どんな本?
“月が導く異世界道中“(”Tsukimichi: Moonlit Fantasy”)は、あずみ圭 氏による日本のライトノベルシリーズ。
物語は、平凡な高校生の深澄真が、家の都合で突然異世界へ召喚され、そこで女神にブサイクと言われ、彼女によってヒューマンとの交流を禁止され、果てしない荒野に捨てられるところから話は始まる。
異世界での真の冒険は、月読命という神の加護を受け、超人的な能力を発揮しながら、亜人や魔族、上位竜、魔物といった様々な存在と出会い、主従契約を結ぶことから始まる。
この物語は、2012年に「小説家になろう」で発表された後、アルファポリスから書籍版が出版され、漫画やアニメ化もされている。
深澄真をはじめ、多彩なキャラクターが登場する。
巴(旧名:蜃)は強力な上位竜で、真と戦闘し彼の記憶から時代劇を知り、それを見たいがため契約を結ぶ。
それ以外にも飢餓で正気を失っていた澪(元々は災厄の黒蜘蛛)やヒューマンの進化を探訪していた識(元リッチ)など、個性豊かなキャラクターが真の周りを彩る。
アニメも第2期作成が決定。
第2期の放送が2024年1月から2期が放送する。
読んだ本のタイトル
月が導く異世界道中 19巻
著者:あずみ圭 氏
イラスト:マツモトミツアキ 氏
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あらすじ・内容
謎の傭兵団『ピクニックローズガーデン』にコンタクトを取るべく、ローレル連邦を訪れた深澄真と従者達。彼らは、件の傭兵団が拠点にしているという迷宮があるカンナオイの街を目指すが、その道中、夜道で襲われていたいろはという少女を保護する。単なる家出少女かと思いきや、どうやら彼女はローレルの名家オサカベ家に縁のある者らしく、一行はお家騒動に巻き込まれる羽目に……。
月が導く異世界道中19
感想
ローレル連邦の謎の傭兵団『ピクニックローズガーデン』をツィーゲの防衛に来てもらおうと交渉するため。
ローレル連邦の綾律に手形を貰い秘密裏に訪問。
最初の旅以来の真と巴、澪の3人でのローレル珍道中。
そこにカンナオイの有力な武家オサカベの姫、いろはが参加。
彼女は父親が増税を決めた事に反対するため、領地の視察を行うために家出をするのだが、、
真達と合流するまでに、彼女も色々と苦労していた。
護衛に雇った冒険者に身包み剥がされそうになり。
自刃すると言ってたら、泣き叫ぶのを嬲るつもりだった冒険者が実力行使をしようとしたのを。
謎の司祭服を着たビアと踊り子の衣装を着たハクがいろはを助け。
彼女達と共に精霊道でミズハまで行き。
冒険者ギルドに預けられ、目的地に行く馬車と護衛を手配してもらっていたら家来のショウゲツに捕まり。
そこに真達と遭遇して、彼の保護下に入る。
一応、彼女を預かるのに真が家来のショウゲツ達の処に行ったら雁字搦めにに縛られて尋問を受けるハメになるのだが、、
真が綾律が発行した手形(印籠)を見せたら、水戸黄門(賢人)状態になり。
ショウゲツ達はいろはを真に任せる事に同意させられる。
ただ、いろはを守れるのか心配していたら、トモキの下僕達が襲って来て、それを真は躊躇なく殺害して撃退。
戦闘が終わった後に合掌している真を見た家来達は真の異常さを危険視するも、手形の効力にも抗えないのでいろはを真に任せた。
そして、ミズハを出て護衛に付いた竜騎士隊中隊長のチュウゴに真が特技を聞いたら、、
竜騎士の特技ジャンプを見せて来た。
コレ、ファイナルファンタジーの竜騎士の技では、、
それに、たまたま上空を通過していた勇者、智樹の仲間、竜使いのモーラと激突して墜落して来た。
そしてモーラが目を覚ますと記憶を失っており。
このまま放置するのも寝覚が悪いとして珍道中に参加させる。
響の仲間チヤの次は智樹の仲間モーラか、、
この関係が後々にどう変わって来るのか楽しみになる。
その前に、モーラは記憶が戻って智樹の下に帰るのか?
