小説「ウォルテニア戦記 XIX(19)」女王軍20万が襲い掛かる 感想・ネタバレ

小説「ウォルテニア戦記 XIX(19)」女王軍20万が襲い掛かる 感想・ネタバレ

どんなラノベ?

学校の屋上で弁当を食べようとしていたらいきなり異世界に召喚された高校生の御子柴亮真。
ただ彼はマトモじゃ無かった。

召喚した魔術師を殺し。
逃亡途中で双子姉妹を仲間にして大国の帝国から逃亡。

帝国から逃げれたと思ったら、ローゼリア王国の跡目争いに巻き込まれてしまう。
それにも勝利させて女王ルピスを誕生させ。
そのまま解放されると思ったら。
住民は皆無で、沿岸部に海賊がおり、強力な魔物が跋扈するウォルテニア半島を領地に与えられ貴族にされてしまう。

少年少女の奴隷を買って、彼等に武法術を教えて兵士として育成し、半島の希少な魔獣を狩って資金を稼ぐ。
邪魔な海賊のアジトを攻め滅ぼし。
その時に、奴隷にされていたダークエルフと知己を得て貿易を始め。

そして彼等特有の技術で魔剣、魔法防具を量産してもらい兵士の装備をより強固にして、重傷を負ってもダークエルフ特性の薬で快癒させて損耗率下げる事に成功。

そんな兵士達を率いてザルーダ王国への援軍に行き、オルトメア帝国の侵攻を止め。

辺境伯と北部十家との戦争にも勝利。

それを貴族院で審問されるが、死刑が始まる前から決まっているので亮真は貴族院のメンバーを全て殺して自領へ逃亡。

反乱を討伐するためルピス女王が率いる20万の大軍がウォルテニア半島へ攻めて来たが、、

読んだ本のタイトル

#ウォルテニア戦記   XIX
著者:保利亮太 氏
イラスト:bob 氏

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あらすじ・内容

御子柴亮真が守りを固めるイピロスの町に押し寄せる、ルピス女王率いる20万のローゼリア軍。

多勢に無勢、亮真ひきいるウォルテニア軍の敗北は目前と思えた。

しかし、亮真は城塞都市イピロスに周到にワナを仕掛けていた……。

青年君主の飛躍を描く異世界戦記、転機となる第19巻!

ウォルテニア戦記 XIX

感想

遂にルピス女王との決戦かと思ったら。

イピロスからの避難民を女王軍に押しつけて相手の兵糧を圧迫。

女王軍が戦線と想定していたイピロスを空城→火計。
約三万の兵を灰塵にしてしまう。

しかも金品と食糧を豊富に残した状態で3万の兵力と共に焼き討ちするから相手もガッツリ罠に食い付いてハマってしまった。

さらに、イピロスから逃れて来た難民にとっては、目の前で食糧を燃やされたせいで、避難民のルサンチマンは溜まる一方。

 そんなイピロスを放棄した御子柴軍は、ウォルテニア半島の入口に長年建築していた要塞で防衛戦を行うが、、

 女王軍は力押しだけの突撃を繰り返して出血を強いられ、ドンドン食糧の備蓄が無くなっていく。

戦況は御子柴軍が圧倒的に有利な状況だが傍目からは女王軍が圧倒しているように見えてるから質が悪い。

総大将に据えられてる白き軍神もお手上げ状態。
さて、どうやって決着するのだろうか?

白き軍神は御子柴家と合流出来るのだろうか?

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備忘録

プロローグ

夜明けのセイリオスと警備兵の働き

セイリオスの街には朝霧が立ち込め、陽光が地平線の彼方から差し始めていた。午前六時過ぎ、街の住民が寝床を離れ始める中、街の警備兵たちは既に夜の巡回を終えようとしていた。彼らは五人一組で松明を手に、治安維持と外敵からの警戒に努めていた。御子柴亮真による夜勤手当の導入により、兵士たちはこの仕事にそれなりの誇りと満足感を持っていた。

御子柴邸の厨房と戦場のような朝

一方、御子柴男爵邸の厨房では、数百人の兵士の朝食を準備するため、料理人たちが戦場のごとき忙しさで動いていた。調理器具の音と怒号が飛び交う中、料理長の鮫島菊菜だけは静かにスープ鍋と向き合っていた。彼女は黒エルフから仕入れた巨角羊の肉と野菜を用いたフランス料理風スープの仕上がりを確認していた。

