小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 3巻」感想・ネタバレ

小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 3巻」感想・ネタバレ

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どんな本?

転生したらスライムだった件”とは、伏瀬 氏による日本のライトノベルで、異世界転生とファンタジーのジャンルに属す。

主人公は、通り魔に刺されて死んだ後、スライムとして異世界に転生。
そこで様々な出会いと冒険を繰り広げながら、魔物や人間との交流を深めていく。

小説は2014年からGCノベルズから刊行されており、現在は21巻まで発売されている。

また、小説を原作とした漫画やアニメ、ゲームなどのメディアミックスも展開されており。

小説のタイトルは「転生したらスライムだった件」だが、略称として「転スラ」と呼ばれることもある。

前巻からのあらすじ

魔王クレイマンが部下の魔人ゲルミュットが暗躍させ。

新たな魔王を作るために、豚頭(オーク)の王を豚頭帝(オークロード)へと進化させ、飢餓者を発動させた。

それにより、オーク20万が飢えを癒すために辺りの生物を食い荒らす暴動が起こり。

オーガの里を喰い荒らし、リザードマンの里へ侵攻して来たが、援軍に来たリムル達が豚頭帝を討伐して飢えた15万のオーク達をジュラの森大同盟に受け入れて収束させた。

読んだ本のタイトル

#転生したらスライムだった件   3 (That Time I Got Reincarnated as a Slime)
著者:#伏瀬 氏
イラスト:#みっつばー 氏

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あらすじ・内容

オークロードとの激戦を制し、なりゆきでジュラの森大同盟の盟主となったリムルだったが、そんなことは意に介さず街造りに精を出していた。そこへドワーフ王国の王、ガゼル・ドワルゴが訪れ事態は急変する。さらには魔王の中でも別格の強さを誇る‘破壊の暴君”ミリム・ナーヴァまで現れる始末。一筋縄ではいかない王と魔王に対して、スライムのリムルはどう立ち回るのか!?

転生したらスライムだった件 3

感想

シズさんと旅をしてた冒険者、カバル、エレン、ギドがギルド長フューズにリムルの町について報告を受けて。
さらにリムルの使者ゴフトからオークロードの事を聞き国の調査局を動かして捜査した結果。
リムルがオークロードを討伐して、町を作ってる事も把握する。
そして、ソウエイからリムルからオークロードを討伐した事を知らされ。
フューズはリムルに会いに行く事を決める。
同行するカバル、エレン、ギドは再度、リムルの町に行く事になる。

ファルムス王国では、辺境の伯爵がオークロードの情報を受けて、ヨウム率いる辺境調査団がオークロード調査のためにジュラの森に入る。

そして、ヨウムとフューズは合流してリムルの町に行く。

ドワルゴンの王ガゼルがカイジンを国外追放した時に配備していた暗部から、リムルがオークロードを討伐したと知る。

鬼人を6人も従えるスライムを自身の眼で確かめるため、極秘の騎士団を率いてリムルの町に行く。

そして、リムルに剣で勝負をして一撃を止めれたら勝ちと言ったら、リムルは何とかガゼル王の剣を受け止める事が出来た。

技を知っていたから対応出来たと言い。
そこでガゼル王が300年前にハクロウから剣を教わってた事が判明する。

ガゼル王がハクロウの弟子で、リムルはガゼルの弟弟子という立場になり。

兄弟子のガゼル王はリムルを身内扱いして国益にもなるとして、協定を結ぶ。
そこでジュラの森大同盟改め、ジュラ・テンペスト連邦国と名乗る。

そんなガゼル王との協定をしていた時に、魔王クレイマンが共謀していた魔王、ミリムとカリオンに結果報告をしていた。

そしてゲルミュットが死んだ事で詳細がわからないので、それぞれの魔王は独自にジュラの森に行く事になった。

魔王ミリムは直接本人がリムルの町へ来た。
それを感知したリムルは被害の出ない場所に移動してミリムを迎えるが、、
鬼人の6人がミリムに襲いかかってしまった。

それ軽くいなしてしまうミリムに絶望感を持ってリムルの逃亡を図る部下達。
でも、リムルは戻って来てしまった。

そしてミリムとの決闘は、以前保護した魔蟲の蜂に集めさせたハチミツをミリムの口に突っ込んだ結果。

あまりの美味しさにミリムは陥落。
結果、決闘は引き分け。

そして、リムルに魔王になるかと聞いて来たミリムにリムルは「しねーよ」と言う。

退屈に辟易していたミリムは、魔王より面白い事をしていると思い町に住み着いてしまう。

そして、餌付けされる。

ミリムはリムルの町、文化を気に入り身内扱いする。
対外的には、領地拡大に無関心だった魔王ミリムが版図を拡げた。
さらに他の魔王達もチョッカイを出して来た。
それが魔王カリオンの部下、准魔王級のフォビオが先走ってリムルの町は「魔王カリオン様が支配するのが相応しい」と言い。

それを否定したリグルドに暴行。

それに怒った魔王ミリムが、フォビオをボコってしまい事態がややこしくなる。
ついでに、ジュラの森の盟主のリムルが、ミリムをある程度抑える事が出来る事も目の前で証明されて。

結局はフォビオの先走りが悪いとなり、フォビオは出直すって事で決着が付くが。。

だが、フォビオ本人は納得していない。
そんな心の隙間を狙って道化連が近付いて来る。

そして、人間の国から来たフューズとヨウム達がリムルの町に到着して。
オークロードを単独で撃破して、残りのオーク達も傘下に収めたリムル達の絶大な力は人間には危険だと警戒されてしまうので。
辺境調査団ヨウムをオークロード討伐の英雄にでっち上げ、リムル達は補助した事にする。
でも、それなりに体裁を整えるためにハクロウの修行を受けさせられる。。

コレでヨウムもガゼル王の弟弟子確定w

体裁を整えて、ヨウムが自国に凱旋するために旅立ったが、、

過労気味だったフューズはあまりの居心地の良さに長居してしまっていたw

そんな時に、ドライアードのトライアからカリュプディス復活の知らせらを受ける。

町の非戦闘員はフューズの国へ避難させ、カリュプディス迎撃を行う。
ミリムが助太刀するかと言ったが、シオンとシュナが断ってしまう。
でも、戦場には着いて来て観戦をする。

そして、ジュラ・テンペストとして迎撃を行うが、、
ある意味、コレは同じヴェルドラの魔素から産まれたリムルとカリュプディスの兄弟喧嘩みたいな感じだが、、

攻撃をしまくるリムル達。
超再生して効いてるようで効いてないカリュプディス。
でも、核のフォビオの執念がミリムへの執着を見せたので、リムルからミリムへバトンタッチして。
ミリムの1発で相手を無力化してしまう。

弱ってフォビオが剥き出しになった状態から暴食者を駆使してフォビオも救出。
その後、カリオンも訪ねて来てリムルとお互いに禍根を残さず協定を結ぶ事になる。

コレで平和になってミリムにも友情の証のドラゴンナックル(手加減用)を贈り。

ミリムが突然、仕事に行くと言って旅立ち。

リムルもシズさんの心残りを解決するため人間の国へ向かう。

この巻のまとめ

オークロード討伐後のゴタゴタで、ドワルゴンのガゼル王、ブルムンド王国のフューズ、ファルムス王国のヨウムが訪問して来て、それぞれと友好を結び。
ミリムが遊びに来て、ミリムにブッ飛ばされたファビオは道化連に唆されてカリュプディスの核にされ、リムル達が頑張って抑えたが、ミリムの1発で解決してしまった。

