どんな本?
知り合いに誘われてジグ抜きで依頼を受けたシアーシャは、別行動となる4巻。
ジグはマフィアのボスの娘、カティアから護衛依頼を受け。
カティアは、街に蔓延る危険なドラッグの調査をする。
ジグも彼女と共に調査に乗り出すが、ドラッグを巡る事態は他のマフィアや冒険者ギルドも巻き込み、敵味方が入り乱れる抗争へと発展する。
読んだ本のタイトル
魔女と傭兵 4
著者:超法規的かえる 氏
イラスト:叶世 べんち 氏
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あらすじ・内容
知り合いに誘われてジグ抜きで依頼を受けたことになったシアーシャ。
別行動になったジグに、マフィアのボスの娘・カティアから自身の護衛の依頼が持ち掛けられる。
金は払えるというので、依頼を受けるジグ。
カティアの目的は、街に蔓延る危険度の高いドラッグの調査だという。
ジグも彼女と共にドラッグの調査へと赴くのだが
ドラッグを巡る事態は、他のマフィアや冒険者ギルドも巻き込んだ
敵味方入り乱れる抗争へと発展していく――
第一章 戻る日常と迫る不穏
ジグ・クレインはハリアンの北寄りの区画で年代物のワインを手に入れた後、チンピラに絡まれる若い女性を助けた。彼女はドラッグを使う男に負傷したが、ジグが介入して倒した。女性はジグに感謝し、彼の正体を尋ねたが、ジグは特定の勢力には加担しないと答えた。その後、ジグはギルドで報告し、友人たちと交流した。次の日、ジグはマフィアのカティアから護衛の仕事を依頼され、ドラッグの出所を探ることになる。
第二章 人と道具と使い方
ジグはカティアと共にドラッグの出所を調査するために裏路地を訪れ、アグリェーシャのマフィアたちと戦う。ジグは敵を倒し、ドラッグの注射器を回収した。その後、ギルドの冒険者エルシアたちが現場を調査し、ジグの存在を知る。ジグはカティアの護衛として新たな装備を手に入れ、彼女の元へ戻る。カティアはジグに信頼を寄せ、彼を見える場所に置くことを決めた。ジグはギルドや友人たちとの交流を深めながら、カティアの護衛としての任務を続ける。
第三章 巨岩打ち抜くは銀の一閃
ジグはカティアと共に新たな装備を手に入れた後、尾行者に気づき、交渉のために人気のない場所へ移動する。三等級冒険者エルシアたちとの戦闘が始まり、ジグは防戦一方となるが、再び立ち上がりエルシアと対峙する。エルシアは龍眼の力で未来を見通し、ジグの動きを見切るが、ジグは強引な攻撃で反撃する。カティアが現場に到着し、内通者をあぶり出す策が成功する。最終的に、エルシアたちは撤退し、ジグは新たな依頼を示唆される。
第四章 同じ穴の狢たち
ジグは新たな装備を手に入れた後、再びドラッグの出所を調査するために動き出す。カティアと共にアジトへ戻り、バザルタとアグリェーシャの抗争に巻き込まれる。ジグは敵の襲撃を受け、カティアを守るために戦う。彼は新しい防具が壊れたものの、敵を撃退することに成功する。カティアはジグの戦果に感謝し、彼を信頼するようになる。ジグは自分の過去を振り返りながら、傭兵としての務めを果たし続ける。
感想
シアーシャがリンディアの紹介で仕事を請け負い。
フリーとなったジグが、ドラッグを飲んだチンピラに襲われて危機に陥ったカティアを偶然助け、彼女から護衛依頼を受けることで、物語が展開される。
ジグがカティアと共に前の巻で知ったドラッグの出所を調査する場面が見所である。
ジグの戦闘力やカティアの意志の強さが描かれており、読んでると引き込まれる力強いストーリーであった。
マフィアのボスの令嬢カティアはジグを護衛を依頼にして、ドラッグの出所を追うための調査をする。
その中で、ジグはドラッグを使用するマフィアと戦いながら、次第に事態の深刻さを理解していく。
ジグの圧倒的な戦闘力はもちろんのこと、彼の冷静な判断力も光る。