味覚と記憶、そして料理人の誇り

菊菜は自らの経験と技術に自信を持っていたが、未知の食材を用いた料理には一抹の不安を抱いていた。それでも、彼女は幼少期に読んだ料理漫画に刺激を受けて料理人となり、味を理解する客にこそ料理人の真価が伝わると信じていた。そして、御子柴亮真という稀有な美食家に出会ったことが、彼女の料理人としての誇りをさらに強固なものにしていた。

鄭孟徳との接触と疑念の芽生え

朝食の完成後、菊菜は浩一郎への配膳を担当する鄭に料理を渡した。鄭は厨房に現れ、彼女との距離を詰めるべく話しかける。菊菜は組織の密偵としての立場から警戒を抱くが、鄭が組織の高位者であると察し、会話を受け入れた。二人は厨房の隅で会話を交わし、菊菜は自らが須藤秋武の指示で情報収集を行っていることを明かした。

御子柴浩一郎の正体と組織内の均衡

鄭は浩一郎が組織と関係していることを認めるが、その詳細については明かさなかった。菊菜は、彼が鄭やヴェロニカのような上位者から敬意を払われる存在であることに驚き、彼の正体に対する疑念を深めた。また、組織内部には独自に動く勢力が存在する可能性があると鄭は語った。

カンナート平原の狙撃事件の示唆

鄭は先日の狙撃事件についても言及し、御子柴亮真への警告であると推測していた。頭部ではなく体を狙ったその攻撃は、暗殺ではなく警告としての意図があると考えられた。鄭は、須藤が単独で動いている可能性、あるいは久世昭光の指示で動いている可能性を懸念し、ヴェロニカに調査を依頼する決意を示した。

内部抗争の記憶と警戒

鄭とヴェロニカは過去に組織内で起きた内部抗争を思い返し、今後同様の混乱が再び起きることを警戒していた。特に、地球帰還を望む帰還推進派と残留を望む派閥の対立は、再燃の可能性を秘めていた。狙撃事件は、その火種である可能性があった。

鮫島菊菜の迷いと覚悟

菊菜は自らが情報収集の任務を負いながらも、御子柴男爵家への愛着と信頼を抱き始めていた。彼女にとって、この館での仕事は居心地が良く、主である亮真の持つ矛盾した思想と行動がかつての日本を思い出させた。たとえそれが儚い夢であっても、今はこの場所に身を置くことに価値を感じていた。

ヴェロニカの動きと警告の余波

鄭との会話を終えた後、ヴェロニカは独自の伝手を使って須藤や久世の動向を探ることを決めた。鄭は彼女の行動を止めなかったが、万が一に備えて注意を促した。ヴェロニカは亮真と菊菜に対する好意から、自らの意思で動く決意を示した。

迫りくる不穏と蠢く影

鄭は、御子柴男爵家と組織を巡る状況が平穏では済まされないと直感していた。組織内の対立、外部からの軍事的脅威、そして潜在的な謀略の影。それらが交錯する中で、鄭とヴェロニカは静かに次の一手を模索していた。 

第一章  揺れ惑う心

桐生飛鳥と北部征伐軍の行軍

戦場への道と兵の様子


その日、桐生飛鳥が目にしたのは、カンナート平原を覆う圧倒的な人馬の流れであった。王都ピレウスからローゼリア王国北東部へと続く街道には、馬の嘶きと兵士の怒号、巻き上がる砂埃が充満していた。飛鳥は映画の大作にも例えられるこの非日常的な光景を前に、ただの女子高校生であった自分との乖離を感じていた。

二十万という兵数を誇る北部征伐軍は壮観であったが、飛鳥の眼には、その内実に不安が映っていた。徴兵された平民による寄せ集めであり、武具も粗末で統一感に欠けていた。鎧兜を身に着けた者は少なく、大多数が木製の盾を頼りに行軍していたのである。鎧の配布は調整の難しさから後回しにされていた。

現代と異世界における命の価値の差

飛鳥は、大地世界における人命の軽さを思い知った。現代日本における「人命は地球より重い」という価値観とは対照的に、この世界では人の命は容易に代替可能な資源にすぎなかった。早婚が一般的で出生率が高いこともあり、徴兵された兵士たちは使い捨て同然の扱いを受けていた。

飛鳥の鎧と戦場への不安

飛鳥が身に着けていたのは、聖堂騎士用に特注された板金鎧であった。軽量化は施されていたが、未だ着慣れない装備は彼女にとっては重荷でしかなく、汗に濡れた身体はその不快さを際立たせていた。ただし、それは彼女の身分と身を守るためには必要不可欠な装備でもあった。

行軍の最中、飛鳥が感じた熱気は太陽だけでなく、兵士たちの戦意と欲望によるものであった。彼らの多くは、戦の目的を御子柴男爵領への略奪と捉え、それを正当な報酬として受け止めていた。