徹頭徹尾ミリムが大活躍。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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備忘録

序章  魔王会談

豪華な部屋には、数年をかけて職人たちが織り込んだ高級絨毯が敷かれ、古い香木から削り出された大きな円卓が置かれている。
部屋には魔界の巨匠ビスマルクにより制作された幻獣を封じ込めた絵画が飾られており、その豪華さは訪れる者を圧倒する。
部屋の主は魔王クレイマンで、他の魔王たちを迎え、彼らをもてなし手綱を握ることを目的としている。
訪れたのは獅子王カリオンと見た目と裏腹に強大な力を持つ少女魔王ミリム・ナーヴァ、そして有翼族の魔王フレイである。
彼らはクレイマンが主催する魔王会談に参加している。

クレイマンはゲルミュッドの失敗と死を報告し、計画の中断を宣言した。
カリオンは、ヴェルドラの消失による騒乱を考慮していたが、納得する。
しかし、ミリムはゲルミュッドが新たな魔王を生み出す計画に期待していただけに、その失敗に激怒する。
フレイの冷静な介入で、ミリムの怒りは和らぎ、会話は続けられた。クレイマンは計画の失敗を利用して、魔王達の興味を引き、新たな魔王候補の存在を示唆する。
魔王達は戦略を練り直し、新たな魔人達がどのような力を持つかを確認するための調査を提案する。
クレイマンはこの機会を利用して、自らの計画を進めようとするが、フレイが計画を看破し、他の魔王達と共に、行動する方針を決める。

カリオンは、獣人族の王国を数百年統治し、多くの戦いを生き抜き、魔王として認められていた。
彼は強者を尊敬し、レオンの力を認めつつも、自身も強大な力を保有する必要があると考えていた。
クレイマンに誘われた魔王会談では、新たな魔王の承認が話題に上がり、カリオンはこの提案に同意した。
しかし、彼はクレイマンとレオンの不和を知りつつも、利害に基づいて彼と協力することを選んでいる。
フレイは計画に興味がなく、ミリムは感情に忠実で予測が難しいため、カリオンはクレイマンとどのように付き合うかが重要な課題であると感じている。
彼は今後の行動を慎重に計画している。

フレイは、ミリムに連れられて気が進まないながらも魔王会談に参加していた。
彼女は、自らの支配する領域に再び災厄級の魔物カリュブディスが復活しそうであるとの預言を受け、その対策に苦慮していた。
カリュブディスの復活は、ヴェルドラの消失と関連している可能性があり、フレイにとっては重大な問題であった。

彼女は、この問題の原因の一つとして、ミリムの計画も関係していると考えていたが、ミリムを止めることはできないと自覚していた。
会談に乗り気ではないフレイは、ミリムが協力すればカリュブディスを倒せる可能性があると考えていたが、ミリムを動かすことは難しいと感じていた。
彼女は、自分の誇りを守りつつ、最良の行動を模索している。

クレイマンは、ゲルミュッドに指示していた計画が失敗し、ゲルミュッドが死んだことで証拠が隠滅されたと安堵している。
カリオンや他の魔王たちも疑念を持っているが、証拠がないため彼は心配していない。

クレイマンは、生き残った者をどう利用するかを慎重に考えているが、実際にはその魔人自体は興味がなく、他の魔王を操るための餌として利用することを計画している。

また、ミリムとカリオンに恩を売り、将来的な後ろ盾として彼らを利用しようとしている。
さらに、フレイの弱みを握れる可能性があると考え、これを調査する機会としている。

クレイマンは自分の計画が異なる方向に進んでいるが、それを歓迎し、自らの手中に魔王達を収めることを目指している。

ミリム・ナーヴァは、自身が最も賢く冷静であると自負し、他の魔王たちが若く未熟であると考えている。
そのため、彼女は他の魔王たちを指導する必要があると感じ、ジュラの大森林に対する不可侵条約の撤廃を提案する。

彼女はこの提案を魔王たちに強く押し進め、他の魔王たちもこの案に同意し、条約の撤廃が決定する。この決定により、各魔王は自己責任でジュラの大森林への介入を計画し始める。
ミリムは他の魔王たちを出し抜いて行動を開始し、最終的には魔王たちはそれぞれの支配地に戻り、各自の計画を進めることになる。

第一章  国の名前

ドワーフの王ガゼル・ドワルゴは、暗部からの信じがたい報告に混乱している。
報告書には、魔物たちが大規模な町を建設していること、豚頭族が二十万の軍勢で暴走を開始し、蜥蜴人族が軍備を増強していることが記されていた。
また、大鬼族が滅亡し、豚頭帝の出現とジュラの大森林での決戦が避けられない状況であるとされ、総合危険度は特A級に相当すると評価されていた。

これを受けてガゼル王は、国家の存亡の危機を感じ、天翔騎士団を召集し、緊急事態宣言を行った。
騎士団はドワーフ製の最高の武具と天馬ペガサスを装備し、その戦闘力はAランクに相当する。
ドワルゴンは戦時統制下に入り、静かに戦争への備えを進めていた。

その後、暗部から戦争終結の報告があり、上位魔人の介入により解決したことが示されたが、詳細は不明であった。
ガゼル王は、戦場が落ち着くのを待って再度調査を命じ、天翔騎士団は戦時態勢を維持し、その他の国軍は準戦時態勢へと警戒レベルを下げ、万が一の事態に備えるように指示された。

三ヶ月後、王国の首脳陣が謁見の間に集まり、王の決断を待っていた。
暗部による全ての調査が終了し、その結果を基に数日間寝る間も惜しんで会議が続けられており、ようやく結論が出たのである。
森の魔物の活性化による被害は予想よりも少なく、森周辺の環境は安定していた。
調査結果から、森の治安が維持されている要因として、例のスライムが関係している可能性が示されている。

オークの軍勢の暴走が終息し、そのオークたちは猪人族へと進化していたこと、さらに、町を建設するスライムの周辺で魔物たちが進化を遂げていたことが判明した。
これらの謎の進化は、特A級、場合によってはS級の危険度を示す事態であると評価された。
特に、上位魔人の介入と魔物たちに進化を促す者の存在が、国家的な危機につながる可能性があるとされた。

ガゼル王は、この危機的状況を解決した人物の正体を見極めることが最重要であると結論づけ、自らが直接その場を視察する決意を固めた。
これには、天翔騎士団や宮廷魔導師、軍部の最高司令官も同行することになった。
王はこの機会に、災厄の芽を摘むために、正か邪かを判断し、必要があればその根を絶つ決断を下したのである。

町の整備が進み、計画通りに整然とした町並みが形成された。
主体は水回りのインフラであり、その計画と実施は自分が主導している。
特に、便器や水道などの生活基盤の整備に重点を置き、その施設は自分の望む形で完成した。

最初は木製の便座を試みたが、その後陶器に変更し、水道設備も含めて完備された。
これにはドワーフの職人たちの技術が大いに役立った。また、自然重力を利用した水供給システムを導入し、各家庭にも基本的な水回り設備が整った。

さらに、虫除けとして蜘蛛糸を利用した網戸を各家庭に設置し、魔物による魔法の力で簡易的な衛生管理も行われている。
こうして、この町は異世界においても日本の生活水準を模倣した文化的な都市として機能するようになった。

このように、町の開発と管理は、異世界の環境にもかかわらず、日本での生活水準を踏襲し、多くの進化した施設が導入された。
そして、この全ての過程は自分の指揮のもとに進められた。

