小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 12巻」魔族領編 感想・ネタバレ

小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 12巻」魔族領編 感想・ネタバレ

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どんなラノベ?

薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー! 

え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?

そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。

彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。

そこが笑いどころ。

読んだ本のタイトル

#月が導く異世界道中  12
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ  氏

gifbanner?sid=3589474&pid=889458714 小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 12巻」魔族領編 感想・ネタバレBookliveで購入gifbanner?sid=3589474&pid=889059394 小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 12巻」魔族領編 感想・ネタバレBOOK☆WALKERで購入

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1巻から12巻までの流れ

普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てされた主人公。

荒野を彷徨っていたら、オーク(♀)と出会い、彼女を生贄に求めた上位竜を覚えたての魔法で倒して従者にする。

上位竜を配下にした結果、亜空と呼ばれる異空間を手に入れる。

荒野で出会ったオーク達を亜空に移住させて彼等も配下に置く。

その直後、空腹で正気を失ってる災厄の黒蜘蛛がエルダードワーフを追って襲ってきたので撃退。

その結果、黒蜘蛛が正気を取り戻して従者になる。

上位龍を巴、黒蜘蛛を澪と名付けて、亜空の住民の投票結果で主人公は【若】と呼ばれる事になる。

その後にエルダードワーフ、巴の眷属ミスティオリザード、澪の眷属アルケーが合流して街を造る。

それでも人に会いたい主人公はベースキャンプ絶野に行くが、、

巴と澪が悪乗りしてベースキャンプ絶野は壊滅する。(1巻)

遂に大きなヒューマンのツイーゲの街に着いた一行。

そこで、呪病に苦しむレンブランドの依頼を目にして、彼の妻、娘2人を癒す。

そして、暗躍していたライムを懲らしめて配下に加える。(2巻)

レンブランドの家族を癒した薬の原料アンブロシアを手に入れるため、群生地に行ったらアンブロシアを守護している森鬼が襲って来た。

それらをアッサリと捕獲して、森鬼の村に潜伏していたリッチを秒殺で押さえ込んで、主人公の魔力を蓄積した指輪13個を彼に装備させ、下駄を履かせて3人目の従者にして終わる。

イケメンの 従者、識登場!(3巻)

識と学園都市に行く転移魔法の使用中に突然戦場に拉致られた。

目の前には、大剣を振りかぶってる、王都攻略を目論むヒューマン最強のソフィア。

2人の勇者は連合軍を率いてステラ砦に進攻していたが、魔族の罠にハマってほぼ壊滅。

主人公、勇者達はそれぞれの戦場で何とか生き残る。(4巻)

突然戦争に巻き込まれ負傷してやっとたどり着いたのに、入学試験ではなく、臨時教員の試験だった。

その試験に主人公だけが合格して教職に就く。

週に1枠の授業を設けると、あまりのハイレベルな授業に上昇志向の強い数名しか残らなかった。

授業以外の日は店を開く準備をして、従業員を亜空から呼んで、、

来たのはアクエリアスコンビ。

波乱の予感しかないw(5巻)

突然上位龍が主人公達を尋ねる。

過去の勇者の嫁であり、冒険者ギルドのギルドマスター。

ルト、主人公の境遇をよく理解しておりサポートすると言ってるが、対価が、、

そして、店の名前で異世界人を保護する国。

ローレルに目を付けられる。(6巻)

大繁盛している葛の葉商会が認知され。

目玉商品の安価な薬品の秘密を知りたがる連中があの手この手で主人公に迫って来る。

そして、商人ギルド長からは輸送手段の技術を公表しろと高圧的に迫られ、金銭で解決しようとしたら売り上げの9割を寄越せと凄まれる。

そんな世間の荒波に打ちのめされた主人公は・・・(7巻)

魔族の謀略により都市に魔物が多く発生して大混乱に陥る。

それをある程度放置して、学院長から命令されて渋々と主人公達は鎮圧にかかりアッサリと鎮圧する。(8巻)

通信が回復したら急報で、帝国と王国が魔族軍の襲撃に遭っていると連絡が来た。

勇者の危機なので、また女神からの召喚があり、勇者の助太刀へと王都へ飛ばされる。(9巻)

魔族の策略で混乱したロッツガルドの再建に尽力するクズノハ商会。

目論見通り誰も無視出来ない存在となり、主要国の重鎮達も注目されて利権問題も有耶無耶になる。

コレで落ち着くかなと思ったら、亜空に地球の神達が訪ねて来た。(10巻)

