小説「皇帝の薬膳妃 紅菊の秘密と新たな誓い」感想・ネタバレ

小説「皇帝の薬膳妃 紅菊の秘密と新たな誓い」感想・ネタバレ

どんな本?

『皇帝の薬膳妃』は、アジアン・ファンタジーの舞台を背景に、宮廷内の陰謀と愛情が交錯する物語である。
主人公の董胡(とうこ)は、幼い頃に出会った麗人「レイシ」に憧れ、その専属薬膳師になる夢を抱き、男装して医術を学び続けてきた。しかし、運命のいたずらにより、彼女は皇帝の妃としての立場を強いられ、妃と薬膳師という二重生活を送ることになる。

物語の魅力は、董胡が異なる役割を演じながらも、揺るぎない信念を貫いていく姿にある。王宮の華やかな日常の裏では、さまざまな陰謀や権力争いが渦巻き、彼女は薬膳の力を駆使しながら課題を解決し、自身の正体を守り抜かなければならない。

『皇帝の薬膳妃』は、後宮の美しさと危うさが織り交ぜられた世界観と、主人公の成長が見どころである。複雑な人間関係と感情が丁寧に描かれ、登場人物それぞれに奥深い背景が用意されているため、物語を読み進めるほどに引き込まれるだろう。

華やかな宮廷の表と裏で繰り広げられるドラマを楽しみたい人に、ぜひおすすめしたい作品である。

読んだ本のタイトル

皇帝の薬膳妃 紅菊の秘密と新たな誓い
著者:尾道 理子 氏

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あらすじ・内容

謎のしきたり・内医官殉死制度の闇を暴け! 壮大なアジアンファンタジー。

伍尭國(ごぎょうこく)の妃と薬膳師、一人二役の生活にも慣れてきた董胡。
王宮で自らの侍女たちや、時折宮に訪れる皇帝・黎司に薬膳料理を振る舞い、皆の笑顔に喜びを感じていた。

ある日、董胡は、黎司と敵対する玄武公・亀氏(きし)一族の皇太后からお茶会に招かれる。
玄武公らはずっと董胡を見くびっていたが、ついに黎司の董胡への寵愛ぶりに目をつけたようだ。
皇太后から怪しい茶を出されるが、董胡は機転を利かせ、何とかその場を乗り切る。

しかし後日、玄武公より新たな侍女頭として王琳(おうりん)という女性が派遣されてきた。
玄武公の間者らしき彼女に、董胡たちは警戒を強めるが――。

真っすぐで伸びやかな一人二役ヒロイン・董胡が王宮にはびこる悪習に斬り込む!
重版がとまらないアジアンファンタジー、待望の第3弾!

皇帝の薬膳妃 紅菊の秘密と新たな誓い

感想

伍尭國の皇帝・黎司の后でありながら、薬膳師としても王宮で活動する董胡は、一人二役の生活に次第に慣れていった。
彼女は侍女たちや黎司に薬膳料理を振る舞い、笑顔を見せる彼らの姿に喜びを感じる日々を送っていた。
そんな中、玄武公・亀氏一族の皇太后からお茶会に招かれるが、そこで董胡は見た目が怪しい茶を出される。
毒を疑った董胡は妊娠の可能性を理由に茶を断り、亀氏一族の怒りを買うものの、麒麟荘時代の董胡を知る雄武のとりなしもあり、その場をうまく収めた。
さらに、玄武公から送り込まれた新たな侍女頭・王琳の存在が、董胡の周囲に緊張をもたらす。

王琳は当初、董胡を監視する役割を担っていたが、やがて彼女の夫が先帝の崩御に巻き込まれて殉職させられていたことを知る。
王琳は過去の悲劇を乗り越え、董胡に協力する道を選ぶ。
彼女との絆が深まる中、董胡は王宮の複雑な権力関係の中で徐々に信頼出来る仲間を得ていく。
さらに、黎司と董胡は玄武公の陰謀に立ち向かい、悪しき慣習である殉死制度の改革にも挑むことを誓う。