町の家が完成し、住む人々の問題が新たに浮上した。魔物たちの出生率が進化により人間並みに低下しており、結婚制度についても考慮が必要となっている。
ゴブリンやオークは自由に伴侶を選ぶ権利を有しているが、一夫多妻制の問題も生じている。
また、魔物たちは自身の魔素が減少することを嫌い、無計画に子作りをすることはないとされている。
特に、子供を作る行為は親の魔素を大幅に減少させるため、慎重な行動が求められる。

このため、一夫多妻は未亡人に限り認めることとし、他は保護することで解決する方針が立てられた。
また、魔物たちには子供を望む権利があり、無理に子供を作ることはない。
月初めには告白式を行い、新たなカップルには家が与えられることになった。
以上の決定により、町は文化的にも発展し、住む場所が確保された。

ガビルとその仲間たちが新たに加わったため、名前を付けることになった。知らずにガビルに再び名前を付けてしまったが、意図せず彼の進化を促してしまう。

ガビルを含むリザードマン戦士団は名を与えられ、ドラゴニュートへと進化した。
これにより、彼らの外見と強さが大きく変化し、男性はリザードマンと似た外見になったが、女性は人間に近い外見になった。
また、彼らは飛行能力と強力な防御能力を得た。ガビルを含む戦士団は地底湖に住み、ヒポクテ草の栽培を行うこととなった。

この新しい任務は彼らにとって番人代わりとなり、集団行動の訓練にもなる。
彼らには回復薬も渡され、何かあった場合に備えて使用することが許可された。

ガビルたちは洞窟内での行動に慣れ、新しい武具を装備し力を増していた。
彼らは『魔力感知』『熱源感知』を習得し、暗闇での活動に問題はない。
経験も積み重ねており、五名の班でエビルムカデを倒せるほどに成長していた。
洞窟内でのヒポクテ草の栽培も順調に進められており、将来的にはこの草から回復薬を作り、販売する計画が進行中である。
しかしながら、ガビルは雑草とヒポクテ草の区別がつかず、その間違いを指摘される一幕もあった。

それでも、洞窟内では彼らの支配が確立しており、ガビルの側近はエビルムカデに単独で勝てるほど強くなっていた。
今後はヒポクテ草の栽培に加えて、その加工にも力を入れる予定である。

ペガサスの群れが町の上空に現れ、町の外に降り立った。ガゼル王が率いる騎士団は、礼儀を重んじて町の中心部へは侵入せず、外の広場に陣取った。これは、彼らがリムルたちを敵視していない証拠であった。
ガゼル王自身が予期せぬ訪問であったため、俺たちも避難を準備しつつ対応を考えた。

リグルドとカイジンも同行し、交渉の準備を整えた。
カイジンは、ガゼル王との正式な対話の機会を得て、礼儀正しく会話を試みた。
その場では、ガゼル王が私人として来訪したこと、そして彼の背後にいる騎士団が国の中枢からの許可を得ている護衛であることが明らかになった。

ガゼル王と直接対話をする中で、彼らの実力が Aランクを超えることが伺え、非常に強大な力を持つことが判明した。
鬼人族の情報も彼らに漏れており、彼らの間で緊張が高まったが、戦闘は避けたい意向だった。

最終的に、ガゼル王が俺との勝負を提案し、それを受け入れることで、彼の意図や我々への信頼を試すことになった。
勝負はガゼル王の剣技を以って、リムルの実力と人物を評価するためのものであり、その結果が両者の関係の今後に大きく影響することになる。

広場での勝負が始まり、リムルとガゼル王が対峙した。
リムルは『魔力感知』を駆使して戦術を練り、全力でガゼル王に挑んだ。
リムルは自身の身長が成長していることを自覚しつつ、ガゼル王の存在感に圧倒されながらも、彼を睨み続けた。
ガゼル王は堂々とした構えを見せ、一切の隙を見せず、リムルの攻撃を次々に受け流した。リムルは策略を用いてもガゼル王に対処できず、その技量の差を痛感した。

結局、リムルは『英雄覇気』というガゼル王の強力なスキルに苦しめられるが、『威圧』の中和に成功し、対戦を続行する。

最後にはリムルがガゼル王の剣を受け止め、勝負の条件を満たし勝者と宣言された。
ガゼル王はリムルの勝利を認め、彼を敵ではなく、正当な存在として認めた。勝負を通じて、リムルはガゼル王の力を目の当たりにし、彼の真の実力を知る機会となった。

リムルの勝利が宣言されると、魔物たちからの歓声が広場に響き渡ったが、ドワーフたちはその結果に不満を持っていた。
ドワーフたちがガゼル王が手を抜いたと非難する中、純白の騎士と漆黒の戦士がリムルの言い分を代弁し、ドワーフたちは謝罪した。

ガゼル王は実際には手を抜いておらず、勝負はリムルの性格や能力を試すためのものだった。
リムル自身も、最後の攻撃を受け止めたのは運が良かったと認めている。

その後、ハクロウが現れ、ガゼル王との古い繋がりが明かされた。
ガゼル王とハクロウは過去に剣の指導を通じて知り合いであったことが判明し、ハクロウはガゼル王の剣技を称賛した。

最終的に、ドワーフたちとリムルたちはお互いの事情を語り合い、争う意図がなかったことが確認された。話し合いは宴会へと移り、食事とともに互いの関係が和やかになった。
宴会は夜遅くまで続き、ドワーフたちもその場に留まることになった。

宴会が盛り上がる中、ガゼル王がリムルに正式な盟約の提案をした。
彼は、リムルが森の盟主であることを認め、二国間の盟約を結ぶ意向を示した。
ガゼル王は、互いに利益がある関係を強調し、リムルが森を統一すれば、その力はドワルゴンを超える可能性があると指摘した。

ガゼル王の提案にはいくつかの条件が含まれていたが、リムルはこれを受け入れることに決めた。
これにより、リムルたちはドワルゴン王国との正式な同盟を結ぶこととなった。

さらに、リムルたちの集団が「ジュラ・テンペスト連邦国」として国家として認められることになり、その国名が決定された。

この盟約により、リムルたちは国の代表として認知され、国家間の正式な条約を締結することになった。
これはジュラ・テンペスト連邦国が歴史上初めて登場する出来事であり、その盟約は魔法により公開されることとなる。

第二章  魔王来襲

ガゼル王がペガサスで急遽訪れ、技術協定の話を持ちかけながらベスターを引き連れて来た。

ベスターは過去にリムルたちを罠に嵌めようとした人物で、王は彼に責任を取らせるため王宮から追放し、リムルたちの地で働かせることにした。
カイジンはベスターが持つ技術の流出を懸念したが、ガゼル王は進歩的な研究を推進するためには新しい環境での協力が有益だと主張し、相互技術提供の約束を強調した。

また、ガゼル王はリムルに政治と戦闘の類似性を指摘し、相手の意図を読み解く重要性を説いた。

突然の訪問と同じく急な退場を果たし、最後には通信水晶をリムルに渡して緊急時の連絡手段として利用するよう伝えた。
王の訪問は突然で短期間だったが、その影響は大きいものであった。

ガゼル王が突然訪れた後、リムルとカイジンは王の自由奔放な行動について話し合った。
カイジンは王の統治実績を信じて疑わなかったが、リムルは王の行動に少し戸惑っていた。

その後、ベスターがリムルたちの前に現れ、過去の過ちを謝罪し、リムルたちに仕えることを望んだ。
彼は以前リムルたちを罠にはめたが、今は改心しており、誠実な姿勢を示していた。
リムルとカイジンはベスターの謝罪を受け入れ、彼をチームに迎え入れることを決めた。

