つことが決定された。
方針が決定した後、受肉の儀式が開始される。ザラリオ、その部下五名、オベーラ、オーマが受肉する対象となる。カガリは、妖死族に自我を宿らせる役割を担う。フェルドウェイは、儀式終了後、カガリとその仲間二人を地上に送り返すことを許可するが、ユウキの解放は拒否される。カガリは、強大な力を得るため、自ら妖死族になり、熾天使を宿すことを願う。ミカエルは、カガリの願いを受け入れ、裏切りがないことを条件に究極付与を行う。
カガリは、八体の自我を覚醒させた後、自分が宿る妖死族にも覚醒の儀式を行い、乗り移る。ザラリオ、オベーラ、ダリス、ニース、オーマ、オルカ=アリア、アリオス、古城舞衣の八名がそれぞれ目覚める。各自は、異なる自我が宿るか、元の自我が強化される形で新たな力を得る。しかし、カガリはまだ深い眠りについていた。
カガリは過去の記憶を夢に見ていた。幸せな王女として生まれ、真なる人類が築き上げた一大文明の跡地に興された超魔導大国で育つが、父王が突然狂い、暴虐の限りを尽くし、カガリは力を奪われ、妖死族として蘇った。父王によって醜くされたカガリは、仮面でその姿を隠し、愛する者たちを思いながら禁忌呪法を発動し、ティアやフットマンを生み出す。しかし、その後、混沌竜の襲来により、カガリを慕う者たちは黒妖耳長族となり、カガリたちは故郷を捨てて逃げることになる。
放浪の末、安住の地を見つけ、故郷を再訪したカガリは、混沌竜と戦った勇者サリオン・グリムワルトと出会い、彼を妖死族に転生させる。その後、カガリは〝呪術王〟カザリームとして台頭し、魔王の一員として認められる。しかし、レオンとの戦いで肉体を失い、精神体としてユウキの中で休むことになる。ユウキの中での時間を経て、カガリは人造人間の肉体を得る。
最終的に、ミカエルとフェルドウェイの計画により、カガリを含む九名が熾天使を宿す妖死族として生まれ変わる。カガリ達の新たな始まりは、フェルドウェイ達がヴェルザードを連れ戻し、ミカエルがさらなる進化を遂げる計画の一環として、『天使之軍勢』を使用し、熾天使を宿す者が選ばれたことにより、彼らは〝妖天〟として生まれ変わった。
天上の城の謁見の間では、純白の翼を持つ天使達が集まり、生まれ変わったカガリ達が最前列に座っている。ミカエルの目覚めを待ちながら、カガリは天使達の質の高さを感じ取るが、数は多くない。ディーノ、ピコ、ガラシャが話に加わり、ディーノは以前の任務や魔王リムルの配下の強さについて語る。特に、ゼギオンの強さを強調し、迷宮十傑最強との噂を話す。ヴェガは自信満々で、自らが敵を倒すと豪語するが、カガリやディーノはその現実性を疑問視する。ゼラヌスはディーノからの情報に興味を示し、迷宮内の蟲型魔人について詳細を尋ねる。ディーノはゼギオンとアピトについて知っている範囲で情報を提供する。ディーノはラミリスの迷宮が守備側に有利であることを強調し、その難易度を説明した。
沈黙が支配する中、集まった者たちは各々の思考に囚われていた。カガリは熾天使の力を取り込んで「妖天」となり、以前より強大な力を感じていた。ミカエルから与えられた究極付与『支配之王』の存在も発見し、その力の大きさに戸惑う。カガリは自分の変化を恐れながらも、新たな力を試したいという欲望に駆られていた。ヴェガは命令を待ち、自身が得た力の増大を感じていた。ディーノは自分の置かれた状況を反芻し、リムルとの関係を考える。アリオスはカガリの支配下にあり、自身の力に満足していた。オルリアは内なる声との対話を経て、自己同一性の変化を受け入れる。古城舞衣は日本への帰還を望みながらも、それが叶わない絶望を感じていた。それぞれが自身の変化や置かれた状況に対する思いを巡らせていた。
ザラリオとオベーラも、それぞれが新たに得た「妖天」としての身体や究極能力について、自身の事情に考えを巡らせていた。ザラリオは大いなる力を持ちながらも、基軸世界でその力を存分に発揮できる肉体を得たことに感謝している。しかし、究極能力『審判之王』を宿してしまったことにより、ミカエルに逆らえなくなる可能性が生じ、これに懸念を抱いていた。フェルドウェイを上司としては認めているが、ミカエルへの絶対服従ではなく、将来的に道が分かれる可能性に備えていた。
