どんなラノベ?
薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー!
え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?
そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。
彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。
そこが笑いどころ。
読んだ本のタイトル
#月が導く異世界道中 2
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ 氏
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1巻から2巻までの流れ
普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てされた主人公。
荒野を彷徨っていたら、オーク(♀)と出会い、彼女を生贄に求めた上位竜を覚えたての魔法で倒して従者にする。
上位竜を配下にした結果、亜空と呼ばれる異空間を手に入れた主人公。
荒野で出会ったオーク達を亜空に移住させて彼等も配下に置く。
その直後、空腹で正気を失ってる災厄の黒蜘蛛がエルダードワーフを追って襲ってきたので撃退。
その結果、黒蜘蛛が正気を取り戻して従者になる。
上位龍を巴、黒蜘蛛を澪と名付けて、亜空の住民の投票結果で主人公は【若】と呼ばれる事になる。
その後にエルダードワーフ、巴の眷属ミスティオリザード、澪の眷属アルケーが合流して街を造る。
それでも人に会いたい主人公はベースキャンプ絶野に行くが、、
魔王のような魔力が駄々洩れのせいで魔獣と間違われて総攻撃されてしまう。
1ヶ月文字と魔力を抑える術を手に入れてベースキャンプ絶野に行くが、、、
ヒューマンは色々と悪どかった。
巴と澪が悪乗りしてベースキャンプ絶野は壊滅する。(1巻)
あらすじ・内容
薄幸系男子の大人気異世界ファンタジー、待望の第2巻!!早くも累計6万部!薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー、待望の第2巻! 魔物達が跋扈する、過酷な「世界の果て」横断の旅を終えた真。 商人としての第一歩を踏み出すため、街を仕切る大商人、レンブラントとの接触を試みるが、彼の家族が凶悪な「呪い」をかけられていると聞かされて――。 面倒事を引き寄せる残念風雲児、深澄真の苦難はまだまだ続く!! 住人達よ、奮起せよ!亜空No.1を決める格闘大会を描いた特別書き下ろしも収録!
月が導く異世界道中2
感想(ネタバレ含む)
荒野のベースを破壊。
遂に大きなヒューマンの街に着いた一行。
街の手前で倒したモンスター素材が、有力者が求める物だと判明しその有力者に届ける。
そこで判明する高レベルの呪い。
その患者はグールのように醜い姿となり、理性も無くなっていく。
そんな呪いを解く薬剤をベースから街に同行した錬金術師に作ってもらい、呪いで抵抗する患者を地球で覚えた武術で抑え込んで薬剤を飲ませる。
その結果、解呪に成功。
有力者に感謝される。
そして勘違いで暗躍していた冒険者達を成敗し、そのリーダーのライムは冒険者を引退。
それを巴が密偵にする。
元ネタは鬼平犯科帳、、
やっぱり、そこは時代劇を元ネタにするんだね、、
番外編は領地(亜間)内のランキング戦の始まりの話。
そういえばハイランドオーク達は、主人公のアウトレンジ攻撃にやられ過ぎて自信喪失してたんだったな・・
君達、種族的にかなり強いから!
その評価はあり得ないから!!w
裏話
2巻の話を補強している外伝。
一度読むと書籍版すら物足りなくなる。
別視点
その頃の地球
備忘録
プロローグ(アニメ5話)
ツィーゲへの旅路と初めての街への到着
破壊されたベースからの同行者たち
深澄真は、ベースを破壊された冒険者トアとその妹リノン、そして三名の冒険者を馬車に乗せ、ツィーゲの街を目指していた。ベースを破壊した巴は、武者修行という名目で別行動をとることになり、現在は澪と共に旅を続けている。同行者たちは荷台で寝泊まりしながら、素材集めにも熱心であった。
巨大な石壁と街の近づき
馬車がツィーゲに近づくにつれ、巨大な石壁が視界に入った。リノンは初めて見る景色に歓声を上げ、トアも馬車での移動が快適であると満足げだった。彼らは、転移魔法陣による移動が費用的に難しいため、馬車の旅を選んだと語った。
現れたルビーアイの脅威
道中、真たちは巨大な蟻サイズアントと蜂ルビーアイの群れに遭遇した。トアや冒険者たちはルビーアイの強さを説明し、戦闘は困難であると訴えた。澪に戦闘を依頼するも、彼女は素材収集に対する不満を述べ、真に戦闘を譲った。
真の弓技術の披露
