- 「ウォルテニア戦記 I(1) 」
- 「ウォルテニア戦記 II(2) 」
- 「ウォルテニア戦記 III(3) 」
- 「ウォルテニア戦記 IV(4)」
- 「ウォルテニア戦記 V(5)」
- 「ウォルテニア戦記 VI(6)」
- 「ウォルテニア戦記 Ⅶ(7) 」
- 「ウォルテニア戦記 VIII(8)」
- 「ウォルテニア戦記 IX(9)」
- 「ウォルテニア戦記 X(10)」
- 「ウォルテニア戦記 XI(11)」
- 「ウォルテニア戦記 XII(12) 」
- 「ウォルテニア戦記 XIII(13)」
- 「ウォルテニア戦記 XIV(14)」
- 「ウォルテニア戦記 XV(15)」
- 「ウォルテニア戦記 XVI(16)」
- 「ウォルテニア戦記 XVII(17)」
- 「ウォルテニア戦記 XVIII(18)」
- 「ウォルテニア戦記 XIX(19)」
- 「ウォルテニア戦記 XX(20)」
- 「ウォルテニア戦記 XXI(21)」
- 「ウォルテニア戦記 XXII(22)」
- 「ウォルテニア戦記 XXIII(23)」
- 「ウォルテニア戦記 XXⅣ(24)」
- 「ウォルテニア戦記 XXV(25)」
- 「ウォルテニア戦記 XXVI(26)」
- 「ウォルテニア戦記 XXVII (27)」
- 「ウォルテニア戦記 XXⅧ(28)」
- 「ウォルテニア戦記 XXIX(29)」
「ウォルテニア戦記 I(1) 」

プロローグ:組織の陰謀と斉藤の覚悟
- 須藤と斉藤の対話
- 帝国の屋敷で、須藤と斉藤が深夜に会話を交わす。
- 須藤は斉藤の過去を抉り、彼の心に潜む欲望と決意を確かめる。
- 組織の目的「大陸を血で染める」ため、斉藤が重要な駒として選ばれる。
第一章:召喚と脱出
- 亮真の異世界召喚
- 御子柴亮真が高校の階段で突如異世界へ転移する。
- 老人と兵士によって拘束されそうになるが、反撃して全員を撃破。
- 元の世界へ戻れないと知り、召喚者への怒りを抱きながらも生存を決意。
- 城内からの脱出
- 医務室で偽装し火災を起こして混乱を誘発。
- 鎧や死体の装備を利用し、城門からの脱出に成功。
- 帝国の対応
- セリアとロルフがガイエスの死を確認し、異世界人の追跡を開始。
- シャルディナ皇女も動き出し、亮真を国家の敵として認識。
第二章:逃亡と新生活
- 平民地区への潜伏と装備調達
- 亮真は町で服を買い、海鳴り亭で情報収集と金銭の管理を行う。
- 冒険者ギルドに登録し、配達と討伐依頼を受注する。
- 初めての討伐依頼
- 野蜂や野犬と交戦し、戦輪と剣を使い初戦を制する。
- 討伐後の処理を学び、初心者としての課題を体験する。
- ギルドでの経験
- 報酬を巡る騒動を見て自省し、討伐依頼のルールを再認識。
- ギルド受付から忠告を受け、実力に見合った行動を学ぶ。
第三章:追跡と忠誠
- 帝国軍の動向
- 各部隊が異世界人を捜索するも成果なし。
- シャルディナは東への進軍を決断し、アデルフォで封鎖を実施。
- 亮真の行動と姉妹の救出
- 森で盗賊団を撃破し、ローラとサーラを救出。
- 血盟の儀式を交わし、二人は亮真に忠誠を誓う。
- 奴隷商人との対決
- アゾスら奴隷商と再会し、交戦の末に勝利。
- 姉妹の過去に触れ、亮真は彼女たちを対等な仲間として受け入れる。
- 逃亡の準備
- 装備を整え、ギルド登録と資金の管理を済ませる。
- 国境封鎖を知り、森を抜けて東方へ脱出する計画を立てる。
第四章:対峙と決裂
- 斉藤との遭遇
- 森で亮真は副団長斉藤に捕らえられ、野営地へ連行される。
- シャルディナ皇女が亮真と面会し、協力を打診するが拒否される。
- 緊張の戦闘と救出劇
- 亮真を始末しようとする斉藤に対し、ローラとサーラが急襲。
- 二人の法術で護衛兵を一掃し、三人は野営地からの脱出に成功。
エピローグ:追跡の終結と新たな戦火
- 帝国の判断と責任
- シャルディナは皇帝に報告し、叱責されるが処罰は免れる。
- 皇帝は東部諸国攻略を命じ、亮真を捕らえるための布石とする。
- 亮真の今後
- 東方への脱出を果たした亮真は、帝国との全面対決に備え、覚悟を新たにする。
「ウォルテニア戦記 II(2) 」

亮真の異世界への召喚と絶望
- 逃亡と情報収集
- 亮真は組織から逃亡し、地球へ帰還する方法を探して各地の術者を訪ね歩いた。
- アナマリアから「裏大地の神名」が必要と告げられ、現実の厳しさを突きつけられる。
- 書物を調べ続けるも帰還方法は見つからず、絶望に沈む。
- マルフィスト姉妹の介抱により心が救われ、異世界で生きる決意を新たにする。
- 精神的な再起
- 心の闇に飲まれそうになるが、姉妹の存在により現実へ戻る。
- 食事の場面を通じて、仲間の温かさと絆を再確認する。
商隊護衛任務と陰謀の発覚
- 森林での戦闘と情報収集
- 大蟷螂との連携戦闘を通じて、亮真の指揮力とチームの実力が描かれる。
- 任務達成後、ギルドでの行動中に強制依頼を受け、ローゼリア王国行きの商隊に護衛として加わる。
- 襲撃と策謀の暴露
- 道中で奇襲を受け、亮真は事前に用意した罠を活用して撃退。
- 指揮官ミハイルを捕らえ、貴族派の陰謀と騎士派の誤認を暴く。
- 同盟提案により、ミハイルは亮真と共闘を決意する。
王都での交渉と支持の拡大
- 王女との謁見と説得
- 王都ピレウスにて、王女ルピスへ協力を申し出るが警戒される。
- 自らの誠意と戦略を語り、信頼を得る糸口を掴む。
- 中立派貴族の懐柔
- ベルグストン伯爵との交渉に成功し、中立派の動員を実現。
- 家族を伴い王都へ集結した貴族達の忠誠が新たな局面を示す。
- 騎士派との交渉難航
- 騎士派は慎重姿勢を崩さず、亮真は起用できる人材を模索。
- エレナ・シュタイナーという伝説の将軍に協力を求める。
過去の因縁と新たな力
- エレナの復讐と共闘
- エレナの家族がホドラムにより襲撃された過去が明かされる。
- 娘を失った彼女は亮真と共に復讐を決意し、協力を約束。
- 戦力集結と対決の始まり
- リオネは信頼する傭兵達を集め、亮真と合流。
- 黒蜘蛛の異名を持つ暗殺者ボランゾとの対決では、亮真が古武術で圧勝し、傭兵達の信頼を得る。
策謀の深化と反撃の準備
- ゲルハルト公爵の動揺
- 中立派の動向により貴族派の計画が揺らぎ、公爵は危機感を強める。
- 王女派に刺客を放ち、亮真を排除しようと画策。
- 王女派の結束と未来
- エレナの復帰により、騎士派との接点が生まれ、王女派は新たな力を得る。
- 王女を中心とした戦力が整い始め、王国の運命は大きく動き出す。
現代日本との繋がりと祖父の後悔
- 浩一郎の葛藤
- 亮真の失踪から半年、祖父の浩一郎は真実を隠し続けながら日常を送る。
- 孫娘のような存在である飛鳥との会話を通じて、亮真への深い後悔と愛情が語られる。
- 亮真の成長と決意
- 武人として育てた孫が異世界で英雄として頭角を現す様子を想い、浩一郎は己の選択を静かに見つめ続ける。
「ウォルテニア戦記 III(3) 」

内乱の兆しと若者たちの決意
クリスの苛立ちと王国情勢の理解
- クリス・モーガンは王都で修練に励みつつ、祖父への忠誠とアーレベルク将軍への憎悪を抱えていた。
- 幼少から受けた不当な扱いに憤りを感じていた。
- 祖父の病とその背景にある権力闘争に不信を募らせた。
- エレナとの会話により、王国の不安定な状況と貴族派・騎士派の実態を認識した。
- エレナはルピス王女と連携し、王国再建を目指していた。
- クリスは若手騎士の支持を得るため動く決意を固めた。
亮真の洞察と戦略形成
- 亮真は王国の治安悪化や第三勢力の干渉を警戒していた。
- アーレベルク将軍が平民の支持を装い王女の信頼を得たと分析した。
- 貴族派と騎士派の動きが意図的に治安を崩していると判断した。
- 2千騎の騎馬隊による先制行動を提案し、王女から作戦の指揮を任された。
防衛線構築と敵襲来
テーベ河渡河と防御拠点の設営
- テーベ河を渡った亮真らは、迅速に堀と柵を用いた防衛陣地を築いた。
- ボルツが法術で大地を陥没させ、防衛力を強化した。
- 亮真は士気を高める演説で部隊を鼓舞した。
ミハイルの独断と敵の進軍
- 偵察中のミハイルが独断で敵に突撃し、敗北して部隊は壊滅した。
- ケイルはミハイルの焦りを利用し、勝利を得た。
- 亮真は即座に指揮体制を再構築し、全軍の配置を見直した。
敵の総攻撃と亮真の切り札
- ケイルは三方向から同時突撃を命じ、突破を図った。
- リオネらが弓と槍で迎撃し、農民兵を撃退した。
- サーラの指揮で堰を破壊し、水流を利用した罠が発動された。
- 空堀に水が流れ込み、敵兵に大損害を与えることに成功した。
新たな仲間と裏切りの影
暗殺計画と忍者一族の加入
- 敵軍は亮真を暗殺しようとし、忍びの咲夜が夜襲を試みた。
- 厳翁とともに現れた咲夜は失敗し、亮真に捕らえられた。
- 亮真は彼らの出自と忠誠を認め、新たな仲間として迎え入れた。
- 厳翁は亮真に器量を見出し、孫娘を説得して一族の方針転換を促した。
神刀の鳴動と一族の会議
- 一族の隠れ里では、神刀の鳴動により重大な変化が起きていた。
- 長老たちは亮真を「初代様の悲願」に近づく存在と認識し、慎重に見極める方針を決めた。
総力戦に向けた布陣と敵の苦境
亮真の評価と戦への準備
- 亮真は厳翁から贈られた武具に満足し、彼らを信頼しつつも警戒を保った。
- ローラは不安を抱いたが、亮真は慎重な監視と判断を続けた。
ゲルハルト公爵の動員と悪評
- 公爵は兵を集めようとしたが、水攻めの影響で亮真を恐れる噂が広がり、兵力が集まらなかった。
- 公爵は苛立ち、亮真を「悪魔」とする恐怖の存在として認識し始めた。
内部崩壊と須藤の策
派閥の分裂とケイルの裏切り
- 会議でケイルが公爵を裏切り、アーレベルク将軍に従ったことで、主導権は将軍側に傾いた。
- 公爵は孤立を深め、須藤に救援を求めた。
亮真と王女の間の緊張
- ミハイル失踪の報により、亮真は王女の信頼を失うことを危惧した。
- エレナとメルティナが間を取り持ち、信頼を維持する方策を講じた。
須藤の登場と新たな駆け引き
- 須藤はルピス王女の天幕に現れ、法術で護衛を無力化し、取引を提案した。
- 王女は剣を抜いて警戒したが、須藤は交渉の意思を示し、次の動きを画策していた。
帝国の動向と再会の予感
オルトメア帝国の影と菊川の葛藤
- 帝国ではザルーダ王国への侵攻が進められており、菊川は復讐と理想の間で揺れていた。
- 浅野玲子からの報告書で御子柴亮真の名を知り、因縁の再会を予感していた。
「ウォルテニア戦記 IV(4)」

