小説「とある暗部の少女共棲(2)」感想・ネタバレ

小説「とある暗部の少女共棲(2)」感想・ネタバレ

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どんな本?

本作は、学園都市の裏社会で活動する少女たちの物語である。超能力者で構成された組織「アイテム」に新たな依頼が舞い込み、彼女たちはネット上で暗躍する美人結婚詐欺師「ハニークイーン」を標的とする。しかし、依頼を受けた直後、彼女たちのアジトが襲撃され、事態は急展開を迎える。  

主要キャラクター
• 麦野沈利:「アイテム」のリーダーで、超能力者(レベル5)。
• フレンダ:「アイテム」のメンバーで、戦闘のスペシャリスト。
• 絹旗最愛:「アイテム」の新メンバーで、「窒素装甲」の能力を持つ少女。
• 滝壺理后:「アイテム」のメンバーで、能力追跡のスペシャリスト。

物語の特徴
本作は、学園都市の「暗部」と呼ばれる裏社会に焦点を当て、そこで生きる少女たちの絆や葛藤を描いている。彼女たちの関係性や成長が丁寧に描かれており、読者は彼女たちの心情に深く共感できる。また、緊迫感あふれる戦闘シーンや、予測不能なストーリー展開も本作の魅力である。  

出版情報
• 著者:鎌池和馬
• イラスト:ニリツ
• 出版社:KADOKAWA
• レーベル:電撃文庫
• 発売日:2023年8月10日
• 判型:文庫判
• ページ数:360ページ
• ISBN:9784049150810

さらに、本作はTVアニメ化が決定しており、今後のメディア展開にも注目が集まっている。  

読んだ本のタイトル

とある暗部の少女共棲(2)
著者:鎌池和馬 氏
キャラクターデザイン・イラスト:ニリツ
キャラクターデザイン:はいむら きよたか

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あらすじ・内容

アイテムへの新たな依頼。立ちはだかるのは 心を操る金髪の少女!?

 正式に四人となったアイテムに新たな仕事が舞い込む。
 標的はネット上で暗躍する美人結婚詐欺師『ハニークイーン』。能力開発の機密にも手を伸ばしており、『原子崩し』の能力開発スタッフにも被害が出ていた。『暗部』の流儀としてナメられたままではいられない。麦野は依頼を引き受けることに。
 依頼を受けたその時、突如としてアイテムのアジトに敵襲が! 初撃を対処するも攻撃の手は緩まず、敵に誘導されているような違和感が麦野たちを襲う。
 そして、追い詰められたアイテムの前に現れたのは、『暗部』中でも異端すぎて研究機関を追い出された、元『原子崩し』主任研究者で――。

とある暗部の少女共棲(2)

主な出来事

学園都市の暗部活動と『アイテム』の戦い

  • 研究施設襲撃と『アイテム』の加入
    • 麦野沈利率いる『アイテム』は非公開の研究施設を襲撃し、光の砲撃で施設を破壊した。
    • 研究員たちは制圧され、実験の痕跡も完全に消去された。
    • 冷凍睡眠状態で保管されていた少女・絹旗最愛が回収され、新たな戦力として迎え入れられた。
  • 違法賭博『コロシアム』の調査と敵対組織との戦闘
    • 『電話の声』より違法賭博場『コロシアム』の破壊依頼を受けた。
    • フレンダと絹旗が潜入するが、敵対する『敵対アイテム』との激戦に突入した。
    • フレンダと絹旗は猛攻を受けつつも何とか持ちこたえ、目的を果たすことに成功した。
  • 華野超美の囚われと最期の抵抗
    • 華野超美は敵組織によって監禁され、精神的に追い詰められた。
    • 液体爆薬を用いた自爆により敵の拠点を崩壊させ、敵指導者たちを道連れにした。
    • 彼女自身も命を落とし、その死は『アイテム』のメンバーに大きな影響を与えた。

『ハニークイーン』との戦いと能力者の衝突

  • 襲撃と潜入の計画
    • 麦野沈利は『ハニークイーン』の存在を突き止め、接触を試みた。
    • 『アイテム』はカジノへ潜入し、フレンダと絹旗が通信機器の回収に成功した。
    • 脱出の際、激しい戦闘に巻き込まれながらもカジノを壊滅させた。
  • 蜜蟻愛愉との対決
    • 麦野たちは第七学区のスタジアムドームへ潜入し、偽りの食蜂操祈(蜜蟻愛愉)と対峙した。
    • 蜜蟻の策略により麦野たちは惑わされたが、絹旗の冷静な分析によって罠を見破った。
    • 蜜蟻は『取引』が囮であり、本命の計画は別の場所で進行中であることを告げた後、姿を消した。

『プロジェクト Angelica』の発見と戦闘の激化

  • 研究所襲撃とデータの取得
    • 『アイテム』は学園都市の研究所に潜入し、『プロジェクト Angelica』のデータを入手した。
    • この計画は、遺伝子を直接操作することで能力者を創造または能力を奪う技術を目指したものであった。
  • 太刀魚メアリーとの激突
    • 太刀魚メアリーは改造された武器を用いて『アイテム』に襲いかかった。
    • 滝壺理后は『体晶』を用いて能力を発揮し、フレンダと協力してメアリーを撃破した。
    • メアリーの背後にいた鮎魚女キャロラインが現れ、彼女を囮として利用していたことを明かした。

鮎魚女キャロラインとの最終決戦と結末

  • 『念写能力』の真相と決着
    • キャロラインの能力は『念写能力』であり、錯覚を利用して敵を欺いていた。
    • 滝壺の支援によって麦野の『原子崩し』が暴走し、キャロラインに致命的な一撃を与えた。
    • 麦野は冷静にキャロラインを討ち、勝利を収めた。
  • 戦いの後と新たな決意
    • 麦野は過去の出来事を振り返りつつ、仲間を守るために戦い続ける決意を固めた。
    • 暗部での生存を続けながらも、新たな戦いに備える姿勢を見せた。

感想

学園都市の暗部で繰り広げられる激しい戦いと、各キャラクターの内面の葛藤が描かれていた。
特に印象的であったのは、麦野沈利と華野超美の対比である。
麦野は圧倒的な力を持ちながらも、仲間を守るために戦い続けるという強さを示した。
一方、華野は自分の命を賭けた抵抗で仲間のために命を散らした。

また、フレンダの優秀さや絹旗最愛の成長も見どころであった。
フレンダの計算された戦術や、絹旗の防御能力を活かした行動は、戦闘シーンをより緊張感あるものとしていた。
さらに、学園都市という冷酷な世界で生きる彼女たちの姿を描くことで、暗部の現実の厳しさが強調されていた。

『とある』シリーズ全体に共通するテーマとして、正義や悪の境界が曖昧であることが本作でも描かれていた。
善意で放った言葉が悪意として跳ね返るというアイロニーは、物語に深みを与えていた。
暗部の最深部にいる存在との比較によって、麦野の闇が相対的に見えてくるのも興味深い点であった。

