どんなラノベ?
薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー!
え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?
そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。
彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。
そこが笑いどころ。
読んだ本のタイトル
#月が導く異世界道中 3
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ 氏
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1巻から3巻までの流れ
普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てされた主人公。
荒野を彷徨っていたら、オーク(♀)と出会い、彼女を生贄に求めた上位竜を覚えたての魔法で倒して従者にする。
上位竜を配下にした結果、亜空と呼ばれる異空間を手に入れた主人公。
荒野で出会ったオーク達を亜空に移住させて彼等も配下に置く。
その直後、空腹で正気を失ってる災厄の黒蜘蛛がエルダードワーフを追って襲ってきたので撃退。
その結果、黒蜘蛛が正気を取り戻して従者になる。
上位龍を巴、黒蜘蛛を澪と名付けて、亜空の住民の投票結果で主人公は【若】と呼ばれる事になる。
その後にエルダードワーフ、巴の眷属ミスティオリザード、澪の眷属アルケーが合流して街を造る。
それでも人に会いたい主人公はベースキャンプ絶野に行くが、、
魔王のような魔力が駄々洩れのせいで魔獣と間違われて総攻撃されてしまう。
1ヶ月文字と魔力を抑える術を手に入れてベースキャンプ絶野に行くが、、、
ヒューマンは色々と悪どかった。
巴と澪が悪乗りしてベースキャンプ絶野は壊滅する。(1巻)
遂に大きなヒューマンのツイーゲの街に着いた一行。
そこで、呪病に苦しむレンブランドの依頼を目にして、彼の妻、娘2人を癒す。
そして、暗躍していたライムを懲らしめて配下に加える。(2巻)
あらすじ・内容
早くも10万部!薄幸系男子の異世界ファンタジー第3巻!早くも累計10万部! 薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー、待望の第3巻! 突然召喚された異世界で、元竜と元蜘蛛の人外従者と共に旅を続ける平凡高校生・真。 旅の途中に滞在しているツィーゲの街からほど近い森で、「森鬼」と呼ばれる亜人と遭遇したのが災厄の始まりだった――。 厄介事を引き寄せる残念風雲児、深澄真の受難、ここに極まれり! 商会を立ち上げた真のために頑張ります!――ツィーゲで一番の大商人、レンブラントの奮闘を描いた特別書き下ろしも収録!
月が導く異世界道中3
感想(ネタバレ含む)
貴重なギャグ要員、森鬼のエリス登場!
電波のような神託を受ける特殊体質で地球の文化をよく理解してる言動がチラホラするところが素晴らしいw
そのネタ元は地球の神達だったりする。
異世界の女神とは相性が悪く、神託を受けれないが他の神々とは高確率で受けれる特異体質w
そんな彼女を見出したのは、女神アテネだったりする。
そのエリスの村に潜伏していたリッチを秒殺で押さえ込んで、主人公の魔力を蓄積した指輪13個を彼に装備させ、下駄を履かせて3人目の従者にして終わる。
かなりイケメンの 主人公待望の同性の従者!
その後、彼と一緒に学園都市に行く事が決まるのだが、、
先輩従者2人巴、澪の嫉妬でボロボロにされてしまう。
従者の中でのカーストは最下位ってのが気の毒。
でも、主人公の秘書役なのは彼なのはこの時から決まっていたか。
外伝はレイブランドが主人公を陰ながら援護してる話。
家族を助けてくれた主人公を徹底的に擁護する。
でも、主人公はそれを知らない。
裏話
別視点
備忘録
プロローグ(アニメ8話)
クズノハ商会の設立と初挑戦
商会設立とギルド登録の完了
深澄真はツィーゲの商人ギルドにて、ライドウの偽名でクズノハ商会を正式に登録した。構成員には巴と澪が記載され、商会活動に必要な注意事項や手続きが記された冊子を受け取った。商会の主な商品は亜空の産物である果物や薬品を予定していたが、詳細な方針はまだ定まっていなかった。
土地探しと店舗準備
真は商会の活動開始に向けて店舗を構えるため、ギルドの受付に土地の候補を探してもらうことを依頼した。候補地は翌日には提示されることが決まり、商売に適した場所を選ぶための準備が進んだ。同時に、商会の名刺作成やレンブラント氏への相談も検討された。
アイオン王国と諜報活動の課題
土地を所有して商会を運営する際に、アイオン王国が商人に諜報活動を求める可能性があることが判明した。真はこの国が情報収集に非常に熱心であると聞き、諜報活動を断る場合には商売に不利益が生じる可能性を指摘された。商会の立場を守るため、他の商会の店舗を間借りする方法が抜け道として提案された。
諜報活動を避ける新たな選択肢
真は自由な商業活動を望むため、アイオン王国の干渉を避けられる場所について質問した。その結果、どの国にも属さない学園都市ロッツガルドが理想的な候補地として挙げられた。この都市では諜報活動の圧力を受けることなく商会を展開できる可能性が示唆された。
ツィーゲでの活動開始と冒険者登録
商人ギルドでの手続き完了
深澄真はツィーゲの商人ギルドで手続きを終え、従者の巴と澪と合流した。ギルドで商会登録を済ませ、昼食を終えた後、冒険者ギルドでの報酬受け取りの準備を進めた。
トア一行との再会と冒険者ギルドでの手続き
トアとその仲間に連絡し、報酬受け取りのため冒険者ギルドへ向かった。報酬の受け取り後、巴と澪の冒険者登録が行われた。巴は驚くべきレベル1340、澪は1500と高い戦闘力を示し、ギルド内に大きな衝撃を与えた。
巴と澪の冒険者としての地位
冒険者として登録された巴と澪は、一躍注目を集めたが、真は彼女たちを冒険者としてではなく、商会の従者として活動させる意向を示した。周囲の冒険者たちは驚愕し、彼女たちの力を利用しようとする声もあったが、真は商会の活動に集中する方針を貫いた。
商会の準備と計画
真は巴と澪と共に商会の拠点となる店舗探しや、ツィーゲでの挨拶回りを開始する計画を立てた。冒険者としての活動よりも商会の基盤づくりを優先し、トア一行やリノンの協力を得ながら、新たなビジネス展開を進める準備を整えた。
未来への展望