冒険者たちが懸念する中、真は弓を手に取り、見事に群れを一掃した。特別な魔法効果のない弓と矢で、ルビーアイを含む敵を次々と仕留めた姿に、同行者たちは驚嘆した。素材の剥ぎ取りが終わると、馬車は再びツィーゲを目指して進んだ。
ツィーゲへの到着
真たちは、ようやくツィーゲの街に到着した。巨大な門をくぐり、街の活気を目にした真は、異世界に来てから初めて本格的な街へ足を踏み入れた。この旅路は、新たな冒険の幕開けを予感させるものであった。
1
深澄真と仲間たちはツィーゲの冒険者ギルドに到着し、絶野での出来事を報告する。報告は、深澄真が記憶を改竄した冒険者たちによるものであり、魔物の大群に蹂躙されたという虚偽の内容が含まれている。深澄真と澪はギルド内で別行動を取り、絶野の崩壊と冒険者たちの経験をギルドに伝える。巴と澪のギルドへの再登録や商人ギルドへの登録が必要であることを認識する。絶野の崩壊は巴と澪が原因であるが、ギルド内ではこの情報が隠されている。深澄真はツィーゲ到着後の計画を立て、冒険者たちとの夕食会を提案し、Sランクの依頼に興味を持つ。
2
亜空の進捗と新たな問題
巴との連絡不通と亜空の進展
真は巴からの連絡がないことに疑問を抱き、亜空に入るも彼女の行方は掴めなかった。亜空での住人たちの報告から彼女が調査に集中していることは分かったが、連絡を怠る姿勢に困惑を覚えた。亜空内では念話という便利な魔法が使えるものの、巴はそれすらも利用していない状況であった。
自邸の建設状況と住人の動き
真の邸宅建設は驚異的なスピードで進んでいた。総人口数百人の亜空において、多くの労働力が動員され、基礎部分が完成しつつあった。建設は集会所としての機能も兼ねており、亜空の住人にとって重要なプロジェクトであることがエマの説明から明らかになった。一方で、各種族の住環境整備や資材調達も順調に進行していた。
翻訳の問題と季節の異常
住人たちは亜空での探索や収集活動において、真の記憶を参考にしていたが、日本語の解読が課題となっていた。エマはこの点で苦労を抱えており、真は翻訳作業の必要性を認識した。また、亜空では季節が不安定で、気温や天候が急変する現象が発生していた。この異常現象は住人の生活に影響を与えつつあり、原因の調査が求められていた。
亜空の拡大停止と冒険者対策
亜空の拡大が三週間以上止まっていることが判明し、これが新たな問題として浮上した。真は巴がその原因を調査していると推測しつつ、亜空の物資を冒険者に持ち出させる計画を進めた。この計画は、亜空の存在を外部に浸透させる試みであり、住人たちも協力していた。
ドワーフの要請と武具開発
エルド率いるドワーフたちは、真と澪の能力を把握するために協力を求めた。武具の試作段階を超えるため、具体的なデータが必要であるとのことだった。真は一時予定を変更し、ドワーフの工房へ向かうことを決意した。これにより、亜空の住人たちの技術力がさらなる向上を遂げる可能性が高まった。
ドワーフ工房での新防具選定
フルプレート鎧の却下と新たな防具の発見
真はドワーフの工房で提示されたフルプレート鎧を即座に却下した。見た目が仰々しく、商人らしさに欠けるとの判断であった。次々と並ぶ防具を見て回りながら、藍色のコートと真紅の裏地を持つ独特なデザインの防具に目を留めた。職人の説明によると、この防具は真が持つ指環「ドラウプニル」を基に設計された特注品であった。
特殊防具の性能と試着
防具は魔力を活用する設計であり、状況に応じて二つのモードに切り替え可能であった。通常モードでは高い防御性能を持ち、赤い裏地を表に出すモードでは斬撃耐性と機動力を強化する仕様であった。試着した真はその軽快な動きと防御性能に驚嘆しつつも、防具の魔力耐久性に課題があることを指摘した。特に真の膨大な魔力により、生地が裂ける問題が発生し、さらなる改良が必要とされた。
弓の追加注文と武器の受領
防具の改良を依頼した後、真は新たな弓の追加注文を行った。依頼した弓はセルフボウとしての利便性が重視されていた。また、ナイフやショートソードといった実用的な武器を受け取ることで、野営や素材解体にも対応できる準備を整えた。
アルケーとの連携と亜空での整理
ドワーフの工房を後にした真は、アルケーの住処を訪れた。澪の手配で収集物が一ヶ所に集められており、分類や整理が効率的に進められた。アルケーたちとの連携を強化しつつ、自身の記憶の翻訳や活用について協力を依頼した。
ツィーゲへの帰還と次なる行動
澪を亜空に残し、真は一人でツィーゲに戻った。冒険者ギルドへの登録やレンブラント商会の依頼遂行を計画していたが、自身の低レベルがSランク依頼の障壁となる可能性を懸念していた。トアたちへの代行依頼も視野に入れつつ、次の行動へ備えるための準備を進めた。
冒険者ギルドでの再登録と依頼交渉
冒険者登録とトアたちの活動計画
真は冒険者ギルドで「ライドウ」の名で再登録を済ませた。レベルはやはり1のままで、異世界人という特性が原因ではないかと推測した。トアたちはこの街を拠点に活動を始め、四人でパーティを結成し、複数の依頼をまとめて受注していた。しかし、彼女たちに依頼の代行を頼もうとした真は、既に彼女たちの依頼受注数が上限に達していることを知り、この案を断念した。