ルピス女王の決断と略奪の容認

今回の北部征伐において、ルピス・ローゼリアヌスは御子柴領における略奪行為を公式に許可していた。この決断の背景には、貴族たちを戦に参加させるための現実的な打算があった。貴族たちにしても、感情よりも損得を優先する判断力を有しており、その意味では極めて合理的な選択であった。

飛鳥はその判断に嫌悪を抱きつつも、国の現状を踏まえれば致し方ないと理解していた。ただし、その決断がルピスの心に長く影を落とすであろうことも予感していた。

飛鳥の内心と御子柴亮真への疑念

飛鳥は御子柴亮真が自分の知る亮真である可能性を捨てきれずにいた。以前は確信していたが、顔を見ていない以上断定は出来なかった。しかし、戦争の首謀者が身内であるという現実に対して、彼女の心は複雑に揺れていた。

亮真という人物は、強靭な肉体と鋭い知性を併せ持ちながらも、日常では無気力に過ごすという矛盾を抱えた存在であった。だが、一定の基準を超えると、情け容赦なく敵を排除する一面を持っており、それを飛鳥は過去の経験から知っていた。

過去の事件と亮真の行動原理

飛鳥が過去に体験した出来事──担任教師の懲戒免職や不良たちの排除──には、亮真の関与を疑わせる状況が存在していた。証拠はないが、飛鳥はその裏に亮真の意志があったことを信じていた。

亮真は、自身や大切な人間が理不尽な目に遭うことを許さない性格であった。そして、その正義感の裏には冷徹な計算があり、敵と認識した者には徹底した対応を行う男であった。

御子柴亮真の行動の動機と飛鳥の懸念

飛鳥は、亮真がなぜ今この戦を起こしたのか、その動機と目的について疑問を抱いていた。敵を一網打尽にするため、短期決戦を選んだ戦略には理解を示していたが、それでも戦術的な勝算があるかは見えていなかった。

この戦の結末が判明するまでは、御子柴男爵家の勝利は想像できなかった。何よりも、二十万の軍勢を相手にしてどう勝ち抜くのか、飛鳥にはその道筋が見えなかったのである。

飛鳥の無力感と見守る視線

馬車の外に広がる兵士の波。その圧倒的な数に、飛鳥は再びため息をついた。自身がただの傍観者でしかないという無力感が、胸を満たしていた。だからこそ、彼女は気付かなかった。自分を見守る視線が、すぐ傍にあったことに。

飛鳥を見守る立花の葛藤

桐生飛鳥の隣で馬車を操る立花源蔵は、冷静を装いながらも内心では動揺していた。飛鳥の苦悩に気付きながらも、今の自分には何もできないという無力感が支配していたのである。刑事として人の心を読み取る能力に長けていた立花にとって、飛鳥の抱える不安の正体を察することは容易だった。だが、大地世界ではただの平民である自分の言葉が彼女に届くとは思えず、黙して手綱を握り続けるしかなかった。

夜営地での逡巡と葛藤

夜が訪れ、北部征伐軍が街道外の平原に陣を張る中、ロドニーは天幕内で飛鳥の扱いについて思案していた。彼は立花から聞いた飛鳥の様子に胸を痛めつつ、どう行動すべきか判断を迷っていた。そこへ訪れたメネアも同様に状況の深刻さを理解し、飛鳥を御子柴男爵家へ送り出す案を提示する。しかし、飛鳥が御子柴亮真の身内である確証が無い以上、それは大きな危険を伴う選択でもあった。

御子柴との関係と不確かな記憶

飛鳥が御子柴亮真と血縁関係にあると信じる根拠は薄れつつあり、情報が増えるほどに確信は揺らいでいた。飛鳥自身もそれを自覚しており、ロドニーたちは彼女の不安定な立場を理解していた。最終的に真偽を確かめるには本人と直接会うしかなく、それは誰の目にも明らかであったが、敵対軍の中でその実行は現実的ではなかった。

光神教団と任務の優先順位

ロドニーとメネアは光神教団の騎士として、ローランド枢機卿の補佐という任務を抱えていた。飛鳥の件はあくまでも副次的なものであり、教団の方針に従わざるを得ない立場であった。そのため、飛鳥の存在は今なお枢機卿に正式には伝えられていなかった。飛鳥の扱いによっては教団の政治的駆け引きの駒として利用されかねず、そのリスクを恐れていたのである。