真はリノンにロゴ制作を依頼し、異世界での新たな事業展開に期待を膨らませた。健康をテーマにしたクズノハ商会の活動は、これから本格的に動き出すこととなった。
1
学園都市への興味と何でも屋構想
学園都市の話題とアイオン王国の事情
深澄真は、商人ギルドで教えられた学園都市について従者の巴に話した。学園都市は中立都市で、アイオン王国のような間諜活動への参加を強制されない可能性がある場所とされた。一方、アイオン王国は歴史的に諜報活動に熱心な国であり、商会設立には慎重な対応が求められる状況であった。
何でも屋としての業態決定
真は、商会の業態として「何でも屋」を選ぶことを決意した。亜空の特殊な産物を活かすことで、何でも屋の不利な条件も克服できると考えた。しかし、一般的に新人がこの業態を選ぶことは珍しく、商人ギルドでも忠告を受けた。真は巴と相談しながら、この選択がクズノハ商会の特色として機能するよう準備を進めた。
巴の冒険者活動と素材収集の計画
巴には冒険者として活動し、素材の収集やその価値を学ぶ役割を任せた。トアたちとの同行を通じて実践的な経験を積ませる方針を示した。また、学園都市への道筋やレンブラント商会との協力に関する準備も進める中、素材に関する知識を深めるための書籍購入も指示した。
アンブロシアの発見と亜空への移植
従者の澪が荒野で発見した万能薬の材料となる花「アンブロシア」を亜空に移植する試みが行われた。アルケーたちに管理を任せることで、植物の適応状況を観察しつつ、将来的な商会の商品ラインアップへの活用を見据えた。
亜空の宴と住人たちの意識
亜空ではエマ主導で宴が開かれ、住人たちは和やかな雰囲気の中で交流を深めた。真は亜空の住人たちがこの場所に閉塞感を感じていないことを確認し安心した。ドワーフたちは武具職人としての興味から外界との接点を求め、真はツィーゲの店舗での活動を提案した。
クズノハ商会の未来への展望
真は商会設立に向けた準備を進めながら、亜空での都市建設や種族間の文化形成を観察した。彼は自らが王のような立場に立つことを避けつつも、住人たちとの調和を重視して行動していた。最終的に亜空と外界双方の発展を見据えた活動が展開されていく兆しを見せていた。
2(アニメ9話)
弓道修練中に発覚した異常な能力
森での弓道修練
深澄真は、宴の場を抜け出し、夜の森で弓道の修練を行った。百五十メートル先の的に矢を射る際、自らを自然と同化させる集中を行い、的に正確に矢を放つことに成功した。この集中は長年培った技法であり、心を落ち着けると同時に弓道の精度を高めるためのものだった。
従者たちの驚愕と修練の影響
修練中、巴と澪が真を探しに現れた。彼らは真が意識を拡散させる過程を見て、彼が「死と再生」を繰り返しているように感じ、驚愕した。この現象が、魔力の異常な増大と亜空の拡大を引き起こしている可能性が指摘された。巴は、真の集中が魔力を高めるだけでなく、亜空全体の構造にも影響を与えると推測した。
魔力量の異常とその影響
巴の分析によると、真の魔力量は既に「女神クラス」もしくはそれ以上に達しているとされた。この魔力量の増加は、亜空の拡大や真の従者との契約を容易にする原因と見られた。この事実により、真の存在が女神に脅威と見なされる可能性が浮上した。
亜空の秘密と星空の謎
巴は、亜空が真の意識を基盤に作られた可能性が高いと述べた。亜空の星空には地球の星座が混在しており、真が元いた世界を無意識に再現したと考えられた。この事実から、真は亜空そのものの創造主である可能性が示唆された。
対策と今後の計画
巴は魔力量の制御と亜空の影響を隠すため、真に魔力抑制を優先させるべきと助言した。真は弓道を一時的に中止し、女神や勇者たちとの衝突を避けるための準備を始める決意を固めた。次の目標として、レンブラント商会で薬剤師を紹介してもらい、学園都市への移動と学生生活を模索する方針を示した。
巴
巴が目撃した異常な修練と若の可能性
修練中の異常な様子
亜空の森にて、巴と澪は宴を抜け出した若を発見した。若は弓を手に意識を希薄にし、周囲と溶け込むような集中状態にあった。通常なら死の一歩手前のように見える状況であったが、若からは死の気配は感じられず、むしろ静かに落ち着いていた。
若の修練と亜空の拡大
若が矢を射るたびに、亜空は拡大していた。この現象は、若の意識の拡散と収束が原因であると巴は推測した。さらに、この集中によって若の魔力が異常な速度で増大していることも確認された。魔力の増加は通常の成長速度をはるかに超え、巴はこれを「死と再生」による魔力量の膨張と考えた。
亜空の起源と創造主の可能性
巴は、亜空そのものが若の契約によって無意識に創り上げられた世界である可能性に気づいた。星空の配置や異常な気候の原因も、この仮説によって説明できると考えた。亜空が若の意識に依存しているとすれば、若は無意識のうちに創造神に匹敵する力を持ち得る存在であると言える。
若の成長と未来への懸念
巴は、若が異常な速さで成長を遂げていることを目の当たりにし、その潜在能力に驚愕した。将来的に若がさらに力を高めれば、女神と対峙する事態にも勝利が可能であると判断した。一方で、若がその力をどう使うか、女神との対立が避けられない場合の行動についても不安を抱いた。
若への忠誠と決意
巴は、若が自らの力に気づかぬまま成長し続ける危うさを認識しつつも、彼を支える決意を新たにした。商会の運営や亜空の調査、さらには女神との潜在的な対立に備えるため、全力で若を補佐することを誓い、その忠誠心を深めていた。
とある女冒険者
巴とその仲間たちの存在感と冒険者の野望
ツィーゲの景気を支える異例の冒険者
ツィーゲの冒険者ギルドでは、巴という名の冒険者が圧倒的な実力で多くの依頼をこなしていた。彼女のレベルは1340で、当代無双と謳われた『竜殺し』ソフィアをも凌ぐ数値である。しかしランクが低いため、ギルド全体ではまだ注目されていなかった。一方でツィーゲの冒険者たちは彼女と親しくなろうと画策していたが、その成功例は極めて少ない状況であった。
巴と行動を共にする謎の仲間たち
巴はライドウと澪という二人の仲間と共に行動していた。ライドウのレベルは1で実力者には見えないが、澪のレベルは1500で異常な数値である。澪は戦闘に参加しないことが多く、その理由については謎が多い。巴自身も二人の指示を受けて行動している可能性が高く、三人の関係性は外部からは容易に理解できなかった。
ライドウへの接触の試みと失敗
とある冒険者は巴たちと関係を築くため、ライドウに接触を試みた。化粧や衣装を整え友好的に近づこうとしたが、彼の警戒心の強さと仲間の介入により失敗を重ねた。特に娼館の女を装った作戦は逆効果となり、ライドウとの距離を広げてしまった。
