小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 1巻」感想・ネタバレ

小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 1巻」感想・ネタバレ

次巻

アニメ化

書籍化される前から月が導く異世界道中は読んでました。
2018年3月発売の14巻以降。
アルファポリスの更新も6月に止まったのでこのまま終わるのかと思ったら。

2020年5月に更新が始まり喜んで続きを読んでたら、10月には15巻発売。

さらに喜んで購入したら、何か書いてある。
アニメ化?

あぁ、だから更新を再開したんだ。

そして、そんなアニメの1話を5分ほど見て、、

見ることをやめた。

全巻読み返して、レビューを書いてからアニメを見よう思う。

https://www.alphapolis.co.jp/novel/901123427/931067230

どんなラノベ?

薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー!

え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?

普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てられた主人公。

そこから生き残ろうと必死に動くが、、、
荒野には人が居なかった。

でも、豚頭のオーク(♀)は居た。
そんな彼女は魔獣に襲われ捕食される寸前!

助けに入ったら牽制の蹴りで、魔物は真っ二つに、、

彼の力は理不尽だった。

そして、異世界の常識に無知でもあるから勘違いもタチが悪い。

そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。

彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。

そこが笑いどころ。

読んだ本のタイトル

#月が導く異世界道中
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ  氏

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あらすじ・内容

第5回ファンタジー小説大賞読者賞受賞作、待望の書籍化!アルファポリス「第5回ファンタジー小説大賞」読者賞受賞作!! 薄幸系男子の 異世界成り上がりファンタジー! 平凡な高校生だった深澄真は、両親の都合により問答無用で異世界へと召喚され た。しかもその世界の女神に「顔が不細工」と罵られ、最果ての荒野に飛ばされ てしまう。人の温もりを求め荒野を彷徨う真だが、出会うのはなぜか人外ばかり。 ようやく仲間にした美女達も、元竜と元蜘蛛という変態&おバカスペック……と ことん不運、されどチートな真の異世界珍道中が始まった――!!

月が導く異世界道中

感想(ネタバレ含む)

異世界の女神が数十年間居眠りをしていたせいでヒューマン種が種族存亡の危機に直面していた。

それを解決するために、過去地球に送った夫婦の子供を勇者として召喚しようとする。
一応、正式な手続きを取って、地球の神、月読命様が主人公に説明して召喚に応じさせようとするのだが、、

主人公は何も聞かされていない。
そこで色々と説明を受けて、あまりの理不尽に断りを入れるのだが、、
契約で、そうなると姉妹にお鉢が回ると知ると自身が行くと決断する。

そして、異世界に召喚され主人公を見た異世界の女神が、、

顔が気に入らない。
ブサイクだという事で、何も授けないのは、ルール違反らしいのでヒューマン種以外の全ての言葉が判る特別な力を貰って、、

ヒューマン種が居ない、世界の果てと呼ばれている荒野にポイ捨て。

天からのポイ捨てだから高高度からフリーフォール。

でも、ヒューマン種のために勇者を召喚しないといけないから。


適当に見繕った美しい顔をした人間を地球から拉致して勇者にしてしまう。 


もちろん、地球の神様達には無断でしたので、外交的(?)には大問題。

勇者召喚を成功させた国は女神が勇者を遣わせたと大盛り上がりする。

そして荒野にポイ捨てされた主人公は荒野で生贄にされるハイランドオーク(♀)と出会い、彼女を助けに入るが、、

彼の力は理不尽に強かった。

異世界からしたら地球はドラゴン●ールの界王星のような過酷な環境だったらしい。

だからちょっと走っただけで猛スピード。
ちょっと蹴ったら魔獣は真っ二つ。

そんな力で、生贄を求める龍(冤罪)をボコったら。。

特殊能力で彼の記憶を覗いた龍は時代劇にハマって記憶を見せてもらうために従者になると言って、半ば強引に契約(龍主導)をさせられてしまう。

ただ、力関係は主人公8:龍2で龍の完全服従の契約。

更に果て無い空腹で正気を失っていた災悪のクモをボコって、魔力と苦痛で満腹にさせたせいで執着されてしまう。

気を失っていた主人公に変わり、龍か勝手に主従契約させて従者にする。

あらすじの変態&おバカはこの蜘蛛の事だな。

そしてヒューマン種の街(ベース)に行ってみたら・・

ブサイクな顔(異世界基準)のせいで魔物と思われて攻撃されてしまう。

そして、彼等に自身の言葉が通じない事を実感する。

とことんこの世界のヒューマン種は主人公には優しく無い。

だから、主人公は顔を隠す仮面を付けて旅をする。

次巻

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備忘録

MBS(毎日放送)

プロローグ(アニメ1話)

暗い空間での目覚め
真はいつも通りの日常を終えた後、目を覚ますと暗闇に包まれた不思議な空間にいた。部屋らしき場所を探索すると、壁や床が存在し、星のような光が浮かぶ異様な雰囲気であることに気づいた。そこへ突如声が響き、その主が「神」であると名乗った。声は真に異世界行きを命じるが、真は強く拒否した。

月読命との対話
声の主が「月読命」であることが判明した。月読命は丁寧に状況を説明し、真の家族が異世界に関連する契約を結んでいたことを明かした。その契約の結果、家族の中から誰かが異世界へ送られる必要があり、真が選ばれたという。家族を守るため、真は渋々その運命を受け入れることを決意した。

異世界での力と準備
異世界では真が特別な力を発現できる可能性が示唆された。月読命から恩恵を授けられた真は、自身の潜在能力を感じ取るが、その効果は異世界で発揮されると告げられた。出発前、月読命は真の個人的な秘密を守る手助けを約束し、家族への手紙を託す準備を整えた。

異世界への召喚
真が持ち物を確認している最中、体が半透明になり、召喚が始まった。月読命はこれから会う女神が問題を抱えた存在であると警告し、穏やかに対応するよう頼んだ。真は月読命の心遣いに感謝し、新たな世界への一歩を踏み出す覚悟を固めた。