Sランク依頼への挑戦
真は冒険者ギルドの受付にルビーアイの瞳を求めるSランク依頼を提示した。当初、受付の女性から現在のランクでは受注できないと断られたが、既に依頼品を所持していることを伝え、話を進めた。女性が奥へ報告に向かった間、真は荒野に特化した高ランク依頼が多く貼られた専用掲示板を見つけ、冒険者たちの活動状況に興味を抱いた。
ルビーアイの瞳の鑑定と依頼受注
しばらくして現れたギルドの責任者はルビーアイの瞳を鑑定し、その本物であることと、素材の質の高さを確認した。これを受けて、真は特例としてSランク依頼を特殊ランクへと移行し、受注を認められた。ギルド側はレンブラント商会への説明のための手紙を用意しようとしたが、真は直接向かい事情を説明する意向を示し、地図と受領確認書を受け取った。
レンブラント商会への出発
ギルドを後にした真は、レンブラント商会がギルドから比較的近い場所にあることを確認した。真は人通りの多い通りを進み、目的地へ向かった。依頼達成に向け、万全の準備を整えて歩みを進めた。
(アニメ6話)
レンブラント商会での依頼遂行
商会への到着と応接室への案内
レンブラント商会の店舗は大規模で、武器や防具、日用品などを幅広く扱っていた。真は受付を済ませた後、執事に案内され応接室で商会の主、レンブラントと対面した。レンブラントは筋骨たくましい大男で、物腰は柔らかいが威圧感を感じさせる人物であった。真は自己紹介を済ませ、ギルドからの依頼内容について説明を始めた。
ランクと依頼達成についての説明
真は冒険者ランクがEであることと、レベルが1であることを正直に伝えた。これに対してレンブラントは驚きつつも不信感を抱いたが、真が既にルビーアイの瞳を持っていることを示すと、興味を示し確認に入った。瞳の真偽を確認した結果、レンブラントはその品質と新鮮さを認め、依頼品が確かに正当なものであると判断した。
ルビーアイの瞳の用途と商会の事情
レンブラントは瞳の用途について説明した。それは「呪病」と呼ばれる特殊な病の治療薬「アンブローシア」を作るためであった。呪病とは呪術師によって発症させられる病で、レンブラントの妻と娘二人がその犠牲となっていた。瞳は治療に必要な材料の一つであり、商会はこれまでに瞳を求めて冒険者ギルドに依頼を出し続けていたが、成果は一つだけであった。
追加の瞳と錬金術師の提案
真は既に所持していた六つの瞳をすべて提示した。これによりレンブラントは依頼を達成できたことを確信し、感極まって涙を流した。さらに真は、自身の知人である高レベルの錬金術師に薬の精製を依頼できることを提案し、レンブラントからその場で承諾を得た。
商会での感謝と次なる目的地へ
レンブラントと執事、さらに商会の使用人たちは、瞳を揃えた真に深い感謝を示し、真は依頼の完了書類を受け取った。その後、盛大な見送りを受けながら商会をあとにした真は、次なる目的地である商人ギルドへ向かった。日は夕方に差しかかりつつあったが、真の一日はまだ終わりそうになかった。
3
商人ギルドへの挑戦
ギルド加入の第一歩
真は商人ギルドに足を運び、商売を始めるための加入手続きについて相談した。受付の女性は丁寧な対応を見せ、真の奇抜な外見にも関わらず落ち着いた態度で話を進めた。彼女は商人ギルドに加入するための試験と条件について詳しく説明した。
試験と条件の概要
商人ギルドの試験は筆記試験と実技試験(資材調達)の二段階で構成されていた。筆記試験では商売に必要な基礎知識が問われ、教本を使って事前に学習可能であった。一方、資材調達試験では受験者の自由度が高く、合法的な手段で資材を集める必要があった。ただし、試験には難易度の高い課題も含まれており、受験料や供託金などの費用も発生する仕組みであった。
教本の購入と驚き
真は試験の教本を購入することを決意し、金貨二枚を支払った。教本の価格の高さに一瞬驚いたものの、その内容を確認すると、真は驚くほど簡単な問題ばかりであることに気づいた。この教本で試験を突破できると確信した真は、その場で試験を受けたいと申し出た。
予想外の展開
真の突然の申し出に受付の女性は驚き、ギルド内の空気が一変した。真の決意と自信が試験への道を切り開き、商人としての第一歩が始まろうとしていた。
商人ギルド試験への挑戦
筆記試験での満点合格
真は商人ギルドの筆記試験に挑戦した。問題内容は基本的な計算問題と取り扱い禁止品目などの暗記問題が中心であり、中学レベルの知識で十分対応可能であった。真は試験を制限時間の半分で終わらせ、解答用紙を提出した。採点を終えた試験官は驚愕し、「満点合格」と告げた。この結果、供託金の分割払いが可能となる特典が与えられたが、真にとっては不要であった。満点合格の稀少性から、この試験が容易なものでないことが明らかとなった。