遂に勇者、響と再会しお互いの近況を報告し合う。

帝国の勇者、智樹とも会談するが此方は巴を寄越せと脅迫して来たので、反撃してボコボコにしたので完璧に関係は決裂。

魔族の国へ赴き、首都ではパレード(表紙)の後、魔王との対面は比較的に和やかに終わる。(11巻)

あらすじ・内容

2021年TVアニメ化決定! 魔族領を訪れた真たちは、魔王から破格とも言える手厚い歓迎を受けていた。そんな中、真と魔将の親善試合の会場に反魔王勢力の刺客が乱入するという事件が発生。襲撃者は無事鎮圧されたものの、彼らが使った神器により恐るべき上位竜が降臨する。大破壊をもたらすブレスから街を守るため、クズノハ商会一行が立ち向かう!

(月が導く異世界道中12

感想

魔族はこれだけ冷遇されてるのに。

 魔族の中でも女神に縋る奴等が居るんだ。

しかも元貴族らしい。

そんな奴らが暗躍して精霊神殿の精霊を暴走させ、龍を呼ぶアイテムを使って上位龍のルトを召喚する。

それらを全て葛の葉商会がブッ潰す。

ルトの最大の攻撃を撃つ本人の解説があり従者2人の補助があるとはいえ、魔力を物質化してルトの攻撃を最小限の被害に抑え込んで解決してしまう。

まさに理不尽。

魔将4人相手の模擬戦でも主人公1人で圧倒してしまうのは当たり前だな、、

その結果、主人公は魔族の幼女(魔王の娘)を使用人としてゲット。

相変わらず不幸体質。

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備忘録

1

魔族領での訪問と次なる目的地への旅路

魔王陛下との会談を終えて
真は魔王との会談を終え、従者の澪と識と共に部屋へ戻った。会談中、魔王やその家族からの鋭い質問に答えつつも、彼らの好意的な対応に安心感を覚えていた。識は知人であるロナとの対話を通じて誤解を解く計画を立て、澪は街で食べ歩きをする予定を楽しげに話していた。一方で真自身は、次の目的地である瑠璃の火山への旅を控え、その準備を進めていた。

従者たちの行動と別れの挨拶
識は過去の関係を基にした話し合いを行い、澪は魔族領の街を散策する計画を練っていた。真は従者たちに注意を促しながら、自身の任務を優先することを決めた。澪の言葉や態度に和やかな空気が漂い、真は短い別れを告げて出発した。

瑠璃の火山への道中
魔法を駆使して過酷な雪嵐の中を進む真は、目的地の瑠璃の火山に到着した。外観は赤く輝き、内部は青い光で満たされており、幻想的な景色が広がっていた。山の中腹で命の反応を感知し、その先の洞窟で出迎えを受けた。

紅璃の卵の受け渡し
洞窟内で出会ったスライム状の守役に紅璃の卵を手渡した。守役は真に敬意を示し、案内役を申し出た。無事に任務を終えた真は、火山の景色を堪能しつつ、紅璃や守役たちに関する情報を確認する計画を立てた。

次なる行動への意欲
任務を終えた真は、新たな挑戦への意欲を胸に秘境の景色を楽しみながら、配達の役目を無事に果たした充実感を味わっていた。

魔族領での宴会と秘められた真実

瑠璃の火山からの帰還と宴会の準備
真は紅璃の卵を無事に届け、魔族の都に戻ってきた。魔族の宴会に参加するため、ドワーフ製の礼服に着替えを整え、従者の識と共に控室で準備を進めた。真は今回の訪問に伴う一連の行動を振り返りつつ、魔族との関わりが今後どのように発展するのかを考えていた。

宴会の雰囲気と魔王との距離
宴会は格式張った披露宴のような雰囲気で進行した。識の予測通り、真たちは魔王に近い席に案内され、特別な扱いを受けていた。魔王やその周囲から頻繁に視線を感じながらも、魔族の気配りと宴会の華やかさが、真たちに一時の安らぎを与えた。

予期せぬトラブルと澪の影響
宴席で澪が原因となるトラブルが発生した。ケリュネオンで澪に恐怖を植え付けられた魔将レフトが彼女の姿を見て卒倒してしまったのである。記憶は消えていたが、深層に残るトラウマが影響した結果であった。この事態に、真たちは内心複雑な思いを抱えつつも、場の収拾に努めた。