異変の予兆と飛鳥の疑念
浩一郎の修練と飛鳥の観察
- 飛鳥は大伯父・浩一郎の稽古を見て、心の内に抑えきれない焦燥と悲しみを感じ取った。
- 亮真の失踪以降、浩一郎の鍛錬は日々激しさを増し、まるで罪を償うかのような姿勢であった。
- 屋敷の静謐な空気と裏腹に、浩一郎の行動には隠された意図があると飛鳥は疑った。
亮真の失踪と警察の疑念
- 刑事・立花は亮真の失踪を事件性ありと見なし、浩一郎の冷静な応対に違和感を抱いた。
- 学校に残された荷物、鍛えられた体、監視カメラに映らない失踪など、状況証拠は謎を深めた。
- 浩一郎の異様な落ち着きと、武道に裏打ちされた気配が警戒を促した。
異世界への扉
- 飛鳥が突如として異世界へ吸い込まれ、それを見た浩一郎もまた愛刀を手に後を追った。
- 家族を守る覚悟と過去への贖罪が、彼を再び戦場へ導いた。
政争の終焉と亮真の策略
須藤の登場とミハイルの情報
- 須藤秋武はルピス王女に、ゲルハルト公爵の恭順とミハイルの存命を示唆した。
- 須藤の態度は飄々としていたが、彼の背後には別の思惑が潜んでいた。
恭順交渉と亮真の条件
- 亮真は、恭順を受け入れる代わりに爵位返上・賠償金・宮廷職停止などの条件を提示。
- 須藤はその条件を持ち帰り、交渉は亮真の勝利に終わった。
アーレベルク将軍の逃亡
- ゲルハルトの工作で貴族派は分裂し、アーレベルクの下に残る兵はわずかとなる。
- 将軍は家族を連れて国外逃亡を図るが、亮真とエレナにより包囲される。
エレナの復讐
- エレナは、家族を含めてアーレベルクに復讐を果たす覚悟を固めた。
- 包囲された将軍は投降を選ぶが、正式な裁判はなく、私的制裁によって命を落とした。
亮真と王国の行方
王女の葛藤と功臣の処遇
- ルピス王女は亮真の功績を認めつつも、忠誠心への不信から復職をためらった。
- 須藤はウォルテニア半島を与えることで、亮真の抑制を図る案を提示した。
亮真の覚悟と野望
- 自らへの警戒を察した亮真は恩賞を受け入れ、半島で理想の国を築く覚悟を決めた。
- 仲間たちと共に、自治と自立を目指した領地統治の準備が始まった。
帝国の介入と謀略
- 須藤とシャルディナ皇女は、ローゼリアの混乱を帝国の東方進出に利用しようと動いた。
- 亮真の存在が帝国にとって不確定要素であるとして、継続的な監視対象とされた。
エピローグ:影の組織と亮真の脅威
- 帝都近郊の隠れ家で、須藤と斉藤は組織の次なる計画を確認。
- 亮真を「毒蛇に翼を与えた」と評し、将来的な反乱分子として警戒された。
- 須藤はその成長を期待しつつ、古代中国の例に重ねて半島統治の行方を注視した。
「ウォルテニア戦記 V(5)」

異世界への転落と出会い
異世界召喚と危機の始まり
- 飛鳥は警察官二人とともに異世界ベルゼビア王国へ転落した。
- 飛鳥だけが現地語を理解できた。
- ミーシャにより囚われ、王族の慰み者にされそうになる。
- 警官たちは抵抗するも鎧の騎士には通じず、捕らえられた。
- 飛鳥は祖父・御子柴浩一郎により救出された。
- 浩一郎は戦闘能力が圧倒的で、騎士団を瞬時に制圧した。
現実との対峙と新たな運命
- 立花はこの地を異世界と認識し始め、飛鳥と共に混乱に直面した。
- 電波が通じず、帰還の望みは薄い。
- 浩一郎は異世界の厳しさを語り、飛鳥たちを逃がす決断を下した。
- 自らは囮となり、フォンティーヌ伯爵と戦闘し騎士団を壊滅させた。
- 王国はこの事件で権威を失い、討伐にも失敗した。
亮真の受難と新天地への出発
ローゼリア王国の内憂と亮真の出立
- 御子柴亮真は功績を上げるも、辺境地へ左遷された。
- 女王ルピスは未熟で、身内びいきが国を不安定にしていた。
- エレナらは亮真の忠告を重く見て、王国の未来に危機感を持っていた。
ウォルテニア半島の開拓準備
- 亮真は忠実な仲間と共に半島を目指す。
- マルフィスト姉妹、リオネ、ボルツらが役割を担い、物資や人材を調査した。
- ザルツベルグ伯爵家の豪奢なもてなしを警戒。
- 伯爵夫人ユリアは商会連合の娘であり、領地の財源に不審が残った。
商会との交渉と密約の形成
クリストフ商会との接触
- ミストール商会の影響を避け、亮真はシモーヌ・クリストフと接触。
- シモーヌは亮真の正体を見抜き、彼の計画に興味を示した。
- 交易港建設を通じ、半島と他大陸との物流構想を語った。
- クリストフ商会の支援を得る密約を結び、同盟が成立。
伯爵家の秘密と鉱脈問題
- ザルツベルグ伯爵は岩塩鉱脈を私有化し、王家に隠していた。
- 亮真はこの事実を把握し、時間稼ぎを図ることで伯爵を牽制した。
奴隷解放と領民確保
住民確保策と意識改革
- 奴隷を購入し解放することで、忠誠心を得ようと計画。
- 衣服と食事を与え、人間性を取り戻させる訓練を始めた。
- メリッサは過去に海賊被害で奴隷となり、亮真に救われた。
- 奴隷の子供たちは食事や服で少しずつ笑顔を取り戻した。
訓練と未来への希望
- 亮真は彼らを兵として育て、半島開拓の中心に据える意志を固めた。
- 自立を目指し、過酷な訓練と希望の生活が始まった。
逃亡者たちの運命
飛鳥と警官たちの苦難
- 飛鳥と楠田は負傷した立花とともに逃走するが、限界に達した。
- 桜花の警告で異形の虎を斬り、飛鳥は異世界での覚醒を自覚した。
騎士団との遭遇と救助
- 聖都へ戻る途中の騎士団が飛鳥らを発見。
- 副官メネアらが救助を決断し、彼らを連れて行くこととなった。
信念の選択と希望の始まり
- 隊長は神への信仰と良心の狭間で苦悩したが、飛鳥たちを助けると決意した。
「ウォルテニア戦記 VI(6)」

異世界への召喚と失踪事件
浩一郎の静かな生活と孫の失踪
- 東京の屋敷で浩一郎が剣の稽古を続けていた。 - 孫・亮真の失踪後、稽古の頻度が増加した。
- 警察への届け出を渋る浩一郎に飛鳥は疑念を抱く。 - 家族を案ずる素振りがない態度に違和感を覚えた。
異世界への転移と決意
- 警察訪問後、飛鳥と刑事が謎の闇に呑まれる。 - 浩一郎は即座に異世界への転移を決意した。 - 若き日に異世界で戦った経験を思い出し、覚悟を固めた。
ローゼリア王国の内乱と策略
交渉人・須藤の登場とゲルハルトの恭順
- 須藤秋武がルピス王女と会見し、恭順の意思を伝える。 - ミハイルの名を出し、王女の動揺を誘う。
- 暗殺未遂にも冷静に対応し、提案は成立した。 - 条件として、役職不就任や賠償金などが加えられた。
亮真の冷徹な決断
- ルピスの甘さに失望し、亮真は距離を取る決意をした。 - 自身の未来と独立の道を見据え、戦略を練る。
アーレベルク将軍との最終決戦
貴族派の崩壊と進軍命令
- ゲルハルトの工作により、貴族派は瓦解。 - ルピスは進軍命令を発し、イラクリオンを目指す。
- アーレベルクは逃亡を図り、亮真は追撃を決行した。
追撃とエレナの復讐
- 咲夜の暗殺とサーラの突撃により、敵陣は混乱。 - ケイルとの一騎打ちを亮真が制し、主力を突破した。
- エレナがアーレベルクの家族ごと復讐を果たす。 - 家族は処刑され、内乱は完全に終結した。
新たなる拠点と外部勢力の陰謀
亮真の処遇とウォルテニア半島
- 須藤の提案により、亮真は半島を与えられる。 - 資金援助を条件にし、王女からの不信を利用した。
- 仲間たちと共に半島開発に乗り出す。
オルトメア帝国と須藤の策謀
- 須藤は皇女シャルディナにローゼリアの弱体化を報告。 - 三国の分断計画が進行し、ローゼリアは侵略の標的となる。
- 亮真の成長に懸念を抱く者も増える中、須藤は彼の台頭を楽しみにしていた。
エピローグ:組織の思惑と亮真の脅威
亮真の存在と影響力の拡大
- 斉藤は亮真の脅威を理解し、警戒心を抱く。 - 過去の行動から、今後の影響力に不安を覚えた。
- 須藤は彼の成長を「覇王」として期待しつつ、戦略的に観察を続けていた。
「ウォルテニア戦記 Ⅶ(7) 」

人間と亜人の因縁、対話の始まり
エルフとの対立と和解の道筋
- かつての共存が「光神教団」の選民思想により破綻し、亜人との戦争が勃発した。
- 人間至上主義に傾いた人類はエルフや獣人を辺境へ追いやった。
- ウォルテニア半島において、エルフ族は御子柴亮真に対する対応を協議した。
- ネルシオスは無謀な戦を避け、対話を模索し娘ディルフィーナを交渉役に任命した。
戦乱の胎動と亮真の準備
セイリオスの発展と軍事的強化
- アタランタ号での補給と軍備輸送が順調に進み、セイリオスは急速に拡大した。
- 若い兵たちの魔法技術も航海で役立ち、自信を深めた。
- セイリオスの視察で、伊賀崎一族は亮真の都市計画に感心した。
- 厳翁は彼の資質を評価し、信頼を寄せた。
隣国の情勢と援軍要請
ローゼリア王国の苦境とミハイルの策謀
- ルピス女王はザルーダ王国への援軍を検討するも、兵力不足と国内の不安定さに悩んでいた。
- ミハイルは亮真の派遣を進言し、彼を政治的に追い詰める陰謀を画策した。
- 須藤とミハイルの密談により、亮真を処断する計画が進められた。
援軍としての亮真の動き
援軍参加とエルフとの距離感
- 亮真は援軍派遣を決断し、移民と職人の引き入れを条件として王国に要求した。
- エルフ部族長ネルシオスとの距離を保ちながら協力を求めた。
- 首都ピレウスで流民の増加を見て、ウォルテニア半島への移住を計画した。
進軍と交渉の旅路
ペリフェリア到着とザルーダ王国との連携
- ザルーダへの進軍中、農民との接触に注意を払い、誤解を防ぐよう配慮した。
- 各地の小貴族領を通過しつつも衝突を避け、慎重な行軍が続いた。
- 城都ペリフェリアではグラハルトと接触し、警戒されながらも信頼を獲得していった。
信頼の獲得と実力の証明
御前試合での激闘と勝利
- ザルーダ王国の王ユリアヌス一世は亮真の実力を御前試合で測ることを決断した。
- 試合では法術を駆使した連携により、亮真の軍が近衛騎士団を圧倒した。
- ユリアヌス一世は戦力を高く評価し、協力体制を築く意志を示した。
暗躍と決意の交差
ディルフィーナの葛藤と任務
- ディルフィーナは父から亮真暗殺の命を受け、彼への接近を図った。
- 信頼を得るために肉体関係をも手段と考えるなど、任務への覚悟を固めた。
- 援軍として行動を共にする中で、亮真への想いと任務の板挟みに苦悩し始めた。
「ウォルテニア戦記 VIII(8)」