白銀の部屋への到着
真は白銀に輝く部屋に転移した。そこでは唯一神を名乗る女性が登場したが、彼女は第一声から月読命を軽く見下す発言をした。さらに、真の外見や存在を徹底的に侮辱し、その態度は一貫して高圧的であった。

女神の侮辱と自己中心的な態度
女神は、真の家族に関する契約を引き合いに出しつつも、自分の好みを優先した発言を繰り返した。彼女は真の容姿を執拗に非難し、力を与えるのも嫌だと言い放つなど、侮辱を重ねた。真は怒りと絶望を抱きつつも、まともに反論することさえ難しい状況に陥った。

「理解」の力の授与
唯一神は最終的に、真に「理解」という力を与えると告げた。この力は異世界の種族間で言語を理解するためのものであったが、彼女の態度は最後まで冷たく、真に対してヒューマン以外の種族と暮らすよう命じた。

強制的な落下と別れ
女神の一方的な命令の後、真は異世界に強制的に落下させられた。最後に聞いた女神の発言は、真を徹底的に拒絶するものだった。真は絶望しつつも、女神に対する怒りを抱えたまま、新たな世界へと放り出された。

1

落下中の混乱
真は女神によって高所から落下させられた。冷たい風と荒野の光景の中、絶望を感じながらも、家族への感謝を心に浮かべていた。自身の運命を諦めかけたその時、月読命の声が響いた。

月読命の救援
月読命は無理をして交信を試み、真の落下を緩和するために力を尽くした。その過程で、月読命が数百年の眠りを必要とするほど消耗することを告げられた。真はその献身に深い感謝を抱いた。

誘拐された者たち
月読命は女神が真の召喚に際して、他の二人を誘拐した事実を明かした。その一人は真に近しい人物である可能性が高いとし、彼らが既にヒューマンと接触していることを伝えた。女神からの多大な加護を受けている彼らの状況と、自分との待遇の差に真は複雑な感情を抱いた。

自由の宣言
月読命は、女神による理不尽な行為を非難しつつ、真に新たな世界での自由を認めた。その言葉は真の心を軽くし、彼は月読命への敬意と感謝を込めて大きく返事をした。月読命の光に包まれ、真は穏やかに大地に降り立った。

荒野での彷徨
真は荒野を三日間さまよい続けた。昼は灼熱、夜は霜が降りる厳しい環境の中、超人的な身体能力のおかげで飢えと疲れに耐えていた。目標の山に向かいながらも進展が見えず、孤独と不安に苛まれつつ、自身の力の発現を試みたが、成果は乏しかった。

悲鳴の発見と最初の出会い
ある時、遠くから聞こえた悲鳴を頼りに、真は全力で走り出した。そこでは二つ首の犬がオークらしき生物を襲っていた。真は犬に飛び蹴りを放ち、強力な一撃で仕留めた。オークの恐怖の目に戸惑いながらも、初めて異世界で他者との会話に成功した。

エマとの同行と魔法の習得
助けたオークの女性「エマ」は、感謝を伝えると共に自身が神山への生贄であることを明かした。真は彼女と行動を共にしながら、魔法を学び始めた。火の初歩的な魔法「ブリッド」を使えるようになり、その過程で自身の力の可能性に気づき始めた。

蜃との対峙の準備
エマとの会話を重ねる中で、彼女の村が蜃への生贄を捧げる風習に苦しんでいることを知った真は、蜃に直接話し合いを挑むことを決意した。道中で魔法の応用を試しながら、山の門を目指して進んだ。

門の破壊と蜃の登場
門を狙った魔法の矢が予想以上の威力を発揮し、門は破壊されてしまった。その直後、地響きと共に濃い霧が降りてきて、蜃が怒りに満ちた表情で姿を現した。蜃は巨大な東洋の龍の姿をしており、真に迫りながら静かに間合いを詰めていった。

2

霧の中での戦い

真は蜃の凶牙に襲われ、反射的に後方へ飛び退き回避した。蜃は間を置かず再び攻撃を仕掛け、空中を自在に舞うその動きはリーチが掴みにくく、真を追い詰めた。蜃の巨体が作り出す濃密な霧は、視界を奪い、地表を覆い尽くした。真は敵の気配を感じることすらできず、不利な状況に陥った。

不意打ちへの対応

霧の中で悪寒を覚えた真は、前方へ飛び出し間一髪で蜃の咬み付きから逃れた。振り返ると、蜃の巨大な口が今しがたまで真がいた場所を咬み砕いていた。霧の中では蜃の気配を察知することが困難で、真は反撃どころかかわすことさえ難しい状況であった。

戦術の模索

真は蜃への反撃を考えたが、その巨体に一撃を入れる隙を見出すのは至難の業であった。攻撃の選択肢として、気合で回避を続けて攻撃を狙うか、霧を晴らす方法を模索するか、あるいは全方向に魔法を放ち蜃の位置を掴むかの三つを検討した。

反撃の決断

真は全方向に魔法「ブリッド」をばら撒いて蜃の位置を特定し、その隙を突いて会心の一撃を放つ作戦を選択した。この戦法が成功する可能性に賭け、真は自らの全力を尽くして戦闘を続ける覚悟を固めた。

蜃の無敵能力と策略

亜空という能力

蜃は自身を「無敵」と称する理由として「亜空」という特殊な空間を操る能力を持っていた。この空間は霧を媒介に対象を引き込み、完全に支配する力を持つ場所であった。亜空内では氷や火を自在に操り、全てを蜃の意のままにすることが可能であった。過去には一度として逃れた者はおらず、蜃の無敵性を確固たるものとしていた。

亜空への引き込み失敗

ヒューマンである真を亜空に引き込もうと試みたが、何度やっても成功しなかった。亜空に引き込めない事態に動揺した蜃は、霧だけを頼りに真を狩ることを決意したが、背後からの攻撃も察知され回避されるなど、予想外の事態に直面した。

怒りと攻撃の失敗

真が霧の中で火のブリッドを乱射し、そのうちの一発が蜃の鱗に当たり、霧が一部晴れた。その瞬間、真は圧縮された魔力で作り出した矢のようなブリッドを蜃に向け放ち、それが命中した。火耐性を誇る蜃の体をえぐるほどの威力により蜃は初めて悲鳴を上げ、激しい痛みと怒りに苛まれた。