また、このシリーズの魅力は単なる戦闘だけでなく、キャラクターたちの成長や関係性にもある。
特に、麦野の葛藤やフレンダの優秀さが際立って描かれており、彼女たちがどのようにして生き残り、さらに成長していくのかが楽しみである。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

序  章  少女達はパズルのように解決する

研究施設襲撃と標的の殲滅

学園都市の暗部組織『アイテム』は、非公開の研究施設を襲撃し、強力な光の砲撃で施設を破壊した。警備兵は瞬く間に制圧され、逃げ場を封じられた研究員は次々と殲滅された。研究所内には拷問具のような器具が散乱し、異常な実験の痕跡が残されていた。麦野沈利の指揮の下、『アイテム』は施設の防衛を難なく突破した。

実験体・絹旗最愛の回収

施設の奥に冷凍睡眠状態で保管されていた少女たちの中から、麦野は『窒素装甲』の能力を持つ絹旗最愛を発見し、回収することを決定した。彼女を新たな戦力として迎え入れる計画は迅速に進行し、事件の痕跡も徹底的に消去された。絹旗最愛は居場所を失っていたため、『アイテム』への加入を受け入れた。

『コロシアム』の違法賭博と依頼

学園都市の暗部で行われる違法賭博『コロシアム』を破壊する依頼が『電話の声』より『アイテム』に届けられた。この賭博は高額な死亡保険を利用し、敗者の死によって利益を得る仕組みであった。『アイテム』はこの違法組織の壊滅を目指し行動を開始した。

保険会社襲撃と『コロシアム』の調査

情報を得るために『アイテム』は保険会社の常務を拉致し、尋問を行った。その結果、『コロシアム』の資金の流れと、黒幕に関する重要な手がかりを掴んだ。調査の過程で、学園都市第六位の超能力者である女貞木小路楓が関与していることが判明した。

『コロシアム』の潜入と戦闘

『アイテム』のメンバーは違法賭博が行われる『コロシアム』に潜入した。しかし、そこで待ち受けていたのは麦野たちの名を騙る『敵対アイテム』であった。彼女たちは学園都市の暗部で勢力を拡大し、麦野たちと敵対する存在となっていた。フレンダと絹旗は猛攻を受けるが、何とか持ちこたえた。

華野超美の囚われと決断

華野超美は『敵対アイテム』によって監禁され、精神的に追い詰められた。しかし、彼女は液体爆薬の信管を密かに用意し、最期の抵抗を決行した。爆発により敵の拠点は崩壊し、井上ラスペツィアと鰐口鋸刃は死亡したが、華野自身も命を落とした。

復讐の決意と戦闘の終結

華野の死を知った『アイテム』は、敵を殲滅することを決意した。麦野は『電話の声』がこの戦いの裏で糸を引いていたと確信し、彼女の排除を決意した。戦闘の末、麦野は『電話の声』を葬り去り、復讐を果たした。

終幕と新たな始まり

華野超美の葬儀が行われ、遠くからフレンダと滝壺が見守った。『アイテム』は次の拠点を探し、学園都市の暗部での生存を続けることを決意した。麦野は、すべての戦いの裏にある学園都市の支配構造を疑い、新たな戦いへの備えを始めた。

行間  一

調査と標的の分析
ある人物が『アイテム』のメンバーを調査していた。調査対象は麦野沈利、滝壺理后、フレンダ=セイヴェルン、絹旗最愛の四人であった。それぞれの容姿、服装、特徴を詳細に記録し、彼女たちの能力や行動パターンも分析された。特に能力者としての特徴や戦闘スタイルを把握することで、効率的に標的を襲撃するための手掛かりを得ることを目的としていた。

麦野沈利の評価
麦野沈利は『原子崩し』という強力な能力を持つ超能力者であった。電子を粒子にも波形にもせず撃ち出すことで圧倒的な破壊力を発揮するが、その一方で応用力に乏しいと評価された。また、見た目や服装にも細かい観察が行われ、自信の裏に隠れた弱点が探られた。

滝壺理后の評価
滝壺理后は『能力追跡』の能力を持つ大能力者であり、『アイテム』における照準補整担当であった。『体晶』と呼ばれる薬品を使用することで、他人のAIM拡散力場を追跡する能力を発揮する。彼女の存在が『アイテム』の戦術において重要な役割を果たすと認識され、特に護衛役である絹旗最愛との連携が警戒された。

フレンダ=セイヴェルンの評価
フレンダは無能力者であったが、爆弾の扱いに長けており、罠を仕掛けることに長じていた。見た目や服装からは自信家であり、細かく計算された行動が読み取れた。戦闘においては麦野の攻撃による攪乱を利用し、罠によって敵を仕留めるという戦術を取っていた。

絹旗最愛の評価
絹旗最愛は『窒素装甲』という能力を持つ大能力者であった。空気中の窒素を操り全身を防護する防御型の能力であり、滝壺理后の護衛役を務めることが多かった。彼女の服装や行動からは、意外と肌見せに抵抗を持つ慎重な一面がうかがえた。

総括と作戦の立案
調査結果をもとに、調査者は『アイテム』のメンバーそれぞれの強みと弱点を分析し、攻撃のタイミングや方法を考察した。特に滝壺理后の照準補整機能を封じることが攻略の鍵であると判断し、護衛である絹旗最愛を引き離す作戦が有効であると結論付けた。

この調査報告は、今後の作戦立案において重要な資料となることが期待されていた。

第一章   LEVEL 5_ VS._ LITTLE_ HONEY_ QUEEN.

台風接近と新居の生活

滝壺理后は八月の夕暮れ時、電車内で台風の接近を伝えるニュースを見ていた。滝壺と麦野沈利は新しく確保した第三学区の高層マンションへ向かっていた。麦野はスマートフォンを操作し、遠隔で窓の金属シャッターを閉じる技術を見せたが、滝壺は窓を開けたまま出かけたことに不安を覚えていた。

フレンダの帰宅と不審者の発見

フレンダ=セイヴェルンは一足早く新居に戻り、エアコンも効いていない暑さの中で不機嫌そうにしていた。ベランダで首を折られた不審者の遺体を発見し、麦野に連絡を取った。侵入者は特殊な装備を使って高層階に侵入しようとしていたが、失敗して死亡したと見られた。

遺体処理と花露腐草の登場

麦野は死体処理のために「転換者」花露腐草を呼び寄せた。花露は双子を養うために仕事を請け負っており、遺体を特殊な技術で完全に処理した。彼女は微生物や植物の種を用いて、遺体を短時間で分解する方法を駆使し、その痕跡を一切残さなかった。

ベランピングと焼肉パーティ

花露が帰った後、フレンダの提案で「ベランピング」を行うことになった。ベランダにテーブルや椅子を並べ、ホットプレートで焼肉を楽しむという趣向であった。フレンダは冷凍保存した和牛を保冷バッグで持ち込んだが、解凍に時間がかかり、調理に苦戦した。麦野は手際よく料理を進め、野菜炒めや焼きそばを用意した。