魔王との夜の対話
宴会中、魔王が真をバルコニーに誘い出し、都の夜景を眺めながら対話が始まった。魔王は自らの治める魔族社会の歴史や厳しい現実、そして自らが下した決断について語った。彼はまた、真の思想や価値観を探るような質問を投げかけ、魔族との共存に向けた対話の糸口を見出そうとしていた。

ケリュネオン奪還の告白
真は意を決して、ケリュネオンを魔族から奪還したのが自分たちであることを魔王に告げた。その理由を、自身の両親の故郷を守るためであったと説明し、部下が暴走して行動した結果であると補足した。魔王はその言葉に驚きを隠せないながらも、真の告白を受け入れた様子を見せた。

宴席への復帰と安堵
魔王との対話を終え、真は宴席に戻った。識と澪の穏やかな態度に迎えられ、真は自身の告白がもたらす影響を考えつつ、魔族との交流の中でこれからどのように振る舞うべきかを模索し続けていた。

2

夢に現れた未来と現実

不穏な夢の始まり
真は夢の中で自分が年を取った姿を目撃した。その場は現実感のない霧の中に佇む不思議な場所であった。そこには公園のようなベンチが置かれ、思いつめた表情の「未来の自分」が座っていた。突然、そこに現れたのは巴であった。彼女との対話から、この夢がただの幻想ではなく、何かを暗示していると感じられるものであった。

巴との深い対話
夢の中で巴は真に向かい、自身が未来で命を失ったことを語った。さらに、澪も同様に失われたことが示唆された。真の「未来の姿」は、巴と澪を失った悲しみと後悔を抱えつつも、魔族のために進むべき道を選び取ったようであった。巴は真に、過去を振り返らず未来を見据えるように説き、穏やかな笑みを浮かべながら霧に消えていった。

夢の終焉と現実への疑念
目覚めた真は、夢の内容が現実と結びつく可能性に恐怖を覚えた。その夢は単なる幻想ではなく、未来の暗示であるように感じられた。巴に夢を記録してもらうため、念話で呼び出し、屋敷近くの林で彼女と再会した。巴の協力で記憶を探ったが、夢の内容は見つからなかった。それにも関わらず、真はこの夢が持つ異常性を強く意識していた。

現実と夢の交錯
巴は修練を続けており、その真剣な姿に真は安心を覚えた。彼女は「若の従者は容易く死なない」と力強い言葉を述べ、真に希望を与えた。しかし、真は夢の内容を明確に記録しておくべきだと決意し、部屋に戻り記憶を整理することを選んだ。

未来への不安と希望
夢が示す不吉な未来にもかかわらず、真は自分の道を見失わないと心に誓った。巴と澪を失うなどという未来を回避し、誰も犠牲にしない理想を追求する覚悟を新たにした。その決意を胸に、真は未来に向けて進み続ける道を模索していた。

魔族の歓待と識の活躍

澪の夜の独白
澪は魔族の国での待遇を快く感じていた。魔族たちは強者への畏敬を持ち、真を敬意を持って遇していた。澪はヒューマンの価値観に不満を抱いており、彼らが真を軽んじる理由を理解できなかった。彼女は、魔族が真を正しく評価する姿勢に感銘を受けつつも、完全に満足しているわけではなかった。宴の余韻の中、澪はその日食べた料理をリスト化し、真との時間を重視して早めに休む準備を整えていた。

識と魔族の緊張した対話
識は魔族の高官ロナとの会談に臨んでいた。彼は過去の情報を基に、魔族内部に存在する竜群王笏やレジスタンスについての疑念を追及した。ロナは魔族の内部事情を探られることを恐れつつも、魔王ゼフがクズノハ商会を重要視している旨を語り、友好関係の維持を訴えた。識はロナの態度から、多くの情報を引き出しつつ、彼女がまだ何かを隠していると確信した。

魔族内での疑念の高まり
識が部屋を去った後、ロナや次期魔王候補たちは彼の情報力の高さに驚愕していた。識の行動やクズノハ商会の能力が、魔族内での彼らの考え方や戦略に大きな影響を与える可能性があると認識された。同時に、識の指摘により、ロナの信頼性に疑念が生じ、魔族内の緊張感が一層高まった。

ゼフの決意と魔族の嵐
この夜、ゼフはクズノハ商会と魔族の未来について新たな方向性を模索していた。ロナをはじめとする魔族の高官たちは、ゼフの決断がもたらす影響の大きさを理解し、これを魔族にとっての好機に変えようと決意を固めた。一方で、識の鋭い追及とクズノハ商会の存在は、魔族の内部に新たな嵐を引き起こす兆しとなった。