澪と巴を追う計画
巴への接触が困難であるため、冒険者はライドウを追うことを計画した。ライドウの行動パターンを把握し、彼を追跡することで澪や巴に接触する機会を得る算段である。パーティの仲間たちも協力を求められ、ツィーゲの土地勘を活かして作戦を進めることとなった。
成り上がりへの執念
この冒険者にとって、巴たちと関係を築くことは冒険者としての名声を手に入れるための絶好の機会であった。彼女はこのチャンスを逃すまいと策を練り続け、ツィーゲでの成功を目指して動き出した。
真
アンブロシアの確認と管理者への懸念
澪とのアンブロシア確認
澪に連れられ、亜空の畑でアンブロシアの成長状況を確認した。荒野で発見された希少な花であり、澪はその群生地から持ち帰る際に直接植物と意思疎通を図り、了承を得たと語った。澪の特殊な能力に驚きつつも、その育成に対する真摯な態度に主人である若は感心していた。
妖精種の存在と問題
澪はアンブロシアの群生地には管理者が存在する可能性を示唆した。おそらく妖精種がその役割を担っていると推測されるが、実際には植物との意思疎通はできておらず、一方的に保護しているだけだという。若はその管理者たちとの対話の必要性を認識し、澪の提案に賛同した。
若の内面的な葛藤と澪の反応
アンブロシアを巡る問題を考える最中、若は自身の立場や周囲の人間関係に思いを巡らせた。従者である巴や澪との近すぎる関係性が、彼の心に複雑な感情を抱かせていた。一方、澪は若と行動を共にすることに強い意欲を見せ、提案に対して異常なまでの熱意で応じた。
妖精種への期待と若の願い
若は妖精種との接触を前に、その性格や行動に興味を抱いていた。特に、巴や澪の自由奔放さとは対照的な、落ち着いた性格の人物との出会いを期待していた。また、自身を支えつつ彼の負担を軽減できる新たな仲間を得たいという切実な願いを抱きつつ、澪との同行を決意した。
3(アニメ10話)
森鬼との遭遇と交渉
激戦の幕開け
真は澪を小脇に抱えながら、迫り来る矢と魔法をかわし、妖精種と思しき「森鬼」との交渉を試みていた。森鬼の一人は分裂する矢を操り、もう一人は上位古代語で詠唱する魔法を駆使して攻撃を仕掛けてきた。真は攻撃を防ぎつつ停戦を求めたが、森鬼たちはヒューマンとアンブロシアの採取に怒りを露わにしていた。
澪の暴走と巴の介入
森鬼の矢と魔法が止む気配を見せない中、澪が暴走しそうになったが、真は手を切り、その血を澪に飲ませることで沈静化させた。同時に、念話で巴に助けを求め、巴はヒューマンの冒険者を亜空へ送り込むことで状況を整理した。
森鬼との対話の始まり
真は澪の闇魔法によるカウンターマジックで森鬼の攻撃を封じ、武器を破壊して無力化した。森鬼たちはその実力を認め、交渉のために真と澪を自分たちの村へ案内することを決めた。
森鬼の村への訪問
真と澪は森鬼の案内で村を訪れた。村は緑豊かで静寂が漂う場所にあり、隠蔽のための結界が張られていた。森鬼たちはアンブロシアを守るために活動しており、村の結界が弱まったことでヒューマンとの衝突が増えていることを明かした。
蜃の名と森鬼の反応
真が上位竜種・蜃の名を出すと、森鬼たちは動揺を見せたが、蜃に対する感謝の念を語った。真は蜃との関係や自分の事情を説明し、交渉を進めることになった。村での一泊が必要と感じつつ、真は森鬼との話し合いに臨む決意を固めていた。
巴
森鬼と若の動向
森鬼との因縁
巴は、若と澪がヒューマンに尾行され荒野へ向かう様子を離れた場所から観察していた。現地で現れた二人組の森鬼は、かつて巴が結界を作成した古代の種族であり、エルフの祖にあたる存在であった。精霊と決別し、独自の道を歩む彼らの存在を、巴は興味深く見守っていた。
若の技術と知識の浸透
巴は、若が提供する「てれび、どうが」の知識を元に、刀や稲作の研究を進めていた。特に刀鍛冶の技術はエルドワたちと共有し、解析を進行中であった。また、原種の稲を基にした品種改良がハイランドオークによって行われ、魔法を用いた成長促進の試みも成果を上げていた。若の科学的知識が亜空の発展に寄与していることを実感しつつ、その危険性にも共感していた。
森鬼の能力覚醒計画
巴は、忘れ去られた森鬼の能力を覚醒させることを計画していた。精霊とも女神とも決別した彼らに、自らの志を共有させ、若の亜空の一員として取り込む可能性を模索していた。伊賀や甲賀の忍びのような役割を期待し、その結果が女神や精霊を驚かせるだろうと考えていた。
若の変化と亜空の発展
最近、若の行動に散漫さや焦りを感じ取っていた巴は、その変化を興味深く観察していた。若が娼館へ向かおうとする場面に驚きつつも、彼の成長と挑戦に期待を寄せていた。また、亜空の商品がツィーゲに浸透し始め、幻の街「霧の都市」の噂が広まる中、亜空の拡大と繁栄の兆しを確信していた。
ツィーゲとの関係と未来への準備
巴は、若がツィーゲの冒険者や商会と関わる中で慌ただしくなる状況を把握し、亜空の未来に備えていた。レンブラント商会との協力が進む中、亜空の住人たちを統率し、訪問者への対応や商品の流通を整えるための準備を進めていた。巴自身も修行を兼ねてさらなる成長を目指し、若の命令に応えつつ亜空の繁栄を支えていた。
真
森鬼の訪問者たちと混乱の一日
森鬼の訪問と疑念
宴の準備が整うまで真は森鬼の村で与えられた部屋で休むこととなったが、案内役であったアクアとエリスは部屋から出て行こうとしなかった。彼らの粘り強さと一方的な態度に真は苛立ちを覚えたが、彼らの目的は自身の師を紹介することであった。彼らの提案に対し、真は疲れを理由に断るが、彼らのしつこさは収まらなかった。
謎の訪問者アドノウ
その場に突如現れたアドノウという男は森鬼の長老の息子であり、真に礼儀正しい態度で接近してきた。しかし、その不気味な雰囲気と皮肉交じりの言葉に真は警戒を強めた。アドノウの目的は明確にはわからなかったが、宴での再会がないことを願いつつ、真は彼をやり過ごした。
森鬼の師匠との不運な邂逅
部屋の静けさは長く続かず、突如として壁を破壊し乱入してきた森鬼の師匠が現れた。師匠はアクアとエリスの師匠であり、その無遠慮な態度と握手の強要に真は困惑した。握手の最中、彼の異様な執着心と圧力に耐えかねた真は、澪の助けを得てようやく解放された。師匠は澪による一撃で吹き飛ばされ、その場から退場した。
澪の嫉妬と真の疲労
澪は師匠の行動に対する怒りと嫉妬を露わにし、真との接触時間を問題視する発言をした。真は澪の感情的な反応に戸惑いながらも、これ以上の混乱を避けるため部屋での休息を決意した。宴までの時間を静かに過ごすことで、精神を立て直す必要があると考えた。
??