WEB版とは全く違う展開だな、、
その後の珍道中はエクストストーリーでいろはの視点から見た真達の異常行動が赤裸々に書いてあって、、
馬車を牽引する馬に目的地を教えて、勝手に進んでもらい。
馬から谷があると聞くと真は橋を創り。
さらに森があれば、澪が木を切り倒してただひたすら真っ直ぐにミズハとカンナオイの間に街道を敷設して行く。
途中でいろはの目的の領民の調査を行ったりしてカンナオイのダンジョンへ向かって行くのだが、、
同行者のモーラといろはは仲良くなり。
モーラはいろはを妹分にして、いろはを護ったりしていた。
もしかして、智樹の魅了が解けてるのか??
そうして、カンナオイのダンジョンに到着してダンジョンに潜るのだが、、
真が脱落しているとダンジョンを管理しているギルドが把握しているのだが、、
それ、手形を発行される張本人なんだけど、焦らないのかな?
VIPがダンジョンで行方不明なんだろ?
何で焦らないんだ?
あと、コウゲツと名乗ってる奴はオサカベ家とどういった関係なんだ??
次巻が待ち遠しい。
行方不明の真の心配??
必要ないと思う。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
1
深澄真(ライドウ)は、辺境都市ツィーゲの防衛力強化のため、謎の傭兵団ピクニックローズガーデンを探す任務でローレル連邦に来ていた。
彼は従者の巴と澪を伴い、ヤソカツイの大迷宮近くの都市カンナオイを目指している。
途中、ミズハで襲われていた少女大阪いろはを救い、彼女はオサカベ家の娘と判明する。
いろはは剣豪ムラマツ=イオリの大ファンで、ライドウたちの話に興味を示し、露天風呂に入る話題で盛り上がっている。
結論として、子供の存在がお風呂の雰囲気を変えることが明らかになった。混浴の緊張感が子供によって和らぎ、リラックスして入浴できた。
しかし、風呂上がりには他の気がかりな事柄が浮かんできた。
その一つが、救った少女、大阪いろは(オサカベいろは)の正体に関するものである。
彼女はカンナオイを治める武家オサカベ家の姫であり、彼女の護衛の対応について考えていた。
いろはちゃんは、彼らの家とトラブルになることへの懸念から、巴と話し合い、彼女の素性や護衛のフォローについて計画を練った。
結局、ショウゲツとの直接対話を決意し、慎重に宿を出発することにした。
その過程で、いろはの持っていた刀に関する不思議な現象に気づき、それが伝説の蛍丸に関連している可能性を考えたが、最終的にはその可能性を否定した。
巴との会話を通じて、ローレル連邦での行動計画を再確認し、ショウゲツとの話し合いに向かった。
たとえばの話として、もし『深澄真』というルアーやアクセサリーがゲームに存在したら、それはトラブルを引き寄せる効果があるだろう。
実際に、宿を出た深澄真は複数の襲撃に遭い、いろはの護衛によって拘束され、尋問される。
彼は自身が深澄家の者であると名乗り、彼らとの誤解を解こうと努める。
彼が持っていた彩律からの手形を見た護衛たちは、彼を賢人と認識し、態度を軟化させる。
ショウゲツは、手形を見て彼らの誤解が解けたことを認め、深澄真を解放する。
しかし、その後、ショウゲツさんは深澄真に対し、いろはちゃんがミズハにいる内々の事情があり、彼といろはちゃんが無関係ではないことを示唆する。
それは、いろはが深澄真の教え子であるイズモの許婚であることが関連しているという。
深澄真はこの新たな事実に直面し、これからどのように対応すべきか考え込むことになる。
2
ローレル連邦に関する深澄真の知識は限られており、この国が山脈に囲まれた独自の文化を持つ国であり、日本人を賢人として尊敬していることくらいである。
ローレル連邦は日本の要素を多分に取り入れた国であり、彩律やイズモのような日本人顔立ちの人物も存在する。
しかし、ローレルの人々の容姿は多様であり、日本人の影響を受けつつも、中東や東南アジアなどの要素も含む独自の雰囲気を持つ。