物語は、董胡が朱璃に正体を明かされる場面でクライマックスを迎える。
彼女の正体が明らかになったことで、今後の展開が一層楽しみとなった。
黎司との関係がどのように発展するのか、そして玄武公との決着がどのようにつくのか、注目せざるを得ない内容である。

本作は、董胡の成長や新たな仲間との絆を描きつつ、王宮に渦巻く陰謀と改革への挑戦を巧みに描いた作品である。

読者を引き込む展開と登場人物たちの葛藤が絶妙に織り交ぜられ、次巻への期待がさらに高まる一冊となっている。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

【伍尭國の背景】

• 伍尭國は五行思想に基づき、北に玄武、南に朱雀、東に青龍、西に白虎、中央に麒麟の皇帝が統治する国であった。

• それぞれの領地が独自の特色を持ち、玄武は特に医術の都として名を馳せていた。

【董胡の生い立ちと男装の理由】

• 董胡は玄武の医師・卜殷に育てられた平民の少女であった。

• 医師資格を得るため、男子と偽って生活し、試験に合格するも、突然の転機が訪れた。

• 彼女は実は玄武の一の后・鼓濤として皇帝・黎司の后宮に輿入れする運命を負わされる。

【黎司との初期の関係と二重生活】

• 黎司は「うつけ」と噂され、董胡は冷たい扱いを受けながらも、男装した医官として黎司の近くで活動を開始した。

• 董胡は黎司を助けるために奔走し、鼓濤と医官が同一人物だと気付かれないまま、次第に黎司は董胡に心を開き始めた。

【朱雀の妓楼街での危機と密偵活動】

• 黎司は天術で朱雀の妓楼街に奇妙な病の流行を予見し、董胡に調査を命じた。

• 董胡は密偵として妓楼街に赴き、病の原因を突き止め、主犯格の若君を追い詰めたが取り逃がした。

• 病の流行を抑え、董胡は朱雀の危機を救うことに成功した。

【波乱の予兆:皇太后からの招待】

• 朱雀での任務を終えた董胡は、再び玄武の后・鼓濤として穏やかな日々を取り戻そうとしていた。

• ところが、輿入れ以来、無視され続けていた皇太后から突然のお茶会への誘いが届き、新たな波乱が巻き起こる予感が漂っていた。

一、黒水晶の宮

【伍尭國の成立と領地の役割】

• 創司帝が伍尭國を建国し、未来を読み風を操る力を持つと言われた。

• 国は五行思想に基づき、麒麟の皇帝が中央に位置し、北の玄武、南の朱雀、東の青龍、西の白虎が結界を守るため、それぞれの地に輝石を奉納していた。

• 玄武の地には黒水晶が祀られ、領主である亀氏がその結界の守りを担っていた。

【董胡と医師試験の結果】

• 玄武の都で董胡は男子として医師試験を受け、首席で合格したが、次男・雄武は二番となり失望に沈んだ。

• 雄武は董胡に負けた悔しさを抱えながらも、不正をせずに自力で勝とうと決意した。

• しかし玄武公はこの結果を不満に思い、董胡を排除する策を画策するよう章景に命じた。

【玄武公と章景の策謀】

• 玄武公は、皇帝が突然崩御したことを機に医官たちの殉死の慣例を利用し、董胡を排除する計画を進めた。

• 章景は、皇帝の死後に董胡を内医官に任じ、殉死させる公明正大な方法を提案した。

• また、貴族医官たちの入れ替えも画策し、平民出身の医官を一掃する計画が進められた。

【雄武の葛藤と後悔】

• 雄武は父の冷酷さと章景の策謀に恐怖を覚え、董胡が排除されることに深い罪悪感を抱いた。

• 勝利を収めるどころか、董胡を救えなかった自分に激しい後悔を感じ、勉学にも集中できなくなった。

• 麒麟寮で董胡の消息を探す楊庵を見て、その罪悪感はさらに強まり、生きる気力を失いかけていた。

【董胡の生存と雄武の希望】