その後、ベスターはヒポクテ草の育成と回復薬の開発を担当することになり、ガビルと協力して仕事を進めることとなった。

また、研究室の設置が決まり、ベスターはその新しい環境で研究に励むことに喜びを感じていた。
リムルはベスターとガビルが協力して問題なく仕事を進めることを確信し、ベスターの新たな研究生活に対するサポートを約束した。

数日後、ベスターの部屋と研究施設が完成した。
ガビルとその配下のドラゴニュートは穴を掘り、快適な部屋を作り上げた。

ベスターは移動の便を考え、転移系魔法陣を設置する提案をした。これにより、町と洞窟間の移動が一瞬で可能となった。
魔法陣は魔鋼に刻印され、耐久性が高く何度でも使用できる。
この設置により、ベスターは研究に更に集中できるようになった。

さらに、ジュラ・テンペスト連邦国の中央都市リムルには様々な種族が訪れるようになり、多様な文化交流が行われている。
コボルト族は市場を設け、犬頭族や魚人族が新たな居住地を求めて移住してきた。
また、森を探索中に救助した魔蟲は、リムルの指示で希少な花から蜜を集める役割を与えられた。

これらの出来事の中で、リムルは町に訪れた下位魔人たちを対処している。
力で示すことで、秩序を保っている。

そんな中、強大な魔力を持つ美少女、魔王ミリム・ナーヴァが現れ、リムルに挨拶をした。
彼女の登場は、これまでのリムルの挑戦とは異なる新たな局面を迎えることを示している。

数分前に美しい町を発見したミリムは、町の住民が進化していることに驚いた。
全員が高い知能を持ち、協力して生活している様子が見て取れた。
ミリムは、この町の住民たちが何者か、どのようにしてこの地に集ったのかを知るために、ユニークスキル『竜眼』を用いて調査を行った。

彼女は、住民たちが皆、名付けられた魔物であることを発見し、その事実に驚愕した。通常、魔人が他者に自らの力の一部を与えることは考えられない行為だ。
しかし、ミリムはこの町の住民たちが互いに協力し合う様子に感心し、彼女自身が行ってきた他の魔王たちへの手出し無用の根回しを正解だったと感じた。

この町を作った者の統率力と、町が持つ独自の進化は、ミリムに新たな興味をもたらした。
彼女はこの町の謎を解明し、刺激を求めるためにやってきたのだ。
そして、この町で〝魔王〟に匹敵する力の持ち主を見つけ出し、その存在に興奮した。
ミリムの興味は、すべてこの新しい「魔王」に集中している。

驚愕の声を抑えながら、リムルは目の前の魔王ミリムと対峙する。
ミリムの強大な力は、リムルがこれまでに知る最強クラスであり、彼女の威圧感は圧倒的だった。
リムルはスライムの姿であり、外見からは弱者にしか見えない。
しかし、ミリムはその力を見抜き、彼が町の主であることを認識する。
ミリムは自らの能力「竜眼」で相手の魔素量を測定し、リムルを評価する。

リムルは戦闘能力でミリムに勝つことができないと理解しているが、交渉と駆け引きによって時間を稼ぐことを試みる。
ミリムがリムルの挑戦を受け、戦闘が始まる。しかし、リムルの仲間たちの攻撃もミリムには効かず、彼女は容易くそれらを退ける。

最終的にリムルは、保護していた蜂蜜を用いた独自の戦術でミリムの興味を引く。
この蜂蜜が非常に美味しく、ミリムはそれに夢中になる。リムルはこの蜂蜜を使って、ミリムとの間で引き分けの交渉を行い、互いの不利益を避けるための合意に達する。
ミリムはリムルの部下になることを条件に、互いに手出しをしないと誓う。

この一連の出来事は、リムルが直面した未曾有の危機を乗り越え、町を守り抜くための知恵と策略を駆使した結果である。

ベニマルたちを回復させた後、町に戻るリムルの隣には魔王ミリムがぴったりと付いてきた。

ミリムは蜂蜜入りの容器を大事そうに抱えていたが、リムルはそれ以上の蜂蜜を渡すつもりはなかった。
リムルはミリムから魔王になる意向を尋ねられるが、面倒なことは避けたいと考えていた。
ミリムは戦いを楽しむが、リムルは多忙で、魔王になる時間も興味もないと返答する。
両者の間には価値観の大きな差があり、意見が合わなかった。

町に近づくとリムルはミリムに帰るよう促すが、ミリムはリムルが何を楽しみに生きているかを知りたがっていた。
リムルは日々の多くの課題に挑戦することに喜びを見出していると説明する。
ミリムはリムルと同じような興味を持ち始め、友達になることを望んだ。
最終的に、互いに名前を呼び捨てにすることで合意し、町での暴れないことを約束する。

リムルはミリムを案内しながら、魔王を名乗ることの危険性について考える。
勝手に魔王を名乗ると他の魔王から制裁を受けることがあるため、非常に危険な行動であると理解している。
この一連のやり取りを通じて、リムルはミリムとの関係を円滑にし、予期せぬ危機を回避することに成功した。

リムルが魔王ミリムを町中で案内するのは非常に困難だった。
ミリムは子供のように興奮し、気ままに走り回ってはリムルを困らせていた。
そんな中、ガビルが新たな試作品を持って現れ、ミリムにチビっ娘と呼ばれて怒り、ガビルを強く殴った。
リムルはミリムに暴力を控えるよう再三忠告した。

ミリムは自分を怒らせたガビルに対する暴力を挨拶だと言い張ったが、リムルはそのような挨拶は禁止すると強調し、今後は町のルールを守るようにと説明した。
リムルは町の住民にミリムを正式に紹介し、魔王であるにもかかわらず友好的に接するよう呼びかけた。
住民たちはミリムを温かく迎え、彼女の人気は非常に高かった。

最後に、ミリムがリムルを親友だと宣言し、リムルはやや驚きつつもこれを受け入れる形で危機を回避した。
これにより、リムルはミリムが暴走しないように注意深く接する必要があると痛感した。

ミリムの紹介後、食堂での夕食にはカレー風味の料理が供された。
シュナが用意したカレーは甘口で、ミリムは非常に満足していた。
しかし、食事中にシオンがミリムが持つ蜂蜜について問いただし、リムルは蜂蜜が砂糖の代わりとして使用されていることを説明した。
リムルはこの蜂蜜が砂糖代わりになることを期待しているが、現時点での量産は困難であると述べた。

風呂の後、ミリムは満足して眠りにつき、リムルはミリムの世話を他の住民に一任することになった。
この日の出来事は、テンペストでのミリムの滞在を正式に開始するものであり、これからのミリムの行動がどのような影響を与えるかが注目されている。

翌日、朝からミリムの服を着替えさせ、朝食を用意するなど大忙しだった。
朝食はパンモドキ、果物のジャム、冷たい牛乳、そして熱々の野菜スープで、ミリムはこれに大満足した。

日々のリムルの仕事は主に視察や調停であるが、その日の予定はガビルの所に顔を出すことだけだった。

リムルはミリムの服が一着しかないことから、彼女のために新しい服を用意することにし、ミリムを製作工房へと送り出した。
これにより、ミリムが新しい服に興味を持ち、リムルはその間に他の用事を済ませる時間を得た。