飛鳥への情と過去の変化

ロドニーとメネアは、飛鳥を単なる駒としてではなく、一人の少女として見ていた。当初は御子柴浩一郎を誘い出すための手段として保護したが、共に過ごす中でその認識は変化していた。飛鳥に与えられた従者の身分は、名誉というよりも彼女を守るための措置であった。その背景には、騎士としての義務を超えた親愛と保護欲があった。

葛藤と現状維持の選択

情報が不足している現状では、飛鳥を御子柴側に送ることはあまりにも危険であった。戦の趨勢次第では彼女の命が脅かされる可能性もあり、ロドニーは決断を先送りするという苦渋の選択をした。メネアもその判断に理解を示しつつ、御子柴領への接近によって新たな状況が生まれる可能性に期待を寄せていた。

第三者の視線と危機の兆し

飛鳥への強い想いが二人の警戒心を緩ませていた。その隙を突くかのように、彼らの天幕にはすでに第三者の視線が注がれていたが、ロドニーもメネアも気づくことはなかった。彼らの逡巡と苦悩の裏で、事態は静かに動き始めていたのである。

第二章  弱者と言う名の刃

イピロス攻城戦前夜の緊張と不穏

野営地の緊張と将兵の心理

平原を吹き抜ける風の中、イピロス南西の野営地には無数の軍旗が翻っていた。人馬が行き交う中で竈の煙が立ち上り、戦場さながらの騒然とした様相を呈していたが、将兵たちの顔には険しさが浮かんでいた。その原因は二つあった。一つは、初の攻略目標であるイピロスが目前に迫っていることであり、戦の勃発が目前であることが明白であったこと。もう一つは、御子柴男爵軍の動向がまったく見えず、偵察にも反応がなく沈黙を保っているという不気味さにあった。この不可解な無反応が、かえって兵たちの不安を掻き立て、野営地全体に殺気だった空気を充満させていた。

ルピス女王の不安と軍事的疑念

野営地中央の天幕では、ルピス・ローゼリアヌス女王が苦悩の表情を浮かべていた。行軍は王都ピレウス出発から順調に進んでいたが、女王はこの順調さ自体を異常と捉えていた。特に相手が御子柴亮真であることを考えれば、何か策を講じている可能性を疑わざるを得なかった。過去の経歴から、女王は実戦経験に乏しい“お飾りの将軍”であったが、王族として高度な軍事教育を受けており、一定の戦略的知見を有していた。その知識と勘が、敵の無反応を異常と断じ、警戒心を強めさせたのである。

進軍への躊躇と側近メルティナの助言

女王は進軍継続に迷いを見せ、ここで一度駐留して様子を見るべきではないかと提案したが、側近のメルティナは静かに否定した。敵が籠城を選んだ可能性もあるとして、予定通り進軍を継続し圧力をかけるべきだと主張したのである。女王は表面上は同意を示したが、内心では依然として疑念を抱いていた。メルティナは、女王の不安定な心理を理解しつつ、軽々に方針を転換することが軍の瓦解を招く危険を見抜いていた。彼女はこれまで貴族達の我儘を抑え、軍の統制を維持するために尽力してきた人物であった。

情報不足とイピロスの不可解な静寂

偵察報告によれば、イピロスの城門は閉ざされ、人の出入りは物資搬入時のみであり、密偵すら情報収集を断念する厳重な警備体制が敷かれていた。城にどれほどの兵力が駐留しているかは不明で、敵が籠城するのか野戦を選ぶのかも一切読めない状況であった。ただ唯一、御子柴男爵家の紋章が城壁に翻っている事実だけが確かであり、それ以外は何も掴めていなかった。メルティナはこの“何も分からない”という状況が最も危険であると認識していた。

軍内の緊張と決断の重圧

二十万の兵を率いる北部征伐軍は、一見すると巨大な戦力に見えるが、その実態は各貴族の私兵の寄せ集めであり、国王への忠誠心は希薄であった。状況が不利と見れば、彼等が撤退や離反する危険も常に存在していた。指揮系統が崩れれば、軍は瞬く間に瓦解する。それを防ぐには、女王自身とその側近たちが揺るぎない意志を持ち続ける必要があった。

五万の集団とその正体の衝撃

突如、偵察部隊からイピロス方面より五万を超える一団が接近中との報が届いた。将兵たちは敵襲と受け取り動揺を見せたが、ミハイルの報告により、それが御子柴軍ではなく、イピロス周辺の住民たちであると判明した。彼等は御子柴男爵家の支配を拒み、女王の庇護を求めて来た難民であった。この情報にメルティナは驚愕しつつも、状況の深刻さと混乱の到来を直感していた。