異世界適応と決意の覚醒
飛鳥の孤独と異世界の理不尽
- 異世界に召喚された桐生飛鳥は、現実との落差に悩み、祖父への再会と成長を胸に誓った。
- 異世界の奴隷制度や識字率の低さに衝撃を受け、自身の無力さを痛感した。
- メネアの導きにより「強さが変革を生む」ことを悟り、鍛錬を決意した。
亮真の奮闘と政争の始まり
ザルーダ王国内の不穏な空気
- 御子柴亮真は若き将として王城で行動し、忠誠を誓う兵士たちを育てた。
- 試合の中止を決断したユリアヌス一世の判断に信頼を深めた。
- 円卓会議で貴族らが裏切りを画策し、亮真と王家の間に摩擦が生じた。
軍議での対立と外交戦略
- 軍議では持久戦か決戦かで意見が割れたが、亮真は連合構想を示した。
- 将軍グラハルトと対立したが、エクレシアの支持で議論は収束。
- ミスト王国の協力を得るため、亮真は北方メンフィスへの急行を開始した。
陽動作戦と時間稼ぎ
ジョシュアとリオネの奇襲
- 山岳でジョシュアの策により、オルトメア帝国の補給隊が奇襲を受けた。
- リオネが率いる特殊兵団が火攻めを実行。
- ディルフィーナの力により敵将を討ち、進軍を大幅に遅延させた。
亮真の北進と女王への接触
- 亮真は法術強化馬で北上し、メンフィスへの到達を果たす。
- エルネスグーラ王国に対し、外交交渉を開始。
- グリンディエナ女王との会談により、条件付きで援軍を獲得した。
連合形成と地政学的展望
四ヶ国同盟と通商戦略
- 亮真は四ヶ国連合構想を提示し、交易による国力増強を計画。
- ウォルテニア半島が物流の要所である点を提示し、相互利益を説いた。
- グリンディエナは亮真の策を評価し、援軍派遣を承認した。
ウシャス盆地攻防戦と戦局転換
防衛戦の激化
- エクレシアとエレナが指揮するミスト王国軍は盆地を死守。
- 焦土戦術によりオルトメア軍の補給線を断ち、敵の士気を削った。
- シャルディナは補給難と戦果不振に悩みつつも、撤退を拒否した。
二段奇襲と戦況の一変
- エクレシアの奇襲で敵陣を混乱させ、六千以上の敵兵を撃破。
- シャルディナは対抗策を練るが、内部分裂が進行。
- エレナはシャルディナの限界を認識し、今後の成長に警戒心を強めた。
教団の暗躍と過去の影
光神教団と異世界の謎
- 聖都ではロドニーが飛鳥と刀「桜花」の正体に関心を持ち、異世界の秘密を探っていた。
- 光神教団は裏で活動する謎の組織に警戒を強めていた。
- 飛鳥の身に危機が迫る可能性が示唆され、保護策が必要とされた。
エピローグ:新たな影の登場
謎の符牒と組織の動き
- 港町レンテンシアにて、旧符牒「茶碗陣」を使う男が出現。
- 情報屋ルカイヤと劉がこれに反応し、正体確認に動き出した。
- 組織の過去と現在が交差し、新たな展開の兆しが描かれた。
「ウォルテニア戦記 IX(9)」

闇に蠢く陰謀と旧友の再会
- 鄭孟徳は歓楽街の裏路地で精鋭を招集し、秘密の任務を開始。
- 表向きは劉大人の命に従い、目的不明の襲撃計画を進行。
- 標的は失踪していた伝説の武人、御子柴浩一郎と判明。
- 浩一郎は襲撃者を迎え撃ち、自らの正体を明かして接触。
- 鄭は浩一郎の名と愛刀「菊花」に動揺。
- 劉との再会が果たされ、過去の召喚・帰還の真実が明かされる。
ザルーダ王国の危機と奇策の発動
- オルトメア帝国の侵攻に対し、ザルーダとエルネスグーラが共闘。
- グリンディエナ女王の下、軍議が開かれ御子柴亮真が奇策を提案。
- ノティス砦急襲の作戦は、常識を超えた山岳越えを前提とする。
- 亮真の戦術は軍神級で、敵補給線を断つ狙いが主目的。
- グリッソン将軍は亮真に疑念を抱き始める。
- 女冒険者たちが道案内を務め、鷲王との戦闘を突破。
砦攻略と極限の戦術戦
- ノティス砦到達後、亮真は補給路攪乱と敵誘導を実施。
- 村々の焼き討ちで敵の注意を引き、奇襲の布石を打つ。
- 伊賀崎衆の偵察で敵の動きを察知、陽動と潜入が始まる。
- 荷車を用いた侵入作戦が成功し、砦内部から火を放つ。
- サーラとローラが別働隊を指揮し、物資倉庫を焼却。
- 亮真も突入し、混乱の中で敵将ムーアと対峙。
一騎打ちと勝者の証明
- グレッグ・ムーアは亮真に恐れを抱きつつも戦闘を決意。
- 亮真は柔と剛を使い分け、武法術無しでムーアを圧倒。
- 決戦の末、ムーアは首筋を裂かれて敗北。
- 帝国の中核拠点が崩壊し、補給が絶たれたことで戦局が一変。
停戦と仮初の平和
- ザルーダ王国はオルトメア帝国との停戦を成立させる。
- 須藤の交渉によって、表向きは和睦が達成。
- ユリアヌス国王は葛藤しつつも、時間稼ぎの意図を優先。
- 亮真は停戦を冷静に分析し、帝国の本気ではないと見抜く。
- 戦から身を引く意志を固める。
飛鳥の行方と次なる動き
- 浩一郎は姪・桐生飛鳥の救出を決意。
- 聖都メネスティアにいる飛鳥は、ロドニーの庇護下。
- 敵は強大で、全面戦争回避のため接触機会を模索。
- 光神教団の動向により、飛鳥がローランド枢機卿の護衛で外出予定。
- 亮真の存在が教団の上層部を動かし、物語は次の局面へ進行。
「ウォルテニア戦記 X(10)」

異界での修練と邂逅
鄭と浩一郎の対話
- 鄭孟徳は深夜に站椿を行い、武と内功を極めていた。
- 劉大人に師事し、過去の荒れた生き方を悔い改めていた。 - 屋敷周囲に気配を感じた鄭は暗殺者を疑い、闇夜へ飛び出す。
- 対峙したのはかつての仲間、御子柴浩一郎であった。 - 武を交えた後、浩一郎と対話し、鄭は自らの限界を痛感する。
- 浩一郎は明勁に偏る鄭の戦術を指摘し、成長を促した。
久世昭光の消息と再会の機運
急進派との対立構造
- 浩一郎は鄭から久世が急進派の中核であると聞き、驚愕する。
- 久世はかつての戦友であり、地球帰還を巡り袂を分かっていた。 - 須藤秋武も急進派に関与しており、亮真に妙な寛容を見せていた。
- 浩一郎は須藤の思惑を疑い始める。 - 年に一度の総会が、久世と接触する唯一の機会と知らされる。
- 開催地が亮真の行動範囲に近く、再会の舞台が整いつつあった。
王の忠告と亮真の覚醒
ユリアヌス一世との密談
- 亮真はザルーダ王から密かに召喚され、礼節と共に謝意を受ける。
- ノティス砦の功績が語られた一方、王国の限界を明かされた。 - 王は亮真の裏大地出身を知っており、世界の真実を語る。
- 裏大地の豊かさ、現世界の戦乱の異常さを説かれた。 - 亮真は思索を深め、王の言葉の重みに応える覚悟を固めた。
暗殺と鬼哭の覚醒
亮真と暗殺者たち
- 城内の中庭で独り鍛錬していた亮真は、複数の刺客に襲撃される。
- 鬼哭の力と第二チャクラの解放により、敵を圧倒した。 - 襲撃の背後には売国奴の一人が潜んでおり、亮真の存在を脅威視していた。
- 計画は失敗し、暗殺者は全滅した。
王都凱旋と改革の虚実
ローゼリア王国の現実
- 亮真は英雄として迎えられるが、背後では統治失敗が進行していた。
- 王都の貧困と混乱が深刻化し、貴族の腐敗も目立っていた。 - ルピス女王は亮真の影響力に恐れを抱きつつも彼を遠ざけられない。
- メルティナは、亮真を懐柔するか、監視強化するかで葛藤する。
- ザルツベルグ伯爵を通じた対策が検討された。
半島の防衛と封鎖工作
伊賀崎衆の動き
- 半島の情報を探る密偵が続出し、伊賀崎衆が排除に動いていた。
- 経験不足の訓練兵も実戦に投入され、封鎖が次第に困難となる。 - 交易によりエルフとの関係が変化しつつあり、知識流出の兆候も出ていた。
領主としての決断と行動
亮真の統治方針
- 領地に戻った亮真は報告書を精査し、防諜活動と運営方針を確認する。
- 信頼と監督のバランスを保ちつつ、組織運営を強化していた。 - 資金不足の問題が浮上し、シモーヌとの対話で原因を探った。
- 情報の隠蔽ではなく、書けぬ背景の存在が示唆された。
陰謀の輪郭と新たな敵
戦争を操る者たち
- 会議の中で、亮真はユリアヌス王の忠告をもとに、戦争の背後に別の意志があると分析した。
- ジョシュアの防衛成功にも裏があり、オルトメア帝国の中枢に不穏な動きがあった。 - 帝国内では久世派の須藤や斉藤が暗躍し、戦争を資金源として利用していた。
- 御子柴亮真を囮と見なす策略が進行していた。
決意と行動の始動
新たな一手へ
- 戦争の構造そのものを崩すため、亮真は直接的な行動を起こすことを決意した。
- 資金調達や情報封鎖だけでなく、敵の意図を逆手に取る戦略を模索し始める。
「ウォルテニア戦記 XI(11)」