仮面の少年と黒い女への興味
森鬼の中での不意の遭遇
希少種である森鬼たちの集落で、異質な存在である仮面の少年と黒い女に出会った。二人はただのヒューマンではなく、特異な力を持っているようであった。彼らとの初接触で生じた違和感は、これまでの経験では味わったことのないものであった。
追い求める存在との関連性
二人が追い求めてきた存在に関連している可能性を感じた。我が抱く疑念は、彼らの力が通常の方法では通じない可能性を示唆している。これが真実であれば、仮面の少年たちは実験材料として極めて興味深い対象となる。
森鬼との関係の終焉
森鬼の能力は調査によって概ね把握できたため、もはや集落に留まる理由はなかった。森鬼との関係は表面的なものであり、利用する価値を失った今、彼らの存在は不要となった。
宴の後の行動計画
仮面の少年と黒い女への興味は尽きず、宴の後に接触を図ることを決意した。我自身の計画の一環として、彼らを手中に収めることが最優先であった。二人と遭遇したことは、彼らにとって不運な出来事であると確信していた。
澪
若様への忠誠と森鬼の村での調査
森での妨害と若様への想い
澪は若様との静かな時間を楽しむつもりでいたが、ヒューマンや森鬼たちの介入により計画が台無しになったことに苛立ちを覚えていた。さらに森鬼の師匠と名乗る男が若様の手を握り続けた際には、澪の怒りが頂点に達し、若様の制止を忘れて攻撃してしまった。自らの行動を反省しつつも、若様への想いは深まるばかりであった。
森鬼の村での調査
若様の指示を受け、澪は森鬼の村を調査した。まず、森鬼の変態と呼ばれた男が何かに憑依されていることを突き止めた。彼の持つ土の魔力から推測するに、土属性の魔物か魔獣が原因であると考えられた。また、別の森鬼が魔族と連絡を取っていることを盗聴で確認し、彼らが森鬼を魔族の戦力に加えようとしている計画を知った。
魔族とのつながりの発見
盗聴によって、森鬼の一部が魔族と連携を図ろうとしていることが明らかになった。その中で「魔王」や「魔将」という存在が言及され、彼らが森鬼の戦力を高く評価していることも判明した。澪はこれらの情報を忠実に若様へ報告し、次なる対応の準備を進めた。
若様の依頼と亜空への帰還
若様は宴に参加せず亜空へ戻り、巴を呼び寄せることを澪に依頼した。澪はその任務を快諾し、部屋に幻を残して亜空へ向かうことにした。若様を一人残しても問題はないと確信しており、自らの使命を果たすことを優先した。澪は若様のためならばどんな状況にも対応すると心に誓い、任務へと向かった。
真
森鬼の宴と予期せぬリッチの顕現
美しい宴の崩壊
森鬼たちの催した幻想的な宴で、真は舞や光景を楽しんでいた。しかし突如としてアクアとエリスの師匠が倒れ、その体から黒い煙をまとった骸骨――リッチが現れた。宴は一転してパニックとなり、森鬼たちは恐怖に震えたまま様子を窺っていた。
リッチとの対峙とその意図
真はリッチに目的を尋ねたが、彼の標的は真自身と澪であると告げられた。さらに、リッチは自分の存在理由や「グラント」という未知の存在への希求を語った。真はその言葉からリッチの知識欲の深さを感じ取ったが、同時にその狂気と危険性も見抜いた。
瘴気の脅威と真の耐性
リッチが放つ瘴気に森鬼たちは苦しめられていたが、真には全く効かなかった。かつて巴や澪による検証で判明した通り、真の魔力の膨大さが状態異常や魔法を寄せ付けないことを再確認した。これがリッチにとって予想外であり、次第に焦りが見え始めた。
リッチの攻撃と真の反撃
リッチは強力な魔法を放とうとしたが、真は闇魔法を使い、それを封じた。闇の歯がリッチの魔法と障壁を次々と食い尽くし、彼の魔力を完全に奪い取った。結果、リッチは魔力の源を失い、ただの骸骨に成り果てた。
余韻と真の内省
力を失い震えるだけのリッチを見下ろしながら、真は自身の行動に違和感を覚えた。怒りと苛立ちを発散した結果、いつも冷静な自分らしさを失ったことに気づき、自戒の念を抱いた。しかし同時に、自らの力がいかに圧倒的かを改めて実感した一戦であった。
巴
巴の登場と森鬼たちの混乱
沈黙の現場と巴の到着
巴が若を迎えに現れた場には、不穏な沈黙が漂っていた。若とアンデッドが対峙し、森鬼たちは一様に緊張していた。巴はその状況を察しつつも、若が非常識な方法でアンデッドを仕置き、森鬼たちが動揺していると推測した。
ニルギストリとの再会と巴の正体
群れる森鬼の中に見知った顔を見つけた巴は、ニルギストリという老いた森鬼に声をかけた。しかし、彼は巴の正体に気づかず無礼な態度を取った。巴がかつて結界を張った竜の姿を垣間見せると、森鬼たちは「蜃様」と叫びながら恐怖と畏怖で跪いた。
森鬼の恐れと若の立場
森鬼たちは、若がリッチを「異様な術」で圧倒したことに怯え、自分たちも次に害を受けるのではないかと恐れた。彼らの口から、若に対する敵意と後ろめたさが明らかとなった。若を村に誘い込んだのは、彼を極刑に処すためであったという。
巴の叱責と森鬼の狼狽
巴は、若に敵意を向けた森鬼たちを叱責した。彼が若を迎えに来たことを告げると、森鬼たちは驚愕し、特にニルギストリは動揺のあまり気絶してしまった。巴は自らが若の「下僕」であることを明かし、若の重要性を強調して場を収めた。
真
真の処刑計画と樹刑の実態
宴と隠された処刑計画
真は森鬼たちが催した幻想的な宴を楽しんでいたが、後に彼らの計画を知ることとなった。宴の目的は、客人を酒で油断させ捕縛し、「樹刑」と呼ばれる森鬼流の極刑に処することであった。巴はその刑罰を聞き、「古くから存在する刑罰」として知っている様子だった。
樹刑の恐るべき実態
翌朝、真は森鬼の案内で刑場を訪れ、樹刑の詳細を目の当たりにした。その刑罰は、森鬼たちの状態異常系ユニークスキルを用いて、対象を樹木に変えるというものであった。樹木に変わった者たちは、痛みや感覚を残したまま意識を失い、最終的には記憶も消滅するという恐怖の刑罰であった。
樹刑の復活と森鬼の背景