• 雄武は妹・華蘭の侍女から、董胡が生きており、帝の一の后として輿入れしたとの噂を聞いた。

• その話を疑いつつも、董胡が生きていることを確かめるため、雄武は彼女に会う機会を探し始めた。

• 皮肉なことに、その好機は董胡が侍女頭代理・董麗に扮し、偶然弟宮と出会ったことで訪れた。

二、黎司と翔司

【董胡と翔司皇子の出会い】

• 竜胆の花が咲く季節、董胡は侍女頭代理・董麗に扮し、大朝会からの帰り道で花に見惚れていたところ、翔司皇子と出会った。

• 翔司は董胡に特別な魅力を感じ、彼女の姿が心から離れなくなっていた。

• 彼は華蘭と会話を交わしつつも、心の中で竜胆の姫君のことを思い出していた。

【玄武公と皇太后の策略】

• 翔司の母・皇太后と玄武公は、帝の廃位を画策していたが、帝の予見が当たったことでその計画は頓挫していた。

• 翔司は兄・黎司の冷酷な行動を信じ、彼を廃するべきだと信じ込まされていた。

• 翔司は帝の一の后の侍女の行く末を心配しており、侍女の未来について玄武公に問いかけた。

【兄・黎司との偶然の再会】

• 翔司は帰り道、兄・黎司と貴人回廊で偶然出会い、彼に対して不信感をぶつけた。

• 翔司は兄の行いを非難し、もし侍女たちに害を加えるようなことがあれば許さないと宣言した。

• 一方で黎司は、翔司との会話を関係修復の糸口として前向きに捉えた。

【董胡の不安と黎司の思い】

• 帝・黎司は董胡に対し、彼女が弟・翔司と出会ったのではないかと問いかけたが、董胡は侍女頭代理としての出会いを隠した。

• 董胡は黎司の弟への一方的な愛情に気づき、彼が心から翔司を案じていることを理解した。

• 帝は董胡への感謝の印として衣装を贈ることを約束し、董胡は複雑な感情を抱きつつもその申し出を断ることができなかった。

【朱雀での董胡の働きと后宮の平穏】

• 帝の予見が的中し、朱雀での危機が解消されたことで、董胡は平穏な后宮生活に戻った。

• 帝は董胡の薬膳を心から楽しみ、その料理に感謝の意を示した。

• しかし、董胡はその穏やかな生活が続かないことを予感していた。

【皇太后からの突然の招待】

• 董胡は、后宮に入って以来無視され続けていた皇太后から、突然お茶会に招待される。

• 招待には玄武公、華蘭、そして雄武も参加予定であった。

• 董胡は、この顔ぶれに不安を覚えながらも、お茶会に出席せざるを得ない状況に追い込まれていった。

三、皇太后のお茶会

【お茶会の準備と不安】

• 皇太后からの突然の茶会の招待を受け、董胡と侍女の茶民、壇々は緊張して準備に追われた。

• 華美すぎず、地味すぎない衣装と髪型を整え、昼過ぎに皇太后の二の后宮へ向かった。

• 董胡は冷静さを保ちながらも、玄武公や華蘭、雄武が揃った茶会に不安を覚えていた。

【皇太后の試練と侮辱】

• 皇太后は董胡の衣装や振る舞いに対して侮蔑的な言葉を投げかけ、董胡の平民出身を揶揄した。

• 侍女の壇々が謝罪しようとしたが、侍女たちに厳しく叱責され、董胡が代わりに謝罪した。

• その後、皇太后は董胡に医師免状について問い詰め、彼女の医術の実力を否定した。

【毒を疑わせる茶の提供】

• 皇太后は董胡に「黒露の玉」という濃い茶を提供し、董胡を困惑させた。

• 茶の色や量が常識外れで、董胡は毒の可能性を疑いながらも、飲むべきか葛藤した。

• 皇太后と侍女たちは董胡に茶を飲むよう強要し、董胡は冷静に茶の効能について語り始めた。

【懐妊の噓と雄武の支援】

• 董胡は懐妊の可能性を理由に茶を飲まないと宣言し、場の空気を一変させた。

• 雄武が医師としての知識に基づき、董胡の主張を支持し、彼女の危機を救った。