電話の声からの依頼

食事中に麦野の携帯に『電話の声』からの依頼が入った。ターゲットは「ハニークイーン」と呼ばれるネット詐欺師であり、企業秘密や機密データを盗み出す存在であった。『電話の声』は麦野にこの仕事を優先するよう依頼し、特に「原子崩し」に関するデータが盗まれている可能性を示唆した。

襲撃と爆弾の爆発

突然、ベランダに爆弾が投げ込まれ、大規模な爆発が発生した。ベランダごと部屋が吹き飛ばされるほどの威力で、全員が危機的状況に陥った。『電話の声』からの依頼を受けた矢先に襲撃が行われたことで、暗部の厳しい現実が改めて突きつけられた。

研究施設襲撃と絹旗最愛の救出

学園都市の暗部組織『アイテム』は非公開の研究施設を襲撃し、強力な光の砲撃で施設を破壊した。警備兵は瞬く間に制圧され、逃げ場を失った研究員は次々と処分された。施設内部には拷問具のような器具が散乱し、異常な実験が行われていた痕跡が残されていた。施設の奥では冷凍睡眠状態の少女たちが保管されており、その中から『窒素装甲』の能力を持つ絹旗最愛が回収された。麦野沈利は彼女を新たな戦力として迎え入れることを決定し、事件の痕跡は完全に消された。

『アイテム』への加入と新たな戦いの幕開け

拠点へ戻った後、解凍された絹旗最愛の様子を観察した。居場所を持たない彼女は選択肢がなく、『アイテム』に加わることを受け入れた。麦野の問いに対し、絹旗は「超悪くないです」と答え、新たな戦いが始まった。

『コロシアム』の違法賭博と依頼

学園都市の『暗部』では機密情報の管理が最優先とされていた。依頼人『電話の声』は『コロシアム』という違法な格闘場を破壊する依頼を『アイテム』に下した。『コロシアム』は高額な死亡保険を利用し、敗者の死によって莫大な利益を得る仕組みとなっていた。

保険会社襲撃と調査の進展

『アイテム』は情報を得るため、保険会社の常務を拉致した。尋問により、『コロシアム』の資金の流れと黒幕に関する手がかりを掴んだ。調査を進める中で、第六位の超能力者・女貞木小路楓が関与していることが判明した。

『コロシアム』への潜入と敵対組織との交戦

少女たちは違法賭博が行われる『コロシアム』の会場へ潜入した。そこでは麦野たちの名を騙る『敵対アイテム』が存在し、彼女たちは学園都市の闇で勢力を拡大していた。麦野たちは敵対組織と交戦し、フレンダと絹旗は敵の猛攻を受けたが、辛うじて持ちこたえた。

華野超美の囚われと決意

華野超美は『敵対アイテム』によって監禁され、精神的に追い詰められた。彼女は液体爆薬の信管を密かに用意し、最後の抵抗を決行した。爆発により敵の拠点は崩壊し、井上ラスペツィアと鰐口鋸刃は死亡し、華野自身も命を落とした。

復讐と『電話の声』の排除

華野の死を知った『アイテム』は、敵を殲滅することを決意した。麦野は『電話の声』がこの戦いの裏で糸を引いていたと確信し、彼女を排除することを決めた。戦闘の末、麦野は『電話の声』を葬り去り、復讐を果たした。

新たな戦いへの備え

華野超美の葬儀が行われ、遠くからフレンダと滝壺が見守った。『アイテム』は次の拠点を探し、学園都市の『暗部』での生存を続けることを決意した。麦野は、すべての戦いの裏にある学園都市の支配構造を疑い、新たな戦いへと備えた。

焼肉屋での会話と状況把握

暗部組織のメンバーたちは焼肉屋で集まり、それぞれ好きな場所に座って会話を始めた。彼らは焼肉を食べる前から酒を飲んでいる者もおり、酔っ払った者がふらつきながら話していた。誰もがソフトドリンクを頼む中、酔っ払った者の影響が見られた。煙草を吸いながらも自由に振る舞う者がおり、周囲への気遣いは欠けていた。

暗部組織『アイテム』の話題

会話の中で、『アイテム』という少数精鋭の部隊についての話題が出た。この部隊の運用は軌道に乗りつつあるとされ、その成功を基に新たなチームが次々と編成されているという。しかし、実際にはまだ試運転の段階であり、費用対効果や安全評価は完了していないことが指摘された。メンバーたちは上層部が結果を急いでいることを疑いながらも、その動向を注視していた。

暗部組織内の新たな動きの察知

焼肉を楽しむ中で、最初からテーブルを占領していた一人が状況を見定めた。『アイテム』の成功例を受けて、既に知らぬ間に複数のチームが作られ、動かされ始めていることに気づいた。このことから、暗部組織内でさらなる勢力拡大や新たな計画が進行中であることが示唆された。

焼肉屋での集いと暗部の動向

焼肉屋に集まった面々は、席次を気にせず思い思いの場所に座った。ある者が迂闊にもおしぼりで顔を拭き、他のメンバーから集中攻撃を受ける場面もあった。酔っ払った半袖セーラー服の人物が先に飲み始めており、焼肉屋に到着する前からすでにベロベロの状態であった。彼はビールと冷凍ポテトだけでは物足りず、体が油と黒胡椒を求めたために焼肉を選んだと語った。しかし、他のメンバーはソフトドリンクを頼み、酔っ払いの姿を反面教師として受け止めていた。

アイテムと新部隊の話題

焼肉を食べながら、話題は学園都市の暗部組織『アイテム』へと移った。ある者が「アイテム」が軌道に乗り、新しい少数精鋭部隊の立ち上げが進んでいると語った。しかし、その成功が確実かどうかは未知数であり、費用対効果や安全評価はまだ不確かであるとの意見が出た。それでも、上層部は「心配するのは君の役割じゃない」と切り捨てるだろうという見解が示された。

酔っ払いの放言と推測

酔っ払った者は、網の上のホルモンを無造作に放置し、他のメンバーが焦げないように取り分けていた。ようやく料理の注文が整う中、先に席を陣取っていた一人は、これまでの話をまとめて思案した。どうやら「アイテム」をモデルにした新たなチームが既に複数存在し、知らないところで活動を始めている可能性があると推測した。

行間  二

ホテルでの交流と調整

鮎魚女キャロラインと太刀魚メアリーは、高級ホテルのプリンセススイートに滞在していた。キャロラインはメアリーの外見を華やかにするために髪を結い直し、彼女の陰気な性格を改善しようと試みた。メアリーは自分に自信を持てず、他人との関わりを避ける傾向があったが、キャロラインは彼女の身体能力の特異さを評価し、励ました。  

身体調整とメンテナンス

キャロラインは携行式スキャナを用いてメアリーの骨や筋繊維を確認し、異常がないことを確認した。メアリーの身体は、通常の人間とは異なる五百三本もの骨と特別な筋繊維構造を持ち、並外れた運動能力を発揮できる設計となっていた。  

食事と健康管理の対立

キャロラインはスイーツやサプリメントを多用した食生活を続けていたが、メアリーはそれを不健康だと指摘した。二人は健康管理について意見を対立させながらも、メアリーはキャロラインに温野菜のオリーブオイル煮を提供し、無理やり食べさせた。  