外交と交易の深化
エルフとの交易拡大
- ネルシオスは御子柴領との交易を主導し、クリストフ商会のアレハンドロと信頼関係を築いた。
- 交易によってエルフの生活水準が大きく改善され、塩や香辛料、嗜好品も流通するようになった。
- しかし、交易依存のリスクも認識しており、部族内の短絡的な楽観を警戒していた。
- エルフ製の薬品や武具の需要は高まるが、生産量の増加には時間が必要であり、人的資源の育成に取り組んでいた。
亮真との交渉
- ネルシオスは亮真と直接会談し、今後の交易や軍事協力に関する最終確認を行った。
- 亮真は高級茶やチョコレートをもてなしに用い、信頼関係を演出。
- エルフ族の地位向上と交易維持のため、亮真の勢力圏に属することを受け入れる空気が形成された。
王国情勢と内乱の兆し
ザルーダ戦後の政争
- 亮真はザルーダ王国の女王命令を果たしたが、貴族派の反発が高まっていた。
- メルティナやミハイルら女王の側近が、亮真を排除しようと画策していると分析された。
- 王都の情勢悪化により、亮真はウォルテニアからの先制的軍事行動を検討するようになる。
戦略の策定と動員
- 亮真はザルツベルグ伯を中心とした北部十家を標的にし、正面衝突ではなく反乱を扇動する形で戦を起こす構想を描いた。
- ザルツベルグ家の中枢を担う三人(ザクス、ロベルト、シグニス)の排除を密かに命じる。
- ケビンには冒険者組織【蒼天の雲】への接触と協力依頼が託された。
王国の矛盾と崩壊の前兆
貴族による圧政
- 王国内の農村では重税と収奪が常態化し、庶民は疲弊していた。
- 村に赴任した代官は無慈悲な徴収を強行し、村人の怒りを買った。
- 騎士エリオット・チェンバレンは異世界人として貴族社会を憎み、意図的に不満を煽っていた。
反乱の勃発
- 村人の怒りが爆発し、矢による代官暗殺を契機に武装蜂起が発生。
- 騎士たちは混乱の中で撤退し、内乱の火種が全土へ拡散。
- この事件が王国滅亡のきっかけ「第二次ローゼリア内乱」の序章とされた。
ザルツベルグ家の二刃の描写
ロベルトの戦果
- 貴族の次男であるロベルトは盗賊団を討伐し、圧倒的な武勇を見せつけた。
- 騎士道を重んじる頭目との一騎打ちを制し、「戦場の王」としての威を誇示した。
- その戦功の裏で、再びウォルテニア半島の調査任務が課される。
シグニスの幽閉
- もう一人の「双刃」シグニスは家督争いの渦中で幽閉されていた。
- 身分上の差別と家族内の確執から、名声と武勇を恐れられ排除されていた。
- 彼にとって唯一の拠り所である老女エルメダの存在が、行動を縛っていた。
- そんな彼のもとを予期せぬ来客が訪れ、転機が訪れる。
王都の混乱と帝国の影
王国中枢の混迷
- メルティナは政務の停滞に苛立ち、部下たちに成果を要求するが、官僚たちは無力であった。
- ルピス女王は改革の意欲を失いかけ、周囲に有効な人材がいないことに絶望を覚えた。
帝国の脅威
- ベルグストン伯爵は、オルトメア帝国が南部諸王国を通じてローゼリアを戦争へ引きずり込む計画を警告。
- 会議中、突如として重大な報せがもたらされ、物語はさらなる戦乱へと向かう気配を濃くした。
「ウォルテニア戦記 XII(12) 」

崩壊する王国と貴族の決断
王政の限界と貴族の分裂
- ベルグストン伯爵は女王を支える立場を捨て、領民保護のために離反を決意した。
- 平民による反乱と貴族殺害が発端で、王国の秩序が崩壊しかけていた。
- ゼレーフ伯爵の分析により、貴族層の支持はルピス女王から離れつつあった。
- ゼレーフ伯爵はエレナ・シュタイナーの動向が情勢を左右すると考えていた。
- 彼女は八千の兵を持ち、王国西方の軍事要として注目されていた。
ゼレーフ伯爵の襲撃と救出
暗殺者の襲来とマルフィスト姉妹の戦闘
- ゼレーフ伯爵は謎の襲撃者によって命を狙われ、絶体絶命の状況に陥る。
- 敵は強弓と高い戦闘能力を持ち、熟練の護衛すら即座に殺害された。
- 伊賀崎衆の援護を受けたローラとサーラが急行し、敵を殲滅した。
- 付与法術の施された黒刀で、双子は矢より速く敵陣に突入し、無言で敵を斬り伏せた。
エレナとの合意と新たな布石
セイリオスの発展とゼレーフの覚醒
- 亮真はゼレーフ伯爵をセイリオスに招き、半島の力を目の当たりにさせた。
- 半島の急成長に驚きつつも、ゼレーフは亮真の政治的手腕と策謀を評価した。
- ゼレーフは女王を見限ると共に、亮真の支援者として立つ決意を固めた。
- 彼の情報網は王宮の奥深くまで届き、亮真の戦略に不可欠な存在となった。
襲撃の黒幕と反女王派の連携
貴族内の対立と情報戦の幕開け
- ゼレーフ襲撃の犯人は王国騎士団の所属者と判明し、王宮内の関与が疑われた。
- ミハイルやメルティナの関与が示唆され、王権を守るための先制攻撃と見られた。
- 亮真はゼレーフとの連携を強化し、情報操作と内部崩壊を誘導する策を練る。
ザルツベルグ家の内情と婦人の覚悟
夫への反感と決別の選択
- 正妻ユリアは日々の屈辱と冷遇を受け続け、伯爵の暴挙に耐えていた。
- 密偵派遣の件で亮真からの抗議が届くが、伯爵は侮りを見せ軍事で対抗しようとする。
- ユリアは実家の父ザクスと密かに会い、新たな人生の選択を決断した。
戦の開幕と御子柴軍の進軍
北部十家の出陣と騎士たちの葛藤
- ロベルトとシグニスは、ザルツベルグ軍の双刃として出陣し、御子柴軍に対峙する。
- 戦場では、北部十家の将たちは御子柴軍を軽視していたが、精鋭装備に警戒感も漂っていた。
御子柴軍の圧倒的な初戦
野戦の布陣と高性能装備の優位
- 御子柴軍は武法術と付与法術による装備強化で速度と攻撃力に優れた突撃を敢行した。
- ザルツベルグ軍の指揮官シドニーは混乱の中で戦死し、前線が崩壊した。
- ロベルトとシグニスは反撃を試みるも、御子柴軍の兵の実力に翻弄される。
亮真との邂逅と撤退戦
ロベルトの敗北と新たな因縁
- ロベルトは亮真を戦場で発見し、戦斧を投げつけるも一閃で防がれる。
- 亮真の力量を認めたロベルトは、敵としてではなく宿敵としての興味を抱く。
- 一時的に両軍は撤退し、戦は終結を迎えるが、戦争の火種はさらに燃え上がっていた。
ミスト王国の中立的観察
フィリップ国王とエクレシアの会談
- ローゼリア王国の混乱を受け、ミスト王国は御子柴亮真の動向を注視する姿勢を選択した。
- 軽率な介入を避けつつ、戦の成否を見極めたうえで外交的判断を下すことを決定した。
「ウォルテニア戦記 XIII(13)」

ローゼリア王国の動揺と静かな策謀
女王と騎士の対話
- ルピス女王とメルティナ騎士は戦の発端となるイピロス情勢に緊張を募らせていた。
– 女王は民の損失に苦悩し、戦争回避を望んでいた。
– メルティナは理想だけでは国を守れないと覚悟を決め、現実的な対応に転じた。
密使派遣による策略
- メルティナは密かに戦の調停を図るふりをし、実際は亮真を国法違反に仕立て上げる布石を打った。
– 使者には余命僅かな元騎士ベクターが選ばれた。
– 書状は正式な国王印を欠いており、責任回避の体裁も整えられた。
イピロス戦線の展開
亮真軍の戦術と勝利
- ロベルトとシグニス率いるザルツベルグ軍は二日目の出陣を果たすが、亮真の策により分断される。
– 重装歩兵を主軸にした迎撃戦術が敵の突撃を無力化した。
– 挟撃を試みた敵を逆に包囲し、主力の一部のみを脱出させた。
難民流入による都市機能の崩壊
- イピロスには戦火を逃れた民が大量に押し寄せ、都市は飽和状態となる。
– 食料や物資は枯渇し、治安は急速に悪化。
– 領主たちは自領民のみを優先的に受け入れるよう懇願したが、伯爵はこれを退けた。
ザルツベルグ伯爵の迷走
- シグニスとロベルトは戦況の悪化を報告し、早期停戦を進言するが、伯爵は兵力優位を過信して拒否。
– 内部対立と物資不足により軍の士気も低下していた。
– 一方、亮真は領地襲撃と難民誘導で都市の統治能力を削ぎ続けた。
都市の崩壊と亮真の手
- 亮真はスパイを使って内部からの攪乱を進め、戦いを正面からではなく計略で制圧。 - イピロス内部に不満を抱く者たちの行動を促し、内側から都市の崩壊を誘発した。 - 貴族間の信頼関係も崩壊し、指揮系統が乱れていった。
ガラチアの静かな火種
光神教団の介入と飛鳥の葛藤
- 南端の街ガラチアに光神教団が到着し、ローゼリアの警戒を受けて足止めされていた。
– 異世界から来た飛鳥は保護されながらも利用されている現実に苦悩する。
– 従者の立花は彼女の未来と、兄亮真との再会について問いかけた。
浩一郎の動きと闇の襲撃
- 飛鳥の従者である浩一郎は、ガラチアの支配者が銃火器を保有している情報を得る。
– 組織の最強部隊【猟犬】が伯爵邸を襲撃予定であることを知り、飛鳥の安全を守るか否かで葛藤した。
– 最終的に彼は刀を手に取り、自ら行動に出る決意を固めた。
イピロス暴動の勃発
都市の混沌と怒りの連鎖
- 難民と住民の間で小競り合いが頻発し、やがて暴力沙汰に発展。
– 自警団と難民の間で乱闘が勃発し、次第に死者が出る深刻な事態となった。
– ジャニスの恋人アランの兄が死亡し、怒りと憎しみが臨界点に達した。
暴動の拡大と崩壊の兆し
- 市民の怒りは難民だけでなく統治者にも向けられ、ついに暴動が本格化。 - イピロスは内部からの崩壊が始まり、亮真の策略が完成に近づいた。 - 城塞都市は制御不能となり、亮真の勝利が目前となった。
「ウォルテニア戦記 XIV(14)」

大陸情勢の転換と組織の暗躍
サミュエルと組織の任務
- ガラチアの丘に【猟犬】の傭兵団が集結し、任務の準備を進めていた。
- 指揮官サミュエルは地球時代の戦場経験を回想しつつ、現地の銃回収を目的としていた。
- 魔法や言語翻訳の便利さと、銃の技術流出による世界変革への危惧を持っていた。
- 銃の回収任務は、現地文明に与える影響を防ぐために極秘裏に進められていた。
ウィンザー伯爵邸への潜入作戦
- 宿屋の地下施設に集結したヴェロニカ、鄭、そして伝説の男・浩一郎が密談を行った。
- ヴェロニカは浩一郎の復帰に驚くが、彼の提案に同行を決意。
- 深夜、三人は屋敷に潜入し、浩一郎がウィンザー伯爵を瞬時に暗殺。
- 銃を回収し撤退。ロドニーは右腕を斬られ敗北し、正体不明の影に圧倒された。
亮真の策略とイピロス制圧
戦略会議と城内工作
- 亮真はリオネらと共にイピロス制圧の最終作戦を確認。
- 住民と難民の対立を利用して騎士団の防衛を削減し、混乱を誘発。
- 伊賀崎衆と黒エルフ部隊が城内潜入を担当、リオネは敵の牽制を担当。
- 咲夜は亮真の奇襲策に懸念を示すも、亮真の信念に理解を示し退く。
ザルツベルグ伯爵との一騎打ち
- 城内で亮真がザルツベルグ伯爵と対峙。
- 両者とも武人として誇りを持ち、全力で剣を交える。
- 亮真が伯爵を討ち取り、イピロスを制圧。
- 城下の混乱を利用し、城を掌握した亮真は次なる戦場へと進む。
貴族院と王宮の動揺
ルピス女王の動揺と判断
- 北部戦線崩壊の報を受け、女王ルピスはショックを受ける。
- 貴族院はシャーロットの主導で亮真への制裁方針を決定。
- ベティーナら貴族令嬢たちも処分に賛同し、王宮内の対亮真包囲網が形成された。
- 女王は表向き冷静に振る舞うが、内心では複雑な感情を抱えていた。
エピローグ:須藤と教団の取引
密会と策謀の交差
- 王都ピレウスで須藤とローランド枢機卿が密談。
- 須藤は「北の男」すなわち亮真について情報を探る。
- 枢機卿は警戒を強めつつも協力を選び、両者の利害が一致する形で取引が成立。
- 須藤は亮真を利用可能な存在と見なし、より大きな混乱を画策。
混沌への序章
- 須藤は王都の裏路地で密偵を振り切りながら、戦乱の火種を意図的に広げていく。
- 御子柴亮真が動けば動くほど世界が混乱へと傾くことを期待していた。
- こうして、さらなる戦いと策謀の幕が再び上がろうとしていた。
「ウォルテニア戦記 XV(15)」