3

魔族の親善試合の提案

魔王ゼフからの提案
真が次期魔王になる夢を見た翌日、魔王ゼフから親善試合の提案がなされた。真たちは試合を受けることで魔族との友好関係を深める意図を理解しつつも、慎重に対応を考えた。試合の相手は魔将かそれに準ずる者とされ、試合自体は象徴的な意味を持つものであった。

精霊神殿への案内
試合の前日、ゼフは真に精霊神殿を訪れる機会を与えた。地と火の上位精霊と会えるという提案に、真は緊張しながらも興味を抱いた。ゼフの娘であるサリとルシアが案内役を務めることになり、一行は魔族の街を楽しみながら神殿へ向かう準備を整えた。

澪とルシアの対立
神殿への道中、澪はルシアとの間で一触即発の緊張を引き起こした。ルシアが真の謙虚な態度を批判したことに端を発し、澪の辛辣な発言が火に油を注いだ。真は魔力で二人を拘束し、争いを鎮めると同時に、精霊神殿周辺の異常な歪みに気付いた。

歪みの調査開始
神殿付近の歪みは、精霊の力が異常に高まっていることが原因であった。サリが詠唱を用いて揺らぎの空間を開き、ルシアとサリが神殿内の調査を提案した。識と澪はそれぞれ異なる方法で入り口を広げ、神殿内への進入をサポートした。

神殿への突入
準備が整った一行は、広がった入り口から神殿内へ進入を開始した。それぞれの異なる方法で道を切り開いた識と澪のやり取りは、他のメンバーに微妙な空気を残しつつ、彼らの進行を支えた。

精霊の異常事態

精霊の乱舞と危険な空間
歪んだ空間の内部では、地と火の精霊が狂ったように暴れまわっていた。密度の高い魔力を帯びた精霊たちが踊り、石や金属が空を舞い、炎がアートのように渦巻く様相を呈していた。真たちは、精霊たちの無軌道な行動に巻き込まれないよう注意を払いながら進んだ。

進行の停滞と撤退の議論
ルシアとサリが精霊の攻撃を防ぎながら進むも、進行は非常に遅かった。真は効率の悪さを指摘し、一度撤退して戦力を整えるべきだと提案したが、撤退のための出口を作る余裕すらない状況であった。ルシアは責任感から前進を主張したが、消耗が激しく、徐々に追い詰められていった。

識と澪の反撃
状況を打開するため、澪と識が前に出て精霊たちの攻撃を一掃する準備を整えた。澪は独自の力を使い周囲の精霊を静め、識は細かい調査を進めながら残った精霊を排除した。真はこの間、ルシアとサリの保護に努め、無事に全員を次の安全な地点まで誘導した。

上位精霊との対峙
次の安全地帯で一息ついた直後、地の上位精霊ベヒモスが現れた。圧倒的な体躯を誇るその姿に驚く一行であったが、真は正面から力比べに挑み、ベヒモスを押し返して大祭壇へと追い込んだ。その後、火の上位精霊フェニックスの出現が確認され、再び緊張が走った。

二手に分かれた対策
澪はフェニックスの鎮圧を名乗り出て、識はベヒモスへの対応を引き受けた。真はルシアとサリの安全を確保しつつ、彼らをサポートする体制を整えた。両精霊との対決が進む中、各々の役割が明確になり、事態の収束に向けて行動が加速していった。

サリ

精霊神殿の異常事態と戦闘

クズノハ商会の戦闘力の衝撃
上位精霊との戦闘が始まるや否や、サリはクズノハ商会の圧倒的な力を目の当たりにした。彼らが地と火の上位精霊をそれぞれ一人で相手にしている事実に、驚愕を隠せなかった。従来の物差しでは計り知れない強さに、サリはただ見守るしかなかった。

澪とフェニックスの戦い
澪は空を滑るように動き、不死鳥フェニックスと互角以上の戦いを繰り広げた。フェニックスの再生能力は魔将イオをも凌駕するものであったが、澪は徐々にその動きを鈍らせていった。最終的に、澪の攻撃によりフェニックスは黒い炎に包まれ、戦闘不能に追い込まれた。

識とベヒモスの一戦
地の上位精霊ベヒモスを相手に、識は術師ながら近接戦闘を展開した。地属性の頂点であるベヒモスに対し、識は高位の術式や剣技を駆使して応戦し、数々の傷を負わせた。戦闘は術と剣が交錯する激戦となり、最終的には識の術による鎖でベヒモスを拘束し、動きを封じた。