真との肉弾戦

蜃は態勢を立て直そうとしたが、真はすでに接近しており、強力な正拳突きと裏拳を連続で浴びせた。その結果、蜃の体は霧の中に再び消えたが、大きなダメージを負った蜃は明らかに危険視し始めた。

幻の発動と反撃の準備

蜃は亜空に頼れない代わりに霧を用いた幻覚を発現する能力を使い、真を欺こうと試みた。幻は相手の記憶を基に望む状況を作り出し、現実と錯覚させるものであった。蜃は霧の中で死んだふりをして油断を誘い、真を閉じ込める策略を巡らせた。

最終的な反撃

蜃は自身の傷を顧みず、真を惑わせるために全力で幻を発動させた。霧が濃密に漂う空間の中で蜃は慎重に真を観察しつつ、油断を見計らって最後の反撃を試みた。蜃の策略が成功するか否かは、今後の展開に委ねられることとなった。

霧の中での幻覚体験

弓道場での練習と違和感

真は夕日でオレンジ色に染まった弓道場で目を覚ました。頭がぼんやりとしており、なぜ自分が道場にいるのかがわからなかった。練習の名残として胴着を着て弓を手にしていた真は、集中して矢を放ち、的に命中させた。感触は悪くなく、調子の良さを感じながら、いつもの練習を終えようとしていた。

後輩との出会いと告白

道場を後にしようとした真は、新入部員の長谷川温深と出会った。彼女は真に対して突然の告白を行い、驚きと戸惑いを覚えた真は冷静になろうと試みたが、彼女の熱意と押しの強さに圧倒された。最終的に真は「友達から始めよう」との形で応じることにした。

幻覚と現実の違和感

告白の場面から離れると、真は心の中に強い違和感を覚えた。「現実ではない」と感じる声が頭に響き、周囲が歪み始めた。その瞬間、彼は道場での出来事が幻覚であることを理解した。真の目の前に広がったのは、濃密な霧に包まれた現実の世界であった。

幻覚の正体と怒り

幻覚を見せられたことに気付いた真は、自らの心の弱さを嘆き、蜃が作り出した虚構に対して怒りを覚えた。幻覚が自分の望みや劣情を刺激するものであることを理解した彼は、こんなものにもう惑わされたくないと強く誓った。

障壁への反撃

怒りと悔しさを胸に、真は霧の中の障壁を見つけ出し、それに拳を叩き込む決意を固めた。幻覚に対する屈辱を振り払うため、そして蜃への反撃の第一歩を踏み出すため、真は行動を開始した。

蜃と真の契約

霧の中での記憶への興味

蜃は真を霧に取り込むことで記憶を探り、その中に異世界の来訪者としての彼の未知なる経験を発見した。蜃は彼の記憶の素晴らしさに驚嘆し、彼を死なせるべきではないと考えた。その記憶から、真との会話への興味が生まれ、蜃は霧を解除して対話を試みる決意を固めた。

結界の破壊と初対面

霧の中で真が力を発動させ、蜃の結界は内側から破壊された。蜃はその規格外の力に驚愕しつつ、腹を見せて敵意がないことを示そうと試みた。霧の中から現れた真は冷静に声をかけたが、蜃の行動に困惑し、さらに幻覚の仕組みについて説明を受けると深いため息を漏らした。

契約の提案

蜃は真に「契約」を提案した。この契約は両者が対等に協力するか、力関係に応じて能力が強化されるものである。蜃は、自身の知識を提供する代わりに真の趣味にまつわる知識を聞きたいと望んでいた。真は最初は疑念を抱いたものの、蜃の熱意に押されて契約を承諾した。

契約の選択と関係の成立

蜃は契約の種類を選定し、真の規格外の力により「八分二分の支配」の契約を結ぶことにした。これにより、蜃は事実上真の下僕となる形での関係を選んだが、それを誇りに思い、彼と共に歩む未来を楽しみにしていた。「よろしく、真様」と誓いを立て、契約が成立した。

MBS(毎日放送)

(アニメ2話)

蜃との契約後の日常と新たな挑戦

能力の発見と活用

真は、自身が月読命から授けられた能力「エリア生成」を発見した。この能力は、半球状の範囲に様々な効果を付与するものであった。ただし、効果は範囲が広がるほど減少し、全体に適用されるため自分を除外する工夫が必要だった。蜃との戦闘中に無意識に発動しており、霧の中で敵の位置を特定する助けとなった。

ハイランドオークの村での情報収集

蜃との戦闘後、真はエマたちに生贄の必要がなくなったことを説明した。感謝の意を示したオークたちは彼を村に招待し、周囲の地形や人間の居住地に関する情報を提供した。真が目指すヒューマンの住む地域は荒野の北東に位置しており、そこへ向かう道中の危険についても警告を受けた。

蜃の人間化と契約の影響

蜃は契約により人間の姿に変化していた。真にとって有利な「八分二分の支配」という契約の結果、蜃は蒼い髪を持つクールな女性の姿となった。彼女の衣装は露出度が高く、和風の要素を取り入れたものであった。さらに、亜空も契約によって緑豊かな独立した世界へと変貌を遂げていた。

亜空の探索と新たな可能性

亜空内を散策した真と蜃は、広大な草原と森林、そして豊かな自然環境を確認した。亜空には川や動物も存在し、生活基盤を整えるのに適した場所であった。蜃はこの空間を利用して新たな都市を築く計画を提案し、真を驚かせた。

ハイランドオークの移住計画

蜃はハイランドオークの村全体を亜空に移住させる計画を立て、村の住民もこれを快諾した。蜃は霧を使って村全体を移動させる準備を進め、実際に実行した。真はこの大胆な行動に戸惑いつつも、移住先での生活環境の整備を支援することを決意した。

時代劇への執着

蜃は真の記憶を通じて時代劇に深い興味を抱き、その趣味を生き甲斐とするようになっていた。彼女は真に記憶を再び見せるように迫り、さらには時代劇を楽しむために霧を利用して映像を再現するなどの行動を見せた。真は彼女の情熱に圧倒されつつも、一定の条件で許可を与えることとなった。