新たな陰謀の幕開け
光神教団の動向とリカルドの決断
- 須藤秋武を尾行する任務に失敗したリカルドが、光神教団の密偵として自責の念に駆られる。
- ローランド枢機卿は失敗を責めず、王都での諜報網構築を命じた。
- 須藤と光神教団の因縁が深まる中、新たな脅威として御子柴亮真の調査が密命となる。
ロドニーの鍛錬と精神の変化
- ロドニー・マッケンナが剣術に没頭し、極限の鍛錬を続ける。
- ウィンザー伯爵邸襲撃後、冷徹な判断を下すようになり、メネアは彼の変化に不安を覚える。
- 御子柴浩一郎の存在と、裏世界との関係が示唆される。
囚われのロベルトと揺れる忠誠心
捕虜生活とシグニスの告白
- イピロス城に捕らわれたロベルト・ベルトランが、異例の待遇に疑念を抱く。
- 幼馴染であり裏切ったシグニスとの再会により、御子柴の支配戦略が明かされる。
- エルメダの存在とガルベイラ家の家督継承により、シグニスの苦悩が浮き彫りとなる。
御子柴の戦略とロベルトの条件
- 御子柴亮真の戦略は、北部諸侯の内部事情を把握した計画的なものと判明。
- ロベルトは御子柴に仕える条件として、決闘による力量証明を求める。
統治と商会の思惑
ユリア夫人と亮真の会談
- ザルツベルグ伯爵夫人ユリアが亮真を訪ね、父ザクスとの協力を再確認。
- 経済改革により商会連合に大きな変革が及ぶことが示唆される。
商会間の和解と未来への布石
- クリストフ商会のシモーヌとの会談により、両商会の対立が和解へと向かう。
- 亮真の布石が単なる統治ではなく、貴族院との対決を見据えたものであると暗示される。
決闘と主従の誓い
亮真とロベルトの一騎打ち
- 亮真とロベルトがザルツベルグ邸の中庭で決闘を開始。
- 亮真は回復途上ながらチャクラを開放し、圧倒的な戦技で勝利を収める。
- ロベルトは主として亮真を認め、忠誠を誓う。
密偵の捕縛と貴族院の動き
密使カールの正体
- 異世界から召喚された元医学生カールが、情報収集のためイピロスに潜入。
- 咲夜の手により捕縛され、異世界出身者である可能性が浮上。
王都からの召喚状と新たな局面
- 貴族院からの召喚状が届けられ、亮真は証人として王都出廷を求められる。
- ハルシオン侯爵は法廷裁判による排除を画策。
- 亮真は仲間と共に王都行きを決断し、新たな戦いに向け準備を進める。
「ウォルテニア戦記 XVI(16)」

黒エルフの帰還と新たな任務
ディルフィーナの帰郷と家族との再会
- ディルフィーナは整備された街道を進み、変わり果てた故郷の風景に驚いた。
- 魔境は結界柱により安全が保たれ、街道には石畳が敷かれていた。
- 彼女は過去の苦難を思い出しつつ、故郷への愛着を再確認した。
- 父ネルシオスとの再会では、亮真への信頼と警戒の両面が語られた。
- ネルシオスは亮真の手腕を評価する一方で、黒エルフの立場から慎重な姿勢を示した。
交易の確保と黒蛇部隊の役割
- 亮真の指示により、貴重な薬草の供給と交易の拡大が進められた。
- シモーヌの協力で他種族との交渉にも成功した。
- 黒蛇は密命遂行や護衛を担い、亮真の信頼を得ていた。
王都ピレウスへの進軍と内部抗争
入城の遅れと女王の警戒
- 黒装の兵士たちは王都城門前で整然と待機し、入城許可を待った。
- 亮真は粘り強く待ち、衛兵に対して寛容な対応を見せた。
- ルピス女王は亮真の従順な姿勢に戸惑い、その真意を計りかねていた。
夜会と審問に向けた策略
- 亮真は夜会を通じて貴族を取り込み、支持基盤の拡大を狙った。
- 街道整備や料理人の選定にまで細やかな注意を払った。
- シモーヌは料理人・鮫島菊菜の経歴に疑念を持ち、警戒を強めた。
夜会と貴族社会の再編
マクマスター子爵の参列と変化の兆し
- 夜会には格式ある貴族も招かれ、彼らは御子柴家の財力と礼儀に驚いた。
- 会場では名門貴族たちが集まり、従来の力関係が変わり始めていた。
- 食材と料理には各地の名産品が用いられ、交易圏への参加を促す仕掛けが施されていた。
密談と支持者の獲得
- ベルグストン伯爵やゼレーフ伯爵が亮真への臣従を決意し、貴族社会に新たな動きが生まれた。
- 貴族たちはルピス女王への不信感を抱き、ラディーネ擁立の動きが加速していた。
暗闘の開始と襲撃事件
帰路の襲撃と反撃
- 夜会帰りのマクマスター子爵は、襲撃者に包囲され命を狙われた。
- 伊賀崎衆と咲夜が迅速に対応し、リオネ隊の到着で反撃が成功。
- 敵は処刑され、その死体は見せしめとして吊るされた。
ゲルハルト子爵との対話と暗殺未遂
- ゲルハルトとの密談中、護衛騎士たちが突如襲い掛かる。
- 亮真は丸腰のまま羅漢銭を使い、瞬時に敵を制圧した。
- その冷徹さにゲルハルトは震え、王国の滅亡を確信した。
裁判前夜と軍議の準備
軍議と勢力の結集
- ザルツベルグ邸には主要戦力が集まり、翌日の審問に備えて軍議が行われた。
- ディルフィーナたちは亜人代表として同行し、その戦闘力は信頼されていた。
- マルフィスト姉妹は彼女たちに対し、微かな対抗意識を抱いていた。
エレナの内心の葛藤
- エレナは亮真の決断を支持しつつも、亡き娘への思いと須藤の手紙に揺れていた。
- 国を守るという大義と個人の感情との板挟みに苦しんでいた。
王都への出発と不穏な兆し
- 護送車のような馬車で亮真は王都へと向かった。
- 迎えに来た廷吏ダグラスの不自然な笑みに警戒し、亮真は静かに賄賂を渡して様子を窺った。
- 鬼哭の鞘が鳴り、嵐の前触れのような空気が漂い始めていた。
「ウォルテニア戦記 XVII(17)」

権力への反旗と審問の攻防
貴族院の策略と亮真の孤立
- 亮真は貴族院の審問に呼び出され、不当な拘束と嫌がらせを受けた。
- 武器を奪われ、窓のない部屋に閉じ込められた。
- 食事すら与えられず、計画的な圧力が仕掛けられた。
- それでも彼は冷静を保ち、状況を逆手に取る行動に出た。
- 証人たち(ロベルトやユリア夫人)が予想外の証言で彼を擁護。
- ハルシオン侯爵の支配構造を揺るがす発言を重ね、貴族院を動揺させた。
策謀の崩壊と王の登場
- 亮真は自身の特権を公にし、貴族院の裁きの権限を否定した。
- 女王から授けられた半島の統治権が決定打となった。
- 審問中、彼は女王の存在を示唆し、ルピスの登場によって場が一変。
- 両者は静かに対峙し、それぞれの覚悟を示した。
武力による制圧と反逆の始まり
広間での戦闘と貴族院の崩壊
- 審問の場は突如、亮真によって戦場へと変貌。
- 素手から始まった戦いは、指弾や暗器を用いた鮮やかな制圧劇へと展開。
- 衛兵たちは彼に従い、貴族を囲んで剣を抜いた。
- ハルシオン侯爵らは逃げ惑うが、次々と討たれ、貴族院は壊滅。
ルピス女王の動揺とメルティナの提案
- ルピスは震えながら亮真の姿を見送り、その行動に衝撃を受けた。
- 側近のメルティナは、今回の事件を「反逆」として利用するよう進言。
- 国内の貴族を結束させるための策として動き出す。
脱出と決別、そして再起
亮真の撤退と次なる戦場
- ダグラス・ハミルトンの協力で地下通路から脱出。
- 待機していた仲間と合流し、王都を離脱。
- 一方、亮真の敵対勢力も動き出し、新たな戦乱の火種が生まれる。
カンナート平原での激戦
- 脱出後、亮真はカンナート平原で軍を編成し、迎撃態勢を整える。
- ロベルトとシグニスに騎兵隊を任せ、奇襲作戦を計画。
- 鋒矢の陣での戦術を選び、敵の包囲を逆に突破する構えを見せた。
祖父との再会と敵の狙撃
- 作戦準備中、亮真は祖父・浩一郎と再会。
- しかし直後、未知の遠距離狙撃を受け、異世界にない兵器の存在を察知。
- 戦術が魔法ではなく銃器的な手段に拡張されていることを警戒。
戦術逆転と勝利の瞬間
包囲網の突破と奇襲成功
- 敵指揮官クレイ・ニールセンの布陣を読み切り、後方から急襲。
- 騎兵隊が敵本陣を強襲し、クレイを討ち取る。
- 敵軍は統率を失い壊滅し、亮真は完全勝利を収めた。
王国との全面対決へ
- 勝報を受けたルピス女王は、亮真を「国賊」として討伐を宣言。
- 戦いは王国全土を巻き込む新たな戦乱へと発展。
- 王国と亮真の対立は、避けられぬ戦争の火蓋を切って落とした。
暗躍する黒幕と終わりなき策謀
須藤秋武の動きと久世の懸念
- 一方、別の場所では須藤秋武が久世昭光を訪ね、策謀の意図を語る。
- 組織の影が亮真と王国を巻き込み、さらに深く動き出していた。
- 久世は須藤の行動に危機感を抱き、これからの展開を危惧する。
新たなる火種の胎動
- 南方のガラチアでは、天秤の紋章を掲げた新たな軍勢が出現。
- 平和の終焉を告げる角笛が響き、新たな戦争の幕開けを示した。
「ウォルテニア戦記 XVIII(18)」