カイジンとともに封印の洞窟へ向かったリムルは、ガビルから昨日の出来事について報告を受けた。
ガビルは魔王ミリムからの一撃を受けたが、問題はないと快活に答えた。
また、ベスターはガゼル王にもミリムの件を報告したことをリムルに確認し、リムルはその行動を肯定した。
ベスターとガビルはリムルの回復薬の作製に成功し、その性能に自信を示した。

リムルの回復薬は傷だけでなく部位欠損も治すことができる完全回復薬である。
カイジンとベスターはこの回復薬を薄めて下位回復薬を大量に生産する計画を立て、ガゼル王との交渉を提案した。
ドワーフ王国との技術協定を検討するなど、今後の展開についても話し合われた。

話し込んだ結果、昼を少し過ぎた時にテンペストへ戻ったリムルは、大音声と共に立ち上る火柱に遭遇した。
これはミリムが新たな訪問者に激怒し、拳を炸裂させた結果である。
現場に急行したリムルは、倒れている魔人と彼の配下を目撃し、この魔人が魔王カリオンの配下であることをソウエイから聞かされた。

魔人がリグルドに無礼を働き、ミリムがこれを見て激怒したために暴行に至ったという。
リムルはミリムに暴れるなと注意するも、ミリムはこの町の者ではないためセーフと主張し、昼食抜きの罰を言い渡された。
この騒動はリグルドの庇護としてミリムが行った行為であり、魔王カリオンとの間に今後問題が生じる可能性も示唆されている。

会議室に場所を移し、リムルはミリムとその一行を迎えた。ミリムの服は採寸が終わり、代用品への着替えがすぐにできたため、昼食を共にすることになった。ミリムはサンドイッチを美味しそうに食べ、その機嫌も直った。

しかし、フォビオという魔人が現れ、高圧的な態度を取りながら、リムルとその仲間たちを侮辱した。フォビオは魔王カリオンの三獣士であり、「黒豹牙」の二つ名を持つ強力な魔人である。リムルは彼に対して強いが、ミリムに対しては敬意を払い、魔王カリオンとの約束を破ったことについて問い詰める予定だった。

会議での対話中、フォビオは魔王カリオンに指示されて、オークロードかリムルたち魔人をスカウトする任務で来たことを明かした。しかし、その態度と強引な手法が問題を引き起こした。

リムルはこの事態をどう収拾するかを考えながら、フォビオに戦争を仄めかし、さらに情報を引き出すために交渉を試みた。最終的にフォビオは、リムルとミリムの強さを認め、失敗を認めた上で去っていった。

この事件から、リムルはミリムとの友情を深め、さらには他の魔王との対立も覚悟することになった。
今後の戦略を練るために、必要な情報を集めることが彼の次なる課題である。

第三章  集う者達

ファルムス王国は、西側諸国の玄関口として知られる大国であり、その豊かさは他国と比較しても顕著である。
国の富は主にドワーフ王国との貿易による高い関税収入から得られており、首都マリスは多くの商人が集まる商業都市として栄えている。

一方で、ニドル・マイガム伯爵は中央政府の政策に不満を持っている。
特に、辺境地域の防衛責任を負いながら適切な支援が得られず、税負担も重いままであることに憤慨している。
さらに、中央政府は〝暴風竜〟ヴェルドラの脅威が消滅したとして、特別対策援助金の支給を終了させた。
これにより、ニドル伯爵領は自らの財政で防衛策を講じなければならなくなった。

ニドル伯爵は、これまでの特別対策援助金を着服しており、実際には軍隊を大規模に維持する必要性が低かったため、対策が不十分であった。
今回の政府の決定により、防衛の強化と資金面での調整が急務となっている。

自領への帰途、ニドル伯爵はこれからの対策として、退役騎士の再招集や新たな騎士の育成に努める方針を固めつつあった。
しかし、特別対策援助金の打ち切りによる影響は大きく、これからの領地運営には多大な努力が要求される状況である。

ニドル伯爵は自領に戻ったところ、自由組合支部長フランツからの面会を受ける。
フランツは急を要する様子で、新たな脅威、オークロードの出現について議論したいと申し出た。

翌日に設けられた会議で、フランツはオークロードの軍勢が約二十万にも上ると報告し、これを根拠に調査団の派遣を要求した。
この調査には自由組合としても協力は必要だが、報酬なしでの危険な任務は避けたいという立場を明確にした。

フランツの提案により、ニドル伯爵はやむなく調査団派遣を承諾するが、実際にオークロードと戦う算段は立てられないため、最終的には避難誘導の準備を進めることになった。
このように、ニドル伯爵は急速に進行する危機管理に迫られる状況にある。

ニドル伯爵は特別な組織「辺境調査団」を設立した。
この団は、矯正施設に収容されていた小悪党たち三十名から構成されており、団長にはヨウムという精悍な若者が任命された。
ヨウムは、かつては暗黒街でのし上がることも可能な男であったが、現在は辺境調査団を率いてジュラの大森林を探索している。
ニドル伯爵からの指示は、彼らが死んでも問題ないというものであったが、ヨウムの指導の下で団は異なる動向を見せていた。

ヨウムのもと、団は調査任務に従事することとなり、ニドル伯爵子飼いの魔法使いロンメルもこれに加わった。
しかしロンメルはヨウムに逆らえず、彼の命令に従う羽目になった。
ロンメルは、ヨウムの強圧的な態度に屈して、自由組合からの報告を受け、オークロードの存在を認めた。

これにより、ヨウムは調査団を自由に操ることができるようになり、ニドル伯爵の制御を超えた行動をとるようになった。
ロンメルは恐怖からヨウムに完全に従属し、彼らの探索と任務は新たな段階に入った。

フューズは信頼する三人の冒険者から、ジュラの大森林での出来事についての報告を受けていた。
この冒険者たちはカバル、エレン、ギドで、彼らはBランクの実力を持つ。
報告された内容には、井沢静江という彼にとっての恩人が最期を遂げたという事実が含まれていた。
彼女は自分の死を悟り、炎の巨人を召喚し、その暴走に飲まれる形で亡くなったという。
井沢静江は、フューズが陰ながら支援していたが、冒険者たちは彼女の最後を見届けずに帰還した。

また、冒険者たちは森でスライムを頂点とする魔物の町を発見したと報告した。
この町は人間の町のように整然と構築されており、スライムのリムルという存在が全ての魔物に名前を与え、新たな秩序を築いていた。
この話はフューズにとって信じがたいものであったが、三人が提供する物的証拠と彼らの説明から、報告された異常な出来事が真実であると受け入れざるを得なかった。

フューズは報告内容にどう対応すべきか悩み、頭を抱えた。
この新たな情報は、彼の常識を覆すものであった。

フューズはカバルたち三人の冒険者からの報告後、一週間悩んだ末に別の調査団を送ることを決定した。
三人が報告したジュラの大森林の魔物の町と、そこで受け取った装備や回復薬には異常がなかったため、話が真実であると認めざるを得なかった。
しかも、受け取った回復薬は実際に使用してみると、火傷を完全に治癒させる高性能なものであったことが証明された。

しかし、カバルたちの再びの訪問で、新たな問題が浮上した。
彼らと共にフードを被ったゴブトと名乗るホブゴブリンがオークロードの出現を報告し、リムルがその討伐に向かったと伝えた。
リムルはこの問題をフューズたちに伝えることで、人間側が緊急時に備えられるよう計画していたと見える。

フューズは、リムルという魔物がただの魔物でなく、異例の行動を取る特殊な存在であると認識し、彼の情報を受け入れ、必要ならば協力する意向を示した。
そして、カバルたちとゴブトが部屋を後にした後、フューズはこの大きな問題に対処するため、ベルヤード男爵と相談し、三ヶ月に及ぶ詳細な調査を実施することを決めた。