オベーラも同様に天使系の究極能力『救済之王』を獲得しており、これが彼女の望むものではなかった。始原としての存在である彼女たちは、スキルに頼らずとも強大な力を発揮できるため、この新たな能力は無用の長物であった。彼女はミカエルに叛意がある事がバレることを懸念し、自分が知らぬ間に操られていた場合の対策を考えていた。
ザラリオとオベーラは、それぞれが得た究極能力をどう扱うか、そしてミカエルやフェルドウェイとの関係をどう維持するかについて、慎重に思案していた。オベーラは、ミリムが正統な後継者であると信じ、創造主ヴェルダナーヴァの意志に逆らうフェルドウェイの行動を批判している。
厳かな鐘の音と共に、ミカエル、フェルドウェイ、ヴェルザードが登場し、作戦会議が開始された。基軸世界の全貌がマイによって立体的に映し出され、八星魔王共の支配地が示された。カガリとユウキは、攻め手側が有利であると提案し、どの地域を狙うかを議論。ディーノはラミリスの迷宮とリムルの森の攻略の難しさを指摘し、これらを最後に攻めることを推奨した。
ミカエルは自身に天使系への絶対支配があることを認めつつ、天使系の所有者がどこにいるかを感じ取ることができるようになったと明かした。しかし、『純潔之王』以外の所有者を探知できず、問題が残っていることを示唆。この問題を解決済みと判断し、レオンの支配領域にある黄金郷に『純潔之王』の所有者がいると特定した。カガリはレオンを攻めることに決定し、自身が仕返しを望むことを示唆した。
最終的に、ユウキとヴェガが軽口を叩き合いながらも、攻める先が決まり、方針が確定した。全員がこの決定に従い、作戦会議は続行されることとなった。
今回の戦の目的はヴェルダナーヴァを復活させることにあり、宣戦布告は必要ないとミカエルやフェルドウェイは判断している。攻撃は奇襲から始まり、強者のみが出撃する。ミカエルの「天使長の支配」と「王権発動」には特定の条件が必要で、特に後者は支配する対象の存在力によって成功率が変わり、同格の相手には効果が薄い。ミカエルの存在値は約九千万だが、ヴェルドラにはほぼ効かないと見込まれている。
戦力を削ることなく目的の人物を仲間に加える作戦が立てられ、出撃メンバーが決定された。ディーノは残留し、ゼラヌス率いる蟲魔族やザラリオ軍、オベーラ軍は準備を進める。幹部勢のみでの出撃となり、マイの「瞬間移動」やオベーラの「気配察知」と「空間転移」により迅速に目的地への移動が可能となり、奇襲作戦が開始される運びとなった。
第四章
ディーノからの報告により、ミカエルが動き出し、オベーラが自らの軍勢を引き連れてミカエル陣営から離脱したことが判明した。これに対し、驚きを隠せないリムルは、ディーノの行動についても驚いている。ディーノは、退屈を理由にリムルにミカエルを倒し、自分を解放するよう頼んできた。リムルはディーノの提案に呆れながらも、フェルドウェイが蟲魔族と手を組んでいることを警告され、ゼラヌスの強さについても聞かされる。この情報はリムルにとって非常に重要であり、警戒が必要だと感じた。リムルは戦力を結集し、戦争を早期に終わらせて平和に過ごすことを望んでいる。
リムルはディーノからミカエルが動き出したとの報告を受け、オベーラがミカエル陣営から離脱したことを知り、幹部たちを迷宮の管制室に招集した。レオンの拠点が猛吹雪に覆われており、通信妨害が行われているため、敵の状況を直接確認することができない。リムルは適切な戦力を召集する必要があり、ベニマル、ランガ、ソウエイと共に出撃を決定するが、ヴェルドラには迷宮の守りを任せ、自らは参加しないことを決める。リムルはベニマルに妻たちを守る役割を残してもよいと提案するが、ベニマルは全力で愛する者たちを守ると応える。ベニマルの妻たちも、ベニマルを信じていることを表明し、リムルは彼らの決意を受け入れ、出撃メンバーを決定する。リムルは、ミカエルとの戦いで勝利を目指し、全員で生きて戻ることを約束する。