深澄真はローレル連邦のミズハという街において、いろはの護衛であるショウゲツから、いろはがイズモの許婚であること、そしてオサカベ家のお家騒動に巻き込まれていることを聞かされる。
この騒動は、オサカベ家の後継者問題と、いろはを含む複数の姫君が命を狙われている状況に関連している。
この困難な状況にもかかわらず、深澄真はローレル連邦の文化に魅了されており、カンナオイを含む他の街を訪れることに興味を持っている。
しかしながら、彼の前には、いろはを安全にカンナオイに送り届けるという課題が立ちはだかっている。
その後、深澄真は暗殺者に襲われるが、彼の強力な能力で容易に撃退する。暗殺者たちがグリトニア帝国の勇者、岩橋智樹に関連していることが明らかになる。
深澄真はこれを機に、自身が単なる商人ではなく、修羅場に慣れた強者であることを周囲に示すことになる。
この出来事を通じて、深澄真はローレル連邦でのさらなる冒険に向けて準備を整えることになり、同時にオサカベ家の騒動にどう関わるかを考えることになる。
アカシは、深澄真が見せた戦闘能力に驚き、ショウゲツはいろはを深澄真に預けることが最善であると判断する。
いろはの影武者を用意し、深澄真といろはの安全を確保する計画を立てる。
しかし、ユヅキは深澄真が刺客をあまりにも容易く、何の感情も見せずに始末したことに不安を感じている。
深澄真が戦闘中に一切の闘気や殺気を感じさせなかったこと、そして彼の隠蔽能力の高さが、彼女に恐怖を抱かせる。
アカシとショウゲツは、深澄真の力を頼りにいろはを守ることを決意するが、ユヅキの懸念は解消されない。
この一連のやり取りは、深澄真が単なる商人ではなく、非常に高い戦闘能力を持つ人物であることを示している。
また、彼の周りで起こる陰謀や騒動が、ローレル連邦内のみならず他国にも波及している可能性があり、これからの展開が予測できない状況である。
ショウゲツたちは深澄真にいろはを託すことで、彼女を守ると同時に、彼との協力関係を深めることを期待している。
3
クズノハ商会一行は、ショウゲツさん一行に続いてカンナオイへ向けて出発する。
途中、彼らはローレル連邦の竜騎士、チュウゴと遭遇し、彼が一行の護衛として同行することになる。
しかし、チュウゴが竜騎士特有のスキル「ジャンプ」を披露しようとしたとき、偶然にも空を飛んでいた智樹の仲間、モーラと衝突してしまう。
モーラは記憶喪失に陥り、ライドウたちは彼女を一時的に保護することを決定する。
この出来事を通じて、一行はカンナオイへの旅路が予想外のトラブルに見舞われることを悟る。
カンナオイを目指す真達の一方で、遠く離れた学園都市ロッツガルドの冒険者ギルド本部では、ギルドマスターであるルトがシステムのメンテナンスを行っていた。
ルトは冒険者ギルドシステムの根幹を構築した人物であり、このシステムが冒険者に与える数々の優遇措置の源である。
彼は、深澄真が冒険者登録した際に発生したシステムエラーと、真のレベルが1であることに疑問を抱いていた。
冒険者のレベルは最低1から最高65535まで設定されており、真のレベル1は異常であるとルトは考えている。
また、ルトは真の持つ称号やスキルについても注目しており、特に「奇運(悪)の所持者」の称号について興味を示していた。
ルトは真がローレルの大迷宮、ヤソカツイの大迷宮に向かっていることを知っており、彼の運命や冒険について深く考え込んでいた。
真の異常な状況や称号が彼の運命にどのような影響を与えるかを憂慮しつつ、ルトは真のレベル1の謎を解決しようと試みている。
しかし、彼の努力にもかかわらず、問題の解決には至っていない。
4
真達がカンナオイを目指して旅を続けている際、遠方に広がる巨大な街の光景に感動していた。
この街は大国有数の都市であり、高い外壁に囲まれ、広大な農地や計画的に引き込まれた河川の水が見て取れた。
カンナオイは賢人の知識が活かされた、和とファンタジーが融合した独特の雰囲気を持つ街であると感じられた。
澪や巴もこの新しい街の印象を好意的に受け止めていた。
