簡単な感想
昼ご飯を食べていたら、いきなり異世界に召喚されてしまい。
用意周到に取り囲んでいた兵士達と召喚した魔術師を拷問の末殺害。
この高校生、普通じゃ無いぞ、、
When he was eating lunch, he was suddenly summoned to another world.
He tortures and kills the soldiers who had surrounded him and the sorcerer who summoned him.
This high school student is out of the ordinary.
読んだ本のタイトル
#ウォルテニア戦記 I （Record of Wortenia War: Volume 1）
著者:保利亮太 氏
イラスト:ｂｏｂ 氏
あらすじ・内容
戦乱の続く異世界に召喚されてしまった高校生・御子柴亮真。
自分を召喚したオルトメア帝国が人を召喚しては使い潰す卑劣な勢力であることを知った彼は持ち前の武術を活かし、帝国の重要人物を殺害してオルトメアを出奔する。ある日、盗賊たちに捕えられた双子の姉妹を救った亮真は、「法術」の力を持つ彼女たちを配下に服従を誓われたことをきっかけに、覇王としての道を歩み始める――。
「小説家になろう」で圧倒的支持を受ける異世界召喚ファンタジー戦記、堂々開幕！
ウォルテニア戦記Ⅰ
Ryoma Mikoshiba, an ordinary high-schooler adept at martial arts, one day finds himself summoned to another world.
The ones who summoned him, the O’ltormea Empire, cite the fact that ‘when those summoned kill another living being, they can absorb a fraction of their strength and make it their own’ as their reason.
But upon learning the empire uses those they summon to strengthen themselves by foul means, Ryoma is consumed by hatred and slays an important member of the O’ltormean court.
Attempting to escape the Empire’s borders while keeping his identity a secret, he is accosted by twin sisters— one golden-haired, the other silver-haired— in a meeting that sets the gears of fate in motion.
The curtain rises on a record of the wars of a young supreme ruler in this other world fantasy!
(以上、Amazonより引用)
感想
動きからすると、、
異世界に召喚され、周りに居た衛兵を素手で殺して、残った魔術師を拷問して情報収集してから殺害。
From the looks of his movements.
He was summoned to another world, killed the guards around him with his bare hands, and tortured the remaining sorcerers to gather information before killing them.
その後、自身の服と衛兵の服を取り替えて怪我人として医務室に運ばれて、医務室に居た医師、衛兵を殺害して火を放ち、火事に紛れて城下町に逃亡。
After that, he replaced his own clothes with those of the guards and was brought to the infirmary as a wounded man. He killed the doctors and guards in the infirmary, set them on fire, and fled to the castle town under cover of the fire.
彼を目撃した者は全て殺害されており、分かっているのは衛兵の格好と背が高い男というものだけ。。
All those who saw him have been murdered, and all we know is that he was dressed as a guard and a tall man.
それだけの証言では人物を特定出来ず、帝国の捜査が手間取ってる間に、主人公は冒険者となり、各地の依頼をこなしながら2番目に近い国境に向かう。
While the empire’s investigation takes time because they can’t identify the person with that much testimony, the protagonist becomes an adventurer and heads to the second closest border while fulfilling requests from various places.
その旅の途中で、盗賊に襲われていた双子を助け仲間にする。
On his journey, he rescued twins who were being attacked by bandits and made them his friends.
そして、国境付近に行ったら封鎖されており。
それを指揮している将軍を罠に嵌めて国境を越える。
And when you get to the border area, it’s blocked off.
You cross the border by trapping the general who is leading it.
そんな所か。
その彼を追い掛ける召喚した帝国達。
その中に10年以上前に召喚された日本人もいた。。
The empires that summoned him are chasing him.
One of them is a Japanese who was summoned more than ten years ago.
その日本人が最後まで主人公に祟るんだよな。。
見た目は普通のオッサンなんだけどね、、、
That Japanese guy haunts the main character until the end.
