どんな本?
学校の屋上で弁当を食べようとしていたらいきなり異世界に召喚された高校生の御子柴亮真。
ただ彼はマトモじゃ無かった。
召喚した魔術師を殺し。
逃亡途中で双子姉妹を仲間にして大国の帝国から逃亡。
帝国から逃げれたと思ったら、ローゼリア王国の跡目争いに巻き込まれてしまう。
それにも勝利させて女王ルピスを誕生させ。
そのまま解放されると思ったら。
住民は皆無で、沿岸部に海賊がおり、強力な魔物が跋扈するウォルテニア半島を領地に与えられ貴族にされてしまう。
読んだ本のタイトル
#ウォルテニア戦記 VI
著者:保利亮太 氏
イラスト:bob 氏
あらすじ・内容
男爵としてウォルテニア半島を与えられ、さらなる勢力拡大を図る御子柴亮真は、彼を利用しようとするザルツベルグ伯爵の弱点を突いた取引をもちかけ、最大限の支援を引き出すことに成功する。解放した奴隷たちを率いてウォルテニア半島の制圧に乗り出す亮真だが、そこでは意外な出会いが彼を待っていた――。異世界に召喚された男の覇道を描く人気ファンタジー戦記、第6巻!
ウォルテニア戦記Ⅵ
感想
ウォルテニアン半島に入植するのに、隣の領地の伯爵の動向が心配事だった。
そこで主人公は、王領だった時のウォルテニア半島の岩塩鉱山を伯爵が横領していた事を取引材料にして、伯爵家を自身の後ろ盾にする事に成功する。
そして、入植を開始するのだが、、
いきなり港と街が。
そこを抜いちゃうの?
そこ重要じゃね?
法術を使って街や港を建設したのは分かるのだけれど、、、
何故他の地球人達は、この手の事をしなかったのだろうか?
召喚されたら最前線に放り込まれるのが常なんだから、生き残りのために法術を取得したら使うと思うのだけど、、
まぁ良いか。
街が出来た事により、ウォルテニア半島に巣食っていた海賊達にも存在が知られる。
そして、海賊達は手土産を持って主人公との会談を申し込むのだが、、
主人公達は海賊を赦すつもりは毛頭なかったようだ。
元奴隷の兵士達と共に海賊を討伐する。
元奴隷の中には海賊に村を襲われて、逃亡した末に奴隷にされた子供も居たからな。。
多分、海賊達を虐殺したんだろうな。。
そして、海賊が持って来た手土産は死滅したと思われていたエルフ族の娘だった。
それを新たに召し抱えた忍びの一族を使ってコネを作り、親元に返す事に成功する。
そこから、徐々に友好を結ぼうと主人公は手を尽くす。
そんなウォルテニア半島の更に外側では、、
帝国に攻められて滅亡しそうになってる国からローゼリア国に救援要請が来る。
まだまだ、内乱からの復興からは程遠い状態。
でもらこれ以上、救援要請を無視するわけにはいかない。
さて、どうなるのだろうか?
ラノベなのに単純な話では無いのがこの話の面白さだと思う。
同シリーズ
ウォルテニア戦記シリーズ
その他フィクション
備忘録
プロローグ
夕暮れの稽古
夕暮れ時、杉並区にある古い屋敷の庭で、御子柴浩一郎が静かに剣を振るっていた。飛鳥は、予期せぬ来客を客間に通す前に、庭先で剣の稽古をする浩一郎の姿を目にした。彼の左右に握られた二本の白刃は夕日に照らされ、赤く輝いていた。その動きはゆったりとしたもので、決められた型を順序通りに繰り返していたが、その見た目の優雅さとは裏腹に、この修練は極めて過酷であった。重い真剣を一定の速度で振り続けること自体が並大抵の筋力では不可能であり、浩一郎はすでに一時間以上も稽古を続けていた。
孫の失踪と日課の変化
数ヶ月前、浩一郎の孫である亮真が突然姿を消した。それ以来、浩一郎の稽古の頻度と苛烈さは増し、全身から滝のように汗が噴き出す姿を見た飛鳥は、彼が悲しみを超えて何かを抑え込もうとしているように感じた。飛鳥と浩一郎の関係は親しいものであり、飛鳥は浩一郎の心中を理解しているつもりであったが、真に理解しているのか自信を持てずにいた。
