小説【わた婚】「わたしの幸せな結婚 八(8)」感想・ネタバレ

小説【わた婚】「わたしの幸せな結婚 八(8)」感想・ネタバレ

どんな本?

わたしの幸せな結婚』は、顎木あくみ 氏による日本の小説で、富士見L文庫(KADOKAWA)から2019年1月から刊行されている。

物語は大正時代を舞台に、名家に生まれながらも継母と義母妹に虐げられて育った主人公・美世が、冷酷無慈悲と噂の若き軍人・清霞との婚約者となり、彼との生活を通じて少しずつ心を通わせていく様子を描いている。

この物語は、美世が愛されて幸せになるまでの過程を描いており、美世が清霞との関係を深めていく中で、自身の立場や感情について考え直す機会を得る。
また、物語は美世の視点から描かれ、彼女の内面的な変化や成長が詳細に描写されている。

なお、この作品はメディアミックスとして展開されており、高坂りと 氏によるコミカライズがガンガンONLINEで連載され、映画化アニメ化もされている。

読むきっかけは、2023年7月にアニメ化することは知っていたが、、
タイトルでは全く興味を持っていなかったが、当時読んだ「「若者の読書離れ」というウソ」という本を読み。
人気の作品であり、異能の力がある大正ロマンスだと知り購入して読んでみた。

読んだ本のタイトル

#わたしの幸せな結婚 8
著者:#顎木あくみ 氏
イラスト:#月岡月穂  氏

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あらすじ・内容

清霞の過去と、美世と清霞の新たな生活の物語。珠玉の短編集

五道佳斗の父に対異特務小隊に誘われていた学生時代の清霞。夢と任務の狭間で起きた事件とは……軍人として生きる清霞の原点と「土蜘蛛」との因縁が明らかに。さらに美世と清霞の新婚生活をえがいた短編を収録。

わたしの幸せな結婚 八

小説 PV

KADOKAWAanime
KADOKAWAanime

感想

主に久堂清霞の過去と、彼と美世の結婚生活について綴られた短編集であった。
物語は、清霞と光明院善が帝都ホテルのラウンジで再会し、過去を振り返る場面から始まる。

清霞はかつての上官である光明院との対話の中で、結婚後の忙しい日々や、五道壱斗の思い出などを語り合う。

ここで語られる過去のエピソードは、清霞が学生時代に対異特務小隊の一員として活動していたころのことで、彼がどのようにして現在の道を歩むことになったかが描かれていた。

話は、清霞が大学で学問に励みながらも、異能者として異形と対峙する日々を送っていた時期へ動く。
五道壱斗の父親から軍への勧誘を受けつつも、清霞は自分の将来について深く思い悩む。

そんな中、土蜘蛛との遭遇が彼の人生に大きな転機をもたらす。
清霞は土蜘蛛の討伐に参加するが、五道の父親が戦死し、その後の五道との関係に影を落とすことになる。

この出来事が、清霞が異能者としての道を選ぶきっかけとなる。

短編集の後半は、清霞と美世の結婚生活に焦点を当てたエピソードで構成される。
二人は結婚式を終え、新たな生活を始めるが、そこには甘い日々だけでなく、先代である正清とその妻芙由の間で起きた贈り物が壊れた事件など、夫婦として乗り越えなければならない試練も待ち受けている。

しかし、二人はそれぞれの愛と信頼を深め、共に未来へと歩んでいく。

物語は、清霞と美世が互いに支え合いながら、過去の影を乗り越え、共に幸せな結婚生活を築いていく様子を描いていた。

短編集は、清霞の過去の苦悩と成長、そして美世との甘く幸せな日常を通して、二人の絆の強さを示して終わる。

九巻が待ち遠しい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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アニメ PV

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その他フィクション

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フィクション ( Novel ) あいうえお順

備忘録

霖雨がやむとき(過去編)

現代

清霞と元上官である光明院善は、帝都ホテルのラウンジで再会し対話を交わしている。

清霞は疲労が顕著であり、光明院からはそのことを指摘されるが、清霞は素っ気なく返答する。
清霞は最近、美世との結婚式を終えたばかりで、忙しい日々を送っていた。

結婚式は順調に進行し、天気にも恵まれたが、式後も様々な業務や私生活での責務に追われている。
光明院は清霞の疲れた様子を見て心配するが、清霞は仕事への責任感から休むことを拒否する。