長老の説明によれば、この刑罰はかつて失われていたが、アクアとエリスの師匠が「先祖返り」としてその術を復活させたのだという。森鬼たちは、結界の弱体化による外敵の侵入を阻むため、師匠を中心に戦闘を指揮し、敵対者を処刑してきた。
森鬼の「林業」の真実
真は森鬼たちの生活を「森と共に生きるエルフのようだ」と見ていたが、刑場で目にした光景はそれを覆した。彼らは森や植物を「管理対象」として捉えており、信仰や親愛ではなく実利的な観点で扱っていた。真は彼らの姿勢を理解しつつも、その冷徹さに衝撃を受けた。
真の決意と巴の対応
巴は結界の再構築を約束し、森鬼たちの恐れを鎮めた。一方、真は「樹刑」の暴走や濫用の可能性を憂慮し、この力を無害化する手段を探ることを決意した。彼は仲間たちの協力を得て、この恐るべき刑罰を制御する方法を模索していくつもりであった。
師匠
師匠の覚醒と疑念
リッチの寄生と撃退
師匠は自分の体にリッチが巣食っていたことを知らずに過ごしていた。リッチが寄生していたことで感じていた疲労や奇妙な感覚は、自身の力に目覚めた副作用ではなかった。最終的にリッチは蜃によって完全に消滅させられ、師匠はその威力に竜種の存在を実感した。
仮面の男と黒い女への警戒
師匠は翌日、刑場への移動中に仮面の男と黒い女を観察していた。リッチを倒した仮面の男の力に疑念を抱きつつも、その異常な実力を認識していた。また、森鬼の長老の息子アドノウの不穏な行動にも注視しており、彼が村内外で連絡を取る相手に疑念を抱いていた。
弟子たちとの遭遇と樹刑の失敗
アクアとエリスが連れてきた侵入者に興味を持った師匠は、自ら壁を破壊して部屋に侵入し仮面の男に接触を試みた。樹刑を発動したものの、仮面の男にはまったく効かず、逆に黒い女の一撃を受け吹き飛ばされた。この異例の状況に師匠は興味を抱きつつも困惑していた。
森鬼の軍事的立場とライドウへの対抗心
師匠は自身が森鬼の中で最強の戦闘力を持つと自負しつつ、仮面の男であるライドウに対抗心を燃やしていた。森鬼の処遇が決まる会談が終わった後、ライドウへの直接対決を視野に入れ、森鬼の戦士としての矜持を胸に秘めていた。彼は、魔術師であるライドウを近接戦闘に持ち込むことで勝機を見出そうとしていた。
真
森鬼との交渉と移住計画
亜空移住の議論
真は巴の提案により、森鬼を亜空へ移住させる計画を議論した。しかし、真は樹刑という能力に恐怖を覚えており、彼ら全体を亜空に迎え入れることには強い懸念を抱いていた。最終的に、村全体の移住ではなく、交易や一部の出稼ぎに留める形で話をまとめた。これにより、巴は森鬼の結界を新調することで安全を確保し、同時に彼らの知識や戦闘力を商会の利益に活用する案を進めた。
森鬼の亜空見学と準備
森鬼たちは亜空での見学を行い、移住希望者を募る形となった。移住希望者は人数制限と面接を経て選抜されることになった。巴と澪はそれぞれの視点から森鬼の価値を評価しており、真もその有益性を認めつつも慎重な態度を崩さなかった。亜空での共通語の整備や商会運営における役割も議題に上がり、今後の方針が具体化された。
ヒューマントリオの対応
真は森鬼の村への侵入者であった三人のヒューマンについても対応を考えた。彼らは亜空での一時滞在を経て、ツィーゲへの隘路付近に送り返される予定であった。巴が管理する形で、彼らには質の良い武器が提供されることが決まり、真は彼らの今後の道を見守ることとした。
リッチとの対話準備
亜空に保管されていたリッチが目覚めたことを確認した真は、彼との対話を開始する準備を整えた。巴と澪はこの場に同席し、事情聴取とさらなる計画を進める姿勢を見せた。真は森鬼やリッチとの交渉に向け、課題を整理しつつ冷静に対処する決意を固めていた。
とある冒険者たち
冒険者たちの不満と野望
亜空での歓待と冒険者の反応
亜空に迷い込んだ三人の冒険者たちは、魔物や亜人による歓迎を受け、ツィーゲの宿屋よりも豪華な部屋を与えられていた。彼らは本来なら森鬼に殺されていた身であり、このような待遇は奇跡に近いものであった。しかし、彼らは感謝するどころか、亜人からの歓待を屈辱と感じ、彼らを侮蔑する発言を繰り返していた。この態度は、亜人を下等な存在と見なすヒューマンの一般的な考え方に基づくものであった。
略奪計画の開始
冒険者たちは、蜃気楼の街の武具や希少植物アンブロシアを略奪し、大金と名誉を手に入れる計画を立てた。彼らは森に戻る手段を探しつつ、亜空の住人から情報を引き出そうと考えた。彼らの目には、亜空の住人であるハイランドオークすら単なる「豚」にしか映らず、簡単に倒せる相手だと信じて疑わなかった。
未熟さと危険性の見落とし
冒険者たちは、亜空の住人たちが持つ力や環境の特殊性を完全に軽視していた。その未熟さと傲慢さが、彼らの行動に潜む危険性を高めていた。一方で、真や巴も彼らを単なる弱いヒューマンと見なしていたため、その厄介な思考の影響を十分に理解していなかった。彼ら三人が最悪の部類の冒険者であることを、真はまだ知らなかった。
4(アニメ11話)
リッチとの交渉とリッチとの交渉と真の質問
リッチの復活と交渉の始まり
リッチは魔力をある程度回復し、真の促しで立ち上がった。戦闘の際に受けたダメージから回復した様子であったが、まだ完全ではなく、杖も具現化していなかった。真はリッチに対して安全を保証しつつ、いくつかの質問を始めた。
リッチの自己紹介と過去の研究
リッチは自分を「リッチ」と名乗り、名前は失い過去の記憶も不明だと説明した。彼は森鬼の樹刑という能力を研究するため、彼らに紛れ込んでいたという。森鬼の失われた能力を掘り起こし、人間の変異による「グラント」への進化を探求していたのだと語った。
グラントと魔王軍への関連
リッチは「グラント」とはヒューマンの上位種であり、全てにおいて優れている存在だと説明した。彼自身はその道を探求していたが、魔王軍からの協力要請を断っていた。また、森鬼の村でスパイとして活動していた「アドノウ」は魔王軍に通じていたと告げた。この情報に真は驚きを隠せなかった。
真とリッチの質疑応答