He looks like a normal old man, but…
同シリーズ
ウォルテニア戦記シリーズ
その他フィクション
備忘録
プロローグ
会話の舞台と暗い状況
オルトメア帝国の帝都近郊にある屋敷において、深夜、二人の男が会話を交わしていた。空は分厚い雲に覆われ、月明かりや星すらない深い闇が世界を包んでいた。屋敷内のシャンデリアからはわずかな光が漏れていたが、それ以外の外界は完全に黒の領域として人々を拒絶していた。
斉藤の思いと須藤のからかい
召喚から八年を経た斉藤は、未だにこの異世界の闇に慣れることができず、故郷であった日本の生活を懐かしく感じていた。外の暗闇に目をやりつつ、彼の感傷的な発言に対し、須藤は冗談混じりにからかいの言葉を投げかけた。須藤のからかいに斉藤は動揺し、立場を守るため必死に応じるも、その古傷が痛む一幕があった。
斉藤の怒りと須藤の試し
須藤は、斉藤の若さとその孤独な過去に触れ、彼をからかうように言葉を重ねた。須藤の言葉が斉藤の心の傷をえぐり、彼の表情に憤りが浮かぶ。しかし、須藤はそれを計算した上での発言であり、斉藤を怒らせてその心の底に秘められた意志を確かめようとしていたことが明らかになった。
須藤の信頼と組織への忠誠
須藤は斉藤の腕と才能を高く評価し、他の候補者から彼を選んだ理由を明かした。組織にとって重要な存在としての斉藤の役割と、彼の抱く暗い欲望への信頼を示し、過去の経験を踏まえた忠誠を要求した。この言葉を受け、斉藤は自分が無力で無知であった過去を思い返し、今ではその経験を超えた覚悟を秘めていた。
過去の清算と未来への覚悟
斉藤は、かつての自分が失ったものを取り戻すことは不可能であると理解しつつも、未来に向かって努力する覚悟を新たにした。須藤もまた、斉藤にとって重要なことは過去ではなく未来であると諭し、過去の回顧に執着することを戒めた。これにより斉藤は、失われたものには戻れないことを再認識し、今後の目標に向けて心を固めた。
悲願の達成に向けた決意
須藤は会話を締めくくり、彼らの組織の悲願を果たし、大陸を怨嗟の炎と血で染め上げるという目的を確認した。その言葉は、斉藤の心に悪魔的な魅力として染み渡り、彼の内なる決意を一層固めるものとなった。
第一章 召喚
朝の稽古の始まり
朝日が昇り始めた頃、杉並区の静かな住宅地にある屋敷で、老人と青年が向かい合って稽古を開始した。老人は鍛え抜かれた筋肉と鋭い眼光を持つ白髪の男であり、一方の青年は日本人離れした巨体と温厚な雰囲気を持つ。両者の掛け合いは憎まれ口を交えながらも、真剣そのものであった。
互いの実力を確認する一撃
老人と青年は互いに殺気を放ちながらも、稽古を通じて相手の力量を図っていた。両者の間に鋭い刀の一撃が交わされ、次第に青年が優位に立つ状況となる。勝負が青年に傾きかけた時、老人は不意に戦法を変え、素早い動きで青年の目を狙う一撃を繰り出した。この不意打ちに青年は憤りを感じつつも、老人の戦術の意図を理解した。
食事を巡る飛鳥の登場
青年の空腹が頂点に達した時、彼の従妹である飛鳥が朝食の準備ができたことを告げに現れた。飛鳥は、鋭い口調で二人の稽古を「じゃれ合い」と揶揄したが、実際には互いの実力をぶつけ合う厳しいものであった。青年は飛鳥の軽口に対し、「殺し合い」と表現し、飛鳥にからかわれる場面も見られた。
青年と老人の日常の背景
青年である御子柴亮真は、幼い頃から祖父の厳しい指導の下で武術を学んできた。稽古は過酷でしばしば怪我を伴うものだったが、亮真はこの生活を続けてきた。祖父の人柄と武術の内容に惹かれ、亮真は己の成長を追求し、時に憎まれ口を叩きながらも稽古をこなしていた。
亮真の日常と彼の性格