ローゼリア王国の混迷と光神教団の介入
王国の現状と光神教団の動き
- ローゼリア王国は内乱と帝国の侵攻により疲弊していた。
- 財政は逼迫し、社会福祉は崩壊寸前。
- 御子柴亮真による東部三ヶ国の通商条約で経済回復の兆しがあった。
- 王国は光神教団の支援を受ける決断を下す。
- 第十八聖堂騎士団がピレウスに到着。
- 市民の反応は不安と恐れに満ちていた。
貴族派閥の暗躍と王宮の動揺
- メルティナとミハイルは御子柴軍との戦で敗北した理由を検討。
- クレイ・ニールセンの別動隊がロベルトとシグニスに壊滅された。
- 須藤秋武が情報漏洩と「運」の概念を提示し、戦術を分析。
- 女王ルピスは教団枢機卿ローランドと会談。
- 政治的主導権を得るため、形式的な承認を利用。
- 枢機卿は亮真の存在に脅威と期待を抱いた。
御子柴陣営の外交と同盟構築
ミスト王国との密約成立
- 亮真は将軍エクレシアと海上で会談。
- ミスト王国は物資と兵力支援を非公式に提供。
- 条件として魚人族との仲介と弓騎兵の派遣を求めた。
- 両者の交渉は静かに同盟として成立。
- 戦局の天秤は王国不利へと傾きつつあった。
家族と絆の再確認
- 亮真は祖父・浩一郎と再会。
- 浩一郎は異世界からの帰還者であり、地下組織の存在を明かす。
- 飛鳥の救出には伊賀崎衆の協力が不可欠と判断。
- 自らの立場と覚悟を見直す。
- 王国との決別を選び、守るべき存在のために戦う覚悟を固めた。
内なる結束と忠義の継承
修練場での試練と結束の演出
- 浩一郎はシグニスと賭け試合を演じ、信頼と威信を強化。
- 戦いの中で彼の技量と狙いが明らかになる。
- 夜には鄭孟徳が亮真に挑み、敗北を喫する。
- ヴェロニカはそれが亮真の力を示す演出であることを明かす。
- 鄭は亮真を浩一郎の後継者と認め、心を定めた。
戦乱の兆しと教団の内情
出征前夜の情勢と騎士団の動き
- ピレウス郊外には教団を含む大軍が駐留。
- 第十八聖堂騎士団の動員により緊張が高まる。
- メネアとロドニーは飛鳥の安否を懸念。
- 飛鳥は怪物を討った過去を持ち、教団上層部の注目を集める。
- 教団は亮真の真意を探るため、具体的な行動に出る気配を見せる。
- 北部征伐はついに開戦。
- 各勢力の思惑が交錯し、戦乱の火蓋が切って落とされた。
「ウォルテニア戦記 XIX(19)」

戦火の前夜と不穏な兆し
セイリオスの朝と御子柴家の平穏
- 夜明けのセイリオスでは警備兵が巡回を終え、平穏な一日が始まっていた。
- 御子柴亮真が導入した夜勤手当により兵士の士気は安定していた。
- 厨房では料理長・鮫島菊菜が兵士の食事を整え、厨房はまるで戦場のような忙しさに包まれていた。
- 菊菜は亮真の味覚と感性を信頼し、料理人としての誇りを育んでいた。
鄭とヴェロニカによる組織内の動揺
- 鄭は菊菜に接触し、組織内に不穏な動きがあることを語る。
- 狙撃事件は暗殺ではなく警告であり、組織内部の抗争再燃を懸念していた。
- ヴェロニカも独自に動き、久世や須藤の真意を探ろうとしていた。
飛鳥と北部征伐軍の進軍
異世界の現実と戦場への不安
- 桐生飛鳥は二十万の兵が進む北部征伐軍に同行し、人命の軽視に衝撃を受けていた。
- 平民兵は装備も統制も不十分で、戦への動機は略奪であった。
- ルピス女王は略奪を容認し、貴族たちを戦へ駆り立てていた。
- 飛鳥はその判断に疑念を抱きつつも、戦略的必要性を理解していた。
飛鳥を巡る揺れと葛藤
- 飛鳥は御子柴亮真が自分の知る人物である可能性に悩んでいた。
- 過去の事件を思い返し、その裏に亮真の行動原理を感じていた。
- 同行する立花源蔵やロドニー、メネアも飛鳥の扱いに頭を悩ませていた。
戦略的混乱と御子柴の策
イピロス陥落と火計
- 偵察の結果、御子柴軍の不在を知った北部征伐軍はイピロスへ進軍。
- 城内の財宝に惹かれた兵士たちは統制を失い、略奪に走った。
- 忍び頭・伊賀崎咲夜が仕掛けた火計により、イピロスは地獄絵図と化す。
- 黒エルフの秘薬により爆発と炎が広がり、三万の兵が命を落とした。
咲夜の撤退と亮真の登場
- ハンググライダーで逃走した咲夜は負傷し、敵軍に捕捉される。
- エレナとの対峙の中で、信義と忠誠の意志が交錯する。
- 御子柴亮真が現れ、咲夜を救出し、エレナと短い言葉を交わして撤収。
要塞戦と補給線の崩壊
ティルト砦の防衛と兵站の罠
- 北部征伐軍はウォルテニア半島の入口に築かれたティルト砦を攻める。
- 地形と構造により、砦は極めて防衛に適しており、兵の集中を誘導していた。
- 御子柴は城塞都市から民を排出し、王国軍に十万の難民を押しつけた。
- 結果として敵軍の補給線は逼迫し、撤退も困難となっていた。
軍議と政治的決断
- エレナは要塞への正面攻撃を一旦否定しつつ、あえて進軍を支持。
- アイゼンバッハ伯爵ら激情に駆られた貴族に先陣を命じ、彼らを間引く狙いがあった。
- 力攻めの決断は、王女ルピスも了承した上での政治的選択であった。
戦局の分岐と亮真の次手
砦攻防戦の勃発
- 亮真は敵軍の動きを見下ろしながら、虎牢関に見立てた戦の開始を宣言。
- 多数の矢と火油が砦から降り注ぎ、敵軍は地獄の戦場と化した。
- 砦内の指揮所では亮真たちが余裕を保ち、敵の消耗を冷静に見守っていた。
後背への一撃
- 補給線を断つため、ネルシオスの協力で黒い船団が出撃。
- ロベルト率いる部隊がエクレシアと共にイラクリオンを目指して進軍。
- 御子柴亮真の策略は、前線と後方を同時に揺さぶる周到な布陣として展開されていった。
「ウォルテニア戦記 XX(20)」

ティルト砦攻防と貴族の無策
- ティルト砦にて御子柴軍が三週間にわたり防戦。
- 北部征伐軍は物量で攻めるも突破できず、戦線膠着。
- アダムが負傷兵の扱いの惨状を視察。
- 治療所は不衛生かつ平民兵の命は軽視されていた。
- ゲルハルト子爵がアダムの報告を受け現状を確認。
- 補給不足と戦局の停滞から御子柴側への寝返りを検討。
御子柴軍の戦略と咲夜の葛藤
- 御子柴亮真は敵補給切断を計画。
- 北部征伐軍が消耗しきるのを待ちつつ動静を見守った。
- 咲夜が療養中に自責の念に苦しむ。
- 祖父の助言により、自身の未熟と亮真の配慮に気づいた。
補給線破壊作戦の決行
- エクレシアが南部奇襲を指揮。
- 騎馬隊と黒エルフ部隊がテルミスを襲撃。
- 市街地を焼き払い、兵站を断つ。
- 補給物資を火矢で燃やし、敵の士気と物資に打撃を与えた。
女王派の混乱と戦略転換
- ミハイルが補給切断の報に驚愕。
- 王都近郊から兵を動員する策を進言。
- ルピス女王と側近たちが撤退戦を選択。
- 御子柴軍を平原に誘導し決戦へ持ち込む方針を決定。
ルノーク平原の会戦と御子柴の逆転
- 十五万の北部征伐軍が鶴翼の陣を敷いて進軍。
- 御子柴軍は通信法具を活用し横陣から柔軟に陣形変更。
- 黒エルフ部隊が矢雨による奇襲を実施。
- 敵陣に混乱を招き戦線を崩壊させた。
- リオネとネルシオスが中央・右翼を支えた。
- 重装歩兵と突撃隊が戦況を立て直し、突破口を形成。
- 偃月の陣で御子柴本隊が敵本陣へ突撃。
- クリスと交戦、彼の死をもって北部征伐軍は崩壊した。
教団の動向と桐生飛鳥の保護
- 聖堂騎士団が戦場での慈悲を拒否。
- 教団は御子柴亮真を危険視し、狙撃を通して試す。
- ロドニーと立花が飛鳥の身柄を守るため行動。
- 亮真が兄であると確信し、彼女を御子柴軍へ送ろうとした。
「ウォルテニア戦記 XXI(21)」

ローゼリア王国の崩壊への序章
- ドルーゼンの町が危機に直面し、町長と有力者たちは無策のまま会合に臨んだ。
- 若き銀行代理人が降伏を提案し、町長は御子柴男爵家への降伏を決断。
- 北部征伐軍の敗北により、王都ピレウスの士気は崩壊寸前となる。
- エレナとミハイルが責任を自覚し、敗因を戦術と貴族の私欲に求めた。
- ルピス女王の精神的崩壊が政情不安に拍車をかけ、ミハイルは防衛戦に備えた。
- 王都に十万の兵を集め籠城戦を視野に入れるが、女王の不信任が障壁となった。
異世界からの来訪者たちの交差
- 元警察官の立花源蔵が、異世界での活動と亮真との接触を試みる。
- 忍びの襲撃から逃れた後、ディルフィーナに捕らえられ、自身の目的を明かした。
- 亮真との面会により、立花はこの世界の均衡を保つための協力を申し出た。
- 信頼関係が築かれ、浩一郎や家臣たちとの再会も果たす。
光神教団との交渉と同盟構築
- 立花が光神教団のロドニーとメネアに亮真の動向を報告し、教団の対応が定まる。
- 光神教団は戦闘を避け、御子柴軍との会談を選択。
- 交渉使者として現れた浩一郎が、中立を保つよう光神教団に求めた。
- 枢機卿はその意図を理解し、休戦に向けた調印を了承。
地下からの救出作戦と御子柴流の継承者
- 飛鳥の救出作戦が実行され、ディルフィーナの導きで地下坑道を進行。
- 途中で襲撃に遭うが、亮真が現れ飛鳥を守る。
- 敵指揮官ディック・マクガールは御子柴流に詳しく、亮真の父の名を知る。
- 敵ながら戦闘を回避し、亮真は不穏な因縁を感じ取った。
戦後の布石と貴族たちの動き
- マクマスター子爵家は御子柴家との協力を巡り、娘ロゼッタの進言で傾き始める。
- 家の名誉と未来の繁栄の間で葛藤が続く。
- 光神教団の撤退が王都に動揺を広げ、ゲルハルト子爵は新たな連携先を模索。
- 有能な武将との会談に向かい、戦局の流れに新たな影響を与える兆しを見せた。
「ウォルテニア戦記 XXII(22)」

ロマクマスター家の決断と謀反の計画
- ローゼリア王国王都ピレウスのマクマスター子爵家に、元権臣ゲルハルト子爵が予告なく訪問。
- 突然の来訪は、王家に対する謀反の相談であった。
- ディグル子爵は王家への忠誠と国の現状の狭間で苦悩。
- ロゼッタは、王政が崩壊寸前である現実を見据え、父に非情な決断を迫る。
- 国益のために御子柴亮真との接触と、ルピス女王の排除を提案。
- 亮真は王政への関与に興味を示していないことを好機と見なす。
王都攻防戦と御子柴軍の進撃
- 御子柴軍四万五千が王都へ進軍。王都側は五倍の兵力を持ちながら士気低下に苦しむ。
- 王都軍は城壁防衛に集中するが、敵の装備と練度に圧倒される。
- 防御魔法付きの鎧と高い戦闘力を備えた御子柴兵により戦意喪失。
- 飛鳥は戦の現実に苦悩し、立花と浩一郎と共に亮真の戦略を静観。
- 飛鳥は亮真の動機と現代倫理の間で葛藤。
- 浩一郎は「憂国の士」の出現を待つ亮真の戦略意図を語る。
王城への突入とエレナとの対峙
- 亮真は地下道から王城へ潜入。エレナと対面し交渉を試みる。
- エレナは亮真を迎え撃つが、二人の剣技は互角。
- エレナは若返りの武法術を発動し、亮真の鎧すら斬る力を見せる。
- 亮真は全力の居合抜きで応戦し、最終的にエレナの剣を折る。
ラディーネ新王即位と新体制の始動
- 亮真はエレナの処遇を保留し、彼女を殺さず任務に用いる意志を示す。
- ミハイルが亮真とエレナを裏切り者として非難。対話は平行線に終わる。
- 亮真はラディーネ王女を擁立し、新宰相にマクマスター子爵を指名。
- 式典でゲルハルト子爵の陰謀が露呈し、エレナが貴族派の粛清を宣言。
- 新体制が成立し、王都は実質的に御子柴家の支配下に入る。
女王ルピスの逃亡と終焉
- ルピスは川に落ち、須藤秋武によって発見され、救助される。
- 二週間後、敗走するルピスとメルティナが南へ逃れる。
- メルティナは毒手裏剣で重傷を負い、ルピスを逃がすために命を賭ける。
「ウォルテニア戦記 XXIII(23)」