ライドウの冷静な指揮
ライドウは戦闘中も常に冷静で、仲間たちを信頼して戦局を見守った。サリにとっては、識や澪が極限状況で繰り出す技の数々以上に、ライドウの落ち着いた姿が印象的であった。彼の指揮の下、戦闘は終始クズノハ商会に有利に進んだ。

サリの覚悟
戦闘を目撃したサリは、ライドウの力が魔族全体にとっても計り知れない存在であることを理解した。彼を敵に回すことの恐ろしさを悟りつつ、魔王の子としての自身の役割を改めて見つめ直した。サリは、魔族の未来を守るため、自分にしか選べない道を進む決意を固めた。

4

精霊神殿事件と魔族の反応

クズノハ商会による報告
精霊神殿での異変に関し、クズノハ商会の見解が報告された。触媒を用いた儀式魔術による歪みが祭壇で発生したとされ、犯行の背後には魔王ゼフへの反対勢力が関与していると推測された。魔王ゼフはその推測を肯定し、ヒューマン勢力や女神の神殿には特異な動きがないことから、内部の仕業である可能性を示唆した。

ライドウの力への驚嘆
報告の中で、ライドウの驚異的な実力が語られた。彼は上位精霊ベヒモスとフェニックスを同時に制圧し、無傷で神殿の異常を収めた。ゼフはその実力が大国を凌駕し得るものと評価し、ライドウの力を「魔人」と称した。その一方で、識の成長と彼の戦闘力も驚異的であり、リッチとしての限界を超える実績を見せたとされた。

精霊との合意
正気を取り戻した精霊たちは、ライドウたちと和解し、それぞれ困った際には助力を求める約束を交わした。ゼフはこの結果を歓迎しつつも、クズノハ商会が持つ影響力の大きさに一抹の不安を抱いた。

魔王の考察と危機感
魔王ゼフは、今回の事件が精霊神殿訪問のタイミングを狙った計画的なものであると推察した。クーデターを望む内部勢力が、クズノハ商会を巻き込む形で動いた可能性に言及し、裏切り者の捜索を命じた。また、事件を通じてライドウの力量を把握する意図があったことを示しつつ、計画以上の結果に驚きを見せた。

婚姻に関する議論
ゼフは、ライドウとの婚姻を通じて関係を強化する案を再度提案したが、ルシアはこれを受け入れる一方で、サリは反対の立場を取った。サリは、婚姻がライドウの側近である澪の感情を逆撫でし、魔族への妨害を招く可能性を指摘した。さらに、ライドウを縛る新たな方法を模索していると告げ、その詳細は後に改めて話すとした。

親善試合の準備
ゼフは、翌日に控える親善試合について、観戦者を制限する方針を示した。また、サリに対しては試合への参加を禁じ、別の任務を与えた。ゼフは試合の意図を明確にしつつ、クズノハ商会との今後の関係構築について慎重な姿勢を見せた。

魔王ゼフとの宴席でのやり取り

ゼフからの感謝と提案
ゼフは精霊神殿での異変を解決したことや、親善試合を引き受けたことへの感謝を述べ、真を高く評価した。そして、娘であるルシアまたはサリとの婚姻を提案したが、真はこれを丁寧に断った。

宴席での会話と魔王の配慮
ゼフは冗談交じりに真の女性の好みを尋ね、澪の名前を挙げて話題を広げたが、真は慎重に対応した。ゼフの発言には軽妙さがありつつも、娘たちの将来を気遣う親としての一面が垣間見えた。

特別な贈り物の授与
ゼフは、魔族領での通行を許可する特別な通行証、商売の無税許可証、そして魔族領全域を記載した地図を真に授与した。これらの贈り物は、精霊神殿での貢献や親善試合の引き受けに対する感謝として与えられたものであった。

親善試合への期待
ゼフは、贈り物が真の実力に見合うものであると述べ、翌日の親善試合での真の戦いぶりに期待を寄せた。真も試合に向けての意気込みを見せた。

宴席の終盤
宴席では、ゼフが真を気遣いながらも、親しみを込めたやり取りを続けた。女性の好みに関する話題が再び繰り返され、真は困惑しながらも宴の雰囲気に対応していた。夜が更ける中、魔王と真の関係はさらに親密なものとなった。

5

親善試合の開幕

会場の概要と真の心境
魔族の親善試合が行われる広大なホールで、真は一人立っていた。観客席は少数精鋭で、緊張感が漂う中、真は魔王ゼフの意図を考えつつ、贈られた特典に応える覚悟で臨んでいた。