リムルたちが準備を進めている間に、ミカエルの軍勢が黄金郷に向けて既に行動を開始していた。作戦の主目的は黄金郷の殲滅ではなく、天使系の所有者をフェルドウェイの前に引き出し、仲間に加えることだったが、ヴェガが暴走して作戦を無視し、都市防衛結界を破壊して王城に突撃した。カガリはヴェガの暴走に呆れ、組織としての命令違反の問題を考慮しながら、フェルドウェイとの方針を相談し、攻撃チームの指揮をとることになった。目的の人物がレオンであると推測されていたが、確定ではなく、間違っていても対象者を捕らえれば作戦終了となる。ヴェガの暴走を後で対処し、カガリは指示を出し、作戦に従って全員が行動を開始した。一方でカガリは、ミカエルとフェルドウェイの支配から逃れる最後のチャンスと考え、ミカエルの支配が距離や隔離によって影響が薄れることに気づき、ラミリスの迷宮への逃走を計画した。カガリはラプラスを呼び寄せ、彼も参戦することになった。
レオンの配下たちは、黄金郷への侵入者が現れたという報告を受け、緊迫した状況に置かれる。敵の戦力はたった八名だが、その力は絶大であり、城内は混乱に陥っていた。レオンはリムルへの連絡を試みるも、ヴェルザードによって通信が遮断されていた。レオンとギィは、リムルからの応援を待ちつつ、敵の連携を断つために動く。ギィは自ら敵を迎え撃つことを決意し、彼に続いてミザリー、レイン、そしてディアブロも戦闘に加わる。一方で、レオンは城内の防衛に専念し、敵を城に封じ込めて隔離する戦略を立てる。
城内では、ヴェガとアリオスが暴れ回っており、それぞれに対抗するために騎士団や悪魔達が立ち向かっていた。ヴェガは悪魔達を圧倒し、アリオスは暴力に酔いしれながら騎士達を蹂躙していた。オルリアは自らの権能「武創之王」で武器を創造し、戦闘を実験の場としていたが、戦意は乏しかった。マイは戦場にいながらも戦う意味を見出せず、傍観に徹していた。
レオンは城の防衛を強化し、ギィやディアブロ、ミザリー、レインらの戦力を信じつつ、リムルからの応援を待つ。敵の侵入により、黄金郷は厳しい戦いに直面していたが、レオンとその配下たちは、何とか持ち堪えている状況であった。
ギィ達がレオンの城を守るために外へ出ると、ヴェルザードによって引き起こされた猛吹雪の中、ギィはヴェルザードと対峙することになる。ヴェルザードは力を全く抑えておらず、大人の女性の姿へと変化していた。彼女の瞳は黄金色に輝き、ギィに対して愛を叫びながら戦いを挑む。ギィはヴェルザードとの戦いに手加減することなく応戦し、この世界における最高戦力同士の戦闘が始まる。
ヴェルザードは創造神の妹として、地上における絶対者であり、ギィの倍以上の力を秘めている。彼女が本気になるのはギィを相手にする時だけであり、ギィとの戦いを楽しんでいる様子が伺える。戦いは膠着状態に陥るが、ギィはヴェルザードが操られていないことを悟り、彼女がフェルドウェイ達に支配されているのは自身の望みと合致するためであると考える。ヴェルザードを正気に戻す方法はなく、ギィは彼女が満足するまで付き合うしかないと覚悟を決める。
城の上空で、フェルドウェイとザラリオの前にディアブロが現れる。フェルドウェイはディアブロとの戦いをザラリオに任せ、城内へと退去する。ディアブロとザラリオの間で戦闘が始まり、ザラリオは自信を持って先手を取るが、ディアブロは軽く回避し、戦いの基本として消耗せずに戦うことの重要性を説く。ディアブロは、戦いにおいて自分のルールを設けていることを話すが、ザラリオはゼギオンという名前に心当たりがあり、ディアブロが訓練ではなく死闘を続けていたことを知り、本気になる。ディアブロ対ザラリオの戦いは、これからが本番となる。
レインとミザリーは寒さに苦しんでおり、彼女たちの前に立ちはだかったピコとガラシャも同様に寒さに悩まされていた。敵味方の概念を超えて、彼女たちは寒さから逃れるために即席の「氷のカマクラ」を作り、中で避難することにした。中では、戦闘のことを忘れ、互いの苦労話や上司への文句を言い合うなど、女子会のような雰囲気になっていた。レインは甘酒を取り出し、全員でそれを楽しむことに。外の戦闘が激化する中、彼女たちはカマクラの中での意見交換を続けていた。