亮真は、家族を失い、祖父と二人で暮らしている現実主義的な性格の少年であった。高校では「眠れるクマ」の異名を持ち、温厚だが強靭な体格を持つ。日常の中で独特の存在感を放つものの、友人関係は控えめで、日々の小さな楽しみとして映画鑑賞や読書を好む青年であった。
稽古の延長と学園生活への影響
朝の厳しい稽古の後、亮真は急いで支度を整え、学校へと向かうが、稽古による疲労と空腹に悩まされる。彼はただ平穏な学園生活を送りたいと願っていたが、この日は運命が彼に新たな試練をもたらそうとしていた。この昼休み、亮真にとって予期せぬ出来事が待ち受けていることが暗示されていた。
午前の授業と亮真の昼食
御子柴亮真は、午前の授業が終わり昼休みを迎えた。英語の授業で疲れた彼は、クラスメイトの女子からの昼食の誘いを受けたが、屋上で一人で食べることを選んだ。亮真が昼食を一緒に取らない理由は、飛鳥が作ったキャラ弁が恥ずかしいためであった。弁当の内容が、彼の男らしいイメージにそぐわず、人目を避けるために屋上での一人昼食が習慣化していた。
部活動への勧誘
昼食の誘いと共に、クラスメイトから空手部への勧誘も受けた。亮真は大柄な体格と鍛え抜かれた肉体を持っていたため、様々な武道部から勧誘を受けていた。しかし、亮真にとって武は単なるスポーツや競技ではなく、敵を倒すための技であった。そのため、競技化した武道には関心がなく、勧誘を断り続けた。
屋上への移動と異変の兆し
亮真は昼食を持って屋上へ向かい、階段を上っている最中に突然の異変が起こった。彼の足元から床の感触が消え、亮真は垂直に落下し始めた。階段の板が突然消失したかのように思われたが、彼が体勢を立て直そうとした時、周囲は漆黒の闇に包まれた。
光の中への浮上と新たな展開
漆黒の闇の中を落ち続けていた亮真は、突然自分の体が浮上し始めていることに気づいた。頭上から光が降り注ぎ、彼の体は徐々にその光の中へと吸い寄せられていく。闇の中から抜け出し、亮真の体は遂に強い光の中へ飛び出し、彼の運命が大きく変わり始めた。
見知らぬ場所と謎の男たち
亮真は光に目が慣れ、見知らぬ神殿のような空間にいることに気づいた。目の前にはローブを纏った老人と、鎧兜を装備した四人の兵士が立っていた。彼らの手に握られた斧槍は、見た目だけでなく明確な殺意を放っており、亮真の日常とは全く異なる危険な世界であることを直感した。
召喚された目的
老人は亮真を「召喚」したと明かし、彼の体格に興味を示した。だが、兵士たちは亮真を使い物になるか確認すると言い、彼を囲む形で呪印を刻む準備を始めた。亮真はこの異様な状況と自分が置かれている危機を理解し、脱出の方法を探り始めた。
反撃と戦闘開始
兵士たちが亮真に近づくと、亮真は急襲の機会を狙い、奇襲攻撃で兵士の一人を倒すことに成功した。彼は鍛え抜かれた肉体と戦闘技術で次々に兵士を倒し、激しい戦闘の末に、斧槍を振りかざす兵士たちを圧倒した。亮真は一瞬の隙を突き、残る敵も撃破した。
老人の法術と最後の対決
老人は法術を発動し、亮真に向けて雷と風の攻撃を放ったが、亮真は即座に防御行動を取り、術の効果を回避した。油断した老人に対して亮真は容赦なく反撃を加え、老人を制圧した。最後の問いとして亮真は「元の世界に戻れるのか」を尋ね、老人は答えに窮しつつも「戻れない」と認めた。
異世界の真実と亮真の決意
老人は、異世界から召喚された者たちがこの世界で「力」を吸収し、戦士として利用されていることを明かした。亮真はその話を聞き、召喚者が異世界人を道具のように使い捨てている現実に激しい怒りを覚えた。そして、老人を無情に処刑し、この異常な世界で自らの生存のために行動する覚悟を固めた。
脱出の試みと策略
部屋の扉を外側から兵士たちが叩く音が聞こえ、亮真は緊急の脱出を図るべく武器を探し始めた。即座に状況を分析し、限られた選択肢の中で生き延びるための策を練り、扉の向こうの兵士に対抗する準備を整えた。