裕福な御子柴家と質素な生活
御子柴家は裕福な家柄で、東京の屋敷には多くの骨董品が収められていた。浩一郎は贅沢を望めば幾らでも可能であったが、彼はただ静かに質素な生活を送っていた。日課は剣の稽古や読書、囲碁や将棋を楽しむことに限られ、贅沢といえるのは全国から取り寄せた銘酒を楽しむ程度であった。しかし、飛鳥は浩一郎が世捨て人としての生活を望んでいるわけではなく、強い意思と目的を抱えているように感じた。
亮真の失踪と警察への無関心
亮真が姿を消した当初、浩一郎は警察への届け出を急がなかった。普通ならば、孫が行方不明になればすぐに捜索願を出すのが自然な行動である。しかし、浩一郎はそれを行わず、警察の動きに対しても無関心であった。その態度に飛鳥は疑念を抱き、まるで捜索が無意味であると悟っているかのように感じた。そして、彼が何かを知りつつも、それを隠しているのではないかと感じた。
刑事の訪問
飛鳥は湧き上がる疑念を押し殺しながら、稽古を続ける浩一郎に声をかけ、警察からの来訪を告げた。
第一章 逃れきれない罪
刑事の訪問
滝のような汗を流した浩一郎は風呂でさっぱりとし、紺の作務衣を身に着けて刑事たちの待つ客間へと向かった。彼は日課の運動のために遅れたことを謝罪し、刑事たちも年上の彼の丁寧な態度に感銘を受けた。刑事の立花と若手の楠田は、失踪した孫の亮真に関して質問を始めたが、浩一郎は冷静かつ機械的に応じた。その態度が立花に違和感を抱かせ、浩一郎に何か隠し事があるのではと感じさせた。
立花の過去と疑念
立花は過去に刑事部捜査第四課に所属し、組織犯罪や暴力団を相手にしてきた経験から人を見抜く力を持っていた。その彼が浩一郎に対して、過去に出会った香港系マフィアと似た「何か」を感じていた。また、亮真に関する情報を調べる中で、彼が並外れた体格と鍛錬の跡を持つことに不信感を抱いた。立花は家族である浩一郎が何かを知っていると疑いながらも、その真意を掴むことはできなかった。
謎の失踪
質問を終え、帰路につこうとする刑事たちを見送りに、飛鳥が玄関に向かった。しかし、しばらくして飛鳥の悲鳴が響き渡り、浩一郎が急いで玄関に駆けつけると、そこには彼女も刑事たちもいなかった。床には不気味な黒い穴が開いており、底が見えぬ闇が広がっていた。
飛鳥を救う決意
浩一郎は、その穴が異世界への入口であると直感し、飛鳥を救うために自らもその闇に飛び込む決意を固めた。彼は手にした愛刀を握りしめ、若い頃に異世界で培った覚悟を胸に再び修羅の世界へと戻っていった。家族を守るため、そして自身の罪と過去に立ち向かうために。
第二章 思いがけない使者
交渉人・須藤秋武の登場
ルピス王女の前に突然現れた須藤秋武と名乗る男は、王女を前にしても臆することなく、無礼ともいえる態度で応じた。黒髪にがっしりした体格を持つ須藤は、ルピスの警戒をよそに椅子に座り込み、交渉を持ちかけると告げた。彼は、ルピスの質問に対し「ゲルハルト公爵の命を受けての交渉」と語り、テーベ河を泳ぎ渡って陣中へ侵入した経緯を得意気に語る。この大胆な行動にルピスは驚きを隠せなかったが、須藤の軽口に耐えつつ交渉を続けた。
ゲルハルト公爵の恭順提案
須藤は、ゲルハルト公爵がルピスに恭順を示す意思を持っていると述べるが、ルピスはそれを簡単に受け入れるわけにはいかなかった。彼女にとってゲルハルトは反逆者であり、降伏と恭順の違いを明確に認識していたため、簡単には同意できない。しかし、須藤は「ミハイル・バナーシュ」の名を口にし、ルピスの心に動揺を与える。ルピスは長く嘆いていたミハイルの名が出たことで、彼の生存の可能性に縋りたい気持ちを抱くようになる。
暗殺未遂と須藤の冷静な対応