ホテルからの退去と次の移動準備

キャロラインはホテルを引き払う必要性を説明した。『アイテム』側に存在を感知されたため、拠点を別の場所に移す必要があると判断した。メアリーは新たな移動の準備をしつつ、余った食材を無駄にしないようにスムージーにしようとするが、キャロラインは抵抗した。  

状況の変化と次の展開への布石

キャロラインとメアリーは、学区全体が遊園地である第六学区の高級リゾートホテルを後にし、新たな行動を開始しようとしていた。キャロラインは『アイテム』の動きを警戒しつつ、計画を進める準備を整えていた。

第二章  嵐の接近

飛行船での休息と台風の到来

滝壺理后と絹旗最愛は飛行船内で休息を取っていた。テレビ画面には台風十一号が接近中との警告が流れていた。滝壺は食事をしながら、学園都市の高校野球大会を観戦していたが、興味は薄く、応援するチームも特に決まっていなかった。絹旗は、自分の能力が「窒素装甲」という単純なものに過ぎないと自嘲していたが、滝壺はそれに対し、窒素が生命循環において重要な役割を持つことを説明し、彼女の能力の潜在的な可能性を示唆した。

隠れ家の確保と『ハニークイーン』への対策

麦野沈利は新しい隠れ家として飛行船を選び、台風が来る前に安全を確保するための手段を整えた。『ハニークイーン』のメンバーである鮎魚女キャロラインや太刀魚メアリーの正体を探るために、麦野たちは情報収集を開始した。特に鮎魚女キャロラインは、学園都市の研究施設で「原子崩し」の研究に関与していたと推測された。

念写能力の脅威と治療法の模索

麦野たちは闇医者の協力を得て、鮎魚女キャロラインが使用した念写能力の影響を調査した。念写によって、ヤンキーの脳にスーパーの広告のような文字が焼き付けられており、それが原因で意識を失っていた。念写の持続は被験者自身の生体電気によって支えられているため、能力者を倒すか、能力を解除する必要があると判明した。

『ハニークイーン』の狙撃地点の特定と対策

麦野は貉山という老執事に助言を求め、狙撃手が安全に逃げられる場所として、高所ではなく周囲に溶け込む暗所を利用することが多いと指摘された。これを元に、麦野は『ハニークイーン』の潜伏場所を推測し、さらなる行動に備えることに決めた。  

この巻では、絹旗と滝壺の関係性や、麦野の冷静な戦術眼が強調されており、暗部の戦いがより深刻化していることが示されていた。また、念写能力という新たな脅威が浮上し、それに対抗するための戦略が練られていった。

カジノ潜入と情報収集の準備
麦野沈利は、学園都市の第二一学区へ拠点を移し、飛行船ホテルからコテージへと引っ越していた。エステを受けながらも『ハニークイーン』という組織に関する情報収集を進めていた。近くのガソリンスタンドの防犯カメラに、彼らの下部組織の顔がいくつか映っており、それを手掛かりに隠れ家の特定を目指していた。

潜入計画とフレンダの指示
フレンダは、違法カジノへ潜入するための方法を考案していた。特に絹旗の潜入捜査には『窒素装甲』の特性を活かした強行突破も視野に入れていたが、フレンダは電気を利用した攻撃に対して無力であることを指摘し、より慎重な手法を提案した。最終的に絹旗が潜入捜査を担当することが決まり、フレンダは通信機材を用意しサポート体制を整えた。

第二二学区への潜入
絹旗は第二二学区という巨大な地下街へ向かい、目的のボウリング場跡地へ到着した。表向きは廃墟であったが、裏手には警備員が配置されており、絹旗は巧みに話を合わせて内部への侵入を果たした。入り口でのセキュリティチェックを通過し、カジノ内部へと潜り込むことに成功した。

カジノ内部の観察と適応
カジノ内部は豪華であり、絹旗は警備室へ案内された。警備室では川魚という顧問が監視を担当しており、絹旗に対して即興でイカサマを見抜くテストを課した。フレンダの助言もあり、絹旗は巧みに全てのトリックを見破ったため、バニーガールとして採用されることとなった。

業務内容と施設の把握
絹旗はカジノの設備を見学し、フロアの構造やゲームのルール、監視の方法などを学んだ。特にイカサマ防止の重要性を理解し、客とスタッフの間での心理的な駆け引きが必要であることを実感した。また、カジノ内部には虐殺班と呼ばれる武装部隊も配置されており、万が一のトラブルに備えていることを知った。

非合法カジノの構造と経営
カジノの運営には多くの人員が関わっており、関係者全体で九〇人前後の規模であることが判明した。カジノの利益は違法賭博やオンラインカジノの運営によって得られており、維持費は月五〇〇〇万円を超える見積もりであった。絹旗はこの大規模な運営体制に驚きを覚えつつも、内部の様子を観察し続けた。

潜入調査の成功と更なる任務
カジノの監視システムにノイズを発生させた隙に、絹旗はバニーガールの衣装に着替えた。川魚からは業務に必要な拳銃とスタンガンを支給され、ビジターへの対応や不正の取り締まりを学ぶよう指示された。また、施設内には様々な設備が整っており、利用されるゲームや料理、酒の管理も徹底されていた。

虐殺班とカジノの警戒体制
絹旗は施設内を見学する中で、厳重なセキュリティ体制に驚かされた。通常の警備員に加え、虐殺班と呼ばれる武装部隊も配置されており、彼らの存在がカジノの安全を支えていた。特に重要な金庫室や監視システムの制御室など、内部の警備体制は非常に厳重であった。

牢獄と恐怖の現実
施設内の最深部には牢獄が設置されており、潜入捜査に失敗した風紀委員の少女が監禁されていた。川魚は絹旗に対して、このようなケースでは捕らえた人物を完全に始末する必要があると語った。絹旗はその現実に直面し、内心で動揺を隠しつつも冷静を装い続けた。

研究施設の襲撃と標的の殲滅
学園都市の暗部組織『アイテム』が非公開の研究施設を襲撃し、光の砲撃によって施設を破壊した。警備兵は即座に制圧され、研究員たちは逃げ場を失い次々と処分された。研究所内には拷問具のような器具が散乱しており、異常な実験が行われていた形跡が残っていた。  

絹旗最愛の回収と加入
施設の奥には冷凍睡眠状態の少女たちが保管されていた。麦野沈利は『窒素装甲』の能力を持つ絹旗最愛を回収し、新たな戦力として迎え入れることを決定した。事件の痕跡は計画的に消され、全ての証拠が隠蔽された。居場所を失った絹旗は『アイテム』への加入を受け入れ、麦野の問いかけに応じて新たな戦いに臨むことを決意した。  