資材調達試験の課題と解決策
続く資材調達試験では、ランダムに引いた課題が「ライドクリスタル」など難易度の高い素材4点を三日以内に用意するという内容であった。試験官はこれを「ハズレ課題」と称し、一般の商人見習いには達成不可能であると説明した。しかし、真は既に荒野で得た希少な素材を所有しており、それを活用すれば課題を即日達成可能であると判断した。
試験官を驚かせた調達結果
真は準備した素材を持参し、試験官とギルド職員に提出した。持参した素材の品質と量に試験官は再度驚愕し、文句なしの合格を宣言した。商人ギルドの試験を即日で突破するという稀な成果に、ギルド内でも話題となった。
ギルドカード発行と仮面の秘密
試験を終えた真は手続き用紙を提出し、供託金とギルド費を全額支払った。受付の女性は真の迅速な対応と優秀さに感嘆しつつ、彼の仮面と筆談について興味を示した。真は呪いによって仮面を外せず、共通語が話せない事情を説明した。この告白により、彼女は同情の念を抱きつつも、真の能力に新たな可能性を感じた。
夕食と聞き耳立てた噂話
試験後、真は街の店で軽い夕食をとりながら、冒険者たちの会話に耳を傾けた。近隣の森で行方不明事件が相次いでいるという噂や、街のトップランカーであるライムが何らかの揉め事を抱えているという話が話題に上っていた。これらの情報は現状の真には関係がなかったが、街の情勢を把握する助けとなった。
今後の展望と警戒
真はレンブラント商会の依頼に関わる呪病事件について、今後犯人が何らかの行動を起こす可能性を考慮した。直接攻撃される事態には備えつつ、現時点では受け身の姿勢で対応することを決めた。その一方で、亜空に残した仲間たちの様子が気になり、近いうちに確認する必要があると感じていた。
忘れられない主と従者の日常
亜空での喧嘩騒ぎ
真は従者たちの状況を確認するため亜空に向かった。到着すると、澪と巴が資料庫で激しく言い争っていた。澪は時代劇に関連する記憶を盾に巴を脅し、巴はそれに対抗しながらも憔悴していた。アルケーの簡潔すぎる説明を経て、真は二人を落ち着かせた。巴は真の許可を得て時代劇を楽しんでいたが、澪もそれに触発され、別の映像作品に没頭し始めていた。真は二人の要求を一部認めつつ、巴には未報告の仕事に関する叱責を与えた。
宿での夜の静寂
疲労困憊の真は宿に戻り、従者たちが占領するベッドを眺めつつ長椅子で休むことを決意した。月を見上げながら、レンブラント家の件や今後の計画について思いを巡らせた。錬金術師との明日の約束や、街での商売に向けた準備など、やるべきことは山積していると考えながらも、従者たちの奇妙な趣味が増えていく現状に苦笑するしかなかった。
街中での計画整理
翌日、錬金術師と冒険者ギルドで待ち合わせた後、レンブラント家での秘薬精製に向けて準備を進めることを決意した。また、長期滞在のための宿や倉庫の手配を検討し、商売を本格的に始めるための基盤作りを優先する予定であった。冷たい風に触れながら、真は現実と向き合いつつ従者たちの問題をどう解決するか頭を悩ませていた。
4(アニメ7話)
レンブラント商会と秘薬調合
豪邸への到着
真は錬金術師ハザルを伴いレンブラント商会を訪れた。店舗で待機していると執事が現れ、立派な馬車で移動を促された。到着したのはツィーゲ郊外の豪邸であり、その壮大さに真とハザルは圧倒されていた。真は事前に服装を整えなかったことを悔やみつつ、豪華な応接室で待機した。
精製準備と緊張の空気
応接室で待つ間、ハザルは秘薬アンブローシアの調合について興奮気味に語りながらも不安を隠せなかった。真は彼を落ち着かせるため、錬金術の準備が整っていることを伝えたが、ハザルはレンブラント商会の名の重さに緊張している様子であった。飲み物が次々と提供される贅沢な空間に、真は次第に落ち着かなさを感じていた。
工房への案内
レンブラントと執事が現れ、工房への案内が始まった。レンブラントは妻と娘たちの元へ向かい、精製が終わるのを待つとのことだった。執事の案内で地下の工房に向かう途中、ハザルの顔は不安から蒼白になり、真は彼の精神状態を少し心配した。真自身も状況の重大さを感じつつ、工房へと足を進めた。
秘薬アンブローシアの製薬
製薬の工程と錬金術の役割
秘薬アンブローシアの製法はシンプルであった。アンブロシアの花蜜と複数の薬酒をブレンドし、特殊な水で作られた氷を用いて混合液を冷却・凝固させるというものであった。この際、温度や環境を整えるために錬金術が活用された。錬金術は化学反応を促進するだけでなく、無菌状態の維持や温度調整といった技術に重きを置いていることがわかった。
真は製薬の効率が極めて悪い点に驚きつつ、この世界における魔法のスタンダードの低さを実感した。一方で、この秘薬の最大の難所はアンブロシアの花蜜の入手であり、それを代用可能にするルビーアイの瞳の重要性を再認識した。
秘薬の完成と新たな課題