異世界での脱出計画
亮真は、鉄製の扉を強引に開けられそうな状況に焦りつつも、数少ない持ち物と死体から得た硬貨に賭けることに決めた。自身の生存を確保するために、死体から得た衣服や鎧を装備し、学生服を焼き付けて身代わりとし、部屋に留まる時間を稼ぐために部屋の状況を偽装した。
セリアとロルフの到着
その頃、部屋の外では次席宮廷法術師セリアと近衛騎士団長ロルフが状況を確認し、召喚の儀式の異変について討論していた。セリアは、祖父ガイエスの無事を気遣い、急ぎ現場確認を急いだが、ロルフは冷静に兵士たちの対応を指示していた。
ガイエスの死亡確認と犯人の推定
部屋内へ突入したセリアとロルフは、無惨な状況とガイエスの遺体を発見した。ガイエスが異世界人によって殺害されたと推測し、異世界から召喚された存在が犯人である可能性を高く見積もるが、確証は持てていなかった。
生き証人の出現と危機の再認識
部屋に倒れていた唯一の生存者である兵士が「化け物」について言及し、彼がこの異変の一部始終を見ていたことが明らかになった。しかし、証人が医務室へ運ばれた後に医務室で火事が発生し、唯一の生存者が失われる危機が生じた。
セリアとロルフの追跡行動
医務室からの火事の報告を受けたセリアとロルフは、異世界人が兵士に変装して医務室から逃げたと断定し、急ぎ追跡を開始する。セリアは、法術でロルフを移動させ、彼女自身も転移の術を用いて皇帝への許可を得るために急行した。
皇帝への報告と追跡命令
皇帝の謁見を得たセリアは、ガイエスの死と異世界人の逃亡について報告し、追跡のための近衛騎士団の指揮権を求めた。皇帝は緊急事態として指揮権を与え、セリアとロルフは改めて異世界人の追跡に全力を注ぐこととなった。
シャルディナ皇女の参戦決定
皇帝ライオネルは、シャルディナ皇女に異世界人捕縛の難しさを確認しつつ、セリアと協力して犯人探索に加わるよう命じた。シャルディナは、その命令を受けて犯人を追跡する準備に入った。この命令により、オルトメア帝国は亮真を完全に敵と認識することになった。
ライオネルの決断と悲嘆
ライオネルは、事件の発生による国威の低下を懸念し、早急に新しい主席宮廷法術師を任命することを決断した。忠臣ガイエスの喪失は、彼にとって深い悲しみと同時に覇業への妨げとなったが、覇業を継続する覚悟を固めた。
亮真の医務室脱出作戦
亮真は、怪我人を装って医務室に運び込まれた後、警戒を緩めた兵士と医者を襲撃し、医務室を火災に巻き込んで逃亡のための混乱を引き起こした。彼は医務室内の物品を用いて偽装を整え、金を得ると同時に兵士たちを油断させ、逃走の準備を整えた。
オルランドの対応と火災の混乱
医務室の火災により、城内は一時的な混乱に包まれた。オルランドは火災を消し止めるために急行し、城の人々も右往左往する中、亮真はその混乱に乗じて他の兵士や貴族に紛れて城外への脱出を試みた。
亮真の城外脱出成功
亮真は火災により混乱した状況を活用し、城門を無事に抜け出すことに成功した。城外に出た亮真の目には冷たい憎悪の炎が宿り、彼は再びオルトメア帝国との対峙を誓った。
第二章 逃亡
城からの脱出と平民地区への潜伏
亮真は貴族の混乱に紛れて城門を通り抜け、中世ヨーロッパ風の町へと足を踏み入れた。彼は人目を避けるため平民地区へと向かい、貴族地区と異なり活気に満ちた通りに多くの露天や多様な人々が行き交う様子に戸惑いつつも、鎧を脱いで服を購入する必要性を感じていた。
洋服店での服装調達
平民地区の服屋で亮真は普段着を求め、奇妙な客に少し不審を抱きつつも丁寧な態度で接客する店員のメグにより無事に衣服を購入した。亮真はサイズを問わずに買い物を急ぎ、身なりを整えて周囲の目を逃れる準備を整えた。
海鳴り亭での食事と情報収集