違法賭博『コロシアム』の調査と潜入
学園都市の『暗部』において、違法賭博場『コロシアム』が存在することが判明した。『コロシアム』は死亡保険を利用し、敗者の死によって莫大な利益を得る仕組みであった。『アイテム』は保険会社の常務を拉致し、尋問によって資金の流れと黒幕の手がかりを掴んだ。調査を進める中で、第六位の超能力者・女貞木小路楓の関与が明らかになった。少女たちは『コロシアム』の会場へ潜入し、敵対する『敵対アイテム』と交戦した。フレンダと絹旗は猛攻を受けつつも、何とか持ちこたえた。  

華野超美の囚われと最期の抵抗
華野超美は『敵対アイテム』に監禁され、精神的に追い詰められた。しかし、彼女は液体爆薬の信管を密かに用意し、最期の抵抗を試みた。爆発によって敵の拠点は崩壊し、井上ラスペツィアと鰐口鋸刃は死亡した。華野自身も命を落としたが、その行動は『アイテム』に衝撃を与えた。  

復讐の決意と戦闘の終結
華野超美の死を知った『アイテム』は、敵を殲滅することを決意した。麦野は『電話の声』が戦いの裏で暗躍していたと確信し、彼女の排除を目指した。最終的に麦野は『電話の声』を討ち取り、復讐を果たした。  

新たな始まりと疑念
華野超美の葬儀が行われ、遠くからフレンダと滝壺が見守った。『アイテム』は次の拠点を探し、『暗部』での生存を続けることを決意した。麦野は学園都市の支配構造に疑念を抱きつつ、新たな戦いへと備えを整えた。

襲撃と潜入の計画

機密資料窃盗団『ハニークイーン』の存在を突き止めるため、麦野沈利と同格の超能力者との対決を避けることはできなかった。敵側に超能力者が加われば、戦局は圧倒的に不利となる恐れがあった。『ハニークイーン』との合流を阻止することが最優先であり、他の事案は後回しにする決定が下された。

カジノの潜入と戦闘

フレンダと絹旗は非合法のカジノへ潜入した。カジノ内の通信機器を回収し、敵の情報を掴むことに成功するが、脱出には危険が伴った。特に『窒素装甲』を用いる絹旗であっても、銃撃による攻撃には脆弱であった。フレンダは巧妙な戦術で敵を倒しつつも、状況は逼迫していた。

脱出とカジノの破壊

カジノからの脱出を図る中で、フレンダと絹旗は協力しつつ敵を倒し、次々と障害を突破した。途中で経営者である久保田を撃破し、内部の金庫室を標的にした爆発を仕掛けることに成功した。全ての出入口が内側から爆破され、カジノ全体が壊滅した。

麦野と滝壺との合流

フレンダと絹旗は外で待機していた麦野と滝壺と合流した。彼女たちは人工的な巨大地下街を脱出し、地上へと向かうループ状スロープを駆け上がった。プリニウスという車を操縦する妊婦の女性と共に逃走を図ったが、後部座席に詰め込まれた彼女たちは身動きが取りづらい状態であった。

敵の追跡と対策

プリニウスは地上へ出る際に、カジノ側の追っ手による防弾車両の襲撃を受けた。彼女たちは攻撃をかわしつつ、地下街から地上への脱出を果たした。しかし、麦野たちの行動が敵に知られたことで、新たな危機が迫っていた。

『ハニークイーン』の反応と新たな展開

鮎魚女キャロラインと太刀魚メアリーの元にも、カジノが襲撃されたという情報が届いた。『アイテム』の関与が疑われる中で、キャロラインは自信を見せつつ次の行動に移ろうとしていた。今後の展開に備え、彼女たちもまた動き出した。

暴風雨の中の移動と準備

激しい暴風雨の中、麦野沈利、フレンダ、絹旗最愛、滝壺理后は第七学区にあるスタジアムドームへと向かった。車内で情報交換をしながら準備を進めたが、台風の影響で移動は困難を極めた。目的地に着いた頃にはすでに夜七時に近づいていた。ドーム内で行われていた野球試合の延長戦が続いている中、彼女たちは潜入を試みた。麦野たちは業者用のスロープから球場の地下に侵入し、濡れた状態で内部を調査した。

スタジアムドーム内の探索と異変の発見

ドーム内は広大で、護衛が多いため捜索は難航した。麦野は停電時の非常電源を探しながら内部を見回ったが、その際に異変に気づいた。球場全体が異様な静寂に包まれており、観客の歓声や応援が聞こえなかった。マウンドには名門常盤台の制服を着た少女、食蜂操祈が立っており、観客たちは棒立ちのままその姿を受け入れていた。

食蜂操祈との対峙と錯覚の発見

麦野は食蜂操祈に『原子崩し』を放ったが、照準がずらされて攻撃は失敗した。絹旗最愛は冷静に状況を分析し、食蜂の精神操作による全体制御ではなく、五万人分の群衆はすべて幻影であると見抜いた。実際に操られていたのは球場内の一部の人間だけであり、他は巧妙な視覚トリックで作り出されたハリボテであった。

偽りの食蜂操祈と蜜蟻愛愉の登場

絹旗の推測により、麦野の照準がずれたのは精神操作ではなく、視覚トリックによるものと判明した。さらに、現れた食蜂操祈は本物ではなく、蜜蟻愛愉という別人であることが明らかになった。彼女は自身の能力と技術で食蜂を装い、麦野たちを欺いていた。蜜蟻は「心理掌握」に匹敵するような能力を持っていたわけではなく、むしろ視覚トリックやハッキング技術で状況を操作していた。

蜜蟻愛愉の目的と『取引』の欺瞞

蜜蟻は自らが囮であることを明かし、本命の計画を隠すために麦野たちを惑わせていたことを告げた。『ハニークイーン』との『取引』という情報自体が彼女たちを欺くための罠であり、本当の計画は別の場所で進行していた。蜜蟻は麦野たちに嘲笑を浴びせ、さらなる混乱を招こうとする。

麦野たちの反撃と新たな脅威への備え

絹旗とフレンダは冷静に状況を整理し、蜜蟻の策を打破するために準備を整えた。麦野は依然として操作を受けているものの、絹旗たちは蜜蟻の企みを見破り、反撃の機会を模索していた。蜜蟻は最終的に姿を消したが、麦野たちは次なる戦いに備えて体勢を整えた。

激しい暴風雨の中の移動

暴風雨によって車の移動が困難であった。ハイブリッド車「プリニウス」は横殴りの風でタイヤが滑り、前方の視界も豪雨で遮られていた。フレンダと絹旗は車内で普段着に着替えながら、目的地である第七学区のスタジアムドームへ向かっていた。ナビからは野球大会の実況が流れており、まだ試合は続いていた。

ドーム球場への潜入

スタジアムに到着した時点で、取引まで一時間しか残されていなかった。麦野は急ぎ、下見や襲撃計画を省略し、目的の人物を見つけ出すことを優先した。正規ゲートからは入れず、業者用の下りスロープを利用して四人で球場の地下に侵入した。暴風雨は容赦なく、フレンダと絹旗は濡れながら内部へと進んだ。

精神系能力者「食蜂操祈」との遭遇

グラウンドへと到着した麦野は、無音の景色に違和感を覚えた。観客や選手たちは棒立ちのまま、精神系能力者である「食蜂操祈」に完全に支配されていた。麦野は食蜂操祈に向けて「原子崩し」を放ち突撃したが、相手は余裕を見せながらリモコンで制御するように立ち回っていた。