• 皇太后や玄武公は怒りを抑えながらも、それ以上茶を強要することはできなかった。

【董胡と雄武の対立】

• 茶会後、董胡は雄武に追いかけられ、自身の医師の道を断たれたことへの怒りをぶつけた。

• 雄武は董胡が生きていたことに安堵していたが、その言葉が彼女の怒りをさらに煽った。

• 最終的に董胡は雄武に二度と自分の前に現れないよう言い放ち、その場を去った。

【新たな策謀の芽生え】

• 茶会の終了後、皇太后と玄武公は董胡への不信感を深め、彼女の始末を考え始めた。

• 皇太后は新たな策を練り、玄武公と共に次なる行動を計画した。

【董胡の決意と警戒心】

• 宮に戻った董胡は、侍女たちから懐妊の噓について問い詰められるが、軽く受け流した。

• 董胡は茶に毒が含まれていた可能性を考え、王宮の恐ろしさを再確認した。

• 彼女は今後、身分の高い者との接触に対して警戒を強める決意を固めた。

四、薬庫の再会

【壇々の体調不良と董胡の薬庫訪問】

• 皇太后のお茶会の翌日、壇々が知恵熱を発し、董胡は薬の調達を決意した。

• 董胡は医官の服に着替え、王宮の薬庫に勤める平民医官・万寿を訪ねた。

• 万寿とは薬草好きという共通の趣味を持ち、親しい関係を築いていた。

【楊庵との再会と誤解】

• 董胡が万寿に冬虫夏茸を贈ると、万寿は驚きと喜びを見せた。

• そこへ楊庵が登場し、万寿との間で「董胡の兄弟子」という誤解が原因で口論となった。

• 董胡の仲裁により誤解が解けたが、二人の間の険悪な空気は解消されなかった。

【偵徳と楊庵の関係と計画】

• 楊庵は董胡に、偵徳先生が王宮を脱出するよう提案していることを伝えた。

• 内医司の職務は外部との接触が制限されるため、楊庵は自由を求めて医師免状を取る意志を固めた。

• しかし、董胡は自らの立場やレイシの状況を理由に、王宮を去る決断ができなかった。

【董胡とレイシへの思い】

• 楊庵は、董胡が自分よりもレイシや后を優先していることに落胆した。

• 董胡は、レイシへの思いが変わらず強いことを自覚しつつも、その事実を楊庵に伝えられなかった。

• 楊庵はそれでも董胡を支え、医師免状取得の決意を新たにした。

【楊庵と雄武の確執】

• 楊庵は、董胡の行方を巡り雄武とトラブルになった過去を語った。

• 雄武の取り巻きによる暴力に不満を抱く一方で、雄武が直接手を下していないことにも気づいていた。

• 董胡は雄武の本音を疑い、彼の親切が何か裏のある行動ではないかと警戒した。

【董胡と楊庵の別れ】

• それぞれの用事を果たすため、董胡と楊庵は再会を約束して別れた。

• 董胡は楊庵に、次の訪問時に饅頭を贈ると約束し、楊庵は万寿との関係改善を誓った。

• 二人は笑顔で別れ、再び会う日を楽しみにした。

五、侍女頭・王琳

【壇々の回復と甘味尽くしの茶会】

• 董胡の煎じ薬と看病により、壇々は三日後に完全回復した。

• 回復を祝うため、董胡、茶民、壇々の三人で『甘味尽くしの茶会』を開催した。

• 茶民と壇々は董胡の料理を楽しみ、雄武に対する好意を示しつつ、董胡の態度に疑問を抱いた。

• 董胡は雄武に対する嫉妬心を明かし、麒麟寮での嫌な思い出を語った。

【王琳の登場と侍女頭への任命】

• 茶会の途中、侍女頭に任命された王琳が登場し、茶会を強制的に中断させた。

• 王琳は董胡に従う侍女二人(茶民と壇々)に対して厳しい態度を取り、宮下げを進言したが、董胡はそれを制止した。

• 王琳は玄武公の間者として、董胡の行動を監視するために送り込まれた可能性が高い。

【王琳による厳格な規律と董胡の窮屈な生活】