レオンのもとへ、フットマンをはじめとする「中庸道化連」のメンバーが侵入してきた。フットマンは自らを「怒った道化」と名乗り、カガリは「中庸道化連」の会長としてレオンに復讐する意志を示した。ティア、ラプラス、そして神楽坂優樹(ユウキ)も加わり、全員でレオンへの宣戦布告を行う。各々が、クレイマンへの思いや復讐の理由を述べ、戦闘の準備を整えた。レオンは、カガリの目に理性の光を見て交渉の余地を感じ取りながらも、自身が上回る敵の数と力に状況の厳しさを認識し、どう行動するか迷っていた。
レオン達三名に対してカガリ達五名が立ちはだかり、ユウキを除く各々が対峙する。しかし、戦闘は予想外の展開に。カガリとレオンは戦いながらも秘密裏に交渉を進め、カガリはミカエルから離れ、レオンと手を組むことを決意する。カガリの計画は、ラミリスの迷宮へ逃れ、ミカエルの監視から逃れることだった。レオンはカガリ達を信じ、城内にあるラミリスの迷宮に繋がる転移用魔法陣の存在を明かす。カガリは演技をして隠し扉を破壊し、逃走の準備を進めるが、その時、ミカエルがオベーラの裏切りを察し、激怒する。ミカエルは天使系所有者の支配を強化し、カガリの自我までもが奪われる事態に至る。
フェルドウェイが現れ、カガリとレオンの計画が失敗に終わる。フェルドウェイの『天使長の支配』により、カガリとレオンはミカエルへの忠誠心に支配される。しかし、その瞬間、シルビアと名乗る女性が現れ、カガリの攻撃を防ぎ、状況に介入する。シルビアはレオンの師匠であり、強力な助っ人として登場。ラプラスもシルビアによって救われ、戦いに参加する意志を新たにする。アルロスとクロードも、リムル達の応援を信じて戦い続ける覚悟を見せる。フェルドウェイへの疑念を抱くラプラスは、彼を倒すことでカガリを元に戻そうと決意し、再び戦闘が始まる。
戦いは再び謁見の間に戻り、ラプラスとシルビア、負傷したアルロスとクロードがフェルドウェイ、カガリ、レオン、ユウキ、フットマン、ティアに対峙する。数的にも戦力的にも不利な状況の中、シルビアは時間稼ぎを選択し、リムルの到着を期待する。レオンはミカエルの支配下にありながらも、シルビアに寝返るよう提案するが、シルビアはレオンの本心を裏切れず、提案を断る。戦いが始まり、シルビアとレオンの戦いが始まる中、レオンはクロエへの思いを残しているが、その思いは命令より優先されない。シルビアはレオンに忠告するが、レオンにはその忠告の意味が伝わらない。そして、シルビアとレオンの戦いが続く。
ラプラスは元〝勇者〟であり、現在は〝中庸道化連〟の最強の魔人として、ユニークスキル『詐欺師』と『未来視』を持つ。これらの能力を駆使して、多彩な攻撃手段と未来予知で戦う。カガリからは二人の強敵、フットマンとティアに対処するよう命じられるが、ラプラスは特にユウキに警戒を強める。戦いの中でユウキとの接近戦を通じて、ユウキが実は正気であることを知る。ユウキの指示に従い、ラプラスはカガリを拘束し、『権能奪取』でカガリから『支配之王』を奪うことに成功する。これによりカガリは自由を取り戻し、戦況が大きく変わる。ラプラスの行動によって、一時的に不利だった状況が逆転する展開となる。
シルビアは、かつての弟子であり、現在は究極能力『純潔之王』を持つレオンとの戦いで苦戦を強いられていた。レオンは強く、究極能力を使って全てを崩壊させる能力を持っていたが、シルビアも『雷霆之王』を使い、自身を雷霆と化して戦っていた。しかし、シルビアはレオンが本気でないことを察しており、彼の優しさが戦場では隙となることを懸念していた。一方、レオンは、本気を出せばこの国が消滅するほどの力を持っているが、シルビアはレオンがその力を全力で発揮することを阻止しようとしていた。転移用魔法陣が破壊され、状況は最悪になっていたが、カガリが正気を取り戻し、命令でティアとフットマンを呼び戻したことで、アルロスとクロードは危機を逃れた。シルビアとレオンの戦いは一進一退が続き、レオンの成長とシルビアの危機感が描かれている。