亮真は平民地区の飲食店「海鳴り亭」で昼食をとりつつ、女将との会話から異世界での生計に関する情報を収集した。女将からギルドへの登録方法や冒険者として働く手段を学び、また金銭の価値についての認識を深め、今後の生活基盤の確立に一歩近づいた。
追跡者への対策と未来への計画
亮真は街中で追跡者の軍隊とすれ違い、彼らの動向を観察する中で、今後の逃走計画を練った。彼は囮を利用して自らの痕跡を分散させ、平民としての生活を装いながら逃亡の準備を進めていくことを決意した。
銀行での口座開設と預金
亮真は海鳴り亭の女将の指示に従い、銀行に向かい口座を開設した。現金の重さに苦しんでいた彼は、銀行に預けることで身軽になりたいと考えていた。受付ではラミネート加工されたカードが発行され、その際には固体情報を登録するプロセスが行われた。彼は預金手続きを完了し、当座の資金を確保した。
ギルドでの冒険者登録と初仕事の受注
銀行で口座を開設した亮真は、そのカードを持参しギルドで冒険者登録を行った。ギルドは広範な組織で、冒険者や傭兵としての仕事の依頼を受け付けるシステムが整備されており、亮真も初めての仕事を複数受注した。彼は、手紙の配達や討伐依頼を選び、国外脱出に向けた準備を着々と進めた。
海鳴り亭での忠告と準備
ギルドでの登録と初仕事の受注を終えた亮真は、海鳴り亭の女将に結果を報告した。女将からは冒険者としての準備の重要性について忠告を受け、武器や装備を整える必要があると感じた亮真は、必要な道具を揃えるために店を後にした。
鍛冶屋での武器選び
亮真は海鳴り亭の女将に紹介された鍛冶屋を訪れ、職人の親父と出会った。彼は「手頃な武器」を求めたが、親父にその表現を怒られた。鍛冶屋の親父は、大量生産が可能な鋳造式よりも、技術の必要な鍛造式武器に誇りを持っており、亮真がその違いを理解していることに驚き、亮真を認めるようになった。
特殊な武器と異世界の品々
親父は亮真に、通常の武器ではなく、自らのコレクションの中から選ぶことを提案した。地下にある武器コレクションには、異世界人が持ち込んだ特殊な武器も含まれており、亮真はそれらの中から万力鎖と戦輪を選んだ。さらに、手軽に扱える剣も購入し、翌日からの冒険に備えた。
ギルドでの依頼の失敗と手引き書の重要性
武器を揃えた亮真は、海鳴り亭で夕食をとりながら、依頼の手紙を受け取っていないことに気づいた。女将に促されて「受け渡しカウンター」の存在を知り、ギルドへ向かい依頼の手紙を無事に受け取った。ギルド初心者案内の冊子を読まなかったための初歩的なミスであり、新人冒険者としての経験を積むための教訓となった。
初めての依頼に向けての出発
亮真はギルドからの手引き書を読み込み、依頼に必要な準備を整え、翌朝に帝都オルトメアを出発した。手紙の配達や野犬・野蜂討伐などの依頼を受け、街道から少し外れた森に生息する怪物たちとの初戦に挑むべく、期待と不安を抱きつつ進んでいった。
野蜂との初戦闘
亮真は森の中で野蜂を発見し、慎重に戦輪を使って攻撃した。戦輪がうまく命中し、野蜂は地面に落下。亮真は剣で止めを刺し、ギルドの案内に従い毒針と羽を採取したが、一部の羽は戦闘中に損傷しており、売り物として価値が下がることを学んだ。亮真は戦闘後の処理の重要さを理解しつつ、引き続き森の探索を進めた。
野犬との遭遇と戦闘
森の奥へ進んだ亮真は野犬の群れと遭遇した。親犬と子犬がいる中、亮真は戦輪を駆使し親犬を狙って攻撃。群れの大半が戦輪による攻撃で動きを封じられ、亮真は残る野犬を次々と剣で仕留めた。油断から足を狙われる場面もあったが、迅速に対応し事なきを得た。最後に子犬を含む生き残りの野犬を倒し、戦いを終えた。
戦後の処理と反省