フューズは三ヶ月の調査期間を経て、魔物の町とリムルに関する深刻な報告を受けた。
彼とベルヤード男爵が密会し、オークロードの問題が真実であり、魔物の町が高い秩序を持って運営されていることを確認した。
また、十万から二十万の大軍を率いるリムルの存在について話し合い、その影響力の大きさを悟った。

さらに、カバル達の情報と合わせて、王国に未曾有の危機が迫っていることが明らかになり、彼らはリムルというスライムが善意の存在であると受け入れることを決めた。
この後、フューズは自分自身でリムルに会うことを決意し、ブルムンド王国の将来にとって最善の行動を模索することにした。
彼は国に対する愛着から、自分が国に仕えることを自嘲しつつも、国のために行動することを選んだ。

ヨウム一行は森を進み、ニドル伯爵の命令から解放された後も町には戻らず、目的の場所へと進んでいた。
ヨウムはオークロードの動向を探り、その情報をニドル伯爵に伝えることも目的にしていた。
これにより、ニドル伯爵は彼らがすでに死亡したと思い込むため、追手が来る心配がなくなる。
また、彼らは自由組合に所属し、新たな生活を始める計画を立てていた。

エレンとロンメルは、ナイトスパイダーとの戦闘において、それぞれ得意の魔法を使用していた。
エレンは攻撃系の魔法を得意としているが、森の中という環境のため火炎系の魔法が制限されていた。
そのため、土石大魔弾という魔法を使用し、地面の石を弾丸としてナイトスパイダーに放ったが、敵の外骨格には通用せず、攻撃は効果がなかった。
エレンはその後、ロンメルの助言に従い、攻撃から支援に役割を変更し、魔法障壁の強化に専念する。

ロンメルは刻印魔法と武具強化魔法を用いて、ヨウム、フューズ、カバルの三人を支援した。

ナイトスパイダーとの戦いは激しく、三人の戦士は連携してナイトスパイダーの攻撃を受け流し、交代しながら戦っていた。
ナイトスパイダーはA-ランクの魔物であり、高い魔法耐性を持っていたため、物理攻撃以外ではダメージを与えるのが難しい状況であった。

この戦いの中で、三人の戦士と魔法使いたちは、限界まで疲弊しながらも、なんとか戦いを続けていた。
エレンとロンメルの魔法支援により、戦闘のバランスが保たれていたが、戦況は依然として厳しいものであった。
最終的には、三人がナイトスパイダーとの直接戦闘を強いられ、魔法の力が通用しない中での絶望的な戦いが続いている状況だった。

パトロールを終えたゴブタたちは、遠方から戦闘音を聞き、現場に向かうことに決めた。
現場に到着すると、かつての知人カバルがナイトスパイダーと戦っているのを発見し、ゴブタとその部下たちはすぐに戦闘に参加した。
ゴブタは星狼族と共にナイトスパイダーを翻弄し、狼鬼兵部隊がナイトスパイダーを効果的に攻撃した。
カバルは安全な場所で回復し、ゴブタはナイトスパイダーの攻撃を巧みにかわしながら、戦闘を続けた。

その過程で、ゴブタはナイトスパイダーの脚を切断し、劇的な効果を見せた。
その戦闘能力にカバルたちは驚愕し、ゴブタの部下も彼の技術を讃えた。
最終的にゴブタたちはナイトスパイダーを倒し、解体した後、回収班が到着するまでの間、周囲の警戒を行った。

フューズ、カバル、ヨウムたちは、戦闘の結果とゴブタの能力に圧倒され、その後の展開について何がなんだか理解できぬまま、魔物の国へと向かうことになる。
この戦いでゴブタの非凡な能力が際立ち、周囲の者たちを驚かせることとなった。

会議室において、ゴブタが説明を終えると、フューズとヨウムを含む新たな顔ぶれが自己紹介を行った。
フューズはブルムンド王国の重要人物であり、ヨウムはファルムス王国から来た辺境調査団の団長であることが明かされた。
一方、リムルはジュラ・テンペスト連邦国の代表であり、スライムの姿をしていることを説明した。

フューズはリムルがスライムであることに驚き、会議は進行し、フューズがオークロードの件での調査のために来たことを説明した。
彼はリムルの国の真意を確かめたく、滞在許可を求めた。
リムルはこれを快く承諾し、自身も人間との良好な関係を望んでいると説明した。

また、ヨウムは自らを死んだことにして新たな自由を求める計画を持っており、それにはフューズも巻き込まれていた。
リムルはヨウムたちに対し、英雄としてオークロードを倒したことにする提案をし、これによりリムルの国と人間界との良好な関係が築かれることを目指した。

フューズとヨウムは当初この提案に戸惑いながらも、最終的にはリムルの提案に同意し、協力することになった。
これにより、フューズの調査とリムルの国への理解が進む一方で、ヨウムもリムルの力を認め、彼の指示に従うことを誓った。

フューズはベルヤード男爵にブルムンド国王への報告と取り成しを依頼し、周辺諸国への噂を流す手配を進めた。
自由組合の商人への見返りとして、ジュラ・テンペスト連邦国首都リムルに滞在する許可を与え、関税は信用が確立されてから設定することにした。
この取り決めは、フューズが得られる利益として、商人たちからの恩恵の一部が彼に入るよう設計されていた。

また、国交樹立には時間がかかる可能性があるが、関税設定や交易路の整備など、進めるべき課題は多い。
ヨウムたちは町に滞在し、英雄としての体裁を整えるために修行を行っている。彼は実力はあるが、英雄としては不足しているため、ハクロウの監督の下で訓練を受けている。
用意された武具は、ナイトスパイダーの素材から作られた最高の装備で、戦闘の重要な要素である速度、攻撃力、防御力を大いに強化するものである。

ヨウムは新たな武具に感動し、その軽さと品質に驚愕している。
これらの装備は、彼の実力を大幅に向上させるとともに、英雄としての信用を固めるのに貢献するだろう。

ヨウムとその手下たちは、修行を続けながら新たな装備を受け取っている。
ヨウムには完成した武器と防具が与えられ、手下たちにもそれぞれの役割に応じた装備が用意された。
特にロンメルには魔法防御が強い装備が提供された。
彼らはこの町での生活にも満足しており、ヨウムはロンメルとともに、これまでの契約を終了し、新たな道を歩むことを選んだ。

フューズの問題が解決された後、ヨウムたちは英雄としての名声を高めるため、周囲の村々を巡り、地元の安全を守る任務を担うことになった。
これにより、彼らの評価は上がり、それによってリムル達の評価も向上する予定だ。

リムルはヨウムたちに新しい装備を用意し、彼らの実力を底上げした。
これによりヨウムたちは、以前とは比べ物にならないほど強くなった。
彼らの装備は、希少級と呼ばれる最高品質で、彼らの能力をさらに引き上げるものであった。

最終的に、ヨウムたちはリムルから送り出され、新たな活躍を始めることになった。
彼らはこの地を拠点にして、周辺の安全を守りながら、その名声を全ての地に広めることになる。

第四章  忍び寄る悪意

ミュウランはかつて人間に迫害された経験があり、魔法の研究に専念していた魔女である。
彼女の前に魔王クレイマンが現れ、永遠の若さと引き換えに忠誠を誓わせる取引を持ちかける。ミュウランはこの取引に応じるが、その結果、自由を失い、クレイマンの支配を受けることになる。
彼女は高い魔力を持つ魔人へと変えられたが、それによってクレイマンの操り人形と化してしまう。
今回、クレイマンに命じられた任務は他の魔王の配下の監視であり、戦闘には向かないミュウランには情報収集が任された。ミュウランはこの命令を受け入れ、任務を全うすべく行動する。
彼女は自由だった頃を思い出しながらも、現実を受け入れて行動しているのである。