ただ、彼の高過ぎる戦闘力に別口で調査をしていた冒険者からジグがドラッグを使用してると疑われてしまう。
その別口の冒険者の中には、シアーシャとリンディアも参加しており、まさか敵味方となって対決か?と緊張感が高まって来ていた。
そうして終盤ではドラッグを巡る抗争が激化し、冒険者ギルドや他のマフィアが関与する展開となり。
ジグはカティアを守りながら、多くの敵と戦い続ける。
その戦いで、彼の防具が次々と壊れる場面や、その修繕や買い替えにホクホクする防具店員達のエピソードも興味深く。
最終的に、ジグとカティアはドラッグの出所を突き止め、ドラッグを街に持ち込んだ組織の幹部を倒すことに成功する。
しかし、ドラッグの脅威は完全には消えていなかった。
ジグとカティアの次なる戦を予感させる終わり方であり、続編への期待が高まる。
本書は、アクションシーンの迫力やキャラクターの深い描写が特徴であり、読んでいて飽きさせない。
ジグとシアーシャの関係性や、周囲の人物たちとの交流も丁寧に描かれており、読後感は非常に満足度が高い一冊であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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同シリーズ
その他フィクション
備忘録
一章 戻る日常と迫る不穏
ハリアンの北寄りの区画で、傭兵ジグ・クレインは裏路地を歩いていた。彼は雑貨店で年代物のワインを手に入れ、上機嫌でつまみを探していた。途中で若い女性がチンピラ三人に絡まれているのを目撃し、彼女の戦いぶりを見ていた。女性はチンピラを簡単に倒したが、最後の一人が戦闘用ドラッグを使って反撃し、彼女は負傷した。
その時、ジグが介入し、ドラッグを使った男を倒した。女性は警戒しながらジグに感謝し、彼の正体を尋ねた。ジグは通りすがりの傭兵だと答え、特定の勢力には加担しないと説明した。彼女が報酬を申し出たが、ジグはそれを断り、ワインに合うつまみを探すために立ち去った。
女性を助けたジグを見送った後、彼女は礼を言っていないことに気づき、苦い顔をする。そこに部下を連れたヴァンノが現れる。彼は女性を見つけ、周囲に倒れている男たちに気づく。女は彼らがチンピラであり、そのうち一人が薬物を使っていたことを説明する。ヴァンノは驚き、男の持ち物を調べると使用済みの注射器を見つける。
ヴァンノはその男の出所を探るよう指示し、ドラッグの出回り始めた背景を調査することを決める。女はジグに助けられたことを話し、ヴァンノは彼を探すように依頼される。ヴァンノはジグが持っていた特徴的な武器のことを思い出し、調査を始める。
女は外出時に護衛をつけることを約束し、ヴァンノは彼女の安全を心配しつつ、ジグの情報を集めるために動き出す。
フュエル岩山中腹部では、鉱石資源を求める炭鉱夫が多く活動しているが、魔獣も出現する。ジグはシアーシャとともに鉱員を保護しながら魔獣の討伐を行っていた。特に巨大な尾骨を持つ剛槌蜥蜴との戦いでは、ジグは見事に魔獣を討ち取った。尾骨は高価で売れるため、シアーシャは喜んでいた。
その後、ギルドに戻り報告を行った際、シアーシャはギルドの受付嬢シアンから労いの言葉を受ける。ジグはウルバスとも友好的なやり取りをし、ベイツとグロウとも会話を交わす。イサナはジグの発言に動揺し、落ち込んでしまったが、ジグは彼女を気にかけつつも、冒険者としての務めを果たし続ける。
シアーシャは、ジグが多くの知り合いに囲まれているのを見て感心していた。自分が少し信用できる人間を見つける間に、彼はすでに多くの人々と交流していたのだ。そんなシアーシャに、以前一緒に冒険したリンディアが声をかけてきた。リンディアは装備の購入で悩んでおり、シアーシャに剛槌蜥蜴を倒したことを称賛する。