• 王琳の監視下で、董胡は自分で料理を作ることを禁止され、自由な生活が奪われた。

• 茶民と壇々は王琳の厳しい規律に恐れを抱き、董胡と共に息苦しい日々を送ることになった。

• 王琳が甘味嫌いであることを見抜いた董胡は、料理での懐柔が困難であると悟った。

【レイシとの再会と王琳への警戒】

• 帝であるレイシが董胡を訪ね、王琳の監視下での再会が行われた。

• レイシは王琳の存在に気づき、鼓濤と玄武公の関係が表面的であることを察した。

• レイシは董胡に「何かあれば知らせるように」と助言を伝え、理解を示しながらも短時間で退室した。

【董胡の苦悩と決意】

• レイシとの会話で一時的に心が救われたものの、董胡は王琳の存在によって日常生活が制約される現状に悩んだ。

• 董胡は自力で問題を解決する決意を固め、レイシに負担をかけないように努めた。

• こうして、董胡は今後も王琳の厳しい監視のもとで生活し続ける覚悟を決めた。

六、密偵、楊庵

【王琳の支配と董胡の孤独】

• 数日が過ぎ、王琳は后宮の女嬬や雑仕を完全に掌握し、董胡はさらに窮屈な生活を強いられた。

• 茶民と壇々も忙しくなり、董胡は孤独を感じながら日々を過ごしていた。

• 夜半、董胡は自らの将来や、レイシとの関係について悩みを抱え、眠れない日々が続いていた。

【楊庵の訪問と密偵活動】

• 夜中、楊庵がレイシの命を受けて董胡の寝所に忍び込み、侍女頭・王琳の素性を探るための密命を受けた。

• 楊庵は翠明の式神の助けを借りて后宮に入り込み、董胡に王琳の調査を約束した。

• 楊庵は次の大朝会の時間を使って董胡と会う手筈を整え、密偵活動の一環として紅菊の花壇を指定した。

【偵徳の調査と復讐心の芽生え】

• 偵徳は王宮の医官記録を調べ、先代皇帝の殉死者リストから、友人であり恩人でもある医官・秋仲が殺されていたことを知った。

• 偵徳は玄武公や皇帝への復讐を誓い、そのために密偵として王宮内で活動する決意を固めた。

• 一方、楊庵は万寿から王琳に関する情報を集め、王琳の素性が壁宿の貴族医師・吐伯の妻である可能性を示唆する情報を得た。

【吐伯と王琳の過去の繋がり】

• 楊庵は万寿から、吐伯が亡くなり、王琳が実家に戻った経緯を聞き出した。

• 偵徳は、吐伯の名が先代皇帝の殉死者リストに含まれていたことを確認し、吐伯が殉死させられた背景に玄武公の策略を疑った。

• 偵徳は吐伯を失ったことで、玄武公とその関係者への憎しみをさらに深めていった。

【董胡の光明と再会の準備】

• 董胡は楊庵がレイシの命で后宮に来たことにより、再び楊庵と会える希望を見出し、心の支えを得た。

• 偵徳と楊庵は、それぞれの立場から王琳の素性や背景に迫り、次の大朝会を待つ準備を整えた。

• 董胡にとって、次の大朝会は再び楊庵と会い、さらに自らの運命を切り開く重要な一歩となることを予感させた。

七、消えた董麗

【帝の訪問と朱璃との対話】

• 朱璃は珍しく后としての装いを整え、黎司を迎えた。侍女たちの勧めに応じ、后らしい姿を試したのがその理由であった。

• 黎司は朱璃の美しさに感嘆しながらも、自身が他の后宮の女性と距離を置く理由を説明した。

• 帝は、後継者問題や政敵の危険から、后達と深く関わらないようにしていると語った。

【朱璃が求めた『とうれい』の真実】

• 朱璃は幼い頃に心惹かれた女性「とうれい」について調査を依頼していた。黎司はその女性の正体が皇女・濤麗であることを明かした。

• 濤麗は玄武公のもとに嫁ぎ、一人の姫君を産んだが、その後、早世していた。黎司は濤麗が玄武公の子ではない可能性を指摘し、彼女の死因に不自然な点があることを示唆した。