亮真は戦闘後、戦輪の血を拭き取りながら野犬の価値ある部分を収集する作業に入った。初心者案内の指示に従い、野犬の毛皮と上顎の犬歯を剥ぎ取る作業を進め、戦闘後の処理の重要性と手間に改めて直面した。
第三章 覚悟
方針の伝達と兵士の編成
ロルフは正午、城門前の広場で兵士達に新たな方針を伝え、シャルディナ、セリア、オルランド、そして自らが部隊長として各隊を三、四十名に編成した。彼らは南と東の国境に向け、異世界人の捜索を開始したが、成果は得られなかった。昨夜からの疲労も見え、シャルディナの指示により探索は一旦中断された。
セリアの怒りとシャルディナの沈静化
探索の成果が得られなかったため、セリアは感情的に激怒し、兵士達を叱責した。シャルディナは冷静にセリアを諌め、無理な捜索が続けば危険が伴うと判断し、対策を練り直すことを提案した。オルランドはセリアを支えるが、疲労から倒れたセリアを馬車で館まで送った。
シャルディナとロルフの方針検討
シャルディナとロルフは、兵士の格好をした異世界人の捜索が難航することを共有し、相手が既に衣装を変えた可能性が高いと推測した。シャルディナは犯人が南と東のどちらかに向かったと考え、直感で東を選択。南はセリアとオルランドに任せ、自らは東へ向かうことを決断した。
アデルフォでの封鎖作戦と斉藤の提案
シャルディナは副団長の斉藤と共に東へ向かい、アデルフォの関所を封鎖。彼女は異世界人が自ら正体を暴露する状況を作り出すことを狙った。斉藤から国境の守備隊を動かす提案もあったが、シャルディナは内外の敵を懸念し、慎重な対応を選んだ。
亮真のメルフェレン到着とギルドでの手続き
亮真は狩りを終えて夜のメルフェレンへ到着し、ギルドで依頼品の手紙を受け渡した。討伐数の成果を確認し、彼は次のランクへ昇格した。受付嬢から調達系依頼を勧められ、討伐材料を納品して報酬を得たが、疲労と空腹から効率よりも手早さを優先した。
経験不足とギルドの初心者教育の課題
ギルドでは、新人が討伐系依頼を行う際に初心者同士で隊を組むことが推奨されていた。しかし、亮真のように実力を持つ者は短期間でランクアップし、一人で集団を相手にできるため、ギルドにおける新人育成の課題が浮き彫りとなった。
夜の休息と翌日の計画
亮真は、道具屋に剣の研ぎを頼む予定を立てた後、夕食と宿の手配を済ませ、翌日以降の計画を立てた。
ギルドでの報酬を巡る対立
ギルド一階で、ゴラエスという大男が討伐依頼の報酬が支払われないことに怒りを爆発させていた。青年の受付係は、ゴラエスが対象とは異なる盗賊を討伐し、依頼を完了していなかったため報酬を支払えないと毅然と説明した。ゴラエスは非を認め、違約金の支払いを受け入れてギルドを去った。
亮真の自己反省と青年の忠告
ゴラエスの件を目の当たりにした亮真は、依頼に対する自身の軽い考えを反省した。青年受付係からも、討伐における自分の力量を理解し、適切な対策をとることが重要だと忠告を受け、亮真はその意図を理解した。
鍛冶屋での武器調整
亮真は鍛冶屋を訪れ、狩りで損傷した剣の修理を依頼しようとしたが、鍛冶屋から新たな剣の購入を勧められ、戦輪の研ぎも頼んだ。鍛冶屋の親父は、彼の剣の酷使ぶりに驚きながらも、注文を受け入れた。
ギルドでの討伐依頼と裏事情の発覚
翌日、亮真はギルドを訪れて討伐依頼を確認したが、盗賊団の出現により配達系依頼が一時停止されていることを知った。受付嬢から、ギルドが貴族や領主の圧力を受けていることが語られ、亮真は依頼の複雑な背景を感じ取った。
討伐系依頼の説明と手続き
亮真はEランク以下の討伐系依頼を全て請け負うことを決め、ギルドから討伐対象と報酬が記された分厚い冊子を手渡された。彼は面倒に感じつつも、効率的な依頼の処理が収入に繋がることを理解し、手続きを終えた。
街道での移動と危機の予感