麦野への操りと反撃の決意

麦野は精神操作によって行動を制御されるが、わずかな意志の力で反撃を試みた。操られた状態でも食蜂操祈を狙い、「原子崩し」を放ち続けた。絹旗やフレンダも状況を把握し、対応策を探ろうとした。

食蜂操祈の正体とトリックの解明

絹旗は球場内の冷たい空気から、観客が全員支配されているわけではないと推測した。実際に操られていたのは選手やスタッフなど少数であり、観客の大半はハリボテのような存在だった。食蜂操祈の本当の目的は、麦野を錯覚させて無力化することであった。

蜜蟻愛愉の正体と対決

絹旗の指摘によって、食蜂操祈の正体が「蜜蟻愛愉」であることが明らかになった。蜜蟻は特殊な技術を駆使して観客を偽装し、麦野たちを欺いていた。絹旗は蜜蟻のトリックを見破り、麦野を解放するための手立てを講じた。

蜜蟻愛愉の目的とさらなる挑戦

蜜蟻は学園都市の暗部で自分の立場を確立するため、食蜂操祈を利用しようとした。彼女は精神系能力を用い、学園都市の権力構造を操る計画を企てていた。しかし、絹旗とフレンダの反撃によってその企みは阻止された。

結末と次なる戦いへの準備

蜜蟻愛愉の策略は暴かれ、麦野たちは再び行動を共にすることを決意した。しかし、彼女たちが直面する敵は依然として多く、さらなる戦いに備えなければならなかった。

行間  三

太刀魚メアリーと鮎魚女キャロラインの行動と過去

コンビニでの騒動と対立
暴風雨の中、太刀魚メアリーと鮎魚女キャロラインはコンビニを訪れた。メアリーは店員から弁当を取り返せず、言い争いに発展した。客たちが不機嫌になる中、キャロラインは客の一人を蹴りつけ、騒動を沈静化させようとした。彼女は店員を挑発し、店内の防犯カメラが音声を録音することを指摘して追い詰めた。  

鮎魚女キャロラインの策略と店員への報復
キャロラインは店員への挑発を続け、防犯カメラの存在を利用して相手を精神的に追い詰めた。暴風雨の中、店外には複数のヤンキーが待機していた。キャロラインは店員に報復を誓い、コンビニを後にした。  

太刀魚メアリーの過去とキャロラインとの出会い
メアリーは学校で孤立し、趣味や考えを否定され続けていた。漫画やアニメを楽しむことも非難され、社会のルールに従うことに疲れ果てていた。そんな彼女を救ったのがキャロラインであった。キャロラインはメアリーを認め、能力を育てることで新たな生き方を与えた。メアリーは学園都市で成長を遂げ、次第に自分の存在を確立することに成功した。  

『ハニークイーン』というチームの形成
キャロラインは自分の理想を実現するために『ハニークイーン』というチームを作り、メアリーを含む仲間を育て上げた。チームの信念は仲間を侮辱する者への反撃であり、力を使い切ってでも復讐を果たすことであった。  

蓑笠子亮介の死と復讐の決意
『ハニークイーン』の一員であった蓑笠子亮介は、『アイテム』との戦いで命を落とした。彼は平和主義者であり、穏便に問題を解決しようとしたが叶わなかった。麦野沈利が彼を軽視し、残酷に扱ったことでキャロラインは復讐を誓った。彼女は麦野のDNA情報を手に入れ、それを利用してメアリーをさらに強化しようと決意した。  

キャロラインの姉と過去のトラウマ
キャロラインには姉がいたが、風力発電の事故で突然命を奪われた。無情な現実に憤りを覚えたキャロラインは、科学の力で人間の命の本質を解明しようと決意した。彼女の行動の動機は、姉への恩返しと命の本質を理解することにあった。  

学園都市でのカンニング技術と能力の開発
キャロラインは幼い頃から学園都市での試験を不正手段で突破し、知識を得て能力を開発した。電子操作と念写能力を組み合わせた彼女の力は、未来を予測するカンニングのようなものであった。麦野沈利から得たDNA情報を元に、さらなる強化を目指していた。  

鮎魚女キャロラインの最終目標
キャロラインは姉の死を科学的に証明することで、その魂が天国へ行ったことを確認したいと考えていた。彼女は『ハニークイーン』の全力を尽くして麦野沈利との戦いを挑み、復讐と科学の究明を追求した。  

結論とメアリーの成長
メアリーはキャロラインの指導を受け、自己の存在価値を見出した。『暗部』という世界での成長と共に、仲間を守るために戦う決意を固めた。キャロラインの目的を知りながらも、彼女に従うことで自分の道を切り開こうとした。

第三章  プロジェクト Angelica

暴風雨の中での学生寮の日常

八月六日、学園都市に大型で勢力の強い台風十一号が上陸した。風速四十メートル超、降水量は一時間ごとに二百五十ミリを記録し、暴風と大雨が続いていた。小学校の学生寮では、フレンダが妹の夏休みの宿題を手伝っていた。宿題は朝顔の花から染料を作り、Tシャツを染めるというものだった。台風の影響で窓の外は真っ白に見えるほどの暴風雨であったが、高台にある寮のため浸水の心配はなかった。

フレンダの任務開始

フレンダは寮母の感謝を受けつつも、アイテムからの連絡を受けて出発した。暴風雨の中、レインコートを身にまとい、エナジードリンクを飲んで嵐の中へと消えた。目的地は高級感溢れるコテージで、フレンダはここで仲間たちと合流した。

無人機と学園都市外周の防衛施設「フラフープ」

フレンダたちは学園都市外周の地下に埋設された巨大な円形加速器「フラフープ」を調査することになった。この施設は、学園都市外周の防衛装置である「帰化SDI」と呼ばれる複数の防衛技術を組み合わせたものによって守られていた。フレンダたちは無人機を用いて施設を偵察するが、レーザー兵器や電磁波兵器などによって次々と撃墜された。

フレンダの対抗策「メテオシャワー」

フレンダは無人機の撃墜に対抗するため、多連装ロケット砲「メテオシャワー」を使用することを決定した。これにより、施設の迎撃システムを飽和攻撃で無力化しつつ突入する作戦を立てた。フレンダたちは水上オートバイに乗り込み、暴風雨の中を進んだ。

施設への突入と迎撃網突破

フレンダたちは迎撃システムをかいくぐり、施設内へと突入した。途中、滝壺は仲間を救うために麦野に銃を突きつけ、協力を強要した。麦野は仕方なく滝壺の要求を受け入れた。フレンダたちは迎撃システムの中を突き進み、施設内へと到達することに成功した。

研究所への侵入と占拠

フレンダたちは施設内に侵入し、研究所の職員たちを脅しながらセキュリティ権限を奪取した。麦野は鮎魚女キャロラインがこの施設を狙っていることを伝え、早急な対策を要求した。職員たちは麦野の存在に恐れをなして協力を約束した。