リッチは真に対し、戦闘で使用した術について質問した。真は闇の特性を利用した術だと説明し、対象の魔力を消耗させて勝利したことを明かした。この説明にリッチは困惑し、さらにその効率の悪さに驚いていたが、真の回答を認めた。
魔術書の交換と巴の提案
真はリッチに魔術書の提供を求め、対価として自身の魔法詠唱リストを提供する提案をした。リッチはこれを受け入れたが、巴はリッチごと知識を引き入れるべきだと提案した。巴はさらに、リッチの求める「知識」を提供する見返りに完全な従属を得る計画を示唆した。真はその提案に少し懐疑的であったが、巴の行動に一部を委ねることにした。
巴とリッチの交渉と契約の試み
リッチの動揺と巴の追及
巴はリッチに向かい、「グラント」に関する知識を問いただし、彼の混乱を誘った。リッチは「グラント」を世界を渡る能力を持つ存在と信じていたが、巴はそれが誤解であると指摘した。巴によると、グラントとは女神の眷属や世界を渡った存在を指すが、必ずしも移動能力を持つわけではないと説明された。
リッチの挫折と巴の説得
巴の指摘により、リッチは自分の長年の研究が誤解に基づいていたことを知り、深い挫折を味わった。巴は彼を同情的に見つめつつ、「若(真)」に従者として仕えるよう提案した。リッチは迷いつつもその提案を受け入れることにした。
契約の試行と困難
契約の試行中、リッチの力が不足しているため、魔法陣の発光色が支配関係を示す赤に至らなかった。巴は真の力を弱める提案をし、それにより契約が進展した。しかし、それでも問題が残り、巴は真の魔力を封じ込めた指輪を使ってリッチの力を補強する策を取った。
契約の成立とリッチの新たな姿
最終的に契約は成功し、リッチはヒューマンに近い肉体を持つ青年の姿を得た。新たな姿を確認したリッチは感動し、真に忠誠を誓った。巴と澪もそれを喜び、新たな従者としての教育を始めることを計画した。
突如訪れる異変
契約が無事に完了し、新たな従者の名前を決める計画を立てた矢先、巴が「面倒なこと」と言いかけた直後、部屋の窓から強烈な光が差し込んできた。この突然の事態に、真と従者たちは緊張感を抱えたまま次の行動を考えることとなった。
突如の異変と巴の負傷
光と巴の負傷
突然の強烈な光が屋敷を包んだ直後、巴が額から血を流し膝を突いた。彼女は敵襲の可能性を示唆しながら三人の名前を口にし、そのまま倒れた。真は状況を把握しようと探索の「界」を展開したが、自身の魔力の影響で視認が阻害された。
爆発の痕跡と現場への移動
探索の結果、屋敷裏手に位置する門付近で地形が大きく崩れ、クレーターのような痕跡が見つかった。真は澪に巴を任せ、リッチを伴い現場へ向かった。リッチは移動中に負傷者の治癒を提案し、回復魔法を展開した。
現場の惨状と治癒の試み
現場には倒れたオークやドワーフが散乱しており、破壊された地形が兵器による攻撃を彷彿とさせる状態であった。その中心部で真は瀕死状態のアルケーを発見した。彼の体は酷く損傷していたが、リッチの回復魔法と真の「界」の治癒効果を重ねた結果、奇跡的に命を取り留めた。
残された異質な魔力
真は現場に散らばる魔力を探索し、三つの異質な魔力を感知した。そのうち二つは巴の分体やオークの魔力と類似する痕跡を持ちながら消失しており、三つ目の魔力は霧の門の方向へと尾を引いていた。門の付近には破損したドラウプニルのチェーンが残されており、偶発的に門が開いた可能性が示唆された。
門の中へ
真は現場をリッチに任せ、霧の門に残る歪みをこじ開けて中へ入った。原因を探るべく進む彼の胸には、不安な予感が渦巻いていた。
5
真
ツィーゲへの帰還と再会
霧の門を越えた先の女
真は霧の門を通り、荒野からツィーゲに戻った冒険者の女と再会した。彼女は重傷を負いながらもツィーゲの空気を吸い、助かったと歓喜していた。真は彼女を見つめながら、自身の魔力が原因で起きた惨劇を思い出していた。
記憶の流入と女の思考
女に近づいた真は、彼女の記憶と感情を無理矢理流し込まれるような体験をした。その内容は、亜人を下等な存在と見下し、冒険者としての略奪を当然とする考えに満ちていた。これにより真は強烈な嫌悪感と憎悪を抱き、彼女への治癒の意思を完全に失った。
霧の中での対峙
目を覚ました女はツィーゲに戻れたことを喜ぶが、直後に真が作り出した霧の中に閉じ込められた。彼女は自らを追ってきた真に対し挑発的な態度を取りつつも、徐々に恐怖を露わにしていった。真は言葉で応じることなく、短剣を抜き、女との距離を詰めていった。
女との戦闘と裁き
女は戦闘不能な状態でありながらも、武器を構えて真に立ち向かおうとした。彼女の攻撃は真の「界」によって弾かれ、真はその隙を突いて短剣で両手を切り落とした。絶叫する女に向けて真は冷酷に歩み寄り、最後に首に短剣を突き立て命を奪った。
怒りと悲しみの涙
女を殺害した真は膝を突き、その場で涙を流した。それは彼女を殺した自分自身への戸惑いであり、彼女の行動で命を落としたハイランドオークや仲間たちへの悲しみでもあった。
喪失と再起への集会
亜空の惨事を語る真
真は集められた仲間たちに、先日の亜空での惨事について語った。オーク一人と巴の分体を失ったことを告げ、責任の大部分が自身の判断ミスにあると認めた。亜空で行われた離魂の宴についても触れ、仲間を弔う伝統に則った儀式を執り行ったことを伝えた。巴は謝罪に不満を示しながらも最終的には受け入れ、真のけじめとしての行動を尊重した。
ヒューマンとの距離感を再定義
真は亜空の住人とヒューマンの関係を再考し、ヒューマン専用の区画を設けることを提案した。これにより、亜空の住人とヒューマンが接触する機会を最小限に抑え、安全を確保しつつ適切な距離感を保つ計画を示した。エマを中心にこの計画が進められることとなった。
廃棄物管理の改善を求める
ドワーフ代表のエルドとベレンには、廃棄物の管理体制の見直しを指示した。鍵のかからない倉庫に放置されていたドラウプニルの盗難が惨事を招いたことを踏まえ、廃棄予定の武具を厳重に保管することを求めた。また、冒険者対応のための人選や、武具製作に関する提案を行い、協力を要請した。
リザードの役割変更