亮真は街道を歩きアルーへ向かっていたが、盗賊団の影響で周囲には誰もおらず、薄暗い森の中に一人取り残された。その時、女性の悲鳴が響き渡り、亮真は不安を感じつつも状況を確認しに向かった。
襲撃と亮真の救出決意
亮真は、悲鳴を聞いて道の曲がり角へ急行した。そこには馬車を襲撃している盗賊と捕らえられた二人の少女がいた。男達は少女たちを商品として扱いつつも、欲望にかられ手を出そうとしていた。亮真は葛藤を抱きつつも、彼女たちの救出を決意し、奇襲をかけて盗賊達を討ち取ることにした。
亮真の奇襲と盗賊の撃破
亮真は隠密行動を駆使し、盗賊に不意打ちを仕掛けた。彼は戦輪で頭領ゲイツを始末し、他の盗賊も次々に倒していった。抵抗を続ける盗賊を見張り役も含めて全員撃破するため、緊迫した戦闘が展開された。亮真は執念で最後の盗賊まで仕留め、二人の少女を無事救出した。
少女たちの自己紹介と亮真への感謝
助けられた少女たちは、銀髪の姉ローラと金髪の妹サーラと名乗り、亮真に深い感謝を示した。亮真は彼女達に恐怖を与えたことを詫びるも、二人は救出に感謝を述べ、亮真を「御子柴様」として尊敬の念を抱き始めた。
血盟の儀式とローラの能力発揮
亮真はローラの提案に従い、血盟の儀式を行った。ローラは儀式により首輪と手枷が外れ、亮真を「ご主人様」として忠誠を誓った。その後、風の文法術を使って盗賊から奪われたサーラを取り戻すための追跡が行われ、ローラの能力で敵を見事に追い詰め、妹サーラを無事救出することに成功した。
盗賊の始末と姉妹の忠誠
亮真は残りの盗賊を全て討ち、ローラとサーラは亮真に更なる忠誠を誓うこととなった。亮真は当初、彼女たちの忠誠に戸惑いを見せるも、結局血盟を結び直し、二人を連れてアルーの街まで同行することを決意した。
戦利品の点検と姉妹の背景
襲撃後、亮真は馬車の荷物を整理し、大量の金貨や宝飾品を発見する。姉妹は奴隷として売られる過程で、着飾らされていたことを明かし、かつての仲間の姿を思い出し涙を浮かべた。亮真は姉妹を守る決意を新たにしつつ、街への道を共に進む準備を整えた。
奴隷商人との再会と対立
森の中で亮真と姉妹は奴隷商人アゾスとその護衛に再会した。亮真はアゾスの品物扱いする言動に嫌悪を抱きつつも、冷静に対処を図り、護衛たちとの戦闘が始まった。亮真は戦輪で奇襲をかけ、姉妹も共に戦いを展開し、奴隷商人アゾスと護衛を撃退した。
姉妹の忠誠と亮真の命令
亮真は奴隷としてではなく、人間として姉妹に自由を与えようと提案したが、姉妹は亮真に命をかけて仕える意思を示し、忠誠を貫いた。亮真はその意思を受け入れつつも、互いに対等な立場での行動を求め、共に旅を続ける決意を固めた。
アルーの街への到着と経済の確保
亮真たちは奴隷商人から奪った金貨や宝石を元に、アルーの街で装備や旅の資金を整えた。宝石商との交渉で予想以上の高額を得て、資金を銀行に預け、冒険者ギルドでの登録も完了させた。
今後の逃亡計画と国境越えの模索
帝国による国境封鎖の情報を得た亮真たちは、東の国境を抜けることを計画し、街道を避けて森を抜けるルートを検討した。しかし、帝国の追っ手を警戒しつつ、亮真は姉妹と共に国境越えの策を模索し、緊張感をもって次なる行動に備えた。
第四章 狩る者、狩られる者
亮真の単独行動と森の過酷な状況
亮真はアルーの街から北上し、単独で森に入った。街道を外れたことで怪物の連続攻撃に悩まされながらも、なんとか進んでいたが、森の中で誰かの視線を感じ取る。敵意に満ちた視線に警戒しながら待機していると、ついに謎の男が姿を現した。
謎の男との対話と不穏な空気
亮真の前に現れた男、斉藤英明はオルトメア帝国夢魔騎士団の副団長と名乗り、丁寧だが有無を言わせぬ態度で亮真に協力を要求した。亮真は一時的に無害な冒険者を装って応じるが、実はこの男が自分を追っている帝国の追手であることを察していた。