魔将との対面
試合相手として現れたのは魔将四人、イオ、ロナ、レフト、そして術師モクレンであった。彼らはそれぞれ個性と実力を持ち、真との対峙に挑んだ。モクレンが真の人種に言及する場面では、和やかさと緊張感が交錯していた。

試合の開始と真の対応
真は魔力体を駆使し、魔将たちの連携攻撃をしのぎつつ反撃した。イオの肉体的な猛攻、ロナの巧妙な魔術、レフトの槍捌き、モクレンの儀式魔術と符術が織り交ざる中、真は適切な判断と技術で応戦した。

モクレンの儀式魔術と溶岩の玉
モクレンは巨大な溶岩球を展開し、真に向けて攻撃を仕掛けた。真はそれを受け止めるという大胆な行動で対処し、攻撃を投げ返すことで試合は激しさを増した。さらに、魔将たちの連携で再度の攻撃が展開されたが、真は冷静に状況を打開した。

魔王ゼフの介入
溶岩球が観客席に向かう中、ゼフ自身が剣と魔術を駆使してこれを防いだ。その際、彼の戦士としての卓越した技術が披露され、真はその力量に感嘆を覚えた。魔王としての威厳と力が会場全体に示された。

試合の終了と不意の襲撃
ゼフが試合の終了を宣言しようとした瞬間、空から襲撃者の声とともに光弾が降り注いだ。試合の緊張感が一転し、真や魔将たちは状況を把握しつつ防御に移行した。その中で、澪と識が真の元へ駆け寄り、緊迫した場面がさらに深まった。

魔族の都を襲う危機

襲撃者たちの登場と混乱
ホールの天井が吹き飛び、突如として現れた武装集団による攻撃で魔族の都は大混乱に陥った。ゼフ陛下と魔将たちは即座に防御と反撃に移り、観客たちは迅速に避難した。しかし、被害は甚大であり、瓦礫が散乱するホールはもはや見る影もなかった。

武装集団とゼフ陛下の対話
武装集団の代表者はゼフ陛下を「圧政者」と非難し、彼の政策に異議を唱えた。一方、ゼフ陛下は魔族存続のための現実的な政策を主張し、両者の意見は交わらなかった。代表者は女神への信仰を語り、魔族をヒューマンに隷属させる未来を提案したが、ゼフ陛下はこれを強く否定した。

ゼフ陛下の決断と武装集団の壊滅
話し合いの末に、武装集団の意見はゼフ陛下に否定され、戦闘が開始された。ゼフ陛下と魔将たちは圧倒的な実力で武装集団を壊滅させたが、彼らの目的は時間稼ぎであった。瓦礫の中から現れた神器「竜群王笏」がその真の狙いであった。

竜群王笏の発動とルトの召喚
神器から放たれた光によって、上位竜ルトが召喚された。ルトは圧倒的な存在感を放ちながら、強大な攻撃を準備していた。ゼフ陛下もその存在に動揺を隠せず、ルトの召喚が万分の一以下の確率であることを指摘した。

真の決意と対策
ルトの力が及ぶ範囲を考えた真は、都を守るための策を練った。識から提供された作戦に従い、澪の協力を得てルトの攻撃に立ち向かう準備を整えた。混乱の中で真は、魔族の未来を背負うゼフ陛下の意志を感じながら、自らの力で危機を乗り越えようと決意した。

6

魔力昇華の挑戦

ルトの猛攻と識の提案
真は識からルトの攻撃を無効化する方法として、魔力を物質化する案を提案された。具体的には、魔術ではなく魔力そのものを昇華させて強固な防御物質を生成するというものであった。識の支援を受けながら、真は魔力体を新たな形に変える準備に集中した。

澪の協力とルトの咆哮
ルトは六属性混合のブレスを準備する一方、威力の向上と範囲拡大を狙い咆哮を発した。この咆哮には多種多様な状態異常効果が含まれており、周囲に甚大な影響を与えた。しかし、澪は咆哮を遮断するための広域防御を展開し、その力を真の魔力で強化することに成功した。

真の集中とノイズへの抵抗
真は物質化を妨害するノイズに苦しめられながらも、深い集中によってその妨害を振り払い、理想的な防御物質のイメージを追求した。識の詠唱によるサポートが進む中、真は魔力を白銀の機械の腕として具現化する準備を整えた。

ルトのブレスと澪の防御
ついにルトの虹色の散弾ブレスが発射された。澪は展開した網を拡張し、真の魔力による支援を受けながら攻撃をほぼ完全に防御したが、一部が範囲を超え落下した。しかし、大部分の被害は防がれ、真と澪の連携が結果を生んだ。