製薬が進む中、真紅の結晶から抽出された透明なピンク色の液体が容器に収められ、秘薬アンブローシアが完成した。製薬過程は予想以上にシンプルであったが、原料の希少性がこの薬の価値を高めている。完成した薬は三分の二程度の容量しかなく、材料の消費量に対して効率が悪いと感じられた。
真はこの製薬方法を改良し、効率的かつリーズナブルな商品として販売できれば、新たな商機になると考えた。また、ルビーアイの生息地にアンブロシアの花が群生している可能性を見出し、その探索や栽培を進めることでさらなる利益を見込んだ。
緊急事態と超人的な対応
秘薬が完成するたびに執事が大切に運んでいたが、三回目の製薬終了後、執事の突如の乱入によりハザルが秘薬の瓶を落としてしまうという事態が発生した。真は反射的に動き、一つの瓶を手でキャッチしたものの、もう一つは自身の背中に落ちて難を逃れた。これにより秘薬は無事であったが、真はハザルの軽率な行動に怒りを覚えた。
結論とさらなる展望
秘薬アンブローシアの製薬は成功し、レンブラント家の治療に向けて希望がつながった。一方で、真はこの秘薬の製法や原料の希少性を基に、新たな商売の可能性を模索していた。秘薬の完成を通じて、新たな課題とチャンスが見えてきた瞬間であった。
レンブラント家の悲劇と秘薬の投与
応接室での異変
真と錬金青年ハザルは、執事の案内でレンブラント家の応接室に入った。そこではレンブラントが左腕に大怪我を負い、治療を受けていた。彼の弱々しい姿に、真は何があったのかを尋ねる。レンブラントは、秘薬を届けた直後に妻が突如狂暴化し、襲いかかってきたと説明した。妻は秘薬を奪い、叩き壊した後も暴れ続け、護衛たちによってなんとか押さえ込まれたという。
呪病の症状と秘薬の作用
レンブラントは妻と娘たちが患う呪病の症状について語った。初期症状は発熱であったが、次第に水と光を恐れ、物を壊すようになり、身体の変化まで引き起こした。秘薬が近づくことで患者が暴れる仕組みは、呪いが最後の解呪を妨げるためのものだとハザルは分析した。
妻への秘薬投与
真は自ら妻に秘薬を投与する役割を買って出た。暴れる妻を背負投げで押さえ込むと、レンブラントが薬を流し込んだ。やがて妻は狂気から解放され、静かに眠りについた。レンブラントは涙ながらに妻の回復を喜んだ。
娘たちの治療
次に、症状が重い娘の治療が行われた。部屋に隠れていた彼女は天井から飛びかかってきたが、真が素早く動きを封じ込めた。薬の投与後、彼女も同様に正気を取り戻し眠りについた。最後に、もう一人の娘にも同じ手順で薬が投与され、家族全員の治療が完了した。
一連の出来事への評価
レンブラントと執事は、真の行動力と捕縛術に驚きつつも、彼が商人として活動するのは適性を無視していると指摘した。ハザルは真の従者である澪と巴のレベルが1000を超えていることを漏らし、さらに驚きを与えた。真はその発言に嘆きつつも、無事に仕事を終えたことに安堵していた。
襲撃事件とその結末
レンブラント邸からの帰路
真は家族を救った礼を受けながらも、巴と澪の能力について他言しないようレンブラントに釘を刺し、屋敷を去った。彼は澪と巴を呼び出し、冒険者ギルドへの登録を急ぐことにしたが、途中で突如として謎の襲撃を受けた。攻撃の主は灰色のローブを纏う者とその指揮役らしき痩せた男であった。
巴と襲撃者たちの対峙
魔法陣からの火柱を巴は無傷で散らし、彼女の力を見た襲撃者たちは動揺した。主犯格の男は澪を懐柔しようと試みるも、澪は表向きには金貨十枚で中立を装った。その間、巴は次々と襲撃者を無力化していった。対する真は相手の力量を見極めながら巧みに立ち回り、必要最小限の力で応戦していた。
真の一撃と襲撃者の敗北
主犯格の術者が転移で逃走を図ろうとしたが、真が間一髪でその行動を阻止し、「わんぱんち」によって即座に戦闘不能に追い込んだ。残った痩せた男も巴の手で完全に制圧され、襲撃は失敗に終わった。
襲撃の動機と巴の記憶確認
尋問の結果、襲撃者たちの目的はレンブラント商会への復讐であることが判明した。彼らは商会が低レベルの依頼を独占したことで冒険者たちが生計を立てられなくなったことを恨んでいた。しかし、レンブラント家への呪いが単なる眠りではなく、命に関わるものだったことは彼らも知らなかった。巴が記憶を確認した結果、彼らが嘘をついていないことが証明された。
澪の「利子」と真の対応
澪は襲撃者から「利子」と称して金貨を巻き上げる一方、真は襲撃者の壊れた武器を後日補償すると約束し、その場を立ち去った。襲撃者たちが散々な目に遭う中、真は事態を収めて次の行動へと移った。
5
巴
ライムの謝罪と新たな道
レンブラントへの謝罪と許し
ライムはレンブラント邸を訪れ、これまでの非礼を詫び続けた。何日もの謝罪の末、真の仲介もあり、レンブラントは最終的にライムを許した。ただし条件として、ライムは冒険者を引退することを自ら申し出た。彼は、今後について問われると、人脈を活かして新しい仕事を見つけると笑みを浮かべて答えた。
孤児院との関わり