【玄武の后の謎と朱璃の疑念】

• 帝は、玄武の一の后が濤麗の娘であることを示唆し、その素性について明確な情報が得られないことに疑問を抱いていた。

• 朱璃は董麗と董胡に関する疑念を深め、彼女たちの正体や目的を探ろうと決意する。

• 玄武の后が帝の心を掴もうとしている可能性を考えつつ、朱璃は調査を進める覚悟を決めた。

【大朝会での董麗の消失】

• 朱璃は大朝会の日に董麗を問い詰めるため、侍女頭・禰古に彼女を連れて来るよう命じたが、董麗は大朝会に現れなかった。

• 禰古は、新しい侍女頭が董麗の存在を否定し、董胡についても知らないと冷たく答えたと報告した。

• 朱璃は董麗と董胡がまるで最初から存在しなかったかのように消えたことに困惑し、玄武の后に関する謎がさらに深まった。

【玄武の侍女頭の不気味さ】

• 新たな侍女頭の冷たい態度に、禰古は恐怖を感じ、さらなる接触をためらった。

• 朱璃は董麗と董胡の消失の謎に頭を悩ませ、事態の真相を探るための次の一手を考えることとなった。

八、紅菊の密会

【董胡と楊庵の計画実行】

• 大朝会の日、董胡は王琳の動向を監視し、皇太后に報告するため王琳が後宮を離れる時間を把握した。

• 侍女たちの助けを受け、董胡は医官姿に変装して後宮を抜け出し、白虎の園丁寮の紅菊の花壇に向かった。

• 菊の花壇を探しながら、董胡は紅菊の位置を確認し、レイシと対面する準備を整えた。

【レイシとの密会】

• 董胡は紅菊の花壇でレイシと密会し、レイシから后宮での自分の姿が確認できないことを心配されていた。

• レイシは董胡に、玄武の后宮にいる王琳が、かつての内医助・吐伯の妻であることを明かした。

• 董胡は、レイシが自分を守るために危険を冒してまで会いに来たことに感動し、彼への信頼を深めた。

【王琳の過去と不審な行動】

• レイシは、王琳の夫・吐伯が先帝の命で内医助に任命され、殉死制度により命を落とした事実を語った。

• 董胡は、王琳が冷淡で感情のない人物と見えながらも、夫との関係が疑わしいことを不審に感じた。

• また、王琳が玄武公の命令に従って侍女頭となった背景に、何らかの取引があった可能性を考えた。

【レイシからの警告】

• レイシは、未来の先読みで玄武の后が捕らえられる光景が見えたことを董胡に警告した。

• 董胡はその危険を防ぐために、王琳に対して強い立場を取る覚悟を固めた。

• レイシは董胡に、鼓濤を守るよう依頼し、密会を終えた。

【王琳と皇太后の密談】

• 大朝会後、王琳は皇太后のもとを訪れ、后の様子を報告した。

• 皇太后は、董胡(鼓濤)が薬膳師として料理を作ることを黙認するよう王琳に命じ、その料理に毒を盛る可能性を示唆した。

• 王琳は、皇太后からの圧力と兄・安寧を救うために帝の命を奪う選択を迫られ、精神的に追い詰められた。

【王琳の葛藤と決断】

• 王琳は、兄・安寧が内医助に任命されることを避けるため、皇太后の提案に従うかどうかで深く悩んだ。

• 皇太后からの冷酷な言葉と侍女たちの煽りに、王琳は強い葛藤を抱えながら一の后宮に戻った。