首脳陣による緊急軍議

ルピス女王の天幕には北部征伐軍の要職にある四人――ルピス、エレナ、メルティナ、ミハイルが集まり、難民受け入れ後の対応について協議が行われた。貴族たちは排除され、難民を足手まといと見なす彼らに対して意見を求める意味はなかったためである。既に難民受け入れ自体は決定事項であったが、今後の軍の行動方針は未定であった。メルティナとミハイルは、これは時間稼ぎに過ぎないと理解していた。

五万の難民とその負担

難民の数は約五万と見積もられた。この数字は軍の四分の一に匹敵するものであり、戦場での補給に大きな影響を与えるものであった。御子柴亮真が退去を命じる際に金貨一枚と数日の食料を与えたことは表向き温情策と映ったが、戦場という特殊な環境下では金の価値は極めて限定的であり、実質的には支援不能の状態へ追い込む策謀であった。

予測される更なる難民流入

北部全域の人口規模を考慮すれば、さらに数十万の難民が発生する可能性があった。その場合、王国の秩序は著しく乱れることになる。ミハイルは御子柴亮真が単なる復讐心でこの状況を引き起こしているとは考えられず、より深い目的があるのではないかと警戒を強めた。

新たな補給網の再構築と王都派遣

エレナは補給網の再構築こそ最優先と提案し、メルティナとミハイルも同意した。物資の集約は王国南部の穀倉地帯を中心に行われる方針となり、その実行には王都での調整が不可欠とされた。ミハイルは王都への帰還を自ら申し出、ルピス女王の了承を得た。彼の信頼と調整力により、王都に残る貴族や官僚たちへの牽制も期待されていた。

イピロス攻城戦の決断

次に焦点が当てられたのはイピロス攻城戦であった。難民の要望と貴族たちの圧力により、攻城は避けられない情勢となっていた。ルピス女王が自らの意志で命じるか、外的要因に屈するかの違いはあれど、攻撃は既定路線であった。しかし、四人は御子柴亮真が何らかの策を講じていると感じつつも、その内容を見抜くことはできず、疑念を抱えたまま夜を越えることになった。

短期間での難民対応と懸念

数日後、北部征伐軍はイピロスの目前まで進軍を完了した。エレナは馬上で、御子柴亮真が難民受け入れの混乱に乗じて奇襲を仕掛けてくることを予測していたが、それは実現しなかった。だが、順調すぎる展開こそが不安材料であり、奇襲を諦めたとは思えなかった。難民対応は短期間で行われ、メルティナとミハイルの尽力により混乱は最小限に抑えられたが、今後の展開を考えれば安堵するには早すぎた。

奇襲の不在と策謀の予感

エレナは、御子柴亮真がこの程度の策で終わるとは考えておらず、更なる陰謀が進行しているとの疑念を抱いていた。兵糧の削減に伴う兵士たちの不満や、難民対応による指揮の乱れは明確な標的であり、相手が仕掛けるには絶好の隙でもあった。その状況に対し、エレナは警戒を緩めることなく、敵の次の一手に備えていた。

新たな動きの予兆

そして、偵察部隊の急ぎ足の帰還が、戦況を大きく動かす兆しとして現れた。北東から土煙を上げて戻るその姿は、エレナに重大な報告があることを示していた。戦場の緊張は最高潮に達しようとしており、まさに戦況の分岐点が目前に迫っていたのである。

第三章  空城の計

イピロス炎上

偵察報告と混乱する軍議


偵察部隊が帰還し、イピロスに御子柴男爵軍の兵が不在であるという報告を持ち帰った。将兵や貴族たちはその情報に疑念を抱き、報告者に対して侮蔑と疑念の視線を向けた。エレナは報告の真偽よりも、それが事実だった場合の対応こそ重要であると判断していた。最終的にメルティナの提案により再偵察が決定された。

再偵察と入城決定

二度目の偵察でも御子柴軍の不在が確認され、物資や財宝が豊富に残されていることが判明した。城内の安全が保証されたわけではないが、入城への欲望に駆られた貴族たちは次々と許可を求めた。結果、三万の将兵が城内へ進軍し、イピロスの占領が開始された。

欲望に駆られた略奪

城内には大量の食料・武具・財宝が残されており、兵士たちは歓喜して略奪に走った。部隊長や貴族までもが私欲を剥き出しにし、統制は失われていった。物資は一定割合で分配される決まりであったが、それでも兵士たちは一攫千金を夢見て手当たり次第に物を奪い、宴に興じた。