しかし、真達の冒険者カードが突如温かくなり、不思議な振動を感じ始めるという異常事態が発生した。
これは以前、ルトがいじった結果かもしれないと推測された。
冒険者カードのレベルが「1」と表示されてしまい、いろはやモーラに見られてしまう場面もあったが、真達はそれを気にすることなく旅を続けた。
いろはやモーラはレベル1の表示に戸惑いながらも、クズノハ商会なら何とかなると信じていた。
夜が訪れると同時に、真達はカンナオイの街に到着した。
目の前には老舗であり、街の発展の中心となっている宿がそびえ立っていた。
その豪華さに、いろはも驚きを隠せない様子だった。
宿の名前は「千尋万来飯店」であり、カンナオイで最も評価の高い宿とのことだ。
この宿は客の要望に応じたサービスを提供し、時には冒険者を手配して迷宮の地下菜園まで送迎するなど、数々の伝説を持つ。
また、裏メニューとして、米と油と卵を使った伝説の一品があり、それを食べた者を再びこの宿に引き寄せると言われている。
真達はその話に興味津々であった。
正面の出入り口からはベレンたち三人が出迎えに来ており、彼らもこの遠出を楽しんでいる様子だった。
ベレンは元気いっぱいに真達を迎え入れ、宿での滞在を心待ちにしていた。
この千尋万来飯店での宿泊は、真達にとって新たな体験となりそうだ。
真たちは三人に案内されて高級宿に入り、クズノハ商会の一行として大歓迎を受ける。
宿泊手続きはすでに済んでおり、余分な同行者に関する手続きのみが行われた。
巴は宿泊期間を一月に延長することを提案し、実際に延長手続きが行われる。
その後、彼らは離れへ案内され、特別な部屋で食事をすることになった。
食事は中華料理で、様々な料理が豪華な回転式のテーブルに並べられた。
この特別な夕食は、カンナオイでの滞在の素晴らしいスタートとなった。
中華円卓を囲んでの食事では、回転するテーブルが小さな争いの原因になったが、結果的には皆が楽しむことができた。
料理は概ね良好で、特にエビチリが好評だった。
しかし、エビマヨと麻婆豆腐は不評で、特に麻婆豆腐は辛すぎて問題があった。
食事中、エインカリフという剣が自分の食の好みについて語り始め、その特殊な背景が明らかになる。
エインカリフは寄生樹を核にした武具で、竜の鱗などを食べることで能力を高めていた。
また、ホクトとシイは迷宮で傭兵に遭遇し、その中の「林檎の人」について話題が出る。
いろはは林檎の人として知る二人に命を救われた過去を持ち、彼らがローレルを離れたことを伝える。
その後、大迷宮探索の計画が進められ、追加の人員配置も検討される。
食事会は、今後の行動計画について話し合う場となった。
5
ヤソカツイの大迷宮に挑む一行は、世界最大クラスの迷宮の広大な空間と明るさに驚く。
この迷宮は様々な層を持ち、各層には独自の特徴があり、迷宮内には多くの冒険者や商人が活動している。
一層目はエントランスと呼ばれ、迷宮で最も小さい層であるにもかかわらず、その広大さに一行は驚愕する。
迷宮には「ポータル」と呼ばれる転送装置があり、特定の条件下で層間の移動を可能にする。
また、一度討たれた竜の影響で迷宮内部は一時期不安定になるが、勇者と呼ばれる人物の活動と関連して安定を取り戻す。
迷宮内では、一部の冒険者が通常とは異なる「おかしなフロア」に遭遇することがあり、その存在はまだ謎に包まれている。
情報屋のゴンゾウから迷宮の概要や情報を得た一行は、迷宮の深部に向かうための計画を立てる。
彼らは迷宮探索を続けながら、迷宮の謎や構造の変化、そして「おかしなフロア」の真実に近づいていく。
夕暮れ時、カンナオイの冒険者ギルドでは、その日の冒険や訓練の精算、素材の持ち込みと搬出が行われている最も忙しい時間であった。
その喧騒から離れた場所では、ギルドの代表と事務スタッフ、外部から来た数名が集まっていた。
外部の一人、コウゲツと呼ばれる男は、クズノハ商会がどのような状況かについて尋ねる。
ギルドの代表によると、クズノハ商会はその日迷宮に入り、現在三層目にいるが、一名が既にロストしている状態である。