新たな旅の始まり

真と蜃は亜空を拠点にしつつ、ヒューマンの居住地を目指す旅を続けることを決意した。蜃の大胆な行動と自由奔放な性格に振り回されながらも、真は新たな可能性と責任を感じながら次の目的地へ向かう準備を進めた。

蜃との日々と新たな目標

ハイランドオークの生活と蜃の技術開発

亜空に移住したハイランドオークたちは、順調に新たな環境に適応していた。真はエマたちと定期的に近況を確認しながら過ごしていた。一方、蜃は霧を利用した記憶投影装置の開発に没頭しており、透明な鉱石を用いて映像を再現する技術を模索していた。その技術は、記憶の保存と再生を可能にする画期的なものであった。

荒野の探索とドワーフへの期待

真は荒野を歩きながら、進行方向にある活火山について考えていた。その火山にはドワーフが住んでいるとのことで、鍛冶屋としての活躍を期待していた。しかし、蜃の嗜好を考えると新たな被害者が増えるのではないかと心配していた。蜃は亜空の住人をさらに増やす計画を立てており、最終的には国規模に発展する可能性も示唆されていた。

能力「界」の進化と活用

真は自身の能力「界」をさらに検証し、治癒や強化といった特性をエリアに付与することでその効果を試していた。範囲を小さくすれば効果が増大し、大きくすれば広範囲をカバーすることが可能であった。また、魔法の身体強化と組み合わせることで、驚異的な力を発揮することができた。界は魔力を使用しないため、蜃にも感知されない隠密性を持っていた。

新たな武器と戦闘スタイルの確立

ハイランドオークから贈られた短剣は、美術品のような外見ながら実用性も高く、真の近接戦闘の武器として活躍することが期待された。また、魔法「ブリッド」を応用した戦闘スタイルを確立し、弓や魔法を駆使した遠距離戦が理想的であると考えた。

過去の記憶と新たな目標の設定

蜃の投影装置により家族写真を目にした真は、自分の両親がこの世界でどのような過去を過ごしたのか調べることを決意した。そのための絵描き探しを新たな目標とし、旅を楽しむ意欲を取り戻した。

蜃の名前と突如現れた毛むくじゃらの来訪者

蜃から名前をつけるよう求められた真は和風の名前を提案しようとするが、蜃の反応により決定は持ち越されていた。その後、蜃が現れ、重傷を負った毛むくじゃらの生物を抱えている様子を見て、さらなる波乱の予感を抱いた。

3

蜘蛛との死闘と真の限界

毛むくじゃらの遭遇と異変

蜃は毛むくじゃらの男を抱えながら、真に外出の中止を提案した。真が疑問を投げかけると、蜃は「敵襲」を理由に挙げた。異世界に隔絶されているはずの亜空に侵入者が現れることに真は驚きを隠せなかった。振り返ると、黒い蜘蛛が空間の亀裂から姿を現し、その巨大さと異様な外観に戦慄を覚えた。

蜘蛛との初接触と劣勢

蜃の指示で、真は蜘蛛を相手取ることになった。蜘蛛の攻撃を回避しつつ、短剣を用いて応戦したが、強烈な一撃で吹き飛ばされるなど、次第に追い詰められていった。真は火属性の魔法を駆使して反撃を試み、蜘蛛の脚を切断することに成功したが、相手の回復能力により優位性を保つことが難しかった。

火の槍による反撃

真は短剣に炎を付与し、新たなブリッドを生成して蜘蛛の身体に放った。二本の矢が蜘蛛を貫き、爆発を起こしたものの、蜘蛛は依然として原型を保ち続けていた。その耐久性に驚く一方で、徐々に冷静さを失いつつあった。

蜘蛛の執拗な復活と戦意喪失

蜘蛛はダメージを受けながらも、黒い塵を吸収するようにして次第に回復し、再び真を襲った。何度攻撃を加えても倒れないその姿に、真は苛立ちを募らせた。加えて、蜘蛛の飢えが喜びに変わっているような仕草に、恐怖と不快感を抱いた。

致命的な反撃と憤怒の爆発

蜘蛛の攻撃が激化し、真の腹部を爪が貫いた。絶体絶命の状況に追い込まれた真は、肩口に蜘蛛の牙が食い込む痛みに耐えながら、怒りが限界に達した。体力と精神が限界を超えたその瞬間、彼は決意を新たに蜘蛛との戦いを続ける意志を固めた。

黒蜘蛛との戦いと新たな契約

蜃の観察と蜘蛛の異常性

蜃は黒蜘蛛の驚異的な再生能力に感心しつつも、主である真が徐々に追い詰められている状況を見て、戦闘の行方を注視していた。蜘蛛は無尽蔵の飢えを満たそうと攻撃を続けており、その単調な動きが逆に本能的で美しくも恐ろしいものに見えた。蜃は放置して学ばせるつもりだったが、真が磔にされてしまい、助けに入るか迷っていた。

真の決意と魔法の進化

真は圧倒的な劣勢の中、最後の力を振り絞り、自らの魔力を全開にして戦いに挑んだ。彼の得意とする水属性の魔力を使い、短剣を媒介に新たな攻撃を展開した。その蒼い魔力は圧倒的で、蜘蛛を貫き、亜空全体を震撼させるほどの力を発揮した。蒼い光が収束した後、蜘蛛の姿はほとんど消え去り、戦闘は終結したかに見えた。

蜘蛛の復活と奇妙な展開

しかし、蜘蛛は完全に消滅せず、再び現れた。驚くべきことに、蜘蛛は真を攻撃するのではなく喜びの声を上げ、彼に執着を示し始めた。蜃はこれを見て困惑しつつも、蜘蛛との対話を試みた。蜘蛛は真への契約を申し出、彼女自身が真に仕える存在になりたいと望んだ。