忍びの潜伏と破滅の序章

伊賀崎咲夜を中心とした忍びたちは、主君・御子柴亮真の命により百三十余名で数万の敵軍を壊滅させるという作戦を遂行すべく、城内の各所に潜伏していた。咲夜は機が熟したことを悟り、闇夜の中で静かに手を振って指令を下した。

爆発と混乱、火の海となるイピロス

その夜、ザルツベルグ伯爵邸を起点として爆発が起こり、城内全域に連鎖的に火の手が上がった。瞬く間に街は火炎と黒煙に包まれ、兵士たちは混乱と恐怖に陥った。逃げようとする者、消火を試みる者、口論する者が入り乱れ、誰もが正解を見失い、貴重な時間を浪費していった。

欲望の代償

消火も逃走もままならぬまま、多くの兵士が煙に巻かれ命を落とした。目の前に広がっていた財宝は炎に包まれ、兵士たちは自らが渇望して止まなかった富と共に炎に焼かれ、灰となって消えていった。城塞都市イピロスは、欲望に踊った者たちを呑み込み、まさに地獄絵図と化したのである。

城塞都市イピロス炎上と咲夜の撤退戦

火計の成功と城塞都市の崩壊


伊賀崎咲夜は、炎と黒煙に包まれる城塞都市イピロスの城壁上に立ち、仕掛けた火計の成功を確信していた。使用されたのは、黒エルフ族の族長ネルシオスが提供した秘薬「火竜の息吹」であり、少量の硝石と硫黄を混ぜることで激烈な炎を発する性質を持っていた。咲夜はその威力に驚嘆しつつ、作戦の勝利を確信していた。

夜間飛行と追跡の開始

任務完遂後、咲夜と伊賀崎衆は風の術式が付与された黒いハンググライダーで夜空へと飛び立ち、撤退を開始した。しかし、イピロス炎上の異変を察知したエレナ・シュタイナーが一軍を率いて追跡を開始していた。咲夜達は飛行によって距離を稼いだが、生気の消耗が激しく、予定よりも早く機体を放棄せざるを得なかった。

技術秘匿のための決断と後悔

機体には黒エルフ族の秘術が施されており、敵に鹵獲されるわけにはいかなかったため、咲夜は火竜の息吹で焼却処分を行った。その判断は正しかったものの、油断により追跡を許したことに対し、咲夜は強い後悔を抱いていた。

追撃戦と咲夜の捕捉

咲夜一行は北東の森林地帯へ向かって進行したが、追跡するエレナ隊は馬による騎兵部隊であり、距離は徐々に詰められていった。ついに照明法具により所在を暴かれ、矢の一斉射に晒された咲夜は太ももを負傷し、逃走が困難となった。

捕縛と対話の交錯

咲夜は戦う覚悟を固めたが、前に立ちはだかったのはエレナ本人であった。互いの信念を感じ取ったエレナは拷問を否定し、亮真への忠誠が揺るがないと見抜いていた。咲夜は戦う意思を見せるも、劣勢は明らかであった。

亮真の登場と撤収の交渉

そこへ御子柴亮真が姿を現し、咲夜を救出するため伊賀崎厳翁率いる一団が援護に現れた。亮真とエレナは短く言葉を交わし、旧交を思わせるやり取りを経て、衝突は回避された。亮真は借りを認めた上で、咲夜を抱えて撤収した。

戦場に残された痛みと決断

数日後、北部征伐軍は焼け落ちたイピロスへ入城したが、三万の兵を失った現実は重く、戦果の喜びは無かった。食糧の不足は難民への反感を生み、ルピス女王への批判も高まっていた。その空気の中、メルティナ・レクターは決断を下した。敵の本拠地であるウォルテニア半島へ、全軍をもって攻め入る覚悟を固めたのである。

第四章  虎牢の関

見捨てられた半島とその交通手段

ウォルテニア半島は、かつて凶暴な怪物が徘徊する未踏の魔境とされ、重罪人の流刑地であった。地理的には西方大陸の北東部に突き出しており、大半が海に囲まれているため、接近手段は限られていた。海路による上陸は、怪物を避ける熟練の船乗りと船舶の確保が必要であり、資金力が求められた。御子柴亮真が領有して以来、海上交易は男爵家の経済を支える柱となり、海賊討伐もその布石であった。

一方、陸路はティルト山脈を越える一つの道しか存在せず、標高二千~三千メートル級の険峻な山々と鬱蒼とした森林に阻まれていた。この経路は魔物の脅威も加わり、大軍の進軍には極めて不向きである。冒険者たちは金目当てにこの道を利用してきたが、それも御子柴家の支配以前までの話であった。