リンディアはシアーシャに、儲かる仕事を一緒にやらないかと誘う。その話がギルドを通した正式な依頼であると確認したシアーシャは、ジグにも相談することを約束して、話を聞くことにした。シアーシャは、自分の交友関係が広がっていることを感じるのであった。
翌日、ジグは日課のトレーニングを終え、繁華街で昼食を探していた。少し豪華な店に入り、コーヒーを楽しんでいると、以前助けた茶髪の女カティアが現れる。彼女は礼を言うために来たが、実際には仕事を依頼するためだった。カティアはマフィアの関係者であることを告げ、ジグに仕事を受けるかどうか判断させようとする。ジグは多様な依頼者からの仕事を引き受ける中で、マフィアからの依頼にも笑みを浮かべつつ考えるのであった。
ジグは日課のトレーニングを終え、街中で昼食を探していた。豪華な店に入ったところ、以前助けたカティアという茶髪の女が現れる。彼女はマフィアの関係者で、ジグに護衛の仕事を依頼する。報酬は五日間で日当十万、襲撃があれば十五万、装備の破損は補償される。
カティアは最近流行し始めた危険なドラッグが問題であり、その出所を探っていることを説明。敵対組織アグリェーシャがこの街に進出してきていると語る。ジグはその話を聞き、護衛を引き受けることにした。
食事を終えた後、カティアはジグに自分がバザルタの関係者であることを明かす。ジグは新たな依頼に向かうため、カティアと共に店を出た。
二章 人と道具と使い方
ジグは初めて訪れたマフィアのアジトに驚く。貿易業者の事務所のようで、受付も人当たりの良い男性だった。カティアと共に奥へ進むと、強面の男たちが挨拶をする。カティアはジグを用心棒として紹介するが、男たちは彼の実力を疑い、試すことを提案する。
エラルドという若者がジグに挑むが、ジグは部屋にいる男たちを順に指し示し、その順番に感心したエリオがエラルドを止める。アルバーノはジグの実力を認めつつも、カティアの護衛を依頼する。
ジグは部屋に荷物を置き、エリオから内部に裏切り者がいる可能性を聞かされる。ジグは護衛が仕事であり、裏切り者探しはカティアに任せると決意し、カティアの元へ向かう。
冒険者ギルドには昼時でも少数の人々がいる。アランたちのパーティーは四等級昇格直後で今後の方針を話し合っていた。彼らは評価を得つつ装備を整えようとしており、慎重に進む必要があった。ライルは大きな仕事を提案し、仲間も賛成した。
アランは調査系の依頼を見つけており、それを受けることにした。調査系の依頼は危険が少なく、評価が高いため、彼らにとって理想的だった。報酬は少ないが、評価を上げるためには重要な依頼である。
彼らが話していると、ギルドの三等級冒険者エルシアが現れ、依頼の伝手が彼女であることを告げた。エルシアはアランたちを二階に案内し、詳細な話をすることにした。
ジグとカティアが訪れたのは、以前イサナに襲われた裏路地であった。ここでカンタレラの下っ端が薬を捌いていたという噂があるため調査に来たのである。
ジグは過去にこの場所で薬物売買をしていたマフィアのことを思い出し、その場所にカティアを案内する。しかし、既に店は引き払われており、証拠を見つけることはできなかった。
その時、裏路地にアグリェーシャのマフィアたちが現れ、ジグたちを襲撃する。戦闘中、彼らは特殊なドラッグを使って再生能力を発揮し、ジグと激戦を繰り広げた。
ジグはマカールと交戦し、彼の右腕を斬り落とすも、カティアを狙う矢に対処するために止めを刺すことができなかった。マカールと大弓の男は撤退し、ジグたちは死体からドラッグの注射器を回収してその場を去った。
ジグとカティアが去った後、騒ぎを聞きつけた者たちが集まってきた。タイロン、ザスプ、エルシアの三人組は、ドラッグ騒動の調査依頼を受けていた。現場での死体を検分し、彼らはそれが剣によるものであり、恐らくドラッグを使用したマフィアによるものと判断する。ザスプは薬に頼る行為を軽蔑し、タイロンは油断しないように忠告する。エルシアは、早急に対処が必要であるとし、生存者の捜索と聞き込みを開始するよう指示する。彼らはバザルタ、カンタレラ、アグリェーシャ、冒険者ギルドと連携し、混沌とした状況に対応しようとする。