リザード隊長には、今後は街の巡回警備を主な任務とすることを伝えた。戦闘訓練や狩猟活動を維持しつつ、街の治安維持に力を注ぐよう指示した。巴を中心とした巡回体制の構築が提案され、これにより住人の安全がより確保される見込みとなった。
アルケーへの新たな任務
アルケーには、ヒューマン専用区画での監視役を交代制で務めるよう依頼した。さらに、開拓や調査活動を継続することを求め、負担を減らすための調整も行った。アルケーたちは快く了承し、街の発展と安全のために尽力することを誓った。
支配の契約に潜む力
真は巴たちとの契約が自身にもたらした影響について言及し、従者の能力が一部自身に宿る可能性を指摘した。巴はこれを肯定し、特定の条件下で従者の能力が暴走的に発現する例を挙げた。この現象が信頼関係に基づくものであると理解した真は、自身の変化を受け入れつつも、さらなる適応を模索する姿勢を見せた。
学園都市への旅立ち
最後に真は、学園都市へ赴く計画を告げた。識を同行者として指名し、ツィーゲの維持と発展を仲間たちに託した。巴と澪には別の任務を任せることで、全員の負担を分散させた。識は驚きつつも、この新たな役割を果たす覚悟を固めた。
学園都市ロッツガルドへの旅立ち
出発の決意
真は学園都市ロッツガルドへ向かう決意を固めた。商会の活動の本格化と両親についての手掛かりを得るためである。また、自身が殺めた女性の記憶や未完の世界地図に触れたことで、この世界についてさらに深く知りたいという欲求が高まったことが大きな動機となった。
レンブラント家との別れ
真は出発前にレンブラント邸を訪れ、感謝の言葉を述べた。レンブラントは学園都市での手続きに必要な書類と推薦状を用意し、真の旅立ちを応援した。真はその厚意に報いるため、初めて仮面を外して素顔を見せた。レンブラントは平静を保ちながら真を見送り、奥方や娘たちが順調に回復していることを伝えた。
巴と澪への説明
識からの報告を受け、真は巴と澪に直接出発の理由と計画を説明した。二人は納得しつつも不満を抱えながらそれを受け入れた。識を同行者に選んだことに対して、巴と澪から識への妬みが見られたが、真は二人を宥めつつそれぞれに助言を与えた。
巴と澪への助言
巴には剣術の基本として握力の重要性を伝え、重い練習用の刀での素振りを勧めた。澪には銃の精度向上の鍵として銃弾に回転を与えることを教えた。これらの助言は二人を喜ばせ、真が彼らを家族のように大切に思っていることが伝わった。
丘での独白
真は亜空の丘で一人両親の肖像画を手にし、これまでの自分を振り返った。弓道部の集合写真を思い浮かべながら、元の世界への未練を感じつつも、今いる世界での自分の役割を模索しようと決意を固めた。人と魔族、亜人、女神についてすべてを知り、それから自分の行動を決めることを心に誓った。
学園都市への期待
ロッツガルドは大陸中央近くに位置する学問と研究の街である。その地で新たな知識を得ることが、真の次なる目標となった。
EXTRAエピソード
レンブラント奔走す
クズノハ商会の危機
執事モリスの報告
レンブラント商会のパトリック・レンブラントは、執事モリスの「クズノハ商会が大変です」という報告を受けた。その一言により、日常の安らぎから商人としての顔に戻ったレンブラントは、すぐに詳細を聞くことにした。
資料を通じて知る問題の全貌
モリスから渡された十数枚の報告書には、クズノハ商会が抱える多岐にわたる問題が記載されていた。立ち上げから間もない商会でありながら、その内容は深刻で、特に契約関係の問題が複雑であった。レンブラントは資料を読み進めるにつれ、その規模の大きさに驚きつつも対処を決意した。
救援活動の決定
レンブラントは「新人が経験すべき苦難もある」としつつも、今回の問題量を考え支援を決断した。さらに、ライドウが学園都市への進出を予定していることを踏まえ、商会が円滑に動けるように整えるべきと判断した。
ライドウへの思い
モリスは「ライドウ様は幸運な方」と評しつつ、レンブラントの特別な思い入れに言及した。レンブラントは「彼はただの幸運ではない」と語り、彼の可能性に期待を寄せていた。その言葉には確信めいた響きがあり、モリスも納得する様子を見せた。
商会内部の把握
レンブラントはクズノハ商会の内部事情についての情報収集をモリスに命じた。特に誰がどのような役割で動いているのかが不明な点に課題を感じており、詳細な把握が必要だとした。
救援活動の開始
こうしてレンブラント商会による救援活動が始まった。レンブラント自身もクズノハ商会の問題解決に深く関わることを決意し、その表情にはどこか楽しげな様子も見られた。これが後にクズノハ商会をツィーゲで特異な存在へと押し上げる一因となることを、誰もまだ知らなかった。
その 1 土地
レンブラントとクズノハ商会の土地問題
クズノハ商会の迅速な土地取得
クズノハ商会は商人ギルドを通じて店舗用の土地を購入していた。巴が全額を一括で支払ったことで契約が成立しており、その迅速な取引はレンブラントを驚かせた。レンブラントは翌朝早速行動を開始し、商人ギルドを訪問した。
商人ギルドへの確認
レンブラントはギルド職員から土地の契約内容を確認した。記録には地主ミスエルとの取引と記されていたが、レンブラントは背後にエレオール商会の影響を見抜いていた。ギルド職員はエレオール商会との繋がりを否定したものの、その態度は動揺を隠せないものであった。
エレオール商会への直談判
レンブラントはエレオール商会を直接訪問した。約束もなく押しかけたにもかかわらず、代表はレンブラントの存在感に圧され応対せざるを得なかった。レンブラントはミスエルが契約の表舞台に立ちながら、背後でエレオール商会が関与していると指摘した。
レンブラントの圧力と真実の開示
レンブラントはエレオール商会が契約書に細工を施したことを突き止めていた。さらに、代表の個人的な秘密や違法行為を証拠と共に把握しており、それを武器に契約のやり直しを要求した。代表はその圧倒的な情報量と確信に押され、契約を修正することを受け入れた。
クズノハ商会への支援と警告