光明院と清霞は過去の思い出や、共通の知人である五道壱斗のことを思い出しながら、今の生活や変わった帝都について語り合う。

光明院は清霞の結婚を祝福し、もし壱斗が生きていれば彼が最も喜んだだろうと語る。
清霞は式に壱斗に参加してほしかったと本音を漏らす。
そうして、二人は共に過去を振り返る。
光明院はかつての戦いで深い傷を負い、現在は義足をつけていることが語られ、清霞が過去に大きな転機を迎えた事件を思い出している場面で文書は終わる。

過去

久堂清霞は本や歴史、文学、古の建造物や美術品に興味があり、人類の軌跡をたどる勉強に心躍らせていたが、それらを生涯の仕事にしたいかと問われると答えに窮する。
学生であり異能者として異形と対峙する生活を送っていた。

対異特務小隊の隊長、五道壱斗は清霞を評価し、何度も軍への勧誘を繰り返していたが、清霞は軍人としての生活に興味がないと断り続けている。

清霞は自分に将来の夢があるわけではなく、ただ大学で学問を続けることを考えている程度で、自分の将来についてはっきりした答えを持っていない。
光明院からも軍入りの勧誘を受けるが、清霞はそれを断り、自分の将来について深く考えさせられる。
家に帰った清霞は、自分の居場所や将来についての虚しさを感じ、運命に縛られた人生を歩んでいるが、今度は自分の夢を見つけるよう言われる矛盾を感じている。

清霞が幼い頃、五道家の庭で異能を使いこなす練習をしている場面が描かれている。

清霞は温度を操る異能を持ち、それを使って火と氷を生み出し、空中でぶつけ合わせて相殺させる技を披露する。
この技を成功させたことで清霞は大変喜び、五道壱斗とその息子もそれを褒め称える。

この時期の清霞は、五道から異形と戦う術を学びながら、学業にも励んでおり、日々が充実していた。

また、五道家ではただの子どもでいられる数少ない場所であり、清霞にとって特別な場所であった。

しかし、清霞が現実に戻ると、その記憶と現在のギャップに憂鬱を感じ、再びベッドに倒れ込むシーンで終わっている。

大学を訪れた清霞は、講義後に教授から小論文の褒め言葉を受け、講演会への参加を勧められる。

その後、先輩から夜の遊びに誘われ、参加する。夜、清霞は土蜘蛛と遭遇し、戦闘となるが、五道と他の隊員たちが駆けつけた時には土蜘蛛は逃げてしまう。
翌日、清霞は五道に会いに行くが、五道は清霞が土蜘蛛の件に関わることを拒否し、清霞を遠ざける。

光明院からは、五道が清霞を気にかけているが、彼の参加を望まない理由がはっきりしないと聞かされる。

清霞はその理由を求めて屯所を訪れるものの、五道に会えず、彼の真意がわからずに残される。

任務から外された清霞は一週間、学業に専念しながら平穏な日々を過ごしたが、心の奥では異能者としての役割への思いが消えていなかった。

ある日、土蜘蛛の討伐に出た隊員たちが重傷を負ったとの報を受け、自身の無力さと役目から距離を置いたことへの後悔を感じる。

教授に誘われた講演会への参加を決め、平穏な生活への適応を模索する中、清霞は異形討伐の道を選ばなかった自分を省みる。

しかし、五道からの救援要請を受けて意を決し、父に土蜘蛛の場所を尋ね出動する。

重傷を負った光明院と五道、そして他の隊員たちの犠牲を目の当たりにした清霞は、土蜘蛛を倒すものの、深い罪悪感と後悔に苛まれる。

五道の葬式では、五道の息子である佳斗から激しい怒りを向けられ、自己嫌悪に陥る。
光明院の語る五道の真意を聞き、力ある者としての覚悟と決意を新たにする。
清霞は自分の道を選び、未来への一歩を踏み出す決心を固めた。

現在

清霞と光明院は過去の記憶に思いを馳せながらコーヒーを飲む。
光明院は、清霞への過去の言葉を撤回し、彼が変わったと語る。
軍を辞めた清霞が結婚し、家族を持ったことについて話し合う中で、二人は五道の死とその後の自分たちの変化について深く反省し、語り合う。

清霞は、異能者としての道と夢の間で迷った過去があり、五道からの最終的な選択の機会を与えられたことを理解する。
今では異能者としての責務よりも家族を守ることを選ぶ清霞の決意が固まり、光明院もその選択を支持する。