要塞と地形の防御的特性

イピロスを占領してから十日余り、北部征伐軍はウォルテニア半島の入り口へと進軍していた。天候は快晴で、戦の好日と見えたが、将兵たちは目の前に広がる光景に言葉を失っていた。エレナ・シュタイナーは望遠鏡で確認し、御子柴亮真の言葉の真意を悟った。

山道を塞ぐように築かれた要塞は、砦というよりも城や要塞と呼ぶべき堅牢な建造物であった。高さ二十~二十五メートルの石造りの城壁、城門前の空堀、逆茂木、狭隘な地形の利用、さらには複数区画の存在が推測され、正面からの攻撃は困難であることが明白であった。要塞は兵の密集を誘導する構造となっており、弓矢や投石など遠距離攻撃による損耗を狙っていた。

戦術判断とエレナの苦悩

戦術的に見て、この要塞に対して力攻めは悪手であり、エレナは持久戦もしくは海側からの奇襲を提案すべきと感じていた。しかし情報収集の不足、密偵の全滅、さらにはルピス女王と側近の判断により、慎重な判断は退けられてきた。

エレナは亮真がこの要塞以外にも策を持っていると直感しており、イピロスの炎上がその一端であると疑っていた。その火攻めは、戦意を削ぐための牽制と判断し、さらに深い策略があることを予見していた。

軍議の開催と構成員の顔ぶれ

軍議は野戦用天幕内で行われ、出席者は百家を超える貴族から選ばれた約二十名に限られていた。エレナは上座に最も近い席に座し、副官のクリス・モーガンがその背後に控えていた。集まった貴族はローゼリア王国でも有力な家系の者が多く、特にアイゼンバッハ伯爵やハミルトン伯爵のように、父を殺された者は復讐心を燃やしていた。

しかし彼らの多くは実戦経験に乏しく、軍事的能力よりも内政に長けた文官に近い者であった。そのため、冷静な軍略よりも激情に基づく意見が支配的であった。

軍議での暴走とエレナの対応

軍議の開始早々、アイゼンバッハ伯爵が激情を露わにし、力攻めを主張。多くの貴族がそれに同調し、要塞の堅固さを無視するかのように攻撃を提案した。クリスは呆れつつも、これがローゼリア王国の現実であることを認識していた。

エレナは一度慎重な意見を述べたが、侮蔑と嘲笑を受けて謝罪という形を取り、その場を納めた。そして砦攻めの先陣にアイゼンバッハ伯爵を指名し、王女ルピスもこれに同意した。貴族たちは我先にと武功を競い合い、戦意を高めた。

クリスの沈黙と戦の行方

軍議の場で静かに事の成り行きを見守るクリスは、エレナの背を見つめながら、この愚かな流れに歯痒さを覚えていた。亮真を評価しつつも、それを表には出さず、やがて始まるであろう血戦に備えて心を沈めていた。貴族たちの熱狂とは裏腹に、静かに戦の困難さを理解していたのである。

ティルト砦攻防戦の開幕

軍議の真意を求めて


夜、クリスは一人エレナ・シュタイナーの天幕を訪ねた。昼間の軍議が予想外の展開に終わったことに戸惑い、その理由を本人に直接尋ねる覚悟を決めたのである。天幕に入った彼は、エレナが従卒ではなく自ら茶を淹れて迎えたことから、エレナが訪問を予期していたと察した。すなわち、軍議の結論は最初からエレナの計画通りであった。

力攻めの選択とその裏事情

エレナは、力攻めが現状最も勝算のある手段であると語った。兵の損耗を覚悟しつつも、それ以外に残された道がない現実を明かした。クリスが疑問を呈すると、エレナは兵糧事情に話を移した。北部征伐軍は、もともと二十万の軍勢に対応した兵站を整えていたが、御子柴亮真が意図的に流した大量の難民により、状況は一変した。

難民問題による補給線の逼迫

御子柴亮真は、城塞都市イピロスや周辺村落の住民をローゼリア王国側へと押し流すことで、敵軍に過剰な扶養を強いた。その結果、難民は十万を超え、補給部隊は限界に近づいていた。略奪も不可能となり、支援を求めてきた国民を見捨てる訳にもいかない以上、撤退は難しくなった。貴族達に恩賞を与える余裕もなく、戦を続行するしか手がなかった。

貴族への圧力と撤退不能の構図

エレナは、軍議で慎重論を述べたことで、貴族たちがその責任を背負う形を演出した。国王の前で勝利を誓った貴族たちは今さら後退できず、進軍を選ぶしかなかった。撤退は貴族のみならず、難民たちにも失望を与える恐れがあり、さらに王国軍の威信にも傷を付けかねなかった。こうして、北部征伐軍は引くにも引けない状況へと追い込まれていた。