ミュウランは、不思議な光景を目にした。多数の魔物が木を切り倒し、道を作成していた。
大きな木は運搬され、小さな木は空間系の能力で消失していた。一方、大岩を掘り起こし、粉々に砕いて均等に敷き詰める作業が行われていた。
これは、ロードローラーを人力で動かす作業であり、綺麗に整地された道が作られていた。

この作業は、上位個体の魔物が指揮を執り、猪人族が協力して行っていた。特に、全身鋼鎧をまとった上位種がいた。
ミュウランは、この光景を監視する役割を担っており、彼女は感知した大きな魔素量を持つ魔人の動向を注視した。

数日間、監視を続けたミュウランは、完成した道を追い、魔法による認識妨害を使って気付かれないように進んだ。
途中で、黒豹牙フォビオと呼ばれる上位魔人の存在を感知し、彼の動向を追うことにした。

ミュウランはフォビオが降り立った場所を遠距離から視察し、そこには魔王ミリムがいたことを確認した。
彼女の存在に気付かれてしまい、慌てて魔法を解除し、その場から逃亡を開始したが、ミリムは動く意思がなかったため、命拾いすることができた。

ミュウランは、この経験からどのように魔王クレイマンに報告するかを考えながら、その場を後にした。

ミュウランは魔王クレイマンへの報告後、彼からの厳しい批判を受けた。
クレイマンはミュウランの失敗を非難し、彼女に次の命令を待つよう命じた。
ミュウランは内心でその状況を悔やみつつも、次の失敗が許されないと自覚していた。
彼女は生き残るためには魔王ミリムを巻き込む大きな事件を利用することが有利だと考え、その計画を進めることを決意した。

しかし、魔王クレイマンはその全てを計画通りに進めており、ミュウランを利用し尽くした後で捨てるつもりでいた。
クレイマンにとってミュウランは使い捨ての駒に過ぎなかったのである。

獣人族の王であるカリオンが、魔王を名乗ったのは四百年前であり、その時代は魔王の入れ替わりが激しい激動の時期であった。
カリオン以外にも同時期に生まれ、生き残った魔王にはフレイ、百年後に生まれたクレイマン、そして二百年前に呪術王を倒し自ら魔王を名乗ったレオン・クロムウェルがいる。
これらの若い世代の魔王たちは「新世代」と呼ばれており、旧世代の魔王たちと比べると、力の面で差があるとされている。

新世代の魔王たちは勢力の拡大を目指しており、カリオンもその一人である。カリオンの部下である「黒豹牙」フォビオは、魔王ミリムに敗北した後もカリオンの期待を裏切ることができず、潜伏している。
フォビオは復讐を誓っており、猿の獣人エンリオなど部下とともに、戦略を練っている状況である。

フォビオは部下たちに最後の命令を下し、カリオンのもとへ戻り、自身の決意を伝えるよう命じた。
フォビオは、三獣士の地位を返上し、在野の魔人として行動を起こすと宣言し、自分の力を魔王ミリムに認めさせるという決意を示した。
エンリオは、フォビオのこの非現実的な挑戦に警告を発するが、フォビオの決意は変えられなかった。

部下たちを引き連れ、カリオンへの報告と対策の相談を優先することにしたエンリオは、その場を後にする。
フォビオはティアとフットマンの誘導により、ジュラの大森林の奥深くにある洞窟へと向かう。
この洞窟には、カリュブディスと呼ばれる精神生命体が封印されており、その力を手に入れることで魔王ミリムに対抗しようと考えた。
しかし、ティアとフットマンはこの計画が成功するとは思っておらず、フォビオが犠牲になることを見越していた。
二人はフォビオが洞窟に入ったことを確認すると、満足げにその場を後にした。

ミリムの滞在は数週間にわたり、日々が戦争のように忙しかった。
畑を耕すなどの農作業に参加し、工房で刀打ちに挑戦するも失敗するなど、さまざまな体験を積んだ。
ミリムの粗雑な性格が明らかになった日々であった。
ヨウムたちが出発しても、町の生活に変化はなく、フューズが滞在していた。
フューズは町の様子を観察しつつ、実際は休息を楽しんでいたようで、滞在延長を希望していた。

この町は次第に観光地としての潜在能力も見せつつあり、リムルは町としての更なる発展を計画していた。
その中で、リムルはフューズに対して街道整備の計画を説明し、その協力を要請した。
フューズはこの提案に感動し、可能な限りの協力を約束する。リムルの計画が順調に進むことに対する満足感があった。

カバルたちが帰ってきた際、ミリムは大量の狩猟成果を報告し、喜んでいた。

エレンは狩りから戻り、衣服に汚れ一つなく、狩りへの参加が形式的であったことが明らかだった。
一方、カバルとギドは重労働を担い、疲労困憊しながらもこの町の果実酒を楽しんでいた。

その後、トライアという樹妖精の一人が現れ、暴風大妖渦という災厄級魔物の復活を告げた。

この魔物は、魔王に匹敵する力を持ち、さらに空泳巨大鮫という鮫型の魔物を呼び出して暴れるという。
この魔物が十三匹も現れ、それぞれがAランクの能力を持っていることが明らかになった。

フューズは魔物の脅威に強い危機感を抱き、大問題として国家を超えた協力が必要だと訴えた。
しかし、リムルは冷静に対応し、負けるつもりはないと断言。
ベニマルと他のメンバーは迅速に対策会議を開き、戦闘準備を進めた。
リムルたちの冷静な対応は、頻繁に起こる大問題への慣れと、強い自信に基づいていた。

ミリムがシオンに連れられて風呂に入りに行くことで、周囲の者たちが不安になることなく、平常心を保っていた。
フューズとカバルたちは話し合いの場を持ち、フューズは不安を抱えつつもリムルの決意を聞いた。
リムルは逃げる意志がなく、敵の強さを自らの目で確かめ、戦う覚悟を語った。

また、リムルが元人間であることをフューズとカバルたちに打ち明け、シズさんの意志を受け継いでいることを説明した。
リムルの姿がシズさんの影響を受けていることから、彼の話に説得力があった。
フューズはリムルの話に納得し、信頼を寄せるようになった。

一方で、リムルはカリュブディスという新たな脅威に直面しており、これに対処する準備を進めながらも、未来に対する不安を感じている状況であった。

第五章  暴風大妖渦

戦いが始まろうとしていた場所は、ドワーフ王国方面へ伸びる街道上である。
ゲルドたちとの合流を果たし、暴風大妖渦の到来を待っていた。ベスターはガゼル王に連絡し、騎士団の派兵を約束させた。
予備の騎士たちは第一次討伐作戦の失敗に備えて準備しており、ガゼル王はこの作戦を通じて情報収集を行う意向であった。
トレイニーさんからカリュブディスに関する説明を受け、その危険性と災禍級に相当する強さを理解する。

特に注意すべきはカリュブディスの「魔力妨害」で、これにより魔法の効果が低下し、飛行魔法も効かなくなるため、接近戦が難しくなる。そのため、魔法に依存しない飛空戦力の確保が必要とされた。
中でも、ミリムが戦う意欲を見せるも、シオンやシュナによって断られ、町の問題を町の力で解決しようとする姿勢が示された。
結果として、リムルたちはカリュブディスとの戦いに臨むことになった。