清霞は軍人としての最後の仕事として、再び脅威となった土蜘蛛の討伐に臨む決意を新たにし、美世との平和な生活への期待を胸に秘める。

掌編の玉手箱いち

義妹が可愛すぎる

カクヨム(二〇二〇年十一月)

ある晩夏の日、久堂葉月は弟である清霞の家を訪れ、将来の義妹である美世と出会う。美世は葉月の訪問を受け、一緒に多くの見舞いの品を家の中に運び込む。これらの品物は、清霞が任務中に倒れて昏睡状態に陥り、その後回復したことに対するお見舞いであった。葉月、美世、そして使用人のゆり江は、贈り物の山を片付けながら、贈り物の多さとその中身の偏りに頭を悩ませる。

特に注目を集めるのは、八木百合子からの贈り物とメッセージカードである。このカードには、以前のパーティーで清霞とダンスをしたときの記憶と、回復後に再びダンスに誘うことへの期待が書かれていた。これを受けて、美世は何かに思い悩む様子を見せ、突然台所へと向かって行く。葉月とゆり江は心配しながら美世を覗き見し、彼女が何かを煮ているのを目撃する。二人はこの突然の料理行動とその独特の匂いに疑問を持つ。

清霞は体調が回復しつつあるものの、まだ十分な体力が戻っていないため、昼間でも寝てしまうことがある。ある日、目覚めると、妻の美世が粥を持ってきた。粥からは奇妙な匂いがするが、見た目は普通だった。しかし、食べてみると非常にまずく、不快な食感と匂いに苦しむ。美世が粥に使った食材は、八木百合子という女性からの見舞い品で、外国の漢方に使われるものだった。清霞はその食材の使用について注意を促し、美世には感謝の意を伝える。しかし内心では、八木家に苦情を入れることを心に誓う。

葉月は、美世と清霞のやり取りをゆり江と共に廊下から見ており、その状況に笑いを堪えるのが大変だった。八木百合子によって送られた奇妙な食材を使った粥を食べる清霞の姿は、普段とは異なり、非常に興味深く、愉快であった。特に、普段は感情をあまり表に出さない清霞が美世の前では表情豊かになる様子や、美世が八木百合子のカードに対して感情を抑えていることから、葉月は二人の仲が進展することに期待を抱く。彼女は、美世が非常に可愛らしい義妹であると感じていた。

甘い、酸っぱい。

富士見 L文庫七周年フェア用書き下ろし(二〇二一年七月)

夏の暑い午後、美世は自室で朝顔の柄の団扇を使いながら教本を眺めていたが、暑さに辟易している。清霞は昨晩の当直で遅く帰宅し、昼過ぎまで休息を取った後、書斎で仕事をしていた。美世は、清霞が過労で倒れないか心配になる。そんな中、美世はゆり江が買ってきた心太を冷水で冷やし、清霞に提供することを思いつく。二人は縁側で心太を食べながら休憩を取り、暑い夏の日を少しでも涼しく過ごそうとする。清霞には酢醤油とからしで味付けされた心太を、甘いものが好きな美世には黒蜜をかけた心太をそれぞれ提供し、二人は夏の味覚を楽しむ。清霞は美世に気を遣わせてしまったと謝るが、美世は単に二人で休憩したかっただけと答える。二人で過ごす貴重な時間と心太を共に味わい、夏の午後が過ぎていく。

酔った彼女

富士見 L文庫五周年フェア用書き下ろし

帰り際に、対異特務小隊の隊長である清霞は副官の五道から、大量に作られた洋菓子をもらう。自宅でその菓子を美世と共に食べた際、ブランデーが効いた洋菓子のため、普段はあまり笑顔にならない美世が酔ってしまい、笑顔を見せる。清霞は酔った美世を見て内心動揺するが、その状況を面白がりながらも、美世に酒の強いものを控えるよう注意する。この一件で、清霞は五道に対して怒りを感じている。

辰石一志の平凡な、と或る一日

富士見 L文庫八周年フェア用書き下ろし(二〇二二年七月)

辰石一志は、自由な日々を送る辰石家の当主である。ある日、一志は遅くまで寝ていたが、唯一の使用人である貝沼一太によって起こされる。昼食をとった後、一志は街中をふらりと歩き、友人である五道佳斗と遭遇し、からかう。その後、以前通っていたカフェーの女給と再会し、彼女が持つ呪いの石を砕くことで助ける。続いて、斎森美世に会い、彼女が受け取った呪いの石も砕く。美世と別れた後、一志は呪いをばらまく犯罪組織の根城壊滅の手伝いをし、帰宅すると、一太が呪いの石の影響で眠っているのを発見し、石を砕く。この日の忙しさにもかかわらず、一志は心地よい疲労感と満足感を感じていた。