砦攻めの政治的意味合い

エレナは、貴族達が強引に砦攻めを主導する展開を避け、自ら主導して進める必要があると判断していた。さらには、戦力的にも政治的にも足手まといな貴族を間引く機会とすら捉えていた。この決定にはルピス女王の了承も得ており、エレナの独断ではなかった。クリスは、この冷徹な現実に言葉を失い、静かにエレナを見つめ続けた。

御子柴亮真の冷静な観察

翌朝、北部征伐軍は十七万の大軍を率いて進軍を開始した。その様子を砦から見下ろした御子柴亮真は、顔色一つ変えず、むしろ余裕の笑みを浮かべていた。背後に控えるローラは、相手が砦を正面から力攻めするという愚行を選んだことに呆れと憐憫を抱いていた。

虎牢関になぞらえた防衛戦

亮真は、敵が補給線の再編に追われていることを察しており、さらに馬鹿な貴族に先陣を押しつけて損害を誘導する算段も読み取っていた。砦を落とせば恩賞を与え、敗北すればそれも計算通り。まさに無駄な兵力を消耗させる好機と捉えていた。亮真は、この砦を「虎牢関」になぞらえ、三国志の世界観を思い浮かべながら、自身が董卓に似ていることを皮肉に感じていた。

砦の防衛と戦の開始

想いを巡らせた亮真は、ついに戦の開始を宣言した。冷徹な視線を浮かべ、手を掲げて合図を送ると、鐘と太鼓が鳴り響き、砦から無数の矢が放たれた。それは、後に凄惨な戦として記されるティルト砦攻防戦の幕開けであった。

エピローグ

ティルト砦攻防戦
要塞防衛と北部征伐軍の力攻め

ティルト山脈に築かれた砦は、天然の要害を活かした難攻不落の要塞であった。ルピス女王率いる北部征伐軍は三度目の攻城戦を仕掛けたが、砦から放たれる無数の矢と火油の攻撃によって、多くの兵が命を落とした。それでも兵士達は命令に従い、空堀の埋め立て作業を続けていたが、戦果は得られなかった。アイゼンバッハ伯爵家に仕える上級騎士も無謀な突撃の末に倒れ、前線は地獄絵図と化していた。

砦内の余裕と亮真の戦略

砦の指揮所では、亮真たちが午後の茶を楽しむ姿があり、戦場とは思えぬほどの余裕を見せていた。マルフィスト姉妹も、ティルト砦の堅牢さを自負しており、要塞規模の構造が敵の力攻めに耐えうることを確信していた。亮真は、防衛に徹するのみではなく、敵の補給線を断つための策も進行させており、それが戦局を左右する鍵であると見ていた。

ティルト砦の命名とその背景

砦の命名に関しては、「要塞」ではなく「砦」とした理由を浩一郎が問いただした。亮真は、隣接するザルツベルグ伯爵への配慮から、威圧的な名称を避けたと説明した。政治的な計算と防衛上の必要性を両立させた亮真の行動は、領主としての器量を示していた。

隠された策と侵攻部隊の出撃

亮真は、二人の攻撃的な指揮官に別任務を与え、敵の補給線を断つための工作を進めていた。その策の一環として、ネルシオス率いる黒エルフに製作を依頼した特製の船団が、テーベ河を逆流しながら上流へ向かっていた。この船団は目立たぬよう黒で塗装され、夜間航行に特化していた。

ロベルトの回想と亮真の器量

船団を率いるロベルトは、主である亮真に対し強い忠誠と畏敬の念を抱いていた。亮真の策士ぶりと器量の大きさを称賛しつつ、自らの役目に誇りを持っていた。武勇と知略を兼ね備える亮真は、単なる戦術家ではなく、国造りの視野を持つ人物であった。

エクレシアの参戦と信義の重み

ロベルトの懸念は、ミスト王国の将軍であるエクレシアの動向にあった。だが彼女は傭兵としての立場を明確にし、信義と民の安定を重視する姿勢を見せた。ミスト王国の高潔な信条と、現実的な国益の間で選ばれた道は、ローゼリア王国の崩壊を容認する決断でもあった。

戦局を揺るがす後背からの一撃

数日後、エクレシアと共に進軍するロベルトらの部隊は、イラクリオン近郊に姿を現した。その目的は、無防備な敵軍の後背を突き、戦局を覆すことであった。ティルト砦の正面攻防が続く中、亮真の手による周到な戦略が、北部征伐軍を大きく揺さぶる結果へと繋がっていく。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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