コウゲツは、クズノハ商会がいろは姫に手出しできていない事実を指摘し、彼らの動向に注意を促す。
ギルドの代表は、ギルドが中立の立場を保ち、カンナオイやローレル連邦の権力争いには関与しないと主張する。
コウゲツは、ギルドの人員を変更することで脅迫しようとするが、代表は彼の言葉をはねつけ、ギルドは自己の立場を守ると述べる。
さらに、彼らがクズノハ商会や彩律との協力に基づいて行動していることを示唆し、コウゲツに対して批判的な態度を取る。
最終的に、コウゲツは退室し、ギルドの代表とスタッフは、カンナオイが歴史的な転換点にあると認識し、クズノハ商会や賢人との関連について話し合う。
スタッフは、ライドウがクズノハ商会のメンバーであり、すでに一人がロストしていることを報告する。
ロストしたメンバーがライドウであることが明らかになり、ギルドの代表はこの情報に驚愕する。
EXTRA(?)エピソード
それさえも恐らくは平穏な旅 ~前編 ~
刑部五郎八、ローレル連邦東部最大の都市カンナオイの筆頭武家・刑部家の末の娘として生まれた。
政略結婚が決まっており、相手は長年の確執がある戦部家の殿方であった。
しかし、イズモ様からの手紙を受け取り、彼の生き方に対する迷いと彼が経験した変化に衝撃を受ける。
イズモ様はロッツガルド学園で臨時講師の講義を受けて以来、世界を見る目が変わったと告白。
彼の成長と変化、そして自身の生き方への迷いが交錯する中、カンナオイはヤソカツイの大迷宮から溢れ出た魔物の被害に苦しみ、政治的な混乱が進んでいた。
刑部家では、当主が病に臥せり、後継者争いが激化しており、五郎八は自身の存在意義や役割に疑問を感じていた。
そんな中、五郎八は自らの手で街の現状を調査し、適切な税額を見極める旅に出る決意をする。
自由に使えるお金と小物を集め、守護剣・蛍丸を持って家を出た。
彼女のこの行動は、自身がただの政略結婚の道具ではなく、生きている意味を持つ人間であるという自覚から始まった。
この旅は彼女にとって忘れがたい経験となり、自分自身と世界への理解を深める契機となった。
旅に出た刑部五郎八は、出発から二日目にして旅が頓挫した。
護衛として雇った冒険者たちに裏切られ、森の中で命を奪われそうになる。
彼女は自らの命を奪われる覚悟を決めたが、その瞬間、二人の銀髪の女性が現れ、冒険者たちを撃退し、五郎八を救出した。
銀髪の女性たちは彼女に治療を施し、五郎八はその場で安心して眠りについた。
突然の危機に見舞われながらも、未知の救助者によって命を救われた五郎八は、自らの無力さと同時に、予期せぬ出会いの奇跡を体験した。
カンナオイから遠く離れた街の食堂で、刑部五郎八は、彼女を救った二人の冒険者、ギネビアとハク=モクレンと共にいた。
彼女たちは五郎八の旅の目的を理解し、ミズハまでの同行を申し出る。
二人は五郎八の名前と状況から彼女が刑部家の出身であることを見抜き、彼女の家出の理由に共感を示す。
ギネビアはビショップ、ハクはアローダンサーとして、それぞれ異なるスキルを持っているが、冒険者としてのフリーランスで活動していることが語られる。
五郎八は自らの事情を二人に語り、彼女たちは五郎八の考えや行動を尊重し、支援することを決める。
ハクとギネビアは五郎八を気に入り、彼女の自立と成長を支援するために、ミズハまでの旅を共にすることを決定。
彼女たちは五郎八の旅の意義や、その先にある彼女自身の成長に期待を寄せている。
五郎八は彼女たちの強さや女性らしさに憧れ、自らも強い女性になりたいという思いを新たにする。
彼女たちの旅は、五郎八にとって自己発見と成長の機会となる。
ギネビアさんが開く精霊道を通じて、大阪いろはと二人の冒険者はミズハに到着した。
精霊道は、歩いて移動するが転移に似た術で、遠く離れた場所へ比較的少ない負担で移動できる不思議な空間である。
ミズハに到着後、ギネビアさんは念話で情報を受け取り、いろはの追跡が始まっていることを知る。
追跡者はいろはの家である刑部家から派遣された者で、彼女の護衛として信頼できる人物を冒険者ギルドで探すことになった。