契約の成立と人型への変化

蜃が仲介し、蜘蛛と真の契約が執り行われた。契約の呪式が進む中、蜘蛛の姿は次第に人型へと変化していった。彼女は艶やかな黒髪と女性らしい姿を持つ人間の姿となり、真の支配下に入った。この結果、蜘蛛は自らの飢えと孤独を癒す新たな主を得ることとなり、蜃は自分の立場が揺らぐことに微かな嫉妬を抱いていた。

蜃の感想と未来への予感

蜃はこの一連の出来事を振り返り、真の存在が退屈を許さないものだと再認識した。新たに加わった蜘蛛との関係がどのように展開していくのか、これからの旅がさらに予測不能なものになることを予感していた。

(アニメ3話)

亜空の変貌と契約後の混乱

亜空の進化と地形変化

亜空は以前とは大きく様相を変え、地形や植生が急速に変化していた。かつては草原だった場所に黒い森が広がり、新たな川が出現していた。この変化に真は困惑しつつも、亜空の不安定さと予測不可能な進化に不満を抱いていた。

蜘蛛との契約の事実

蜘蛛との戦闘後、真はオークの用意したテントで目を覚ましたが、傍らには黒髪の女性が三つ指をついていた。彼女は真と契約を交わし人間の姿を得た蜘蛛であり、自らを「ご主人様の忠実なしもべ」として仕えると宣言していた。契約は真の意思を問わず成立しており、異世界のルールに翻弄される彼の困惑は続いていた。

蜃と蜘蛛の新たな役割

蜃は契約の仲介者として振る舞いながらも、自分の計画を進めていた。彼女は亜空の新たな使用方法や都市建設の計画を示唆し、亜空をより居住可能な空間に変える意向を表明していた。一方、蜘蛛もまた真への強い執着を見せつつ、新たな役割に適応し始めていた。

ドワーフの登場と協力要請

その後、蜃の導きでドワーフの長老ベレンが登場した。彼は亜空の安全性と利便性を評価し、集落を移住させる許可を真に求めた。真は快諾し、蜃とともにドワーフの生活環境改善に協力することとなった。また、ベレンは都市建設の支援や武具の提供も約束し、両者の関係は友好的に進展していった。

名付けと新たな決意

蜃と蜘蛛はそれぞれ新たな名前を望み、真は蜃を「巴」、蜘蛛を「澪」と命名した。巴はその名により力を得て満足し、澪は真から与えられた名前に深い感動を覚えていた。二人の従者が新たな名を得たことで、真の周囲はさらに賑やかになり、亜空での生活は一層混沌を極めていく予感が漂っていた。

亜空の朝と新たな試練

領主の呼称決定

朝、亜空にて真はオークたちと巴、澪の声を聞きつけた。二人はそれぞれ新たに授かった名前を皆に告げ、真の呼称を議論していた。オークたちの多数決により、真は「若様」と呼ばれることが決定した。この流れは全て二人が主導しており、真の意思はほとんど無視されたものであった。

眷属たちの紹介

翌朝、亜空に集結した種族たちの壮観な光景が広がった。エルダードワーフ、巴の眷属であるミスティオリザードマン、そして澪の眷属アルケーが勢揃いしていた。ベレン率いるドワーフたちは移住を終え、エルド長老から感謝と協力の意が示された。巴の眷属は騎士のような統率の取れた戦士たちであり、澪のアルケーたちは無口ながらも献身的な態度を見せた。

街への接触と予想外の敵意

真は人間の街へ向かい、住人たちと接触を試みたが、彼の言葉は全く通じなかった。住人たちは真に敵意を示し、武器を構えて攻撃態勢に入った。誤解を解こうとするも、結果的に住人たちは一斉攻撃を仕掛け、真はやむを得ず亜空へ撤退した。この出来事により、真は人間の共通語を理解していないことを痛感することとなった。

共通語の課題と新たな決意

亜空に戻った真は、種族間での言語の壁を確認した。各種族が互いに十分な意思疎通ができない中で、真だけが全ての言語を理解できる特異な能力を持っていた。共通語を習得する必要性を痛感し、真は早急に学ぶ決意を固めた。一方、巴と澪が共通語を話せることは今後の都市運営において大きな助けとなることが判明した。真は新たな試練に向けて奮起したのであった。

4

共通語の習得と魔力の問題

共通語の学習の苦難

真は共通語を習得しようと努力したが、発音が壊滅的であった。聞き取りは何とか可能であったが、発音練習では巴と澪から「その発音ではない」と何度も指摘を受け、挫折に近い状況に陥った。文字の習得には成功し、空中に文字を書く魔法を駆使して筆談が可能となったが、言葉の壁を越えるにはまだ時間が必要であると悟った。

魔力の漏洩とその影響

第一村人に逃げられた理由を探る中で、真は自分が膨大な魔力を無意識に垂れ流している事実を知った。この魔力の影響により、彼の周囲の景色は歪み、普通の人々にもその異常が感知されていた。亜空の住人たちは彼を恐れつつも尊敬していたが、初対面の人々には彼が「魔王のよう」に見えたという。

装備の整備と再挑戦

ドワーフの技術を借りて、魔力を抑える指環「ドラウプニル」と仮面を製作した。指環は魔力を圧縮し、一定値に達するまで外れない仕様で、真の異常な魔力を抑制するための必須アイテムであった。また、巴と澪の協力を得て、新たな衣装と共通語を話すための準備を整え、再び街へ向かう準備が整った。

初のヒューマンの街と住人たちの謎

街へ到着した真は、仮面と指環のおかげで住人たちに怪しまれることなく入ることができた。街は荒野におけるヒューマンたちの最前線の拠点であり、多種多様な種族が共存していたが、その住人たちは皆美形であり、真はその事実に驚愕した。彼自身の容姿がこの世界の基準から大きく外れていることに気付き、自分の出自について疑念を抱きつつも、街の生活に溶け込むための策を模索することにした。

冒険者ギルドへの訪問準備

街の商業活動を観察し、品揃えや価格を確認するよう巴と澪に指示した真は、冒険者ギルドを訪れる準備を整えた。彼は冒険者として登録し、街の住人との接触を増やす計画を立てたが、自分の異常なレベルや能力が周囲に与える影響を慎重に考えなければならなかった。ギルドでの振る舞いと情報収集が今後の課題となることを認識しつつ、次の行動に移ることにした。