• 最終的に、王琳は董胡の料理に毒を盛るか否かの決断を迫られる状況に追い込まれた。

九、帝の暗殺者

【董胡と饅頭の準備】

• 董胡はレイシとの密会後、王琳が戻ってくる前に料理を準備しようと決意した。茶民と壇々に急かされながら、饅頭を作り始めた。

• 王琳が「氷女」ではないかと茶民と壇々が不安を口にしつつも、董胡はレイシの話を思い返し、王琳が甘味好きだったことを疑問視した。

• 饅頭の完成後、董胡は王琳の病状に着目し、彼女の異変に気付く。

【王琳の倒れと診断】

• 王琳は突然倒れ、董胡が支えながら診断を開始した。彼女の手は冷たく震えていた。

• 王琳が服用していた薬の成分を確認し、董胡は「当帰芍薬散」を摂取していたことを突き止めた。

• しかし、董胡はその薬が効かなくなった原因を、王琳の病状の変化によるものだと判断した。

【糖虚(低血糖)の診断と治療】

• 王琳の病状は「糖虚(低血糖)」によるもので、董胡は甘味を摂らなくなったことが症状の悪化を引き起こしたと見抜いた。

• 彼女の拒絶する甘味に配慮し、董胡は雑穀粥と辛味の強い豆板辣油で治療を試みた。

• 粥を食べた王琳は次第に回復し、董胡の治療が効果的だったことを証明した。

【王琳の過去と思い出】

• 王琳は、亡き夫・吐伯との幸せな日々を思い返し、彼の死を通じて世の不条理を痛感した。

• 王琳は夫の死により、理想や正義を貫くことが難しい現実を悟り、自らが悪に染まる決意を固めた。

• 吐伯の死をきっかけに、彼女は兄・安寧を守るため、非情な行動を選ばざるを得なくなった。

【董胡と王琳の関係の変化】

• 王琳は董胡の治療を受け入れ、董胡の料理に対して反対することがなくなった。

• 侍女たちが董胡の料理を歓迎する中、董胡は王琳の態度の急変に不審を抱くが、そのまま料理の準備を進めた。

• 三日後、レイシが鼓濤を訪れる予定が決まり、董胡は全力で膳の準備を整えた。

【雄武の訪問と対立】

• 雄武が突然董胡を訪問し、侍女たちの前で彼女に乱暴を働いたが、最終的には謝罪して去った。

• 雄武の態度に董胡は警戒しながらも、彼の行動が敵意に満ちていたことを確認した。

【毒の選択と王琳の葛藤】

• 帝の訪問に備えた董胡は料理の準備を整えたが、王琳は料理に毒を混入する計画を巡って心の葛藤を抱いた。

• 王琳は帝を毒殺することで兄を守ろうとするが、鼓濤への感謝と忠誠心の狭間で揺れ動いた。

【帝の毒見と王琳の決断】

• 帝が到着し、毒見が実施されたが、王琳は毒を入れた汁椀を手に取った。

• しかし、董胡の指示で帝が汁を飲むと、帝は突然苦しみ始めた。

十、帝のいない殿上会議

【殿上会議と玄武公の策謀】

• 皇宮の一階にある殿上院で、帝不在の中、二院八局の重臣が集まって会議が始まった。

• 玄武公は帝が体調を崩したとの報告を利用し、内医助の任命を強行しようとした。

• しかし、帝・黎司が会議に現れ、玄武公の思惑を打ち砕き、重臣たちの動揺を引き起こした。

【帝と王琳の対話】

• 前夜、王琳は毒を使おうとしたが、鼓濤に見透かされ思い留まった。

• 王琳は鼓濤から、夫・吐伯がただの犠牲として使われた事実を知らされ、真実を探るために帝の前に立つことを決意した。