突然、天幕を破って侵入者が攻撃を仕掛け、戦輪が須藤の近くに突き刺さるが、須藤は驚くことなく状況に対処する。周囲の騎士たちが彼を襲う中でも、須藤は冷静さを保ち、亮真の挑発にも応じない。この状況で、ルピスの命令により騎士たちは須藤の命を奪うことを避けるが、亮真は冷淡な態度を崩さず、王女がその判断をどれほど深く考えたのかに疑問を抱く。
交渉の終結
須藤の提案により、ミハイルの引き渡しと引き換えに、ゲルハルト公爵の恭順が認められることとなった。ルピス王女は、亮真からの提案で公爵位の返上や賠償金、さらには五年間の役職不就任を条件として加え、これを須藤が受諾する形で交渉は終結する。須藤は退場し、亮真と仲間たちは今後の対応について話し合いを始める。
亮真の覚悟と決断
亮真はルピス王女の優柔不断な態度に失望し、彼女の未来を見捨てる覚悟を固めた。彼は五年間の猶予を与えた上で、今後の国政がどのように進むかは彼女自身の責任であると判断する。最終的に、亮真はイラクリオンでの最後の戦いを控え、ローゼリア王国の内乱が終局を迎える日が近いことを確信していた。
第三章 激突
ローゼリア王国の決戦前夜
勇士たちの激励と決意
ルピス王女は壇上に立ち、騎士たちを鼓舞し、最後の戦いに挑む決意を新たにした。彼女の言葉に応え、騎士たちは「勝利を!」と一斉に歓声を上げた。長年、アーレベルク将軍の抑圧に苦しんだ彼らは、この瞬間、鬱積した恨みを解放し、ルピス王女のために戦う覚悟を固めた。
ゲルハルト公爵の策略
ゲルハルト公爵は迅速にルピス王女への恭順を表明し、貴族派内部で裏工作を行い、影響力を強化した。この行動は、亮真の助けもあって、貴族派に劇的な変化をもたらした。これにより、ルピス王女への支持は強固となり、戦いの前夜に確固たる勢力を築き上げた。
アーデルハイド伯爵との対話
ゲルハルト公爵はアーデルハイド伯爵を訪れ、ルピス王女が貴族領地を焼き討ちに向かわせるとの噂を伝えた。この話を聞いたアーデルハイド伯爵は動揺し、恐怖を感じたが、冷静さを失わずに情報の真偽を確かめるため部下に命じた。噂が本当である可能性が高まり、彼の心中にはさらなる不安が芽生えた。
貴族派の分裂と撤退
ロマーヌ子爵とその他の貴族たちは、アーレベルク将軍に忠誠を捨て、領地に戻ることを決断した。アーデルハイド伯爵はこの動きに驚愕したが、同時に家族と領地を守るため、撤退を受け入れるほかないと判断した。貴族派の一部が撤退を決意したことで、アーレベルク軍の士気は低下し、戦力の縮小が不可避となった。
ルピス王女の決断と進軍
ルピス王女は騎士たちの士気を高め、いよいよイラクリオンへの進軍を命じた。圧倒的な兵力を背景に、彼女はアーレベルク将軍を討つ決意を固め、国の未来を賭けて最後の戦いに挑んだ。しかし、心の中では、亮真の知略に対する恐怖も抱いていた。
亮真の策略と部隊の動向
亮真はアーレベルク将軍が逃亡を図ると見越し、自身の部隊をイラクリオン攻めから外し、逃亡経路を予測した。厳翁と咲夜が敵の動向を調査し、亮真はアーレベルクが国外に逃れるために資金と食料を調達していることを確認した。エレナも亮真の見解に同意し、自らの復讐のために彼に協力することを決めた。
アーレベルク将軍の逃避行と内なる怨念
アーレベルク将軍は少数の側近と共に、ルピス王女の進軍に合わせてイラクリオンから逃亡した。彼はタルージャ王国に逃れ、娘を嫁がせることで再び権力を握ろうと目論んでいた。彼の心には、ルピス王女やゲルハルト公爵への激しい怨念が燃え上がり、復讐心を募らせながら逃亡を続けた。
復讐の刃が迫る
アーレベルクは、家族と共に逃亡を続け、追っ手がいないことに安心しつつも、妻と娘の体力が限界に近づいていることを察した。彼は早期に野営地を確保し、体を休めることを決断した。しかし、彼らの気づかぬうちに、復讐に燃える亮真とエレナの部隊が着々と接近していた。
第四章 エレナの復讐
月夜の見張り