雷雨

X(旧 Twitter)「#読みたい幸せな夏」キャンペーン(二〇二一年十月)

夏の暮れに、美世は夕食の支度をしていた際に夕立が始まり、突然の雷と共に家全体が停電する。突然の暗闇と雷鳴に驚いて立ち尽くしてしまう美世だが、清霞が現れて手を取り、安心させる。二人は互いに近づき、手を握り合ったまま身を寄せ合う。この状況で美世の鼓動が高鳴るが、電気が復旧し、突然の明るさに戸惑う。清霞も美世の行動に呆気に取られ、二人はこの停電が秘めた感情を表面に出す、はしたない現象だったと感じる。

愛の証

書き下ろし

結婚式の後、疲れが溜まっている2人は久堂家の別宅へと2泊3日に泊まり来ていた。

その時に、先代である正清とその妻芙由の間で贈り物が壊れた事件が起きた。
清霞と美世はこの事態を解決しようと動く。
正清は芙由に常に監視できる術が施された贈り物を送っており、その一つである人形が壊れた。
清霞はこれが父・正清による故意の破壊であり、愛の確認のための行為だと指摘する。

指摘された正清はこれを認め、コレが夫婦間の愛の形だと説明する。
美世はこの展開に動揺し、正清の行動や夫婦の関係に対して複雑な感情を抱く。
最終的に、清霞は美世にその話を忘れるように助言する。

美世が入浴後、寝室で清霞と合流。
彼女は昼間の出来事を振り返り、清霞に贈られた人形の真意を問う。
清霞はその人形には何の細工もなく、純粋な贈り物であると強調する。美世はその誠実さに安心し、二人は深い愛情を確認し合う。
清霞は美世を守るために身の回りに術具を置くことを考えているが、美世は自分が清霞のものであることを証明できるなら、それを受け入れると返す。
互いの愛を再確認した二人は、深い口づけを交わし、お互いの愛を感じながら眠りにつく。

掌編の玉手箱に

親睦会

カクヨム(二〇二〇年十一月)

夏の終わり、清霞が仕事に復帰した直後、部下の五道は清霞を親睦会に誘うが、清霞はその提案を冷たく拒否する。しかし、五道は清霞の天敵とも言える薄刃新を特別ゲストとして招いており、大海渡少将の許可も得ていたため、清霞は親睦会に参加させられる。行きつけの居酒屋「薪田」で行われた親睦会には、辰石一志も参加していた。

会の中で、五道の英国留学の話や五道家の家族構成などが語られ、新や一志によって清霞の婚約者である美世の魅力が称えられる。清霞は美世のことを改めて思いやり、彼女の料理の腕前や性格の良さを心の中で賞賛する。しかし、自分も他人と同じように婚約者に対して望みを持つ一人であることに気づき、苦笑いする。

親睦会が進む中、清霞は次第に居心地の悪さを感じ始め、早々に店を出ることを決意する。新が送ろうとするが、清霞は断り、一人で家に帰る道を選ぶ。新からの美世に関する冗談めいた言葉にも動じず、(傍目的に)冷静に家路につく清霞の姿が描かれる。

深夜、酒に酔った清霞が帰宅すると、美世が出迎えるが、彼女は彼の酔い具合に驚く。清霞は通常と異なる様子で、断片的な言動をする中で美世の理想的な特徴を称える。驚きと混乱の中、美世は反射的に異能を使い、清霞を眠らせてしまう。翌朝、五道が清霞の安否を心配して美世のもとを訪れるが、清霞は無事で、二日酔いもなく起きていた。しかし、彼は前夜の行動について記憶しており、自己嫌悪に陥っている。この出来事をきっかけに、清霞はしばらく禁酒することになる。

魅了される

『わたしの幸せな結婚六』巻行記念・書店特典(二〇二二年七月)

冬の昼、美世とゆり江は勝手口近くで七輪を囲み、熱された餅を楽しみにしていた。
餅のもちもちとした食感や甘さに胸を躍らせる美世に、清霞が声をかける。
美世は清霞の優しさに心を動かされ、彼から風邪を引かないよう注意される。清霞が去った後、美世はまだ餅を食べていないにも関わらず、口の中に甘さを感じ、幸せを噛みしめる。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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