レンブラント邸を後にしたライムは丘の上で物思いにふけっていた。巴が現れ、彼が孤児院を支援するために尽力しようとしていることを見抜いた。ライムは冒険者としての経験から、その孤児たちを教育し、まともな職に就かせる道を模索していた。しかし、自分が孤児院と関わることが明るみに出れば、孤児院が危険にさらされると懸念していた。
刀の贈呈と密偵への誘い
巴はライムに日本刀を渡し、それが若からの贈り物であることを告げた。初めはその価値の高さに尻込みしたライムだったが、巴の説得により受け取ることを決めた。さらに巴は、ライムに密偵として働くよう提案した。その役割は街の事情を報告し、情報収集を行うことであった。ライムは一瞬ためらったが、巴の言葉と支度金として渡された多額の金貨により、その申し出を受け入れることにした。
密偵としての新たなスタート
ライムは密偵として働く決意を固めた。巴は、密偵の危険性を伝えつつ、彼の努力次第で孤児院や大切なものを守れると励ました。こうしてライムは巴の密偵第一号として新たな道を歩み始めた。巴は彼に期待を込め、育成に力を注ぐ決意を新たにした。
呪病の真相と復讐の軌跡
ライムの潔白と成長
巴はライムの記憶を探り、彼が呪病に関する情報を一切知らないことを確認した。ライムは新たに渡された刀を扱うため、基礎訓練や実戦訓練に励んでおり、その成長ぶりに期待が持てた。彼の努力を評価し、巴はさらなる高みに導く計画を立てた。
レンブラントの執事との接触
巴は書店でレンブラントの執事であるモリスの尾行を察知し、彼と接触した。モリスの記憶を読み取る中で、レンブラント商会が裏で行ってきた非道な行為の数々が浮き彫りになった。詐欺、賄賂、殺人まで関与したその過去は、レンブラントが築き上げた名声とは正反対であった。
ハンザ商会の消滅と復讐の始まり
レンブラントはツィーゲでの勢力拡大のため、武具を扱うハンザ商会を標的とした。彼は幹部を懐柔し、代表であった娘をも操ることで商会の信頼を得た。しかし、最終的にはモリスを使い代表を暗殺し、ハンザ商会を吸収する形でその名を消し去った。この策略の裏には、亡き代表の元恋人であり武器職人だった男の存在があった。
呪術師の復讐と虚しさ
ハンザ商会の崩壊後、その元恋人は呪術師へと転身し、レンブラントに復讐を企てた。彼は致死性の高い呪病を開発し、レンブラントの家族を狙った。しかし、呪術師自身はその行為が復讐を果たすというよりも、虚しさを抱えた末の行動であったことが窺えた。巴は彼の記憶を整理し、その憎しみの深さと無念を感じ取った。
真実を隠す決意
巴は得た情報を整理し、レンブラントの過去を若に伝えるかどうか悩んだ。レンブラントは現在、家族思いの善良な商人として振る舞っており、彼の過去を暴露することで街や若に与える影響を懸念したためである。最終的に、巴はこの真実を自身の記憶に留め、いずれ適切な時が来たときに話すことを決意した。
閑話1 音無響(アニメ2期2話)
音無響、異世界の勇者となる
王都リミアと女神の神託
リミア王国は、魔族に対抗する北端の防衛線を担う大国であった。激化する魔族との戦いの中、突如女神から神託が下り、「勇者を与える」との言葉が伝えられた。この十年間沈黙していた女神の声に、国中が祝祭のような熱気に包まれた。女神に選ばれた勇者は、リミアの神殿に金色の光と共に召喚された音無響という少女であった。
音無響の召喚と自己紹介
神殿に突如現れた響は、黒髪と鋭い目つきが印象的な美しい少女であった。女神の声により勇者であると認められた彼女は、神官たちの戸惑いをよそに、「音無響」と名乗り自己紹介を行った。神官たちとの会話を通じて、自分がこの異世界で特別な存在とみなされていることを理解し始めた。
女神との出会いと召喚の経緯
響が召喚される以前、彼女は金色の空間で女神からの懇願を受けていた。邪悪な魔族の脅威に立ち向かうために協力を求められたが、最初は断ろうとした。しかし、裕福で完璧すぎる自分の世界への未練が薄かった彼女は、「勇者」という役割に新たな挑戦を見いだし、召喚を受け入れた。
異世界での生活の始まり
響は女神から与えられた加護と神器を携え、リミア王国の王と謁見することとなった。王は彼女を快く迎え入れ、まずはこの世界を知ることから始めるよう促した。響は自らの力を確かめるため、手合わせの申し出を行い、その積極的な姿勢は周囲から賞賛された。
もう一人の勇者の存在
響は自身の他にもう一人の勇者がいることを神官に告げた。この事実は、リミアと不仲なグリトニア帝国に勇者がいる可能性を示唆し、神官たちの間に動揺を生んだ。響はそれを気に留めず、自分の役割を全うする決意を固めていた。
勇者としての第一歩
響は、体を動かす場への移動を提案し、自らの実力を知ることを目的に手合わせの場を求めた。新たな世界での冒険を前に、彼女は未知の挑戦と自分自身の可能性に胸を躍らせていた。こうして、音無響の異世界での勇者生活が始まった。
音無響、敗北と決意
リミア王国の勇者、音無響の登場