レンブラントはクズノハ商会の代表ライドウを「家族の命の恩人」として特別に支援していた。さらに、クズノハ商会の構成員である巴の驚異的なレベルに触れ、力を伴った怒りがエレオール商会に向けられる可能性を暗示した。そのため、レンブラントの介入はエレオール商会にとっても救済となった。
エレオール商会代表の動揺
代表はレンブラントの過去の悪行を察し、その圧倒的な影響力を改めて思い知らされた。レンブラントが領主すら操る力を持つと認識し、彼の持つ黒い側面に恐怖を覚えた。
レンブラントの去り際の忠告
最後にレンブラントは代表に二人目の愛人が妻と良からぬ企みを持っていると忠告した。その的確な指摘は、レンブラントの情報収集能力がどれほど精緻であるかを示すものであった。代表は自らの無力さを痛感し、レンブラントの力を認めざるを得なかった。
その 2 仕入れ
レンブラント商会の暗躍とミリオノ商会の躍進
ミリオノ商会への訪問
執事モリスはミリオノ商会を訪れ、代表のハウと面会した。ハウはレンブラント商会の支援によって成功を収めた経緯を持ち、モリスの訪問を歓待した。挨拶を交わした後、モリスはクズノハ商会支援の件を切り出した。
荒野の素材と市場への影響
ハウは、荒野からの大量の素材流入がクズノハ商会を中心に進んでいることを明かした。その急激な供給増加が市場に混乱をもたらし、素材価格が変動する懸念があると語った。さらに、一部の問屋がクズノハ商会との取引を制限しようとしていることを告げた。
クズノハ商会への妨害策の背景
問屋たちは荒野素材の供給過多に反発し、価格調整のためクズノハ商会との取引制限を検討していた。しかしレンブラント商会の支援が明らかになると、ハウは妨害策の実行が無意味になると判断し、取引を再構築する意向を示した。
ミリオノ商会を中心とした新たな市場計画
モリスは、クズノハ商会が荒野素材の流通量を抑える期間をハウに伝えた上で、その情報を活用し市場で優位に立つ戦略を提案した。さらに、レンブラント商会が素材を原価以下で提供するという破格の条件を提示し、ハウは驚きつつもその計画を受け入れた。
レンブラント商会の思惑と問屋業界の再編
この取引によって問屋業界の派閥争いを削ぎ落とし、ミリオノ商会を中心に市場を再編成する狙いが明らかとなった。ハウはレンブラント商会の意図を理解し、自身の商会を問屋業界の中心に押し上げる決意を固めた。
クズノハ商会とミリオノ商会の影響
クズノハ商会がもたらした荒野素材の流入は市場に混乱を与えたが、レンブラント商会の計画によりミリオノ商会が大きな利益を得た。この出来事を通じて、レンブラント商会の影響力が再び示され、ミリオノ商会は問屋業界の中心的存在へと成長していった。
その 3 従業員
レンブラント商会とクズノハ商会の未来
問題の事前処理とクズノハ商会の地位確立
レンブラントとモリスは、クズノハ商会を巡る数々の問題を事前に解決した。その結果、いくつかの商会が潰れ、他の商会はレンブラントの後ろ盾を知り、クズノハ商会への干渉を控えるようになった。クズノハ商会は開店前にもかかわらず、ツィーゲにおける特別な存在として認識されつつあった。
従業員不足への懸念
レンブラントとモリスは、クズノハ商会の従業員がライドウ、巴、澪の三人だけであることを知り驚愕した。三人だけで商会を運営するのは現実的ではなく、従業員の確保が急務であると考えた。しかし、当面はレンブラント商会からの人材支援が難しい状況にあった。
クズノハ商会の異質さ
レンブラントは、クズノハ商会が商売に必要な基本的な繋がりを持たず、自己資金で運営されている点に注目した。その独特な経営スタイルは、他の商会と異なり、長期的な運営には不安が残ると評価した。一方で、ライドウの未熟さを補うため、信頼できる人材を選定し支援する計画を立てた。
商会の将来予測
レンブラントは、クズノハ商会が初期の運営で赤字を出すものの、半年以内には経営が安定し、黒字に転じると予測した。ライドウが商売の経験を積む中で、困難を乗り越えながら成長する姿を期待していた。
ライドウへの親心と期待
レンブラントは、ライドウを恩人としてだけでなく、家族のように思い始めていた。そのため、彼の商売の失敗や躓きさえも経験として受け入れさせ、見守ることを決意した。最終的には、ライドウが学園都市で更なる成長を遂げることを願いながら、ツィーゲの街並みを眺めた。
その 4 開店
クズノハ商会の驚異的な成功と影響
亜人の雇用と予想外の成功
クズノハ商会は、レンブラント商会の一部を間借りして営業を開始した。店には亜人であるドワーフと黒髪の美女が雇用されており、冒険者や一般住民が集まり行列を作るほどの繁盛ぶりを見せた。亜人の雇用というリスクが、優れた武具を売るという彼らの特性によって一級品の看板となった。
果物と蜃気楼の街の品の秘密
成功の鍵は、珍しい果物や蜃気楼の街から仕入れたとされる品々であった。特に果物は女性客の心を掴み、蜃気楼の街の商品が流行を巻き起こした。レンブラントはライドウがその街に関わる秘密を握っていると推測し、その影響力の大きさに驚愕した。
薬とクズノハ商会の評判
果物や武具とともに、常備薬や魔法薬並みの効能を持つ薬品も店頭に並び、冒険者や一般住民に広がった。これらの商品は安価でありながら高品質で、評判を呼んでいた。レンブラントは、ライドウの商売が結果的に薬を主力とする形で成功している点に注目し、その計算高さに感心した。
ツィーゲへの影響とレンブラントの決意
クズノハ商会の成功はツィーゲ全体に活気をもたらしつつあった。レンブラントは、クズノハ商会が街の発展に劇薬的な影響を与えると確信し、彼らを支援することでツィーゲをさらに豊かにする決意を固めた。モリスもその考えに同意し、商会の成長と街の発展を見守る覚悟を示した。
学園都市ロッツガルドと置き土産
ライドウが学園都市へ旅立った後も、彼の商売の影響はツィーゲに残り続けた。レンブラントは、クズノハ商会がもたらした変化が街全体を変えていくことを確信し、その未来を楽しみにしていた。
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