この一連の行動によって、フレンダたちは学園都市外周の防衛施設「フラフープ」に対する作戦を成功させた。

研究所の襲撃とプロジェクト Angelicaの発見

研究所襲撃と『アイテム』の潜入
『アイテム』のメンバーは、学園都市の機密研究所を襲撃し内部に潜入した。研究所では『原子崩し』を中心としたプロジェクトが進行していた。麦野沈利を含むメンバーは研究所内を捜索し、重要なデータが隠されたサーバーを発見した。サーバーは主任研究者である鮎魚女キャロライン専用に設定されており、通常のアクセス権限では操作できない状態であった。

サーバーの突破とデータの取得
フレンダは冷却水プールを利用した作業を実行し、特殊なアクセス権限を迂回することでサーバーを解放した。滝壺理后は冷却水プールに潜り、フレンダの指示に従って作業を遂行した結果、サーバーへのアクセスが成功した。取得したデータの中に「プロジェクト Angelica」というファイルが存在していた。

プロジェクト Angelicaの内容
「プロジェクト Angelica」は、学園都市における能力者開発に関する新たな研究であった。従来の遺伝子操作とは異なり、物理的・工業的手法を用いて遺伝子を直接操作するというものである。具体的には、完全な電子顕微鏡と電気メスを組み合わせ、望んだ遺伝子を精密に切り取る技術の開発を目指していた。

目的と影響
この技術により、従来の遺伝子操作では不可能であった完全な能力者の創造や、能力者の能力を奪うことが可能になるとされた。能力者の数を自在に調整し、学園都市全体の支配を実現する可能性が示唆されていた。研究者たちは、こうした技術を用いて全ての人間を能力者へ進化させることや、逆に能力を奪うことを可能にする究極的な存在を目指していた。

麦野沈利の不適合
しかし、麦野沈利の『原子崩し』は出力が大きすぎるため、「プロジェクト Angelica」には不適合と判断された。主任研究者の鮎魚女キャロラインは、より精密な制御を可能とする新たな能力者を必要としていた。このことから、麦野が『失敗作』と呼ばれていた理由が明らかとなった。

麦野沈利の疑問
麦野は、プロジェクト Angelicaが単なるツールに過ぎず、研究者たちが本当に目指していた目的とは別にあると考えた。能力者を自在に操作できる技術が完成した場合、学園都市の支配構造自体を根底から覆すことになるため、彼女はさらなる調査を決意した。

激突と策略の衝突

麦野沈利たちは研究所内で待機していたが、突如として天井が破壊され、巨大な衝撃が建物全体を揺るがした。破壊の原因は太刀魚メアリーであり、彼女はヘリのローターを改造した長柄刀を携えて強襲した。絹旗最愛は『窒素装甲』で防御を試みたが、太刀魚メアリーの攻撃は容赦なく続いた。麦野とフレンダも加勢するが、太刀魚メアリーはさまざまな即席武器を駆使して攻撃を続けた。

『体晶』と滝壺理后の能力発動

滝壺理后は自身の『能力追跡』を最大限に発揮するため、『体晶』を使用した。能力の発動により、敵の動きを正確に把握することに成功したが、それに伴う代償として体力を大幅に削られた。さらに麦野の『原子崩し』も暴発を引き起こされる状態であり、戦局は混沌としていた。

太刀魚メアリーの特異な能力『遺伝崩し』

太刀魚メアリーは、自身の能力『遺伝崩し』を用いて麦野の脳内分泌物を操作することで、能力を暴走させる技術を持っていた。彼女の能力はAngelicaという計画に基づいて強化されたものであり、単なる攻撃能力ではなく、遺伝子レベルで敵を制圧する力を持つ。しかし、その実力を発揮する前に滝壺の戦略によって追い詰められた。

滝壺理后と麦野沈利の協力による反撃

滝壺は最後の手段として『体晶』を用いた能力で麦野の攻撃を補助し、太刀魚メアリーへの決定打を放たせた。麦野の『原子崩し』が見事に命中し、太刀魚メアリーは倒された。滝壺はこの結果を見届けながらも、自身の能力使用の代償で吐血し、体力を消耗していた。

鮎魚女キャロラインの出現と策略の暴露

倒れた太刀魚メアリーの前に現れたのは、鮎魚女キャロラインであった。彼女はプロジェクトAngelicaを完成させるために必要なデータをすでに取得しており、太刀魚メアリーを囮として利用したことを明かした。キャロラインは太刀魚メアリーをあっさりと見捨て、無力化する技術を用いて完全に排除した。

怒りと決意

麦野はキャロラインの非道な行為に激怒し、全力で彼女を抹殺することを決意した。滝壺にはフレンダと絹旗の救護を託し、自らはキャロラインを消し去るために再び戦いへと身を投じる覚悟を固めた。麦野は『アイテム』の一員として、学園都市にとっての不穏分子であるキャロラインを排除するという使命を果たすことを決意した。

行間  四

鮎魚女キャロラインの存在理由と葛藤

鮎魚女キャロラインは、自分の存在を機能の集合体として認識していた。幼い頃から周囲に対して優れた機能を発揮することが善人として評価される基準であると理解していた。彼女の目には、人間の内面や心といった抽象的な概念は認識できず、表面に現れる行動によってのみ人間を評価するしかなかった。

彼女自身もまた、五歳で大学を卒業し博士号を取得した天才であったが、それは彼女に備わった機能の結果でしかなかった。内面の思考や感情は周囲に見られることがなく、行動の結果のみで評価される存在として自分を捉えていた。  

善悪の基準と機能の定義

キャロラインは、人間が持つ機能の組み合わせによって善悪が定義されると考えた。例えば、挨拶をする、道案内をする、落ちている小銭を届けるといった行動を行う人間は善人と評価されると結論付けた。そのため、自分自身が創り出した機能が否定されることは、自分自身が否定されたと同義であると理解した。  

彼女は、機能を改善し続けることで善人として評価されることを求めた。また、妹が自分に対して善行を示し続けることも、その機能の結果であると捉えた。  

Angelicaへの執着と探求

キャロラインは「Angelica」という装置を完成させることで、自分の理論を証明しようとしていた。遺伝子の全てを観察し、生命や魂の本質を解明することを目指した。Angelicaが完成すれば、命や魂の価値を正確に測定し、人間や動物、昆虫すらも同じ基準で評価することが可能になると信じた。  

彼女にとって、Angelicaの完成は善人としての機能を証明するための手段であり、同時に自分の存在意義を見つけ出すための手段でもあった。  

孤独と希望の狭間で

キャロラインは、スマートフォンに保存された姉との思い出であるキャラ弁の写真を眺めながら、善人とは何かを考え続けた。過去の記憶と現在の探求が交錯する中で、彼女は自分が目指すべき善行を見出そうとしていた。  

彼女にとって、大好きな姉は機能の集合体として理想的な存在であり、その存在を守るために善行を追求し続けることが唯一の希望であった。キャロラインは、機能の集合体としての自分を証明するため、さらなる探求へと進む決意を固めていた。