天空からの月明かりが大地を優しく照らす中、見張り役に当たった二人の騎士は静かに森を見据えていた。彼らは見張り当番に対して不運を嘆きつつ、翌日に控えた国境越えの計画についてささやいていた。しかし、ローゼリアを捨てることに対するわずかな後悔も漏らしつつ、彼らの忠誠は今やアーレベルク将軍に完全に向けられていた。
突然の襲撃
見張り中の二人が異変を感じた瞬間、闇の中から飛来した矢が騎士の一人を貫いた。咲夜は暗殺の技を駆使し、忍びの一族に伝わる毒矢で確実に相手を仕留めた。彼女は任務完了の合図を亮真に送り、サーラ率いる部隊が野営地へと進軍を開始した。
野営地の混乱
野営地に火の手が上がり、騎士たちは敵襲に驚き慌てて防御態勢を整えようとしたが、時既に遅し。アーレベルク将軍は急いで家族を連れ、警護の騎士と共に馬車で脱出を図った。一方、ケイルは指揮を取り、敵の攻撃を防ぎつつ時間稼ぎを試みていた。
挟撃の策
亮真はケイルたちを包囲するため、前後からの挟み撃ちを指示。傭兵たちが敵陣に電撃や疾風を放ち、騎士たちの陣形を混乱させた。その隙に後方から別働隊が奇襲をかけ、騎士たちは前後からの攻撃に対応しきれず徐々に崩れていった。
ケイルとの一騎打ち
亮真はケイルとの対峙を選び、冷徹な決意で彼に挑んだ。激しい攻防の末、亮真の鋭い斬撃がケイルの盾と左腕を貫き、彼を窮地に追い込んだ。ケイルは自らの敗北を悟り、最後に亮真との決着を望んだ。両者の間に静寂が訪れる中、ケイルは騎士としての最後の矜持を保ったまま、亮真の刃に倒れることとなった。
アーレベルクの護衛と戦場の混乱
アーレベルクと彼の護衛達は戦場で混乱する指令の中、エレナの指揮する部隊に囲まれていた。護衛は当初三十名いたが、戦いが激化するにつれて数が減少し、最後にはわずか数名しか残らなかった。亮真の策略により、アーレベルク達はエレナの待ち伏せに引き寄せられた。
亮真とエレナの策略
亮真はアーレベルクを追い詰め、エレナが待ち伏せする地点に導いた。エレナは戦況が自分たちに有利であることを確認し、亮真の策略が成功していることに満足した。エレナと彼女の副官クリスは亮真の手腕を認めつつも、その存在が王国に対する脅威になり得ると感じていた。
エレナとクリスの対話と亮真への不安
クリスは亮真が王国に対する忠誠心を持たないことに不安を抱き、エレナにその危険性を相談した。エレナは亮真の存在を警戒する意見が複数から上がっていると告げ、暗殺の提案がなされている事実を明かした。しかし、エレナ自身は亮真の暗殺に反対していた。
アーレベルクと家族の絶望的な脱出
アーレベルクは妻子を守りながら逃げ道を探したが、エレナの部隊に完全に包囲されていた。娘と妻は絶望の中でアーレベルクに助けを求めたが、彼は助けるか逃げるかの間で葛藤し、最終的に捕縛された。
エレナの復讐とアーレベルクの最期
捕縛されたアーレベルクは、エレナが復讐のために自分を捕らえたことを知り、驚愕した。エレナは過去の恨みを果たすため、アーレベルクの家族も共に処刑する決意を固めていた。アーレベルクは抵抗したが、最終的にエレナにより妻と娘が処刑され、彼自身も最期を迎えた。この一件をもって、ローゼリア王国の内乱は終結した。
第五章 新たなる戦場
ルピス王女の内乱後の悩みと決意
ルピス王女は、ローゼリア王国の内乱終結後、国を統治する重責に悩んでいた。彼女は自らの即位に疑問を感じ、亡き父に心の内を語りかけていた。一方で、内乱での功労者である御子柴亮真をどのように処遇するかが大きな問題となっていた。
ミハイルの謹慎処分とメルティナの苦悩
近衛騎士団長としてルピスを支えるメルティナは、謹慎中のミハイルの復職が叶わないことを嘆いていた。彼の存在が王女の支えになると信じていたが、二度にわたる失敗が重なり、処分を解くことは難しい状況であった。
亮真の処遇を巡る議論