ルピス救出と須藤の思惑
- 須藤秋武は毒に侵されたルピス・ローゼリアヌスを保護した。
- 彼女はローゼリア王国の元王族で、美貌を誇るが、今は無力な状態であった。
- 須藤は彼女を将来の投資対象として見ており、あえて距離を取りながら介護した。
- ルピスは意識を取り戻し、須藤の真意に疑念を抱いた。
- 自身の無力さを痛感しつつも、王国の現状と御子柴亮真の動向に関心を示した。
- 須藤は彼女に御子柴が政権を取らず半島に帰還した事実を告げ、軍事力はあるが政治的影響は薄いと語った。
ザルーダ王国の不安とユリアヌスの苦悩
- ユリアヌス国王はローゼリア王国の変化に危機感を抱いていた。
- 新女王ラディーネの政権が安定する背景に、有能な補佐役の存在を見出した。
- 一方で、国の未来のために健康を犠牲にしながら政務を続けていた。
ラディーネ政権とシャーロットの台頭
- ラディーネは国政に奮闘しつつ、御子柴との関係構築に悩んでいた。
- シャーロット・ハルシオンは彼女の相談役として、政略結婚を含めた対処を提案した。
- シャーロットはお茶会を利用して他貴族の反応を探り始めた。
王都の混乱と御子柴の制裁
- 王都ピレウスでは衛兵が市民を襲撃する事件が発生した。
- 被害者夫婦を救うため、御子柴亮真が介入し、衛兵たちを討伐した。
- 市民の間では御子柴の行動が驚愕と感謝を呼び、貴族に対する不満が噴出した。
- マリオ・ロマーヌが暴行に関与していたため、御子柴は彼を粛清した。
- 双子の部下が圧倒的な戦闘力で相手を制圧し、事件の主犯を倒した。
- 亮真はこの行動により、自身の存在を強く印象付けた。
マリオ事件後の政治交渉と亮真の意図
- 亮真はマクマスター子爵とエレナに対し、事件の損害賠償を要求した。
- 被害者夫婦への補償や秘薬使用費などを含め、高額な請求書を提示した。
- この要求はロマーヌ家を追い詰め、他貴族への警告となった。
- エレナと亮真は、旧体制貴族の一掃に向けた協力体制を築いた。
- ラディーネ女王を支えるため、不正貴族を処分し国政改革を推進した。
亮真の昇爵とラディーネの懐柔策
- ラディーネは亮真に大公位と領地を与え、恩賞で取り込もうとした。
- 亮真は複雑な感情を抱きながらもこれを受諾した。
- 同時に、ラディーネはルピスの消息について確認したが、生死は不明であった。
- エレナらはメルティナとミハイルの遺体を丁重に扱い、亮真の信頼を得た。
戦雲の再来とオルトメア帝国の動き
- オルトメア帝国は約20万の軍を集結させ、ザルーダ王国への侵攻を開始した。
- 司令官ジョシュアは迎撃体制を整えつつ、動揺する貴族の掌握に苦慮していた。
- 王ユリアヌスの病が重く、国内の統制が崩れる懸念が広がった。
- シャルディナ・アイゼンハイトら帝国の将軍たちは、ザルーダ王国への進軍を本格化させた。
「ウォルテニア戦記 XXⅣ(24)」

ザルーダ王国の危機と亮真の対応
- ザルーダ王国からの密書が亮真に届き、ユリアヌス一世の危篤とオルトメア帝国の侵攻が発覚した。
- 密書を運ぶ諜報員は命を懸けて移動していた。
- 情報が他国にも漏れている可能性を考慮しながら、亮真は支援の必要性を検討した。
- イピロスやウォルテニア半島の復興を進めるにあたり、亮真は浩一郎を派遣する判断を下した。
- 鮫島やヴェロニカの忠誠心や力量には疑念があった。
- ローゼリア王国の内政混乱と、貴族層との利害調整を進めるため、亮真は慎重に人材を選定した。
貴族女性の茶会と亮真の意図
- 茶会が白水館で開かれ、ベティーナは最後に到着し、立場に配慮しながら振る舞った。
- 白水館は過去の王のスキャンダルの舞台でもあり、重い歴史を背負っていた。
- メイドに扮したマルフィスト姉妹が登場し、茶会場へとベティーナを案内した。
- 茶会では亮真が各地の特産物で菓子を提供し、貴族たちの信頼を得た。
- 亮真の意図は、彼女たちの家門の存続を支持する姿勢を示すことであった。
- 参加者たちは亮真の厚遇に応え、国家の課題について意見を交わす場となった。
- 最終的にシャーロットたちにロマーヌ子爵家の処遇を委ねた。
ロマーヌ子爵とオルグレン子爵の陰謀
- 息子の死で怒り狂うロマーヌ子爵は、メイドへの暴力と酒に溺れる日々を過ごしていた。
- 執事が来客の報を伝え、オルグレン子爵レナードが邸を訪問した。
- レナードは意図的にロマーヌ子爵を挑発し、審問開催の流れを作り出す。
- テルミスの街の被害や、王国での不満を巧みに利用した。
- ロマーヌ子爵はレナードの策に乗り、御子柴大公家への報復を誓った。
審問の開催と亮真への支持
- 騎士団が審問開催を公表し、ロマーヌ子爵は勝利を確信した。
- しかし、王女ラディーネが亮真への全権委任を宣言し、議場は驚愕に包まれた。
- エレナとマクマスターがロマーヌ子爵を追及し、彼は自らの非を認めて失脚した。
- 議事堂では貴族たちが自己保身のため彼を切り捨て、亮真の影響力が証明された。
亮真の振り返りと次なる課題
- 審問後、亮真とリオネは今後の方針を確認した。
- ロマーヌ子爵の予想外の屈服に驚きつつ、ラディーネの器量を高く評価した。
- 次なる課題として、ザルーダ王国への援軍派遣が挙がる。
- 亮真はその複雑さを認識しつつ、戦略を再構築する意志を固めた。
西方での動乱と戦局の拡大
- ミスト王国のエクレシア将軍は、ザルーダへの支援の限界と光神教団の影響力に悩んでいた。
- 西方ではブリタニアとタルージャの侵攻が始まり、戦局が急変した。
- ジェルムクの戦いでは、トニーが矢に倒れ、連合軍の存在が明らかになった。
- タルージャがブリタニアに協力する背景が疑問視され、亮真は連携の可能性を疑った。
- 亮真はブリタニア=タルージャ連合を殲滅後にザルーダへ転戦する計画を立てたが、そのリスクも理解していた。
飛鳥と教団側の描写
- 飛鳥は旧ザルツベルグ伯邸に滞在し、亮真の質素な生活ぶりに戸惑っていた。
- ロドニーは情報収集と教団との関係調整を任務とし、その立場を飛鳥に説明した。
- 光神教団の体質に疑問を持つ飛鳥は、宗教観の違いから摩擦を懸念していた。
- メネアとロドニーの穏やかな受け止め方に救われ、自責の念を和らげた。
- ロドニーは浩一郎の背景に何らかの組織の関与を疑っており、今後の動向に注視していた。
「ウォルテニア戦記 XXV(25)」

王都脱出と政変の余波
アレンとエリックによる城門開放
- 王都ピレウスからロマーヌ子爵家の一族が荷馬車で深夜に脱出。
- 守備隊のアレン・ウッドが責任を負う覚悟で城門を開けさせる。
- 副隊長エリックは命令に従いつつも、アレンの処遇に不安を抱く。
- アレンの地位はぺルマン家との婚姻によるもので、政治的背景が強い。
ロマーヌ家の逃亡と悲劇
- 子爵家一族はタルージャ王国を目指して南方へ逃亡。
- 長旅による疲弊、食糧や育児による重圧が一族にのしかかる。
- 御子柴亮真の和解提案を拒否した結果、逃亡を余儀なくされた。
- 一族は領民の復讐に遭い、夫が死亡。家族も壊滅状態となる。
政権内の情報戦と軍事展開
御子柴亮真の政務と諜報の負担
- 亮真は膨大な決裁書類に追われ、伊賀崎衆や密偵の活用を検討。
- シャーロット達が諜報網の一部を担う方向で調整が進む。
- ザルーダやミスト王国への派遣工作も進行中。
紅獅子傭兵団の遠征準備
- リオネが遠征軍の総指揮官として出陣。
- ロベルトとシグニスが副将として支える。
- ボルツやシモーヌが後方支援と物資調達を担当。
- 御子柴軍は歩兵・騎兵ともに高品質な装備を持ち、兵の教育にも注力。
ミスト王国と南方戦線の混乱
エクレシアの苦悩と亮真の接近
- ミスト王国の将軍エクレシアは、ジェルムクの防衛と行政に追われる。
- ジェルムク周辺の村が略奪される中、兵の士気と復興資金に苦悩。
- 亮真が四万の兵を率いて神速で接近し、エクレシアと合流。
- 南部の貴族は援軍編成を遅らせ、実戦から逃げようとする姿勢を見せる。
ジェルムク戦と戦術の成果
包囲網突破と亮真の奇襲作戦
- ブリタニア・タルージャ連合軍が六万でジェルムクを包囲。
- 完全な包囲は不可能であり、誘引戦を試みる。
- 亮真は天候と装備を活かして不意を突く戦術を採用。
- 鬼哭を用いて敵を蹴散らすが、力の暴走に葛藤も抱く。
- 奇襲成功により、連合軍は撤退、ジェルムクは解放される。
戦後の余波と外交的懸念
- 王都エンデシアでは勝利に沸く一方、国王フィリップは礼節軽視を懸念。
- フィリップは亮真の功績を評価するが、貴族層の反発を警戒。
- 隠遁していたアレクシス・デュランが軍務復帰を告げる書状を送付。
- シュピーゲルの策によるものであり、今後の政局に波紋を及ぼす可能性が示唆された。
「ウォルテニア戦記 XXVI(26)」