ジグとカティアは、尾行を警戒しながら拠点へ戻った。事務所に駆け込むと、返り血を浴びたジグに驚いたエラルドとアルバーノが駆けつける。カティアはジグのおかげで無事だと説明し、ジグは着替えと武器の手入れを求めて部屋に向かう。
アルバーノはカティアから詳細を聞き、カンタレラの末端が薬物に絡んでいることを知る。ギルドが迅速に動き出していることも判明し、カティアは冒険者たちがドラッグに手を出している可能性に危機感を覚える。ギルドに任せることにしたカティアは、情報をヴァンノにも伝えるよう指示する。
アルバーノはジグの存在を疑問視し、カティアも彼の関与を疑う。しかし、ジグが幹部の腕を斬り落とした事実から、彼が敵ではないと判断する。ジグを懐に置いておくことのリスクを理解しつつも、彼が敵に回る方が怖いため、カティアは彼を見える場所に置いておくことを決める。
ジグは事務所の空き部屋で武器を研ぎながら、今後の装備の買い替えについて考えていた。そこにカティアが訪れ、壊れた防具を見て新しい装備を買う提案をする。ジグは契約に基づき、装備の破損費用が負担されることを思い出し、安心する。
カティアはジグに対し、先日疑ったことを謝罪し、ジグもそれを受け入れた。カティアはジグの武器の手入れを見たいと言い、ジグはそれを許可する。カティアが疑いを持ち続けていると感じたジグだが、自分のやるべきことを変えるつもりはなかった。
七等級に昇格したシアーシャは、これまでとは異なる高度な資料を読んでいた。その中で人間の探求心と行動力に感嘆していた。資料室で魔術書を読んだ後、ギルドの依頼掲示板を見たが、良い依頼が残っていなかった。そこでシアンという受付嬢に誘われ、一緒に昼食をとることにした。
昼食中、シアーシャはシアンとアオイとともに雑談を楽しんだ。シアーシャの昇級の速さについて話が及び、彼女は自分の成功をジグのおかげだと感謝していた。その後、アオイが最近の冒険者の間で妙な噂があると警告し、シアーシャに注意を促した。シアーシャはその忠告を受け入れ、ジグの近くにいることを誓った。
シアーシャがギルドに戻ると、リンディアが待っていた。彼女からの依頼は、最近怪しい動きをする冒険者たちの調査であった。対象は八等級の冒険者五人組で、稼いだ金を浪費し、装備や鍛錬を怠っている落伍者たちである。彼らは法を犯し、密輸品の売買に関与していた。ギルドの信用を守るため、この問題は見過ごせない。リンディアが提示した報酬はシアーシャを満足させるものであり、シアーシャはこの依頼を引き受けることにした。
富裕層地域の高級レストランで、バザルタの次期首領ヴァンノとカンタレラ首領ベルトルドが会談している。ヴァンノはカンタレラの縄張りで起きた問題に対してバザルタが介入する形で事態を収めることを提案する。ベルトルドはそれに反発するが、最終的にヴァンノの提案を受け入れる。
会談の後、ヴァンノはジィンスゥ・ヤの心変わりについて尋ねられるが、誠実に対応したと曖昧に答える。ベルトルドは疑念を残しながらも退場する。
その後、ヴァンノはギルドが既に動き始めていることを知り、慎重に対応することを決める。また、アルバーノからジグという傭兵について再調査を依頼され、ジグの腕前を改めて確認することにする。
三章 巨岩打ち抜くは銀の一閃
シアーシャとリンディアはギルドの情報を基に商会を見張っていた。ローライド商会の護衛依頼を頻繁に受ける冒険者たちが疑われており、彼らの行動を監視していたが、不審な動きに気づく。リンディアが警戒していたところ、攻撃を受け、シアーシャが魔術で防御する。敵は八人であり、彼らの多くがクロスボウを持っていた。