拘束と本営への連行
斉藤は亮真に「形式」と称して手枷をかけ、無言の圧力をかけながら帝国の野営地へと亮真を連行した。亮真は抵抗せずに連行され、帝国の本営で待機するよう命じられる。副団長斉藤はその後、主であるシャルディナ皇女のもとへ報告に向かい、亮真が異世界人であることを確信している旨を告げた。
斉藤の懸念とシャルディナの決断
斉藤は亮真の無抵抗な態度に違和感を抱き、彼を帝都へ連行することなく始末する方がよいと進言する。これに対しシャルディナは、斉藤への信頼はあるものの「勘」に基づく判断で皇帝の命令を無視することに疑問を抱き、亮真本人と直接話す決意を固めた。
シャルディナとの対面と対話の始まり
亮真の拘束された天幕を訪れたシャルディナ皇女は、彼の素性を確かめようとした。亮真は、この帝国第一皇女が直々に自分を尋ねるほどの関心を持っていることに疑念を持ちながらも、平然と応対した。シャルディナとその副官である斉藤の二人は、亮真が異世界からの来訪者であると見抜き、亮真もまたその事実をあっさりと認めた。
異世界人としての自立と対立
シャルディナは、亮真がこの異世界で生き抜いている力を認め、帝国への協力を求める。しかし亮真は、異世界から無理に召喚されただけの存在として、自身の誇りと意志に従い自由であることを宣言した。シャルディナの提案を断り、従属を拒否する亮真に、皇女は驚愕しつつも嘲笑し、亮真がこの世界で生き抜けるか試す構えを見せた。
斉藤の決断と緊張の高まり
斉藤は亮真の無抵抗で冷静な態度に疑念を抱き始め、亮真が何か策を持っていると感じ取る。この不安から、斉藤は帝国の命令に反して亮真をその場で殺そうと決意し、剣を抜いて亮真に迫った。亮真は、覚悟を決めたかのように静かにその場に留まり、戦闘の火蓋が切られる瞬間を待っていた。
サーラとローラの救援と戦局の転換
その時、亮真の忠実な仲間であるサーラとローラが現れ、野営地を急襲した。彼女達は法術を駆使し、瞬時に護衛兵を倒しながら亮真を救い出す。サーラとローラの力は予想外であり、皇女と斉藤も彼女達の実力に圧倒される。亮真を中心とした三人は互いに信頼し合い、皇女達に対して強力な抵抗の姿勢を見せた。
帝国軍の撤退と亮真達の出発
状況の不利を悟ったシャルディナと斉藤は、一時的に撤退する決断を下し、亮真達を見逃すことにした。しかしシャルディナは、亮真を再び逃がすつもりはなく、彼を捕らえるために更なる追手を放つと宣言した。亮真は彼女の言葉に動じることなく、元の世界に帰るという決意を表明し、サーラとローラと共に森の中へと姿を消した。
エピローグ
ドルネストの激昂とシャルディナの報告
シャルディナらが皇帝の前で、亮真を捕縛できなかった経緯を報告した。鉄血宰相ドルネストは、帝国の威信を傷つける結果に激怒したが、皇帝は冷静に彼女の判断を支持した。
亮真追跡の苦境と決断
シャルディナと斉藤は、森で亮真を逃した後、兵を再編し追跡を試みた。しかし、亮真の知略を前に捕捉は難しく、彼らは帝都への帰還を決意した。斉藤はシャルディナの処遇を心配したが、彼女は冷静に状況を判断し、すぐに戻るべきだと説いた。
皇帝の寛容と新たな命令
皇帝はシャルディナの努力を認め、異世界人を逃したことを責めなかった。そして、失敗の代償として東部諸国攻略の任務を与え、彼女たちに挽回の機会を示した。これによりシャルディナらは東部諸国攻略に向けて動き出すことが決まった。
帝国の進軍と新たな戦火の予兆
東部諸国攻略への布石が打たれ、オルトメア帝国の侵攻は本格化した。この動きは、亮真にも影響を及ぼすことになり、彼の運命もまた帝国の侵攻に巻き込まれていく展開が予感された。
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