白銀の腕の具現化
最終的に、真は自身の魔力体を昇華し、白銀の巨大な腕を具現化した。その腕は強固で無機質な力を象徴し、ルトの猛攻を受け止めるための準備が整った。圧倒的な攻撃力に対し、真は防御の象徴としての新たな力を手に入れたのである。

新たな創造と魔力の頂点

魔力の具現化
織は識の補助を受けながら、両腕の魔力体を切り離し、それを物質として具現化した。その過程で発生した耳障りな軋み音は、世界そのものが拒絶しているような印象を与えた。織は妨害を突破し、最終的に白銀に輝く巨大な腕を生み出した。

ルトの猛攻と防御の形成
ルトの散弾ブレスが降り注ぐ中、澪が広げた黒い網が攻撃を防ぎ続けた。しかし、一部が漏れ出し遠方に被害を及ぼした。織は新たに作り出した白銀の腕を使い、攻撃を一点に吸収する手法を実現し、散弾のエネルギーを掌中に圧縮した。

最後の一矢
織は虹色の散弾を完全に吸収した後、識の分析によって導き出された適切な属性を用いて、アズサを構え一矢を放った。その矢は見事に敵の攻撃の核を打ち消し、散弾の脅威を完全に終息させた。

消耗と支援の調整
術の成功により状況は一旦収束したが、織は魔力を大幅に消耗していた。澪と識の協力により、魔力を補いつつ防御と攻撃を完遂した。最後には神器である王笏も回収し、今後の悪用を防ぐための対策を講じた。

魔王との接触
ゼフ率いる魔王の一団が織に接近する中、識は迅速に行動方針を整えた。今回の事件で得た新たな知見と魔力体の力を踏まえ、今後の対処を進める決意を固めた。

7

魔族の英雄ライドウ

街への凱旋と英雄賛歌
魔王ゼフと魔将たちは、ライドウとともに街へ戻った。ライドウは魔力の過剰消費で気絶し、ゼフの腕に抱かれたまま民衆の前に立った。ゼフはライドウの尽力を称え、その言葉に民衆の歓声が街中に響き渡った。彼の名声は魔族全体に広がり、クズノハ商会に計り知れない利益をもたらすことが予見された。

サリとルシアの会話
城の窓から民衆の熱狂を眺めながら、サリとルシアはライドウの功績について語り合った。ルシアは彼の力を敵に回すべきではないと確信し、どのような犠牲も厭わず協力する意志を示した。一方、サリは自分の見た目や計画の進行状況から、自らが前に立つべきだと主張し、胸元の儀式の痕跡を見せた。ルシアはそれを見て状況の不可逆性を理解し、助力を約束した。

儀式とサリの決意
サリの胸元には特殊な儀式で刻まれた紋章があった。それはライドウとの繋がりを象徴するものであり、彼女が既に大きな決断を下している証でもあった。サリはライドウが意外に鈍感で扱いやすいと語りながらも、最終目標である魔族との協力関係構築への意欲を見せた。

出迎えと新たな道
サリとルシアは民衆の熱狂を背に、ゼフとライドウを出迎えるため城を後にした。サリは、もう戻ることはない場所を後にしながらも、ライドウの未知の側面に興味を抱いていた。その独白は静かに喧騒に消え、新たな決意を胸に彼女は歩みを進めた。

魔族の秘密とライドウの影響

ライドウの回復と精霊の懸念
ライドウの目覚めをロナがゼフに報告した。精霊フェニックスとベヒモスは、その回復の早さに呆れと驚きを見せつつも、ライドウを取り込むべきではないと助言した。彼を戦争に利用することは危険であり、場合によっては精霊たちが魔族への支援を停止する可能性も示唆された。ゼフはその意見を受け入れ、ライドウを戦争に関与させないと約束した。

ライドウの力への議論
ライドウが創り出した両腕について、ゼフとロナは議論を交わした。その魔力の消耗は通常の魔道具召喚を超え、創造に近いものである可能性が指摘された。ゼフはライドウが竜の頂点とも言える存在と繋がりがある可能性を示唆し、その影響力に危機感を抱いていた。ロナはライドウの脅威を認識しつつも、排除する手段がない現状を報告した。

ロナの忠誠と使命
ゼフはロナの負傷を労い、彼女の忠誠に感謝を述べた。ロナは自身の役割を誇りに思い、ゼフに絶対的な忠誠を誓った。その関係は単なる王と臣下を超えた絆を感じさせた。ロナは反乱分子の中での地位を確立しつつあり、ゼフの計画を裏で支える存在として機能していた。