リンディアとシアーシャは協力して敵と対峙することに決めるが、シアーシャは手加減をマスターしたと豪語するも、その実力が果たして敵を制圧するのに適しているかは不明である。
ジグとカティアは繁華街の大通りを歩いていた。装備がボロボロのジグは、カティアの指示でまず装備を整えることになった。彼らはジグの行きつけの店に向かうが、そこでカティアと店員のシェスカが過去の因縁で対立する。ジグはその場を離れようとするが、魔具職人のガントに引き止められ、状況はさらに複雑になる。最終的に、カティアは装備の選定をジグに任せ、自分は店内をふらつき始めた。
ジグはシェスカの案内で防具を見ていたが、手甲に適した品がなかなか見つからなかった。手甲の需要は少なく、適切なものが在庫にないため、最終的に青龍甲という手甲を紹介された。青龍甲は重くて頑丈で、魔力耐性もあるが、素材がシャコ(虹龍蝦)であることがジグにとって少々不本意だった。重さを気にしたジグだが、実際に装着してみると以前の手甲と大差なかった。シェスカとガントの助けを借りて、ジグは新しい手甲を手に入れることになった。
ジグとカティアは新たな装備を購入した後、カティアが会計を済ませ、店を後にした。ジグはシェスカに安全を注意するように告げ、カティアと共に次の目的地へ向かった。彼らは途中で尾行されていることに気づく。カティアはジグにその尾行者の存在を確認し、彼の護衛を頼むことにした。
彼らはザスプという三等級冒険者に追跡されていることを知り、交渉のために人気のない場所へ移動する。ザスプのパーティーにはエルシアという銀髪の女性もおり、彼女はジグがドラッグを使用していると疑っていた。エルシアとの交渉が決裂し、ジグはカティアを逃がすために戦うことを決意する。エルシアとその仲間たちはジグと対峙し、戦闘が始まろうとしていた。
ジグは三等級冒険者のエルシア、ザスプ、タイロンと対峙しながら時間稼ぎを試みる。ザスプの高速連撃、タイロンの大剣攻撃、エルシアの魔術攻撃に対して、ジグは防戦一方となる。特にエルシアの銀の棍による魔術攻撃が強力で、ジグはそれに苦しむ。激しい戦闘の中、ジグはエルシアの棍の一撃を受けて倒れるが、エルシアたちは彼を一時的に無力化するにとどまり、カティアを追うことを優先する。ジグの圧倒的な戦闘力に驚いた彼らは、ジグがただの傭兵ではないと感じつつも、任務を続行することを決意する。
エルシアはジグが倒れていないことに気づき、警戒を強める。ジグは双刃剣を手にし、ダメージを受けながらも再び立ち上がる。エルシアは魔力を練り上げ、二人の仲間に時間稼ぎを指示する。ジグは薬を使用していることを認め、戦いのためにどのような手段でも使うべきだと主張する。エルシアは強烈な魔力を纏い、切り札として眼帯を外し、恐ろしい瞳を露わにする。戦闘の緊張が再び高まり、両者が対峙する。
ジグとエルシアが対峙し、戦いが再開される。エルシアの棍とジグの双刃剣が激しくぶつかり合う。エルシアの眼は魔力を秘めており、ジグの動きを見切っているが、ジグもその威力を相殺して戦い続ける。エルシアの眼の秘密は解明できず、ジグは苦戦を強いられるが、彼の動きは衰えない。
エルシアはザスプとタイロンの支援を受けながら攻撃を繰り出すが、ジグはその全てを防ぎ反撃する。しかし、エルシアはジグの攻撃をことごとく見切り、彼の行動を先読みしているようだ。
ジグは相手の魔力と技の高さに感嘆しつつも、決して諦めずに戦い続ける。エルシアの強さと魔力に対抗するため、ジグは戦術を変え、より強引な攻撃を仕掛ける決意を固めた。
カティアが部下を引き連れて現場に到着した時、既に一触即発の状態であった。内通者の情報が敵に漏れていたため、カティアは日時をずらした情報を伝えていた。ヴァンノはこの策を利用して内通者をあぶり出したのだ。