第四章  その鎖は食い千切るためにある

激戦と『念写能力』の正体

麦野沈利は台風の中で鮎魚女キャロラインとの戦いに臨んでいた。キャロラインの念写能力は、対象の脳に情報を焼き付ける恐ろしいものであり、空間移動のように見せかけるトリックを用いていた。彼女は未来を予測するのではなく、錯視や錯覚を作り出して攻撃をかわしていた。キャロラインは『原子崩し』の威力を無力化し、麦野を圧倒する状況に追い込んだ。

滝壺理后の決意と支援

滝壺理后はフレンダと絹旗を保護しながら、戦いの最中で麦野を支援する決意を固めた。彼女は『体晶』を用い、自らの体に負担をかけながらも麦野を助ける力を引き出そうとした。かつての経験により、彼女は仲間を見捨てることを拒絶し、必死に支援を行った。

戦いの激化と『念写能力』の解析

麦野はキャロラインの能力の真相を解明しようとし、その能力が『念写能力』であると見抜いた。キャロラインは念写を利用し、未来を予測するかのような錯覚を周囲に広げていた。しかし、彼女の能力は物理的な空間移動を伴うものではなく、錯覚を利用したものに過ぎなかった。麦野は相手のトリックを暴き、攻撃を当てるための策を練った。

能力の暴走と勝利への一撃

滝壺理后の支援により、『原子崩し』の暴走を引き起こすことに成功した。激しい光の奔流がキャロラインに直撃し、彼女の下半身を蒸発させた。致命的な傷を負ったキャロラインは麦野に挑発的な言葉を投げかけたが、麦野は冷静に彼女を見下ろした。

麦野沈利の決断と終結

麦野は自分の過去と照らし合わせながら、キャロラインを討つことを決意した。自分が『暗部』で生き延びるために持つ掟に従い、復讐と正義を遂行するためにキャロラインを討った。最期の瞬間まで挑発的であったキャロラインに対し、麦野は自らの力で制裁を加えた。

戦いの後と再起への誓い

戦いの後、麦野は疲弊しながらも仲間たちを救出することに成功した。彼女は自らの行いに悔いはなく、再び『アイテム』として生きる決意を固めた。仲間を守るために戦い続けることを誓い、次なる戦いへの備えを進めた。

終  章  もしここで、何かが一つ変わってくれたら

台風通過後の学園都市

台風十一号が学園都市を通り過ぎた後、街は荒れ果てた様相を呈していた。折れた街路樹やビルの窓に突き刺さった風力発電のプロペラなどが見受けられたが、青空が広がることで人々は安堵していた。麦野沈利は花束を購入するため、小さな花屋を訪れた。近くに病院は存在しないが、彼女が向かうのは闇医者の病室であった。麦野は花束を手に入れ、太刀魚メアリーとの戦闘で負傷した絹旗最愛、フレンダ=セイヴェルン、滝壺理后の見舞いへと向かった。

闇医者の仮説と戦闘の後始末

闇医者の仮説によれば、特殊な鉄のインクを用いた脳の落書きは、生体電気に依存して存在していた。しかし、鮎魚女キャロラインの死亡により撒き散らされた特殊なノイズが影響し、脳内模様を崩壊させ消去する結果となった。念写能力者が死亡すると、その能力の影響も消失することが確認された。麦野は戦闘の厳しさを振り返りつつも、花束を担いで見舞いへと足を進めた。

『電話の声』との会話と研究所の閉鎖

麦野の携帯電話に『電話の声』からの連絡が入った。鮎魚女キャロラインと太刀魚メアリーの死亡が確認され、研究所の閉鎖と移転が決定されたと報告された。『電話の声』は今後の対応について話を進め、麦野にいくつかの質問を投げかけた。第六位の存在や研究所から排除された理由に関する情報が明かされたが、麦野はそれに興味を示さなかった。

第六位の存在と暗部への影響

『電話の声』は第六位について言及し、その存在が暗部に影響を与えていることを示唆した。第六位が暗部の悪党たちを破滅へと導く引力のような存在であると警告し、特に直接的な関わりが危険であると伝えた。麦野はその話を一蹴し、興味を示さなかったが、警告の言葉は彼女の中にわずかな疑念を残した。

今後への決意と行動

麦野は『電話の声』とのやり取りを終え、見舞いに向かいながら今回の戦いを振り返った。勝利できた理由は単純な実力差ではなく、仲間との結びつきが大きな要因であると考えた。滝壺理后、フレンダ=セイヴェルン、絹旗最愛がいなければ台風の夜を乗り越えることはできなかったと認識した。

デジタルカセットと新たな決意

麦野は鮎魚女キャロラインの研究データが詰め込まれたデジタルカセットを取り出し、それを自分の手元に隠していた。彼女は過去の予言や呪いを跳ね除け、新たな挑戦へと踏み出すことを決意した。悪女としての強さを誇示しつつ、最強への道を再起動することを誓った。

研究施設の閉鎖と暗部の動向
学園都市第一四学区の研究施設が閉鎖され、粒子加速器フラフープの使用権が正規管制センターに引き渡された。元々この施設は鮎魚女キャロラインの追放によって無用の長物となっていた。さらに、麦野沈利の能力である「原子崩し」と滝壺理后のAIM拡散力場を使った実験が進行していたが、計画の意図は競合する能力者を高め合いながら淘汰するというものだった。  

夏祭りとフレンダの妹との交流
台風が過ぎ去った八月九日、学園都市第一三学区で夏祭りが行われた。科学信仰の強い都市でありながらも、一部では形だけの宗教行事が残っていた。フレンダは妹と縁日を楽しみながら交流し、浴衣姿の同級生とも会話を交わした。  

麦野とフレンダの出会い
祭りの場でフレンダは麦野と再会した。浴衣姿で現れた麦野は、普段とは異なる様子で現れた。フレンダは麦野の様子に異変を感じ、心の内に抱えている悩みを指摘した。  

麦野の告白と苦悩
麦野沈利はフレンダに対して、自分の能力研究が途絶えたことへの苦しみを吐露した。第一四学区にあった研究所が閉鎖され、自分の未来を賭けた研究も放棄されたことに対する強い不満を抱いていた。また、Angelicaという能力研究のデータを持っているものの、それを実現するための支援が無い現状に絶望していた。  

麦野の葛藤とフレンダの慰め
麦野は自分の能力が伸び悩んでいること、努力が報われない現実に対して強い感情をぶつけた。彼女は自身の能力が発展しないことで未来を閉ざされたと感じ、感情を抑えきれずに泣き崩れた。フレンダはそんな麦野を抱き締め、励ましの言葉をかけた。  

フレンダの決意
フレンダは麦野の苦しみを受け止めつつ、成長の可能性があることを信じた。麦野だけでなく『アイテム』全体として強くなることを目指し、仲間として支え合う決意を固めた。フレンダは麦野に「裏切らない」と告げることで、彼女に対する信頼を示した。  

この要約では、麦野沈利の絶望とフレンダの支えが中心に描かれ、物語の核心である「成長と裏切りの可能性」が浮き彫りにされている。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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