反乱分子への対応
ロナは反乱分子のリーダーとしての地位を固めつつ、ゼフの意図に沿って行動していた。彼女は自らの負傷を演出し、反乱分子から信頼を得る一方で、反乱の勢いをコントロールしていた。ゼフはロナの汚れ役を担う覚悟に感謝し、彼女の働きに信頼を寄せた。

秘密裏の計画
ゼフとロナは広間で、反乱分子への対処について極秘の会話を交わした。ロナは反乱分子を内部から操り、ゼフの意志を実現するための盾と剣の役割を果たしていた。二人の会話は魔族の未来に向けた深謀遠慮に満ちており、静かに幕を閉じた。

魔族の街での試練と新たな決意

目覚めと変化の確認
真は目覚めた直後、自身の回復の早さと周囲の状況に驚いた。澪と識は通常の姿に戻り、魔族の街も早くも復興を始めていた。ゼフ陛下から偉業について説明され、街に出ると住民たちの熱烈な歓迎を受けた。食べ物や土産を押し付けられ、人々の感謝に揉まれながら、魔族の街の治安の良さにも感心していた。

宴と未来の計画
夜には盛大な宴が催され、真もその中心にいた。宴の中で遠くから注目されることに苦痛を覚えつつ、翌朝には魔族の領主たちからの書状が山のように届けられた。内容は商会の招待や商売の誘致であり、真は行商を主体に活動を続けることを考えた。多くの期待を背負いながら、魔族の街を後にする準備を進めた。

サリの驚くべき宣言
出発の際、ゼフ陛下が「最後の贈り物」としてサリを真に引き渡すことを告げた。サリは儀式によって真に絶対服従を誓った証を見せ、自身の命と自由を捧げる覚悟を語った。真はこれに困惑しつつも、儀式の解除が容易でないことや、サリを魔族の社会に戻すのが不可能である現状を知り、さらに深く悩むこととなった。

ゼフ陛下の告白と選択
ゼフ陛下はサリが実の娘であることを念話で告げ、彼女の処遇を真に託した。王としての立場から救えないとしつつ、せめて傍に置いてほしいと頼んだ。その重圧の中、真は最終的にサリを見捨てることなく、自身の亜空に連れて行く決断を下した。

亜空への帰還と新たな生活
真はサリを「座敷牢」に例えた亜空へ連れて行き、彼女が魔族社会から離れた新たな生活を始める環境を用意した。自身の甘さを感じつつも、真は彼女の生存と幸せを願いながら、その決断に責任を持つ覚悟を決めた。亜空への帰還は、新たな試練の始まりを示していた。

神との対話と自身の運命

不穏な夢と吐き気
真は再び奇妙な夢を見た。暗闇の中、自身ではない「もう一人の真」の思考が流れ込み、その感情に苛まれた。女神や世界、周囲の存在を憎悪する声が響き、次第に嘔吐感が強まり、精神的な苦痛が増していった。夢の内容は、他の誰かの復讐心と孤独感が交錯するものであり、真はその感情の激しさに圧倒されていた。

大黒天との再会
突然、大黒天が現れ、真を悪夢から解放した。大黒天は、この夢が別の可能性を歩んだ「他の真」の体験であると説明し、現在の真がその影響を受けて苦しんでいたことを明らかにした。さらに、白銀の腕を創造した瞬間から、真は全ての別の可能性から分岐し、独自の道を歩み始めたと告げられた。

創造の力とその意義
大黒天は、真が無意識に行使した創造の力について語った。魔力を物質化して新たなものを生み出す行為は、神々ですら限られた存在にしか許されない特別な力であるとした。この行為により、真は女神との戦争を回避しつつも、人間を超えた存在として特異な立場に立たされていた。

未来への助言
大黒天は、真に対して「理」や「情」に偏らず、ゆっくりと自らの判断で進むよう助言した。また、真が魔族のサリに対して下した決断を「人としては悪くない」と評価し、今後も破壊に逃げずに道を切り開くことを求めた。さらに、大黒天は次なる試練をほのめかしながら去り、悪夢を止めることを約束した。

新たな決意
目を覚ました真は、大黒天の言葉を反芻しながら冷静さを取り戻した。悪夢が終わった安心感を胸に、再び布団に戻り、次の日に備える決意を固めた。神の導きによって、彼は新たな試練を迎える準備を始めていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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