ヴァンノと内通者のエリオが対峙し、緊張が高まる。エリオはバザルタを脅そうとするが、ヴァンノは専門家を呼んでいると告げる。そこに登場したのは異民の女性イサナとその仲間たちであった。異民である彼女たちを嘲笑する敵対勢力に対し、イサナたちは冷静に対応し、古い考えに固執する敵を非難する。
最終的に戦闘が避けられないと悟った敵はドラッグを使用して狂化し、襲い掛かってくる。イサナは恐れずに応戦し、彼らを迎え撃つ覚悟を見せた。
カティアが部下を連れて現場に到着した時、既に緊張が高まっていた。内通者の情報が敵に漏れていたため、カティアは日時をずらした情報を伝えていた。これにより内通者が炙り出され、今まさに対峙している状況だ。
エルシアの龍眼が未来を見通し、ジグの攻撃を予測するも、ジグはそのままザスプに攻撃を仕掛けた。エルシアの警告も間に合わず、ザスプはジグの強力な一撃を受けて倒れた。タイロンも負傷し、エルシアは状況を打開しようとするが、ジグの戦闘力に圧倒される。
エルシアの龍眼が少し先の未来を見る能力を持つことが明かされるが、ジグの問いにより彼女はその詳細を話す。仲間の命を救うため、エルシアはジグに時間を稼ぐが、援軍が到着するまでには至らない。
ジグはエルシアを追い詰め、銀棍を奪い取る。その直後、援軍が到着し、ジグは銀棍を手に逃走。追撃も虚しく、ジグはその場を去る。
ジグが走り去る背を見送るエルシアに、アランたちが駆け寄る。エルシア自身は無事だが、タイロンとザスプの治療が急がれる。仲間たちは周囲を警戒しつつ、タイロンを立たせて移動を開始する。ライルは状況の危険さを認識し、依頼の破棄も考え始める。リスティが何かを考え込んでいるが、その場を離れるのが先決と判断し、アランたちはその場を後にする。
四章 同じ穴の狢たち
アグリェーシャのアジトでは、バザルタとアグリェーシャの構成員たちが激しく戦い、イサナが最前線で戦っている。イサナはマカールとジャイコフの連携に苦戦しながらも応戦するが、マカールの再生力により傷を負わせてもすぐに回復されてしまう。
ジィンスゥ・ヤの精鋭とバザルタのマフィアが多対一の状況を作り出し、戦いの趨勢はジィンスゥ・ヤ側に傾いている。逃げようとするアグリェーシャの構成員はカティアたちによって阻まれ、劣勢のアグリェーシャ陣営はローライド商会の支援が来ないことに苛立ちを募らせていた。
ローライド商会にシアーシャとリンディアが侵入し、内部での戦闘が始まっていた。彼女たちは商会の武器と再生力を持つ敵に驚きつつも、憲兵が到着するまで応戦した。
一方、アグリェーシャのアジトではバザルタとアグリェーシャの構成員たちが激しく戦っていた。イサナは再生力を持つマカールとジャイコフと対峙していたが、マカールの再生力に苦戦しながらも冷静に対処し、最終的にマカールを討ち取る。これにより、アグリェーシャ陣営の士気は崩壊し始めた。
その時、カティアはジャイコフの奇襲を受けるが、なんとか防いで応戦する。しかし、ジャイコフは再び襲い掛かり、彼女の前に立ちはだかった。
ジャイコフは抗争の中、混乱に乗じて姿を隠しながら逃げていたが、自分の失敗を挽回するためにカティアを狙うことにした。彼はカティアに麻痺毒を塗ったダガーを投げつけるが、カティアはそれを回避し、護衛たちが立ち塞がるもジャイコフは簡単に突破してカティアに迫った。カティアは抵抗するが、ジャイコフの力に押し負けてしまい、彼に蹴り飛ばされる。再び立ち上がろうとするカティアに、ジャイコフはダガーを振り下ろそうとするが、その瞬間、ジグの声が響いた。
カティアが危機から救われた後、彼女はジグに感謝の意を示した。ジグはカティアに手を差し伸べるが、カティアはまだ立ち上がれない状態であった。ジグは、カティアが彼女自身の意思で進んだことを理解し、彼の役割を十分に果たしたと答えた。
ジグは戦闘で多くの傷を負っており、新しい防具も壊れていたが、彼は損害を与えて撤退させることができたと説明した。カティアはジグの戦果を聞き驚き、彼の経費や装備の心配がツボにはまったようだった。