亮真を騎士に登用することには反対意見が多く、王国の忠誠心を欠く彼を信用できないとされていた。ルピスは亮真の才覚を認めつつも、彼を国外に出して敵国に取り込まれることを恐れ、苦悩していた。
須藤の提案とルピスの決断
貴族の須藤が亮真を貴族に取り立て、ウォルテニア半島を所領として与えることを提案した。ルピスとメルティナは驚愕したが、最終的にこの案が亮真の処遇として決まった。亮真は表向き喜びを示したが、その内心ではルピスの恐怖と裏切りを感じ取り、冷徹な計画を練り始めた。
亮真の決意と仲間の支援
亮真はウォルテニア半島で自らの勢力を築くことを決意した。彼の側にはリオネやマルフィスト姉妹をはじめとする忠実な仲間たちが集まり、亮真の新たな挑戦への支援を誓った。亮真の心には、ルピスに対する復讐と自らの理想を追求する決意が宿っていた。
シャルディナ皇女と須藤の策略
オルトメア帝国の皇女シャルディナは、自室で須藤の報告を受けていた。須藤は、ローゼリア王国の弱体化が順調に進んでいることを伝え、ラディーネ王女を生かすことで計画が進展したと述べた。これによりローゼリアの内乱が引き起こされ、オルトメアの狙いは徐々に果たされつつあった。
計画の背景とガイエスの策略
オルトメア帝国は、二十年にわたりエルネスグーラ王国やキルタンティア皇国との対立を続け、ガイエスはこの状況を打開すべく東部侵攻を提案していた。ローゼリア王国で内乱を起こし、三国の分断を図る策が立案され、須藤がこの計画を遂行する役割を担った。
亮真への領地押し付けと彼の反撃
須藤は、亮真にウォルテニア半島を与えることでローゼリアに留め置く策を進めた。しかし亮真は領地の現状を知り、王国に対して開発資金の提供を要求する条件を突きつけた。王女ルピスはその額に驚きつつも、亮真の策略に屈し、一定の条件を承諾した。
シャルディナの懸念とオルトメアの侵攻準備
シャルディナは亮真の動向に不安を抱き、須藤に目を離さないよう命じた。そしてオルトメア帝国は、ローゼリアを抑え込むことでザルーダ王国への侵攻準備を整えていた。計画は順調に進み、ローゼリア王国は内外の危機にさらされつつあった。
エピローグ
組織の拠点と警備体制
オルトメア帝国郊外にある屋敷は、組織の最重要拠点であった。表向きは商会が所有する物件として記録されていたが、実際は厳重な警備が施され、外部の侵入者を徹底的に排除する体制が整っていた。屋敷の周囲には優れた戦闘技術を持つ者が配置され、窓ガラスには防弾以上の強度を持つ素材が使用されていた。
斉藤と須藤の対話
斉藤は須藤の突然の登場に驚きつつも、彼から菊川取締役の指示を受けたと聞いて安堵した。須藤は、今後も斉藤がシャルディナ皇女を巧みに操るよう指示し、ザルーダ侵攻戦で「勝ち過ぎず負け過ぎず」という戦略を守るよう念を押した。
御子柴亮真への不安と懸念
斉藤は御子柴亮真に対する不安を抱いており、彼が組織にとって危険な存在となる可能性を示唆した。亮真はかつてオルトメア帝国においてガイエス・ウォークランドを討ち取り、組織の計画に大きな影響を与えた人物であり、その際の経験から斉藤は亮真を過小評価すべきでないと感じていた。
ウォルテニア半島と亮真の台頭の可能性
斉藤は、ウォルテニア半島を拠点にした亮真が組織に対抗する勢力として成長する危険を感じていた。もし亮真が半島を成功裏に支配し、航路を掌握することができれば、オルトメア帝国や組織の計画に大きな打撃を与える可能性があった。
須藤の楽しみと隠された目的
須藤は、御子柴亮真が「どこまで上り詰められるのか」を楽しみだと語った。彼は亮真がかつての英雄である項羽と劉邦のように、この地で覇者となる潜在能力を秘めていることをほのめかし、彼の成長を興味深く見守る姿勢を見せた。
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