音無響はリミア王国で勇者として召喚され、その堂々たる姿と自信に満ちた態度で周囲を魅了した。彼女は王に謁見し、その後訓練場で騎士たちと手合わせを行った。華奢な外見にも関わらず、響の戦闘能力は群を抜いており、彼女は騎士団長をも圧倒し、勇者としての実力を示した。
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— 『 月が導く異世界道中 』TVアニメ公式 (@tsukimichi_PR) January 17, 2024
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勇者パーティの結成と戦いの日々
響は、リミア王国の意向により選ばれた仲間たちとともに勇者パーティを結成した。仲間には速さを誇る女剣士ナバール、防御に優れたベルダ、魔術師ウーディ、回復役のチヤが加わった。パーティは各地で戦闘を繰り返し、魔族や魔獣との戦いで着実に力をつけていった。
黒蜘蛛との遭遇と敗北
ある日、響たちは黒蜘蛛と呼ばれる圧倒的な存在と遭遇した。これまでの戦闘とは桁違いの相手に対し、ナバールの速さやウーディの魔法攻撃も通じず、仲間たちは次々に倒れた。響は最後の力を振り絞って戦い抜いたものの、黒蜘蛛の防御力と攻撃力の前に完全な敗北を喫した。
敗北の中で芽生えた決意
初めての敗北を経験した響は、戦闘中に感じた無力感を振り払うように決意を固めた。彼女はこの挫折を糧とし、黒蜘蛛に勝利するための力を手に入れることを目標とした。この経験は、響にとって異世界での新たな成長の始まりとなった。
王国での評価の変化
黒蜘蛛との戦いは、一見敗北に終わったように見えたが、実際には黒蜘蛛を撤退させる一因となった。この出来事は勇者パーティの実力を証明し、響たちの評判を一層高める結果となった。彼女の名前は、リミア王国だけでなく周辺諸国にも広まり、さらなる期待が寄せられるようになった。
閑話 2 岩橋智樹(アニメ2期2話)
異世界への召喚と女神の使命
女神との出会いと異世界への誘い
岩橋智樹は、金髪で緑の瞳を持つ美しい少女の姿をした女神から異世界への召喚を受けた。女神は彼に、魔族によって危機に瀕した世界を救う使命を託した。智樹は自分の無力さを理由に一度は断ろうとしたが、女神から与えられる強大な力と特典を聞き、異世界行きを決意した。夜間限定の不死性や魔眼といった能力に加え、飛行能力を持つ「銀靴」などの神器が彼に授けられた。
グリトニア帝国での歓迎
異世界に降り立った智樹は、グリトニア帝国に迎えられた。彼を迎えた第二皇女リリは、表向きには丁寧に彼を扱い、戦力としての価値を最大限に引き出す方針を示した。しかし、リリを含む帝国の上層部は、智樹を「英雄」という名の兵器として運用する意図を秘めていた。智樹はその意図を知らず、自らの特異な能力を磨く日々を送り始めた。
リリの策謀と智樹への従属
リリは智樹を完全に掌握するため、自らの地位を捨ててまで彼に尽くす姿勢を示した。智樹の能力をさらに引き出すための薬の投与や、彼に対する執着ともいえる献身は、表向きには信仰心からの行動とされていた。しかし、その裏では智樹を利用して帝国の覇権を確立し、最終的には魔族や女神そのものをも滅ぼす計画を進めていた。
智樹の成長と戦場での活躍
智樹は、帝国の支援を受けて驚異的なスピードで成長を遂げた。冒険者として登録した初日にはレベル98であったが、戦場での活躍を重ね、短期間で帝国屈指の戦士となった。彼の力は、魔族の拠点を攻略する計画にも不可欠なものとなり、帝国にとって重要な戦力とされていた。
女神への疑念と新兵器の開発
リリは、智樹を利用しつつも、自身の計画を着実に進めていた。彼女は智樹の特異な能力を活かして新たな兵器「銃」の開発に着手した。魔力に依存せず誰にでも使えるこの兵器は、戦争の流れを変えるものであり、リリの野望を実現する鍵とされた。リリは女神の信仰そのものに疑念を抱きながら、智樹とともに世界の変革を目指していた。
亜空ランキング(アニメ8話)
ツィーゲでの日常と亜空での問題
ツィーゲでの地位の確立
ツィーゲでの生活が落ち着いた頃、智樹たちは冒険者ギルドの特殊ランクに移行した依頼を短期間で解決し、その名を広めた。この成功により、街での行動が容易になり、澪や巴の冒険者登録の影響も加わり、足場が固まりつつあった。
亜空での報告と問題発覚
智樹は亜空に戻り、エマや巴から近況報告を受けた。その中で、オーク戦士たちが訓練での連敗により自信を喪失しているという問題が浮上した。彼らは戦士としての誇りを失い、農業への転向を考え始めていた。澪と巴の軽口が飛び交う中、智樹は状況を見極めるため、エマと澪を連れて現場へ向かった。
オークたちの現状と愚痴
現場での観察を通じて、智樹はオークたちが農作業に喜びを感じる一方、戦士としての役割に自信を持てなくなっていることを確認した。彼らは智樹や澪との訓練での圧倒的な敗北を悔やみ、自分たちの能力に限界を感じていた。その一方で、農業の成功が彼らの新たな拠り所になりつつあった。