その後、カティアの指示でアグリェーシャの幹部たちが治療され、ヴァンノに引き渡された。ジャイコフは捕らえられ、厳しい処遇が待っていることをジグが見守った。
ヴァンノはジグに対して疑問を抱き、彼のバックに誰がいるのかを探ろうとしたが、ジグはどの勢力にも属していないと答えた。ヴァンノはその回答に驚きつつも、イサナがジグと戦うのを拒否したことから、彼の実力を認めざるを得なかった。
最終的に、ヴァンノはジグに対して依頼の可能性を示唆し、彼らの間には微妙な緊張感が残る結果となった。
ジグは夕方の混雑した時間帯を狙ってエルネスタ工房を訪れ、防具と武器の修理を依頼した。新しい店員マイアに声をかけ、防具が壊れたことを伝えた後、武器の在庫を確認するが、双刃剣は在庫も生産予定もなかった。そこでジグは職人ガントにオーダーメイドを依頼することにした。ガントは武器の破壊ペースに驚きながらも、ジグの依頼を引き受けた。
ジグは壊れた防具の代わりに棍を出し、これを売却して予算を確保することを提案した。ガントは棍の価値を評価し、鑑定と証明書の発行を行うことに同意した。棍は高価な武器であり、予算に余裕ができたジグはガントと新しい武器の詳細について話し合った。
鍛冶屋の店員マイアは、ジグを妙な客だと感じていた。彼の装備が何度も壊れる話を聞いていたため、下手な戦士かと思っていたが、実際に会うとその印象は一変した。鍛え上げられた肉体と無駄のない動きから、歴戦の戦士であることがすぐに分かった。彼は職人であるガントにも敬意を払っており、彼と上手くやっているのも驚きだった。ジグがガントの作品を買っている奇特な客であり、店にとって貴重な存在だとマイアは結論づけた。
装備の相談を終えたジグは、一人で酒場にいた。宿に顔を出したがシアーシャは戻っておらず、書き置きを残して晩酌を楽しむことにした。質屋に持って行ったエルシアの銀棍が高値で売れ、仕事の後の酒を楽しむことができた。ジグは一人で静かに酒を飲むのが好きで、喧騒の中にいても孤独を感じることはなかった。彼は自分の過去を振り返りながら、かつての仲間たちを思い出していた。
過去話
とある街の外れに、堅気ではない者たちが集まる天幕があった。そこにいる少年ジグは、無機質な眼で黙々と大人用の長剣を振るっていた。汗まみれになりながらも訓練を続ける彼の元に、金髪の男ライエルがやって来て食事の時間を知らせた。
ライエルはジグの訓練熱心さに感心しつつも、彼の血だらけの手を見て驚いた。ジグは訓練中に手の痛みを感じなくなっていたという。ライエルは手を拭き、食事に連れて行く。食事場では女傑が仕切っており、ジグは特盛の食事を渡される。ジグとライエルは食事を共にしながら、傭兵団の待遇や戦場の厳しさについて話した。
ジグは食事を早く終え、洗い物を手伝うために立ち上がる。その後、剣の訓練を再開することを約束した。ライエルは、ジグがいずれ自分を超えることを予感しつつも、彼の成長を見守り支える決意を新たにするのであった。
ジグはかつての仲間ライエルを斬った過去を思い出し、自嘲気味に杯を置いた。彼は他者を殺して生き延びることを決めたため、後悔はしていなかったが、ライエルとまた共に酒を飲みたかったとも思った。その時、金髪の男が隣の席に座り、警告をしに来たと言った。男は亜人を大罪人とし、ジグに不浄の存在に近づくなと警告した。ジグはその男が狂信者であることを感じ取り、酔いが冷めた。
外に出たジグはシアーシャに出会い、彼女と共に宿に向かった。シアーシャは今日の出来事を楽しげに話し、ジグは彼女の純粋さを感じた。ジグは亜人が大罪人なら、シアーシャのような魔女は何なのかと考えたが、彼女の存在が自分の行動を変えることはないと納得した。月夜が二人の影を照らし、その道を進んでいった。
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