• 帝は王琳に温かい言葉をかけ、夫の死を悼む姿勢を示したことで、王琳は帝の人柄を誤解していたことに気付いた。

【黎司の決断と翔司の選択】

• 殿上会議で黎司は、殉死制度の廃止を宣言し、その意図を重臣たちに説明した。

• 弟宮・翔司は葛藤を抱えながらも、殉死制度の廃止に同意する意思を表明した。

• 翔司の態度の変化は、玄武公にとって予期せぬ打撃となった。

【殉死制度の廃止と禁呪の導入】

• 黎司は、殉死制度の廃止を詔で決定し、これに対する違反に禁呪を施すと宣言した。

• 禁呪の効果で、帝の死後に殉死を命じた者には同じ死を与えると明言した。

• 玄武公は黎司の覚悟を前に屈服し、不敵な微笑を浮かべながらも賛同を示さざるを得なかった。

【王琳の新たな誓い】

• 王琳は、自分の使命を理解し、夫・吐伯の死を無駄にしないために生き続けることを誓った。

• 王琳は、帝のために全力を尽くし、夫の志を語り継ぐことを決意した。

• 新たな覚悟を胸に、王琳は帝と共に未来を切り拓くことを決意した。

十一、新たな波瀾の幕開け

【帝の決断と側近たちとの対話】

• 帝・黎司は殿上会議後、玄武公の策謀を打ち破ったことに安堵した。

• 鼓濤と董胡への感謝を表し、彼らに贈る品を準備していた。黎司は董胡に正体を明かす時期が来たと考え、正式な薬膳師として迎え入れる決意を固めた。

• 禁呪の話についても、実際には使えないはったりであったことを打ち明けた。三種の神器が揃わない限り、天術は完成しないとの懸念も示された。

【董胡と后宮の状況】

• 董胡は后宮で王琳と信頼関係を築き、王琳は董胡を通じて皇太后の動向を探る密偵となった。

• 茶民と壇々は董胡と親しく接し、王琳の存在がもたらす厳格さを嘆きながらも、平穏な日常に安堵していた。

• 尊武の登場が后宮に波紋を呼び起こし、董胡は彼の存在に脅威を感じた。

【尊武の登場と後宮での動揺】

• 尊武は后宮に現れ、華蘭と親密に交流した。華蘭は彼に帝の一の后である鼓濤の排除を依頼する。

• 尊武は華蘭の依頼を快く受け入れ、策略を巡らせる姿勢を見せた。

• 一方で董胡は尊武の出現に警戒し、恐怖と不安に駆られた。

【董胡の正体の発覚】

• 朱雀のお后・朱璃が董胡の正体を見抜き、董胡に御簾を上げて素顔を明かすよう迫った。

• 圧倒された董胡は観念し、自らの正体を明かした。

• 朱璃と董胡の間に緊張感が漂い、互いに一歩も譲らぬ気迫で対峙する新たな騒動が始まろうとしていた。

【後宮の新たな騒動の兆し】

• 董胡と朱璃の対立が黎司の知らぬところで勃発し、后宮に新たな波乱を呼び起こす予感が高まった。

• 董胡は正体を明かした後も強い意志を持ち続け、朱璃との対峙に備えた。

• これからの后宮の運命は、帝の決断と后たちの行動に大きく左右されることとなる。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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