シルビアは、かつての弟子であり、現在は究極能力『純潔之王』を持つレオンとの戦いで苦戦を強いられていた。レオンは強く、究極能力を使って全てを崩壊させる能力を持っていたが、シルビアも『雷霆之王』を使い、自身を雷霆と化して戦っていた。しかし、シルビアはレオンが本気でないことを察しており、彼の優しさが戦場では隙となることを懸念していた。一方、レオンは、本気を出せばこの国が消滅するほどの力を持っているが、シルビアはレオンがその力を全力で発揮することを阻止しようとしていた。転移用魔法陣が破壊され、状況は最悪になっていたが、カガリが正気を取り戻し、命令でティアとフットマンを呼び戻したことで、アルロスとクロードは危機を逃れた。シルビアとレオンの戦いは一進一退が続き、レオンの成長とシルビアの危機感が描かれている。
フェルドウェイは、計画に狂いが生じたことに戸惑っていた。コルヌの失態やヴェルグリンドの復帰など、数万年来の計画に初めて狂いが生じていた。ユウキは、支配から逃れるために『強欲之王』の自我を利用し、フェルドウェイの計画を阻止した。フェルドウェイは、ユウキを危険視し、隠していた手札を使うことを決意した。ユウキはカガリから『支配之王』を奪い、フェルドウェイに対抗しようとしたが、フェルドウェイの切り札が発動し、ユウキの計画が狂うことになった。
フェルドウェイがユウキを殺すよう命じたが、レオンはシルビアとの戦いで手一杯であり、フェルドウェイが自ら動くことになる。しかし、その前にフットマンが突然ユウキを攻撃し、実はフットマンの体内にはかつて滅んだはずの魔導大帝ジャヒルが宿っていたことが明らかになる。ジャヒルはフェルドウェイの切り札として、隠されていたが、熾天使の力を与えられ、最終的にはフットマンを乗っ取っていた。ジャヒルはその力を使い、カガリに攻撃を仕掛けるが、ユウキが介入して防ぐ。ジャヒルの存在値は極めて高く、ユウキたちは彼に対抗するため、時間稼ぎを決め込む。彼らは絶望的な状況にも関わらず、戦いを挑む覚悟を示す。
シルビアはレオンと戦いながら、周囲の状況を冷静に観察する。四対一で数的には有利なように見えるが、実際にはジャヒルの圧倒的な力に苦戦している。ユウキが重傷を負いながらも『能力殺封』でジャヒルの攻撃を防ぐが、その状態であることが彼らの結束の鍵であった。ジャヒルは純粋な力でユウキ達を圧倒し、カガリや他の仲間達もジャヒルの強力な攻撃に対抗することができない。フェルドウェイは参戦せず、観察に徹しており、シルビアは彼がレオンやジャヒルを捨て駒と見ていることを悟る。ジャヒルは『火焔之王』の力で破壊的な攻撃を準備し、シルビア達はこれを防げる者がいないかと探すが、見込みは薄い。ラプラスの仮面の下に見えた顔に、シルビアは驚愕するが、ジャヒルの攻撃はもはや止められず、絶望的な状況へと追い込まれる。最終的にジャヒルの攻撃が発動し、レオンの居城を含む周囲は大破壊に見舞われる。
終章
ユウキとその仲間たちは、絶望的な状況の中で最後の瞬間を迎える。十年以上にわたる冒険と成長、苦楽を共にした仲間との絆を振り返りながら、彼らはそれぞれの未完の事柄に対する思いを共有する。ユウキは失敗を詫び、カガリ、ティア、ラプラス(本名サリオン)は互いに支え合い、これまでの旅を肯定する。彼らはジャヒルの圧倒的な力に対抗できないことを知りつつも、リムルの到着を信じて時間稼ぎを試みる。しかし、ジャヒルの最終攻撃が発動し、ユウキたちの運命は閉ざされる。最後まで彼らは互いに寄り添い、終わりを迎える覚悟を決める。彼らの物語は、仲間と共に全力で生きた証として、静かに幕を閉じる。
同シリーズ
転生したらスライムだった件 シリーズ
小説版
漫画版
その他フィクション
コミックス(外伝含む)
『「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」(ライドコミックス)』
『転生したらスライムだった件 異聞 ~魔国暮らしのトリニティ~(月刊少年シリウス)』
『転スラ日記 転生したらスライムだった件(月刊少年シリウス)』
『転ちゅら! 転生したらスライムだった件(月刊少年シリウス)』
『転生したらスライムだった件 クレイマンREVENGE(月刊少年シリウス)』
TVアニメ
転生したらスライムだった件 3期(2024年4月から)
劇場版
PV
OP
ED
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