美の基準と新世界の違和感

美男美女の存在と価値観の違い

真は新世界におけるヒューマン種の美しさに圧倒されていた。この世界では、美男美女が当然のように存在しており、彼らの容姿は一流俳優や最新のCG映像を思わせるものであった。真がベースの外で見かけた超絶美女でさえ、普通の部類に過ぎないという事実に驚きを隠せなかった。

元の世界との比較と思索

元の世界での常識を基に考える真は、美人が持つ社会的な優位性がこの世界では感じられないことに戸惑った。美しさを誇るでもなく、必死に生活を続ける人々の姿が不思議に映った。路地裏で生気を失い、膝を抱えて座る美形たちの光景もまた、彼にとって理解し難いものであった。

新たな価値観への挑戦

この世界での美形の普遍性と、それを特別視しない価値観に触れ、真は自らの慣れ親しんだ常識が無意味であることを自覚していた。それでもなお、新たな世界の基準に順応できるのか、違和感と疑問を抱え続ける日々であった。

ギルド登録と波乱の幕開け

冒険者ギルドでの登録開始

真は冒険者ギルドに登録を試みたが、その怪しい装いと寡黙な態度に受付嬢から怪訝な目で見られた。澪と巴が真の代わりに説明し、筆談のためにフキダシを使うことで納得を得た。澪が語った「重病と呪いにより声を失った商人の跡継ぎ」という設定が妙にリアルで、真自身もその目立つ設定に困惑していた。

ギルドの仕組みと特殊ランク

受付嬢から冒険者ギルドのランク制度と依頼内容について説明を受けた。ランクはEからSSSまで分かれ、さらにプラスやマイナスの段階で評価されていた。また特殊ランクとして指名依頼や高難度の放置依頼があることが判明した。この情報を活かして、二人には特殊ランクの依頼を中心にこなしてもらおうと真は考えた。

レベル測定での驚愕

澪と巴のレベル測定が始まると、二人の強さが明らかになった。巴はレベル1320でギルド内最高記録を更新し、澪はそれを上回る1500を記録した。この結果により、二人の存在は瞬く間に注目を集めた。真はその状況を冷静に受け止めつつも、さらなる注目を避けるため、自身のレベル測定は最小限に留めた。

真の異質な存在

真のレベルはわずか1で、ギルド内での最低記録となった。レベル四桁の従者を連れたレベル1の少年という異例の組み合わせが周囲の冒険者たちの興味を引いた。真は注目を避けるため、これ以上の詳細なステータス調査を断った。

今後の展望と宿探し

ギルド登録を終えた一行は、次の計画を立てるため宿を探すことにした。ギルド提携の宿がいくつかあると聞き、真は周囲の目を意識しながら露店を眺めつつ宿屋へ向かった。彼らの冒険は、予想外の注目を浴びつつも静かに続いていくこととなった。

5

高級宿での交渉と騒動

即興での商会設定

宿泊手続きの際、真は「クズノハ商会」の跡継ぎという即興の設定を利用し、自身の冒険者プレートを提示して宿泊を申し込んだ。高級部屋しか空いていないと言われたが、仕方なく受け入れることにした。この対応で宿泊は許可されたが、金貨二枚の宿泊費に割高感を覚えた。

宿泊費の交渉と脅迫まがいの威圧

巴は宿泊費の適正価格を問い詰め、ついには脅迫とも取れる態度で交渉を進めた。少年受付係は怯えつつも、最終的に金貨二枚という修正価格を提示し、残額の保管を約束した。この一件で、宿側の不正が露呈したが、少年の責任を増やす形で幕引きとなった。

部屋での物価議論と不自然な経済状況

宿泊部屋での会話では、この地域の物価の歪みについて話し合われた。水や食品が高価である一方で、武具や防具が異常に安いことが議論された。この現象が不正や権力構造の影響ではないかと推測された。

商人ギルドの調査依頼

真は澪に商人ギルドの規約や仕組みを調べるよう指示した。これにより、商取引で目立ちすぎないための対策を講じようとした。一方で巴は水戸黄門のような役割を果たす展開を望み、真を困惑させた。

緊張感の中のユーモア

会話の中では、巴の自分勝手なキャラクター設定や、澪の楽観的な態度が目立った。真は二人の行動に翻弄されながらも、宿泊後の計画を立て直す必要に迫られていた。この状況下でも、彼らのやり取りには軽妙なユーモアが含まれていた。

商人ギルドと交易所の情報収集

商人ギルドでの調査結果

澪が商人ギルドでの調査を終え、報告に戻ってきた。商人ギルドの証なしでは取引が違反となり、再発行は最寄りの街「ツィーゲ」で可能と分かったが、到着には約一ヶ月かかると言われた。交易所の利用で商取引は可能だが、詳細は不明であった。

尾行の発覚と対応策

真と巴は、宿周囲に尾行者がいることを察知していた。澪が連れてきた可能性が高いと判断したが、彼女自身は尾行に全く気づいていなかった。澪は始末を申し出たが、真は泳がせる方針を決め、尾行者を警戒しつつ静観することにした。

積荷の管理と巴への指示

真は巴に積荷の番を命じ、一晩中馬車で待機するよう指示した。巴は食事を抜かれることに抗議したが、真は彼女の責任を強調し、命令を徹底した。これにより、積荷と馬車の安全が図られることとなった。

次の日への準備

交易所での取引を翌日に予定し、積荷の売却を決断した。長期滞在の資金確保を優先するため、この一日を終えることで一行は少しずつ状況に適応していった。

MBS(毎日放送)

(アニメ4話)

巴の独自な正義感と判断

若への不満と世直しへの情熱

巴は、若が慎重すぎる点に不満を抱いていた。宿代の件でも事件を見過ごそうとする若の態度に対し、自らの機転で世直しの役割を果たしたと考えていた。さらに、刀を抜く機会を得られないことも不満であり、若が積極的に厄介ごとへ首を突っ込むことを望んでいた。