冒険者ギルドでは、いろはが冒険者として登録し、称号「奇運(良)の所持者」を得た。
この称号は、彼女の人生を幸運に導く効果があるとされ、様々な好機に恵まれることを示唆している。
職員からは、早急に信頼できる護衛を手配し、いろはが一晩安全な宿で過ごすことが決定された。
この物語では、いろはが未知の場所や新たな挑戦に直面しながらも、彼女を取り巻く人々の支援と自身の「奇運」によって前進し続ける様子が描かれている。
彼女は、冒険者としての新たな一歩を踏み出し、自分自身と家族の問題に向き合う覚悟を決めた。
宿での一夜を明かすことなく、いろはは追っ手に捕まりかけていたが、再び彼女の運命を左右する出会いが訪れる。
腰に二刀を差した青い髪の女傑、巴が現れ、いろはの護衛たちを一瞬で追い払い、いろはを救出する。
巴はいろはに話を聞かせてほしいと申し出、彼女を自らの主であるライドウとその召使いの澪がいる場所へ連れていく。
ライドウと澪はクズノハ商会の代表と幹部であり、彩律様の許可を得てこの国を訪れていた。
いろはは、彼らの泊まる宿で、巴やライドウたちと交流し、彼らから多くを学ぶことになる。
特に、お風呂でのライドウとのやり取りは、いろはにとって新たな気付きとなり、彼らとの時間を通じて自分自身と社会の隔たりについて深く考えるきっかけを与えられた。
羞恥を感じた夜が明け、いろははライドウ様達と共に冒険者ギルドへ行き、護衛の依頼をキャンセルする。
ショウゲツ達からの追跡はなく、ミズハを出発する際には街の衛兵や竜騎士隊がクズノハ商会を見送る。
クズノハ商会の正体について地竜隊の隊長に尋ねると、ライドウ様に手形を見せるよう助言される。
ライドウ様はいろはの希望通り、村の現状を確認するための道中で村に立ち寄ることを承諾する。
馬車の進行はライドウ様の不思議な力でスムーズに進み、底知れずの断崖を橋で渡り、アンデッドが湧く森を澪様が扇子で払い、近道を作る。
休憩中には、いろはに人生で初めての友達ができる。
竜騎士のチュウゴ様が突然空から落ちてくる事故が起こり、彼ともう一人の女の子モーラが助けられる。
モーラは記憶喪失となり、いろはは彼女に対して強い興味を持つ。
ライドウ様とクズノハ商会の人々と共にミズハを出発してから、いろはにとって想像を絶する出来事が連続して起きた。
道中ではモンスターの襲撃、亜人との抗争、自然災害などが発生し、それらをクズノハ商会の力で解決していった。
最終的には「万毒峡」と呼ばれる危険な場所が「万薬峡」へと変わり、かつての危険が去り、安全な道となった。
この変化は、ライドウ様たちが柊の巨木と話し、その毒を撒き散らす力をなくさせた結果である。
この旅を通じて、いろはは新たな友人も得て、自分の世界観を広げる機会となった。
しかし、クズノハ商会の真の力や存在については、いろはにとって依然として謎が多いままであった。
その夜、野営で皆がくつろぐ中、いろははランタンの明かりを頼りに、クズノハ商会のおかげでまとまりつつある帳面と、自身の見解をまとめた書類を見直していた。
彼女は村々の状況が悪いことを憂え、無理な増税は避けるべきだと考えていた。ライドウ様は夜更かしをしているいろはに声をかけ、彼女の村に対する印象を尋ねる。
いろはは困難に直面している村の現状を説明し、ライドウ様はそれを深く理解していた。
話題は変わり、ライドウ様はいろはがイズモの婚約者であることを指摘し、彼女は驚く。
ライドウ様はイズモに実技を教えていたことを明かし、さらに動物や魔物、さらには木や石とも意思疎通ができる能力を持っていることを話す。
いろははライドウ様の能力に感心し、彼の秘密を守ることを約束する。
そして、ライドウ様がロッツガルドでの臨時講師であることが明かされ、いろははその事実に大きな衝撃を受ける。
カンナオイでの出来事を見届けることがいろはにとって重要な任務であると感じるようになる。
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