議論の結果、カリュブディスと空泳巨大鮫に固有能力『魔力妨害』が備わっている点が問題であることが明らかになった。
遠距離攻撃がほとんど通用せず、飛行も妨害されるため、敵を倒す手段は限られている。そこで、実際に戦ってみることにした。
間もなく、敵が視認できるようになり、その圧巻の姿が明らかになった。

体長五十メートルを超える巨大なカリュブディスは、他のメガロドンと共に現れたが、ベニマルの最強技『黒炎獄』も効果が薄く、カリュブディスはほとんどダメージを受けなかった。
結果として、カリュブディスの防御力と魔法耐性が高いことが確認された。

予定通り、天翔騎士団が到着するまで時間を稼ぎつつ、分散させて各個撃破する戦略に移行することになった。
残るメガロドンの数を減らすために、各自が役割を果たし始めた。

ゲルドと部下たちは戦闘を始め、森を利用してメガロドンを誘い込み攻撃を試みたが、メガロドンは強靭な肉体で木々を容易に破壊し、精鋭たちは窮地に陥った。
しかし、ゲルドが正面からメガロドンの突進を防ぎ、ハイオークの戦士たちが攻撃を加えた。

その攻撃はメガロドンにとって致命傷にはならず、戦況は膠着状態に陥った。
その時、ガビルが救援に現れ、閃光の一撃でメガロドンを絶命させた。
ガビル配下の龍人族が怪我人の治療を行い、全員が無事に危機を乗り切った。
ゲルドとガビルはその後、共闘を提案し、タッグを組んでさらに二匹のメガロドンを討伐した。

ゲルドたちが戦闘を開始した後、ハクロウの命令により、ゴブタが指揮する狼鬼兵部隊がメガロドンとの戦いに挑んだ。
ゴブタは電磁砲でメガロドンを攻撃し、大きな穴を開けたが、これがメガロドンの怒りを買う結果となった。
部隊はハクロウの指導の下で、メガロドンに囮と攻撃を交代しながら繰り返し挑み、生存のために緻密な戦術を採用した。

一方、ソウエイは独自の戦法でメガロドンを操り、同士討ちをさせた後、自らカリュブディスへと向かった。
ソウエイの部下たちは、彼の指示に従い、残りのメガロドンを撃破した。
この戦いでソウエイと彼の部下たちは、彼らの卓越した技術と冷静な実行力を見せつけた。

シオンとランガは、協力してメガロドンを倒すことに成功した。

ランガは空中に足場を作り、シオンは飛び降りながらメガロドンの首を斬り落とした。

この技は「断頭鬼刃」と名付けられた。その後、二匹のメガロドンを追加で討伐し、カリュブディスに挑戦することを決意する。

シオンとランガはカリュブディスに対する攻撃を開始し、トレイニーがその攻撃についてコメントしている状況である。

カリュブディスの強力な攻撃「暴風の乱鱗雨」が発動したが、主体者はその空間を食べることで甚大な被害を回避した。

その後、天翔騎士団の到着を待つ間に、カリュブディスの注意を引きつつ攻撃手段を分析し、時間をかけて戦いを継続した。

カリュブディスは「超速再生」を持つことが明らかになり、攻撃には「黒炎」が有効であったが、回復速度が高いため、十時間に及ぶ長期戦となった。最終的に、ミリムが交代し、カリュブディスを一撃で倒した。

この戦いで、フォビオという魔人がカリュブディスの憑代として利用されていたことが判明し、彼を助けるために主体者は特殊なスキルを用いてカリュブディスとの分離に成功し、その命を救った。

天翔騎士団長ドルフは、ミリムとリムルに正式な説明を求めた。
彼らはカリュブディスを討伐したことで、人類にとっての災禍を回避したと説明した。
ドルフはガゼル王に報告をすることを告げ、リムルもガゼル王への説明を約束し、両者は礼を交わした。

ドルフはリムルをドワーフ王国へ招待し、過去の不和を解消しようと提案した。
リムルはその招待を受け入れ、後日国賓として招待されることになった。

その後、カリュブディスに憑依されていたフォビオが意識を取り戻し、リムルたちに謝罪した。彼は魔人であり、自分の行動を後悔していることを表した。

フォビオは自らの行動について、中庸道化連という怪しげな組織に関与されていたことを明かした。この組織は、仮面を被った二人組によって操られていた。

その後、ミリムが関与したオークロード計画について話が及び、クレイマンという魔王が背後で動いている可能性が浮上した。
最後に、ラプラスという者が「魔族ではない」と主張していたことが議論され、彼の正体について疑念が持たれた。

フォビオが中庸道化連に利用されたことが明らかになった。
彼は自分の行動を認め、命一つで許して欲しいと頼んだが、リムルは彼の命は要らないと答えた。

ミリムもフォビオを許すことを決めた。
その後、魔王カリオンが現れ、フォビオの主であることが判明し、彼の部下が暴走したことについて謝罪した。

カリオンはリムルに借りを作ることを申し出た。
リムルはカリオンとの不可侵協定を提案し、カリオンはこれを承諾した。この協定はリムルが攻撃しない前提で成立した。

カリオンはフォビオを担ぎ、転移魔法で去っていった。
一連の出来事がひと段落し、リムル達も帰路についた。

終章  新たなる策謀

魔国連邦が暴風大妖渦の騒動後に落ち着きを取り戻し、ドワルゴンとブルムンド王国と友好関係を結ぶ見込みである。

ドワルゴンからは国賓待遇で招待され、ブルムンド王国ではフューズが貴族を説得して友好を促している。

一方、獣王国ユーラザニアとも国交が結べそうである。個人としてリムルは、カリュブディスから得た固有能力を解析し、統合を目指している。

ミリムとは修行を続け、その関係は深まっている。食事や日常生活においても、ミリムとの関係は重要な役割を果たしている。

数日後、ミリムが仕事として他の魔王たちと会うために去ることを突然宣言した。彼女は、この地に他の魔王が手を出さないよう言い聞かせると語り、自信満々に去って行った。彼女の属する魔王たちのグループにはレオンという新参者の魔王は含まれていない。
リムルはミリムが騙されないか心配しつつ、彼女の強さを信じて忠告するのみだった。シオンも同様に心配を示したが、ミリムが帰ってくるのを待つことにし、彼女が帰って来たときに驚かせるべく、さらに修行を積むことに決めた。

広い部屋でワインを飲む魔王クレイマンは、天空女王と称される魔王フレイと対話していた。

彼らの会話からは、カリオンの部下ミリムへの怒りを利用してカリュブディスを操った計画が成功したことが明らかになる。

この計画によってミリムがカリュブディスを倒したことで、フレイの心配も解消された。
会話の中で、クレイマンはフレイとの関係をさらに利用しようと考えており、今後の魔王会談で有利に進めるための約束を取り交わす。
クレイマンはまた、ミリムの力を利用する計画についても思案しており、その実現に向けて慎重に検討する意向を示していた。

フレイはクレイマンの提案に応じるが、その背後にあるクレイマンの真の意図には気づかないまま会場を後にした。
クレイマンは自分の策略に満足しながら、将来の計画を待ち望んでいる。

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転生したらスライムだった件 8巻
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転生したらスライムだった件 9巻 
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転生したらスライムだった件 10巻
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転生したらスライムだった件 12巻
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転生したらスライムだった件 13巻
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転生したらスライムだった件 10th ANNIVERSARY BOOK

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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