果実と宿での待機

巴は、亜空から持ち帰った瑞々しい果実の品質に感心していた。若の判断で食べられると確認された果実は傷んでおらず、力強い生命力を感じさせた。馬車で荷物の番をしながら、巴は若への感謝の気持ちと任務への期待を抱いていた。

尾行者への対処

澪を尾行してきた六人が動き出したことを察知した巴は、馬車の周囲を警戒しつつ、若の命令通り力を加減して対応することを決意した。侵入を試みた二人を陽気に問い詰めつつ、その未熟さを見抜きつつも慎重に対処した。

加減を誤った結果と追撃

巴は、軽く放った一撃で一人の敵を意図せず重傷に追い込んでしまった。この事態に動揺しながらも、中衛の二人を捕らえることを目標に切り替えた。逃げる敵を素早く追い、二人のうち一人を確保することに成功した。

尋問への期待と若への想い

捕らえた敵から情報を引き出し、ベースの悪を一掃する計画を思い描いた巴は、順調な展開に満足していた。同時に若への信頼と、彼を助けたいという思いが行動の原動力となっていた。

捕虜の性別と誤解

捕虜の確認と巴の弁解

若は捕虜が女性であることに驚き、巴に対して確認を求めた。巴は捕虜が男性であると主張しつつも、詳細な確認を怠った結果として性別を誤認していた。さらに、武器の所持にも気づいておらず、若から厳しく指摘された。

少女との出会いと呪いの誤解

散歩中に拾った少女は、若の呪いについて興味を示し、共通語が使えない理由を魔族の仕業と考えていた。彼女の話によると、共通語は女神の祝福によりヒューマンにだけ与えられるものらしく、若はその枠から外れる存在として認識されていた。

共通語の仕組みと若の決意

少女の説明から、共通語が神聖な祝福によって自然に習得されることが明らかになった。この仕組みを知った若は、自分がヒューマンではなく化け物と分類されることに憤りを感じ、女神への対抗心を強めた。

少女の本題と状況の進展

少女は自身の家族が行方不明であることを本題として語り始めた。この話を聞きながら、若と巴は彼女の状況を理解し、これからの対応について考えを巡らせた。

若の無表情と捕虜の尋問

尋問の始まりと捕虜への対応

澪が部屋へ戻ると、無表情な若と神妙な巴が捕虜を前にしていた。捕虜は女性で、巴が睡眠魔法をかけて動きを封じた状態であった。若は冷静に尋問を進めるため、巴に通訳を任せた。尋問の内容はスムーズに進み、捕虜の所属する集団がただの窃盗団ではなく、少女の姉を含む悪事に関与していることが明らかになった。

若の変化と少女の姉の絵

尋問中、若が澪に見せたのは、少女が描いた姉の似顔絵であった。この絵を捕虜が見た瞬間に態度を変えたことで、若は何か重大な事情を察した様子だった。若は、少女の姉を救う決意を固め、澪と巴に早急な捜索を命じた。

澪と巴の反応と任務開始

若の指示に対し、巴は黄門様になぞらえた軽口を叩きつつも任務に同意した。一方、澪は若の冷たい視線に居心地の悪さを感じつつも、主の期待に応えるべく準備を進めた。二人は宿を出発し、捜索に向かった。

巴の能力と若の記憶

道中、巴は若の記憶を一部見たことがあると語ったが、澪には詳細を伏せた。巴によると、若の重圧ある雰囲気は少女の姉に関する情報と無関係ではなく、早急な結果が求められていると示唆された。

任務への決意と旅の継続

澪は旅の平穏を守るためにも、今回の任務を確実に果たすことを決意した。闇を纏う彼女は巴と共に、少女の姉の救出と若の心の重圧を解くべく行動を開始した。

6

交易所での交渉とリノンの行動

果物の由来と交易所への道中

真は朝早く、馬車で交易所へ向かう途中、リノンと会話を交わしていた。リノンは真に手綱の扱いを指摘しつつ、積荷の果物について質問を投げかけた。真は亜空で採取した果物を、霧の中の不思議な集落で入手したという半ば虚実混ざった説明をした。リノンはその話を半信半疑で聞きながら、馬車は交易所に到着した。

交易所での果物の売却交渉

交易所では、真が澪の説明を補いながら交渉を進めた。試食を行った商人たちは果物の味に驚愕し、一箱あたり金貨三十枚、計五百枚という高額で取引が成立した。真は、この額が予想外の高値であることに驚きつつも、交渉を終えた。リノンは取引の金額を聞いて一時呆然となったが、交易所を後にした。

リノンと男の密会

宿に戻ると、リノンは家に戻ると言い残し出ていった。しかし、真は界を通じてリノンがある男と密会している様子を監視していた。男は、リノンが取引の情報を持ち帰ったことに不満を漏らし、さらに下衆な提案を持ちかけた。リノンは激しく抵抗しながらも、姉を助けるために渋々承諾した。

真の葛藤と決意

真はリノンの窮状を見ながら怒りを覚えたが、目の前で暴力的な手段を取ることを躊躇した。代わりに、リノンと姉を救うための計画を胸に秘めながら、次の行動を待つことにした。巴と澪が戻るまで、真は静かに眠りにつくことを決めた。

7

姉妹の再会と状況の整理

目覚めと再会の場面

真が目を覚ますと、部屋には巴、澪、リノン、そして彼女の姉トアがいた。トアは深々と頭を下げ、感謝の意を表していたが、その緊張した様子に真は困惑していた。巴と澪の報告によると、トアは無事で、厄介な薬の効果も澪の浄化能力で解消されたとのことである。

トアの姿と真の動揺

トアは真の記憶にある人物と瓜二つで、その外見が真に動揺を与えていた。彼女の顔立ちやスタイル、さらには声までが酷似しており、真は内心で混乱していたが、それを表に出さずトアの話に耳を傾けた。

巴と澪の活躍

トアは自身が監禁されていた際の状況を詳しく話し始めた。彼女の話によると、巴と澪は音もなく部屋に現れ、闇魔術や強力な剣術を駆使して敵を蹴散らしたという。さらに、対魔術防御が施された扉や建物を破壊し、ギルドのエースが率いる混成チームをも圧倒したと語られた。