曇天の下の憂慮とザルーダ王国の混迷
- リオネが曇天の空を見上げつつ、ザルーダ王国の戦況に憂慮を抱く。
- ザルーダ王国は鉱物資源に恵まれるが、農業には不向きであり飢饉のリスクが高い。
- 王族・貴族・官僚の意見は分裂し、政治的統一が困難な状況にある。
- オルトメア帝国との戦争に孤立しており、貴族たちは保身に走り、命令系統が機能していない。
ジェルムク防衛線と亮真の対応
- 城塞都市ジェルムクの包囲解除後、亮真が敵情を注視する。
- 連合軍の包囲網を突破したが、敵は依然大軍を保持している。
- 亮真は黒エルフ族の技術を取り入れ、双眼鏡の導入で索敵力を強化。
- 黒エルフ族を対等に扱い、技術向上と生産体制の改善を模索。
政務と技術革新への姿勢
- 現場の負担と生産性のバランスを意識し、改善提案に慎重である。
- 無意味なマニュアル化が逆効果となる現実を理解している。
- 将として兵の命を預かる責任を自覚し、指揮の根拠を明確にしようとする。
王都での謀略と情報戦
- デュラン将軍とシュピーゲル宰相が会談し、エクレシアへの反感を利用した謀略を画策。
- 噂による世論操作が貴族に与える影響を分析し、政略の一環として活用。
- 組織に拾われた楠田が過去を思い返しつつ、御子柴亮真抹殺の任務に参加。
政変と王殺し
- ジェルムクに集結した軍の戦略会議中、王殺しと政変の報が届く。
- シュピーゲル宰相がフィリップ国王を刺殺し、火災により証拠隠滅を図る。
- 政変によって国情が混乱し、兵の士気が大幅に低下。
- 亮真は籠城の困難を悟り、撤退の決断を下す。
裏切りと戦術的反撃
- デュラン将軍の裏切りが明らかとなり、亮真は情報提供者ハンスを処刑。
- 戦象の突進を迎え撃つため、斜陣を構築し太極拳のように受け流す戦術を採用。
- マルフィスト姉妹が連携術で雷撃魔法を発動し、敵陣に混乱を引き起こす。
- 爆発と雷光の連携により敵陣を突破し、戦局を一気に逆転させた。
エピローグに見る後方支援の重責
- ジェルムクから離れたウォルテニア半島で浩一郎が政務に追われていた。
- 戦闘には不向きな文書処理を苦手としつつも職務に尽力。
- 家臣たちが前線で活動する中、自らが後方支援を担う重要性を認識。
- 政務の非効率に苛立ちを抱きつつも、ネルシオスとの会談準備を進めていた。
「ウォルテニア戦記 XXVII (27)」

ミスト王国軍の行軍停止と難民問題
- ミスト王国は経済力と軍事力を持つ国家で、十五万を超える兵を南下させていた。
- 軍を率いるデュラン将軍は忠誠貴族の調整や補給線管理に苦心していた。
- ジェルムクへの進軍中に突如停止が発生し、側近が前方調査に向かう。
- その結果、三十万を超える難民の存在が判明し、軍の進行が妨げられる。
- デュランは民衆と衝突を避けるため、野営地の変更と指揮官の対応を評価する。
- 絶対的な規律より柔軟な対応を重視し、優れた部下の昇格を検討した。
- 難民の出現は御子柴亮真の策略であり、住民を故意に避難させた結果であった。
- デュランは亮真の戦略眼を認め、興味を抱くようになる。
部族の対立と戦象部隊の壊滅
- ルブア平原では、マニバドラ部族の戦象部隊が亮真の罠により壊滅する直前の状況が描かれる。
- この部族は機動力と個人技を重視し、西方では異質な戦法をとっていた。
- 部族内では誇りと現実主義を巡る対立があり、ハリシャは誇りを重視、ラーヒズヤは契約を優先していた。
- ラーヒズヤは実利を重んじ、物資の供給維持を図った。
- ハリシャは戦象部隊の先鋒志願をし、部族の名誉をかけて出陣したが、亮真の策に嵌まり敗北する。
- 彼女は戦いの中で自らの信念を悔い、意識を失って倒れた。
連合軍の動揺とラウルの死
- ラウル・ジョルダーノは戦象部隊の壊滅により精神的打撃を受けた。
- 中軍は物理的損失は少なかったが、士気が著しく低下した。
- 敵軍は側面から突撃し、連合軍の統率を崩壊させた。
- ラウルは槍による攻撃を受けたが護衛により一時的に助かった。
- 最終的にクリス・モーガンとラウルは一騎討ちとなり、クリスの一撃によりラウルは戦死した。
亮真の策略と心理戦の展開
- 亮真は戦象部隊の壊滅とラウルの死を心理戦に活かし、敵軍の士気を徹底的に削る戦略を取った。
- 通信魔具「ウェザリアの囁き」を利用して情報を速やかに伝えた。
- 敵軍の副将撃破の報せにより、ブリタニアのブルーノは混乱し戦況逆転の困難を実感する。
- 亮真はさらに敵本陣を狙って攻撃を仕掛けた。
- ブルーノは亮真と交戦し、一騎討ちの中で武器を破壊されるが、部下の介入で亮真は撤退した。
- この撤退は心理的に亀裂を残し、ブリタニアとタルージャの関係にも影響を及ぼした。
戦後処理と新たな展望
- 亮真は戦後、城塞都市イラクリオンに入り、次なる戦略を練った。
- 貴族の反感を買いながらも王族の支持を得ており、状況は安定していた。
- 再遠征の是非を巡り、クリスとレナード、エクレシアらと会議を行い、情報収集と慎重な行動が確認された。
- サーラからのザルーダ王国支援提案が有効策として採用された。
- 亮真は、戦略の切り札としてブルーノへの間接的謀略を準備し、内部崩壊を誘導しようと考えた。
- ロドニーとメネアをその実行者として検討し、マニバドラ部族との同盟強化も視野に入れていた。
組織の裏事情と須藤の登場
- 港町バーミンゲンでは、組織の幹部須藤秋武が楠田智弘の報告を受けた。
- 楠田はアレクシス・デュランを利用した作戦に失敗し、処遇を懸念していた。
- 須藤は楠田に高級ワインを振る舞い、試験の一環として接触した。
- そのうえで楠田に及第点を与え、今後も監視下に置きながら役割を継続させる意向を示した。
「ウォルテニア戦記 XXⅧ(28)」

眠り姫の目覚めと交渉の兆し
- ハリシャは爆発に巻き込まれて意識不明となったが、ラーヒズヤに救出され、イラクリオンで眠り続けていた。
- ラーヒズヤは彼女の回復を祈りながら、交渉の時機を見定めていた。
- 爆発でハリシャの愛象も死に、精神的な傷を懸念していた。
- 二日後、ハリシャは目を覚まし、鬼人種の未来に希望を示す存在となった。
亮真の苛立ちと交渉の懸念
- 御子柴亮真は執務室で軍の再編成や補給の書類に追われていた。
- 補佐官サーラの心遣いでひとときの安らぎを得るも、神への不満を感じていた。
- ハリシャの回復が交渉相手の変化を意味し、亮真はその影響を懸念した。
- 会談を前に、慎重な準備と戦略の再考を迫られた。
マニバトラ部族との意外な和解
- 会談当日、亮真はマニバトラ部族の文化に配慮した衣装で交渉に臨んだ。
- ハリシャは亮真の援助を受け入れる意思を示し、亮真を驚かせた。
- 交渉では食料支援と引き換えに、部族が御子柴家と連携して戦う提案が出された。
- ハリシャは夜叉たちに恩恵を与えるため、協力を選んだ。
- 亮真は予想外の展開に動揺しつつも、協力関係を結ぶ決断を下した。
祖父との密談と未来への布石
- 亮真は祖父・浩一郎に交渉成功を報告し、裏に秘策があることをほのめかした。
- 浩一郎は亮真の計画を見抜き、共に戦う意思を固めた。
- 二人は戦略的協力を確認し合い、軍の今後に向けた準備を進めた。
ウシャス盆地での激戦
- ザルーダ王国はオルトメア帝国の侵攻により劣勢に立たされていた。
- グリード団長は祖国防衛のため戦意を保っていたが、限界も近かった。
- ロベルト・ベルトラン指揮の援軍が到着し、戦局が一変した。
- ザルーダ軍は混戦の中、三千騎の奇襲で敵本陣を突く策を実行。
- ロベルトは圧倒的な力で敵を打ち破り、勝利を収めた。
- 敵将トレットは退却を決意したが、対応が遅れ敗北を喫した。
王都防衛と別動隊への待ち伏せ
- シグニス・ガルベイラは王都近郊の練兵場で備えていた。
- 自信に不安を抱えつつも、鍛錬を重ねていた。
- 伊賀崎衆の報告により、別動隊を発見し待ち伏せを決行。
- 罠による崖崩れと伏兵によって敵を壊滅状態に追い込んだ。
- 敵将ロルフとの一騎打ちでは、シグニスが優位に立ち左腕を奪った。
- 突如現れた須藤秋武が戦闘に介入し、文法術でロルフを救出。
- シグニスは追撃を断念し、残敵の掃討に集中した。
黒エルフ部隊の進軍と緊張
- 御子柴大公軍の黒エルフ部隊がペリフェリアへ進軍を開始。
- 精鋭で統一された装備を持ち、異様な迫力を放っていた。
- 旅人がその軍勢の正体に驚き、密偵と疑われる場面もあった。
- 農夫夫婦とのやりとりを経て、誤解が解けた。
- 指揮官ネルシオスは戦場に思いを馳せ、戦の高まりを感じていた。
- この進軍はザルーダ王国の命運を握る重要な局面を告げていた。
「ウォルテニア戦記 XXIX(29)」

ボレアース号と劉大人の登場
- 西方大陸を航行する高速帆船ボレアース号が描かれる
- 帆と内燃機関の併用で驚異的な速度を実現
- 船長ストルムは緊張しつつ航行を指揮
- 組織の長老・劉大人が乗船し、フルザードへの到着を目指す
- 劉大人は護衛ルカイヤと親しげに接しつつ、御子柴亮真との面会を計画
亮真の苦悩と決意
- 王都ピレウスで、亮真は女王への謁見に向けて緊張する
- ミスト王国遠征では火竜の息吹を消費し、補給問題が浮上
- 新王オーウェンの即位が和平交渉に影響し、不安が高まる
- ラディーネ女王と謁見し、マクマスター伯の働きで貴族の不満を抑えていると知らされる
- 組織の関与に警戒しつつ、交渉のため幹部との接触を決意
ザルーダ王国とネルシオスの提案
- ペリフェリアでネルシオスが登場し、王の治療を申し出る
- ロベルトやリオネと再会し、信頼を得る
- ネルシオスは、国王復帰が国の安定に必要であると主張
- 同時に領土奪還の計画を明かし、協力を得る
ユリアヌス王の治療と粛清
- 深夜、ネルシオスは王の寝室で寄生虫「血蟲」を発見し治療を実施
- 看病していたメイド・ジェーンが暗殺者と判明し、制圧される
- 亮真からの書状に従い、状況を逆転させる策を採用
- 数日後、王は復調し、ジョシュアと国の未来について協議
- 自身の感情を抑え、王国存続のため決断を下す
粛清と反乱軍への反撃
- 国王の死は偽装であり、裏切り貴族を謁見の間に集め粛清
- アルムホルト侯爵の野望と過去が明かされる
- 反乱軍三万が進軍するも、御子柴軍が奇襲し壊滅
- 王都内でも降伏派貴族が一掃され、王国再建が始動
フルザードでの再会と取引
- 亮真は交易都市フルザードに到着
- 鼻薬で検問を通過し、劉大人と面会
- 亮真は政変の黒幕と取引するため、劉大人に協力を要請
- 劉大人は了承し、久世昭光という名を伝える
ロルフの内面と帝国の焦燥
- 皇帝の盾ロルフは戦敗と罪悪感で心を閉ざしていた
- 戦場で部下を失い、復帰できず苦悩する
- 一方、セロン砦ではシャルディナが侵攻計画を再構築
- 粛清によるザルーダの団結を前に、次なる一手を模索
- ロルフ不在が戦局に影を落とす中、彼女は新戦力の投入を決断する
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