共同訓練の提案
智樹はオークたちの士気を取り戻すため、他種族との共同訓練を提案した。これにより、種族間での技術や戦術の共有を促し、新たな刺激と発見を得られると考えた。また、現状の実力を把握しやすくすることで、各自の成長を助ける狙いがあった。
今後の方向性
智樹の提案を受け、エマは訓練計画の調整を約束した。巴はリザードマンの状況を確認し、必要であれば彼らも共同訓練に加える方針となった。智樹は全員が隠し事をせず、互いの力を高め合うことで新たな可能性を生み出す未来を目指していた。
亜空での共同訓練と新たな挑戦
戦士たちの自信喪失と巴の提案
巴はオークやリザードマンの訓練成果に不満を抱き、彼らが想定する力の一割にも満たないと評していた。智樹も同様に彼らの自信喪失を憂い、種族間の交流不足が原因であると認識していた。そこで巴は共同訓練を提案し、智樹もこれを支持した。
即席舞台でのタイマン勝負
翌日、巴の発案で即席の円形舞台を用意し、オークとリザードマンそれぞれの代表を選出して一対一の戦いが行われた。戦いは両者が持つ武器や技を駆使した激戦となり、最終的にハイランドオークが辛勝した。しかし、巴は勝利を称賛せず、両者の力不足を厳しく指摘した。
巴の容赦ない叱責
巴は戦士たちに、現状の力が戦士として不十分であることを強調し、誇りを捨て互いに技術を晒して切磋琢磨すべきだと訴えた。さらに、戦士としての覚悟がない者には戦いの道を諦めるよう促した。この厳しい言葉に戦士たちは悔しさと恥を噛みしめていた。
ランク付けと新たな制度の導入
巴は今後、亜空全体で個人戦を定期開催し、戦士たちの実力をランク付けすることを発表した。この制度により戦士たちの名誉や奮起の材料となることが期待された。また、他種族との共同訓練や模擬戦を増やし、全体の成長を図る方針も示された。
智樹の補足と期待
巴の厳しい言葉を受けた戦士たちに、智樹は共同訓練の重要性を伝え、互いに力を磨き合うことを求めた。また、ランク付けによる競争が亜空全体の戦力向上につながることを期待し、戦士たちの未来への成長を願った。
亜空ランキングとその発展
亜空ランキングの導入と仕組み
亜空ランキングは、予選リーグと本選リーグによって戦士たちが競い合う仕組みで開始された。予選リーグではポイント制で上位者が選出され、本選リーグに進出した。亜空の特殊環境により、戦闘後は治癒魔法で全快するため、参加者の体調が万全な状態で戦えるようになっていた。この取り組みにより、戦士としての適性を見出せなかった者が農夫や研究者に転向する例も見られたが、それぞれの適性に合った職を見つけた結果であった。
種族間交流の活性化
ランキングの導入により、オークやリザードマンの自信喪失が克服され、種族間の共同訓練が活発化した。ランキング参加者は八十名に拡大し、エルダードワーフやアルケーも加わったことで、多種族間での切磋琢磨が進んだ。この影響で、上位にランクインする戦士たちへの尊敬が高まり、観戦を楽しむ者も増加した。
闘技場の建設と大会の盛り上がり
エルダードワーフの提案で、古代ローマ風の円形闘技場が建設された。この闘技場では週末ごとに試合が行われ、観客たちは試合を楽しみながら屋台の食べ物を味わうことが恒例となった。屋台では農夫オークや狩人リザードマンが新たな収入源を得る一方で、澪が積極的に料理の改良や新メニューの提案に関わるなど、食文化の発展も進んだ。
ランキングの広がりと変化
亜空ランキングは競技としての魅力を増し、次第に観客や参加者の熱気に包まれた。ランキング上位二十名が公表され、さらに試合の熱戦が多くの注目を集めた。将来的には年間優勝者を決める「御前試合」や団体戦の開催も期待されている。
巴の目指す新たな挑戦
巴はランキングを通じて刀を扱う戦士の育成に力を入れ始めていた。彼女は独自の武器を開発し、その使用法を広めることを目標としていた。また、リザードマンの一部は格闘術の研究に着手するなど、新たな挑戦が芽生えていた。
亜空の新たな日常
亜空ランキングは、当初の目的である戦士たちの自信回復と実力向上を達成しただけでなく、多種族間の交流や新たな娯楽文化の形成に貢献した。円形闘技場の歓声や屋台の賑わいが示すように、亜空は活気と成長を遂げつつあった。
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PV
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【オープニング主題歌】 syudou「ギャンブル」ED
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小説版 月が導く異世界道中 シリーズ
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