リノンの態度と真の疑念

リノンはトアが無事にもかかわらず、浮かない表情をしていた。真はリノンが宿に戻る際、交易所で得た金を盗むよう命じられたのではないかと推測し、その行動を見守っていた。彼女の態度には後ろめたさが感じられたが、トアの話に集中することにした。

隠された真相の片鱗

トアは感謝を述べつつ、彼女の監禁と救出に関する詳細を語り続けた。その中で、真は巴と澪の行動が想定を超えたものであったことを知った。二人の活躍が隠密行動を逸脱しているように思えたが、トアの語る真相がさらなる波乱を予感させた。真は仮面の下で動揺しながらも、トアの次の言葉を待ち続けた。

トア

失われた夢と新たな出会い

果ての地での探索と挫折

トアは果ての荒野で仲間とともに探索を続けていたが、危険な環境が彼女たちを追い詰めた。エルダードワーフの鍛えた武具を求めて果ての地に向かい、その中でパーティーは次々と命を落とした。残されたトアは借金返済のため、冒険者としての夢を諦めざるを得なくなった。彼女は娼館や人体実験のモルモットとして使われるなど、過酷な運命に縛られていた。

巴と澪との劇的な邂逅

絶望に沈むトアのもとに現れたのは、巴と澪という二人の女性であった。彼女たちは闇魔術や浄化能力を駆使し、トアの体内に作用する薬の効果を取り除いた。さらに強化された扉を闇で破壊し、トアを救出した。その圧倒的な力にトアは驚愕したが、状況を理解する暇もなく、二人による次の行動が始まった。

敵対勢力との戦闘と圧倒的な勝利

巴と澪は、冒険者ギルドのエースを含む強敵たちを相手にしながらも、一方的な力で彼らを制圧していった。特に、巴の拳がギルドの最高峰の防御壁「クレイイージス」を突破し、エースを吹き飛ばす場面は圧巻であった。澪も闇魔術を駆使し、敵を次々と倒していった。その圧倒的な光景を目の当たりにしたトアは、二人が語るレベルの高さを疑うことなく受け入れるしかなかった。

果てのベースの壊滅

戦闘が終わり、二人はさらなる力比べを始めた。その結果、ベースの大部分が破壊され、跡地には瓦礫とクレーターが残された。唯一無傷で残ったのは、高級宿の建物一軒だけであった。トアはその光景を見つめながら、自分の運命が大きく変わろうとしていることを感じた。

若様との対面

巴と澪に保護されたトアとその妹は、二人の主である「若様」と呼ばれる人物と対面することになった。荒野の果てで絶望の淵にあったトアにとって、この出会いが新たな希望となることを予感させるものであった。

壊滅したベースと次なる道

更地となったベースの惨状

真はトアの話を聞いた直後、窓から外を見てベースが完全に破壊され、ただの更地になっていることを確認した。怒りがこみ上げたが、妙に冷静な部分もあり怒鳴るのを堪えた。そして部屋を見渡し、リノンの無事を確かめた。彼女が真に抱きつき泣き出す姿を見て、彼女が経験した混乱と恐怖を痛感した。

巴と澪への制裁

リノンが泣き疲れて眠った後、真は巴と澪に視線を向け、制裁を決意した。特製の矢と弓を用意し、二人の衣服に紐を結んで矢を放った。二人は叫びながら遠くへ飛ばされた。真はこれで二人に反省を促そうとしたが、ベースの壊滅による現状の深刻さを改めて実感した。

今後の計画の立案

真はこの状況から抜け出すために計画を立てた。巴は武者修行という名目で別行動を取らせることにし、澪は護衛として同行させることにした。目指すのは次の街ツィーゲ。巴の不在がトラブルを減らすと期待し、急いで行動を起こすことを決意した。

助け出した人々への対応

真はトアと共に助け出した人々を集めた。彼らは廊下で正座しており、緊張しきった様子で頭を下げた。元々はベースで解放する予定だったが、ベースが壊滅したため宿に連れて来られていた。真は冷静さを取り戻し、彼らに「次の街まで送る」と一言だけ伝えた。

エピローグ  ~とある城にて ~

魔王の決断と謁見の間の動揺

女神と勇者の覚醒

謁見の間にて、魔王は重苦しい空気の中で会議を招集した。女神が目覚め、勇者が召喚されたとの報告がもたらされ、魔王は状況の深刻さを説明した。勇者の出現により、魔族が築いてきた戦果と計画が水泡に帰す可能性が高まったことを明かした。将軍たちは落胆の色を隠せなかった。

魔族の戦果と現状の安定

十年前、魔族は女神の突然の休眠と亜精霊の協力要請を契機に戦争を開始した。結果として、女神信仰の中心地であるエリュシオンを滅ぼし、その国土の半分以上を支配下に収めた。さらに、海に面した凍らない港を手に入れ、多くの民を飢えから救った。現在、魔族はリミア王国とグリトニア帝国への進軍を視野に入れつつ、内政を優先し平和を維持していた。

勇者の脅威と三人目の謎

魔王は勇者たちがリミアとグリトニアに降りたことを確認し、彼らが持つ魔力が自身を上回ると指摘した。しかし、使いこなすには時間がかかるとし、不安を軽減させる発言をした。また、世界の果てに異質な存在を感じると語り、勇者ではない異世界人がいる可能性を示唆した。その得体の知れない存在が、味方となるか敵となるかは不明である。

前線再構築と未知の力への期待

魔王は、前線の軍を再構成するよう命じるとともに、果ての存在について調査を進めるよう指示を出した。その存在が味方となれば、女神や勇者に対抗し得る戦力になると期待を込めた。魔族が築いてきた戦果を守るため、新たな戦略が必要であると判断した。

魔王の期待と荒野の謎

謁見の間を後にする将軍たちを見送りながら、魔王は果てにいるとされる異世界人に興味を抱いた。その力がどのように魔族に影響を及ぼすのか、そしてそれが女神や勇者に対抗する鍵となるのか、魔王は期待と不安を抱きつつ次なる動きを考えていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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